JP6394586B2 - エンジンのブリーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク室内のブローバイガスを吸気系へ導くエンジンのブリーザ装置に係り、特に、ブローバイガスから分離されたオイルをクランク室に戻すブリーザオイル戻し通路の構造を改良したエンジンのブリーザ装置に関する。
シリンダボアが水平方向に延びるシリンダとクランク室を形成するクランクケースとが一体に構成されたシリンダブロックを有する、船外機に搭載されたエンジンにおいて、クランクケースの上部で且つエンジンの前方にブリーザ室が形成されたブリーザ装置が、特許文献1に開示されている。
特開平10−89040号公報
ところが、特許文献1に記載のブリーザ装置では、ブリーザ室内でブローバイガスから分離されたオイルをクランク室に戻すブリーザオイル戻し通路は、ブリーザ室とクランク室とを連通する貫通孔として形成されている。このため、船外機を例えば前倒し状態で保管した場合に、クランク室内の潤滑油がブリーザオイル戻し通路を経てブリーザ室内に流入し、外部へ漏出してしまう恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、クランク室内の潤滑油のオイルミストがブリーザ室内に流入することを防止できると共に、エンジンの横倒し状態などでの保管時に潤滑油がブリーザ室を介して外部へ漏出することを防止できるエンジンのブリーザ装置を提供することにある。
本発明に係るエンジンのブリーザ装置は、シリンダには中心軸線が水平方向に延びるシリンダボアが設けられ、クランクケースにはクランクシャフトを鉛直方向に収容するクランク室が形成され、前記シリンダと前記クランクケースとが一体に構成されてなるシリンダブロックに、前記シリンダボアの略半周に沿ってブリーザ室が形成され、このブリーザ室における前記シリンダボア周方向の一方側部に、前記クランク室内のブローバイガスを前記ブリーザ室に導くブローバイガス導入孔と、前記クランク室内の脈動圧に伴い前記ブローバイガス導入孔を開閉する一方向弁とが設けられ、前記ブリーザ室における前記シリンダボア周方向の他方側部に、吸気系に連通するブリーザパイプを前記ブリーザ室に接続するためのパイプ接続孔と、前記ブリーザ室内で分離されたオイルを前記クランク室に戻すブリーザオイル戻し通路とが設けられたエンジンのブリーザ装置であって、前記ブリーザオイル戻し通路は、前記シリンダボアに沿って設けられると共に延出部を備え、この延出部は、前記クランク室の下部に貯留された潤滑油の油面下に至ると共に、前記シリンダボアの下方で且つ前記シリンダボアの中心軸線を越えて反対側まで延出して構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、ブリーザ室内で分離されたオイルをクランク室に戻すブリーザオイル戻し通路が、シリンダボアに沿って設けられると共に延出部を備え、この延出部が、クランク室の下部に貯留された潤滑油の油面下に至るので、クランク室内のオイルミストが、ブリーザオイル戻し通路を通ってブリーザ室に直接流入することを防止できる。
また、ブリーザオイル戻し通路が、シリンダボアに沿って設けられると共に延出部を備え、この延出部が、シリンダボアの下方で且つシリンダボアの中心軸線を越えて反対側まで延出されたので、エンジンが横倒し状態などで長期間保管された場合でも、延出部の先端がクランク室内の潤滑油の油面よりも高くなり、この結果、潤滑油がブリーザ室に流入して外部へ漏出することを防止できる。
本発明に係るエンジンのブリーザ装置における一実施形態が適用されたエンジンを搭載する船外機を示す左側面図。 図1の船外機におけるエンジンカバーを取り外して示す平面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 図2のIV−IV線に沿う断面図。 図3のV−V線に沿う断面図。 図4のVI−VI線に沿う断面図。 図2に示すシリンダブロックの底面図。 図2のブリーザ装置周囲を拡大して示す部分平面図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るエンジンのブリーザ装置における一実施形態が適用されたエンジンを搭載する船外機を示す左側面図である。この図1に示す船外機10はエンジンホルダ16を備え、このエンジンホルダ16にバーティカル型のエンジン11が搭載される。エンジンホルダ16にはドライブシャフトハウジング12が下方へ向かって一体に延設され、このドライブシャフトハウジング12の下端部にギアケース13が設置される。エンジン11及びエンジンホルダ16は、エンジンカバー14に覆われて形成されるエンジン室15内に配置される。エンジンカバー14は、エンジンホルダ16に取り付けられたロアカバー14Aと、このロアカバー14Aに着脱可能に設けられたアッパカバー14Bと、を備えてなる。
エンジン11は、クランクシャフト17(図2)が鉛直方向に設けられた縦置き型(バーティカル型)であり、このクランクシャフト17に連結されたドライブシャフト18がドライブシャフトハウジング12内に鉛直方向に延びる。ドライブシャフト18は、ギアケース13内に水平方向に配設されたプロペラシャフト19にシフト機構20を介して連結され、プロペラシャフト19の後端部にプロペラ21が回転一体に取り付けられる。エンジン11の駆動力は、クランクシャフト17からドライブシャフト18及びシフト機構20を経てプロペラシャフト19へ伝達され、シフト機構20の作用でプロペラ21を正転または逆転させて、船体25(後述)を前進または後進させる。
ドライブシャフトハウジング12の上半部は、周囲に設けられたスイベルブラケット22によって水平方向に回動自在に支持され、このスイベルブラケット22がスイベルシャフト23を介してクランプブラケット24に対し鉛直方向に回転自在に支持され、このクランプブラケット24が船体25のトランサム25Aを把持する。スイベルブラケット22がクランプブラケット24に対し鉛直方向に回動自在に設けられたことで、船外機10は船体25に対し鉛直方向にトリム&チルト操作可能に設けられる。また、ドライブシャフトハウジング12がスイベルブラケット22に対し水平方向に回動自在に設けられることで、船外機10は水平方向に操舵可能に設けられる。
尚、船外機10を操舵する際には、操舵ハンドル26が用いられる。この操舵ハンドル26は、エンジンホルダ16に鉛直方向に回転自在に枢支され、この操舵ハンドル26の先端部に、エンジン11の出力調整用のスロットルグリップ26Aが設けられる。
エンジン11は、例えばOHV(Over Head Valve)型式の4サイクル単気筒エンジンであり、クランクケース上部半体27Aとクランクケース下部半体27Bとが上下に分割可能に結合されたクランクケース27を有する。このクランクケース27のクランクケース下部半体27Bがエンジンホルダ16に固定して支持される。また、図3及び図4に示すように、クランクケース下部半体27Bに、潤滑油1を貯留するオイルパン28が設けられる。
クランクケース上部半体27Aは、図2〜図4に示すように、シリンダ29と一体に形成されてシリンダブロック30を構成する。シリンダ29には、図5〜図7に示すように、中心軸線Oが水平方向に延びるシリンダボア31が形成され、このシリンダボア31の内周面にシリンダスリーブ32が固着される。また、図3及び図4に示すように、クランクケース上部半体27Aとクランクケース下部半体27Bとにより、クランクシャフト17を鉛直方向に収容するクランク室33が形成され、クランクシャフト17は、クランクケース上部半体27A及びクランクケース下部半体27Bにより回転自在に支持される。クランク室33はエンジン11の前寄りに、シリンダ29はエンジン11の後寄りにそれぞれ位置づけられる。
このエンジン11では、シリンダ29の後端にシリンダヘッド34が、このシリンダヘッド34の後端にヘッドカバー35が順次設けられる。シリンダヘッド34に、シリンダ29のシリンダボア31に整合する図示しない燃焼室が形成される。更に、シリンダヘッド34には、燃焼室に連通する吸気ポート37及び排気ポート(不図示)がそれぞれ形成されると共に、吸気ポート37、排気ポートを開閉する吸気バルブ、排気バルブ(共に図示せず)が配設される。これらの吸気バルブ及び排気バルブは、動弁機構41(後述)により開閉駆動される。
クランク室33に収容されたクランクシャフト17には、軸方向略中央位置に一対のクランクウェブ42A及び42Bが軸方向に離間して形成される。また、シリンダ29のシリンダボア31内には、シリンダスリーブ32を介してピストン43が摺動自在に配設されている。このピストン43とクランクシャフト17のクランクウェブ42A、42B間とがコンロッド44により連結され、これより、シリンダボア31内におけるピストン43の往復運動がクランクシャフト17の回転運動に変換される。
吸気バルブ及び排気バルブを駆動するOHV型式の動弁機構41は、図3に示すように、クランク室33内に、吸気カム45及び排気カム46を備えたカムシャフト47を有する。このカムシャフト47は、クランクシャフト17と平行(つまり鉛直方向)に配置されて、クランクケース上部半体27A及びクランクケース下部半体27Bにより回転自在に支持される。また、シリンダヘッド34には、吸気側ロッカアーム48、排気側ロッカアーム49がそれぞれ揺動自在に支持され、吸気側ロッカアーム48の一端が吸気バルブのバルブステムに、排気側ロッカアーム49の一端が排気バルブのバルブステムにそれぞれ当接する。吸気側ロッカアーム48の他端は吸気側プッシュロッド50によって吸気カム45に、排気側ロッカアーム49の他端は排気側プッシュロッド51によって排気カム46に、それぞれ作動的に連結される。
図3及び図4に示すように、クランクシャフト17にはドライブギア52が、カムシャフト47にはカムドリブンギア53がそれぞれ設けられる。これらのカムドライブギア52とカムドリブンギア53とが噛合することで、カムシャフト47は、クランクシャフト17の駆動力により所定の減速比(例えば1/2)で回転する。このカムシャフト47の回転により、吸気カム45、吸気側プッシュロッド50及び吸気側ロッカアーム48を介して吸気バルブが、また、排気カム46、排気側プッシュロッド51及び排気側ロッカアーム49を介して排気バルブが、それぞれ、クランクシャフト17に同期して所定のタイミングで開閉する。
図2及び図4に示す吸気ポート37は、エンジン11の吸気系54を構成するキャブレタ55に連通する。このキャブレタ55は吸気口55Aを備え、この吸気口55Aから取り込んだエンジン室15内の空気(吸気)と、燃料タンク56から導かれる燃料とから混合気を生成し、この混合気をエンジン11の燃焼室へ供給する。この燃焼室内での混合気の燃焼により、ピストン43がシリンダ29のシリンダボア31内で往復運動する。キャブレタ55は吸気口55Aと共に、エンジン室15内でエンジン11の幅方向一側部、例えば左側部に配置される。また、燃料タンク56は、図3及び図4に示すように、シリンダブロック30のシリンダ29及びシリンダヘッド34の上方に設置される。
エンジン11の上部であるクランクシャフト17の上端に、発電装置を構成するフライホイールマグネット58が回転一体に取り付けられ、このフライホイールマグネット58の上部に換気ファン59が固着される。換気ファン59の上方に、エンジン始動装置のリコイルスタータプーリ60がクランクシャフト17と回転一体に設けられる。これらのフライホイールマグネット58、換気ファン59及びリコイルスタータプーリ60は、ファンカバー61により覆われる。このファンカバー61の天面に空気流入口62が、ファンカバー61の前下部に空気流出口63がそれぞれ形成される。
ところで、図2、図5、図6及び図8に示すように、燃焼室内で発生する圧力を伴ったガスには、ピストン43とシリンダボア31(シリンダスリーブ32)との隙間を通ってクランク室33内に、ブローバイガスとして流入する。このクランク室33内のブローバイガスの圧力は、ピストン43の移動に伴い絶えず変動する。従って、ブローバイガスは、その圧力がピストン43の動きを妨げることがないようにブリーザ装置65に導かれる。このブリーザ装置65は、ブリーザ室66、ブローバイガス導入孔67、一方向弁68、ブリーザパイプ69、第1ブリーザオイル戻し通路70A及び第2ブリーザオイル戻し通路70Bを有して構成される。
ブリーザ室66は、シリンダ29とクランクケース上部半体27Aとが一体に構成されてなるシリンダブロック30の上部におけるフライホイールマグネット58の直下に形成され、その上方開口が蓋部材71により閉塞される。このブリーザ室66は、シリンダ29におけるシリンダボア31の周方向の頂上部を一方側から他方側に跨いで、シリンダボア31の略半周に沿って形成される。これにより、ブリーザ室66は、シリンダボア31周方向の一方側部66Aと他方側部66Bとが連通して構成される。
このうち、ブリーザ室66の一方側部66Aは、動弁機構41のカムシャフト47が配設された側に設けられる。そして、このブリーザ室66の一方側部66Aの底面72(図3、図6)は、クランクシャフト47の吸気カム45及び排気カム46(特に排気カム46よりも上方に位置する吸気カム45)よりも上方に設けられる。これより、クランクシャフト47の回転による吸気カム45及び排気カム46(特に吸気カム45)からの潤滑油の飛沫が、ブリーザ室66の一方側部66Aの底面72に付着することが防止される。
一方、ブリーザ室66の他方側部66Bの底面73(図4、図5)は、一方側部66Aの底面72よりも低い位置までクランク室33内に突出して設けられて、ブリーザ室66の容積拡張に寄与する。更に、このブリーザ室66には、ブリーザ室66内を流れるブローバイガスが衝突するためのバッファ壁74が形成されている。このバッファ壁74にブローバイガスが衝突することで、ブローバイガス中のオイルが分離される。
図2、図3、図6及び図8に示すように、ブローバイガス導入孔67は、ブリーザ室66における一方側部66Aの端部に形成されて、クランク室33とブリーザ室66とを連通し、クランク室33内のブローバイガスをブリーザ室66に導く。また、一方向弁68は、ブリーザ室66における一方側部66Aの端部に設置され、クランク室33内の脈動圧に伴ってブローバイガス導入孔67を開閉する。つまり、一方向弁68は、クランク室33の昇圧時にブローバイガス導入孔67を開き、減圧時にブローバイガス導入孔67を閉じるようになっている。更に、第2ブリーザオイル戻し通路70Bも、このブリーザ室66の一方側部66Aに、ブリーザ室66とクランク室33とを連通して形成されて、ブリーザ室66内で分離されたオイルを、一方向弁68の閉弁時にクランク室33内へ戻す。
図2、図6及び図8に示すように、ブリーザパイプ69は、キャブレタ55の吸気口55Aに連通すると共に、ブリーザ室66における他方側部66Bの端部に形成されたパイプ接続孔75に圧入される。このブリーザパイプ69は、パイプ接続孔75に圧入されることでブリーザ室66に接続され、これよりブリーザ室66は、ブリーザパイプ69を介してエンジン11の吸気系54のキャブレタ55に接続される。ブリーザ室66内でオイルが分離されたブローバイガスは、ブリーザパイプ69を経てキャブレタ55へ導かれる。
図2、図4〜図6及び図8に示すように、第1ブリーザオイル戻し通路70Aは、ブリーザ室66における他方側部66Bの端部に形成されて、ブリーザ室66とクランク室33とを連通し、ブリーザ室66内で分離されたオイルをクランク室33に戻す。この第1ブリーザオイル戻し通路70Aは、シリンダ29の外周にシリンダボア31に沿って一体に形成されたシリンダ側部分76と、このシリンダ側部分76から延出する延出部77とを有して構成される。
延出部77は、クランク室33の下部、すなわちクランクケース下部半体27Bのオイルパン28に貯留された潤滑油1の油面A下に至ると共に、シリンダボア31の下方で且つシリンダボア31の中心軸線Oを越えて反対側の一方側部66A側まで延出する。この延出部77は、具体的には、シリンダ側部分76に着脱可能なシリンダ29とは別体の管状部材78である。この管状部材78は、シリンダ29の下方へ延びて、その略下半部分が、クランクケース上部半体27Aとクランクケース下部半体27Bとの分割面79よりも下方に存在する。つまり、管状部材78は、上側の基端部80がクランクケース上部半体27Aのシリンダ側部分76に挿入されて結合され、下側の先端部81がクランクケース下部半体27Bの底面82に対向して、その底面82に近接して位置づけられる。
次に、ブリーザ装置65の作用を、主に図2、図5、図6及び図8を用いて説明する。
エンジン11の運転中に、一方向弁68は、ピストン43の往復移動に伴うクランク室33内の脈動圧に応じてブローバイガス導入孔67を開閉するので、このブローバイガス導入孔67を通して、クランク室33からのブローバイガスがブリーザ室66の一方側部66A内に流入する。この一方側部66A内に流入したブローバイガスは、他方側部66B側へ流れる際に、シリンダボア31の中心軸線Oの直上に対応する位置で流路面積が減少するので流速が上昇し、その後他方側部66Bに至ると流路面積が漸次増大するので流速が徐々に減少する。更に、ブローバイガスは、ブリーザ室66の一方側部66Aから他方側部66Bへ流れる間にバッファ壁74に衝突する。
上述の流速の変化とバッファ壁74への衝突によってブローバイガス中のオイルが分離され、このオイルが分離されたブローバイガスは、ブリーザパイプ69を経てキャブレタ55の吸気口55Aへ供給される。また、ブローバイガスから分離されたオイルは、第1ブリーザオイル戻し通路70A及び第2ブリーザオイル戻し通路70Bを通ってクランク室33内に戻される。
また、船外機10の保管時に、この船外機10が、エンジン11のブリーザ装置65におけるブリーザ室66の他方側部66Bを下方にした横倒し状態とされた場合、クランク室33内の潤滑油は、図6に破線で示す油面Bとなり、ブローバイガス導入孔67、第2ブリーザオイル戻し通路70B、及び第1ブリーザオイル戻し通路70Aの管状部材78の先端部81は、共に潤滑油1の油面Bよりも上方に存在する。このため、クランク室33からブリーザ室66への潤滑油1の流入が防止されるので、潤滑油1の外部への漏出が防止される。
また、船外機10の保管時に、この船外機10が、エンジン11のブリーザ装置65におけるブリーザ室66の一方側部66Aを下方にした横倒し状態とされた場合、クランク室33内の潤滑油1は図6の破線で示す油面Cとなり、ブローバイガス導入孔67及び第2ブリーザオイル戻し通路70Bが油面Cの下方にくるものの、少なくともブリーザパイプ69は油面Cの上方に存在する。このため、クランク室33からブローバイガス導入孔67及び第2ブリーザオイル戻し通路70Bを経てブリーザ室66内に流入した潤滑油1は、ブリーザパイプ69まで到達することがなく、外部への漏出が防止される。
更に、船外機10の保管時に、この船外機10が、シリンダブロック30のクランク室33側を下にした前倒し状態とされた場合、クランク室33内の潤滑油1は図7の破線で示す油面Dとなり、ブローバイガス導入孔67、第2ブリーザオイル戻し通路70B、及び第1ブリーザオイル戻し通路70Aの管状部材78の先端部81は、共に潤滑油1の油面Dよりも上方に存在する。このため、クランク室33からブリーザ室66への潤滑油1の流入が防止されるので、潤滑油1の外部への漏出が防止される。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果(1)〜(7)を奏する。
(1)図3、図4及び図8に示すように、ブリーザ装置65のブリーザ室66におけるシリンダボア31周方向の一方側部66Aの底面72が、カムシャフト47の吸気カム45及び排気カム46と略同一高さであると、遠心力の作用で、クランク室33内の潤滑油1の飛沫(油滴)がクランクウェブ42A、42Bからブリーザ室66の一方側部66Aの底面72に飛来して付着し、この油滴がブローバイガス導入孔67、第2ブリーザオイル戻し通路70Bを経てブリーザ室66内に流入し易くなる。このため、ブリーザ室66の一方側部66Aの底面72は、吸気カム45及び排気カム46よりも高い位置に形成する必要がある。
これに対し、ブリーザ室66におけるシリンダボア31周方向の他方側部66Bでは、吸気カム45及び排気カム46からの飛沫がクランク室33内に突出したシリンダ29(図7)によって遮られるので、この他方側部66Bの底面73を吸気カム45及び排気カム46と略同一高さまたは下方まで延出しても、クランク室33内の潤滑油1の飛沫(油滴)がブリーザ室66の他方側部66Bの底面73に付着することがない。このため、図5及び図6に示すように、ブリーザ室66の他方側部66Bの底面73をブリーザ室66の一方側部66Aの底面72よりも低い位置までクランク室33内に突出することで、ブリーザ室66の容積を全体として拡張でき、この結果、ブリーザ室65における気液分離性能を向上させることができる。
(2)図2、図5、図6及び図8に示すように、シリンダブロック30において、ブリーザ室66におけるシリンダボア31周方向の一方側部66Aが、動弁機構41のカムシャフト47が配設された側に設けられ、ブリーザ室66におけるシリンダボア31周方向の他方側部66Bがカムシャフト47の配設位置と反対側に設けられている。カムシャフト47側に設けられたブリーザ室66の一方側部66Aは、カムシャフト47を避けてブリーザ室を形成する必要があるため、スペース効率が低下する。これに対し、ブリーザ室66の他方側部66Bは略制約なしに、クランク室33内へ突出してブリーザ室を形成することができるので、クランク室33内のスペースを効率よく利用できる。
(3)図3及び図8に示すように、ブリーザ室66におけるシリンダボア31周方向の一方側部66Aの底面72が、カムシャフト47の吸気カム45及び排気カム46(特に吸気カム45)よりも上方に設けられたので、これらの吸気カム45及び排気カム46(特に吸気カム45)から飛散するオイルの飛沫(油滴)が一方側部66Aの底面72に付着することを防止できる。この結果、ブリーザ室66の一方側部66Aの底面72に付着した油滴が、ブローバイガス導入孔67及び第2ブリーザオイル戻し通路70Bを経てブリーザ室66内に流入することを防止できる。
(4)図4〜図6に示すように、ブリーザ装置65のブリーザ室66内で分離されたオイルをクランク室33に戻す第1ブリーザオイル戻し通路70Aは、シリンダボア31に沿って設けられるシリンダ側部分76と延出部77とを備え、この延出部77(管状部材78)が、クランク室33の下部のオイルパン28に貯留された潤滑油1の油面Aの下方に至る。このため、クランク室33内のオイルミストが、第1ブリーザオイル戻し通路70Aを通ってブリーザ室66に直接流入することを防止できる。
(5)図4〜図6に示すように、ブリーザ装置65の第1ブリーザオイル戻し通路70Aは、シリンダボア31に沿って設けられるシリンダ側部分76と延出部77(管状部材78)とを備え、この延出部77が、シリンダボア31の下方で且つシリンダボア31の中心軸線Oを超えて反対側の一方側部66A側まで延出されている。このため、エンジン11が、例えばブリーザ室66の他方側部66Bを下方にした横倒し状態で保管された場合でも、延出部77(管状部材78)の先端部81がクランク室33内の潤滑油1の油面Bよりも高くなり、この結果、潤滑油1が、延出部77(管状部材78)を通してブリーザ室66に流入して、外部へ漏出することを防止できる。
(6)図4〜図6に示すように、ブリーザ装置65における第1ブリーザオイル戻し通路70Aの延出部77が、シリンダブロック30におけるシリンダ29とは別体で且つ着脱可能な管状部材78にて構成されている。このため、第1ブリーザオイル戻し通路70Aにおいて、クランクケース上部半体27とクランクケース下部半体27Bとの分割面79から突出する管状部材78を取り外すことができるので、クランクケース上部半体27A及びクランクケース下部半体27Bの機械加工における作業性が向上してコストを低減できる。更に、クランクケース27は、延出部77を形成するために厚肉構造にする必要がないので、エンジン11の軽量化を実現できる。
(7)図4〜図6に示すように、ブリーザ装置65における第1ブリーザオイル戻し通路70Aの管状部材78は、その先端部81がクランクケース下部半体27Bの底面82に対向し近接して位置づけられている。このため、管状部材78は、第1ブリーザオイル戻し通路70Aにおけるシリンダ側部分76との結合が弛んだ場合であっても、その先端部81がクランクケース下部半体27Bの底面82に当接して長手方向の移動が規制されるので、クランク室33内への脱落を防止できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
1 潤滑油
11 エンジン
17 クランクシャフト
27 クランクケース
27A クランクケース上部半体
27B クランクケース下部半体
28 オイルパン
29 シリンダ
30 シリンダブロック
31 シリンダボア
33 クランク室
41 動弁機構
42A、42B クランクウェブ
45 吸気カム
46 排気カム
47 カムシャフト
54 吸気系
55 キャブレタ
65 ブリーザ装置
66 ブリーザ室
66A 一方側部
66B 他方側部
67 ブローバイガス導入孔
68 一方向弁
69 ブリーザパイプ
70A 第1ブリーザオイル戻し通路
72、73 底面
75 パイプ接続孔
76 シリンダ側部分
77 延出部
78 管状部材
79 分割面
80 基端部
81 先端部
82 底面
A 油面
O 中心軸線

Claims (3)

  1. シリンダには中心軸線が水平方向に延びるシリンダボアが設けられ、クランクケースにはクランクシャフトを鉛直方向に収容するクランク室が形成され、前記シリンダと前記クランクケースとが一体に構成されてなるシリンダブロックに、前記シリンダボアの略半周に沿ってブリーザ室が形成され、
    このブリーザ室における前記シリンダボア周方向の一方側部に、前記クランク室内のブローバイガスを前記ブリーザ室に導くブローバイガス導入孔と、前記クランク室内の脈動圧に伴い前記ブローバイガス導入孔を開閉する一方向弁とが設けられ、
    前記ブリーザ室における前記シリンダボア周方向の他方側部に、吸気系に連通するブリーザパイプを前記ブリーザ室に接続するためのパイプ接続孔と、前記ブリーザ室内で分離されたオイルを前記クランク室に戻すブリーザオイル戻し通路とが設けられたエンジンのブリーザ装置であって、
    前記ブリーザオイル戻し通路は、前記シリンダボアに沿って設けられると共に延出部を備え、この延出部は、前記クランク室の下部に貯留された潤滑油の油面下に至ると共に、前記シリンダボアの下方で且つ前記シリンダボアの中心軸線を越えて反対側まで延出して構成されたことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  2. 前記クランクケースは、シリンダと共にシリンダブロックを構成するクランクケース上部半体と、潤滑油を貯留するオイルパンを備えるクランクケース下部半体とが上下に分割可能に結合されて構成され、
    ブリーザオイル戻し通路は、前記シリンダの外周に沿って一体に形成されると共に、その延出部が、前記シリンダよりも下方へ延出して前記クランクケースの分割面よりも下方に至る、着脱可能な別体の管状部材にて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのブリーザ装置。
  3. 前記管状部材にて構成された延出部は、上側の基端部がブリーザオイル戻し通路のシリンダ側部分に結合され、下側の先端部がクランクケース下部半体の底面に対向し近接して位置づけられたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンのブリーザ装置。
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