JP6395383B2 - 釣り用リール - Google Patents

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Description

本発明は、釣り用リールに関するものである。
一般的に、釣り用リールは、構成部材の一つである嵌合部材を嵌合する嵌合凹部を有する別の構成部材である被嵌合部材を備えている。この被嵌合部材の嵌合凹部には、例えば、嵌合部材である軸受部材などが嵌合する。具体的には、釣り用リールは、被嵌合部材であるリール本体を備えている。リール本体は、嵌合凹部を有している。この軸受部材は、駆動軸を回転可能に支持する。
一般的に、リール本体には、種々の目的のために表面層が形成されている。例えば、特許文献1には、リール本体に、防食層を形成し、この防食層の上から電着塗装によって封孔層を形成することが開示されている。
特開2004−81114号公報
リール本体に電着塗装を行う際、一般的に、リール本体を塗料槽に浸漬させる。このため、塗料槽から取り出したリール本体の嵌合凹部内に塗料が溜まり、その溜まった塗料が、嵌合凹部の角部などに残ったまま固まってしまうことがある。この結果、軸受部材を嵌合凹部内に嵌合した際に、軸受部材が正確に嵌合凹部内に嵌合されず、軸受部材の軸心がずれたり傾いたりして、回転精度が低下するという問題がある。また、このような問題は、リール本体と軸受部材とに限らず、種々の被嵌合部材と嵌合部材との間で発生し、釣り用リール全体の寸法精度が低下するという問題が生じる。
本発明の課題は、釣り用リールの構成部材の寸法精度の低下を防止することにある。
本発明のある側面に係る釣り用リールは、第2構成部材を備えている。第2構成部材は、嵌合凹部と、溝部とを有する。嵌合凹部には、釣り用リールの第1構成部材が嵌合する。嵌合凹部は、第1構成部材と接する内側面、及び第1構成部材と接する底面を有する。溝部は、内側面と底面との少なくとも一方に形成される。
この構成によれば、嵌合凹部の内側面及び底面の少なくとも一方に、溝部が形成されている。このため、例えば、第2構成部材に電着塗装を施すために、第2構成部材を塗料槽に浸漬させた後に塗料槽から第2構成部材を取り出した際に、嵌合凹部内に塗料が溜まりにくい。すなわち、嵌合凹部内に溜まった余分な塗料を、溝部に収容することができるため、嵌合凹部内には塗料が溜まりにくい。よって、嵌合凹部に第1構成部材を嵌合した際に、第1構成部材は正確に嵌合凹部内に嵌合される。この結果、釣り用リールの寸法精度の低下を防止できる。
好ましくは、内側面は、嵌合凹部の全周に亘って形成される。この構成によれば、より安定的に第1構成部材が嵌合凹部内に嵌合する。
好ましくは、溝部は、内側面における底面側の端部全周に亘って形成される。この構成によれば、より確実に嵌合凹部内に塗料などの液体が溜まることを抑制できる。
好ましくは、第2構成部材は、内側面及び外側面を有する側壁部をさらに有する。
好ましくは、溝部は、内側面から外側面に向かって側壁部を貫通する。この構成によれば、溝部を介して嵌合凹部内の塗料などの液体を嵌合凹部の外部へと排出することができる。この結果、嵌合凹部内に塗料などの液体が溜まることを確実に抑制することができる。
好ましくは、第2構成部材は、吊り下げ可能に構成されている。そして、第2構成部材が吊り下げられた状態において、溝部は、内側面の下部に形成される。この構成によれば、第2構成部材が吊下げられた際に、嵌合凹部内の液体を溝部へと流すことができる。
好ましくは、第1構成部材は、軸受部材である。また、好ましくは、第2構成部材は、リール本体である。リール本体の嵌合凹部に軸受部材が嵌合する際、より高い寸法精度が求められる。このため、第1構成部材が軸受部材であって第2構成部材がリール本体である場合、本発明は特に有用である。
好ましくは、第2構成部材は、電着塗装によって形成された塗装面をさらに有する。
本発明によれば、釣り用リールの構成部品の寸法精度の低下を防止することができる。
スピニングリールの側面図。 スピニングリールの断面図。 リール本体のA−A線断面図。 ケース部の側面図。 部の斜視図。 蓋部のA−A線断面図。 変形例1に係る蓋部の斜視図。 変形例2に係る蓋部のA−A線断面図。
以下、本発明に係る釣り用リールの実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はスピニングリール(釣り用リールの一例)100の側面図、図2はスピニングリール100の断面図である。
図1に示すように、スピニングリール100は、釣糸を前方(図1の左方向)に繰り出す。スピニングリール100は、リール本体(第2構成部材の一例)10、ロータ31、スプール32、及びハンドル33を備えている。また、図2に示すように、スピニングリール100は、駆動機構34、オシレーティング機構35、ピニオンギア36、及びスプール軸37をさらに備えている。
図2に示すように、リール本体10は、内部空間を有しており、内部空間内に種々の機構を収容している。詳細には、駆動機構34、及びオシレーティング機構35がリール本体10内に収容されている。駆動機構34は、駆動軸341、及び駆動ギア342を備えている。
駆動軸341は、ハンドル軸331と連結されており、ハンドル軸331と一体的に回転する。図3に示すように、スピニングリール100は、第1軸受部材38、及び第2軸受部材39をさらに備えている。第1及び第2軸受部材38,39は、後述するようにリール本体10に装着されており、駆動軸341を回転可能に支持している。なお、図3は、図1のA−A線断面図であり、第1及び第2軸受部材38,39が装着されたリール本体10のみを示している。
図2に示すように、駆動ギア342は駆動軸341に連結されており、駆動軸341と一体的に回転する。駆動ギア342は、フェースギアであり、ピニオンギア36のギア部361と噛み合っている。リール本体10の側面に装着されたハンドル33を回転させることによって、駆動軸341及び駆動ギア342が回転し、ピニオンギア36も回転する。
リール本体10は、図1に示すように、ケース部1と、蓋部2とを有している。蓋部2は、ケース部1に対して取り外し可能である。ケース部1及び蓋部2は、電着塗装によって塗装面が全体に形成されている。なお、リール本体10が本発明の第2構成部材に相当し、より詳細には、リール本体10の蓋部2が本発明の第2構成部材に相当する。
図4はケース部1の側面図である。図4に示すように、ケース部1は、側方(図4の紙面手前側)に開口する内部空間11を有している。このケース部1の内部空間11内に、上述した駆動機構34、及びオシレーティング機構35などが収容される。ケース部1は、第1嵌合凹部12を有する。第1嵌合凹部12には、第1軸受部材38が嵌合する(図3参照)。また、ケース部1は、前後方向に延びる装着部13を有している。装着部13は、釣竿に装着される部分である。
図5は蓋部2の斜視図、図6は図1のA−A線断面図である。なお、図6は、蓋部2のみを示している。蓋部2は、ケース部1の開口を封鎖する部材である。図5及び図6に示すように、蓋部2は、第2嵌合凹部21、溝部22、及び側壁部23を有している。なお第2嵌合凹部21が、本発明の嵌合凹部に相当する。
図6に示すように、第2嵌合凹部21は、内側面211及び底面212を有する。この内側面211及び底面212によって第2嵌合凹部21が画定される。第2嵌合凹部21には、第2軸受部材39が嵌合される(図3参照)。内側面211及び底面212は、第2軸受部材39と接する。
内側面211は、第2嵌合凹部21の全周に亘って形成されている。すなわち、内側面211は、円周面を形成している。第2嵌合凹部21の底面212の中央部に、貫通孔213が形成されている。このため、底面212は、環状に形成されている。なお、ハンドル軸331及び駆動軸341が貫通孔213を貫通する。
側壁部23は、略円筒状に形成されている。この側壁部23は、上述した内側面211を有するとともに、外側面231も有している。
溝部22は、内側面211に形成されている。詳細には、溝部22は、環状に形成させている。すなわち、溝部22は、内側面211における底面212側の端部全周に亘って形成される。この溝部22は、例えばTスロットによって形成される。なお、溝部22の深さdは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1mm以上、2mm以下程度とすることができる。
図5に示すように、蓋部2は吊り下げ可能に構成されている。詳細には、蓋部2は、吊下げ部24をさらに有している。なお、本実施形態では、蓋部2は2つの吊下げ部24を有している。吊下げ部24には貫通孔241が形成されており、この貫通孔241を利用して蓋部2を吊下げることができる。なお、この吊下げ部24の貫通孔241は、蓋部2をケース部1に取り付けるためのボルトを通すための孔としても使用される。
図2に示すように、スプール軸37は、リール本体10に設けられている。詳細には、スプール軸37は、リール本体10内から前方に延びている。スプール軸37は、ハンドル33を回転させることによって、前後方向に往復移動する。詳細には、ハンドル33の回転が、駆動ギア342を介して、ピニオンギア36を回転させる。このピニオンギア36の回転に伴い、オシレーティング機構35がスプール軸37を前後方向に往復移動させる。
スプール32は、釣糸が巻きつけられる部材である。スプール32は、スプール軸37の先端部にドラグ機構40を介して装着されている。スプール32は、スプール軸37と一体的に前後方向に往復移動する。
ピニオンギア36は、リール本体10に設けられている。詳細には、ピニオンギア36は、リール本体10内から前方に延びている。ピニオンギア36は、スプール軸37周りに回転可能に配置されている。ピニオンギア36は筒状に形成されており、ピニオンギア36の内部をスプール軸37が延びている。なお、ピニオンギア36は複数の軸受部材を介してリール本体10に支持されている。
ロータ31は、スプール32に釣糸を巻きつけるための部材である。ロータ31は、ピニオンギア36の前部に固定されており、ピニオンギア36と一体的に回転する。すなわち、ロータ31はピニオンギア36と相対回転不能である。
[特徴]
本実施形態に係るスピニングリール100は、次の特徴を有する。
スピニングリール100は、リール本体10を備えている。リール本体10の蓋部2は、第2嵌合凹部21と、溝部22とを有する。第2嵌合凹部21には、第2軸受部材39が嵌合する。第2嵌合凹部21は、第2軸受部材39と接する内側面211、及び第2軸受部材39と接する底面212を有する。溝部22は、内側面211に形成される。
この構成によれば、第2嵌合凹部21の内側面211に、溝部22が形成されている。このため、例えば、蓋部2に電着塗装を施すために、蓋部2を塗料槽に浸漬させた後に塗料槽から蓋部2を取り出した際に、第2嵌合凹部21内に塗料が溜まりにくい。すなわち、第2嵌合凹部21内に溜まった余分な塗料を溝部22が収容できるため、第2嵌合凹部21内、具体的には、第2軸受部材39と接する内側面211、及び第2軸受部材39と接する底面212の表面には塗料が溜まりにくい。よって、第2嵌合凹部21に第2軸受部材39を嵌合した際に、第2軸受部材39は正確に第2嵌合凹部21内に嵌合される。この結果、軸受部材の軸心がずれたり、傾いたりして、回転精度の低下を防止することができ、ひいては、スピニングリール100の寸法精度の低下を防止できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
変形例1
図7に示すように、溝部22は、内側面211から外側面231に向かって側壁部23を貫通していてもよい。この場合、溝部22は、内側面211の全周に亘って形成されるのではなく、一部のみに形成されることが好ましい。詳細には、蓋部2が吊り下げられた状態において、溝部22は、内側面211の下部に形成されることが好ましい。例えば、溝部22は、内側面211のうち、吊下げ部24から最も遠い位置に形成されることが好ましい。また、溝部22は、側壁部23の底面212側の端部から先端側の端部まで延びていることが好ましい。すなわち、側壁部23は、溝部22によって分断されている。
変形例2
上記実施形態では、溝部22は、内側面211に形成されているが、特にこれに限定されない。例えば、図8に示すように、溝部22は、底面212に形成されていてもよい。この場合、溝部22は、底面212の内側面211側の端部に形成されていることが好ましい。また、溝部22は、底面212の全周に亘って形成されていることが好ましい。
変形例3
上記実施形態では、蓋部が本発明の第2構成部材に相当するが、特にこれに限定されない。例えば、リール本体10のケース部1も本発明の第2構成部材に相当するような構成とすることもできる。詳細には、リール本体10のケース部1の第1嵌合凹部12の内側面や底面に溝部を形成してもよい。
変形例4
上記実施形態では、本発明を適用したスピニングリールについて説明したが、本発明は両軸受リールにも適用することができる。
10 リール本体
2 蓋部
21 第2嵌合凹部
211 内側面
212 底面
22 溝部
23 側壁部
39 第2軸受部材
100 スピニングリール

Claims (5)

  1. 釣り用リールの第1構成部材が嵌合され、前記第1構成部材と接する内側面、及び前記第1構成部材と接する底面を有する嵌合凹部と、
    前記内側面に形成される溝部と、
    を有する第2構成部材を備え、
    前記内側面は、前記嵌合凹部の全周に亘って形成され、
    前記溝部は、前記内側面における前記底面側の端部全周に亘って形成され、
    前記第1構成部材は、軸受部材である、
    釣り用リール。
  2. 前記第2構成部材は、前記内側面及び外側面を有する側壁部をさらに有する、
    請求項1に記載の釣り用リール。
  3. 前記溝部は、前記内側面から前記外側面に向かって前記側壁部を貫通する、
    請求項2に記載の釣り用リール。
  4. 前記第2構成部材は、リール本体である、
    請求項1からのいずれかに記載の釣り用リール。
  5. 前記第2構成部材は、電着塗装によって形成された塗装面をさらに有する、
    請求項1からのいずれかに記載の釣り用リール。
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