JP2004048855A - 距離継電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作領域の限界付近では従来の測距演算精度を保ち、母線に比較的近い地点での事故に対しては高速に検出し、トリップ指令を出力する。
【解決手段】ディジタル式距離継電方式において、ディジタルデータを入力し所定の演算式に基づいて継電器設置点から見て前方事故検出演算を行う方向継電要素と、前記ディジタルデータを入力し所定の演算式に基づいて継電器設置点から見て予め定めた整定範囲内の事故検出演算を行う第1段距離継電要素と、前記ディジタルデータを入力し、前記第1段距離継電要素の演算に使用するデータの時間長よりも短いデータの時間長で演算するとともに、当該第1段距離継電要素よりも狭い範囲の事故検出演算を行う事故検出継電要素とを備え、前記第1段距離継電要素あるいは事故検出継電要素の少なくとも一方の動作と、前記方向継電要素の動作とを条件に継電器出力を導出するようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電力系統の保護を行う距離継電装置に係わり、特に至近端事故を高速度に検出することが可能な距離継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、距離継電装置は継電器の設置点から見た事故点方向を判別する方向継電器と継電器設置点から事故点までの距離を求める距離継電器との組み合わせにより、保護範囲内の事故か否かを判断し、保護範囲内の事故の場合直ちにしゃ断器トリップ信号を出力するように構成されている。
【0003】
図21はインピーダンス平面上で表した方向継電器として機能するモー継電器および距離継電器として機能するリアクタンス継電器の動作特性図を示し、両継電器の特性の重なりあった部分即ち図中のハッチング部分が距離継電装置としての第1段保護領域である。
【0004】
図22はこれら継電器の組み合わせによる距離継電装置の第1段動作出力を導出するロジックシーケンス回路である。
Mhoはモー継電器であり、X1はリアクタンス継電器である。11はこれら双方の継電器が同時に動作(すなわち動作出力「1」)したときに動作するアンド回路であり、距離継電装置の第1段出力Z1を生じるように構成されている。
【0005】
ところで、前記リアクタンス継電器X1に関しては、一般に自端子から相手端子までに亘る送電線全長の80%程度を保護範囲とするように整定されている。距離継電装置が主保護用として使われる場合、第1段X1の動作領域(80%)内に系統事故が発生したとき高速動作を要求され、残り20%の範囲に系統事故が発生したときは、第2段X2の保護範囲のため、後備保護用として働くようにタイマーによって限時動作する。図23はこの様子を対向するA端子、B端子にそれぞれ設けられた距離継電装置Ry−A、Ry−Bの第1段動作範囲、第2段動作範囲として示している。
【0006】
距離継電装置が入力変成器の特性に基づく誤差や演算部での演算誤差などにより、継電器設置点から事故点までの距離を実際よりも短く計算した場合、本来の保護範囲以遠の事故までもトリップすることになる。これをオーバリーチと呼ぶが、オーバリーチは電力系統に対し、大きな影響を与える場合があるため、故障点までの距離の演算には高い精度が要求される。
【0007】
また、方向継電器についても、演算を誤れば方向継電器にとって背後事故であるにも拘わらず、トリップさせてしまうことになるため、距離継電器と同様に高い精度が要求される。
【0008】
図24は、距離継電装置をディジタル形保護継電器で構成した場合のブロック図である。電力系統TLの電圧V、電流Iはそれぞれ電圧変成器PTおよび変流器CTにより変換され、さらに補助変成器1−1、1−2により所定の大きさに変換される。この補助変成器1−1、1−2から出力された電圧、電流はアナログフィルタ2に入力されて高周波の雑音を除去される。アナログフィルタ2の出力はサンプルホールド回路3に入力されて所定サンプリング間隔でサンプリングされたのち、マルチプレクサ4で時系列に並び替えられ、A/D変換器5でディジタルデータに変換され、ディジタルフィルタ67に入力される。このディジタルフィルタ67は、例えば、電気学会大学講座、保護継電工学、第110頁、第6.1表に掲載されているので詳しい説明は省略するが、保護継電演算に悪影響を与えるような成分たとえば、直流成分などを除去するように機能する。そしてこのディジタルフィルタ67の出力を演算回路89に入力して事故方向および測距演算を行い、その演算結果を所定のロジックに基づいて論理処理し継電器としての指令を出力する。
【0009】
なお、前記ディジタルフィルタの伝達関数は、一般的には使用するデータ時間長を長く、すなわち多くのサンプリングデータを使用することにより、より性能の高いフィルタを作成するようにしているが、その反面フィルタ処理に時間がかかるり、応答は遅くなる。
【0010】
演算回路89についても、例えば電流の大きさを求める場合「電気学会技術報告第641号 保護継電器システム基本技術体系」P85などに記載されているように多くのサンプリングデータを使って演算を行う継電器演算アルゴリズムからより少ないデータを使って演算を行う継電器演算アルゴリズムまで複数有り、演算回路89もフィルタと同様、データの窓枠(使用するデータの時間長)を長く取って多くのデータを使えば、精度は上がるが一般的に応答は遅くなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、測距演算の精度を上げるためには、フィルタあるいは継電器演算方式として雑音に強いものを選ぶ必要があるが、その反面動作時間が犠牲になってしまう。
【0012】
その一方で、母線に近い地点の事故(至近端事故)の場合、事故電流が大きく系統に与える影響も大きいため、継電器としての高速動作への期待もあるにも拘わらず、従来の保護継電器では保護範囲境界部付近の事故(上述の自端子から見て80%付近の事故)に対して測距精度を上げようとして多くのデータを使っており、その結果、系統に影響を与えかねないような大きな至近端事故の場合でも動作時間を早くすることができなかった。
【0013】
そこで本発明の目的は、保護範囲の境界部付近では従来と同等の測距演算精度を保ち、継電器設置点に近い地点に発生した事故に対しては高速度に検出し、トリップ指令を出力することのできる距離継電装置を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係わる距離継電装置の発明は、保護対象から取り込んだ電圧および電流に関する電気量を所定の間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換し、このディジタルデータを入力して事故方向演算および距離測定演算を行い、これらの演算結果を予め定めたロジックに基づいて継電器出力として導出するようにした距離継電装置において、前記ディジタルデータに基づいて所定の演算式に基づいて継電器設置点から見て前方事故検出演算を行う方向継電要素と、前記ディジタルデータを入力し所定の演算式に基づいて継電器設置点から見て予め定めた整定範囲内の事故検出演算を行う第1段距離継電要素と、前記ディジタルデータを入力し、前記第1段距離継電要素の演算に使用するデータの時間長よりも短いデータの時間長で演算するとともに、当該第1段距離継電要素よりも狭い範囲の事故検出演算を行う事故検出継電要素とを備え、前記第1段距離継電要素あるいは事故検出継電要素の少なくとも一方の動作と、前記方向継電要素の動作とを条件に継電器出力を導出するようにしたことを特徴とする。
【0015】
この請求項1記載の発明によれば、方向継電要素および第1段距離継電要素側で使用するデータの時間長よりも事故検出継電要素側で使用するデータの時間長を短くすることにより、第1段距離継電器の保護範囲よりもさらに狭い領域の事故を高速に検出することが可能となり、信頼度の高い方向判別継電器と組み合わせることで、信頼度を保持したまま、高速動作を実現することが可能となる。
【0016】
また、請求項2に係わる距離継電装置の発明は、前記方向継電要素、前記第1段距離継電要素および前記事故検出継電要素は入力データをディジタルフィルタによってフィルタ処理したのち所定の保護演算をするように構成され、かつ各ディジタルフィルタは前記方向継電要素および第1段距離継電要素におけるフィルタ処理に要する時間よりも、前記事故検出継電要素におけるフィルタ処理に要する時間を短く設定されていることを特徴とする。
【0017】
この請求項2記載の発明によれば、事故検出継電要素側のディジタルフィルタのフィルタ処理に要するデータの時間長を、方向継電要素および第1段距離継電要素側のディジタルフィルタのフィルタ処理に要するデータの時間長よりも短くしたので、第1段距離継電器の保護範囲よりもさらに狭い領域の事故を高速に検出することが可能となり、信頼度の高い方向判別継電器と組み合わせることで信頼度を保持したまま、高速動作を実現することが可能となる。
【0018】
また、請求項3に係わる距離継電装置の発明は、請求項1において、前記方向継電要素、前記第1段距離継電要素および前記事故検出継電要素は入力データをディジタルフィルタによってフィルタ処理したのち所定の保護演算をするように構成され、かつ前記方向継電要素および第1段距離継電要素における保護演算に使用するデータ時間長よりも、前記事故検出継電器における保護演算に使用するデータ時間長を短く設定したことを特徴とする。
【0019】
この請求項3記載の発明によれば、事故検出継電要素の演算に要するデータ時間長を第1段距離継電要素の演算に要するデータ時間長よりも短くすることにより、事故検出継電要素は第1段距離継電要素の保護範囲よりもさらに狭い領域の事故を高速に検出することが可能となり、信頼度の高い方向判別継電器と組み合わせることで信頼度を保持したまま、高速動作を実現することが可能となる。
【0020】
また、請求項4に係わる距離継電装置の発明は、請求項1,2または3において、前記方向継電要素よりも整定値の大きい第2の方向継電要素を備え、この第2の方向判別要素および前記事故検出要素が共に動作した場合、あるいは前記方向継電要素および前記第1段距離要素が共に動作した場合にいずれかの場合に、継電器出力を導出することを特徴とする。
【0021】
この請求項4に記載の発明によれば、新たに設けた大整定値の第2の方向継電要素と事故検出継電要素とが動作すれば第1段動作出力が生じるため、前記方向継電要素の整定値が小さい場合でも高速動作を保つことができる。
【0022】
また、請求項5に係わる距離継電装置の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記事故検出継電要素として、前記第1段距離継電要素の距離整定値よりも小さい整定値のモー継電器を使用することを特徴とする。
この請求項5記載の発明によれば、モー継電器により第1段距離継電器の保護範囲よりもさらに狭い領域の事故に対して、高速動作を実現することが可能となる。
【0023】
また、請求項6に係わる距離継電装置の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記事故検出継電要素として、前記第1段距離継電要素の距離整定値よりも小さい整定値の距離継電器を使用することを特徴とする。
【0024】
この請求項6記載の発明によれば、第1段距離継電要素の距離整定値よりも小さい整定値の距離継電器を使用することによりさらに狭い領域の事故に対し、高速動作を実現することが可能となる。
【0025】
また、請求項7に係わる距離継電装置の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記事故検出継電要素として、電圧が予定値以下になったことを検出する継電要素を使用することを特徴とする。
この請求項7記載の発明によれば、電圧のみから、第1段距離継電器の保護範囲よりもさらに狭い領域の事故に対し、高速動作を実現することが可能となる。
【0026】
また、請求項8に係わる距離継電装置の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記事故検出継電要素として、電流が予定値以上になったことを検出する継電器を使用することを特徴とする。
この請求項8記載の発明によれば、電流のみから、第1段距離継電器の保護範囲よりもさらに狭い領域の事故に対し、高速動作を実現することが可能となる。
【0027】
また、請求項9に係わる距離継電装置の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記事故検出継電要素として、電圧値および電流値からインピーダンスを演算して求め、当該演算値が予定値以下になったことを検出する継電器を使用することを特徴とする。
【0028】
この請求項9記載の発明によれば、電圧・電流から、事故点までの距離相当を求めることにより、第1段距離継電器の保護範囲よりもさらに狭い領域の事故に対し、高速動作を実現することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図を通じて同一要素には同一符号を、関連する要素には添字等を付けて対応させ、重複説明は避けることとする。
【0030】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について、図1ないし図5を参照して説明する。図1は電力系統に距離継電装置を設置した状況を示す図であり、TLは電力系統のA端子、B端子間を連係する保護対象となる送電線であり、前記A端子、B端子にはそれぞれ電圧変成器PT、変流器CTにより電圧V、電流Iを取り込んで事故方向および測距演算する距離継電装置Ry−AおよびRy−Bを設置している。
ここで、距離継電装置Ry−AおよびRy−Bの構成、機能は同じなので、以下Ry−Aを代表して説明する。ただし、添字Aは付けない。
【0031】
図2は本発明の第1の実施の形態による距離継電装置のブロック構成図である。図2において、送電線TLの電圧V、電流はI、電圧変成器PT、変流器CTから取り込まれ、補助変成器1−1、1−2を介してアナログフィルタ2に入力され、ここで高調波成分である雑音が除去されたうえでサンプルホールド回路3により所定時間(例えば電気角15度)毎にサンプリングされ、次段のマルチプレクサ4により時系列に並び替えられる。
【0032】
時系列に並び替えられた電圧、電流のサンプリングデータはA/D変換器5によりディジタル量の電圧データ、電流データに変換された後、本発明の特徴の一つである2種類のディジタルフィルタ6および7にそれぞれ入力されて演算に悪影響を及ぼす周波数成分を除去される。
【0033】
この2種類のディジタルフィルタ6および7のうち、6は従来型と同等の性能を有するディジタルフィルタとして構成され、一方7は従来型のディジタルフィルタ6に比べて窓枠の狭い(すなわち、使用するデータの時間長の短い)ディジタルフィルタとして構成されている。以降の説明では、便宜上従来型のディジタルフィルタ6を高精度ディジタルフィルタと称し、窓枠の狭い(使用するデータの時間長の短い)ディジタルフィルタ7を簡易型ディジタルフィルタと称する。
【0034】
なお、ディジタル形保護継電装置に使用されるディジタルフィルタとしては、主に差分フィルタ、加算フィルタ、積分フィルタがあるが、以降の説明では、差分フィルタをとり上げて説明する。
【0035】
高精度ディジタルフィルタ6を構成する差分フィルタの伝達関数を例えば(1−Z8q)とし、新たに設けた簡易型ディジタルフィルタ7を構成する差分フィルタの伝達関数を(1−Z4q)とした場合、これらの伝達関数における8q、4qとは、フィルタ処理に要する時間がそれぞれ8サンプリングデータ分、4サンプリングデータ分ということである。
【0036】
したがって、サンプリング間隔を15度とした場合、高精度ディジタルフィルタ6を構成する差分フィルタがフィルタ処理に要する電気角度は15°×8=120°となり、一方簡易型ディジタルフィルタ7を構成する差分フィルタがフィルタ処理に要する電気角度は15°×4=60°となる。これを電流のサンプリング値で表すと、高精度ディジタルフィルタ6は、I=i−im−8のように電気角120度の開きがあるデータの差分を処理するように構成され、一方、窓枠の狭い(窓長の短い)簡易型ディジタルフィルタ7は、I=i−im−4のように電気角60度の開きがあるデータの差分を処理するように構成される。
【0037】
この結果、簡易型ディジタルフィルタ7の出力を用いた演算は、高精度ディジタルフィルタ6の出力を用いた演算よりも短時間に演算を行うことができる。なお、データの差分を取る間隔には特に制限はないが、間隔を短くし過ぎると誤差を増大させる場合があるので注意が必要である。
【0038】
次に、以上のようなディジタルフィルタによって、処理されたディジタルデータを入力する継電器について説明する。
前記高精度ディジタルフィルタ6の出力は、前述した図20および21で説明したものと同じ種類のモー継電器(Mho)で構成した方向継電器8−1およびリアクタンス継電器(X1)で構成した第1段距離継電器8−2に供給される。一方、簡易型ディジタルフィルタ7の出力は、高速動作が要求される至近端事故を高速度に検出する事故検出継電器(ここでは、高速至近端事故検出継電器という)9に供給される。そして、これら各継電器の演算出力は詳細を図4で示すロジックシーケンス回路14に入力されて継電器第1段指令Z1として出力される。
【0039】
なお、前記高速至近端事故検出継電器9は文字通り継電器設置点近傍に発生した事故を高速度に検出して動作する機能を備えているもので、本実施の形態では一例として前述した第1段距離継電器X1の整定値(送電線亘長の80%)よりも更に小さく、送電線亘長の約40〜50%程度に整定されたモー継電器(S−Mho)を採用する。モー継電器はリアクタンス継電器よりも一般に検出が早い場合が多い。
【0040】
以上のように、簡易型ディジタルフィルタ7の出力を高速至近端事故検出継電器9に入力するようにしたので、高速至近端事故検出継電器9は、方向継電器8−1や第1段距離継電器8−2に比べて、事故検出に必要なデータ時間長を短時間に入手することができ、高速度に至近端事故を検出することができる。
【0041】
図3は図2で示した距離継電装置の動作特性図を示す。図3において、符号Mhoは方向継電器を構成するモー継電器、X1、X2はそれぞれ第1段、第2段距離継電器を構成するリアクタンス継電器である。そして、S−Mhoは高速至近端事故検出継電器を構成する整定値の小さいモー継電器である。
【0042】
なお、方向継電器(Mho)8−1と、高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9の演算方法は同じでも良いし、あるいは高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9の演算データの窓長を方向継電器(Mho)8−1の演算データの窓長よりも短くすることも可能である。このように継電器の演算データの窓長を短くする場合、高速度に事故検出をすることができる。
窓長を短くする手段としては、演算方式を変更する他に、平均化処理をなくす、あるいは動作確認回数を減らすということも可能である。
【0043】
図4はロジックシーケンス14の一例を示す回路図である。図4において、11は方向継電器(Mho)8−1とリアクタンス継電器(X1)8−2とのアンド条件が成立したとき出力を生じるアンド回路であり、従来技術では図22で説明したように、このアンド回路11の出力がそのまま距離継電器としての第1段動作出力となっていたが、本発明では、上記の構成に加えて、高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9および方向継電器(Mho)8−1のアンド条件が成立したときに出力を生じるアンド回路12を新たに備え、このアンド回路12あるいは前記アンド回路11の少なくともいずれか一方に出力が生じたときオア回路13を通して距離継電装置としての第1段動作出力Z1を生じるように構成した。
【0044】
図5は本実施の形態における距離継電装置が事故発生時に動作するタイミングおよび保護範囲を示した図である。既に図23で示した従来例と大きく異なる点は、一部を破線枠で示したように送電線亘長の40〜50%までの至近端事故時に、第1段動作出力よりも更に高速に動作するようにした点である。そもそも第1段動作出力は高速度に出力されるため動作時間は短いが、本発明ではその第1段動作よりもさらに高速に動作するようにしている。
【0045】
継電器設置点からどの程度の保護範囲までを高速動作とするかは設定にもよるが、簡易型ディジタルフィルタ7や高速至近端事故検出継電器9の演算手法等を簡易化しているため、演算誤差を見込んで設定する必要がある。
【0046】
至近端事故時にトリップする範囲はフィルタで使用するデータ時間長の短縮化などの影響により、演算誤差が増大することもあり得るが、図5からもわかるように、第1段動作範囲に対して十分マージンを持つように設定すれば、第1段動作範囲に関しては従来どおりの精度を保つことが可能である。
【0047】
(第2の実施の形態)
図6および図7は本発明の第2の実施の形態に係わる図であり、図6は動作特性図、図7は距離継電装置の第1段動作のロジックシーケンス回路である。なお、本実施の形態のブロック構成図は図2と変るところはないので省略する。
【0048】
本実施の形態は整定値を大きくとった第3のモー継電器(図中のB−Mho)を第3段距離継電器として採用した場合を示す。
なお、系統条件によっては方向継電器8−1であるモー継電器(Mho)の整定を小さくしなければならない場合がある。整定値が小さいと動作時間が遅くなり、高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9の動作に追いつけなくなる。その不具合の対策として、この実施の形態では高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9の方向判別専用に、モー継電器Mhoよりも整定値の大きな第3のモー継電器(B−Mho)10を図6のように組み込むように構成したものである。第3のモー継電器(B−Mho)10は他の継電器としては使われていないため、系統条件に拘わらず動作範囲を大きくすることができる。
【0049】
図7に示したロジックシーケンス回路図と、図4のロジックシーケンス回路との異なる点は、高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9とのアンド条件を検出する継電器を方向継電器(Mho)8−1に替えて大きな整定値の第3のモー継電器(B−Mho)10とした点であり、その他は図4と同じ構成である。12Aは第3のモー継電器(B−Mho)10と高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9とのアンド条件を検出するアンド回路であり、また13Aはこれらアンド回路11および12Aのオア条件を検出するオア回路であり、どちらかが動作することにより、距離継電装置の第1段動作出力Z1が生じることになる。
【0050】
このように、大整定値のモー継電器(B−Mho)10と高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9とが動作すれば第1段動作出力が生じるため、方向継電器(Mho)8−2の整定値が小さい場合でも高速動作を保つことができる。
【0051】
モー継電器(B−Mho)10は、方向継電器(Mho)8−1と同等の精度と同時に、方向継電器(Mho)8−1以上の高速性が要求されるが、整定値を大きくしておくことで実現することは可能である。
【0052】
以上述べた第2の実施の形態では、方向継電器としてモー特性を使用している例を取り上げたが、直線の方向継電器などでも勿論よい。また、本実施の形態のように、方向判別能力のある高速至近端事故検出継電器を使用している場合は、方向継電器とのアンド検出をとらずに、単独で判定することも可能である。
【0053】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について図8ないし図10を用いて説明する。
図8において、アナログフィルタ2から第1段距離継電器8−2までの要素は、図2の場合と同じであり、異なる点は高速至近端事故検出継電器をモー継電器に代えて低整定第1段距離継電器9Aを採用した点にある。
【0054】
本実施の形態では、低整定第1段距離継電器9Aの判定値X1´を前記リアクタンス継電器8−2の第1段の整定値X1よりも小さくすることで、至近端の事故検出だけを行うように機能する。ただし、演算に用いるデータは前述の簡易型ディジタルフィルタ7を使用するため、第1段よりは高速な動作が可能である。
【0055】
図9は本実施の形態に係わる距離継電装置の動作特性図を示し、図中X1、X2およびMhoは既出のものと同じである。X1’はX1、X2と同様のリアクタンス継電器であるが、前述したように判定範囲はX1よりも狭く整定しており、図中でZ1’の領域が、至近端事故として処理される領域となる。
【0056】
本実施の形態のロジックシーケンス回路は図10に示すとおりであり、図4と比較して高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9を低整定第1段距離継電器(X1’)9Aに置き換え、アンド回路12Bで方向継電器(Mho)8−1とのアンド条件を検出したもので、機能はほぼ同じなので説明は省略する。
【0057】
以上述べた第3の実施の形態では、第1段距離継電器をリアクタンス特性とした場合を例にしたが、第1段距離継電器もモー継電器で与えられているような場合でも、さらに小さいモー継電器を至近端事故検出用とすればよい。その他の継電器でも同様である。
【0058】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態について図11のブロック構成図を参照して説明する。
本実施の形態の場合、高速至近端事故検出継電器として、低整定高速距離継電器を使用するものである。
【0059】
図11において、アナログフィルタ2から方向継電器8−1までの要素は図2の場合と同じであるので説明を省略する。第1段距離継電器8−2は測距精度を保つために、次式で表されるような整流加算方式を採用する。
【0060】
【数1】
Figure 2004048855
【0061】
ここで、v,iは電気角で30度おきに得られる電圧、電流の瞬時値である。この場合、インピーダンスZの計算に要するデータは電気角で180度となる。これに対し、低整定高速距離継電器9Bは、前記第1段距離継電器8−2と同じ高精度フィルタ6を通した電気量を使用するが、演算式に次式のように異なるものを採用する。
【0062】
=v +v −3
=i +i −3
=V/I
この場合はZを求めるために必要なデータは90度となる。
【0063】
このように第1段距離継電器8−2に比べて、低整定高速距離継電器9Bの演算式を変更することにより、窓長を短くすることが可能となる。窓長を短くすれば、系統に事故が発生した場合に、その影響を短い時間に演算結果に反映することになり、結果として、動作時間を早めることが可能となる。
また、演算方法を変更しない場合でも、平均化処理を省く、あるいは、動作確認回数を減らすなどによって最終出力までに要する時間を減らすことが可能となる。
高速至近端事故検出継電器S−Mhoを使用した場合のロジックシーケンス回路は図4の場合と同じになる。
【0064】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態を図12ないし図14を用いて説明する。
本実施の形態の場合、高速至近端事故検出継電器として、不足電圧継電器を使用するものである。
【0065】
図12において、アナログフィルタ2から第1段距離継電器8−2まではそれぞれ図2の場合と同じなので説明を省略する。なお、簡易型ディジタルフィルタ7は電圧データだけを入出力するが構成は同じである。9Cは不足電圧継電器(UV)であり、この特性およびこの継電器を適用する理由を図13により説明する。
【0066】
図13において、破線で示した円は、保護対象区間の相手端(例えばB端)で事故が発生した場合に測定端(A端)に残る電圧レベルを示したものである。この値は、測定端背後のインピーダンスと送電線の長さ(インピーダンス)によって決まる値であり、例えば定常時の電圧をVとし、2次側換算の背後のインピーダンスをX,ラインのインピーダンスをXとすれば、およそ、V×X/(X+X)となる。
【0067】
したがって、検出したい領域を、保護区間に対してα%とすれば、至近端事故検出用のUVの動作値をV×X/(X+X)×α/100とすればよい。これが図13中に破線円の内部に実線示した領域S−UVである。
【0068】
前記不足電圧継電器9Cの演算方法は多々あり、例えば、「電気学会技術報告第641号 保護継電器システム基本技術体系」P85などに記載がある。一般にこれらの演算による不足電圧継電器S−UVの動作は、リアクタンス継電器に比較し高速であるので、結果として、至近端事故に対して高速動作が可能となる。
【0069】
図14は高速不足電圧継電器S−UVを高速至近端事故検出継電器として用いた場合のロジックシーケンス回路図である。この図は、図3の高速至近端事故検出継電器(S−Mho)9を高速不足電圧継電器(S−UV)9Cに置換し、アンド回路12Cで方向継電器(Mho)8−1とのアンド条件をとり、オア回路13Cに入力するように構成したものである。距離継電装置としての機能は前述の実施の形態と変らないので説明は省略する。
【0070】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態を図15ないし図17を用いて説明する。
本実施の形態は、高速至近端事故検出継電器として、過電流継電器を使用するものである。
【0071】
図15において、アナログフィルタ2から高精度ディジタルフィルタ6、方向継電器8−1、第1段距離継電器8−2までの部分は、それぞれ図2の場合と同じなので、説明を省略する。9Dは高速過電流継電器(OC)であるが、この特性および適用の理由を図16により説明する。
【0072】
図16において、外側の破線円は至近端事故における測定電流の大きさを示したものであり、内側の破線円は相手至近端事故における測定電流の大きさを示したものである。したがって、至近端事故検出用としては動作レベルをそれらの間の値に設定すればよいが、実際には図中のS−OCのように外側破線円より少し小さめの値とすればよい。これらの値は背後インピーダンスとラインインピーダンスとにより決まり、例えば、測定点からラインインピーダンスでX’(2次側換算)までの事故を検出するようにするには、動作レベルをおよそV/(X+X’)とすればよい。
【0073】
高速過電流継電器(S−OC)9Dの演算方法は、前記高速不足電圧継電器(UV)9Cと同じ演算原理である。図17はS−OCを高速至近端事故検出継電器として用いた場合のロジックシーケンス回路を示したものである。これは、図3の事故検出継電器(S−Mho)9の代わりに高速過電流継電器(S−OC)9Dに置換し、アンド回路12Dでモー継電器8−1とのアンド条件を検出し、オア回路13Dでアンド回路11とのオア条件を検出したものである。
【0074】
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態を図18ないし図20を用いて説明する。
本実施の形態は、高速至近端事故検出継電器として、既に述べたモー継電器やリアクタンス継電器の代わりにインピーダンス継電器(UZ)9Eを使用するものである。
【0075】
以下はインピーダンス継電器9Eを高速至近端事故検出継電器として使用する場合ついて示す。
図18において、アナログフィルタ2ないし第1段距離継電器8−2までの要素は図2と同じであるが、唯一異なるのは高速至近端事故検出継電器としてインピーダンス継電器(UZ)9Eを設けた点にある。このインピーダンス継電器(UZ)9Eの動作特性は図19で示すとおりである。
【0076】
図19において、インピーダンス平面上の外側の円は、第1段動作出力と第2段動作出力との境界(継電器設置点から見て80%程度の位置)付近で事故が発生した時の継電器設置点から事故点までのインピーダンスのレベルを示す。横の1点鎖線は第1段検出用のリアクタンス継電器であり、事故点抵抗がなければ、境界での事故におけるインピーダンスは、外側の円とリアクタンス継電器の交点の値となる。
高速至近端事故検出継電器としては、図19内のインピーダンス継電器(UZ)のように求めたい領域のインピーダンスに設定すればよい。
【0077】
インピーダンスの求め方にも複数あるが、原理的には電圧の大きさを電流の大きさで割ればよい。したがって、動作速度はそれらの演算方式によるが、電圧と電流の演算の遅いほうで決まると考えればよい。実際には演算手法が同じであれば、それらの動作速度はほぼ同時となり、高速な動作が期待される。
【0078】
図20は本実施の形態のロジックシーケンス回路図である。これは、高速至近端事故検出継電器として図3のモー継電器(S−Mho)9の代わりにUZ継電器9E置き換えただけであるので、説明は省略する。なお、12Eはアンド回路、13Eはオア回路である。
【0079】
なお、以上の説明ではディジタルフィルタでフィルタ処理したデータを継電器に入力して継電器演算を行うように構成したため、ディジタルフィルタと各種継電器(方向継電器、第1段距離継電器および高速至近端事故検出継電器)とを別個に描いたが、ディジタルフィルタは継電器の演算原理自身に含まれることもある(例えば、電気学会大学講座、保護継電工学、第112頁、第6.2表を参照)。この場合は、図2や図8のようにディジタルフィルタと継電器とを明確に分離できないので、以上説明した本発明ではディジタルフィルタおよび継電器を併せて方向継電要素とか、第1段距離継電要素とか高速至近端事故検出継電要素と呼称した。
【0080】
また、高速至近端事故検出継電器9、低整定第1段距離継電器9A、低整定高速距離継電器9B、高速不足電圧継電器9C、高速過電流継電器9D,インピーダンス継電器を総称して事故検出継電器という。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の距離継電装置によれば、継電器設置点近傍の前方事故に対し、高速にトリップとすることができ、その結果、電力系統の安定性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による距離継電装置とその保護対象との関係を示す構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による距離継電装置のブロック構成図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における距離継電装置の動作特性図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における各継電器の出力から第1段動作出力までのロジックシーケンス回路図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における距離継電装置の動作時間を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態における距離継電装置の動作特性図。
【図7】本発明の第2の実施の形態における各継電器の出力から第1段動作出力までのロジックシーケンス回路図。
【図8】本発明の第3の実施の形態による距離継電装置のブロック構成図。
【図9】本発明の第3の実施の形態における距離継電装置の動作特性図。
【図10】本発明の第3の実施の形態における各継電器の出力から第1段動作出力までのロジックシーケンス回路図。
【図11】本発明の第4の実施の形態による距離継電装置のブロック構成図。
【図12】本発明の第5の実施の形態による距離継電装置のブロック構成図。
【図13】本発明の第5の実施の形態で採用する高速不足電圧継電器の動作特性図。
【図14】本発明の第5の実施の形態による各継電器の出力から第1段出力までのロジックシーケンス回路図。
【図15】本発明の第6の実施の形態による距離継電装置のブロック構成図。
【図16】本発明の第6の実施の形態で採用する高速過電流継電器の動作特性図。
【図17】本発明の第6の実施の形態による各継電器の出力から第1段出力までのロジックシーケンス回路図。
【図18】本発明の第7の実施の形態による距離継電装置のブロック構成図。
【図19】本発明の第7の実施の形態による距離継電装置の特性を示した図。
【図20】本発明の第6の実施の形態による各継電器の出力から第1段出力までのロジックシーケンス回路図。
【図21】従来の技術に採用されている距離継電装置の動作特性図。
【図22】従来の技術の各継電器の出力から第1段出力までのロジックシーケンス回路図。
【図23】従来の技術における距離継電装置の動作時間を示す図。
【図24】従来の技術による距離継電装置のブロック構成図。
【符号の説明】
TL…送電線、CB…しゃ断器、RY…保護継電装置、CT…変流器、PT…電圧変成器、1−1、1−2…補助変成器、2…アナログフィルタ、3…サンプルホールド回路、4…マルチプレクサ、5…A/D変換器、6…高精度ディジタルフィルタ、7…簡易型ディジタルフィルタ、8−1…方向継電器、8−2…第1段距離継電器、9…高速至近端事故検出継電器、9A…低整定第1段距離継電器、9B…低整定高速距離継電器、9C…高速不足電圧継電器、9D…高速過電流継電器、9E…インピーダンス継電器、10…モー継電器(B−Mho)、11,12,12A〜12E…アンド回路、13,13A〜13E…オア回路、14…ロジックシーケンス回路。

Claims (9)

  1. 保護対象から取り込んだ電圧および電流に関する電気量を所定の間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換し、このディジタルデータに基づいて事故方向演算および距離測定演算を行い、これらの演算結果を予め定めたロジックに基づいて継電器出力として導出するようにした距離継電装置において、
    前記ディジタルデータを入力し所定の演算式に基づいて継電器設置点から見て前方事故検出演算を行う方向継電要素と、
    前記ディジタルデータを入力し所定の演算式に基づいて継電器設置点から見て予め定めた整定範囲内の事故検出演算を行う第1段距離継電要素と、
    前記ディジタルデータを入力し、前記第1段距離継電要素の演算に使用するデータの時間長よりも短いデータの時間長で演算するとともに、当該第1段距離継電要素よりも狭い範囲の事故検出演算を行う事故検出継電要素とを備え、
    前記第1段距離継電要素あるいは事故検出継電要素の少なくとも一方の動作と、前記方向継電要素の動作とを条件に継電器出力を導出するようにしたことを特徴とする距離継電装置。
  2. 前記方向継電要素、前記第1段距離継電要素および前記事故検出継電要素は入力データをディジタルフィルタによってフィルタ処理したのち所定の保護演算をするように構成され、かつ各ディジタルフィルタは前記方向継電要素および第1段距離継電要素におけるフィルタ処理に要する時間よりも、前記事故検出継電要素におけるフィルタ処理に要する時間を短く設定されていることを特徴とする請求項1記載の距離継電装置。
  3. 前記方向継電要素、前記第1段距離継電要素および前記事故検出継電要素は入力データをディジタルフィルタによってフィルタ処理したのち所定の保護演算をするように構成され、かつ前記方向継電要素および第1段距離継電要素における保護演算に使用するデータ時間長よりも、前記事故検出継電器における保護演算に使用するデータ時間長を短く設定したことを特徴とする請求項1記載の距離継電装置。
  4. 前記方向継電要素よりも整定値の大きい第2の方向継電要素を備え、この第2の方向判別要素および前記事故検出要素が共に動作した場合、あるいは前記方向継電要素および前記第1段距離要素が共に動作した場合のいずれかの場合に、継電器出力を導出することを特徴とする請求項1,2または3のいずれかに記載の距離継電装置。
  5. 前記事故検出継電要素として、前記第1段距離継電要素の距離整定値よりも小さい整定値のモー継電器を使用することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の距離継電装置。
  6. 前記事故検出継電要素として、前記第1段距離継電要素の距離整定値よりも小さい整定値の距離継電器を使用することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の距離継電装置。
  7. 前記事故検出継電要素として、電圧が予定値以下になったことを検出する継電要素を使用することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の距離継電装置。
  8. 前記事故検出継電要素として、電流が予定値以上になったことを検出する継電器を使用することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の距離継電装置。
  9. 前記事故検出継電要素として、電圧値および電流値からインピーダンスを演算して求め、当該演算値が予定値以下になったことを検出する継電器を使用することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の距離継電装置。
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