JP2009132113A - インクカートリッジ判定装置、インクカートリッジ判定方法 - Google Patents

インクカートリッジ判定装置、インクカートリッジ判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクカートリッジの種類の判定を簡易な構成で実現し、しかも、判定結果の信頼性を向上させるインクカートリッジ判定装置を提供すること。
【解決手段】インクカートリッジ10は、インク室12のインク量を検知するための検知部140を備える。検知部140は、概ね直方体形状に形成されており、背面102と平行な前壁141を有する。インク室12にはインク量に応じて揺動するアーム60が設けられている。アーム60のインジケータ部62は、検知部140内の空間147に挿入されている。前壁141とインジケータ部62との間に空隙148が形成されている。前壁141は、インクカートリッジ10の種類毎に異なる厚みに形成されている。この厚みが光センサ123で検知された際に、光が遮光される時間がインクカートリッジ10毎に異なる。判定装置200は、この時間差に基づいてインクカートリッジ10の種類を判定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、カートリッジ装着部に装着可能なインクカートリッジの種類を判定する判定装置及び判定方法に関する。
従来、インクを用いて記録用紙に画像を記録するインクジェット記録装置(以下「記録装置」と略称する。)が広く知られている。記録装置は、インクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部を備える。インクカートリッジは、上記カートリッジ装着部に着脱可能に設けられる。インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されると、インクカートリッジ内のインクが記録ヘッドへ供給可能となる。インクがインクカートリッジから記録ヘッドへ供給されると、記録ヘッドは用紙へ向けてノズルからインクを選択的に吐出する。これにより、用紙に画像が記録される。
上記記録装置の一例として、特許文献1には、インクカートリッジ内のインクの種類や特性等を判定することが可能な記録装置およびこれに適用されるインクカートリッジが開示されている。この記録装置に装着されるインクカートリッジには、フラグ部材が取り付けられている。フラグ部材には、例えばインクの種類に応じた位置に遮光部が設けられている。インクカートリッジが記録装置に装着されると、記録装置側の光センサの光路に上記遮光部が配置される。このとき、上記遮光部に応じた波形の信号が光センサから出力される。この出力信号に基づいて、インクカートリッジ内のインクの種類や特性等が判定される。
特開平3−213349号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクカートリッジは、インクカートリッジにフラグ部材を設ける必要がある。また、インクカートリッジにおいてフラグ部材は突出又は収容可能に構成されているため、フラグ部材を突出又は収容させる機構をインクカートリッジに設ける必要がある。したがって、インクカートリッジの構成が複雑なものとなっていた。そのため、突出又は収容させる機構に不具合が生じた場合はインクカートリッジの種類を判定することができなくなるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インクカートリッジの種類の判定を簡易な構成で実現することができ、しかも、判定結果の信頼性を向上させることが可能なインクカートリッジ判定装置及びインクカートリッジ判定方法を提供することにある。
(1) 本発明は、インクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、上記カートリッジ装着部に設けられ、発光素子及び受光素子を有する光学センサと、上記インクカートリッジに設けられ、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記発光素子から上記受光素子に至る光路に配置される第1遮光部と、上記インクカートリッジに設けられ、上記第1遮光部よりも上記第1方向の後方側に設けられた第2遮光部と、上記第1遮光部と上記第2遮光部との間に設けられ、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記光路に配置される光透過部と、上記カートリッジ装着部に対する装着過程における上記受光素子の受光結果に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定する判定手段とを具備するインクカートリッジ判定装置として構成されている。
インクジェットプリンタなどの画像記録装置には、インクカートリッジが装着可能なカートリッジ装着部が設けられている。このカートリッジ装着部には、発光素子及び受光素子からなる光学センサが設けられている。カートリッジ装着部にインクカートリッジが装着される過程において、まず、第1遮光部が上記光路に進入する。このとき、光路を通る光が第1遮光部によって遮蔽される。そのため、光は受光素子に到達しない。次に透過部が上記光路に進入する。このとき、光路を通る光は透過部を透過して受光素子に到達する。したがって、受光素子から出力される出力信号(受光結果)には、上記第1遮光部部を示す波形と上記光透過部を示す波形とが明確に現れる。この波形を解析することにより、インクカートリッジの種類を判定することができる。
(2) 上記第1遮光部は、上記インクカートリッジの種類に応じた形態を有する。
これにより、受光素子から出力される出力信号にインクカートリッジの種類に応じた波形が現れる。
(3) 上記第1遮光部は、上記第1方向の幅が上記インクカートリッジの種類に応じたサイズに形成されている。
(4) 上記判定手段は、上記光路を通る光が上記第1遮光部によって遮られた遮蔽時間に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定する。
インクカートリッジの種類に応じて上記第1遮光部の形態(第1方向の幅サイズなど)が異なる場合は、第1遮光部によって光が遮蔽される遮蔽時間が異なる。カートリッジ装着部側では、判定手段が遮蔽時間を監視することで、インクカートリッジの種類を判定することができる。このように構成されているため、インクカートリッジの種類の判定が容易に行われる。
(5) 上記判定手段は、上記インクカートリッジの種類としてインクの初期容量の区別を判定する。
(6) 上記第1遮光部は、上記インクカートリッジの壁面から上記第1方向の前方側に隔てられた平板部材からなる。この場合、上記光透過部は、上記第1遮光部と上記壁面との間に形成された間隙である。
(7) 上記第1遮光部と上記壁面との間に介設され、上記本体に対して上記第1遮光部を弾性的に支持する支持部材を更に備える。
(8) 上記第2遮光部は、上記インクカートリッジの内部に収容されたインクの液量に応じて、上記光路を遮る第1位置と上記光路から退避する第2位置との間で移動する。
(9) 上記本体の内部に設けられ、インク量に応じて揺動可能に支持されたアーム部材を更に備える。上記第2遮光部は、上記アーム部材の一端に設けられており、上記アーム部材の揺動動作に応じて上記第1位置と上記第2位置との間で移動する。
(10) 上記第2遮光部は、上記カートリッジ装着部に上記インクカートリッジが装着された状態で上記光路と交差する位置に配置される。
(11) 本発明は、カートリッジ装着部に装着されるインクカートリッジの種類を判定するインクカートリッジ判定方法として捉えることもできる。上記カートリッジ装着部は、発光素子及び受光素子を有する光学センサを備える。上記インクカートリッジは、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記発光素子から上記受光素子に至る光路に配置される第1遮光部と、上記インクカートリッジに設けられ、上記第1遮光部よりも上記第1方向の後方側に設けられた第2遮光部と、上記第1遮光部と上記第2遮光部との間に設けられ、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記光路に配置される光透過部とを備える。本発明のインクカートリッジ判定方法は、上記カートリッジ装着部に対する装着過程における上記受光素子の受光結果に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定する。
(12) 本発明のインクカートリッジ判定方法は、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記第1遮光部によって上記光路を通る光が遮られた遮蔽時間を計時する第1ステップと、上記第1ステップで計時された遮蔽時間に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定する第2ステップとを備える。
本発明によれば、インクカートリッジの種類を簡易な構成で判定することができ、しかも、判定結果の信頼性を向上させることが可能である。
以下、適宜図面を参照して本発明の一実施形態に係るインクカートリッジ判定装置の一例である判定装置200について説明する。なお、以下の実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[インクカートリッジ10]
まず、図1乃至図3を参照して、判定装置200による判定対象とされるインクカートリッジ10について説明する。ここに、図1は、インクカートリッジ10の外観構成を模式的に示す斜視図である。図2は、インクカートリッジ10の構成を示す模式図であり、(A)にインクカートリッジ10の背面図が示されており、(B)にインクカートリッジ10の縦断面図が示されている。図3は、図2における切断線III−IIIの断面図である。なお、図2では、インク注入部15が省略されている。
インクカートリッジ10は、所謂インクジェット記録方式のプリンタや複写機、ファクシミリ装置などの画像記録装置に用いられるものであり、内部に所定色のインクが収容されている。このインクカートリッジ10は、後述するインク供給装置120が備えるカートリッジケース121(本発明のカートリッジ装着部の一例)に装着されて用いられる。
図1に示されるように、インクカートリッジ10は、扁平形状の略六面体として構成されている。詳細には、インクカートリッジ10は、幅方向(矢印51の方向)に細く、高さ方向(矢印52の方向)及び奥行き方向(矢印53の方向)が上記幅方向よりも長い略直方体形状に形成されている。このインクカートリッジ10は、図1に示された起立状態で、図中の下側の面を底面104とし、図中の上側の面を上面103として、背面102側から挿入方向50(本発明の第1方向に相当)に沿ってカートリッジケース121に挿入される。
インクカートリッジ10は、大別して、本体20、インク注入部15、検知部140、アーム60(本発明のアーム部材の一例)、大気連通口81、及びインク供給口91により構成されている。これらの各要素は、樹脂材料で構成されている。樹脂材料としては、例えばナイロンやポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。なお、インクカートリッジ10として、例えば、本体20の略全体を覆うケースや、大気連通口81又はインク供給口91を覆うプロテクタなどが設けられたものにも本発明は適用可能である。
本体20は、フレーム110とフィルム70とによって構成されている。フレーム110は、インクカートリッジ10の筐体を構成する部材であり、インクカートリッジ10の六面101〜106を形成する。したがって、インクカートリッジ10の各面101〜106は、フレーム110の各面に一致する。以下において、インクカートリッジ10の各面に付された符号(101〜106)を用いてフレーム110の各面を示す。
フレーム110は、透光性のある樹脂材料で構成されており、例えば、樹脂材料を射出成形することにより得られる。フレーム110は、透光性を有するものであれば如何なる樹脂で構成されていてもよく、例えば、透明或いは半透明の樹脂で構成することも可能である。フレーム110は、正面101、上面103、背面102、底面104に概ね沿って環状に形成されている。これにより、フレーム110の左面105及び右面106に開口が形成されている。
フレーム110の左面105、右面106それぞれに、透明な樹脂で構成された薄肉状のフィルム70(図1参照)が貼り付けられている。具体的には、フィルム70は、フレーム110の左面105、右面106の外縁部に溶着されている。このフィルム70によって左面105及び右面106の開口が閉塞される。これにより、フレーム110とフィルム70とによって囲まれた空間がインク室12(図2(B)参照)として区画される。このように区画されたインク室12にインクが収容される。なお、本実施形態では、フレーム110とフィルム70とによってインク室12を形成することとしたが、例えば、フレーム110自体を直方体の容器状に形成することによってその内部にインク室12を形成してもかまわない。
インク注入部15は、インクをインク室12に注入するためのものである。このインク注入部15は、フレーム110の正面101側に設けられている。詳細には、インク注入部15は、フレーム110の正面101の中段付近よりやや下側に設けられている。図1に示されるように、インク注入部15は、筒部17を備える。筒部17は、正面101からインク室12側に穿設された略円筒状の孔である。筒部17の正面101側の開口18は、本体20の外部に開放されたインク注入口である。この開口18から筒部17の内部にインクが注入されると、筒部17内を通ってインク室12へインクが流入する。
検知部140は、インク室12に収容されているインクの量を視覚的或いは光学的に検知するためのものである。検知部140は、フレーム110の背面102の中段付近に設けられている。検知部140は、略直方体形状に形成されており、背面102の中段付近から外向きへ突出している。具体的には、検知部140は、平面102に平行で、この背面102から外向きに所定距離だけ離反された矩形状の前壁141(本発明の第1遮光部、平板部材の一例)と、この前壁141の左右の二辺を含む一対の側壁142と、前壁141の上下の二辺を含む上壁143および底壁144とにより区画されてなる。前壁141の幅(矢印51方向の寸法)は、インクカートリッジ10の幅よりも小さく形成されている。
検知部140は、フレーム110と一体に形成されている。したがって、検知部140は、フレーム110と同じ材質、すなわち、透明樹脂で構成されており、外部から光透過が可能である。なお、検知部140は、光透過性を有するものであれば、透明に限らず半透明の樹脂などで構成されていてもよい。検知部140は、後述するように、カートリッジケース121に取り付けられた光センサ123(本発明の光学センサの一例)の発光素子113(図5参照)によって光が照射される的にされる。
図2に示されるように、検知部140は中空状に形成されており、内部に空間147を有する。空間147は、インク室12に連続している。空間147に、インク残量を指し示すためのアーム60のインジケータ部62(本発明の第2遮光部の一例)が挿入される。
インク室12内にアーム60が設けられている。アーム60は、インク室12に収容されたインクの量を検知するための部材である。アーム60の略中心に軸66が設けられている。軸66は、フレーム110に設けられた軸受け(不図示)に支持されている。これにより、アーム60がインク室12内において揺動可能となる。
アーム60は、遮光性のある樹脂材料で構成されている。アーム60は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより得られる。樹脂材料としては、ナイロン、ポリエチレンやポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、カーボンブラックが添加されたアクリル樹脂などが該当する。アーム60は、少なくとも後述するインジケータ部62が遮光性を有していればよい。つまり、必ずしもアーム60の全体が遮光性を有している必要はない。
アーム60の一方の端部に、内部が中空状に形成されたフロート部63が設けられている。フロート部63は浮力体の役割を担っており、インク室12内のインク量に応じて上下に変位する。これにより、フロート部63の変位量に応じてアーム60が揺動する。なお、フロート部63は、アーム60を揺動させる浮力を発生させ得るものであればよく、内部が中空状のものに限定されない。
アーム60の他方の端部に、インジケータ部62が設けられている。このインジケータ部62は、検知部140の空間147内に挿入されている。インジケータ部62は、アーム60の揺動動作に応じて空間147内で上下に移動する。なお、図2(B)には、インジケータ部62が底壁144に当接した第1姿勢(本発明の第1位置に相当)が実線で示され、インジケータ部62が上壁143に当接した第2姿勢(本発明の第2位置に相当)が破線で示されている。
インク室12内のインク量に応じてフロート部63が上下に変位すると、アーム60が揺動し、その揺動動作に応じてインジケータ部62が空間147内で上下に移動する。具体的には、フロート部63が上昇すると、アーム60が矢印67の方向へ回動して、インジケータ部62が空間147の下方へ移動する。インジケータ部62が検知部140の下壁144に到達すると、インジケータ部62は、下壁144に当接した第1姿勢(図2(B)において実線で示された姿勢)となる。このとき、インジケータ部62は、検知部140の側壁142の下部142A(図1において破線で囲まれた部分)の内側に配置される。上記第1姿勢において、下部142Aに垂直に光が照射されると、下部142Aを透過した光はインジケータ部62によって遮蔽される。
一方、インクが所定量未満になってフロート部63が下降すると、アーム60が矢印68の方向へ回動して、インジケータ部62が空間147の上方へ移動する。インジケータ部62が検知部140の上壁143に到達すると、インジケータ部62は、上壁143に当接した第2姿勢(図2(B)において破線で示された姿勢)となる。このとき、インジケータ部62は、下部142A(図1参照)の内側から外れた位置に配置される。この第2姿勢において、下部142Aに垂直に光が照射されると、その光はインジケータ部62に遮られることなく検知部140を透過する。
本実施形態では、カートリッジケース121にインクカートリッジ10が装着された状態で、後述する光センサ123の発光素子113(図5参照)から側壁142の下部142Aへ向けて光が出射される。そのため、インジケータ部62が上記第1姿勢にある場合は、光はインジケータ部62によって遮蔽される。一方、インジケータ部62が上記第2姿勢にある場合は、光はインジケータ部62によって遮蔽されずに受光素子114(図5参照)へ到達する。したがって、受光素子114の出力信号の波形に基づいてインク室12内のインクが所定量以下であるかどうかを検知することができる。
フレーム110の背面102に、大気連通口81とインク供給口91とが形成されている。つまり、大気連通口81、インク供給口91、及び検知部140は、いずれも同一の壁面に設けられている。
大気連通口81は、背面102において、検知部140より上方に形成されている。この大気連通口81は、インク室12内のの空気とインクカートリッジ10の外部とを連通するための貫通孔である。インクカートリッジ10が未使用状態の場合は、大気連通口81は、シール部材(不図示)によって閉塞されている。インクカートリッジ10がカートリッジケース121に装着されると、大気連通口81に後述するロッド137(図4参照)が挿通される。これにより、大気連通口81が開放されて、インク室12内の気圧が大気圧になる。
インク供給口91は、検知部140より下方の壁面に形成されている。このインク供給口91は、インク室12からインクを外部に導出するための貫通孔である。インクカートリッジ10が未使用状態の場合は、インク供給口91は、シール部材(不図示)によって閉塞されている。インクカートリッジ10がカートリッジケース121に装着されると、インク供給口91に後述するインクニードル134(図4参照)が挿通される。これにより、インクニードル134を通じてインクカートリッジ10から記録ヘッド(不図示)へインクが供給可能となる。
なお、大気連通口81及びインク供給口91を閉塞するシール部材としては、大気連通口81及びインク供給口91を覆う粘着フィルムなどの簡易なものや、バネ力によってインク室12側から大気連通口81及びインク供給口91を閉塞するバルブなどを用いることが可能である。
本実施形態では、図3(A)に示されるように、インクカートリッジ10の奥行き方向にインジケータ部62の先端と上記検知部140の前壁141とが並ぶようにアーム60が設けられている。言い換えると、前壁141よりもインクカートリッジ10の挿入方向の後方側にインジケータ部62が配置されている。また、アーム60は、インジケータ部62の先端と上記検知部140の前壁141の外面との間隔がD2となるように設けられている。この間隔D2は、インジケータ部62と前壁141の内面との間に空隙148(本発明の光透過部の一例)が形成される寸法に設定されている。この空隙148は、後述する光センサ123によって検知可能な寸法、言い換えれば、光センサ123の受光素子115(図5参照)出力信号に空隙148に相当する波形が現れる程度の寸法であればよい。
また、本実施形態に係るインクカートリッジ10は、その種類毎に、前壁141の厚みが異なっている。ここで、インクカートリッジ10の種類としては、例えば、インク消費量の多いヘビーユーザ向けに製作された大容量タイプや、一般消費者向けに製作された標準タイプが考えられる。なお、上記大容量タイプは、インクの初期容量が多いもの、つまり、インクが予め標準量よりも多く収容されたものである。上記標準タイプは、インクの初期容量が標準的な量のもの、つまり、初期容量が上記大容量のものよりも少ないものである。また、インクカートリッジ10の種類の他の例としては、収容されているインクの色の違いや、インクの材料の違い、海外向け仕様か国内向け仕様の相違などが考えられる。本実施形態では、厚みD11の前壁141Aを有するものをインクカートリッジ10Aと称し、厚みD11よりも薄い厚みD12の前壁141Bを有するものをインクカートリッジ10Bと称する。このように、前壁141の厚みを異ならせることによって、後述する判定装置200(図7参照)によるインクカートリッジの種類の判定が可能となる。なお、以下の説明においては、特に言及しない限り、インクカートリッジ10A及びインクカートリッジ10Bを総じてインクカートリッジ10と称する。
次に、図4を参照して、インクカートリッジ10が装着されるインク供給装置120の構成について説明する。ここに、図4は、インク供給装置120の縦断面構造を模式的に示す断面図である。図4(A)には、インク供給装置120にインクカートリッジ10が挿入された状態が示されている。図4(B)には、インク供給装置120にインクカートリッジ10が装着された状態が示されている。
インク供給装置120は、インクジェットプリンタなどの画像記録装置に設けられている。インク供給装置120は、画像記録装置が備える記録ヘッド(不図示)へインクを供給するものである。インク供給装置120は、複数のインクカートリッジ10を装着可能なカートリッジケース121を備えている。以下、カートリッジケース121について詳細に説明する。
図4に示されるように、カートリッジケース121の内部に、インクカートリッジ10が収容される。カートリッジケース121は、その前面に開口127を有する。開口127を通じてカートリッジケース121の内部にインクカートリッジ10が挿入される。
カートリッジケース121の奥側に、光センサ123が設けられている。光センサ123は、後述する判定装置200を構成する要素である。この光センサ123は、判定装置200の制御部250(本発明の判定手段の一例、図7参照)に接続されている。光センサ123は、カートリッジケース121の背面を構成する壁面129に設けられている。光センサ123は、カートリッジケース121に装着されたインクカートリッジ10のインク量を検知するためのものである。本実施形態では、光センサ123として、発光素子113及び受光素子114(図5参照)を有する透過型のフォトインタラプタが用いられている。カートリッジケース121にインクカートリッジ10が装着されると、光センサ123の発光素子113と受光素子114との間に検知部140の下部が挿入される。つまり、検知部140の側壁142の下部142A(図1参照)が発光素子113から受光素子114に至る光路115(図5参照)に配置される。
カートリッジケース121の上面を構成する壁面130の奥側に光センサ124が設けられている。光センサ124は、カートリッジケース121にインクカートリッジ10が装着されているかどうかを検知するためのものである。この光センサ124は、上述の光センサ123と同様の構成を有するものである。そのため、ここでは光センサ124の説明は省略する。カートリッジケース121にインクカートリッジ10が装着されると、光センサ124の発光素子と受光素子との間にインクカートリッジ10の上端が挿入される。つまり、インクカートリッジ10の上端が発光素子から受光素子に至る光路に配置される。
壁面129の下部には、カートリッジケース121の内部から背面側へ貫通する孔132が形成されている。孔132のカートリッジケース121内部側に管状のインクニードル134が接続されている。孔132の背面側にインクチューブ135が接続されている。カートリッジケース121にインクカートリッジ10が装着されると、インクニードル134がインク供給口91に挿入されて、インク供給口91からインクチューブ135に至るインク通路が形成される。
壁面129の上部には、ロッド137が設けられている。ロッド137は、壁面129に立設されている。カートリッジケース121にインクカートリッジ10が装着されると、ロッド137が大気連通口81に挿入される。これにより、インク室12と外部とが大気連通口81を通じて連通する。
[インクカートリッジ10の装着動作]
以下、図4及び図5を参照して、カートリッジケース121に対するインクカートリッジ10の装着動作について説明する。ここに、図5は、検知部140が発光素子113と受光素子114との間に挿入される過程を模式的に示す模式図である。
図4(A)に示されるように、カートリッジケース121に対してインクカートリッジ10が装着されていない状態(未装着状態)では、光センサ123及び光センサ124の各光路は遮蔽されていない。また、大気連通口81及びインク供給口91はシール部材(不図示)で閉塞されている。
インクカートリッジ10がカートリッジケース121に挿入されると、まず、ロッド137が大気連通口81に挿通される。これにより、大気連通口81が開放されて、インク室12と外部とが連通して、インク室12内の気圧が大気圧と同じ圧力になる。この状態からインクカートリッジ10がカートリッジケース121の奥部へ向けて更に挿入されると、インクニードル134がインク供給口91に挿通される。これにより、インク室12が、インクニードル134及び孔132を経てインクチューブ135と連通する。この状態で、インク室12のインクをインクチューブ135を通じて記録ヘッド(不図示)へ供給可能となる。
インクカートリッジ10がカートリッジケース121に挿入される過程において、インクカートリッジ10の上端が光センサ124によって検知される。つまり、インクカートリッジ10の上端が光センサ124の光路に配置されて、光路を通る光が遮蔽される。このときの光センサ124の出力波形に基づいて、カートリッジケース121におけるインクカートリッジ10の有無を検知することができる。
インクカートリッジ10の上端が光センサ124によって検知された後に、検知部140が光センサ123の光路115を横切るように挿入される。検知部140の挿入過程において、前壁141Aが光路115と交差する位置に配置されると(図5(A)参照)、発光素子113から出射された光は、検知部140の前壁141Aに照射される。このとき、上記光は前壁141Aによって大きく減衰されるため、上記光は受光素子114に殆ど届かない。次に、検知部140が更に挿入されて、空隙148が光路115と交差する位置に配置されると(図5(B)参照)、上記光は、側壁142を透過し空隙148を通って反対側の側壁142を透過する。この透過した光が受光素子114に到達する。その後、インジケータ部62と光路115とが交差する位置まで検知部140が挿入されると(図5(C)参照)、側壁142を透過した光はインジケータ部62によって遮蔽される。この場合、上記光は受光素子114に到達しない。なお、インクカートリッジ10がカートリッジケース121に装着された状態(装着状態)でインジケータ部62は、光路115と交差する位置に配置される。
以下、図6を参照して、インクカートリッジ10が装着される過程における光センサ123の出力信号の波形(信号レベルの変化)について説明する。ここに、図6は、光センサ123の信号レベルを示す時系列波形である。(A)はインクカートリッジ10Aの装着過程における時系列波形である。(B)は、インクカートリッジ10Bの装着過程における時系列波形である。
図6の(A)及び(B)に示されるように、カートリッジケース121にインクカートリッジ10A,10Bのいずれが装着された場合でも、時刻T0の時点で検知部140の前壁141が検知される。すなわち、時刻T0の時点で前壁141によって光が大きく減衰されて、信号レベルがHIGHからLOWに変化する。
カートリッジケース121にインクカートリッジ10Aが装着される場合は、上述したように、前壁141A、空隙148及びインジケータ部62それぞれが、その順番で光路115と交差する。前壁141Aが光路115と交差している間は、信号レベルはLOWを維持する。時刻T0から時間ΔT11(本発明の遮蔽時間に相当)が経過した後の時刻T2の時点で、空隙148と光路115とが交差する。このとき、光が空隙148を通り抜けて受光素子114に到達するため、信号レベルがLOWからHIGHに変化する。続いて、インクカートリッジ10Aが更に奥部側へ挿入されると、時刻T3の時点で、インジケータ部62が光路115に交差する。このとき、光はインジケータ部62によって遮蔽されるため、再び信号レベルがHIGHからLOWに変化する。なお、インジケータ部62が第2姿勢にある場合は、光は受光素子114に到達するため、信号レベルはHIGH(図6(A)の破線参照)を維持する。
一方、カートリッジケース121にインクカートリッジ10Bが装着される場合も、上述したように、前壁141B、空隙148及びインジケータ部62それぞれが、その順番で光路115と交差する。前壁141Bが光路115と交差している間は、信号レベルはLOWを維持する。上述したように、インクカートリッジ10Bの前壁141Bの厚みD12はインクカートリッジ10Aの前壁141Aの厚みD11よりも薄い。そのため、インクカートリッジ10Bを装着する場合は、時刻T0から時間ΔT11よりも短い時間ΔT12(本発明の遮蔽時間に相当)が経過した後の時刻T1の時点で、空隙148と光路115とが交差する。このとき、光が空隙148を通り抜けて受光素子114に到達するため、信号レベルがLOWからHIGHに変化する。続いて、インクカートリッジ10Bが更に奥部側へ挿入されると、時刻T3の時点で、インジケータ部62が光路115に交差する。このとき、光はインジケータ部62によって遮蔽されるため、再び信号レベルがHIGHからLOWに変化する。なお、インジケータ部62が第2姿勢にある場合は、光は受光素子114に到達するため、信号レベルはHIGH(図6(B)の破線参照)を維持する。
[判定装置200]
次に、図7を参照して、判定装置200について説明する。この判定装置200は、インクカートリッジ10Aとインクカートリッジ10Bとを識別可能に構成されている。ここに、図7は、判定装置200の概略構成を示すブロック図である。
図7に示されるように、判定装置200は、主制御部250と、上述した光センサ123とを備える。以下、主制御部250について説明する。なお、光センサ123の構成については上述の説明を参照されたい。
主制御部250は、判定装置200の全体動作を制御するものである。主制御部250は、図7に示されるように、CPU251、ROM252、RAM253、EEPROM254、及びASIC255を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。主制御部250内では、各部それぞれがバス257を介して通信可能に接続されている。なお、主制御部250によって、本発明の判定手段が具現化される。
ROM252には、CPU251が複合機10の各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM253は、CPU251が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。EEPROM254には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC255に、光センサ123が接続されている。詳細には、光センサ123の発光素子113及び受光素子114がASIC255に接続されている。発光素子113は、ASIC255から受けた駆動信号に基づいて光を出射する。受光素子114は、受光した光の輝度(受光量)に応じた信号をASIC255に出力する。ASIC255は、入力した信号を解析して、その信吾の電気的レベル(電圧値又は電流値)が所定の閾値以上であるかどうかを判断する。所定の閾値以上である場合に、当該信号レベルをHIGHと判定し、所定の閾値未満の場合に当該信号レベルをLOWと判定する。
本実施形態では、光センサ123の受光素子114から出力された信号に基づいて、カートリッジケース121に装着されるインクカートリッジ10の種類が主制御部250によって判定される。以下、図8のフローチャートを参照しながら、カートリッジケース121に装着されるインクカートリッジ10が、インクカートリッジ10Aであるかインクカートリッジ10Bであるかを判定する種類判定処理の手順について説明する。ここに、図8は、主制御部250によって行われる種類判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、前壁141が検知されたかどうかが判断される。かかる判断は、光センサ123の信号レベルに基づいて行われる。具体的には、光センサ123の光路に前壁141が進入したときに、光センサ123の信号レベルがHIGHからLOWに変化したかどうかによって判断される(図6の時刻T0参照)。ここで、前壁141が検知されたと判断されると(S1のYes)、次のステップS2において、その検知タイミング(検知時刻)がRAM253に記憶される。なお、ステップS1の判断処理は、前壁141が検知されるまで行われる。
次のステップS3では、空隙148が検知されたかどうかが判断される。具体的には、光センサ123の信号レベルがLOWからHIGHに変化したかどうかによって判断される(図6の時刻T1、T2参照)。ここで、空隙148が検知されたと判断されると(S3のYes)、次のステップS4において、その検知タイミング(検知時刻)がRAM253に記憶される。なお、ステップS3の判断処理は、空隙148が検知されるまで行われる。
次のステップS5では、主制御部250によって、RAM253に記憶された2つの検知タイミングから、その時間差ΔTが算出される。その後、ステップS6において、算出された時間差ΔTと予め定められた基準値とが比較され、上記時間差ΔTが上記基準値以上であるかどうかが判定される。上記基準値としては、例えば、インクカートリッジ10Aがカートリッジケース121に挿入された場合の上記時間差ΔT11(図6(A)参照)の統計や、インクカートリッジ10Bがカートリッジケース121に挿入された場合の上記時間差ΔT12(図6(B)参照)の統計を予め取得しておき、その統計データに基づいて、インクカートリッジ10Aかインクカートリッジ10Bかの判定が可能な閾値を定めることにより得られる。このように得られた基準値は、RAM253に予め記憶されている。なお、ステップS6の判定は、時間差ΔTと上記基準値とを比較する方法に限られず、例えば、時間差ΔTが所定の基準範囲内であるかどうかによって判定する方法を採用することも可能である。
本実施形態では、ステップS6において、時間差ΔTが上記基準値未満であると判定されると(S6のNo)、インクカートリッジ10Bを示すビットフラグがCPU251のレジスタやRAM253等にセットされる(S8)。一方、ステップS6において、時間差ΔTが上記基準値以上であると判定されると(S6のYes)、インクカートリッジ10Aを示すビットフラグがCPU251のレジスタやRAM253等にセットされる(S7)。
なお、CPU251のレジスタやRAM253等にセットされたフラグは、CPU251によって、インクカートリッジ10の状態を示す情報として判定装置200に接続された表示部などに出力してもよい。
このように、本実施形態の判定装置200によれば、インクカートリッジ10が装着される過程において、光センサ123の信号レベルに基づいてインクカートリッジ10の種類が確実に且つ正確に判定される。また、インクカートリッジ10の前壁141の厚みをインクカートリッジ10の種類毎に異ならせるという極めて簡易な構成でインクカートリッジ10の種類を判定可能である。
なお、上述の実施形態では、インクカートリッジ10Aとインクカートリッジ10Bの2種類を判定する処理例を例示したが、本発明を用いれば、例えば、3種類以上のインクカートリッジ10から特定種のインクカートリッジを判定することも可能である。また、顔料が構成された黒色のインクカートリッジ、及び染料で構成された黒色のインクカートリッジの双方を備える記録装置においては、異なる成分の黒色インクの混色や誤装着などを防止するために、前者のインクカートリッジと後者のインクカートリッジとを判別するべく、本発明の判定処理を適用してもよい。
以下、図9から図12を参照して、本発明の変形例について説明する。ここに、図9は本発明の変形例1に係るインクカートリッジ41の模式断面図である。図10は、本発明の変形例2に係るインクカートリッジ42の側面図である。図11は、本発明の変形例3に係るインクカートリッジ43の側面図である。図12は、本発明の変形例4に係るインクカートリッジ44の側面図である。なお、図9から図12において、上述のインクカートリッジ10と共通する構成についてはインクカートリッジ10の各構成と同じ番号の符号を付している。
[変形例1]
図9に示されるように、変形例1のインクカートリッジ41は、背面102に検知部140が設けられていない。したがって、アーム60は、インジケータ部62を含む全体がインク室12に収められている。インク室12には、インジケータ部62の下方への移動を規制するリブ72が設けられている。そのため、アーム60が矢印67の方向へ回動してもインジケータ部62がリブ72に当接して、その状態が維持される。インジケータ部62がリブ72に当接した状態で、背面102とインジケータ部62との間に空隙148が形成される。このようなインクカートリッジ41においては、インクカートリッジ41の種類毎に背面102の厚みが異なる。このように厚みの異なる背面102が光センサ123の光路115へ挿入されると、上述の判定装置200によってインクカートリッジ41の種類を判定することが可能となる。なお、変形例1においては、インクカートリッジの種類毎に厚みが異なる背面102が、本発明の第1遮光部に相当する。また、透明部材で形成された検知部140が本発明の光透過部に相当する。
[変形例2]
図10に示されるように、変形例2のインクカートリッジ42では、検知部140の側壁142に光を遮蔽する遮蔽部材73(本発明の第1遮光部の一例)が設けられている。この遮蔽部材73は本体20とは別部材として構成されている。遮蔽部材73の一例としては、光を透過させないシート状の部材などが考えられる。遮蔽部材73は、両方の側壁142に設けられている。遮蔽部材73は、側壁142において前壁141側に配置されている。この変形例2では、上述の実施形態とは異なり、インクカートリッジ42の種類に関係なく検知部140の前壁141の厚みは同じである。一方、インクカートリッジ42の種類毎に遮蔽部材73の幅サイズが異なる。このようなインクカートリッジ42であっても、上述の判定装置200によってインクカートリッジ42の種類を判定することが可能となる。なお、変形例2においては、透明部材で形成された検知部140が本発明の光透過部に相当する。
[変形例3]
図11に示されるように、変形例3のインクカートリッジ43は、インクカートリッジ43の側面105,106に光を遮蔽する遮蔽部材74(本発明の第1遮光部の一例)が設けられている。遮蔽部材74は、検知部140の下方に配置されている。遮蔽部材74側面105,106において背面102側に配置されている。この変形例3では、上述の変形例2と同様に、インクカートリッジ43の種類に関係なく検知部140の前壁141の厚みは同じである。インクカートリッジ43の種類毎に遮蔽部材74の幅サイズが異なる。一方、カートリッジケース121の奥面には、光センサ123の下方に、該光センサ123と概ね同じ構成の光センサ75が設けられている。インクカートリッジ43がカートリッジケース121に挿入されると、光センサ75の光路に遮蔽部材74が挿入される。このようなインクカートリッジ43であっても、上述の判定装置200によってインクカートリッジ43の種類を判定することが可能となる。なお、変形例3においては、透明部材で形成された検知部140が本発明の光透過部に相当する。
[変形例4]
図12に示されるように、変形例4のインクカートリッジ44は、背面102に対して2つのコイルバネ76(本発明の支持部材の一例)を介して接離可能なプレート77(本発明の第1遮光部、平板部材の一例)が設けられている。このインクカートリッジ44は、背面102において、検知部140の上側と検知部140の下側にコイルバネ76が設けられている。このプレート77は、コイルバネ76によって、検知部140の前壁141から所定間隔を隔てた位置で支持されている。つまり、プレート77と前壁141には空隙78(本発明の光透過部の一例)が形成されている。
インクカートリッジ44がカートリッジケース121(図4参照)に挿入されると、プレート77が光センサ123の光路115へ挿入される。この変形例4では、上述の実施形態とは異なり、インクカートリッジ44の種類に関係なく検知部140の前壁141の厚みは同じである。一方、インクカートリッジ44の種類毎にプレート77の厚みが異なる。このようなインクカートリッジ44であっても、上述の判定装置200によってインクカートリッジ44の種類を判定することが可能となる。
なお、インクカートリッジ44のプレート77が光センサ123の光路115へ挿入された後に、更にインクカートリッジ44が挿入方向50へ押し込まれると、コイルバネ76の付勢力に抗してが本体20が挿入方向50へ押し込まれる。その際に、検知部140が光センサ123の光路115へ挿入される。したがって、このようなインクカートリッジ44であっても、光センサ123の出力信号に基づいてインクカートリッジ44内のインク量を検知することが可能である。
(1) カートリッジ装着部に装着可能なインクカートリッジであって、
上記カートリッジ装着部に予め定められた光路を横切る第1方向に挿入されて上記光路を遮る第1遮光部と、
上記第1遮光部より上記第1方向の後方側に設けられた第2遮光部と、
上記第1遮光部と上記第2遮光部との間に設けられ、上記光路を横切る第1方向に挿入されて上記光路を通る光を透過させる光透過部とを具備するインクカートリッジ。
(2) 上記(1)に記載のインクカートリッジにおいて、上記第1遮光部は、上記インクカートリッジの種類に応じた形態を有する。
(3) 上記(2)に記載のインクカートリッジにおいて、上記第1遮光部は、上記第1方向の幅が当該インクカートリッジの種類に応じたサイズに形成されている。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかに記載のインクカートリッジにおいて、上記第1遮光部は、インクカートリッジの本体の壁面から上記第1方向の前方側に隔てられた平板部材からなり、上記光透過部は、上記第1遮光部と上記壁面との間に形成された間隙である。
(5) 上記(4)に記載のインクカートリッジにおいて、上記第1遮光部と上記壁面との間に介設され、上記本体に対して上記第1遮光部を弾性的に支持する支持部材を更に備える。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかに記載のインクカートリッジにおいて、上記光透過部は、上記カートリッジ装着部に当該インクカートリッジが装着された状態で上記光路と交差する位置に配置される。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかに記載のインクカートリッジにおいて、上記第2遮光部は、上記本体の内部に収容されたインクの液量に応じて、上記光透過部の内側で上記光路を遮る第1位置と上記光路から退避する第2位置との間で移動する。
(8) 上記(7)に記載のインクカートリッジにおいて、上記本体の内部に設けられ、インク量に応じて揺動可能に支持されたアーム部材を更に備え、上記第2遮光部は、上記アーム部材の一端に設けられ、上記アーム部材の揺動動作に応じて上記第1位置と上記第2位置との間で移動する。
図1は、インクカートリッジ10の外観構成を模式的に示す斜視図である。 図2は、インクカートリッジ10の構成を示す模式図であり、(A)にインクカートリッジ10の背面図が示されており、(B)にインクカートリッジ10の縦断面図が示されている。 図3は、図2における切断線III−IIIの断面図である。 図4は、インク供給装置120の縦断面構造を模式的に示す断面図である。 図5は、検知部140が発光素子113と受光素子114との間に挿入される過程を模式的に示す模式図である。 図6は、光センサ123の信号レベルを示す時系列波形である。 図7は、判定装置200の概略構成を示すブロック図である。 図8は、主制御部250によって行われる種類判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図9は本発明の変形例1に係るインクカートリッジ41の模式断面図である。 図10は、本発明の変形例2に係るインクカートリッジ42の側面図である。 図11は、本発明の変形例3に係るインクカートリッジ43の側面図である。 図12は、本発明の変形例4に係るインクカートリッジ44の側面図である。
符号の説明
10・・・インクカートリッジ
12・・・インク室
60・・・アーム
62・・・インジケータ部
63・・・フロート部
73・・・遮蔽部材
74・・・遮蔽部材
75・・・光センサ
76・・・コイルバネ
77・・・プレート
78・・・空隙
81・・・大気連通口
91・・・インク供給口
120・・・インク供給装置
121・・・カートリッジケース
123・・・光センサ
124・・・光センサ
113・・・発光素子
114・・・受光素子
115・・・光路
140・・・検知部
141・・・前壁
147・・・空間
148・・・空隙
200・・・判定装置
250・・・主制御部
251・・・CPU
253・・・RAM
254・・・EEPROM

Claims (12)

  1. インクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
    上記カートリッジ装着部に設けられ、発光素子及び受光素子を有する光学センサと、
    上記インクカートリッジに設けられ、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記発光素子から上記受光素子に至る光路に配置される第1遮光部と、
    上記インクカートリッジに設けられ、上記第1遮光部よりも上記第1方向の後方側に設けられた第2遮光部と、
    上記第1遮光部と上記第2遮光部との間に設けられ、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記光路に配置される光透過部と、
    上記カートリッジ装着部に対する装着過程における上記受光素子の受光結果に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定する判定手段とを具備するインクカートリッジ判定装置。
  2. 上記第1遮光部は、上記インクカートリッジの種類に応じた形態を有する請求項1に記載のインクカートリッジ判定装置。
  3. 上記第1遮光部は、上記第1方向の幅が上記インクカートリッジの種類に応じたサイズに形成されている請求項2に記載のインクカートリッジ判定装置。
  4. 上記判定手段は、上記光路を通る光が上記第1遮光部によって遮られた遮蔽時間に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定する請求項1から3のいずれかに記載のインクカートリッジ判定装置。
  5. 上記判定手段は、上記インクカートリッジの種類としてインクの初期容量の区別を判定する請求項1から4のいずれかに記載のインクカートリッジ判定装置。
  6. 上記第1遮光部は、上記インクカートリッジの壁面から上記第1方向の前方側に隔てられた平板部材からなり、
    上記光透過部は、上記第1遮光部と上記壁面との間に形成された間隙である請求項1から5のいずれかに記載のインクカートリッジ判定装置。
  7. 上記第1遮光部と上記壁面との間に介設され、上記本体に対して上記第1遮光部を弾性的に支持する支持部材を更に備える請求項6に記載のインクカートリッジ判定装置。
  8. 上記第2遮光部は、上記インクカートリッジの内部に収容されたインクの液量に応じて、上記光路を遮る第1位置と上記光路から退避する第2位置との間で移動する請求項1から7のいずれかに記載のインクカートリッジ判定装置。
  9. 上記本体の内部に設けられ、インク量に応じて揺動可能に支持されたアーム部材を更に備え、
    上記第2遮光部は、上記アーム部材の一端に設けられ、上記アーム部材の揺動動作に応じて上記第1位置と上記第2位置との間で移動する請求項8に記載のインクカートリッジ判定装置。
  10. 上記第2遮光部は、上記カートリッジ装着部に上記インクカートリッジが装着された状態で上記光路と交差する位置に配置される請求項8又は9に記載のインクカートリッジ判定装置。
  11. カートリッジ装着部に装着されるインクカートリッジの種類を判定するインクカートリッジ判定方法であって、
    上記カートリッジ装着部は、
    発光素子及び受光素子を有する光学センサを備え、
    上記インクカートリッジは、
    上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記発光素子から上記受光素子に至る光路に配置される第1遮光部と、
    上記インクカートリッジに設けられ、上記第1遮光部よりも上記第1方向の後方側に設けられた第2遮光部と、
    上記第1遮光部と上記第2遮光部との間に設けられ、上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記光路に配置される光透過部とを備え、
    上記カートリッジ装着部に対する装着過程における上記受光素子の受光結果に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定するインクカートリッジ判定方法。
  12. 上記カートリッジ装着部に対する装着過程において上記第1遮光部によって上記光路を通る光が遮られた遮蔽時間を計時する第1ステップと、
    上記第1ステップで計時された遮蔽時間に基づいて上記インクカートリッジの種類を判定する第2ステップとを備える請求項11に記載のインクカートリッジ判定方法。
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