JP6397227B2 - ユニット建物の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の建物ユニットを接合してユニット建物を構築するユニット建物の構築方法に関するものである。
従来、通常、ユニット建物を構築するには、このユニット建物を構成する複数の箱状体の建物ユニットを、建築現場から最寄りの一つの工場で製造し、トラック等の輸送手段で建築現場まで輸送し、接合して構築していた。そして、この工場内では、まず建物ユニットを構成する床パネル部材、天井パネル部材等、面状体の構面部材を製造し、さらにこれらを接合して建物ユニットを製造していた(例えば、特許文献1等を参照)。
特開平8−99241号公報
近年、僻地や国外でも、強度が高く、短い工期で構築することができるユニット建物の需要が高まってきている。
しかしながら、この場合、建物ユニットを製造する工場が建築現場の近くに有るとは限らず、多くの場合、両者間の距離が長くなる。そのうえ、建物ユニットは、箱状体の内部の空いた空間が大きいため、輸送効率が高いとは言えず、建物ユニットを長距離輸送することは輸送コストの大幅な増加を招いてしまっていた。一方、建物ユニットを製造する工場を別途新設することは莫大な建設コストがかかってしまう。
そこで、本発明は、建物ユニットを製造する工場が建築現場の近くに無い場合でも、比較的低コストでユニット建物を構築することができるユニット建物の構築方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のユニット建物の構築方法は、複数の建物ユニットを接合してユニット建物を構築するユニット建物の構築方法であって、第1の工場において、前記建物ユニットを構成するための複数の構面部材を製造する工程と、前記第1の工場から当該第1の工場よりも前記ユニット建物の建築現場に近い第2の工場へ複数の前記構面部材を輸送手段で輸送する工程と、前記第2の工場において、複数の前記構面部材を、支持装置によって支持した状態で接合して組み立て、複数の前記建物ユニットを製造する工程と、前記第2の工場から前記建築現場へ複数の前記建物ユニットを輸送手段で輸送する工程と、前記建築現場において、複数の前記建物ユニットを接合して前記ユニット建物を構築する工程とからなることを特徴とする。
ここで、前記第1の工場と前記第2の工場との間の距離は50km以上であり、前記第2の工場と前記建築現場との間の距離は50km以下であるとよい。
また、前記第1の工場と前記第2の工場との間の距離は、前記第2の工場と前記建築現場との間の距離の10倍以上であるとよい。
さらに、前記第1の工場は、既設の工場であるとよい。
また、前記第2の工場を、前記建築現場の近傍の箇所に仮設するとよい。
また、前記第2の工場を仮設する箇所には、前記建築現場との間が陸上輸送可能である箇所を選択するとよい。
さらに、前記第2の工場には、賃貸物件の内部に前記支持装置を載置して利用するとよい。
また、前記支持装置は、使用状態よりも小さくなるように、分解又は折り畳み可能とされ、乾式接合のみで組立可能であるとよい。
このような本発明のユニット建物の構築方法は、複数の建物ユニットを接合してユニット建物を構築するユニット建物の構築方法であって、第1の工場において、建物ユニットを構成するための複数の構面部材を製造する工程と、第1の工場から第1の工場よりもユニット建物の建築現場に近い第2の工場へ複数の構面部材を輸送手段で輸送する工程と、第2の工場において、複数の構面部材を、支持装置によって支持した状態で接合して組み立て、複数の建物ユニットを製造する工程と、第2の工場から建築現場へ複数の建物ユニットを輸送手段で輸送する工程と、建築現場において、複数の建物ユニットを接合してユニット建物を構築する工程とからなる構成とされている。
上記した構成なので、第1の工場で建物ユニットを構成するための複数の構面部材を製造し、ユニット建物の建築現場に近い第2の工場で、複数の構面部材を、支持装置によって支持した状態で接合して組み立て、複数の建物ユニットを製造するため、特に、第1の工場と第2の工場との間の距離が長い場合でも、一度に多くの資材を輸送して輸送効率を高めることができ、輸送コストの増加を抑えることができる。特に、第1の工場と第2の工場との間の距離は50km以上であり、第2の工場と建築現場との間の距離は50km以下であるようにしたり、第1の工場と第2の工場との間の距離は、第2の工場と建築現場との間の距離の10倍以上であるようにしたりすると、輸送コストの増加を抑える効果が大きい。
これにより、建物ユニットを製造する工場が建築現場の近くに無い場合でも、比較的低コストでユニット建物を構築することができる。
ここで、第1の工場は、既設の工場である場合は、第1の工場として、建物ユニットまで製造する既存の工場を利用するので、新たな建設コストがかからない。なお、第2の工場を新設するとしても、構面部材を製造する工程が不要なので、この第2の工場の建築コストは比較的低く抑えることができる。
また、第2の工場を、建築現場の近傍の箇所に仮設する場合は、第2の工場は仮設であるので、必要でなくなれば、容易に撤退することができる。
また、第2の工場を仮設する箇所には、建築現場との間が陸上輸送可能である箇所を選択する場合は、第2の工場と建築現場との間で荷物積替作業を必要とせず、陸上輸送手段のみで建物ユニットを輸送することができる。
さらに、第2の工場には、賃貸物件の内部に支持装置を載置して利用する場合は、賃貸契約を解除して、支持装置などを撤去するだけで、第2の工場が必要でなくなれば、容易に撤退することができる。
また、支持装置は、使用状態よりも小さくなるように、分解又は折り畳み可能とされ、乾式接合のみで組立可能である場合は、支持装置を、分解又は折り畳んで、輸送手段により様々な場所に容易に輸送して組み立てることができ、使い回すことができる。
実施例のユニット建物の構築方法の概略構成を示す説明図である。 実施例で用いられる建物ユニットの概略構成を示す説明図である。 実施例における第2の工場の概略構成を示す説明図である。 実施例で用いられる支持装置の概略構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
先ず、実施例の構成について説明する。
図1は、実施例のユニット建物の構築方法の概略構成を示している。
まず、この実施例のユニット建物の構築方法では、第1の工場F1において、図2に示した箱状体の建物ユニット1を構成するための構面部材としての床パネル部材11、天井パネル部材12、側面パネル部材13,13及び壁パネル部材14を製造する。
そして、コンテナC内に、床パネル部材11,・・・及び天井パネル部材12,・・・は、それぞれ平積みで収納し、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・は、それぞれ縦積みで収納して、輸送手段としてのトレーラーT1、輸送船S1、トレーラーT2により、荷物積替を行って、第1の工場F1から約100km離れた第2の工場F2まで輸送する。
ここで、この第2の工場F2は、貸し倉庫などの賃貸物件である。
また、第2の工場F2から約100km離れた事業管理会社Mから、支持装置2及び作業等に必要な人員W1,・・・を、輸送手段としてのトレーラーT3、輸送船S2、トレーラーT4により、第2の工場F2まで輸送する。
なお、支持装置2は、図1に示したように、載置部21と支持部22,22とから主に構成されており、使用状態よりも小さくなるように分解可能となっており、輸送時には、この分解された状態とされている。また、支持装置2は、使用時には、ボルト・ナット等を用い、乾式接合のみで組立可能である。
さらに、第2の工場F2から約10km離れた近隣の企業Bから、バスユニット、洗面台ユニット、トイレユニットなどの建物設備Eを、輸送手段としてのトラックT5により、第2の工場F2まで輸送する。
なお、人員W1,・・・だけでは足りない場合は、必要に応じて、輸送手段としてのトラックT5により、補充の人員W2,・・・も、輸送手段としてのトラックT5により、第2の工場F2まで輸送する。
次に、第2の工場F2内での作業について簡単に説明する。
図3は、この実施例における第2の工場F2の概略構成を示している。
まず、第2の工場F2の隅に、床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・が収納されたコンテナC,・・・を配置する。
また、第2の工場F2の奥には、支持装置2を配置する。
そして、クレーン3でコンテナC,・・・から床パネル部材11、天井パネル部材12、側面パネル部材13,13及び壁パネル部材14を支持装置2の所まで運んでくる。
これら床パネル部材11、天井パネル部材12、側面パネル部材13,13及び壁パネル部材14を、図4に示したように、支持装置2の支持部22,22間に挟み込んで支持し、それぞれの間を溶接等で接合して、建物ユニット1を組み立てて製造する。
製造後は、支持装置2の片側の支持部22を、図示省略のストッパーを解除し、二点鎖線で示したようにスライドさせて緩め、フォークリフト4により、第2の工場F2の入口寄りに移動させる。
そして、必要な場合、バスユニット、洗面台ユニット、トイレユニットなどの建物設備Eを、建物ユニット1内に取り付ける。
このようにして完成した建物ユニット1は、傷付かないように包装シートで包装した後、台車5で運び、第2の工場F2の外側のユニット置場Aに保管しておく。
そして、第2の工場F2のユニット置場Aから、建物ユニット1,・・・を、輸送手段としてのトラックT6により、約10km離れたユニット建物Uの建築現場へ輸送する。
建築現場においては、図1に示したように、複数の建物ユニット1,・・・を接合してユニット建物Uが構築される。
次に、実施例の作用効果について説明する。
このような実施例のユニット建物の構築方法は、複数の建物ユニット1,・・・を組み付けてユニット建物Uを構築するユニット建物の構築方法である。
そして、第1の工場F1において、建物ユニット1を構成するための複数の構面部材としての床パネル部材11、天井パネル部材12、側面パネル部材13及び壁パネル部材14を製造する工程と、第1の工場F1から第1の工場F1よりもユニット建物Uの建築現場に近い第2の工場F2へ複数の構面部材としての床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・を輸送手段としてのトレーラーT1、輸送船S1、トレーラーT2で輸送する工程と、第2の工場F2において、床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・を、支持装置2によって支持した状態で接合して組み立て、複数の建物ユニット1,・・・を製造する工程と、第2の工場F2から建築現場へ複数の建物ユニット1,・・・を輸送手段で輸送する工程と、建築現場において、複数の建物ユニット1,・・・を接合してユニット建物Uを構築する工程とからなる構成とされている。
上記した構成なので、第1の工場F1で建物ユニット1,・・・を構成するための複数の構面部材としての床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・を製造し、ユニット建物Uの建築現場に近い第2の工場F2で、床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・を、支持装置2によって支持した状態で接合して組み立て、複数の建物ユニット1,・・・を製造するため、特に、第1の工場F1と第2の工場F2との間の距離が長い場合でも、一度に多くの資材を輸送して輸送効率を高めることができ、輸送コストの増加を抑えることができる。特に、第1の工場F1と第2の工場F2との間の距離は約100kmであり、第2の工場F2とユニット建物Uの建築現場との間の距離は約10kmであるため、輸送コストの増加を抑える効果が大きい。
これにより、建物ユニット1,・・・を製造する工場が建築現場の近くに無い場合でも、比較的低コストでユニット建物Uを構築することができる。
なお、例えば、40フィートコンテナを用いて資材を輸送する場合、通常の建物ユニット1は、1つのコンテナにつき、2個しか輸送することができないが、上記したように、構面部材としての床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・にバラして輸送すると、約3倍分の輸送が可能である。しかも、建物ユニット1に組み立てた状態で輸送する場合は、専用の特殊コンテナが必要となるが、構面部材としての床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・にバラして輸送すると、レンタルなどでも容易に入手できる通常タイプのコンテナを用いることができる。
ここで、第1の工場F1は、既設の工場である。
このため、第1の工場F1として、建物ユニット1まで製造する既存の工場を利用するので、新たな建設コストがかからない。
また、第2の工場F2を、ユニット建物Uの建築現場の近傍の箇所に仮設している。
このため、第2の工場F2は仮設であるので、必要でなくなれば、容易に撤退することができる。
また、第2の工場F2を仮設する箇所には、建築現場との間が陸上輸送可能である箇所を選択している。
このため、第2の工場F2と建築現場との間で荷物積替作業を必要とせず、陸上輸送手段のみで建物ユニット1,・・・を輸送することができる。
さらに、第2の工場F2には、貸し倉庫などの賃貸物件の内部に支持装置2を載置して利用している。
このため、賃貸契約を解除して、支持装置2などを撤去するだけで、第2の工場F2が必要でなくなれば、容易に撤退することができる。
また、支持装置2は、使用状態よりも小さくなるように、分解可能とされ、乾式接合のみで組立可能である。
このため、支持装置2を、分解して、輸送手段としてのトレーラーT1〜T4、輸送船S1,S2、トラックT5,T6等により様々な場所に容易に輸送して組み立てることができ、使い回すことができる。
以上、図面を参照して、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、上記した実施例では、面状体の構面部材である床パネル部材11、天井パネル部材12、側面パネル部材13及び壁パネル部材14のみを第1の工場F1で製造し、これらを輸送した第2の工場F2において建物ユニット1を製造したが、これに限定されない。
すなわち、第1の工場F1では、面状体の構面部材だけでなく、柱、梁等の線状体の軸部材も製造して、これらを第2の工場F2へ輸送し、これら面状体の構面部材と線状体の軸部材とを複合して接合し建物ユニット1を製造してもよい。
また、上記した実施例では、第1の工場F1と第2の工場F2の所在地については言及しなかったが、これらは異なる国に存在していてもよい。
さらに、上記した実施例では、必要な人員W1,・・・,W2,・・・、支持装置2、建物設備Eを、事業管理会社Mや第2の工場F2の近隣の企業Bから第2の工場F2へ調達したが、これに限定されず、より単純に、第1の工場F1から第2の工場へ輸送手段としてのトレーラーT1、輸送船S1、トレーラーT2により、複数の構面部材としての床パネル部材11,・・・、天井パネル部材12,・・・、側面パネル部材13,・・・及び壁パネル部材14,・・・の輸送とともに、調達するようにして実施してもよい。
また、上記した実施例では、輸送手段として、トレーラーT1〜T4、輸送船S1,S2、トラックT5,T6を用いて実施したが、これに限定されず、その他の輸送手段を用いて実施してもよい。
さらに、上記した実施例では、支持装置2として、分解可能なものを用いて実施したが、これに限定されず、例えば、使用状態よりも小さくなるように折り畳み可能なものを用いて実施してもよい。
また、上記した実施例では、第2の工場F2内において、支持装置2を1台だけ使用して実施したが、これに限定されず、必要に合わせて、複数台使用して実施してもよい。
U ユニット建物
1 建物ユニット
11 床パネル部材(構面部材)
12 天井パネル部材(構面部材)
13 側面パネル部材(構面部材)
14 壁パネル部材(構面部材)
2 支持装置
21 載置部
22 支持部
3 クレーン
4 フォークリフト
5 台車
F1 第1の工場
F2 第2の工場
A ユニット置場
M 事業管理会社
B 第2の工場の近隣の企業
C コンテナ
E 建物設備
T1 トレーラー(輸送手段)
T2 トレーラー(輸送手段)
T3 トレーラー(輸送手段)
T4 トレーラー(輸送手段)
T5 トラック(輸送手段)
T6 トラック(輸送手段)
S1 輸送船(輸送手段)
S2 輸送船(輸送手段)
W1 人員
W2 人員

Claims (6)

  1. 複数の建物ユニットを接合してユニット建物を構築するユニット建物の構築方法であって、
    第1の工場において、前記建物ユニットを構成するためのパネル状の構面部材を製造する工程と、
    前記第1の工場から当該第1の工場よりも前記ユニット建物の建築現場に近い第2の工場へ複数の前記構面部材を積み重ねて輸送手段で輸送する工程と、
    前記第2の工場において、複数の前記構面部材を、支持装置によって支持した状態で接合して組み立て、箱状体の複数の前記建物ユニットを製造する工程と、
    前記第2の工場から前記建築現場へ複数の前記建物ユニットを輸送手段で輸送する工程と、
    前記建築現場において、複数の前記建物ユニットを接合して前記ユニット建物を構築する工程とからなり、
    前記第2の工場を、前記建築現場の近傍の箇所に仮設し、
    前記支持装置は、使用状態よりも小さくなるように、分解又は折り畳み可能とされ、乾式接合のみで組立可能であることを特徴とするユニット建物の構築方法。
  2. 前記第1の工場と前記第2の工場との間の距離は50km以上であり、前記第2の工場と前記建築現場との間の距離は50km以下であることを特徴とする請求項1に記載のユニット建物の構築方法。
  3. 前記第1の工場と前記第2の工場との間の距離は、前記第2の工場と前記建築現場との間の距離の10倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のユニット建物の構築方法。
  4. 前記第1の工場は、既設の工場であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のユニット建物の構築方法。
  5. 前記第2の工場を仮設する箇所には、前記建築現場との間が陸上輸送可能である箇所を選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のユニット建物の構築方法。
  6. 前記第2の工場には、賃貸物件の内部に前記支持装置を載置して利用することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のユニット建物の構築方法。
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