JP6399119B2 - 金属薄板の寸法測定装置及び金属薄板の寸法測定方法 - Google Patents

金属薄板の寸法測定装置及び金属薄板の寸法測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属薄板の寸法測定装置及び金属薄板の寸法測定方法に関する。
例えば有機EL(Electro Luminescence)用の蒸着マスクなどに用いられるメタルマスクは、厚さ数十μm〜数百μmの金属薄板に、所望のパターンにエッチング(穴あけ)加工して開口部を形成することにより作製される。メタルマスクは、取り扱いやすいように、架張された状態で剛性のあるフレームに溶接される。
メタルマスクをフレームに溶接する際の作業不良を削減するために、メタルマスクの各種の寸法、例えば外形寸法、開口部の寸法、開口部のピッチ間隔等が、寸法測定装置を用いて測定されている。
例えば特許文献1(特開2011−237394号公報)には、そのような寸法測定方法の従来例が開示されている。この寸法測定方法は、2次元測長機による測定値の補正方法に関している。
特開2011−237394号公報
しかしながら、特許文献1の寸法測定方法では、載置板に載置された時の金属薄板が湾曲していたり浮き上がったりしていた場合には、測定値のバラツキが大きくなりすぎて、十分な補正が実現できず、測定値の誤差が大きすぎる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、金属薄板の寸法を精度良く測定することのできる金属薄板の寸法測定装置、及び、金属薄板の寸法測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、金属薄板が載置される載置板と、前記載置板上に載置される前記金属薄板の対向する両端側の各辺を保持するようになっている一対の保持機構と、前記一対の保持機構の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与えるようになっている引張機構と、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する測定機構と、を備えたことを特徴とする金属薄板の寸法測定装置である。
本発明によれば、金属薄板は一対の保持機構によって保持されて引張機構によって引っ張られた状態で少なくとも1つの寸法が測定される。したがって、載置板に載置された時の金属薄板が湾曲していたり浮き上がったりしていたとしても、そのような変形状態が除去ないし緩和された状態で金属薄板の寸法が測定されるため、測定精度が向上する。
好ましくは、前記測定機構は、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の画像を撮像する測定用カメラと、撮像された画像を処理する画像処理装置と、を有している。この場合、金属薄板の寸法を容易に測定することができる。
また、好ましくは、載置板には、帯電防止処理が施されている。この場合、金属薄板と載置板との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板が載置板上を滑らかに動くことができるため、金属薄板に張力が与えられる際、金属薄板に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、好ましくは、前記保持機構により保持された状態の前記金属薄板と前記載置板との間にエアを圧入するエア圧入機構をさらに備えている。この場合も、金属薄板と載置板との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板が載置板上を滑らかに動くことができるため、金属薄板に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、好ましくは、前記載置板の少なくとも一部を前記一対の保持機構に対して下降させる載置板下降機構を有している。この場合も、金属薄板と載置板との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板が載置板上を滑らかに動くことができるため、金属薄板に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、好ましくは、前記載置板は少なくとも2つの載置板部分に分離されていて、一対の保持機構の各々は異なる載置板部分に設けられている。この場合、金属薄板に張力が与えられる際、当該張力が付与される保持機構付近で載置板と金属薄板とが互いに摺動することが抑制されるため、金属薄板に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、本発明は、金属薄板が載置される複数の載置板と、前記載置板上に載置される前記金属薄板の対向する両端側の各辺を保持するようになっている複数対の保持機構と、各対の保持機構の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与えるようになっている複数の引張機構と、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する測定機構と、を備えたことを特徴とする金属薄板の寸法測定装置である。
本発明によれば、金属薄板に二次元的に(平面的に)引張力が与えられるため、金属薄板の変形状態が二次元的に除去ないし緩和され、測定精度がより一層向上する。
また、本発明は、金属薄板を載置板に載置する工程と、一対の保持機構によって前記載置板に載置された前記金属薄板の対向する両端側の各辺を保持する工程と、引張機構によって前記金属薄板を保持した状態の前記一対の保持機構の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与える工程と、測定機構によって前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する工程と、を備えたことを特徴とする金属薄板の寸法測定方法である。
本発明によれば、金属薄板を一対の保持機構によって保持して引張機構によって引っ張った状態で少なくとも1つの寸法を測定する。したがって、載置板に載置された時の金属薄板が湾曲していたり浮き上がったりしていた場合でも、そのような変形状態が除去ないし緩和された状態で金属薄板の寸法を測定できるため、測定精度が向上する。
好ましくは、前記測定する工程は、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の画像を撮像する工程と、撮像された画像を処理する工程と、を含んでいる。この場合、金属薄板の寸法を容易に測定することができる。
好ましくは、本発明の金属薄板の寸法測定方法は、前記引張力を与える工程の前に、前記一対の保持機構で保持された状態の前記金属薄板と前記載置板との間にエアを圧入する工程を更に備えている。この場合、金属薄板と載置板との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板が載置板上を滑らかに動くことができるため、金属薄板に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、好ましくは、本発明の金属薄板の寸法測定方法は、前記引張力を与える工程の前に、前記載置板の少なくとも一部を前記一対の保持機構に対して下降させる工程を更に備えている。この場合も、金属薄板と載置板との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板が載置板上を滑らかに動くことができるため、金属薄板に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、本発明は、金属薄板を複数の載置板に載置する工程と、複数対の保持機構の各対によって前記載置板に載置された前記金属薄板の対向する両端側の各辺を保持する工程と、複数の引張機構によって前記金属薄板を保持した状態の前記複数対の保持機構の各対の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与える工程と、測定機構によって前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する工程と、を備えたことを特徴とする金属薄板の寸法測定方法である。
本発明によれば、金属薄板に二次元的に(平面的に)引張力を与えるため、金属薄板の変形状態が二次元的に除去ないし緩和され、測定精度がより一層向上する。
本発明によれば、金属薄板は一対の保持機構によって保持されて引張機構によって引っ張られた状態で少なくとも1つの寸法が測定される。したがって、載置板に載置された時の金属薄板が湾曲していたり浮き上がったりしていた場合でも、そのような変形状態が除去ないし緩和された状態で金属薄板の寸法が測定されるため、測定精度が向上する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による寸法測定装置の一例を概略的に示す斜視図である。 図2は、寸法測定装置で測定される金属薄板の寸法の例を説明するための概略図である。 図3は、寸法測定装置で測定される金属薄板の寸法の例を説明するための概略図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態による寸法測定装置における、載置板と、保持機構と、引張機構と、を概略的に示す平面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態による寸法測定装置における、載置板と、載置板下降機構と、を概略的に示す側面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態による寸法測定装置における保持機構を概略的に示す側面図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態による寸法測定装置における引張機構を概略的に示す図であって、(a)は引張力付与前の状態を示しており、(b)は引張力付与時の状態を示している。 図8は、本発明の第2の実施の形態による寸法測定装置における、載置板と、保持機構と、引張機構と、を概略的に示す平面図である。 図9は、本発明の第3の実施の形態による寸法測定装置における、載置板と、保持機構と、引張機構と、を概略的に示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による寸法測定装置の一例を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態の寸法測定装置11は、金属薄板31が載置される載置板21と、載置板21上に載置される金属薄板31の対向する両端側の各辺を保持するようになっている一対の保持機構22a,22bと、一対の保持機構22a,22bの互いに対する距離を拡げることによって金属薄板31に対し引張力を与えるようになっている引張機構23と、引張力を与えられた状態の金属薄板31の少なくとも1つの寸法を測定する測定機構13と、を備えている。図1の例では、載置板21が並列に7枚並んでいる。
本実施の形態においては、測定機構13は、引張力を与えられた状態の金属薄板31の画像を撮像する測定用カメラ131と、撮像された画像を処理する画像処理装置132と、を有している。測定用カメラ131は、載置板21に載置された金属薄板31上を、鉛直方向、水平面内の縦方向及び横方向に移動することができるようになっている。
測定機構13によって測定される金属薄板31の寸法とは、例えば金属薄板31が有機EL用の蒸着マスクなどに用いられるメタルマスクの作製に用いられる場合、図2に示すように、メタルマスク34が作製される領域であるメタルマスク作製領域33の幅aや、各メタルマスク34の横幅bないし縦幅cである。あるいは、図3に示すように、メタルマスク開口部35の横幅dないし縦幅e、メタルマスク開口部35の横方向のピッチ間隔fないし縦方向のピッチ間隔g等である。画像処理の際には、金属薄板31に付された測定マーク32の中心位置を割り出すことによって、各寸法が決定(測定)される。
また、金属薄板31が載置される載置板21は、図4に示すように、載置板21の長手方向(図4の左右方向)の両縁部に、載置板縁部212a,212bを有している。また、載置板21は、一方の載置板縁部212aの側方から他方の載置板縁部212bの側方まで延びるように配置された一対の載置板枠体213と、当該一対の載置板枠体213と載置板縁部212a,212bとで囲まれた領域内に配置された2つの載置板中央部211a,211bと、を有している。
図4及び図5に示すように、各載置板中央部211a,211bの左右の各辺には軸受214が突設されており、当該軸受214には、一対の載置板枠体213によって偏心支持された偏心棒215が通されている。
このような軸受214と偏心棒215とによって、載置板下降機構216が構成されている。すなわち、偏心棒215が回転されることにより、載置板中央部211a,211bは、一対の保持機構22a,22bに対して偏心の分だけ下降されるようになっている。
図4から明らかなように、載置板縁部212a,212bと後述するクランプ基台221a,221bとの互いに向き合う各辺は、波状に形成されている。これによって、載置板縁部212a,212bとクランプ基台221a,221bとが互いに離れた状態となっても、載置板21に載置された金属薄板31が載置板21から垂れ下がることが抑制される。
載置板21の長手方向の両側に、一対の保持機構22a,22bが、載置板21上に載置される金属薄板31の対向する両端側の各辺を保持するように設けられている。
各保持機構22a,22bは、図4及び図6に示すように、クランプ基台221と、クランプ基台221と共同して金属薄板31を挟むクランプ部222と、クランプ部222をクランプ基台221に対して押圧する押圧レバー223と、押圧レバー223に押圧力を提供するようになっているワッシャー224及びコイルバネ225と、を有している。
保持機構22a,22bは、それぞれ、載置板21の長手方向に延びるように設けられたレール61a,61b上に摺動可能に載置されている。
図4に戻って、一方の保持機構22aの載置板21とは反対の側に、一対の保持機構22a,22bの互いに対する距離を拡げることによって金属薄板31に対し引張力を与えるための引張機構23が設けられている。
具体的には、本実施の形態の引張機構23は、図7に示すように、保持機構22aに固定された引張牽引部231と、引張牽引部231によって金属薄板31に対して与えられる引張力を検出することができるロードセル71と、ロードセル71を介して引張牽引部231に接続された引張牽引アーム232と、引張牽引アーム232を押すことによって引張牽引部231を図4の左方向に(一対の保持機構22a,22bを互いに離すように)移動させることができるエアシリンダ233と、を有している。
エアシリンダ233は、レール61aの引張機構23側の端部に固定されていて、エアシリンダ233が伸長することによって保持機構22aとは反対の方向(図7の左方向)に移動可能なエアシリンダヘッド234を有している。
引張牽引アーム232は、図4に示すような湾曲形状を有すると共に、一方の端部がエアシリンダヘッド234に当接され、エアシリンダ233が伸長してエアシリンダヘッド234が移動すると図4の左側に押されるようになっている。
引張牽引部231は、ロードセル71を介して引張牽引アーム232の他方の端部に接続されており、エアシリンダヘッド234の移動に伴って、レール61aの引張機構23側の端部(エアシリンダ233の固定部)を基点にして、図4の左側に移動されるようになっている。
ロードセル71は、一方の端部(図4の上側の端部)が引張牽引アーム232に、他方の端部(図4の下側の端部)が引張牽引部231に接続されており、引張牽引アーム232によって引張牽引部231に与えられる引張力、したがって引張牽引部231によって金属薄板31に対して与えられる引張力、を検出することができるようになっている。
図4に戻って、本実施の形態の寸法測定装置11には、他方の保持機構22bの載置板21とは反対の側に、一対の保持機構22a,22bによって保持されて引張機構23によって引張力が与えられた金属薄板31を載置板21の長手方向に揺らすことによって、金属薄板31に与えられた引張力を金属薄板31に「なじませる」(全体に亘って均一化させる)ための揺動機構24が設けられている。
具体的には、本実施の形態の揺動機構24は、保持機構22bに固定された揺動牽引部241と、揺動牽引部241を図4の左右方向に揺動させることができるマイクロメータ243と、を有している。
マイクロメータ243は、レール61bに固定されており、マイクロメータ243が伸長及び縮退することによって載置板21の長手方向(図4の左右方向)に揺動可能なマイクロメータヘッド244を有している。
揺動牽引部241は、図4に示すような湾曲形状を有すると共にマイクロメータヘッド244に当接される揺動牽引アーム242と一体になっており、マイクロメータヘッド244の揺動に伴って、レール61b上のマイクロメータ243の固定部を基点にして同様に揺動されるようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、金属薄板31が載置板21に載置される際には、載置板縁部212a,212bと一対の保持機構22a,22bのクランプ基台221とが当接されている。また、引張機構23のエアシリンダヘッド234と引張牽引アーム232とが当接されており、揺動機構24のマイクロメータヘッド244と揺動牽引アーム242とが当接されている。
そして、金属薄板31が載置板21上に載置されると、金属薄板31の対向する両側の各辺が一対の保持機構22a,22bによって保持される。具体的には、各保持機構22a,22bにおいて、ワッシャー224及びバネ225によって押圧レバー223に押圧力が提供され、押圧レバー223によってクランプ部222がクランプ基台221に対して押圧されることにより、クランプ基台221とクランプ部222との間に金属薄板31の対向する両側の各辺が挟まれて保持される。
金属薄板31が一対の保持機構22a,22bによって保持されると、載置板21の偏心棒215が回転されて、載置板中央部211a,211bが、一対の保持機構22a,22bに対して偏心の分だけ下降される。これにより、後述するように金属薄板31に引張力が与えられる際、金属薄板31と載置板21との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板31が載置板21上を滑らかに動くことができるため、金属薄板31に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
この状態で、引張機構23によって一対の保持機構22a,22bの互いに対する距離が拡げられ、金属薄板31に引張力が与えられる。
具体的には、エアシリンダ233が伸長することによって、エアシリンダヘッド234が保持機構22aとは反対の方向(図7の左方向)に移動されて引張牽引アーム232の一方の端部がエアシリンダヘッド234の移動方向と同じ方向に押される。このように引張牽引アーム232の一方の端部がエアシリンダヘッド234に押されることによって、引張牽引部231が、レール61aの引張機構23側の端部(エアシリンダ233の固定部)を基点にして、図4の左方向に一対の保持機構22a,22bを互いに離すように移動される。すなわち、引張牽引部231が保持機構22aとは反対の方向に移動されることによって、一方の保持機構22aがレール61a上を引張牽引部231と共に移動され、一対の保持機構22a,22bの互いに対する距離が拡げられる。
金属薄板31に与えられる引張力は、ロードセル71によって検出され、当該検出結果に基づいてエアシリンダ233の伸長の程度が制御される。これにより、金属薄板31に与えられる引張力を調整することができる。
また、本実施の形態では、金属薄板31に引張力が与えられた状態で、揺動機構24によって金属薄板31が載置板21の長手方向に揺らされる。これによって、金属薄板31に与えられた引張力を金属薄板31に「なじませる」(全体に亘って均一化させる)ことができる。
具体的には、マイクロメータ243が伸長及び縮退することによって、マイクロメータヘッド244が載置板21の長手方向(図4の左右方向)に揺動される。このようなマイクロメータヘッド244の揺動に伴って、揺動牽引部241が、レール61b上のマイクロメータ243の固定点を基点にして同様に揺動され、他方の保持機構22bがレール61b上を揺動牽引部241と共に揺動される。これによって、金属薄板31が、結果的に載置板21の長手方向に揺動されることになる。
前述のように金属薄板31が揺動された後、全体に亘ってほぼ均一に引張力を与えられた状態の金属薄板31の画像が、測定用カメラ131によって取得され、撮像された画像が画像処理装置132によって処理され、金属薄板31の少なくとも1つの寸法が測定される。これによって、載置板21に載置された時の金属薄板31が湾曲していたり浮き上がったりしていた場合でも、そのような変形状態が除去ないし緩和された状態で金属薄板31の各種寸法が測定される。
以上のように本実施の形態によれば、金属薄板31は、一対の保持機構22a,22bによって保持されて引張機構23によって引っ張られた状態で少なくとも1つの寸法が測定される。したがって、載置板21に載置された時の金属薄板31が湾曲していたり浮き上がったりしていた場合でも、そのような変形状態が除去ないし緩和された状態で金属薄板31の寸法が測定されるため、測定精度が向上する。
また、測定機構13は、引張力を与えられた状態の金属薄板31の画像を撮像する測定用カメラ131と、撮像された画像を処理する画像処理装置132と、を有している。したがって、金属薄板31の寸法を容易に測定することができる。
また、寸法測定装置11は、載置板21の少なくとも一部を一対の保持機構22a,22bに対して下降させる載置板下降機構を有している。したがって、金属薄板31と載置板21との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板31に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
載置板下降機構216の代わりに、一対の保持機構22a,22bにより保持された状態の金属薄板31と載置板21との間にエアを圧入するエア圧入機構が設けられていてもよい。この場合も、金属薄板31と載置板21との間の摩擦力や静電気力等が抑制され、金属薄板31に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、載置板下降機構216やエア圧入機構を設ける代わりに、金属薄板31と載置板21との間の静電気を防止したり金属薄板31と載置板21との間の滑り性を向上させる処理を、載置板21に対して施してもよい。例えば、載置板21表面に、カーボンないし金属酸化物などの帯電防止剤や界面活性剤を施したり、静電気を帯びない性質をもったフィルムを貼付したり、フッ素やシリコンなどの滑り性を向上させる処理を施したフィルム、例えばポリエステル製のフィルム、を貼付してもよい。また、載置板21として、導電性のテフロン加工した金属板を用いてもよい。
このような場合、金属薄板31が載置板21上を滑らかに動くことができるため、金属薄板31に張力が与えられる際、金属薄板31に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、載置板21は2つの載置板部分に分離されていて、各載置板部分に各保持機構22a,22bが設けられていてもよい。この場合、金属薄板31に張力が与えられる際、保持機構22a,22b付近で載置板21と金属薄板31とが互いに摺動することが抑制されるため、金属薄板31に張力が与えられる際、金属薄板31に局所的な応力が生じることが抑制され、測定精度が向上する。
また、金属薄板31を載置板21に載置する際、載置板21もしくはクランプ基台221にガイドピンを、金属薄板31に位置決めするための穴を設け、当該穴とガイドピンとの位置を合わせながら金属薄板31を載置板21上に載置してもよい。
また、保持機構22a,22bは、クランプ部222をネジやエアでクランプ基台221に押し付けることにより、金属薄板31をクランプ部222とクランプ基台221との間に保持するタイプものであってもよい。
また、引張機構23は、重りやモータ、バネなどによって保持機構22aを引っ張るものであってもよい。
次に、図8により、本発明による寸法測定装置の第2の実施の形態について説明する。
図8は、本発明の第2の実施の形態による寸法測定装置における、載置板と、保持機構と、引張機構と、を概略的に示す平面図である。本実施の形態の寸法測定装置11は、図8に示すように、複数の載置板21と、載置板21上に載置される金属薄板31の対向する両端側の各辺を各対が保持するようになっている複数対の保持機構22a,22bと、各対の保持機構22a,22bの互いに対する距離を拡げることによって金属薄板31に対し引張力を与えるようになっている複数の引張機構23と、金属薄板31に与えられた引張力を金属薄板31に「なじませる」(全体に亘って均一化させる)ための複数の揺動機構24と、を備えている。
その他の構成は、図1及び図4に示す第1の実施の形態と略同様である。図8において、図1及び図4に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態の寸法測定装置11では、図8に示すように、複数の載置板21が、載置板21の長手方向に垂直な方向(図8の上下方向)に並列に設けられており、各載置板21の両側に、一対の保持機構22a,22b、引張機構23及び揺動機構24が、第1の実施の形態と略同様に設けられている。
次に、本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の寸法測定装置11では、金属薄板31が複数の載置板21上に載置され、複数対の保持機構22a,22bの各対によって複数の載置板21に載置された金属薄板31の対向する両端側の各辺が保持される。
金属薄板31が複数対の保持機構22a,22bによって保持された後、載置板下降機構216によって載置板中央部211a,211bが、複数対の保持機構22a,22bに対して下降され、複数の引張機構23によって複数対の保持機構22a,22bの互いに対する距離が拡げられる。これによって、金属薄板31に対して二次元的に(平面的に)引張力が与えられる。
金属薄板31に引張力が与えられた状態で、複数の揺動機構24によって、金属薄板31は各載置板21の長手方向(図8の左右方向)に揺動される。これによって、金属薄板31に二次元的に与えられた引張力を、金属薄板31に二次元的に「なじませる」(全体に亘って均一化させる)ことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、金属薄板に二次元的に(平面的に)引張力が与えられるため、金属薄板の変形の状態が二次元的に除去ないし緩和され、測定精度がより一層向上する。
次に、図9により、本発明による寸法測定装置の第3の実施の形態について説明する。
図9は、本発明の第3の実施の形態による寸法測定装置における、載置板と、保持機構と、引張機構と、を概略的に示す平面図である。本実施の形態の寸法測定装置11は、図9に示すように、載置板21が複数に分かれていない点を除いて、図8に示す第2の実施の形態と同様である。
本実施の形態によっても、図8に示す第2の実施の形態と同様に、金属薄板に二次元的に(平面的に)引張力が与えられるため、金属薄板の変形の状態が二次元的に除去ないし緩和され、測定精度がより一層向上する。
11 寸法測定装置
13 測定機構
131 測定用カメラ
132 画像処理装置
21 載置板
211a 載置板中央部
211b 載置板中央部
212a 載置板縁部
212b 載置板縁部
213 載置板枠体
214 軸受
215 偏心棒
216 載置板下降機構
22a 一方の保持機構
22b 他方の保持機構
221 クランプ基台
222 クランプ部
223 押圧レバー
224 ワッシャー
225 バネ
23 引張機構
231 引張牽引部
232 引張牽引アーム
233 エアシリンダ
234 エアシリンダヘッド
24 揺動機構
241 揺動牽引部
242 揺動牽引アーム
243 マイクロメータ
244 マイクロメータヘッド
31 金属薄板
32 測定マーク
33 メタルマスク作製領域
34 メタルマスク
35 メタルマスク開口部
61a レール
61b レール
71 ロードセル

Claims (7)

  1. 金属薄板が載置される載置板と、
    前記載置板上に載置される前記金属薄板の対向する両端側の各辺を保持するようになっている一対の保持機構と、
    前記一対の保持機構の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与えるようになっている引張機構と、
    前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する測定機構と、
    を備えた金属薄板の寸法測定装置であって、
    前記載置板は、前記一対の保持機構の間に配置され、前記一対の保持機構を結ぶ方向に少なくとも2つの載置板部分に分離されており、
    前記金属薄板の寸法測定装置は、
    前記保持機構により保持された状態の前記金属薄板と前記載置板との間にエアを圧入するエア圧入機構と、
    前記一対の保持機構の少なくとも一方を前記金属薄板の前記両端側の各辺が対向する方向に揺動させることによって、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板を前記対向する方向に揺動させるようになっている揺動機構と、
    をさらに備え、
    前記エア圧入機構は、前記引張機構によって前記金属薄板に対し引張力を与える前に、前記一対の保持機構により保持された状態の前記金属薄板と前記載置板との間にエアを圧入する
    ことを特徴とする金属薄板の寸法測定装置。
  2. 前記測定機構は、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の画像を撮像する測定用カメラと、撮像された画像を処理する画像処理装置と、を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属薄板の寸法測定装置。
  3. 前記載置板には、帯電防止処理が施されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属薄板の寸法測定装置。
  4. 金属薄板が載置される複数の載置板と、
    前記載置板上に載置される前記金属薄板の対向する両端側の各辺を各対が保持するようになっている複数対の保持機構と、
    各対の保持機構の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与えるようになっている複数の引張機構と、
    前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する測定機構と、
    を備えた金属薄板の寸法測定装置であって、
    各載置板は、当該載置板に対応する一対の保持機構の間に配置され、前記一対の保持機構を結ぶ方向に少なくとも2つの載置板部分に分離されており、
    前記金属薄板の寸法測定装置は、
    前記複数対の保持機構の各対により保持された状態の前記金属薄板と前記複数の載置板との間にエアを圧入するエア圧入機構と、
    各対の保持機構の少なくとも一方を前記金属薄板の前記両端側の各辺が対向する方向に揺動させることによって、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板を前記対向する方向に揺動させるようになっている複数の揺動機構と、
    をさらに備え、
    前記エア圧入機構は、前記複数の引張機構によって前記金属薄板に対し引張力を与える前に、前記複数対の保持機構の各対によって保持された状態の前記金属薄板と前記複数の載置板との間にエアを圧入する
    ことを特徴とする金属薄板の寸法測定装置。
  5. 金属薄板を載置板に載置する工程と、
    一対の保持機構によって前記載置板に載置された前記金属薄板の対向する両端側の各辺を保持する工程と、
    引張機構によって前記金属薄板を保持した状態の前記一対の保持機構の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与える工程と、
    測定機構によって前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する工程と、
    を備え、
    前記引張力を与える工程の前に、前記一対の保持機構で保持された状態の前記金属薄板と前記載置板との間にエアを圧入する工程と、
    前記測定する工程の前に、揺動機構によって前記一対の保持機構の少なくとも一方を前記金属薄板の前記両端側の各辺が対向する方向に揺動させることによって、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板を前記対向する方向に揺動させる工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする金属薄板の寸法測定方法。
  6. 前記測定する工程は、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の画像を撮像する工程と、撮像された画像を処理する工程と、を含んでいる
    ことを特徴とする請求項5に記載の金属薄板の寸法測定方法。
  7. 金属薄板を複数の載置板に載置する工程と、
    複数対の保持機構の各対によって前記複数の載置板に載置された前記金属薄板の対向する両端側の各辺を保持する工程と、
    複数の引張機構によって前記金属薄板を保持した状態の前記複数対の保持機構の各対の互いに対する距離を拡げることによって前記金属薄板に対し引張力を与える工程と、
    測定機構によって前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板の少なくとも1つの寸法を測定する工程と、
    を備え、
    前記引張力を与える工程の前に、前記複数対の保持機構の各対によって保持された状態の前記金属薄板と前記複数の載置板との間にエアを圧入する工程と、
    前記測定する工程の前に、複数の揺動機構によって各対の保持機構の少なくとも一方を前記金属薄板の前記両端側の各辺が対向する方向に揺動させることによって、前記引張力を与えられた状態の前記金属薄板を前記対向する方向に揺動させる工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする金属薄板の寸法測定方法。
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