JP6398822B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、農作業などの作業を行う作業車両に関する。
フロントアクスルケースの圧抜き機構として、フロントアクスル上部のブリーザパイプを上方へ延出し、ラジエータを支持するラジエータフレームに前記ブリーザパイプを支持させてボンネット内部の前方上部で給気及び排気をする構成を備えた作業車両が特許文献1(特開2011−174567号公報)に記載されている。
特開2011−174567号公報
上記特許文献1記載のフロントアクスルケースの圧抜き機構ではボンネット内部でフロントアクスル内の潤滑油が空気とともに吹き出すことがあり、ボンネット内部を汚したり、ラジエータ前の防塵ネットに付着したりして不具合の原因となる場合があった。
そこで、本発明の課題は、フロントアクスル内部の潤滑油がボンネット内部に噴き出すことがないような構成を備えた作業車両を提供することである。
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(2)により駆動される前後輪を備えた走行車両において、前輪駆動用のフロントアクスルケース(31)を設け、該フロントアクスルケース(31)の上方のボンネット(8)内に、該ボンネット(8)内の空間の下端部を仕切るベースプレート(32)を載置し、フロントアクスルケース(31)の内部空間に下端部を接続し、ベースプレート(32)を貫通してボンネット(8)の内部空間に延出されたブリーザパイプ(30)を設け、両側部の下端部がベースプレート(32)を貫通した状態で両側部の下端近傍がベースプレート(32)に支持され、鉛直上方向に両側部を伸ばして該両側部の上端部同士を接続して水平部を構成する全体でコ字形状からなる中空状のラジエータフレーム(34)を設け、該ラジエータフレーム(34)にブリーザパイプ(30)の上端部を接続したことを特徴とする作業車両である。
請求項2記載の発明は、コ字形状の中空状のラジエータフレーム(34)は、その両側部の下端部がベースプレート(32)を貫通してベースプレート(32)の下方で開放され、鉛直上方向に立設された両側部の各上端部同士を接続して水平部を構成し、該水平部にブリーザパイプ(30)の上端部を接続したことを特徴とする請求項1記載の作業車両である。
請求項1記載の発明によれば、ブリーザパイプ(30)と接続したコ字状のラジエータフレーム(34)の両側部の下端がボンネット(8)内の空間の下方で開放されているので、ブリーザパイプ(30)から潤滑油が噴き出しても、ボンネット(8)下方から外部へ放出され、ボンネット(8)の内部を汚すことがなくなる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、ブリーザパイプ(30)をできるだけ上方に伸ばすことができるので、潤滑油の吹き出しを抑制することができる。ラジエータフレーム(34)下端部はフロントアクスルケース(31)に接続しているので、ブリーザパイプ(30)から噴き出した潤滑油はフロントアクスルケース(31)内に送られる。
本発明の一実施例のトラクタの左側面図である。 図1のトラクタのボンネットとその内部の側面図である。 図1のトラクタのボンネットの内部の斜視図である。 マフラーカバーとファンベルトカバーの連結構造を示す斜視図である。 図3の要部平面図である。 図5の矢印A方向から見たボンネットの内部の要部矢視図である。 図2のA−A線断面を見たボンネット部分の断面図である。 図1のボンネット内部に配置される燃料タンクと該タンクに付随する部品を示す斜視図である。 図1のトラクタ機体前部のボンネット内の要部斜視図である。 図1のトラクタの機体前部のボンネット内の要部平面図である。 図1のトラクタの機体前部のボンネット内のベースプレート上にラジエータフレームとブリーザパイプを配置した状態を示す斜視図である。 図1のトラクタの燃料タンクカバーの斜視図である。 図1のトラクタ機体前部のボンネット内の要部平面図(図13(A))と要部側面図(図13(B))である。
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態について、以下作業車両の一例である農業用トラクタ(以下、トラクタという)について説明する。なお、以下の図示例についての説明で前又は後というときは、操縦室10内の運転用の座席(図示せず)に着席した運転者から見て作業車両の前方側を前、その反対側を後とする。そして、右又は左というときは、座席に着席した運転者の右手側と左手側をそれぞれ右左という。
図1に示すように、トラクタはロータリ耕耘装置等の作業機(図示せず)を機体後部に構成している3点リンク機構により昇降可能に装着して対地作業を行うことができる。車体は、前端部にフロントアクスルケース(ブラケット)31(図9)を支架している車体フレーム20にエンジンブラケット(図示せず)を取り付け、このエンジンブラケットを介してエンジン2を搭載し、このエンジン2の後側にクラッチハウジング(図示せず)や、ミッションケース6等を一体的に連結し、このミッションケース6の最後部にリヤアクスルハウジング(図示せず)を設けている。
図2はトラクタの機体前部のボンネット8内の要部側面図であり、図3はトラクタの機体前部のボンネット8内の要部斜視図であり、図4はマフラーカバー13とファンベルトカバー14の連結構造を示す斜視図であり、図5はトラクタの機体前部のボンネット8内の要部平面図であり、図6は図5の矢印A方向から見た矢視図である。
図2〜図6に示すように、トラクタの機体前部のボンネット8内部にエンジン2を載置し、このエンジン2からミッションケース6や図示しないクラッチハウジング等に動力が伝達される。ボンネット8内部のエンジン2の前方側の側面にラジエータ冷却用の送風ファン3及びラジエータ11が配置される。ラジエータ11などの前方にはバッテリ(図示せず)が配置されること多い。またマフラー7はエンジン2の上側に配置されている。
燃料タンク9はエンジン2に支持された燃料タンクステー17に支持され、また、ボンネット8内の後方に配置する構成を採用するが、燃料タンク9の一部(前方下側)に凹部9aを設け、該凹部9aにマフラー7の後端部を位置させている。また、エンジン2の前方に送風ファン3とエンジン2の回転駆動力を該送風ファン3に伝達するファンベルト4を配置し、エンジン2及びマフラー7の上方を覆いつつ、側面に開放部を有するボンネット8を配置している。
また、マフラー7の排気パイプ7aの一部とファンベルト4の一部をボンネット8の前記開放部から露出させ、マフラー7の排気パイプ7aの露出部を覆うマフラーカバー13とファンベルト4の露出部を覆うファンベルトカバー14を設けている。
一般に、エンジン2の作動中はマフラー7とそれに接続した排気パイプ7aが高温になり、また、ファンベルト4は高速で回転するため、人が触れると危険であるが、上記本実施例の構成によれば、そのような危険性を防ぐことができる。
また、図3に示すように本実施例ではボンネット8の下方に車体フレーム(アクスルブラケット)20を有し、燃料タンク9を載置するための一対の燃料タンクステー17、17をボンネット8の内部空間後部に立設し、燃料タンクブラケット22をマフラー7の側方、すなわち燃料タンク9の前方に設け、ファンベルトカバー14の下部を前記車体フレーム20に固定し、エンジン排気を流すマフラー7及び該マフラ−7に通じる排気パイプ7aの外周を覆うマフラーカバー13を燃料タンクステー17に固定し、該ファンベルトカバー14と該マフラーカバー13を連結部材19にて連結した。図4の斜視図にファンベルトカバー14とマフラーカバー13を連結部材19で連結した構成を示す。この連結部材19によるファンベルトカバー14とマフラーカバー13の連結構造により保護カバー13、14の組み立て、分解が容易になる。
また、マフラー7の排気パイプ7aを支持するマフラーブラケット16(図3、図6)をアクスルブラケット(車体フレーム)20に取り付け、燃料タンクブラケット22にマフラーステー24を取り付け、マフラー7の排気パイプ7aとエンジン2の間にマフラーフランジ18(図2、図5)が取り付けられるので、マフラー7の排気パイプ7aが長尺であっても、その前後と上部を支持することができ、マフラー7の安定的な支持が可能となる。
なお、マフラーフランジ18とエンジン2の間にはターボチャージャ21(図2)が配置されている。
上記構成に示したように、簡単な構成からなるマフラーカバー13及びファンベルトカバー14を設け、前記両カバー13,14を連結部材19(図3)で連結することにより剛性を確保できる。
また、本実施例では、マフラーカバー13及びファンベルトカバー14は多数の通気孔(図示せず)を有する部材又はネットにて構成している。マフラーカバー13及びファンベルトカバー14に前記通気孔又はネットを有する部材を用いることで、送風ファン3からの冷却風の流れを遮ることなく、高温になるマフラー7に接続した排気パイプ7aと高速で回転するファンベルト4に人間が不用意に触ることを防ぐことができる。
図2のボンネット8のA−A線断面矢視図を図7に示す。
図7に示すように、ボンネット8の内側に樹脂製のシェルカバー25を配置し、該シェルカバー25の下部をボンネット8に対してネジ止めする。シェルカバー25にインシュレータ23を貼り付け、導風板(シュラウド)26(図2、図7)とシェルカバー25によりインシュレータ23を挟み込むように取り付ける。
シェルカバー25と導風板(シュラウド)26の間にインシュレータ23を挟み込むことにより、ボンネット8の回動時の衝撃を緩和し、周辺部材の破損を防止することができ、これらの部品からなる構造体の耐久性が得られる。
図8の斜視図に示すようにスローブローヒューズ27(「タイムラグヒューズ」ともいい、電源投入時の一時的な大電流(突入電流)のみを許容し、通常時の大電流(過電流)は遮断するヒューズ)は図示しないバッテリからスローブローヒューズ27を介して各電装部品への通電制御(例えば、渦電流が流れた時に保護のために通電を遮断する制御)をするための部材であるが、該スローブローヒューズ27を燃料タンクステー17のカバー部22の内側に取り付け、該ヒューズ27を外側からの衝撃などに対して保護する。
図9はトラクタの機体前部のボンネット8内の要部斜視図であり、図10はトラクタの機体前部のボンネット8内の要部平面図であり、図11は前記ボンネット8内のベースプレート32上にラジエータフレーム34とブリーザパイプ30を配置した状態を示す斜視図である。
図9〜図11に示すように、トラクタの機体前部のボンネット8内部にエンジン2を載置し、このエンジン2からミッションケース6や図示しないクラッチハウジング等に動力が伝達される。ボンネット8内部のエンジン2の前方側にベースプレート32が配置され、
その上にエアクリーナ35(図10にのみ図示)が載置される。
また、ベースプレート32上には図9に示すように、ブリーザパイプ30が載置され、ベースプレート32に立設されたラジエータフレーム34に隣接してラジエータ11が配置されている。なお、ラジエータ11に冷却水を供給するための冷却水タンク45がラジエータフレーム34の近傍に配置されている。
また、図9に示すように、ベースプレート32にコ字形状からなる中空状のラジエータフレーム34が取り付けられている。コ字形状の中空状のラジエータフレーム34の両側部の下端はベースプレート32を貫通してベースプレート32の下方に伸びている。ラジエータフレーム34は、その両側部の下端近傍がベースプレート32に溶接により支持され、鉛直上方向に両側部が立設され、両側部の上端が接続された水平部を有する。こうして全体でコ字形状からなる中空状のラジエータフレーム34がベースプレート32に支持される。
ラジエータフレーム34の水平部に取り付けた断面L字状の板材37に支持固定されている支持部材36でエアクリーナ35が支持される。また、板材37はラジエータ11の上部側面を支持する構成でもある。
また、前輪駆動用のフロントアクスルケース31の上方に、ボンネット8内の空間前部の下端部を仕切るベースプレート32を載置し、フロントアクスルケース31に下端部を接続したブリーザパイプ30がベースプレート32を貫通してボンネット8の内部空間に延出される。
さらに、コ字形状からなる中空状のラジエータフレーム34の両側部の下端がベースプレート32を貫通して取り付けられ、ラジエータフレーム34の下端近傍がベースプレート32に支持されているので、ラジエータフレーム34の両側部はベースプレート32上に鉛直方向に立設された状態であり、ラジエータフレーム34は、前記両側部の上端が互いに水平方向に伸びて接続された水平部を有するコ字形状をしている。またラジエータフレーム34の水平部にブリーザパイプ30の上端部が溶接などで接続している。
図11に示すようにラジエータフレーム34の水平部にブリーザパイプ30の上端部を接続しており、また、コ字状のラジエータフレーム34の両側部の下端がベースプレート32を貫通してボンネット8内の下方空間に開放されているので、フロントアクスルケース31の内部圧力が上昇することにより、潤滑油が空気とともにブリーザパイプ30から噴き出しても、ボンネット8の内部のラジエータ11やバッテリ(図示せず)を汚すことがなくなる。
また、ラジエータフレーム34にブリーザパイプ30の上端部を溶接などで接続したことによりラジエータフレーム34の剛性を従来より高めることができる。
ラジエータフレーム34は、上記したような簡単な構成であるので、ブリーザパイプ30をできるだけ上方に伸ばすことができ、潤滑油のブリーザパイプ30からの吹き出しを抑制することができる。
図11に示すように、ラジエータ11とラジエータフレーム34との間に防塵ネット46を挿入することができる。この防塵ネット46をラジエータ11の前に挿入することで、ラジエータ11に塵埃が入らなくなり、ラジエータ11の目詰まりを防ぐことができる。
図12の燃料タンクカバー40の斜視図に示すように、燃料タンクカバー40の下面にはハーネスクランプ39が溶接されており、エンジン2内部を流れる冷却水の水温センサ41用のハーネス43(図13)をハーネスクランプ39により固定する。図13(図13(A)は平面図、図13(B)は側面図)に燃料タンク9(図8)とラジエータ11と水温センサ用ハーネス43の配置関係を示すようにメインハーネス42からラジエータ11に取り付けた水温センサ41との間にハーネス43を接続する。
こうしてメインハーネス42から水温センサ41まで、最短距離で接続することができ、従来のようにアクスルブラケットやボンネット8内に水温センサハーネス43載置配索用のフレームやクランプを設けて高温になるエンジン2を避けて配索させる必要が無くなった。
1 走行車体 2 エンジン
3 送風ファン 4 ファンベルト
6 ミッションケース 7 マフラー
8 ボンネット 9 燃料タンク
10 操縦室 11 ラジエータ
13 マフラーカバー 14 ファンベルトカバー
16 マフラーブラケット 17 燃料タンクステー
18 マフラーフランジ 19 連結部材
20 車体フレーム 21 ターボチャージャ
22 燃料タンクステーカバー部
23 インシュレータ 25 シェルカバー
26 導風板(シュラウド) 27 スローブローヒューズ
30 ブリーザパイプ
31 フロントアクスルケース(ブラケット)
32 ベースプレート 34 ラジエータフレーム
35 エアクリーナ 39 ハーネスクランプ
40 タンクカバー 41 水温センサ
42 メインハーネス 43 ハーネス
45 冷却水タンク

Claims (2)

  1. エンジン(2)により駆動される前後輪を備えた走行車両において、
    前輪駆動用のフロントアクスルケース(31)を設け、
    該フロントアクスルケース(31)の上方のボンネット(8)内に、該ボンネット(8)内の空間の下端部を仕切るベースプレート(32)を載置し、
    フロントアクスルケース(31)の内部空間に下端部を接続し、ベースプレート(32)を貫通してボンネット(8)の内部空間に延出されたブリーザパイプ(30)を設け、
    両側部の下端部がベースプレート(32)を貫通した状態で両側部の下端近傍がベースプレート(32)に支持され、鉛直上方向に両側部を伸ばして該両側部の上端部同士を接続して水平部を構成する全体でコ字形状からなる中空状のラジエータフレーム(34)を設け、
    該ラジエータフレーム(34)にブリーザパイプ(30)の上端部を接続したことを特徴とする作業車両。
  2. コ字形状の中空状のラジエータフレーム(34)は、その両側部の下端部がベースプレート(32)を貫通してベースプレート(32)の下方で開放され、鉛直上方向に立設された両側部の各上端部同士を接続して水平部を構成し、該水平部にブリーザパイプ(30)の上端部を接続したことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
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