以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。特許文献1に開示されているように、光センサーを用いて液体の残存状態を判定する手法(インクニアエンドを判定する手法)が知られている。また、特許文献2に開示されているように、光センサーを用いて残存状態判定を行う際に、光センサーの感度補正処理を行う手法も知られている。これらの手法では、判定、処理の精度を高くするためには、光センサーにおいて所望の光を精度よく検出することが求められる。
ここでの光センサーは、例えば図3を用いて後述するように、発光部82と受光部84を含む構成である。そして、液体の残存状態判定や、光センサーの感度補正処理においては、発光部82から照射され、何らかの部材(例えば図5のプリズム320)により反射された光を、受光部84で受光することによる検出信号が用いられる。
その場合、日光や照明光が液体消費装置の外部から進入して光センサー80で検出されたり、或いは発光部82から照射された光ではあるが、液体消費装置の他の部材により反射された光が光センサー80で検出されたりすると、それらの信号成分は実行したい判定、処理を阻害するノイズ成分となる。
液体消費装置にカバー開閉を検出するセンサーが設けられている場合には、カバーが開いている際には何らかのエラー通知を行えばよい。通常、液体消費装置はカバーが閉まっている状態であれば処理に影響を与えるほどの光は外部から入射しないように設計される。よって、カバーが開いていることを検出できるのであれば、ユーザーにカバーを閉めることを促せば十分であるケースも多く、あえて外乱光の検出を行う必要性は低いとも思える。
しかし液体消費装置の構成によっては、カバー開閉を検出するセンサーを設けないことで、構造の簡略化や、部品点数の削減を図ることも考えられる。その場合、カバーを開けたまま液体消費装置を動作させる(例えば印刷を実行させる等)可能性があり、結果として外乱光の影響で残存状態判定や感度補正処理の精度が低下するおそれが生じる。
そこで本出願人は、光センサー80の検出信号に基づいて、外乱光の有無を判定する手法を提案する。具体的には、本実施形態に係る液体消費装置は図1に示すように、発光部82と受光部84を有する光センサー80と、光センサー80に対向する面を有するプリズム(図5のプリズム320)が配置された液体収容容器(IC1〜IC4に対応)を着脱可能に保持可能なホルダー21と、ホルダー21と光センサー80を相対的に移動させる移動部(例えばキャリッジモーター50)と、制御部(図6の制御部100に対応)とを含む。そして、液体収容容器(液体収容部)がホルダー21に装着されている場合に、制御部は、光センサー80がプリズムに対向する第1の位置関係の範囲における、プリズムからの反射光量を表す光センサー80からの検出信号に基づいて、液体収容容器の液体の残存状態を判定可能であり、第1の位置関係の範囲において、発光部82を消灯した状態での光センサー80からの検出信号に基づいて、光センサー80に入射されるノイズ光を測定する。
本明細書では、本来検出したい光以外の光を表す用語として「外乱光」、「ノイズ光」、「環境光」の3つを用いる。外乱光とは、本来検出したい光以外の光を広く指す用語として用い、当該外乱光の光源や、外乱光が検出される状況等は特に限定しない。ノイズ光とは、外乱光のうち、光センサー80を用いたインク残存状態判定に影響を与える光を表すものであり、具体的にはホルダー21と光センサー80が第1の位置関係の範囲となる状態で受光部84に入射する光に対応する。また、環境光とは、発光部82以外に起因する光を表すものであり、具体的には図2(C)のようにキャリッジ20を退避位置(例えばホームポジション)とした状態で受光部84に入射する光に対応する。なお、図2(A)〜図2(C)は、キャリッジ20と光センサー80の相対的な位置関係を表したものであり、図2(A)が残存状態判定を行う状態、図2(B)がノイズ光測定を行う状態、図2(C)が環境光測定を行う状態を表す。なお、Y軸Z軸は図1の軸に対応する。
また、以下では、外乱光、ノイズ光、環境光の「有無」といった用語を用いることがあるが、それは外乱光等が0か否かを表すものに限定されるものではなく、外乱光等が判定に及ぼすレベルで検出されたか否かを表すものに拡張して考えることができる。例えば、「外乱光が無い」という状況には、外乱光自体は入射しているが、その信号成分は光センサー80の検出信号を用いた液体収容容器の液体残存状態判定、処理に影響を及ぼすレベルではない、という状況も含まれるものである。
図9のSEPに示すように、インクニアエンドでは、インクカートリッジのプリズムの中心と光センサー80の中央部が主走査方向で一致する相対位置関係(例えば図8の相対位置関係。プリズム中心の位置。)において、検出信号のピークが検出される。また、インクがある状態では、図9のSIKに示すように、図10の位置PK1、PK2においてピークが検出される。残存状態判定では、インクカートリッジと光センサーの相対位置関係が、プリズム中心の位置、2つのピークPK1,PK2を含む範囲にあるときの光センサーの出力電圧と閾値(Vpk1とVminの間に設定されるVth)との比較処理を行う。閾値は、Vpk1と光センサーの出力電圧の下限値Vminの間に設定される値Vthである。
本明細書における「第1の位置関係の範囲」とは、上記中心一致位置を含む範囲を表すものであり、インクカートリッジにインクが無い場合の出力電圧の最低値が含まれる可能性が十分高いと考えられる主走査方向での位置関係の範囲のことである。一例としては、後述する位置補正処理に基づいてプリズム中心の位置(図9の位置“0”)が求められたら、プリズム中心の位置と2つのピークを含む範囲を用いればよい。
そして本実施形態では、外乱光の判定のうち、ノイズ光の判定についても、上記第1の位置関係の範囲において行う。すなわち、液体の残存状態判定と、ノイズ光の判定において、キャリッジ20と光センサー80の相対位置関係は同等の範囲が用いられる。
これにより、光センサー80を用いた判定に対する外乱光の影響を、精度よく判定することが可能になる。装置のカバーが開いている状態では、外部の光が装置内部に進入する可能性があるが、その場合であっても、当該進入した光が受光部84で受光されなければ判定や処理に対して影響を及ぼさない。例えば、残存状態判定を表す図2(A)の状況では、光センサー80の上部にキャリッジ20が位置する。外部からの光は上部(+Z方向)から入射するため、図2(A)の位置関係では、外乱光はキャリッジ20により遮蔽されて受光部84で受光されない(或いは受光されたとしても判定に影響を与えるレベルにならない)可能性が考えられる。
その点、図2(B)に示すように、外乱光の判定を第1の位置関係の範囲で行っておけば、残存状態判定において光センサー80の検出信号に影響を及ぼさない(例えばキャリッジ20により遮蔽される)光は、外乱光判定においても同様に検出信号に影響を及ぼさない。つまり、単純に外乱光の有無を判定するのではなく、光センサー80の検出信号を用いた判定に影響を及ぼす外乱光、すなわちノイズ光の有無を判定することが可能になる。
さらに、残存状態判定では後述するように発光部82を発光させた状態で検出信号を取得するが、本実施形態のノイズ光判定では発光部82は消灯させる。そのため、信号成分とノイズ成分を分離して考えることが可能である。
図2(A)に示したように、発光部82から照射されインクカートリッジで反射された反射光は、残存状態判定において検出したい光である。本実施形態ではノイズ判定を第1の位置関係の範囲で行うため、仮にノイズ光判定でも発光部82を発光させてしまうと、図2(A)と同様に、本来検出したい信号成分も取得されてしまう。ノイズ光判定は、ノイズとなる本来不要な光の成分を検出するものであるのに、本来検出したい信号成分まで取得されてしまうと、2つの成分が混ざってしまいそのうちのノイズ成分を正確に検出することができない。
その点、本実施形態では図2(B)に示すように発光部82を消灯するため、本来検出したい信号成分がノイズ光判定においては非検出となり、ノイズ成分を精度よく判定することが可能になる。
ただし、図2(B)に示したノイズ光判定では、キャリッジ20を第1の位置関係の範囲まで移動させる必要があり、一般的に第1の位置関係の範囲とは、キャリッジ20のホームポジションとは異なる。よって、ノイズ光判定のためにはキャリッジ20の移動が発生してしまい、移動のための制御や時間が必要となる。
よって本実施形態では、制御部は、光センサー80とプリズム320が対向しない第2の位置関係において、光センサー80からの検出信号に基づいて、光センサー80に入射される環境光を測定してもよい。
第2の位置関係を例えばキャリッジ20のホームポジションとすれば、環境光判定はキャリッジ20の移動を伴うことなく実行可能となる。ただし、図2(A)と図2(C)を比較すればわかるように、環境光判定ではキャリッジ20と光センサー80の相対位置関係が残存状態判定とは異なるため、残存状態判定に影響を与える成分を直接的に検出することはできない。例えば、液体消費装置の外部から光が入射しているが、第1の位置関係の範囲であればキャリッジ20に遮蔽されることで光センサー80には入射しない、という状況であっても、環境光は当該外部からの光の成分も検出してしまうため、環境光有りと判定してしまう。本実施形態ではこの点も考慮して、環境光判定は外乱光判定における簡易的な判定として用いるものとする。ノイズ光判定と環境光判定の関係の詳細については後述する。
以下、本実施形態の液体消費装置について詳細に説明する。まず、液体消費装置の基本構成及びインクカートリッジの構成例について説明した後、液体消費装置の詳細な構成例を説明し、さらに液体の残存状態の判定手法(インクニアエンドの検出手法)について説明する。その後、本実施形態に係る外乱光の検出手法を説明し,最後に外乱光の処理が行われるタイミング(他の処理との関係)について説明する。
2.印刷装置の基本構成、インクカートリッジ
図1は、本実施形態における印刷装置(液体消費装置)の要部を示す斜視図である。図1には、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向を示す。印刷装置の通常の使用姿勢において、印刷装置の正面方向をX方向とし、鉛直方向をZ方向とする。例えばX方向を例にとると、矢印の向く方向を+X方向(又は単にX方向)と呼び、その反対方向を−X方向と呼ぶ。
図1の印刷装置は、インクカートリッジIC1〜IC4(液体収容容器)と、インクカートリッジIC1〜IC4を着脱可能に収容するホルダー21を備えるキャリッジ20と、ケーブル30と、紙送りモーター40と、キャリッジモーター50と、キャリッジ駆動ベルト55と、光センサー80(検出部)を含む。なお、ホルダー21とキャリッジ20は一体の部材として形成されてもよいし、別体の部材として形成されてキャリッジ20にホルダー21が組み付けられてもよい。
インクカートリッジIC1〜IC4には、それぞれ一色ずつのインク(液体、印刷材)が収容される。ホルダー21には、インクカートリッジIC1〜IC4が着脱可能に装着される。キャリッジ20の−Z方向の面には、ヘッドが設けられている。インクカートリッジIC1〜IC4から供給されるインクは、ヘッドから記録媒体に向かって吐出される。記録媒体は、例えば印刷紙である。キャリッジ20は、ケーブル30により制御部(後述する図6の制御部100)に接続されており、このケーブル30を介して制御部により吐出制御が行われる。紙送りモーター40は、紙送りローラー(図6の紙送りローラー45)を回転駆動し、図1に示すX方向に印刷紙を送る。キャリッジモーター50は、キャリッジ駆動ベルト55を駆動し、キャリッジ20を±Y方向に移動させる。これらの吐出や紙送り、キャリッジ20の移動を制御部が制御することにより印刷動作が行われる。
なお以下では、キャリッジ20を移動させる±Y方向を「主走査方向」と呼び、印刷紙を紙送りするX方向を「副走査方向」と呼ぶ。
光センサー80は、インクカートリッジIC1〜IC4のインク残存状態を検出するための信号を出力する。具体的には、光センサー80は、インクカートリッジIC1〜IC4に設けられたプリズム(後述する図5のプリズム320)へ光を照射する発光部82(発光素子)と、プリズムからの反射光を受光して電気信号に変換する受光部84(受光素子)と、を含む。例えば、発光部82はLED(Light Emission Diode)により構成され、受光部84はフォトトランジスターにより構成される。
図3に、光センサー80の詳細な構成例を示す。光センサー80は、反射型のフォトインタラプターとして構成されており、発光部82及び受光部84を有する。光センサー80は、発光部82としてLEDを有し、受光部84としてフォトトランジスターを有する。フォトトランジスターのエミッタ端子は接地電位VSSに接地され、コレクタ端子は、抵抗素子R1を介して電源電位Vccに接続されている。
A/D変換部70には、抵抗素子R1とコレクタ端子の間の電位が、光センサー80の出力電圧Vc(受光結果信号)として入力される。A/D変換された出力電圧は、残存判定部130に入力される。発光部82が照射する光の発光量は、トランジスターTR1と抵抗素子R2、R3とキャパシターC1とを介して発光部82に印加されるPWM(Pulse Width Modulation)信号のデューティー比(オン時間とオフ時間の割合)が制御部100によって調整されることにより設定される。発光部82から照射された光が、インクカートリッジIC1〜IC4内のプリズム320で反射して受光部84に受光されると、その受光量に応じた出力電圧Vcが、後述する残存判定部130に検出信号として入力される。本実施形態では、受光部84が受光する光量が多いほど、光センサー80から出力される出力電圧Vcは低くなる。
ただし、受光部84の構成は図3に限定されるものではなく、受光部84が受光する光量と、光センサー80(受光部84)の検出信号との関係も上述のものに限定されない。例えば、受光部84の構成が図4に示したものであれば、受光部84で受光する光量が多く、発生する電流量が多いほど、出力電圧Vcと接地電位VSSとの差が大きくなる。すなわち、受光部84が受光する光量が多いほど、光センサー80から出力される出力電圧Vcは高くなる。
光センサー80がそもそも入射する光の量を検出するものであり、且つ受光部84が光を電流に変換する素子であることに鑑みれば、光センサー80の出力とは本質的には受光部84で発生する電流量で考えるとよい。電流量で考えれば、入射する光が強いほど、出力電流が大きいという関係が成り立つため、構成によらず入射光の光量を判断することができる。以下では、受光部84の構成が図3である例について説明するため、入射する光量が多いほど発生する電流量が多く、出力電圧Vcは低いものとする。ただし、以下の説明における「出力電圧が低い(高い)」とは、本質的には「発生する電流量が多い(少ない)」と考えることが可能であり、当該電流量をどのような形式の出力信号として検出するかは種々の変形実施が可能である。
図5は、インクカートリッジIC1〜IC4の要部を示す斜視図である。図5に示すインクカートリッジICは、図1のインクカートリッジIC1〜IC4の各インクカートリッジに対応する。
インクカートリッジICは、インクを収容する直方体(略直方体を含む)のインク収容部300と、回路基板350(基板)と、インクカートリッジICをホルダー21に着脱するためのレバー340と、ヘッドにインクを供給するインク供給口330と、インクカートリッジICの底面310に設けられたプリズム320と、を含む。回路基板350の裏面には、インクカートリッジICに関する情報を記憶する記憶装置352が実装されている。回路基板350の表面には、記憶装置352に電気的に接続される複数の端子354が配置されている。これらの複数の端子354は、インクカートリッジICがホルダー21に装着された時に、ホルダー21に設けられた複数の本体側端子を介して、本体側の制御部(図6の制御部100)に電気的に接続される。記憶装置352としては、例えばEEPROM等の不揮発性メモリーを用いることができる。
プリズム320は、発光部82からの光に対して透明な部材で構成され、例えばポリプロピレンにより構成される。プリズム320は、発光部82からの光が入射する入射面が、インクカートリッジICの底面310に露出するように設けられる。底面310は、図1のホルダー21にインクカートリッジICが装着された場合に−Z方向側に向く面であり、ホルダー21には、発光部82からの光をプリズム320の入射面に入射させるための開口が設けられている。すなわち、ホルダー21を備えたキャリッジ20が図1の主走査方向(±Y方向)に移動すると、インクカートリッジIC1〜IC4が、順次、光センサー80の上(+Z方向)を通過し、各インクカートリッジのプリズム320からの反射光が受光部84により受光される。そして、光センサー80は、受光部84の受光結果を、キャリッジ20の位置に対応したセンサー出力信号(受光結果信号)として出力する。本実施形態では、このキャリッジ20の位置に対応したセンサー出力信号に基づいて、各インクカートリッジのインクニアエンドを検出する。
ここで、インクニアエンドとは、インク収容部300に収容されたインクの残量や液面レベルが所定値以下となり、インクカートリッジICのインク量が残り少ない状態のことである。例えば、インクニアエンドが検出された後に印刷を継続し、インクニアエンドが検出された後の図6で後述する残量推定部160が推定するインク消費量が所定の量を超えた場合に、ヘッドがインクを吐出しない空打ち状態となる可能性のある状態である。
3.印刷装置の詳細な構成
図6に、本実施形態における印刷装置の詳細な構成例を示す。図6では、第1の方向D1を主走査方向とし、第1の方向D1に直交する第2の方向D2を副走査方向とする。なお以下では、光センサー80が出力する受光結果信号が、図3に示したように電圧信号(以下では検出電圧と呼ぶ)である場合を例に説明する。
図6の印刷装置200は、インクカートリッジIC1〜IC4と、インクカートリッジIC1〜IC4を着脱可能に保持するホルダー21を備えるキャリッジ20と、紙送りモーター40と、紙送りローラー45と、キャリッジモーター50と、キャリッジ駆動ベルト55と、A/D変換部70と、光センサー80と、制御部100と、表示部210と、インターフェース部220と、を含む。なお、図1で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
A/D変換部70は、光センサー80からの検出電圧をA/D変換し、そのA/D変換後のデジタル信号を制御部100へ出力する。具体的には、A/D変換部70は、例えばキャリッジ20を光センサーに対して移動させたとき、キャリッジのホームポジションに対するキャリッジの位置を表すロータリーエンコーダーのカウント値や制御部100を構成するCPUの割り込み周期等に応じた所定の位置間隔で、検出電圧をサンプリングし、キャリッジ位置に対応つけられた複数個のサンプリング電圧を取得する。例えば、1個のカートリッジが光センサー80の上を通過するときに、数10個のサンプリング電圧を取得する。
制御部100は、インターフェース部220を介してパーソナルコンピューター250から画像データを受信し、その画像を印刷紙PAに印刷する制御を行う。制御部100は、駆動制御部105、位置補正部110、外乱光判定部120、残存判定部130、発光量決定部140、閾値決定部150、残量推定部160を含む。制御部100は、例えばCPUを有し、不図示のROMに記憶された制御プログラムを不図示のRAMに展開し、そのRAMに展開された制御プログラムをCPUが実行することで制御部100の各部として動作する。
駆動制御部105は、印刷装置200の駆動部(移動部)の制御を行う。具体的には、駆動部であるキャリッジモーター50の制御を行う。
位置補正部110は、サンプリングされた検出電圧に基づいて、主走査方向D1におけるキャリッジ20の位置情報を補正する。位置を補正する必要があるのは、キャリッジ20の取り付け公差等があるからである。具体的には、位置補正部110は、インク残存検出を行う際のプリズム中心の位置を補正する。具体的には、各インクカートリッジの検出電圧に対してピーク検出を行い、その検出したピーク位置に基づいて、インク残存検出を行う際のプリズム中心の位置を補正する。プリズム中心の位置とは、光センサーの中心とプリズムの中心が一致するキャリッジの位置である。実際の検出電圧に基づき、設計上の中心の位置からのずれを補正する。
キャリッジ20の位置は、キャリッジモーター50に搭載されたロータリーエンコーダーの出力に基づいて把握される。すなわち、ロータリーエンコーダーは、例えばキャリッジ20のホームポジションを基準位置として、その基準位置からの移動量に応じたカウント値を出力する。各インクカートリッジのプリズム中心の位置は、それぞれロータリーエンコーダーの所定のカウント値が対応している。位置補正前においては、その各位置に対応するカウント値は、設計値に基づいてメカ的に設定されており、例えば制御部100の不図示のROMに記憶されている。位置補正部110は、この各位置に対応するカウント値を、上記補正処理により補正し、その補正されたカウント値もしくは設計値からのずれを不図示のROMに書き込む。
外乱光判定部120は、A/D変換部70でサンプリングされた検出電圧に基づいて、外乱光の有無を判定する。外乱光判定部120で行われる処理の詳細については後述する。
残存判定部130は、A/D変換部70でサンプリングされた検出電圧に基づいて、各インクカートリッジについてインクニアエンドであるか否かの判定を行う。制御部100は、インクニアエンドであると判定されたインクカートリッジについては、例えば印刷装置200の表示部210やパーソナルコンピューター250の表示部にインク交換を知らせるアラームを表示させる指示を出力し、ユーザーにインクカートリッジの交換を促す。残存判定部130によりインクニアエンド判定がなされた後、残量推定部160により所定量のインクが消費された場合に、制御部100はインクカートリッジが空であると判定し、インクカートリッジが交換されるまで印刷を実行しないこととしてもよい。あるいは、残存判定部130によりインクニアエンドと判定された場合に、制御部100はインクカートリッジが空であると判定し、インクカートリッジが交換されるまで印刷を実行しないこととしてもよい。
なお、印刷装置200の表示部210や、パーソナルコンピューター250の表示部に表示される情報はインクニアエンドに関する情報に限定されず、外乱光に関する情報を表示してもよい。つまり、本実施形態の液体消費装置は、制御部におけるノイズ光の測定により、ノイズ光が入射していると判定された場合に、ユーザーに対してノイズ光に関する報知処理を行う報知部をさらに含む。ここでの報知部は、制御部に含まれ、表示部等に表示の指示を行うものであってもよいし、表示部そのものであってもよい。また、報知とは、外乱光の有無を知らせるものであってもよいし、カバーを閉める指示を行うように、具体的な行動をユーザーに促すものであってもよい。また、報知の形態は表示部への表示には限定されず、LED等の発光部を点灯、点滅させたり、音声や警告音等を用いてもよく、種々の変形実施が可能である。
発光量決定部140は、A/D変換された検出電圧に基づいて、発光部82の発光量を決定する処理を行う。制御部100は、決定された発光量に基づいて図3のPWM信号を制御し、発光部82の発光量を制御する。この発光量決定処理は、閾値決定処理と共にインクニアエンド検出よりも前に行われ、インクニアエンド検出は、調整された発光量により行われる。
残量推定部160は、ドットカウント(ソフトカウントとも呼ぶ)により各インクカートリッジ内のインク残量を推定する。具体的には、残量推定部160は、印刷ヘッドから噴射されるインク滴の数を計数し、計数されたインク滴の数とインク滴当たりの質量とを積算することでインクの使用量を算出する。そして、各インクカートリッジ内のインクの初期充填量から、算出されたインクの使用量を差し引くことでインク残量を推定する。残量推定部160は、こうして推定されたインクの残量を、各インクカートリッジに備えられた記憶装置352に適宜記録する。例えば、残量推定部160は、印刷装置200の起動時に、各インクカートリッジの記憶装置352からインクの残量を取得して制御部100の不図示のRAMに記憶させ、電源が投入されている間には、印刷の実行や印刷ヘッドのクリーニングに伴って、このRAM内の値を更新していく。そして、例えば、印刷装置200の電源オフ時や、各インクカートリッジの交換時、あるいは、所定のインク量を消費する毎に、更新された推定残量を各インクカートリッジの記憶装置352に書き戻す。なお、以下ではインク残量を推定する場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されず、例えばインク消費量などの種々のインク量を推定してもよい。
閾値決定部150は、サンプリングされた検出電圧に基づいて、インクが有る場合の検出電圧とインクニアエンドの場合の検出電圧を区別するための閾値を設定する。位置補正部110により、インクニアエンドを検出するときのプリズム中心の位置が高精度に補正されるため、より適切な閾値を設定することが可能となり、インクニアエンドの検出精度を向上できる。
4.インクニアエンドの検出手法
次に、インクニアエンドの検出手法について説明する。図7、図8には、インクカートリッジICのプリズム320を通過するYZ平面の断面図を示す。また、図7、図8では、プリズム320と光センサー80の位置関係が、インクニアエンドを検出可能な位置関係となったときの状態を示している。
図7に示すように、プリズム320の入射面EFには、プリズム320を形成するときに生じる変形を抑制するために、空洞部BPが設けられている。ホルダー21には開口が設けられており、インクカートリッジICがホルダー21に装着されたときに開口を通して入射面EFと光センサー80が対向するように構成されている。プリズム320の斜面SF1、SF2はインク収容部300の内側を向いており、インク収容部300にインクIKが満たされている場合には斜面SF1、SF2はインクIKに接する。斜面SF1は例えば斜面SF2に直交する面であり、斜面SF1と斜面SF2は、図1のXZ平面に平行な平面に対して対称となるように配置される。
インクカートリッジICにインクIKが満たされている場合、発光部82からプリズム320に入射した光EMLは、斜面SF1からインクIK内に入射する(光FCL)。この場合、斜面SF1、SF2で反射される光RTLは非常に少なくなるため、受光部84はほとんど光を受光しない。例えば、インクの屈折率を水の屈折率とほぼ同様の1.5と仮定し、プリズム320をポリプロピレンにより構成する場合、斜面SF1、SF2における全反射の臨界角は約64度である。入射角は45度なので、斜面SF1、SF2では全反射されず、入射光EMLはインクIK内に入射する。
図8に示すように、インクカートリッジIC内のインクIKが印刷のために消費され、インクカートリッジICにインクIKが満たされていない場合を考える。プリズム320の斜面SF1、SF2のうち、少なくとも発光部82からの光が照射される部分が、空気に接しているとする。この場合、発光部82からプリズム320に入射した光EMLは、斜面SF1、SF2で全反射され、入射面EFからプリズム320の外へ再び出射する(光RTL)。受光部84は、全反射した光RTLを受光するため、強い検出電圧が得られる。例えば、空気の屈折率を1とし、プリズム320をポリプロピレンにより構成する場合、斜面SF1、SF2における全反射の臨界角は約43度である。入射角は45度なので、入射光EMLは斜面SF1、SF2で全反射される。
図9に、1個のインクカートリッジICが光センサー80の上を通過した場合の検出電圧の特性例を示す。図9の横軸は、プリズム320と光センサー80の相対的な位置を表し、プリズム320の中心と光センサー80の中心が一致したときの位置(例えば図7に示すインクカートリッジICと光センサー80との位置関係)を“0”としている。光センサー80の中心とは、主走査方向における発光部82と受光部84の中央である。縦軸は、横軸の各位置において光センサー80から出力される検出電圧を表す。
図9に示すように、受光部84の受光量がゼロに近いほど検出電圧が上限電圧Vmaxに近くなり、受光部84の受光量が多いほど検出電圧が下限電圧Vminに近くなる。受光量が所定値を越えると、検出電圧が飽和して下限電圧Vminとなる。上限電圧Vmaxと下限電圧Vminは、例えば、図3に示した受光部84がコレクタ端子に出力する電圧範囲の上限電圧と下限電圧に対応する。
図9に示すように、検出電圧は、光センサー80とプリズム320との相対位置に応じて変化する。SIKは、図7で説明したインクカートリッジICがインクIKで満たされている場合の検出電圧特性である。この場合、受光部84の受光量は小さいため、位置“0”において検出電圧はVmaxに近くなる。位置“0”から、プリズム320の中心と光センサー80の中心との相対位置が主走査方向にずれた位置PK1、PK2には、プリズム入射面EFからの反射光によってピークSpk1、Spk2が生じる。このピークSpk1、Spk2については図10で後述する。
SEPは、図8で説明したインクカートリッジICがインクIKで満たされていない場合の検出電圧特性である。この場合、受光部84の受光量は多いため、位置“0”において検出電圧はVminに達する(あるいは、近くなる)。このように、インクカートリッジICがインクIKで満たされているか否かによって検出電圧の特性が大きく異なっており、本実施形態では、この検出電圧の特性の違いを検出することにより、インクカートリッジのインクニアエンドを検出する。
具体的には、検出電圧特性SIKのピーク値Vpk1に基づいて、ピーク値Vpk1と下限電圧Vminとの間に閾値Vthを設定する。そして、インクカートリッジICが光センサー80の上を通る検出範囲DPRとなったときに、光センサー80の検出電圧が閾値Vthよりも小さい場合には、インクニアエンドであると判定し、検出電圧が閾値Vth以上である場合には、インクが残存していると判定する。
次に、図10を用いて、ピークSpk1、Spk2について説明する。図10に示すように、ホルダー21には、プリズム320に対応して開口が設けられており、その開口の中央には、発光部82からの光を遮光する遮光部SBが設けられている。開口の中央とは、インクカートリッジICがホルダー21に装着されたときに、プリズム320の中心に対応する位置である。遮光部SBは、主走査方向(±Y方向)に交差する方向(X方向)に沿って設けられており、ホルダー21の開口を、主走査方向に沿って並ぶ第1の開口AP1と第2の開口AP2とに分割する。
発光部82からプリズムの入射面EFに入射した光は、一部が反射されて受光部84に受光される。すなわち、発光部82から入射面EFへの入射角θ1と入射面EFから受光部84への反射角θ2が等しい光が、受光部84に受光される。図9の検出電圧特性SIKに示すように、位置“0”には遮光部SBが存在するため入射面EFからの反射光は検出されず、位置PK1、PK2では、開口AP1、AP2が存在するためピークSpk1、Spk2が検出される。ここで、位置PK1は、主走査方向における開口AP1の中央と光センサー80の中央とが一致する位置であり、位置PK2は、主走査方向における開口AP2の中央と光センサー80の中央とが一致する位置である。なお、プリズム320から全反射光が返ってくる場合にも入射面EFからの反射光は検出されているが、検出電圧特性SEPに示すように全反射光の信号に埋もれるため、ピークSpk1、Spk2は生じない。
プリズム中心の位置は、位置PK1とPK2の中心として、設定される。プリズム中心の位置とは、開口AP1の副走査方向の中心位置及び開口AP2の副走査方向の中心位置の間の中心ともいえる。
図11に、制御部100が実行するインクニアエンド検出処理のフローチャートを示す。このフローのうちステップS1〜S3(インクニアエンド検出のためのパラメーターを設定するための処理)は、例えば印刷装置の電源投入時や、インクカートリッジ交換時等に実行される。また、このフローのうちステップS5〜S8(実際のインクニアエンド検出処理)は、例えば印刷装置の電源投入時やインクカートリッジ交換時等のほか、例えば印刷ジョブの間や印刷中の印字パス(1回の印字パスは、印刷媒体上をキャリッジが1走査する動作である。)毎などの所定タイミングで実行される。
図11に示すように、処理が開始されると、制御部100は、以降の処理で用いられる各パラメーターを取得する(ステップS1)。具体的には、前回の感度補正処理によって決定された発光量PD1もしくは発光量PD1の初期値と、各インクカートリッジのインクの推定残量と、を制御部100の不図示のROM、RAMから取得する。インクの推定残量は、印刷装置200の電源投入時に残量推定部160により各インクカートリッジの記憶装置352から制御部100の不図示のRAMに読み出されて逐次更新されているため、制御部100は、インクの推定残量を自身の不図示のRAMから取得することができる。発光量PD1は、制御部100のROM中の所定領域に記憶されている。液体消費装置の使用開始前は、所定領域に初期値が書きこまれている。液体消費装置の使用開始後は、所定領域に、発光量の調整が実施される毎に調整された発光量が既存の値を更新するように書き込まれる。
次に、発光量決定部140と閾値決定部150が、感度補正処理を実行する(ステップS2)。この感度補正処理では、ステップS4のインクニアエンド検出処理で用いられる発光量PD2を決定する処理と、インクニアエンド検出の閾値を決定する処理と、を行う。また、感度補正処理は、位置補正部110による位置補正処理を含むものとする。
具体的には、各インクカートリッジの2つのピークSK1,SK2の検出電圧を求め、発光量決定部140は、これらのピークのうちピーク電圧が最小のものを選択する。そして、その最小のピーク電圧が所定の電圧範囲内に入るように発光部82の発光量を調整する。発光量の調整は、最小のピーク電圧と所定電圧との比率に基づいて、発光量を制御するPWM波形のデューティーを調整することにより行う。
また、各インクカートリッジについて2つのピーク電圧を求め、そのうちの小さい方のピーク電圧をV_F_minとして求め、閾値決定部150は、αを所定係数とし、βを所定オフセット値として、Vth=Vmax−{(Vmax−V_F_min)×α+β}により判定閾値を求める。α、βは、検出電圧のS/Nや、インク有り・無しでの検出電圧ピーク値の差などを考慮して設定すればよい。閾値決定部150は、インクカートリッジIC1〜IC4について、それぞれ閾値VthIC1〜VthIC4を求める。
次に、制御部100は、感度補正処理で決定された新たな各パラメーター、すなわち、新たな発光量PD2を制御部のROMに書き戻す(ステップS3)。
次に、制御部100は、インクカートリッジについてインクニアエンド検出処理を行う(ステップS5)。この処理では、感度補正処理で決定した閾値による検出電圧の閾値判定と、推定残量が所定値に達しているか否かの判定とに基づいて、インクニアエンドを判定する。インクニアエンド検出処理の詳細については、図14及び図15で後述する。なお、図14及び図15では、インクニアエンド検出処理と合わせて、本実施形態に係る外乱光判定(ノイズ光、環境光の測定)を行う例を示しているが、ステップS5では外乱光判定を省略したインクニアエンド検出処理を行ってもよい。
次に、インクカートリッジIC1〜IC4の全てについてインクニアエンド検出処理が終了したか否かを判断し(ステップS7)、終了していない場合には、次のインクカートリッジを処理対象としてステップS4を再び実行する。全インクカートリッジのインクニアエンド検出処理が終了した場合には、判定結果を表示部210に表示する処理を行い(ステップS8)、このフローの処理を終了する。
5.外乱光検出手法
次に本実施形態における外乱光の検出手法について説明する。図12は、キャリッジ20が、ホームポジションPHから主走査方向D1に移動したときの光センサー80とキャリッジ20の相対的な位置関係を示す概念図である。位置P1〜P4は、インクカートリッジIC1〜IC4の各々のプリズムに発光部82からの光が当たる位置である。
本実施形態の外乱光の判定のうち、ノイズ光判定については第1の位置関係の範囲、すなわち液体の残存状態判定が行われる位置関係範囲において行われる。第1の位置関係範囲とは、後述するようにP1〜P4を基準とした位置関係範囲である。一方、環境光判定については第2の位置関係において行われる。第2の位置関係とは、例えばホームポジションPHに対応する位置関係である。
以下、まずノイズ光の検出手法について説明し、その後環境光の検出手法について説明する。
5.1 ノイズ光の検出手法
まずノイズ光の検出手法について説明する。図2(B)に示したように、ノイズ光の検出処理は第1の位置関係の範囲、すなわち図2(A)に示した液体の残存状態判定と同様の位置関係範囲での光センサー80の検出信号を用いて行われる。
インクカートリッジが複数設けられる場合には、残存状態判定はインクカートリッジごとに行われることになり、図12の例では、IC1についての判定はP1を基準とした(狭義には中心とした)位置範囲で行われる。同様に、IC2ではP2、IC3ではP3、IC4ではP4を基準とした位置範囲で残存状態判定が行われる。つまり、第1の位置関係の範囲とはインクカートリッジごとに設定されるものであり、ノイズ光判定についてもインクカートリッジごとに行われるものとする。
残存状態判定においては、インクがある場合には図9のSIKに示した波形が得られ、インクニアエンドの場合には図9のSEPに示した波形が得られる。一方、ノイズ光判定では、発光部82を消灯させるため、発光部82に起因する信号成分は取得されない。つまり、ノイズが全く含まれない理想的な状況を考えれば、図2(B)に示した状態での検出信号は、図13に示したように、位置によらずVmaxとなる波形が得られるはずである。逆に、図2(B)に示した状態で何らかの信号が検出される(電圧がVmaxに対してドロップしている)のであれば、当該信号はノイズ成分であると考えることができる。
本実施形態でのノイズ光判定は、発光部82を消灯させた状態で、第1の位置関係の範囲でキャリッジ20と光センサー80を相対的に移動させて出力電圧を取得し、そのうちの最小の電圧値を求める。そして、電圧の最小値と閾値を用いて判定を行えばよい。例えば、電圧値に含まれるノイズ成分がVth1(V)まで許容できる設計であれば、基準電圧と上記電圧の最小値の差分と、Vth1を比較すればよい。図13の例であれば、理想的な電圧値はVmaxとなるのであるから、当該Vmaxからのドロップ幅の最大値を求め、それをVth1と比較すればよい。
ドロップ幅≦Vth1であれば、ノイズ成分は許容可能なレベルに収まっているとして、ノイズ光無しと判定できるし、ドロップ幅>Vth1であれば、判定や処理に影響を与えるレベルのノイズが信号に含まれているとして、ノイズ光有りと判定できる。Vmaxを3.3Vとするときには、Vth1は0.1V程度に設定される。
本実施形態では、制御部は、液体消費装置の筐体カバーがオープン状態であっても、ノイズ光の測定によりノイズ光が入射していないと判定された場合には、液体収容容器の液体を消費する処理を継続可能である。
上述したように、ノイズ光判定では、キャリッジ20と光センサー80が残存状態判定と同様に第1の位置関係の範囲となる。そのため、ノイズ光判定により残存状態判定に影響を与える信号の有無を検出できることになる。よって、ノイズ光無しと判定されたのであれば、仮に筐体カバーが開いており、そこから外部の光が進入していたとしても、当該外部からの光は残存状態判定に影響を与えることはない。これは例えば、キャリッジ20により外部からの光が遮蔽される等の要因による。従来の液体消費装置(例えばカバー開閉を検出するセンサーがある装置)であれば、カバーがオープン状態ではユーザーに対する通知等が行われ、印刷等の液体を消費する処理を実行できなかった。その点本実施形態では、外部から光が進入しているか否かではなく、ノイズとなりうる光が検出されているか否か、という観点でノイズ光判定を行うため、カバーの状態によらずに印刷等を実行するか否かを決定することが可能である。
5.2 環境光の検出手法
環境光の判定は、図2(C)に示したように、第1の位置関係の範囲とは異なり、光センサー80とプリズムが対向しない第2の位置関係で行われ、第2の位置関係とは狭義には上述したように、キャリッジ20がホームポジションPHとなる位置であってもよい。また、キャリッジが往路走査から復路走査へ移行するときの起点になる位置であってもよい。
環境光判定では、キャリッジ20と光センサー80の位置関係はインクカートリッジの数や配置に依存するものではないため、判定結果もインクカートリッジごとには取得されない。例えば、第2の位置関係として所与の1つの位置関係を用いるのであれば、環境光判定の結果は1回の判定につき1つだけ取得されることになる。
環境光の判定では、発光部82は発光していてもよいし、消灯していてもよい。信号成分を除外してノイズ成分のみを精度よく求める、という観点で考えれば、ノイズ光判定と同様に発光部82は消灯させることが好ましい。このようにすれば、上述したように発光部82に起因する信号成分が検出されないためである。
しかし第2の位置関係は、上述したように光センサー80とプリズム320が対向しない。そのため、発光部82が発光していたとしても、当該光がプリズム320により反射され受光部84で受光される可能性は非常に低い。つまり、環境光判定では発光部82が仮に発光していたとしても、検出される信号成分は全てノイズ成分と仮定することが可能である。以上の点を考慮すれば、環境光判定では発光部82の発光状態は問わないということになる。
ノイズが全く含まれない理想的な状況を考えれば、図2(C)に示した状態での検出信号は、光が全く入射しない値(例えばVmax)となるはずである。よって、ノイズ光判定と同様に、図2(C)の状態で電圧値がVmaxに対してドロップしているのであれば、それは環境光によるものと判定できる。
環境光判定もノイズ光判定と同様に何らかの閾値との比較処理により実現できる。具体的には、電圧の閾値Vth2を設定し、ドロップ幅≦Vth2であれば、環境光成分は許容可能なレベルに収まっているとして、環境光無しと判定できるし、ドロップ幅>Vth2であれば、判定や処理に影響を与えるレベルの環境光成分が信号に含まれているとして、ノイズ光有りと判定できる。
6.外乱光の検出処理が行われるタイミングの例
次に、ノイズ光判定や環境光判定が、どのような処理の中で実行されるかを具体的に説明し、合わせてノイズ光判定と環境光判定の関係についても説明する。
以下、液体消費装置が印刷装置である場合に、印刷中の処理内容、印刷以外の処理時の処理内容、光センサー80の感度補正処理時の処理内容についてフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、以下の説明や図面において「インク無し」という用語が用いられるが、これは上述したインクニアエンドと判定される状態を表すものであり、インクカートリッジ内にインクが全くない状態を指すものに限定されない。
6.1 印刷中
印刷中には空打ち防止等の観点から、インクニアエンドの判定が行われる。その際、上述したように外乱光が入射しているとインクニアエンドか否かを適切に判定することができない。特に、外乱光が入射している場合には、本来光が検出されないはずの状況で光を検出してしまうというエラーになるため、インクが残っているにもかかわらず、インクニアエンドと判定するエラーが想定され、逆(インクニアエンドであるにもかかわらずインク有りと判定する)は考えにくい。つまり、インクニアエンドの判定においてインクニアエンドが疑われる結果となった場合に、本実施形態の外乱光判定を行えばよく、インク有りと判定されている状況では外乱光判定をスキップすることも可能である。
図14、図15に印刷中における制御部100が実行するインクニアエンド判定の処理を説明するフローチャートを示す。図14におけるA,Bはそれぞれ図15のA,Bに対応する。なお、図14、図15は印刷中の処理のうち、外乱光判定に関連する処理を説明するフローチャートであり、印刷中に図14、図15に不図示の処理が行われることは妨げられない。
この処理が開始されると、まず光センサー80の発光部82を発光させて(ステップS101)、キャリッジ20と光センサー80を相対的に移動させて反射光の測定を行う(ステップS102)。ステップS102の処理は、印字パス1回に相当するキャリッジ移動の動作の中で反射光を測定する処理である。具体的には、キャリッジのHPがスタートとなる往路移動もしくはHPへ戻る復路移動のいずれかでの動作での測定である。そして測定結果に基づいて反射光の有無を判定する(ステップS103)。ステップS103では、具体的には第1の位置関係の範囲(取り込み範囲)での出力電圧のが、連続したキャリッジの位置で3回以上閾値Vthをしたまわっているかどうかの比較処理を行えばよい。
ここでの反射光有りとは、インクニアエンドが疑われる状況であり、反射光無しとはインクがあると判定できる状況である。そのため、ステップS103でYesの場合には、インク無し判定回数を1増やし(ステップS105)、Noの場合にはインクなし判定回数を0にリセットする(ステップS104)。
次にインク無し判定回数が1である、すなわち、それまでインク無しと判定されていなかった状態において反射光有りとされたかを判定する(ステップS106)。ステップS106でYesの場合、インクニアエンドが疑われるものの、インク無し判定の回数は少なく、インクニアエンドが確定するにはさらなるステップを経ることが想定される。よってここでは、キャリッジ20を動作させてまでノイズ光判定を行うのではなく、簡易的な環境光判定を行うものとする。
具体的には、図2(C)に示したように環境光の測定を行い(ステップS107)、環境光があるか否かを判定する(ステップS108)。そして、環境光が無いと判定されたら環境光フラグを0とし(ステップS109)、環境光があると判定されたら環境光フラグを1とする(ステップS110)。
そして、インク無し判定の回数が4であるかの判定を行い(ステップS111)、Yesの場合には、ノイズ光がなければインク無しが確定するとの仮判定を行う(ステップS112)。これは図14、図15のフローチャートでは、キャリッジが光センサー上を4走査して、4回連続で反射光有りと判定されることをインクニアエンドと判定する1つの条件としているためである。ステップS112で仮判定が行われた場合、その後のノイズ光があるかどうかの処理で当該仮判定がキャンセルされないのであれば、インクニアエンドという結果が確定することになる。
また、インク無し判定の回数が4でない場合には、インク無し判定の回数が2であり、且つ環境光フラグが1であるかの判定を行う(ステップS113)。ステップS112の処理後、或いはステップS113でYesの場合には、ステップS114のノイズ光判定に移行する。つまり、インクニアエンドと判定する最終段階までいっている場合(インク無し判定回数=4)、又はインクニアエンドと判定する途中段階ではあるが、環境光が検出されており外乱光が入射している可能性が高い場合のいずれかでは、精度の高い外乱光判定であるノイズ光判定を行う。
具体的には、まず光センサー80の発光部82を消灯させ(ステップS114)、図2(B)に示した第1の位置関係の範囲でノイズ光の測定を行う(ステップS115)。そして、ノイズ光の有無を判定し(ステップS116)、ノイズ光有りと判定された場合には、インク無しの仮判定をキャンセル(ただしステップS112が行われていた場合)し、外乱光有りを確定させて処理を終了する(ステップS117)。ステップS117では、外乱光が無視できないレベルで入射していると考えられるため、ステップS103で行われた反射光有無の判定結果が信頼できない。つまり、インクニアエンドか否かについては確定的な結果を出さず、外乱光有りの場合の処理、例えばユーザーに対する通知等を行う。
一方、ステップS116でノイズ光無しと判定された場合には、より精度の高い判定で外乱光無しという結果が出た以上、環境光フラグを0にし(ステップS118)、再度インクニアエンド判定のため光センサー80の発光部82を点灯させる(ステップS119)。
そして、ステップS113でNoの場合、又はステップS119の処理後は、1ページの印刷が終了したか否かを判定する(ステップS120)。ステップS120でNoの場合には、印刷途中であるとして、ステップS102に戻り処理を継続する。
一方、ステップS120でYesの場合には、インク無しの仮判定が行われているかを判定し(ステップS121)、Yesの場合はインク無しを確定させて(ステップS122)、処理を終了し、Noの場合には、インク有りのまま処理を終了する。
なお、S102のインクカートリッジ反射光測定、S115のノイズ光測定は、印刷の印字パスの動作の中で測定される。
以上の本実施形態では、制御部は、液体収容容器の液体の残存状態の判定中であって、環境光の測定により環境光が入射していると判定された場合に、ノイズ光の測定を行う。これは、図14のステップS110で環境光フラグが1となっている状況では、インク無し判定回数=2の場合に、図15のステップS113でYesとなり、ステップS114以降の処理が行われることに対応する。
これにより、まずキャリッジ20の移動を伴わない簡易的な判定を行い、当該簡易的な判定で外乱光有りと疑われる場合に、精度の高い判定を実施することが可能になる。図2(B)、図2(C)を比較すればわかるように、環境光判定は、ノイズ光判定に比べて外乱光が入射しやすい状況である。そのため、環境光判定で環境光が検出されないのであれば、ノイズ光も非検出となる可能性が高い。つまり、先に簡易的な環境光判定を行っておくことで、場合によってはノイズ光判定を行うステップを省略できるため、ノイズ光判定の処理負荷等を軽減することが可能になる。
また、制御部において、液体収容容器の液体の残存状態の判定中であって、環境光の測定により環境光が入射していると判定された場合に、移動部は、ホルダー21と光センサー80の位置関係を第1の位置関係の範囲に移動させ、制御部は、光センサー80の発光部82を消灯した状態で、ノイズ光を測定する。これは図15のステップS113がYesの場合に、ステップS114,ステップS115が実行されることに対応する。
第2の位置関係が、キャリッジ20のホームポジションPHのように、キャリッジ20の移動負荷が低い位置であるものとすれば、キャリッジ20と光センサー80は、何らかの移動制御が行われない限り第2の位置関係にあると想定される。つまり、環境光判定後、ノイズ光判定を行うのであれば、実際にはキャリッジ20と光センサー80の相対移動、及び発光部82の消灯の制御が行われることになる。
また、制御部は、液体収容容器の液体の残存状態の判定により、インク無しと判定された場合に、環境光の測定を行う。これは、図14のステップS106でYesと判定された場合に、ステップS107,ステップS108が実行されることに対応する。
上述したように、外乱光によるエラーとは、インクがあるのにインクニアエンドであると誤判定するものである。つまり、インクの有無とは無関係に外乱光判定を行うことは妨げられないが、インクニアエンドである(或いはその疑いがある)と判定された際に外乱光判定(特に環境光判定)を行うものとしても十分である。そのようにすれば、必要以上に外乱光判定を行うことを抑止することが可能である。
また、制御部は、環境光の測定により環境光が入射していないと判定された場合には、液体収容容器の液体の残存状態の判定を行い、環境光の測定により環境光が入射していると判定された場合には、ノイズ光を測定する。これは、図15のステップ113の条件の1つが環境光フラグ=1であり、ステップS113でYesの場合にはステップS114以降が実行されるのに対して、ステップS113でNoの場合にはノイズ光判定が行われることなくステップS120からステップS102に戻って処理が継続されることに対応する。
残存状態の判定中では、メインで実行したいのは当然残存状態判定であり、外乱光が疑われる場合に、当該外乱光の影響を高精度で判定すればよい。結果として、環境光フラグ=0であれば、残存状態の判定が継続されることになるし、環境光フラグ=1であれば、より高精度の判定であるノイズ光判定が実行されることになる。
また、制御部は、液体収容容器の液体の残存状態の判定により、複数回インク無しと判定された場合に、ノイズ光を測定する。これは、図15のステップS111でYesと判定された場合に、ステップS114以降の処理を実行することに対応する。
これにより、インクニアエンドが強く疑われる状況では、精度のよい外乱光判定を行うことが可能になる。上述したように環境光判定は簡易的な判定である以上、インクニアエンドを確定させるといった状況では、精度の高いノイズ光判定を行うことが好ましい。図14、図15のフローチャートであれば、環境光判定をしたか否か、或いはその結果がどうであったかによらず、インク無し判定回数=4の場合にはノイズ光判定が行われるため、インクニアエンドの確定前にノイズ光判定を確実に実行することが可能になる。
6.2 印刷以外
図16、図17に、制御部により実行される印刷以外における処理を説明するフローチャートを示す。図16におけるA,B,Cはそれぞれ図17のA,B,Cに対応する。ここでは印刷を行っていないため、印字のためのキャリッジ20の移動は行われず、インクニアエンドの判定、ノイズ光判定に合わせてキャリッジ20が移動されることになる。図16、図17の処理は、常時行われる必要はなく、例えば一定の頻度(前回の処理から一定期間経過後に)、ヘッドクリーニングの前後、省電力モードからの復帰後など等に行われればよい。
この処理が開始されると、まずキャリッジ20をホームポジションPHに保ったまま環境光を測定する(ステップS201)。そして、図14のステップS108〜ステップS110と同様に、環境光の有無の判定と、対応するフラグ管理を行う(ステップS202〜ステップS204)。
その後、インクニアエンドの判定のため光センサー80の発光部82を発光させ(ステップS205)、キャリッジ20を主走査方向の一方向(ホームポジションPHから離れる方向)に移動させて反射光を測定する(ステップS206)。この移動をここでは往路移動とする。
そして、反射光の有無を判定し(ステップS207)、反射光がなければインク有りを確定させて処理を終了する(ステップS210)。一方、往路で反射光有りと判定された場合には、キャリッジ20を逆方向(ホームポジションPHに近づく方向)に移動させて反射光を測定し(ステップS208)、反射光の有無を判定する(ステップS209)。この移動をここでは復路移動とする。ステップS209で反射光無しと判定された場合にも、インク有りを確定させて処理を終了する(ステップS210)。
往路と復路の両方で反射光有りと判定された場合には、2往復したかの判定を行う(ステップS211)。これは印刷中と同様に、4回反射光有りと判定されることをインクニアエンド確定の1つの条件としているためであり、2往復している場合、往路復路それぞれ2回ずつ、4回反射光有りということになる。
ステップS211でNo(1往復目)の場合には、環境光フラグの判定を行う(ステップS212)。環境光フラグが0の場合には、外乱光の影響は考えにくいとして図16のステップS206に戻り2往復目の処理を行う。
一方、環境光フラグが1の場合には、外乱光の影響があり、インク無しという判定が信頼できない可能性があるため、ノイズ光判定に移行する。具体的には、光センサー80の発光部82を消灯し(ステップS213)、キャリッジ20と光センサー80を少なくとも第1の位置関係の範囲で移動させてノイズ光を測定する(ステップS214)。ただし、ステップS214では、移動範囲を狭く限定する必要はなく、キャリッジを往復移動させてもよい。
そしてノイズ光の有無を判定し(ステップS215)、ノイズ光がある場合には、外乱光有りを確定させて(ステップS221)、処理を終了する。一方、ノイズ光が無い場合には、図15のステップS118,ステップS119と同様に、環境光フラグを0にリセットし、発光部82を点灯させて(ステップS216,ステップS217)、ステップS206に戻り2往復目の処理を行う。
また、ステップS211でYes、すなわち2往復して往路復路全てで反射光有りと判定された場合には、インクニアエンドを確定させるステップに来ているため、精度の高いノイズ光判定を行う。具体的には、発光部82の消灯(ステップS218)、ノイズ光測定(ステップS219)、ノイズ光有無の判定(ステップS220)を行う。
ノイズ光有りの場合には、インクに関する判定は確定できないため、外乱光有りという結果を確定させて(ステップS221)、処理を終了する。ノイズ光無しの場合には、それまでのインク無し判定を信頼してもよいため、インクニアエンドを確定させて(ステップS222)、処理を終了する。
6.3 感度補正処理時
本実施形態では、制御部は、光センサー80の感度補正処理時に、ノイズ光の測定を行う。上述したように、感度補正処理では、発光部82の発光量の調整と、調整後の発光量に基づくインクニアエンド判定のための閾値設定を行う。この際、発光量の調整は、発光部82に起因する光の強度を調整すべきであり、受光部84で受光する光に外乱光が混ざっていては適切な処理ができない。よって感度補正処理の際にも外乱光判定を実行するとよい。
図18に感度補正処理の流れを説明するフローチャートを示す。この処理が開始されると、まず発光量の調整のために発光部82が点灯される(ステップS301)。ここでの発光量は適当な初期値(例えばDuty=20%)や、前回の調整値を用いればよい。そして、キャリッジ20と光センサー80を相対的に移動させて検出信号を取得する(ステップS302)。
外乱光を考慮しなければ、検出信号である電圧値の最低値が所与の数値範囲に含まれるように、発光部82の発光量を調整すればよい。しかしここでは、ステップS302で取得した検出信号に外乱光の成分が含まれていないかを判定する。
具体的には、発光部82を消灯し(ステップS303)、ノイズ光を測定する(ステップS304)。そして、ノイズ光の有無を判定し(ステップS305)、ノイズ光有りと判定された場合には、外乱光有りという結果を確定させて(ステップS306)、処理を終了する。
一方、外乱光無しと判定された場合には、反射光量(検出信号の電圧値)が所定範囲内かを判定する(ステップS307)。所定範囲内でなければ、発光量を調整した上で発光部82を発光させて(ステップS308)、ステップS302に戻り再度測定を行う。反射光量が所定範囲内であれば、発光部82の発光量は適切であるとしてインクニアエンド判定に用いられる閾値を設定して(ステップS309)、処理を終了する。ここでの閾値は図9のVthに対応するものである。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また液体消費装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。