JP6399863B2 - チョークコイル用接続端子及びこれを用いたノイズフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、チョークコイル用接続端子及びこれを用いたノイズフィルタに関する。特に、円柱状のコアの外周をコイルで巻回したチョークコイルの端末と電線を接続するチョークコイル用接続端子の構造、及びこのチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構造に関する。
例えば、自動車内において、AM放送又はFM放送を受信するために、自動車の後部窓ガラスに薄膜のアンテナ線、いわゆるガラスアンテナを配置することが知られている。このガラスアンテナは、後部窓ガラスの曇り止め用のヒータ線を共用することがある。
ところで、ガラスアンテナが受信したラジオ放送用の電波信号には、ノイズ成分が重畳することがある。ノイズ成分が重畳する要因の一つとして、自動車に搭載したバッテリが出力する電力の影響が挙げられる。この電力は、曇り止め用のヒータ線を加熱するために出力するものである。つまり、曇り止め用のヒータ線を加熱することで、受信されたノイズ成分を含む電波信号が給電線を通じて車体などに漏洩する不具合が発生する。
ガラスアンテナが受信した電波信号からノイズ成分を減衰させ、S/N比(Signal to Noise rasio)を向上させるために、円柱状のコアの外周をコイルで巻回したチョークコイルを用いた小型のガラスアンテナ用ノイズフィルタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2007−020902号公報
図8は、従来技術によるガラスアンテナ用ノイズフィルタの構成を示す斜視図であり、上部のカバーを取り外した状態図である。図9は、従来技術によるガラスアンテナ用ノイズフィルタに用いた接続端子の構成を示す斜視図であり、図9(A)は、I型の接続端子の構成を示す図であり、図9(B)は、L型の接続端子の構成を示す図である。なお、本願の図8は、特許文献1の図1に相当し、本願の図9は、特許文献1の図7に相当している。
図8を参照すると、従来技術によるガラスアンテナ用ノイズフィルタ(以下、ノイズフィルタと略称する)9は、絶縁性を有する箱状のケース91とチョークコイル92を備えている。又、ノイズフィルタ9は、一組のコンデンサ93a・93bと一組の接続端子94a・94bを備えている。更に、ノイズフィルタ9は、一組のアース板95a・95bと一組の端子板96a・96bを備えている。
図8を参照すると、チョークコイル92は、ケース91に収容されている。チョークコイル92は、円柱状のコア92bとコア92bの外周を巻回したコイル92cで構成している。コイル92cの一方の端末921は、接続端子94aに接続されている(図9(A)参照)。コイル92cの他方の端末922は、接続端子94bに接続されている(図9(B)参照)。接続端子94aには、第1電線w1を接続している。接続端子94bには、第2電線w2を接続している。
図8を参照すると、ノイズフィルタ9は、一組のコンデンサ93a・93bを用いたπ型フィルタを示している。コンデンサ93aの一方の端子は、第1電線w1に電気的に接続していると共に、コンデンサ93aの他方の端子は、アース板95aに電気的に接続している。同様に、コンデンサ93bの一方の端子は、第2電線w2に電気的に接続していると共に、コンデンサ93bの他方の端子は、アース板95bに電気的に接続している。
図8を参照すると、ケース91の一部が所定のギャップを有するように、コア92bの両端部に一組の端子板96a・96bが配置されている。そして、ノイズフィルタ9は、端子板96a・96bとケース91の底板が磁気的に閉ループの磁路を形成することで、磁束が広がらずに、ケース91に集中し、ノイズフィルタ9の周辺の回路に磁気的な影響を少なくできる、としている。
図9(A)に示した接続端子94aは、コイル92cの一方の端末921が延びる方向と第1電線w1が延びる方向とが略直交するI型端子を示している。図9(A)を参照すると、接続端子94aは、オープンクリンプバレル9cを一方の端部に備えている。第1電線w1の端末の被覆が剥離された芯線をオープンクリンプバレル9cに導入し、オープンクリンプバレル9cを圧着することで、第1電線w1の端末を圧着接続できる。
又、図9(A)を参照すると、接続端子94aは、U字状の切り欠き9dを他方の端部に形成している。コイル92cの一方の端末921を切り欠き9dに導入し、一方の端末921を接続端子94aにハンダ接合している。
図9(B)に示した接続端子94aは、コイル92cの他方の端末922が延びる方向と第2電線w2が延びる方向とが略平行になるL型端子を示している。図9(B)を参照すると、接続端子94bは、オープンクリンプバレル9cを一方の端部に備えている。第2電線w2の端末の被覆が剥離された芯線をオープンクリンプバレル9cに導入し、オープンクリンプバレル9cを圧着することで、第2電線w2の端末を圧着接続できる。
又、図9(B)を参照すると、接続端子94bは、U字状の切り欠き9dを他方の端部に形成している。コイル92cの他方の端末922を切り欠き9dに導入し、他方の端末922を接続端子94bにハンダ接合している。
しかしながら、図8に示したノイズフィルタ9は、チョークコイル92をケース91に収納した後に、コイル92cの端末921・922を接続端子94a・94bに手作業でハンダ接合するので、作業効率が優れないという問題がある。作業効率が優れたチョークコイル用接続端子が求められている。
一方、コンデンサを用いることなく、チョークコイル単体からなるガラスアンテナ用ノイズフィルタも実在している。この場合、半分割された円筒状の一対の絶縁ケースの内部に、チョークコイルを収容している。このガラスアンテナ用ノイズフィルタは、チョークコイルを構成するコイルの両端末を圧着接続する一組の接続端子を備えている。これらの接続端子は、電線を圧着するオープンクリンプバレルを端部に備えている。
コイルの両端末を一組の接続端子で圧着接続すると共に、これらの接続端子の両端部に一組の電線を圧着し、チョークコイルの両端部から一組の電線が延出した状態で、このチョークコイルを一対の絶縁ケースの内部に組み込むことができる。チョークコイル単体からなるガラスアンテナ用ノイズフィルタは、コイルの両端末を圧着接続しているので、自動圧着機を使用することもでき、ハンダ接合と比べて作業性に優れている。
しかしながら、圧着接続は、金属の塑性変形を利用している。一対の圧着ダイを用いて、弾性変形の限度を超えてオープンクリンプバレルを塑性変形させることで、電線の芯線を確実に圧着できる。図9に示した第1電線w1又は第2電線w2は、それらの芯線を撚線で構成しているので、接続端子の圧着部を塑性変形させることが容易である。
一方、図9に示したコイル92cは、単線で構成しているので、これらの端末921・922を圧着しても、接続端子の圧着部を塑性変形させることが容易でないという問題がある。例えば、接続端子の圧着部がスプリングバックなどで変形前に僅かに戻り、これに起因して、接続端子の圧着部が発熱するという事態が考えられる。車載用の接続端子ということであれば、長期に亘る振動がスプリングバックを助長する心配がある。作業効率に優れると共に、コイルの両端末を確実に接続できるチョークコイル用接続端子を備えたノイズフィルタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、作業効率に優れると共に、コイルの端末を確実に接続できるチョークコイル用接続端子及びこれを用いたノイズフィルタを提供することを目的とする。
本発明者は、コイルの端末を角筒状のコイル接続部の内部に導入し、弾性接触片でコイルの端末をコイル接続部の内壁に押圧することで、コイルの両端末を確実に接続できることを見出し、これに基づいて、以下のような新たなチョークコイル用接続端子及びこれを用いたノイズフィルタを発明するに至った。
(1) 円柱状のコア、及びこのコアの外周を巻回したコイルで構成したチョークコイルと接続自在なチョークコイル用接続端子であって、前記コイルの端末と接続自在な角筒状のコイル接続部と、このコイル接続部の基端部側に形成し、電線を圧着により接続する圧着部と、を備え、前記コイル接続部は、前記コイルの端末を軸方向から導入できると共に、前記コイルの端末の外周を案内する円形穴を開口した前面板と、基端部側に形成し、前記コイルの端末の端面が当接して前記コイルの端末の挿入深さを規定する当接片と、前記コイルの端末の外周を案内する第1突条を内壁から対向する向きに突出した一対の側面板と、前記コイルの端末の外周とスライド自在に当接できる第2突条を内壁から突出した天板と、前記第2突条に向かって前記コイルの端末を外周方向から押圧する力を付勢する弾性接触片を設けた底板と、を有するチョークコイル用接続端子。
(1)の発明によるチョークコイル用接続端子は、円柱状のコア、及びコアの外周を巻回したコイルで構成したチョークコイルと接続自在である。そして、(1)の発明によるチョークコイル用接続端子は、角筒状のコイル接続部と電線を圧着により接続する圧着部を備えている。
コイル接続部は、コイルの端末と接続自在である。圧着部は、コイル接続部の基端部側に形成されている。コイル接続部は、前面板と当接片を有している。前面板は、円形穴を開口している。円形穴には、コイルの端末を軸方向から導入できる。又、円形穴は、コイルの端末の外周を案内できる。当接片は、コイル接続部の基端部側に形成されている。当接片は、コイルの端末の端面が当接して、コイルの端末の挿入深さを規定できる。
又、コイル接続部は、一対の側面板、天板、及び底板を有している。一対の側面板は、コイルの端末の外周を案内する第1突条を内壁から対向する向きに突出している。天板は、コイルの端末の外周とスライド自在に当接できる第2突条を内壁から突出している。底板は、弾性接触片を設けている。弾性接触片は、第2突条に向かってコイルの端末を外周方向から押圧する力を付勢している。
(1)の発明によるチョークコイル用接続端子は、コイルの端末を角筒状のコイル接続部の内部に導入すると、弾性接触片でコイルの端末をコイル接続部の内壁に押圧することで、圧着接続と比べてコイルの端末を確実に接続できる。(1)の発明によるチョークコイル用接続端子は、コイルの端末をコイル接続部に挿入することで、コイルの端末を接続できるので、ハンダ接合と比べて作業性に優れている。
(2) 前記コイル接続部の底板は、前記弾性接触片の背面側に向かって突出し、前記弾性接触片の撓み量を規定する山状の隆起部を更に有する(1)記載のチョークコイル用接続端子。
(2)の発明によるチョークコイル用接続端子は、コイル接続部の底板が、弾性接触片の背面側に向かって突出し、弾性接触片の撓み量を規定する山状の隆起部を更に有しているので、弾性接触片の過度の撓みが規制される。
(3) 前記圧着部は、前記電線の絶縁被覆部を圧着により固定するインシュレーショングリップと、前記電線の芯線を圧着により固定するコンダクタバレルと、を含んでいる(1)又(2)記載のチョークコイル用接続端子。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載のチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタであって、前記チョークコイルを内部の中央部に配置すると共に、一対の前記チョークコイル用接続端子を前記チョークコイルと偏心した状態で、前記チョークコイルの両端部側に内部配置した円筒状の絶縁ケースを備え、前記絶縁ケースは、互いに閉じて前記チョークコイル及び一対の前記チョークコイル用接続端子を外周方向から保持できると共に、互いに分離自在な一対の分割ケースからなり、一方の分割ケースは、両端面に開口され、前記電線が延出できる樋状の第1溝部と、前記第1溝部に連通し、前記チョークコイル用接続端子のコイル接続部を収容できる半円弧状の第2溝部と、を有し、前記チョークコイル用接続端子は、前記コイル接続部の前面板の一部が外周方向に突出した鍔片を更に有し、前記第2溝部は、前記鍔片を係止できるスリット溝を内壁に形成し、一対の前記スリット溝を相反する向きに形成して、一方の前記分割ケースに対する前記チョークコイル用接続端子の誤装着を防止している、ノイズフィルタ。
(4)の発明によるノイズフィルタは、チョークコイルを内部の中央部に配置すると共に、一対のチョークコイル用接続端子をチョークコイルと偏心した状態で、チョークコイルの両端部側に内部配置した円筒状の絶縁ケースを備え、チョークコイル用接続端子は、コイル接続部の前面板の一部が外周方向に突出した鍔片を有し、鍔片を係止できるスリット溝を相反する向きに第2溝部に形成しているので、絶縁ケースに対して、チョークコイル用接続端子の誤装着を防止できる。
(5) 他方の前記分割ケースは、底面から突出した一対のランスを備え、一方の前記分割ケースは、一対の前記ランスが嵌合する切り欠き溝を周面に形成している、(4)記載のノイズフィルタ。
本発明によるチョークコイル用接続端子は、コイルの端末を角筒状のコイル接続部の内部に導入すると、弾性接触片でコイルの端末をコイル接続部の内壁に押圧することで、圧着接続と比べてコイルの端末を確実に接続できる。(1)の発明によるチョークコイル用接続端子は、コイルの端末をコイル接続部に挿入することで、コイルの端末を接続できるので、ハンダ接合と比べて作業性に優れている。
本発明の一実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構成を示す斜視図である。 前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構成を示す斜視分解組立図である。 前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構成を示す図であり、図3(A)は、ノイズフィルタの正面図、図3(B)は、ノイズフィルタの左側面図である。 前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの縦断面図であり、図3(B)のA−A矢視断面図である。 前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの縦断面図であり、図3(A)のB−B矢視断面図である。 前記実施形態によるチョークコイル用接続端子の構成を示す斜視図である。 前記実施形態によるチョークコイル用接続端子の構成を示す縦断面斜視図である。 従来技術によるガラスアンテナ用ノイズフィルタの構成を示す斜視図であり、上部のカバーを取り外した状態図である。 従来技術によるガラスアンテナ用ノイズフィルタに用いた接続端子の構成を示す斜視図であり、図9(A)は、I型の接続端子の構成を示す図であり、図9(B)は、L型の接続端子の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[ノイズフィルタの構成]
最初に、本発明の一実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構成を示す斜視図である。
図2は、前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構成を示す斜視分解組立図である。図3は、前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの構成を示す図であり、図3(A)は、ノイズフィルタの正面図、図3(B)は、ノイズフィルタの左側面図である。
図4は、前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの縦断面図であり、図3(B)のA−A矢視断面図である。図5は、前記実施形態によるチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタの縦断面図であり、図3(A)のB−B矢視断面図である。
図1から図5を参照すると、本発明の一実施形態によるノイズフィルタ10は、チョークコイル8及び一対のチョークコイル用接続端子(以下、接続端子と略称する)1・1を内部に配置した円筒状の絶縁ケース2を備えている。
図2又は図4を参照すると、チョークコイル8は、円柱状のコア8bとコア8bの外周を巻回したコイル8cで構成している。コイル8cは、軸方向に延びる一対の端末8d・8dを有している。一対の端末8d・8dは、相反する向きに同軸上に延びている。又、一対の端末8d・8dは、チョークコイル8の仮想の中心軸から偏心した状態で、延びている。
図2又は図4及び図5を参照すると、絶縁ケース2は、チョークコイル8を内部の中央部に配置している。又、絶縁ケース2は、一対の接続端子1・1をチョークコイル8と偏心した状態で、チョークコイル8の両端部側に内部配置している。
図1から図3を参照すると、絶縁ケース2は、一対の分割ケース21・22で構成している。一対の分割ケース21・22を互いに閉じると、チョークコイル8及び一対の接続端子1・1を外周方向から保持できる。一方、一対の分割ケース21・22は、互いに分離でき、チョークコイル8及び一対の接続端子1・1を絶縁ケース2から取り外すことができる。
(絶縁ケースの構成)
図1から図3を参照すると、他方の分割ケース22は、一対のランス22r・22rを底面から突出している。一対のランス22r・22rは、所定の間隔を設けて対向配置されている。
一方、図2を参照すると、一方の分割ケース21は、一対のランス22r・22rが嵌合する切り欠き溝21d・21dを周面に形成している。一対の分割ケース21・22の底面同士が密着するように、一対の分割ケース21・22を相対的に近づけると、ランス22rが切り欠き溝21dに嵌合して、一対の分割ケース21・22を一体化できる。
図1から図3を参照して、一対のランス22r・22rを互いに広がる方向に弾性変形して、一方の分割ケース21に対して、他方の分割ケース22を引っ張ると、一対の分割ケース21・22を分離できる(図2参照)。
図2又は図4及び図5を参照すると、一方の分割ケース21は、その底面から窪んだ樋状の第1溝部211と半円弧状の穿設された第2溝部212を形成している。第1溝部211は、一方の分割ケース21の両端面に開口されている。又、第1溝部211は、接続端子1に圧着された電線Wを延出できる。
図2又は図4及び図5を参照すると、第2溝部212は、第1溝部211に連通している。第2溝部212には、接続端子1のコイル接続部11を収容できる。図2又は図6及び図7を参照すると、接続端子1は、コイル接続部11の前面板11fの一部が外周方向に突出した鍔片115を有している。一方、図2を参照すると、第2溝部212は、鍔片115を係止できるスリット溝213を内壁に形成している。
図2又は図5を参照すると、一対のスリット溝213・213は、相反する向きに形成されている。これにより、一方の分割ケース21に対する、接続端子1の誤装着を防止できる。後述するように、コイル接続部11の中心軸に対して、コイル接続部11は段差を有しているので、接続端子1を一方の分割ケース21に組み付けるときに、コイル接続部11の軸回りの位置が規制される。
[ノイズフィルタの作用]
次に、ノイズフィルタ10の組立手順を説明しながら、ノイズフィルタ10の作用及び効果を説明する。
最初に、図2を参照して、接続端子1の圧着部12に電線Wの端末を圧着しておく。次に、一対の端末8d・8dに接続端子1のコイル接続部11を挿入する。次に、チョークコイル8の両端部に一対の接続端子1・1が接続された状態で、チョークコイル8及び一対の接続端子1・1を一方の分割ケース21に装着する。次に、一方の分割ケース21に他方の分割ケース22を嵌合することで、一連の組立作業を完了する(図1又は図3参照)。
実施形態によるノイズフィルタ10は、コイル8cの端末8dを接続端子1のコイル接続部11に挿入することで、コイル8cの端末8dを接続できるので、ハンダ接合と比べて作業性に優れている。又、ノイズフィルタ10は、コイル接続部11に設けた鍔片115がスリット溝213に係合することで、接続端子1の軸方向の移動を規制できる。
[チョークコイル用接続端子の構成]
次に、本発明の一実施形態によるチョークコイル用接続端子の構成を説明する。図6は、前記実施形態によるチョークコイル用接続端子の構成を示す斜視図である。図7は、前記実施形態によるチョークコイル用接続端子の構成を示す縦断面斜視図である。
図6又は図7を参照すると、実施形態による接続端子1は、角筒状のコイル接続部11と圧着部12を備えている。コイル接続部11は、コイル8cの端末8dと接続自在である(図2参照)。圧着部12は、コイル接続部11の基端部側に形成されている。圧着部12は、電線Wを圧着により接続できる。
図6又は図7を参照すると、コイル接続部11は、前面板11fと当接片11cを有している。前面板11fは、円形穴11hを開口している。円形穴11hには、コイル8cの端末8dを軸方向から導入できる(図2又は図5参照)。又、円形穴11hは、コイル8cの端末8dの外周を案内できる(図2又は図5参照)。前面板11fには、その一部が外周方向に突出した鍔片115を有している。
図6又は図7を参照すると、当接片11cは、コイル接続部11の基端部側に形成されている。当接片11cは、天板11tの一部が屈曲されて、コイル接続部11の内部に突出している。そして、当接片11cには、コイル8cの端末8dの端面が当接することで、コイル8cの端末8dの挿入深さを規定できる(図2又は図5参照)。
又、図6又は図7を参照すると、コイル接続部11は、一対の側面板11s・11s、天板11t、及び底板11bを有している。天板11tと底板11bには、上下関係は存在しないが、説明の便宜上、名称と符号を変えて区別した。
図6又は図7を参照すると、一対の側面板11s・11sは、コイル8cの端末8dの外周を案内する第1突条111を内壁から対向する向きに突出している(図2又は図5参照)。天板11tは、コイル8cの端末8dの外周とスライド自在に当接できる第2突条112を内壁から突出している(図2又は図5参照)。第1突条111及び第2突条112は、いわゆる、押し出し成形された「ビード」であり、コイル8cの端末8dを案内する機能の他に、コイル接続部11の強度を補完する機能を有している。
図7を参照すると、コイル接続部11の底板11bには、弾性接触片113を設けている。弾性接触片113は、片持ち状の板ばねであり、第2突条112に向かってコイル8cの端末8dを外周方向から押圧する力を付勢している。
又、図7を参照すると、コイル接続部11の底板11bには、弾性接触片113の背面側に向かって突出した山状の隆起部114を形成している。隆起部114は、弾性接触片113の撓み量を規定している。隆起部114を弾性接触片113の背面側に配置することで、弾性接触片113の過度の撓みを規制できる。
図6又は図7を参照すると、圧着部12は、インシュレーショングリップ121とコンダクタバレル122を備えている。インシュレーショングリップ121及びコンダクタバレル122は、一端部側をU字状に開放したオープンクリンプバレルで構成することが好ましい。
図6又は図7を参照すると、インシュレーショングリップ121は、電線Wの絶縁被覆部Weを圧着により固定できる。コンダクタバレル122は、電線Wの芯線Wcを圧着により固定できる。芯線Wcは、複数の細線を撚った撚線で構成しているので、コンダクタバレル122で確実に圧着できる。
接続端子1は、金属板からなり、展開された金属板を成形加工することにより、所望の形状の接続端子1を得ることができる。接続端子1は、導電性を有する金属板からなることが好ましく、コイル接続部11でコイル8cの端末8dを電気的に接続でき、圧着部12で電線Wを電気的に接続できる。
[チョークコイル用接続端子の作用]
次に、実施形態による接続端子1の作用及び効果を説明する。図2又は図6及び図7を参照すると、接続端子1は、コイル8cの端末8dを角筒状のコイル接続部11の内部に導入すると、弾性接触片113でコイル8cの端末8dをコイル接続部11の内壁に押圧することで、圧着接続と比べてコイル8cの端末8dを確実に接続できる。
又、図2又は図6及び図7を参照すると、接続端子1は、円形穴11h、一対の第1突条111・111、及び第2突条112で、コイル8cの端末8dの外周方向の移動を規制すると共に、当接片11cでコイル8cの端末8dの軸方向の移動を規制している。これにより、振動に起因する接触部の微摺動摩耗を低減できる。
図6又は図7に示した接続端子1を使用すれば、コイル8cとの接続作業の効率を向上できる。実施形態による接続端子1を用いたノイズフィルタ10は、振動の影響を受けないので、ガラスアンテナ用ノイズフィルタに適している。
1 接続端子(チョークコイル用接続端子)
8 チョークコイル
8b コア
8c コイル
8d 端末(コイルの端末)
11 コイル接続部
11b 底板
11c 当接片
11f 前面板
11h 円形穴
11s 側面板(一対の側面板)
11t 天板
12 圧着部
111 第1突条
112 第2突条
113 弾性接触片
W 電線

Claims (5)

  1. 円柱状のコア、及びこのコアの外周を巻回したコイルで構成したチョークコイルと接続自在なチョークコイル用接続端子であって、
    前記コイルの端末と接続自在な角筒状のコイル接続部と、
    このコイル接続部の基端部側に形成し、電線を圧着により接続する圧着部と、を備え、
    前記コイル接続部は、
    前記コイルの端末を軸方向から導入できると共に、前記コイルの端末の外周を案内する円形穴を開口した前面板と、
    基端部側に形成し、前記コイルの端末の端面が当接して前記コイルの端末の挿入深さを規定する当接片と、
    前記コイルの端末の外周を案内する第1突条を内壁から対向する向きに突出した一対の側面板と、
    前記コイルの端末の外周とスライド自在に当接できる第2突条を内壁から突出した天板と、
    前記第2突条に向かって前記コイルの端末を外周方向から押圧する力を付勢する弾性接触片を設けた底板と、を有するチョークコイル用接続端子。
  2. 前記コイル接続部の底板は、前記弾性接触片の背面側に向かって突出し、前記弾性接触片の撓み量を規定する山状の隆起部を更に有する請求項1記載のチョークコイル用接続端子。
  3. 前記圧着部は、
    前記電線の絶縁被覆部を圧着により固定するインシュレーショングリップと、
    前記電線の芯線を圧着により固定するコンダクタバレルと、を含んでいる請求項1又2記載のチョークコイル用接続端子。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のチョークコイル用接続端子を用いたノイズフィルタであって、
    前記チョークコイルを内部の中央部に配置すると共に、一対の前記チョークコイル用接続端子を前記チョークコイルと偏心した状態で、前記チョークコイルの両端部側に内部配置した円筒状の絶縁ケースを備え、
    前記絶縁ケースは、互いに閉じて前記チョークコイル及び一対の前記チョークコイル用接続端子を外周方向から保持できると共に、互いに分離自在な一対の分割ケースからなり、
    一方の分割ケースは、
    両端面に開口され、前記電線が延出できる樋状の第1溝部と、
    前記第1溝部に連通し、前記チョークコイル用接続端子のコイル接続部を収容できる半円弧状の第2溝部と、を有し、
    前記チョークコイル用接続端子は、前記コイル接続部の前面板の一部が外周方向に突出した鍔片を更に有し、
    前記第2溝部は、前記鍔片を係止できるスリット溝を内壁に形成し、
    一対の前記スリット溝を相反する向きに形成して、一方の前記分割ケースに対する前記チョークコイル用接続端子の誤装着を防止している、ノイズフィルタ。
  5. 他方の前記分割ケースは、底面から突出した一対のランスを備え、
    一方の前記分割ケースは、一対の前記ランスが嵌合する切り欠き溝を周面に形成している、請求項4記載のノイズフィルタ。
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