JP6398989B2 - 光学式検体検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)現象を応用した表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS:Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づいた、表面プラズモン励起増強蛍光測定装置などの光学式検体検出装置に関する。
従来、極微少な物質の検出を行う場合において、物質の物理的現象を応用することでこのような物質の検出を可能とした様々な検体検出装置が用いられている。
このような検体検出装置の一つとして、ナノメートルレベルなどの微細領域中で電子と光が共鳴することにより、高い光出力を得る現象(表面プラズモン現象(SPR:Surface Plasmon Resonance)現象)を応用し、例えば、生体内の極微少なアナライトの検出を行うようにした表面プラズモン共鳴装置(以下、「SPR装置」と言う)が挙げられる。
また、表面プラズモン共鳴(SPR)現象を応用した、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS:Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づき、SPR装置よりもさらに高精度にアナライト検出を行えるようにした表面プラズモン励起増強蛍光分光測定装置(以下、「SPFS装置」と言う)も、このような検体検出装置の一つである。
この表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)は、光源より照射したレーザー光などの励起光が、金属薄膜表面で全反射減衰(ATR:Attenuated Total Reflectance)する条件において、金属薄膜表面に表面プラズモン光(疎密波)を発生させることによって、光源より照射した励起光が有するフォトン量を数十倍〜数百倍に増やして、表面プラズモン光の電場増強効果を得るようになっている。
ところで、全反射減衰(ATR)する条件は、金属薄膜表面に向かって光源より照射された励起光の金属薄膜表面に対する入射角を変えながら、金属薄膜表面で反射した反射光を受光部によって受光し、その反射光の光強度を測定したり、金属薄膜表面に発生した表面プラズモン光の光強度を測定したりすることによって求められる。
特に、SPFS装置では、ATR条件の中でも、金属薄膜表面に発生する表面プラズモン光の光量がピークとなる「増強角」を求め、この増強角で励起光を金属薄膜表面に照射することによって、検体検出測定が行われている。
従来、金属薄膜表面に対する励起光の入射角を変えるためには、ステッピングモーターや歯車列などを用いて、光源を含む投光ユニットを回動させる方法が用いられている。しかしながら、この方法では、投光ユニットの重量が大きくなるため、回動させること、特に鉛直方向に回動させることによって、重量負荷がかかり、振動ノイズなどが信号に混入してしまい、測定精度が低下してしまっていた。
このため、特許文献1,2に開示されるように、投光ユニットを回動させることなく検体検出測定を行う方法が提案されている。
特許文献1に開示された方法では、入射角度が異なり、かつ強度が実質的に等しい複数の光線を入射させることにより、増強角が変化した場合などであっても、発生する表面プラズモンに起因して発生する増強電場の強度を均一にし、増強角を事前に測定せずに検体検出測定を行うことができる。
また、特許文献2に開示された方法では、集光レンズの焦点位置に配置された点光源やアパーチャー部材などを用いることによって、投光ユニット全体を回動させることなく、点光源などを集光レンズの光軸と直交する平面上を直線移動させることで金属薄膜表面に対する励起光の入射角を変化させ、増強角を測定している。
特開2009−204484号公報 特開2012−181024号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、励起光として集束光線を用いているため、励起光が照射される金属薄膜の厚さのムラや、被検出物質の付着ムラなどの影響を大きく受けてしまうため、この影響を小さくするためは、集束点の位置及び光束中心の傾斜角度が異なる多数の光束を入射する必要がある。
さらに、励起光のピントがずれてしまった場合などには、金属薄膜表面に対する入射角がそれぞれ異なっているため、計算による補正が困難であり、再度測定し直す必要がある。
また、特許文献2に開示された方法では、点光源の位置を移動させて増強角を測定した後、増強角で検体検出測定が行われることになるが、1回の検体検出測定の度に増強角を測定するための時間が必要となる。
本発明では、このような現状に鑑み、励起光が照射される金属薄膜の厚さのムラや、被検出物質の付着ムラなどの影響を小さくするとともに、検体検出測定に要する時間の短縮を図ることができる光学式検体検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した光学式検体検出装置は、金属薄膜に誘電体部材を介して励起光を照射することで検体の検出を行う光学式検体検出装置であって、
前記誘電体部材に入射させる励起光を平行光束として集光するコリメートレンズと、
前記コリメートレンズに対して、所定位置に所定の光束径の励起光を照射する光学ユニットと、
前記励起光の照射により生じる検体からの発光シグナルを測定する光検出手段と、
前記光検出手段により測定された前記発光シグナルに基づき、前記検体を検出するための演算を行う演算手段と、を備え、
前記光学ユニットは、前記励起光を照射する位置を変化可能なように構成されるとともに、照射する励起光が切替可能に構成され、
前記演算手段において、各所定位置に照射された各励起光のうち、隣接する2つの励起光の照射により生じる検体からの発光シグナルの和に基づいて、検体検出測定を行う。
本発明によれば、異なる入射角で照射された所定の光束径の各励起光により生じる検体からの発光シグナルの和に基づいて、検体検出測定を行うように構成しているため、ATR条件や増強角の測定をすることなく、増強角における発光シグナルを算出することができ、検体検出測定に要する時間の短縮を図ることができる。
図1は、本発明の光学式検体検出装置の一態様であるSPFS装置の概略を模式的に示す概略図である。 図2は、図1のSPFS装置における光学ユニットを模式的に示す模式図である。 図3は、反応空間形成部材の一例を説明するための概略構成図であって、図3(a)は、ウェル部材の例を示す概略構成図、図3(b)は、流路部材の例を示す概略構成図である。 図4は、増強角が異なるセンサーチップにおける励起光の照射角と蛍光シグナルの関係を示す蛍光シグナル分布である。 図5は、各増強角の蛍光シグナル分布において、φ0±θの際の蛍光シグナルの和の示す蛍光シグナル和分布である。 図6は、図5の蛍光シグナル和分布を1/最大値で規格化した補正係数分布である。 図7は、SPFS装置10による検体検出測定における光学ユニットの動作を説明するための模式図である。 図8は、本発明の光学式検体検出装置の一態様であるSPFS装置の別の実施例における光学ユニットの概略を模式的に示す概略図である。 図9は、シャッターユニット自体を液晶基板とした場合の構成を説明するための概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。
図1は、本発明の光学式検体検出装置の一態様であるSPFS装置の概略を模式的に示す概略図、図2は、図1のSPFS装置における光学ユニットを模式的に示す模式図である。
この実施例のSPFS装置10は、鉛直断面形状が略台形であるプリズム形状の誘電体部材12と、この誘電体部材12の水平な上面12aに形成された金属薄膜14とからなるセンサーチップ16を備えており、このセンサーチップ16は、SPFS装置10のセンサーチップ装填部18に装填されている。
なお、センサーチップ16の金属薄膜14上には、蛍光物質で標識されたアナライトを捕捉するための固相膜48と、この固相膜48上にアナライトを含有する検体液を導入するための反応空間形成部材50とが設けられている。
固相膜48は、アナライトを捕捉するためのリガンドが固定化されたものであって、例えば、SAM(Self-Assembled Monolayer:自己組織化単分子膜)及びSAM上に形成された固相化層によって構成することができる。
なお、固相化層としては、例えば、グルコース,カルボキシメチル化グルコース,ならびにビニルエステル類,アクリル酸エステル類,メタクリル酸エステル類,オレフィン類,スチレン類,クロトン酸エステル類,イタコン酸ジエステル類,マレイン酸ジエステル類,フマル酸ジエステル類,アリル化合物類,ビニルエーテル類およびビニルケトン類それぞれに包含される単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体から構成される高分子を含むことが好ましく、デキストランおよびデキストラン誘導体などの親水性高分子ならびにビニルエステル類,アクリル酸エステル類,メタクリル酸エステル類,オレフィン類,スチレン類,クロトン酸エステル類,イタコン酸ジエステル類,マレイン酸ジエステル類,フマル酸ジエステル類,アリル化合物類,ビニルエーテル類およびビニルケトン類それぞれに包含される疎水性単量体から構成される疎水性高分子を含むことがより好ましく、カルボキシメチルデキストラン(CMD)などのデキストランが生体親和性、非特異的な吸着反応の抑制性、高い親水性の観点から特に好適である。
また、反応空間形成部材50としては、検体液を一時的に貯留するためのウェル部材51や、検体液を固相膜48の反応エリア48aに対して循環させることができる流路部材52などを用いることができる。
ウェル部材51は、図3(a)に示すように、固相膜48の反応エリア48aを囲繞するように反応エリア48aの壁を構成し、反応空間54を形成するための部材である。
この反応空間54に、例えば、ピペットなどを用いて検体液を注入することによって、検体液中のアナライトと固相膜48とが反応して、固相膜48にアナライトが捕捉されることになる。
また、流路部材52は、図3(b)に示すように、誘電体部材12と流路部材52とによって流路56を形成し、検体液が反応エリア48aに対して循環するように構成するための部材である。
すなわち、流路56内の反応エリア48a上が反応空間54となっており、この反応空間54に検体液を流通させることによって、検体液中のアナライトと固相膜48とが反応して、固相膜48にアナライトが捕捉されることになる。
なお、流路56に検体液を流通させる方法としては、特に限定されるものではないが、流路56の両端部56a,56bにポンプ(図示せず)を接続して、検体液を一方向に循環させてもよいし、流路56の端部56aからピペットを用いて検体液を注入するとともに、ピペットによって検体液を吸排することによって、反応エリア48aに対して検体液を往復移動させてもよい。
特に、反応エリア48aに対して検体液を往復移動させることによって、少量の検体液であっても、アナライトと固相膜48との反応効率が高くなり、アナライトの検出精度を向上させることができる。
また、このような反応空間形成部材50(ウェル部材51、流路部材52)の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、セラミックスなどの各種の無機物、天然ポリマー、合成ポリマーなどを用いることができる。
なお、流路部材52のように反応エリア48aを反応空間形成部材50によって覆う場合には、後述する光検出手段40によって蛍光38を観測可能なように、光学的に透明な材料を用いる必要がある。
なお、このような検体液としては、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが挙げられる。
また、検体液中に含有されるアナライトは、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
また、アナライトを蛍光物質により標識する方法としては、特に限定されるものではないが、反応空間形成部材50内にアナライトを含有する検体液を注入してアナライトを固相膜48に捕捉させた後、アナライトと特異的に吸着する標識用抗体及びこの標識用抗体と特異的に吸着する蛍光物質を反応空間形成部材50内に順次注入することにより行うことができる。
なお、蛍光物質としては、所定の励起光を照射するか、または電界効果を利用することで励起し、蛍光を発する物質であれば、特に限定されない。本明細書において、「蛍光」とは、燐光などの各種の発光も含まれる。
また、誘電体部材12の上方には、金属薄膜14上に発生した表面プラズモン光(疎密波)により励起された蛍光物質により発光される蛍光38の強度を測定するための光検出手段40が設けられている。
光検出手段40としては、特に限定されるものではないが、例えば、超高感度の光電子倍増管や、多点計測が可能なCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、APD(Avalanche PhotoDiode)などを用いることができる。
なお、光検出手段40は、演算手段30に接続されており、後述するように光検出手段40において測定された発光シグナル(本実施例においては、「蛍光シグナル」とも言う)が演算手段30に送信されるように構成されている。
また、誘電体部材12と光検出手段40との間には、光を効率よく集光するための集光部材44と、蛍光38のみを選択的に透過するように形成された波長選択機能部材46が設けられている。
集光部材44としては、光検出手段40に蛍光を効率よく集光することを目的とするものであれば、任意の集光系でよい。簡易な集光系としては、例えば、顕微鏡などで使用されている市販の対物レンズを転用してもよい。対物レンズの倍率としては、10〜100倍が好ましい。
また、波長選択機能部材46としては、光学フィルタ、カットフィルタなどを用いることができる。
光学フィルタとしては、減光(ND)フィルタ、ダイアフラムレンズなどが挙げられる。さらに、カットフィルタとしては、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、センサーチップ表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酸素蛍光基質の自家蛍光などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
また、誘電体部材12の下方の一方の側面12bの側には、図1に示すように、投光ユニット20と、投光ユニット20から照射される光を一部だけ通過させるシャッターユニット22と、シャッターユニット22を通過した光を集光するための集光レンズ23とを含む光学ユニット34と、集光された励起光26を平行光束とするためのコリメートレンズ24とが設けられている。
投光ユニット20は、例えば、LD(Laser Diode:レーザーダイオード)やLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、HID(High Intensity Discharge)ランプ(高輝度放電ランプ)などからなる光源27と、光源27から照射された光を平行光束とするコリメートレンズ28を含んで構成されている。
また、シャッターユニット22は、所定位置において、所定の光束径の励起光を通過させるシャッター孔を開閉可能なように構成されていればよく、本実施例においては、所定の間隔だけ離間して形成されたシャッター孔22a,22b及びシャッター孔22a,22bを覆うように設けられたシャッター22c,22dを備えている。
なお、シャッター22c,22dとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メカシャッター、電子シャッター、液晶シャッターなどを用いることができる。
また、シャッター孔としては3つ以上設けられていても構わないが、2つのシャッター孔とすることが好ましい。
また、シャッター孔22a,22bは、所定の径を有する略円形状の孔であり、シャッター孔22a,22bを通過した励起光26は、所定の光束径で金属薄膜14表面に照射されることになる。
なお、シャッター孔22a,22bの直径ωは、下記式1によって求められる大きさとすることが好ましい。
Figure 0006398989
このように構成された光学ユニット34は、図2に示すように、投光ユニット20から照射された平行光束の光軸に対して、±θの傾斜角で励起光26が照射されることになる。ここでθは、下記式2を満たすことが好ましい。
Figure 0006398989
ここで、増強角変動幅p-pとしては、事前に複数のセンサーチップ16をサンプルとして測定した場合の増強角の最大値と最小値との差分値を用いることができる。なお、増強角の変動が、センサーチップ16の各構成部材の屈折率変動やアナライトの種類などに影響することを鑑みれば、θ=3°とすることが妥当である。
なお、光学ユニット34は、励起光26を照射する位置、すなわち、金属薄膜14表面に照射される入射角を変化可能なように構成されるとともに、照射する励起光26が切替可能に構成されていれば、この実施例の構成に限定されるものではない。
また、演算手段30は、記憶手段32を備えており、事前に算出された補正係数分布K(φ)及び増強角算出用計量線が記憶されている。
補正係数分布K(φ)は以下のようにして求めることができる。
まず、図4に示すように、増強角がそれぞれ異なるセンサーチップ16における蛍光シグナル分布を計算もしくは測定することによって求める。図4に示す例では、増強角が、φ-2、φ-1、φ0、φ1、φ2の5種類の場合について、励起光の照射角と蛍光シグナルの関係である蛍光シグナル分布を求めている。
次いで、各蛍光シグナル分布においてφ0±θの際の蛍光シグナルSn(φ0+θ)及びSn(φ0−θ)を算出する(n=−2、−1、0、1、2)。そして、蛍光シグナルSn(φ0+θ)とSn(φ0−θ)を加算することによって、図5に示すように、蛍光シグナル和分布を算出する。
そして、この蛍光シグナル和分布を1/最大値で規格化することにより、図6に示すように、補正係数分布K(φ)を求めることができる。
また、増強角算出用計量線は、下記式3または4のように、蛍光シグナルSn(φ0+θ)とSn(φ0−θ)のシグナルコントラストCやシグナル比Fを計算し、増強角φnとの関係を示すデータである。
Figure 0006398989
Figure 0006398989
このようにシグナルコントラストcやシグナル比fを用いることによって、2つの励起光に基づく蛍光シグナルから、増強角φを算出することができる。
このように構成される本実施例のSPFS装置10では、以下のようにして検体検出測定を行うことができる。なお、本明細書において「検体検出測定」とは、アナライトの有無の検出と、アナライトの量の測定の両方の意味を含んでいる。
図7は、SPFS装置10による検体検出測定における光学ユニット34の動作を説明するための模式図である。
まず、図7(a)に示すように、シャッター22cを開、シャッター22dを閉とした状態で、投光ユニット20から励起光26を照射する。これにより、シャッター孔22aを通過した励起光26が、+θの傾斜角で金属薄膜14表面に照射されることになる。
この状態で、光検出手段40によって、アナライトを標識する蛍光物質から発生する蛍光38の光強度を測定し、これを蛍光シグナルS(+θ)とする。
次いで、図7(b)に示すように、シャッター22cを閉、シャッター22dを開と下状態で、投光ユニット20から励起光26を照射する。これにより、シャッター孔22bを通過した励起光26が、−θの傾斜角で金属薄膜14表面に照射されることになる。
この状態で、光検出手段40によって、アナライトを標識する蛍光物質から発生する蛍光38の光強度を測定し、これを蛍光シグナルS(−θ)とする。
そして、演算手段30において、得られた蛍光シグナルS(+θ)、S(−θ)及び増強角算出用検量線を用いて、増強角φを算出する。
次いで、演算手段30において、補正係数分布K(φ)と増強角φとから、補正係数Kを算出する。
そして、演算手段30において、蛍光シグナルS(+θ)とS(−θ)の和と補正係数Kとを積算することによって、増強角φの時の蛍光シグナル補正値S(φ)を算出する。
この算出された蛍光シグナル補正値S(φ)と、事前に求められた蛍光シグナルとアナライトの量の関係を示す検量線とから、アナライトの量を算出することができる。
図8は、本発明の光学式検体検出装置の一態様であるSPFS装置の別の実施例における光学ユニット34の概略を模式的に示す概略図である。
この実施例のSPFS装置10は、図1,2に示したSPFS装置10と基本的には同様な構成であるので、同一の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
上述した実施例のSPFS装置10では、シャッターユニット22を用いて、照射する励起光の切り替えを行っていたが、この実施例では、複数の投光ユニット20を備え、この投光ユニット20を切り替えて動作させることによって、照射する励起光の切り替えを行っている。
このように構成した場合であっても、上述した実施例と同様に、複数の蛍光シグナルに基づいて、増強角φにおける蛍光シグナル補正値を算出し、アナライトの量を算出することができる。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では2つの励起光に基づいて検体検出測定を行っているが、3つ以上の励起光を用いて検体検出測定を行うことも可能である。
例えば、3つの励起光の金属薄膜表面に対する入射角がそれぞれθ1、θ2、θ3である場合、蛍光シグナルS(θ1)とS(θ2)の和に基づき検体検出測定を行うとともに、蛍光シグナルS(θ2)とS(θ3)の和に基づき検体検出測定を行う。
すなわち、隣接する2つの励起光を用いて上述する検体検出測定と同様に形態検出測定を行うことになる。この場合、隣接する2つの励起光毎に補正係数分布K(θ)が異なるため、それぞれ事前に求めておき、演算手段30の記憶手段32に記憶しておく。
このように3つ以上の励起光を用いて検体検出測定を行うことにより、増強角変動幅p-pの許容範囲を拡大することができたり、隣接する2つの励起光の間隔を狭めることで蛍光シグナル和、すなわち検体検出に用いるシグナルを大きくすることができ、アナライトが極微量であったとしても、精度良く検出することができる。
また、上記実施例では、シャッターユニット22として、シャッター孔22a,22bを覆うようにシャッター22c,22dを備えた構成としているが、図9に示すように、シャッターユニット22自体を液晶基板とし、液晶基板の液晶配向を部分的に変化させ、光を透過させるシャッター孔22aとすることもできる。
この場合、液晶基板であるシャッターユニット22の任意の箇所の液晶配向を変化させて、励起光26を通過させることができるため、アナライトの種類などに応じてθを変更する場合にも容易に対応可能とすることができる。
このように本発明の光学式検体検出装置は、上記実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明は、例えば、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)を用いた、血液検査などの臨床試験のような、高精度の検出が要求される分野において、検体検出を高精度かつ迅速に行うことができる。
10 装置
12 誘電体部材
12a 上面
12b 側面
14 金属薄膜
16 センサーチップ
18 センサーチップ装填部
20 投光ユニット
22 シャッターユニット
22a シャッター孔
22b シャッター孔
22c シャッター
22d シャッター
23 集光レンズ
24 コリメートレンズ
26 励起光
27 光源
28 コリメートレンズ
30 演算手段
32 記憶手段
34 光学ユニット
38 蛍光
40 光検出手段
44 集光部材
46 波長選択機能部材
48 固相膜
48a 反応エリア
50 反応空間形成部材
51 ウェル部材
52 流路部材
54 反応空間
56 流路
56a 端部
56b 端部

Claims (10)

  1. 金属薄膜に誘電体部材を介して励起光を照射することで検体の検出を行う光学式検体検出装置であって、
    前記誘電体部材に入射させる励起光を平行光束として集光するコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズに対して、所定位置に所定の光束径の励起光を照射する光学ユニットと、
    前記励起光の照射により生じる検体からの発光シグナルを測定する光検出手段と、
    前記光検出手段により測定された前記発光シグナルに基づき、前記検体を検出するための演算を行う演算手段と、を備え、
    前記光学ユニットは、前記励起光を照射する位置を変化可能なように構成されるとともに、照射する励起光が切替可能に構成され、
    前記演算手段において、各所定位置に照射された各励起光のうち、隣接する2つの励起光の照射により生じる検体からの発光シグナルの和に基づいて、検体検出測定を行う光学式検体検出装置。
  2. 前記演算手段には、前記発光シグナルに基づいて増強角を算出するための増強角算出用検量線が事前に記憶されている請求項1に記載の光学式検体検出装置。
  3. 前記増強角算出用検量線は、式3により算出されるシグナルコントラストCと増強角φnとの関係を示すデータである請求項2に記載の光学式検体検出装置。
    Figure 0006398989
    ここで、S(φn+θ)は、増強角φnからθだけ傾斜した励起光に基づく発光シグナル、S(φn−θ)は、増強角φnから−θだけ傾斜した励起光に基づく発光シグナルである。
  4. 前記増強角算出用検量線は、式4により算出されるシグナル比Fと増強角φnとの関係を示すデータである請求項2に記載の光学式検体検出装置。
    Figure 0006398989
    ここで、S(φn+θ)は、増強角φnからθだけ傾斜した励起光に基づく発光シグナル、S(φn−θ)は、増強角φnから−θだけ傾斜した励起光に基づく発光シグナルである。
  5. 前記演算手段には、前記増強角に依存する補正係数の分布データである補正係数分布が事前に記憶され、
    前記演算手段において、前記補正係数分布と前記増強角算出用検量線により求められた増強角とに基づいて、補正係数を算出し、
    前記発光シグナルと前記補正係数を積算することによって算出された発光シグナル補正値に基づいて、検体検出測定が行われる請求項2から4のいずれか一項に記載の光学式検体検出装置。
  6. 前記光学ユニットは、
    平行光束として前記励起光を照射する投光ユニットと、
    前記投光ユニットから照射された励起光を所定の光束径の励起光とするシャッター孔を有するシャッターユニットと、
    前記シャッターユニットを通過した励起光を集光するための集光レンズと、を備え、
    前記シャッターユニットは、所定の間隔だけ離間して形成された複数の前記シャッター孔を有するとともに、該シャッター孔を開閉可能に構成され、
    前記シャッター孔を開閉動作させることによって、照射する励起光の切替を行う請求項1から5のいずれか一項に記載の光学式検体検出装置。
  7. 前記シャッターユニットは、前記シャッター孔を覆うように設けられたシャッターを備える請求項6に記載の光学式検体検出装置。
  8. 前記シャッターが、メカシャッター、電子シャッター、液晶シャッターのいずれかである請求項7に記載の光学式検体検出装置。
  9. 前記シャッターユニットは、液晶基板であり、前記液晶基板の液晶配向を部分的に変化させ、光を透過させるシャッター孔とするように構成される請求項6に記載の光学式検体検出装置。
  10. 前記光学ユニットは、
    平行光束として前記励起光を照射する複数の投光ユニットと、
    前記投光ユニットから照射された励起光を集光するための集光レンズと、を備え、
    前記複数の投光ユニットを切り替えて動作させることによって、照射する励起光の切替を行う請求項1から5のいずれか一項に記載の光学式検体検出装置。
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