JP2014141017A - 液体消費装置、および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光センサーを用いた液体消費装置において、外乱光が入射されたとしても液体容器内の液体の残存状態を精度良く判定可能な技術を提供する。
【解決手段】液体消費装置は、液体容器とプリズムと発光部と受光部と制御部と、を備える。制御部は、液体の残存状態の判定に先立ち、センサーを消灯してキャリッジを動作させて外乱光を測定し、外乱光が入射された場合は受光部の感度を低下させる。受光感度を低下させた後に、発光部による光の照射に伴ってプリズムの外面によって反射された反射光を受光部に受光させ、受光した反射光の光量に基づいて、発光部による光の照射量を調整する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体消費装置、および方法に関する。
液体消費装置の一例であるインクジェット方式の印刷装置には、一般的に、取り外し可能な液体容器であるインクカートリッジが装着される。インクカートリッジには、内部のインクの残存状態を光学的に検出するために、プリズムが備えられているものがある。
プリズムを用いてインクの残存状態を検出する技術に関し、例えば、特許文献1に記載された印刷装置は、インクカートリッジのプリズムから反射する光の光量を用いて、受光部として構成されたフォトトランジスターの出力をキャリブレーションしている。具体的には、発光部として構成されたLEDからインクカートリッジのプリズム部に光を照射し、インクカートリッジのプリズム部によって反射された反射光をフォトトランジスターで受光し、フォトトランジスターの出力が一定の範囲内に収まるように、LEDの発光量をPWM制御することでキャリブレーションを行っている。また、フォトトランジスターの出力が一定の範囲内に収まった電圧値から検出閾値を決めて、液体の残存検出を実施している。
しかしながら、特許文献1のインクジェット式の印刷装置では、液体の残存状態を確認する受光部に外乱光が入射すると、液体の残存状態を正しく検出できなくなるおそれがある。
特願2012−037268号(本願出願人の未公開特許出願)
上述した問題を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、液体消費装置において、外乱光が入射しても液体消費装置に装着される液体容器内の液体の残存状態を精度良く判定可能な技術を提供することである。
[適用例1]
本適用例に係る液体消費装置は、液体消費装置であって、前記液体消費装置に交換可能に装着され、内部に収容された液体を前記液体消費装置に供給するための液体容器と、前記液体容器に設けられ、前記液体容器の外部から光を入射し、前記液体容器内の液体の残存状態に応じて、前記入射した光を再度外部に射出可能なプリズムと、前記プリズムに対して光を照射する発光部と、前記プリズムから射出された光を受光可能な受光部と、前記発光部に光を照射させ、前記受光部によって受光した光の光量に基づいて前記液体の残存状態を判定する制御部と、を備え、前記制御部は、前記液体の残存状態の判定に先立ち、前記受光部に入射した外乱光を測定し、前記測定した外乱光に応じて前記受光部の受光感度を調整することを特徴とする液体消費装置。
このような構成であれば、液体消費装置の外部から不用な外乱光が受光部へ入射したとしても、外乱光に応じた適切な受光感度を設定することができる。そのため、外乱光が照射されても液体の残存状態を検出できないという問題は生じない。よって、液体の残存状態を精度良く検出することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の液体消費装置であって、前記制御部は、前記発光部を消灯させた状態で前記受光部によって受光した光の光量に基づいて前記受光部の受光感度を調整する、液体消費装置。
このような構成であれば、発光部を消灯した状態で外乱光を測定するため、外乱光の光量を正確に測定することができる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の液体消費装置であって、前記液体容器が装着されるキャリッジをさらに備え、前記制御部は、前記キャリッジを主走査方向に移動させて、前記液体の残存状態を判定するときの前記キャリッジの移動範囲で前記外乱光の光量を測定する、液体消費装置。
このような構成であれば、キャリッジを移動させて液体の残存状態を判定する動作と同じ状態で外乱光の光量を測定するため、液体消費装置の動作時に入射する外乱光を正確に検出することができる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれか一項の記載の液体消費装置であって、前記受光部は、フォトトランジスターと、前記フォトトランジスターのコレクタ側に、抵抗と抵抗値を切り替え可能なトランジスターとを複数備えた、液体消費装置。
このような構成であれば、受光部の検出抵抗が切り替え可能な構成であるため、外乱光の受光量に応じた抵抗値を選択することができる。これにより、適切な受光感度の設定をすることができる。
[適用例5]
適用例1から4のいずれか一項の記載の液体消費装置であって、前記外乱光に応じて前記受光部の受光感度を調整した後に、前記プリズムから受光した反射光の光量に基づいて、前記発光部から照射する光の光量を調整する、液体消費装置。
このような構成であれば、外乱光に応じて受光感度を調整すると、受光感度を低下させてしまうため、受光感度を調整した後に、プリズムから受光した反射光の光量に基づいて、発光部からの発光量を調整する。このため受光感度を低下させたとしても、発光量を増加させてS/N比を満足させることができる。
[適用例6]
適用例5に記載の液体消費装置であって、前記発光部から照射する光の光量を調整した後に、前記プリズムから受光した反射光の光量に基づいて、前記液体の残量判定のための閾値を求める、液体消費装置。
このような構成であれば、受光感度調整と発光量調整が終了した調整値で、プリズムからの反射量によって、液体残量閾値を求めることにより、正確な液体残量検出を可能とする。
本発明は、上述した液体消費装置としての構成のほか、液体消費装置が液体の残存状態を判定するための方法や、その方法を実現するためのコンピュータープログラムとしても実現することができる。コンピュータープログラムは、コンピューターが読取可能な記録媒体に記録されていてもよい。
本発明の一実施例としての印刷装置の要部を示す斜視図である。 印刷装置の概略構成図である。 検出部の電気的構成を示す説明図である。 インクカートリッジの斜視図である。 記憶装置に記録される情報を示す説明図である。 インクカートリッジがキャリッジに装着された様子を示す図である。 検出部からの出力電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。 インクニアエンド検出処理のフローチャートである。 受光量決定処理の詳細なフローチャートである。 発光部を消灯した場合の説明図である。 発光量決定処理の詳細なフローチャートである。 閾値決定処理の詳細なフローチャートである。
A.装置構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷装置10の要部を示す斜視図である。図2は、印刷装置10の概略構成図である。図1には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸を付している。本実施例において、印刷装置10の使用姿勢では、Z軸方向が鉛直方向であり、印刷装置のX方向の面が正面である。印刷装置10の主走査方向はY軸方向であり、副走査方向はX軸方向である。
液体消費装置としての印刷装置10は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のインクが一色ずつ収容された液体容器としての複数のインクカートリッジ100と、インクカートリッジ100が装着されるキャリッジ20と、キャリッジ20を主走査方向HDに駆動するキャリッジモーター33と、キャリッジ20の主走査方向HDと平行して配置されインクの残存状態を検出するための検出部90と、印刷媒体PAを副走査方向VDに搬送する紙送りモーター30と、キャリッジ20に搭載されインクカートリッジ100から供給されたインクを吐出する印刷ヘッド35と、所定のインターフェイス72を介して接続されたコンピューター60等から受信した印刷データに基づいて、キャリッジモーター33や紙送りモーター30、印刷ヘッド35を制御して印刷を行わせる制御ユニット40と、を備えている。制御ユニット40には、印刷装置10の動作状態等が表示される表示パネル70が接続されている。また、制御ユニット40には、キャリッジ20がケーブルFFC1を介して接続され、検出部90がケーブルFFC2を介して接続されている。
図3は、検出部90の電気的構成を示す説明図である。検出部90は、反射型のフォトインタラプターとして構成されており、発光部92および受光部94を備える。検出部90は、発光部92としてLEDを備え、受光部94としてフォトトランジスターを備える。フォトトランジスターのエミッタ端子は接地され、コレクタ端子は抵抗器R1,R2とトランジスターT1,T2を介して電源電位Vccに接続されている。トランジスターT1,T2は、受光量決定部43によりそのオン/オフを制御される。受光量決定部43は、外乱光に応じてGateを制御し、受光部94の受光感度を低下させている。残量判定部42には検出電圧が出力電圧Vcとして入力される。出力電圧Vcは、抵抗器R1,R2とコレクタ間のノードの電圧である。発光部92が照射する光の発光量は、発光部92に印加されるPWM(Pulse Width Modulation)信号のデューティ比(オン時間とオフ時間の割合)が制御ユニット40によって調整されることにより設定される。発光部92から照射された光が、後述するインクカートリッジ100内のプリズムで反射して受光部94に受光されると、その受光量に応じた出力電圧Vcが、後述する残量判定部42に入力される。本実施例では、受光部94が受光する光量が多いほど、検出部90から出力される出力電圧Vcは低くなる。
図1および図2に示すように、検出部90の備える発光部92および受光部94は、キャリッジ20が移動する主走査方向HD(Y軸方向)と平行して、並んで配置されている。また、発光部92および受光部94は、キャリッジ20が、キャリッジモーター33により移動させられ検出部90上に位置したときに、キャリッジ20の備える開口部21(図2)を介してインクカートリッジ100内のプリズム170(図2)と対向するように配置されている。開口部21およびプリズム170については後述する。
制御ユニット40(図2)は、CPU、ROM、RAMを備えている。CPUは、ROMに予め記憶された制御プログラムをRAMに展開して実行することで、残量判定部42、受光量決定部43、発光量決定部44、閾値決定部46、残量推定部48として機能する。また、制御ユニット40は、紙送りモーター30やキャリッジモーター33、印刷ヘッド35を制御することにより、印刷媒体PAに対する印刷を制御する。
残量判定部42は、インクカートリッジ100内のインクの残存状態を判定する。残量判定部42は、検出部90から、インクカートリッジ100が検出部90に対して所定の位置にあるときの出力電圧VcをケーブルFFC2を通じて取得し、その出力電圧Vcと所定の閾値とに基づき、インクカートリッジ100内のインクが所定量以下となったかを判定する。インクが所定量以下になったことを、以降では「インクニアエンド」ともいう。
受光量決定部43は、受光部94の受光量を決定(調整)する。制御ユニット40は、受光量決定部43によって決定された受光量に基づき、トランジスターT1,T2のGateを制御する。受光量決定部43が受光量を決定するための処理内容については後述する。
発光量決定部44は、発光部92によって照射する光の発光量を決定(調整)する。制御ユニット40は、この発光量決定部44によって決定された発光量に基づき、発光部92をPWM制御して調光を行う。発光量決定部44が発光量を決定するための処理内容については後述する。
閾値決定部46は、残量判定部42がインクニアエンドの判定に用いる閾値の決定を行う。閾値を決定するための処理内容については後述する。
残量推定部48は、各インクカートリッジ100内のインクの残量を推定する。インクの残量は、印刷ヘッド35から噴射されるインク滴の数を計数し、計数されたインク滴の数とインク滴当たりの質量とを積算することでインクの使用量を算出し、インクカートリッジ100内のインクの初期充填量から、算出されたインクの使用量を差し引くことで推定することができる。残量推定部48は、こうして推定されたインクの残量を、各インクカートリッジ100に備えられた記憶装置151(図4)に適宜記録する。残量推定部48は、例えば、印刷装置10の起動時に、各インクカートリッジ100の記憶装置151からインクの残量を取得して制御ユニット40内のRAMに記憶させ、電源が投入されている間には、印刷の実行や印刷ヘッド35のクリーニングに伴って、このRAM内の値を更新していく。そして、例えば、印刷装置10の電源オフ時や、インクカートリッジ100の交換時、あるいは、所定のインク量を消費する毎に、更新された推定残量をインクカートリッジ100の記憶装置151に書き戻す。
図4は、インクカートリッジ100の斜視図である。インクカートリッジ100は、インクを内部に収容する略直方体形状のインク収容部130と、回路基板150(以降、単に「基板」ともいう。)と、キャリッジ20にインクカートリッジ100を着脱するためのレバー120とを備えている。基板150は、インク収容部130の−X側の面の− Z側に設けられており、レバー120は、インク収容部130の−X側の面の+Z側に設けられている。インク収容部130の底部には、直角二等辺三角柱状のプリズム170が配置されている。プリズム170の底面は、インクカートリッジ100の−Z側の面をなす底面101から露出している。インクカートリッジ100の底面101には、インクカートリッジ100がキャリッジ20に装着されたときに、キャリッジ20に設けられたインク受給針が挿入されるインク供給口110が形成されている。使用前の状態では、インク供給口110はフィルムによって封止されている。キャリッジ20にインクカートリッジ100を上方から装着すると、インク受給針(図示せず)によってフィルムが破れ、インク供給口110を通じてインク収容部130から印刷ヘッド35にインクが供給される。
基板150の裏面には、インクカートリッジ100に関する情報を記録するための記憶装置151が実装されている。基板150の表面には、記憶装置151に電気的に接続された複数の端子152が配置されている。複数の端子152は、インクカートリッジ100がキャリッジ20に装着された場合に、キャリッジ20に設けられた複数の本体側端子(図示せず)と電気的に接触する。複数の本体側端子は、ケーブルFFC1によって、制御ユニット40に電気的に接続されている。そのため、インクカートリッジ100がキャリッジ20に装着されると、制御ユニット40は、記憶装置151に対して電気的に接続され、記憶装置151に対するデータの読み書きが可能になる。記憶装置151としては、例えば、EEPROM等の不揮発性メモリーを用いることができる。
図5は、記憶装置151に記録される情報を示す説明図である。図5に示すように、本実施例では、記憶装置151には、インクの推定残量と、基準反射量と、発光量と、ボトム値と、が書き換え可能に不揮発的に記録される。インクの推定残量は質量によって表され、基準反射量およびボトム値は、検出部90からの出力電圧値として表される。また、発光量は、発光部92に印加するPWM信号のデューティ比を示すデータによって表される。これらの値の詳細については後述する。
図6は、4つのインクカートリッジ100がキャリッジ20に装着された様子を示す図である。この図6は、インクカートリッジ100およびキャリッジ20のYZ断面を模式的に示している。インク収容部130内に設けられたプリズム170は、2つの傾斜面170a、傾斜面170bで頂角を形成した、直角二等辺三角柱状の透明部材である。プリズム170は、例えば、ポリプロピレンによって形成されている。プリズム170は、傾斜面170a、170bと接する流体(インクまたは空気)の屈折率によって、発光部92から入射する光の反射状態が異なる(詳細は後述)。
キャリッジ20の底面で、インクカートリッジ100がキャリッジ20に装着されたときにインクカートリッジ100のプリズム170と対向する部分には、インクカートリッジ100毎に開口部21が設けられている。開口部21は、キャリッジ20の往復動作によってプリズム170が検出部90の直上に位置したときに、検出部90の備える発光部92および受光部94と対向する場所に設けられている。キャリッジ20のそれぞれの開口部21の中央には、プリズム170の頂角をなす稜線と平行な方向に沿って遮光マスク50が設けられている。遮光マスク50は、キャリッジ20と一体成形されている。遮光マスク50は、プリズム170の材質と異なり光を吸収する材質であり、本実施例では黒色で着色したポリスチレンで構成されている。
キャリッジ20は、キャリッジモーター33によって駆動されることで、印刷装置10に固定された検出部90上を主走査方向HDに移動する。キャリッジ20が検出部90上を移動することで、キャリッジ20と検出部90との位置関係は、例えば、図6に示す位置P1、位置P2、位置P3、位置P4のように、相対的に変化する。
図6に示す位置P1では、検出部90は、インクがほぼ消費されたインクカートリッジIC1(すなわち、インクニアエンドから更にインクが消費された状態となったインクカートリッジ100)のプリズム170と対面している。具体的には、位置P1では、発光部92と受光部94の中心Lとプリズム170の頂角の位置とがほぼ一致している。インク収容部130内のインクがほぼ消費された場合には、プリズム170の傾斜面170a、170bは空気に接触する。そのため、発光部92からプリズム170に向けて照射された光201は、プリズム170の底面からプリズム170内に入射されると、プリズム170と空気との屈折率の違いにより、傾斜面170aおよび傾斜面170bにおいてそれぞれ全反射する。そうすると、発光部92から射出された光は、その進行方向が180度反転され、プリズム170の底面から外部に射出されて受光部94によって受光されることになる。本実施例では、発光部92からは、鉛直上向き(+Z方向)の光だけではなく、所定の広がりを有する光が照射される。しかし、位置P1では、発光部92から照射された光のうち、プリズム170に入射しない光は、遮光マスク50やキャリッジ20の底面によって遮光されるため、プリズム170内を通って射出された光以外の光は受光部94にはほとんど入射されない。
図6に示す位置P2では、位置P1と同様に、発光部92と受光部94の中心Lとプリズム170の頂角の位置とがほぼ一致している。しかし、位置P2では、検出部90は、インクが、プリズム170の検出部90の発光部92から射出された光を受ける面よりも高い位置まで残存しているインクカートリッジ100のプリズム170と対面している。このように、プリズム170の傾斜面170bの発光部92からの光が入射される面がインクIKと接触する程度にインクIKがインク収容部130内に存在する場合には、プリズム170とインクIKとの屈折率が同程度であるため、発光部92からプリズム170に向けて照射された光201の大部分は、傾斜面170bを透過して、インクIK内で吸収されることになる。また、発光部92から照射された光のうち、プリズム170に入射しない光211は、遮光マスク50やキャリッジ20の底面によって遮光される。そのため、位置P2では、受光部94には、発光部92から射出された光はほとんど入射されないことになる。
図6に示す位置P3では、発光部92と受光部94の中心Lが、開口部21に対向している。このような位置関係では、インクの有無に拘わらず、発光部92から照射された光の一部が、プリズム170の検出部90に対向する外面(底面)で反射され、受光部94で受光されることになる。そのため、例えば、検出部90とキャリッジ20の取り付け位置や、キャリッジ20に設けられた開口部21の位置、プリズム170が設けられた位置の個体差等によって検出タイミングがずれることにより、プリズム170の底面によって直接的に反射される光の量が多くなると、インクが十分に残存している場合であっても、インクニアエンドと判断されてしまうおそれがある。
図6に示す位置P4では、発光部92と受光部94の中心Lが、キャリッジ20の一部に設けられた反射板81に対向している。反射板81は、入射光を全反射可能なミラーで形成されている。反射板81が検出部90の真上に位置するとき、発光部92から照射された光の一部が反射板81に入射すると、その光は、反射板81によって反射され、受光部94に入射する。本実施例では、制御ユニット40は、この反射板81を用いることで、基準となる発光量(例えば、デューティ比50%の発光量や最大発光量)に対する反射光の光量を、基準反射量として測定する。この基準反射量がどのように用いられるかについては後述する。
図7は、検出部90からの出力電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。このグラフは、すべてのインクカートリッジ100がインクで満たされた状態で、発光部92を発光させながらキャリッジ20を図6に示した位置P4から+Y方向に移動させつつ検出部90からの出力電圧を測定することで得られた。このグラフの横軸は、キャリッジ20の+Y方向への移動量を示し、縦軸は、検出部90の出力電圧を示している。図3を用いて説明したように、本実施例では、受光部94が受光する光の量が多いほど、検出部90の出力電圧は低くなる。図7に示されているように、キャリッジ20の移動量がゼロのときには、検出部90は、反射板81に対向しているため、受光部94が受光する光の量は反射がないときよりも大きくなり、検出部90の出力電圧はゼロに近くなる。
キャリッジ20が、位置P4から+Y方向へ移動していくと、一旦、出力電圧が上昇した後に、出力電圧が低下する。これは、インクカートリッジIC1の下方の開口部21に対して光が照射されることにより、プリズム170の底面からの反射光が受光部94によって受光されるためである。その後、キャリッジ20が移動されることにより、遮光マスク50によって光が遮られると、検出部90の出力電圧は上昇する。そして、再び、開口部21に光が照射されると、プリズム170の底面からの反射光が再び受光部94に受光され、出力電圧が低下する。本実施例では、開口部21の中央に遮光マスク50が設けられているため、1つのプリズム170が検出部90の上方を通過するたびに、出力電圧が有意に低下するボトム(図中の丸印)が2箇所出現する。そのため、キャリッジ20を+Y方向に移動させていくと、インクカートリッジ100毎に、それぞれ、出力電圧が低下するボトムが2箇所ずつ測定されることになる。なお、インクカートリッジ100内のインクがインクニアエンドの状態より少なくなると、検出部90の中心Lとプリズム170の頂角が一致しているときに、発光部92からプリズム170に入射した光は、プリズム170内を反射し反射光が受光部94によって受光されるため、グラフ中の破線で示すように、2つのボトム間の出力電圧が、大きく低下することになる。
これに対して、印刷装置10の外部から外乱光が入射した場合をグラフ中の鎖線で示す。グラフ中の鎖線で示すように、キャリッジ20に対してインクカートリッジIC4側の方向から外乱光が照射された場合、インクカートリッジIC4のプリズム170の底面からの反射光が外乱光の影響を受けて、インクカートリッジIC4の出力電圧は大きく低下することになる。この結果、外乱光を受けた場合は、インクが有るにも関わらず、インク無しの扱いになってしまうおそれがある。このため、外乱光量に応じて受光量を決定する受光量決定処理が必用となる。
B.インクニアエンド検出処理:
図8は、制御ユニット40が実行するインクニアエンド検出処理のフローチャートである。このインクニアエンド検出処理は、例えば、印刷装置10の起動時や、インクカートリッジ100の交換時、残量推定部48で判定したインクの残量が所定量以下となったときなど、様々なタイミングで実行される。インクニアエンド検出処理が開始されると、まず、制御ユニット40は、受光量決定部43によって、受光量決定処理を実行する(ステップS2)。この受光量決定処理では、発光部92を消灯した状態で、受光部94の光量に基づいて、トランジスターT1,T2のGATE電圧が決定される。受光量決定処理の詳細については後述する。
次に、制御ユニット40は、以降の処理で用いられる各パラメーターを取得する(ステップS5)。具体的には、前回のインクニアエンド検出処理によって決定された発光量PD1と、ボトム値V1と、基準反射量Vref1とを各インクカートリッジ100の記憶装置151から取得し、各インクカートリッジ100のインクの推定残量をRAMから取得する。インクの推定残量は、印刷装置10の電源オン時に残量推定部48により各インクカートリッジ100の記憶装置151から制御ユニット40のRAMに読み出されて逐次更新されているため、制御ユニット40は、インクの推定残量を自身のRAMから取得することができる。これらのパラメーターが取得されると、発光量決定部44によって、発光量決定処理が実行される(ステップS10)。この発光量決定処理では、各インクカートリッジ100のプリズム170の底面で反射された光の光量に基づいて、発光部92の新たな発光量PD2と、その発光量PD2に対応するボトム値V2とが決定される。発光量決定処理の詳細については後述する。
発光量決定処理により、発光量PD2およびボトム値V2が決定されると、続いて、閾値決定部46によって、閾値決定処理が実行される(ステップS20)。この閾値決定処理では、新たな基準反射量Vref2が測定されると共に、各インクカートリッジ100のプリズム170の底面で反射された光の光量に基づいて、インクニアエンドを判定するために用いる閾値がインクカートリッジ100毎に決定される。閾値決定処理の詳細については後述する。
発光量決定処理および閾値決定処理が実行されると、制御ユニット40は、これらの処理で決定された新たな各パラメーター、すなわち、新たな発光量PD2と、新たなボトム値V2と、新たな基準反射量Vref2とを各インクカートリッジ100の記憶装置151に書き戻す(ステップS25)。具体的には、制御ユニット40は、新たな発光量PD2と新たな基準反射量Vref2とを、各記憶装置151に共通して書き込み、新たなボトム値V2は、それぞれ、対応するインクカートリッジ100の記憶装置151に書き込む。
各パラメーターが記憶装置151に書き戻されると、残量判定部42は、ステップS10の発光量決定処理によって決定された発光量に基づいて発光部92を発光させるとともに、検出部90上を通過するようにキャリッジ20を移動させることで、各インクカートリッジ100が備えるプリズム170からの反射光の光量に対応する出力電圧を検出部90によって測定させ、測定結果を取得する(ステップS30)。反射光の測定結果は、例えば、図7に示したような電圧波形となる。
反射光の測定結果を取得すると、残量判定部42は、インクニアエンドの判定を行うインクカートリッジ100(以下、「判定対象カートリッジ」という)を決定する(ステップS40)。例えば、残量判定部42は、図6に示したインクカートリッジIC1〜 IC4の順に、判定対象カートリッジを決定する。判定対象カートリッジを決定すると、残量判定部42は、ステップS30で取得された測定結果のうち、判定対象カートリッジが備えるプリズム170からの反射光の測定結果に対応する検出部90の出力電圧と、ステップS20の閾値決定処理においてインクカートリッジ100毎に決定された閾値のうちの判定対象カートリッジに対応する閾値とを比較する(ステップS50)。
この比較の結果、判定対象カートリッジが備えるプリズム170からの反射光の測定結果に対応する検出部90からの出力電圧が、判定対象カートリッジに対応する閾値よりも低い場合には、残量判定部42は、その判定対象カートリッジは「インクニアエンド」であると判定する(ステップS60)。一方、検出部90からの出力電圧が、判定対象カートリッジに対応する閾値よりも高い場合には、残量判定部42は、その判定対象カートリッジは「インク有り」と判定する(ステップS70)。
こうして、判定対象カートリッジについて、インクニアエンドか否かの判定が終了すると、残量判定部42は、全てのインクカートリッジ100について、インクニアエンドの判定を行ったか否かを判断する(ステップS80)。この結果、判定対象とされた全てのインクカートリッジ100について、インクニアエンドか否かの判定が終了していれば、残量判定部42は、印刷装置10に備えられた表示パネル70や印刷装置10に接続されたコンピューター60に、各インクカートリッジ100の残存状態(インクニアエンドか否か)を表示する(ステップS90)。これに対して、判定対象とされた全てのインクカートリッジ100について、インクニアエンドか否かの判定が終了していなければ、処理をステップS40に戻して、他のインクカートリッジ100について、インクニアエンドか否かの判定を行う。
なお、上述したインクニアエンド検出処理によれば、インクニアエンド検出処理が実行されるたびに、受光量決定処理と発光量決定処理と閾値決定処理とが実行されることになる。しかし、受光量決定処理および発光量決定処理および閾値決定処理と、インクニアエンド検出処理とは、別のタイミングで実行されることとしてもよい。例えば、印刷装置10の電源がオンされた後やインクカートリッジ100が交換された直後に、受光量決定処理と発光量決定処理と閾値決定処理とがそれぞれ1回実行され、その後、印刷装置10の電源がオンの間に、ステップS30以降のインクニアエンド検出処理が、残量推定部48によるインク残量の推定や、印刷の実行に伴って複数回実行されることとしてもよい。
C.受光量決定処理:
図9は、図8に示したインクニアエンド検出処理のステップS2で実行される受光量決定処理の詳細なフローチャートである。この受光量決定処理は、受光部94に外乱光が入射した場合に、受光量の感度を調整するための処理である。受光量決定処理が開始されると、まず、受光量決定部は、T1とT2のオンオフを初期設定とする。初期設定はT1オン、T2オフである。制御ユニット40は、発光部92を消灯させて(ステップS91)、キャリッジ20の往復動作を実行させる(ステップS92)。キャリッジ20の往復動作が開始されると、受光量決定部43は、図6に示したインクカートリッジIC1〜IC4の範囲で検出部90からの出力電圧を測定する(ステップS93)。そして、受光量決定部43は、インクカートリッジIC1〜IC4の出力電圧値の中から最小値Vmを求める(ステップS94)。
図10は、発光部92を消灯させた状態でキャリッジ20を図6に示した位置P4から+Y方向に移動させつつ検出部90からの出力電圧を測定することで得られたグラフである。このグラフの横軸は、キャリッジ20の+Y方向への移動量を示し、縦軸は、検出部90の出力電圧を示している。外乱光無しの条件では、実線で示したグラフのように、測定電圧が電源電位Vccと略同レベルで一定している。一方、外乱光有りの条件では、印刷装置10に対して+X方向(正面)から外乱光が照射された場合、破線で示したグラフのように、外乱光無しの場合と比較して全体的に出力電圧が低下したグラフとなる。また、印刷装置10に対して+Y方向から外乱光が照射された場合、鎖線で示したグラフのように、インクカートリッジIC1〜IC3では一定していた出力電圧がインクカートリッジIC4において漸次低下している。なお、印刷装置10に対して−Y方向から外乱光が照射された場合、図10では省略しているが、+Y方向から外乱光が照射された場合とは逆に、最初は低下していた出力電圧がインクカートリッジIC1において漸次増加して一定の出力電圧となる。これらの測定結果から、ステップS94にて出力電圧の中から最小値Vmを求める。
次に、受光感度を調整する抵抗器R1と抵抗器R2の切り替え判断について説明する。受光量決定部43は、ステップS94で求めた最小値Vmが3.1V以上であるか否かを判断する(ステップS95)。外乱光無しの条件では、本実施例では最小値Vmが3.1V以上となる。この場合、トランジスターT1のみGateをOnさせて抵抗器R1を選択する(ステップS96)。本実施例では、抵抗器R1=56kΩで動作させることになる。
一方、外乱光有りの条件では、本実施例では最小値Vmが3.1V未満となる。この場合、最小値Vmが1.5V以上かつ3.1V未満であるか否かを判断する(ステップS97)。最小値Vmが1.5V以上かつ3.1V未満の場合、トランジスターT2のみGateをOnさせて抵抗器R2を選択する(ステップS98)。本実施例では、抵抗器R2=18kΩを選択し、受光感度を1/3へ低下させることになる。
ステップS97において、最小値Vmが1.5V未満である場合は、トランジスターT1とトランジスターT2の両方のGateをOnさせて抵抗器R1と抵抗器R2の並列抵抗値を選択する(ステップS99)。本実施例では、抵抗器R1=56kΩ、抵抗器R2=18kΩのため、並列抵抗値は13.6kΩとなり、受光感度を1/4へ低下させることになる。
上述した受光量決定処理によれば、発光部92が消灯した状態でキャリッジ20の往復動作を実行させ、インクカートリッジIC1〜IC4の範囲で検出部90からの出力電圧を測定する。そのため、測定した出力電圧は外乱光のみを対象とした出力電圧となり、外乱光のレベルを正確に測定することができる。また、測定した出力電圧の最小値Vmに基づいて外乱光の有無を判断し、外乱光有りの場合は、最小値Vmに応じて受光部94の受光感度を1/3または1/4に低下させる。これにより、外乱光を受けた場合に、インクが有るにも関わらずインク無しの扱いになってしまう問題を解消することができる。また、後述する発光量決定処理と閾値決定処理では、外乱光対応の受光感度に設定された受光部94を用いて、発光部92の発光量の決定と、インクニアエンドを判定するための閾値の決定が行われることから、インクニアエンドの判定精度を向上させることができる。
D.発光量決定処理:
図11は、図8に示したインクニアエンド検出処理のステップS10で実行される発光量決定処理の詳細なフローチャートである。この発光量決定処理は、プリズム170の底面で反射された光の光量に基づいて、発光部92の発光量を調整するための処理である。この発光量決定処理が開始されると、発光量決定部44は、まず、発光量を前回の発光量決定処理で決定された発光量を設定し、制御ユニット40が、その発光量で発光部92の発光を開始する(ステップS100)。なお、例えば、記憶装置151から、前回の発光量決定処理で決定された発光量が取得されなかった場合等には、発光部92を発光させる発光量を、発光部92の最大発光量に設定することができる。
次に、発光量決定部44は、全てのインクカートリッジ100の推定残量が所定量未満であるか否かを判断する(ステップS120)。つまり、ステップS120では、全てのインクカートリッジ100が、インクニアエンドと推測されるか否かを判断している。全てのインクカートリッジ100の推定残量が所定量未満でないと判断されれば(つまり、全てのインクカートリッジ100がインクニアエンドと推測されなければ)、発光量決定部44は、キャリッジ20を主走査方向HDに移動させながら、インクカートリッジ100毎に、検出部90の出力電圧の最低値(ボトム値)を測定する(ステップS130)。
各インクカートリッジ100についてボトム値を測定すると、発光量決定部44は、推定残量が所定量以上存在するインクカートリッジ100(つまり、インク有りと推測されるインクカートリッジ100)のボトム値のうちの最も値の低いボトム値が、所定の電圧範囲内であるか否かを判断する(ステップS140)。ステップS140において、推定残量が所定量未満のインクカートリッジ100(つまり、インクニアエンドと推測されるインクカートリッジ100)を除外しているのは、例えば、図6に示したインクカートリッジIC1のようなインクカートリッジ100では、インクレベルが、プリズム170の傾斜面のうちの発光部92からの光が照射される部分を下回っている可能性が高く、そのような状態では、プリズム170の底面で直接的に反射された光の光量を測定することができないからである。
ステップS140において、推定残量が所定量以上存在するインクカートリッジ100(つまり、インク有りと推測されるインクカートリッジ100)のボトム値のうちの最も値の低いボトム値が、所定の電圧範囲内であると判断されれば、発光部92による発光量は、インクニアエンドの検出のために適切な発光量となっていることになる。よって、発光量決定部44は、現在の発光量を、新たな発光量PD2として決定し、ステップS130で測定された各インクカートリッジ100のボトム値を、新たな発光量PD2によって調整されたボトム値V2として決定する(ステップS180)。そして、制御ユニット40は、ステップS100で発光させた発光部92を消灯させる。
ステップS140において、推定残量が所定量以上であるインクカートリッジ100(つまり、インク有りと推測されるインクカートリッジ100)のボトム値のうち最も値の低いボトム値が、所定の電圧範囲内ではないと判断されれば、発光量決定部44は、後述するステップS160による発光量の調整を、予め定められた規定回数行ったか否かを判断する(ステップS150)。この規定回数は、例えば、数回〜 数十回とすることができる。
ステップS150において、発光量の調整回数が規定回数に達していないと判断されれば、発光量決定部44は、推定残量が所定量以上であるインクカートリッジ100のボトム値のうち最も値の低いボトム値が、所定範囲内に入るように、発光量を調整する(ステップS160)。
ステップS160において発光量を調整すると、発光量決定部44は、処理を再びステップS130に戻して、インクニアエンドと推定されない各インクカートリッジ100のボトム値のうち最も値の低いボトム値が所定範囲内にあるか否かの判断を行う。ステップS150において、発光量の調整が規定回数に達したと判断されると、発光量決定部44は、発光量の調整を適切に行うことができないと判断し、当該発光量決定処理を異常終了させ、制御ユニット40によりステップS100で発光させた発光部92を消灯させる。当該発光量決定処理が異常終了した場合には、検出部90が故障している可能性がある。そのため、制御ユニット40は、例えば、表示パネル70に検出部90に異常が発生した旨を示すエラーを表示する。
なお、ステップS120において、全てのインクカートリッジ100の推定残量が所定量未満であると判断されると、全てのインクカートリッジ100が、インクニアエンドと推測されていることになる。この場合には、受光部94は、プリズム170内の傾斜面170bおよび傾斜面170aを反射した光(図7中に破線で示した電圧に対応する光)を受光する可能性が高いことになるので、発光量の調整を適切に行うことができない。そこで、この場合には、発光量決定部44は、当該発光量決定処理が前回実行されたときに決定され、記憶装置151に記憶されている発光量を、そのまま新たな発光量PD2として決定する(ステップS170)。そして、制御ユニット40は、ステップS100で発光させた発光部92を消灯させる。
なお、上述した発光量決定処理のステップS140では、インク有りと推測されるインクカートリッジ100のボトム値のうちの最も値の低いボトム値が、所定の電圧範囲内であるか否かを判断している。これに対して、インク有りと推測されるインクカートリッジ100のボトム値のうちの複数のボトム値(例えば、全部のボトム値)が所定の電圧範囲内であるか否かを判断し、その複数のボトム値が所定の電圧範囲内に入るように発光量を調整してもよい。こうすることで、複数のカートリッジのボトム値を所定の電圧範囲内に収めることが可能になるので、発光量をより好ましい発光量に調整することが可能になる。
E.閾値決定処理:
図12は、図8に示したインクニアエンド検出処理のステップS20で実行される閾値決定処理の詳細なフローチャートである。この閾値決定処理は、プリズム170の底面で反射された光の光量に基づいて、各インクカートリッジ100について、個別に、インクニアエンドを判定するための閾値を決定する処理である。
この閾値決定処理が開始されると、制御ユニット40は、まず、反射板81が検出部90上に位置するようにキャリッジ20を移動させ、この反射板81を用いて、現在の基準反射量Vref2を測定する(ステップS200)。基準反射量とは、予め定められた一定の発光量に対する反射板81からの反射光の光量である。
基準反射量Vref2を測定すると、閾値決定部46は、閾値を計算する対象とするインクカートリッジ100(以下、「計算対象カートリッジ」という)を1つ選択する(ステップS210)。選択の順序は、例えば、図6に示したインクカートリッジIC1〜 IC4の順とすることができる。
計算対象カートリッジを選択すると、閾値決定部46は、図8のステップS5で取得された推定残量に基づいて、その計算対象カートリッジの推定残量が、所定量以上であるか否かを判断する(ステップS220)。推定残量が所定量以上と判断された場合、すなわち、計算対象カートリッジのインク残量が、「インク有り」と推測される場合には、閾値決定部46は、上記発光量決定処理で決定されたボトム値V2のうち、計算対象カートリッジに対応するボトム値V2に基づいて閾値を算出する(ステップS230)。具体的には、上記発光量決定処理で決定されたボトム値V2から、所定の値を差し引いた値を閾値として決定する。本実施例では、ボトム値V2から差し引く値は、検出部90の最大出力電圧の10〜20%に相当する一律の値とする。最大出力電圧とは、図3における電源電位Vccの電圧である。なお、ボトム値V2から差し引く値は、このような一律の値に限らず、例えば、インクカートリッジ100毎に、最大出力電圧からそれぞれのボトム値までの差分値に所定の割合を乗じた値を差し引くこととしてもよい。
ステップS220において、計算対象カートリッジの推定残量が、所定量未満であると判断された場合、すなわち、計算対象カートリッジのインク残量が、「インクニアエンド」と推測される場合には、閾値決定部46は、計算対象カートリッジのプリズム170の底面で反射される光量に対応するボトム値V2を推定し(ステップS240)、この推定されたボトム値V2に基づいて閾値の算出を行う(ステップS230)。「インクニアエンド」と推測される場合に、上記発光量決定処理で実測されたボトム値に基づいて閾値を算出しないのは、インクニアエンドの場合には、プリズム170内の傾斜面170bおよび傾斜面170aを反射した強い光が受光部94によって受光されるため、検出部90のボトム値は常に最低値付近を示すことになり、適切に閾値を算出することができないためである。
上記ステップS230では計算対象カートリッジのボトム値V2を、以下の(a)〜 (f)の値に基づいて下記式(1)により推定する。
(a)ステップS200で測定した現在の基準反射量Vref2(b)上記発光量決定処理によって決定された発光量PD2(c)図8のステップS5で取得された以前の発光量PD1(d)図8のステップS5で取得された以前の基準反射量Vref1(e)図8のステップS5で取得された以前のボトム値V1(f)検出部90の最大出力電圧Vmax
V2=Vmax-(Vmax-V1)*(PD2/PD1)*((Vmax-Vref2)/(Vmax-Vref1)) …(1)
この式(1)によれば、以前に決定されたボトム値V1に、発光部92の発光量の変化率と、基準反射量の変化率(換言すれば、検出部90の経年変化率)と、を乗じた値が、ボトム値V2の推定値として算出される。
上記ステップS230において、計算対象カートリッジについて、ボトム値V2の実測値または推定値に基づく閾値の算出が終了すると、閾値決定部46は、全てのインクカートリッジ100について閾値の算出が終了したか否かを判断する(ステップS250)。全てのインクカートリッジ100について閾値の算出が完了していれば、当該閾値決定処理は終了し、完了していなければ、閾値決定部46は、処理をステップS210に戻して、残りのインクカートリッジ100について、閾値の算出を続行する。
F.変形例:
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取ることができる。例えば、以下のような変形が可能である。
・変形例1:
図3に示す受光部94の感度を切り替えるトランジスターは、上記実施例では2つ用いていたが、3つ以上用いてもよいし、半導体の内部で抵抗を切り替える構成であってもよい。変形例1に係る液体残量検出によれば、受光部94の感度を切り替えるトランジスターの数が多いほど、受光部94の感度を細かく設定できる。また、トランジスターを半導体で実現すればコストを抑制することができる。
・変形例2:
図9に示した受光量決定処理では、発光部92を消灯させてキャリッジ20が検出部90の上方を通過する際の外乱光を測定していたが、発光部92を消灯させた状態でキャリッジ20が検出部90の上方を通過しない条件で外乱光が入射したか否かを判断してもよい。変形例2に係る液体残量検出によれば、発光部92を消灯させてキャリッジ20が検出部90の上方を通過しない条件で測定した場合、キャリッジ20の動作数を削減でき、外乱光の可否を判断することができる。
・変形例3:
図9に示した受光量決定処理では、発光部92を消灯させて受光電圧を測定していたが、発光部92を発光させた条件で外乱光を測定してもよい。変形例3に係る液体残量検出によれば、液体残量検出動作中に外乱光の有無を判断したい場合は、発光部92を発光させた状態で検出範囲を広く取得し、波形情報から外乱光の有無を判断することができる。
・変形例4:
受光部94の感度と発光部92の感度を同時調整する方法は、外乱光対策に限定せず発光部92と受光部94の感度を調整する手段として用いてもよい。変形例4に係る液体残量検出によれば、発光部92の発光素子と受光部94の受光素子は、通常ランク分けをしてセンサー素子を組み立てているが、変形例4の方法を用いれば、ランク分けをする必要がなくなり、センサーに関わるコストを抑制することができる。
・変形例5:
図8で示した反射光の測定では、液体残量検出前に受光部94と発光部92の光量調整を実施しているが、液体残量検出の動作中に外乱光が入射したかどうかを判断して光量調整を行ってもよい。液体残量検出の動作中に外乱光が入射したかどうかを判断する方法として、例えば、キャリッジ20の往路動作においてプリズム反射光を測定し、キャリッジ20の復路動作において発光部92を消灯させて外乱光を検出する。変形例5に係る液体残量検出によれば、印刷中に、液体残量検出の動作を実施している最中に外乱光が入射したとしても液体残量検出を正しく行なうことができる。
・変形例6:
変形例5において、キャリッジ20の復路動作においてプリズム反射光量測定を行ない、往路動作において外乱光の測定をしてもよい。変形例6に係る液体残量検出によれば、往路と復路のどちらで外乱光を測定しても液体残量検出を正しく検出できる。
上述した実施例では、本発明を印刷装置とインクカートリッジとに適用した例を説明したが、本発明は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体消費装置に用いてもよく、また、そのような液体を収容した液体容器にも適用可能である。また、本発明の液体容器は、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体消費装置に流用可能である。
10…印刷装置、20…キャリッジ、21…開口部、30…紙送りモーター、33…キャリッジモーター、35…印刷ヘッド、40…制御ユニット、42…残量判定部、43…受光量決定部、44…発光量決定部、46…閾値決定部、48…残量推定部、50…遮光マスク、60…コンピューター、70…表示パネル、72…インターフェイス、81…反射板、90…検出部、92…発光部、94…受光部、100…インクカートリッジ、101…底面、110…インク供給口、120…レバー、130…インク収容部、150…回路基板、151…記憶装置、152…端子、170…プリズム、170a…傾斜面、170b…傾斜面。

Claims (7)

  1. 液体消費装置であって、
    前記液体消費装置に交換可能に装着され、内部に収容された液体を前記液体消費装置に供給するための液体容器と、
    前記液体容器に設けられ、前記液体容器の外部から光を入射し、前記液体容器内の液体の残存状態に応じて、前記入射した光を再度外部に射出可能なプリズムと、
    前記プリズムに対して光を照射する発光部と、
    前記プリズムから射出された光を受光可能な受光部と、
    前記発光部に光を照射させ、前記受光部によって受光した光の光量に基づいて前記液体の残存状態を判定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記液体の残存状態の判定に先立ち、
    前記受光部に入射した外乱光を測定し、測定した前記外乱光に応じて前記受光部の受光感度を調整することを特徴とする
    液体消費装置。
  2. 請求項1に記載の液体消費装置であって、
    前記制御部は、前記発光部を消灯させた状態で前記受光部によって受光した光の光量に基づいて前記受光部の受光感度を調整する、液体消費装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体消費装置であって、
    前記液体容器が装着されるキャリッジをさらに備え、
    前記制御部は、前記キャリッジを主走査方向に移動させて、前記液体の残存状態を判定するときの前記キャリッジの移動範囲で前記外乱光の光量を測定する、液体消費装置。
  4. 適用例1から3のいずれか一項の記載の液体消費装置であって、
    前記受光部は、フォトトランジスターと、前記フォトトランジスターのコレクタ側に、抵抗と抵抗値を切り替え可能なトランジスターとを複数備えた、液体消費装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項の記載の液体消費装置であって、
    前記外乱光に応じて前記受光部の受光感度を調整した後に、
    前記プリズムから受光した反射光の光量に基づいて、前記発光部から照射する光の光量を調整する、液体消費装置。
  6. 請求項5に記載の液体消費装置であって、
    前記発光部から照射する光の光量を調整した後に、
    前記プリズムから受光した反射光の光量に基づいて、前記液体の残量判定のための閾値を求める、液体消費装置。
  7. 液体消費装置が液体の残存状態を判定するための方法であって、
    前記液体消費装置は、
    前記液体消費装置に交換可能に装着され、内部に収容された液体を前記液体消費装置に供給するための液体容器と、
    前記液体容器に設けられ、前記液体容器の外部から光を入射し、前記液体容器内の液体の残存状態に応じて、前記入射した光を再度外部に射出可能なプリズムと、
    前記プリズムに対して光を照射する発光部と、
    前記プリズムから射出された光を受光可能な受光部と、を備え、
    前記発光部に光を照射させ、前記受光部によって受光した光の光量に基づいて前記液体の残存状態を判定する工程と、
    前記液体の残存状態の判定に先立ち、前記受光部に入射した外乱光を測定し、測定した前記外乱光に応じて前記受光部の受光感度を調整する工程と、
    を備える方法。
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