JP6394457B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フラッパを備える画像形成装置に関する。
従来、シートの搬送経路に分岐部を有している画像形成装置において、搬送経路の分岐部に揺動可能に設けられたシートを案内するフラッパと、フラッパに作用してフラッパを揺動させる機構とを備えたものが知られている。例えば、特許文献1で開示されている画像形成装置は、セクタギヤと、セクタギヤと一体に回転するカムとを備えている。そして、フラッパは、付勢部材で付勢されている。この画像形成装置では、回転するカムが付勢部材の付勢力に抗してフラッパを揺動させるようになっている。
特開平10−67462号公報
しかしながら、上述した技術では、カムとフラッパを互いに近づけて配置する必要があり、レイアウトが制限されていた。
そこで、本発明は、レイアウトの自由度を向上することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、揺動可能なフラッパと、フラッパを揺動方向の一方側へ付勢する付勢部材と、フラッパに当接する当接位置と、フラッパから離間する離間位置とに直線運動可能に設けられ、フラッパと当接してフラッパを付勢部材の付勢力に抗して揺動させる直動リンクと、揺動可能に設けられ、直動リンクに連結された揺動リンクと、駆動源と、駆動源から駆動力を受けて回転する駆動ギヤと、駆動ギヤと噛み合うギヤ歯部および駆動ギヤと噛み合わない欠歯部を有するセクタギヤと、セクタギヤを回転方向の一方側へ付勢する第2付勢部材と、セクタギヤの回転をロックする規制位置と、規制位置から退避した非規制位置とに移動可能な係合部材と、係合部材に係合し、係合部材を移動させる電磁アクチュエータと、セクタギヤに連動して回転することで、揺動リンクに作用して直動リンクを移動させるカムと、を備えている。
このように構成された画像形成装置によれば、直動リンクがフラッパを揺動させる構成であるので、カムをフラッパから離して配置することができる。これにより、レイアウトの自由度を向上させることができる。
前記した画像形成装置は、揺動リンクの揺動軸から揺動リンクのカムとの接触部までの距離よりも、揺動リンクの揺動軸から直動リンクと揺動リンクの連結部までの距離の方が大きくなるように構成されていてもよい。
これによれば、揺動リンクの移動量が少なくても直動リンクを大きく移動させることができるので、フラッパを大きく移動させることができる。
前記した画像形成装置において、カムは、被当接部を有し、セクタギヤは、被当接部に回転方向上流側から当接可能な当接部を有していてもよい。
この場合、揺動リンクのカムが当接する当接面は、セクタギヤが規制位置にある係合部材により回転が停止した時、当該当接面からカムにかかる力の向きが、カムの回転中心よりカムの回転方向下流側に傾くように構成されていてもよい。
これによれば、セクタギヤが停止した時、カムが揺動リンクに押されてセクタギヤに対して回転するので、被当接部が当接部から離間する。これにより、セクタギヤが停止しているときに、カムが揺動リンクやフラッパから受ける力がセクタギヤに伝わるのを抑えることができる。
前記した画像形成装置において、当接面は、セクタギヤが規制位置にある係合部材により回転が停止する直前においても、当該当接面からカムにかかる力の向きが、カムの回転中心よりカムの回転方向下流側に傾くように構成されていてもよい。
前記した画像形成装置において、当接面は、円弧形状を有していてもよい。
前記した画像形成装置において、揺動リンクは、当接面から突出し、セクタギヤが規制位置にある係合部材により回転が停止した後、カムにカムの回転方向下流側から当接することで、カムを停止させるように設けられた回転規制面を有していてもよい。
前記した画像形成装置において、セクタギヤとカムは、同軸上で回転可能に設けられ、カムは、被当接部を有し、セクタギヤは、被当接部に回転方向上流側から当接可能な当接部を有し、カムとセクタギヤの間には、当接部を被当接部に当接させるようにカムとセクタギヤを付勢する第3付勢部材が設けられていることが望ましい。
これによれば、セクタギヤが停止した後、カムが回転したとき、第3付勢部材が圧縮されるので、係合部材の係合が解除されたときに、セクタギヤが第3付勢部材の付勢力で回転することができる。
前記した画像形成装置において、カムは、軸部を有し、セクタギヤは、軸部に軸支されていることが望ましい。
これによれば、カムが揺動リンクやフラッパから受ける力がセクタギヤに伝わるのを抑えることができる。
前記した画像形成装置は、直動リンクをフラッパから離間する方向に付勢する第4付勢部材を備えていてもよい。
この場合、画像形成装置は、直動リンクに当接することで、直動リンクがフラッパから離間する方向に移動するのを規制する規制部を備えていてもよい。
そして、規制部は、カムが揺動リンクから離間するように回転している状態において直動リンクと当接する位置に設けられていてもよい。
前記した画像形成装置において、カムは、回転可能なコロを有し、コロが揺動リンクに接触するように構成されていてもよい。
これによれば、コロが揺動リンクの上を転がるので、カムがスムーズに回転することができる。
前記した画像形成装置において、電磁アクチュエータは、キープソレノイドであってもよい。
前記した画像形成装置において、係合部材は、電磁アクチュエータが作動することで、セクタギヤに係合する第1規制位置と、セクタギヤから離間する第1非規制位置とに移動可能な第1係合部材と、電磁アクチュエータが作動することで、セクタギヤに係合する第2規制位置と、セクタギヤから離間する第2非規制位置とに移動可能な第2係合部材と、を有していてもよい。
そして、第1係合部材と第2係合部材は、一体に移動可能であり、第1係合部材が第1規制位置に位置するとき第2係合部材が第2非規制位置に位置し、第2係合部材が第2規制位置に位置するとき第1係合部材が第1非規制位置に位置するように構成されていてもよい。
前記した画像形成装置は、第1排紙トレイおよび画像形成部を有する装置本体と、装置本体に取り付け可能であり、第2排紙トレイを有する排紙ユニットと、を備えていてもよい。
そして、フラッパは、装置本体に設けられ、揺動することで、画像形成部から搬出されたシートを第1排紙トレイに案内する第1位置と、画像形成部から搬出されたシートを第2排紙トレイに案内する第2位置とに移動可能に構成され、直動リンク、揺動リンク、駆動源、セクタギヤおよびカムは、排紙ユニットに設けられていてもよい。
本発明によれば、直動リンクがフラッパを揺動させる構成であるので、フラッパが揺動リンクから離れた位置に配置されていても、フラッパを揺動させることができる。これにより、レイアウトの自由度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を示す図である。 フラッパの構成を示す斜視図である。 フラッパが第1位置にあるときのリンク機構と駆動機構を示す図である。 フラッパが第2位置にあるときのリンク機構と駆動機構を示す図である。 リンク機構と駆動機構を示す右側から見た分解斜視図である。 リンク機構と駆動機構を示す左側から見た分解斜視図である。 セクタギヤとカムの構造を一部断面図として示す図である。 セクタギヤおよびカムが停止し直動リンクが離間位置にあるときのリンク機構および駆動機構を右から見た図(a)と左から見た図(b)である。 第2係合部材がセクタギヤから外れたときのリンク機構および駆動機構を右から見た図(a)と左から見た図(b)である。 コロが揺動リンクを下方に押しているときのリンク機構および駆動機構を右から見た図(a)と左から見た図(b)である。 セクタギヤが停止した時点でのリンク機構および駆動機構を右から見た図(a)と左から見た図(b)である。 セクタギヤとカムが停止し直動リンクが当接位置にあるときのリンク機構および駆動機構を右から見た図(a)と左から見た図(b)である。 第1係合部材がセクタギヤから外れたときのリンク機構および駆動機構を右から見た図(a)と左から見た図(b)である。 図10(b)のカム周辺の構成を拡大して示す図(a)と、図12(b)のカム周辺の構成を拡大して示す図(b)である。
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1は、シートの一例としての用紙Sに画像を形成する装置本体2と、装置本体2の上に取り付け可能であり、装置本体2から搬送された用紙Sを部ごとに仕分けて排出する排紙ユニット3とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「後」、左側を「前」とし、手前側を「右」、奥側を「左」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
装置本体2は、上部に、第1排紙トレイ16を有している。そして、装置本体2は、筐体5内に用紙Sを供給するための供給部6と、画像形成部7と、搬送部8とを備えている。画像形成部7は、露光装置20と、用紙S上にトナー像を形成するプロセスユニット30と、用紙S上に転写されたトナー像を熱定着する定着装置40とを主に備えている。
供給部6は、筐体5内の下部に設けられ、給紙トレイ11と、用紙押圧板12と、給紙機構13とを主に備えている。用紙押圧板12は、給紙トレイ11の底面上に配置され、その下に配置された押上部材12Aにより押し上げられることで、後端部を中心に前端部が上下に回動可能に構成されている。
給紙機構13は、ピックアップローラ13Aなどを有し、給紙トレイ11上に載置された用紙Sを1枚ずつプロセスユニット30に供給するように構成されている。
露光装置20は、筐体5内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光装置20は、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光を、感光ドラム31の表面で走査させて感光ドラム31の表面を露光する。
プロセスユニット30は、露光装置20の下方に配置され、ドラムユニット30Aと、現像カートリッジ30Bとから構成されている。
ドラムユニット30Aは、感光ドラム31と、帯電器32と、転写ローラ33とを主に備えている。また、現像カートリッジ30Bは、筐体5に設けられたフロントカバー15を開いたときにできる開口から筐体5に対して着脱可能に装着される構成となっている。現像カートリッジ30Bは、現像ローラ34と、図示しない供給ローラ、層厚規制ブレード、トナーを収容するトナー収容部、トナー収容部内のトナーを撹拌するためのアジテータとを主に備えている。
プロセスユニット30は、感光ドラム31の表面を帯電器32により一様に帯電し、露光装置20がレーザ光によって感光ドラム31を露光することで感光ドラム31の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。次に、回転する現像ローラ34によって現像カートリッジ30B内のトナーが感光ドラム31上の静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム31上にトナー像が形成される。そして、感光ドラム31と転写ローラ33の間に用紙Sを搬送しながら感光ドラム31と転写ローラ33の間に転写バイアスをかけることで感光ドラム31上のトナー像を用紙S上に転写する。
定着装置40は、プロセスユニット30の後方に配置され、発熱体を有する加熱ローラ41と、加熱ローラ41との間で用紙Sを挟持しながら搬送する加圧ローラ42とを主に備えている。この定着装置40は、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させる。
搬送部8は、定着装置40から搬出された用紙Sを上方に案内する主搬送経路81と、主搬送経路81から前方向に分岐して、画像形成部7で画像が形成された用紙Sを第1排紙トレイ16に案内する第1排紙経路82と、主搬送経路81から上方に分岐して、画像形成部7で画像が形成された用紙Sを排紙ユニット3へ案内する第2排紙経路83と、用紙Sの搬送経路を切り替えるフラッパ100とを備えている。また、搬送部8は、主搬送経路81上に設けられた搬送ローラ84と、第1排紙経路82の出口に設けられた本体部側排出ローラ85とを備えている。筐体5は、その上面のうち、第2排紙経路83に対応する位置に、用紙Sを排紙ユニット3に送るための開口83Aを有している。
フラッパ100は、装置本体2に設けられている。フラッパ100は、筐体5に対して揺動可能に設けられ、画像形成部7から搬出された用紙Sを第1排紙経路82に案内する第1位置(実線)と、第1位置から前方へ揺動し、画像形成部7から搬出された用紙Sを第2排紙経路83に案内する第2位置(2点鎖線)とに移動可能に構成されている。なお、フラッパ100を駆動させるための構成については、後述する。
排紙ユニット3は、上下に並ぶ複数の第2排紙トレイ61と、各第2排紙トレイ61に対応して設けられる排紙ユニット側排出ローラ65と、装置本体2から搬送されてきた用紙Sを第2排紙トレイ61へ案内するための排紙ユニット内経路68と、排紙ユニット内経路68上に設けられた第1搬送ローラ63および第2搬送ローラ64とを備えている。
排紙ユニット内経路68は、装置本体2の第2排紙経路83とともに画像形成部7で画像が形成された用紙Sを第2排紙トレイ61へ案内する搬送経路を構成する経路である。排紙ユニット内経路68は、装置本体2の開口83Aから最も上方に設けられた第2排紙トレイ61へ向けて延びる第1経路68Aと、第1経路68Aから分岐してその他の第2排紙トレイ61へ向けて延びる第2経路68Bとを有している。なお、第1経路68Aと第2経路68Bの分岐部には、揺動部材62がそれぞれ設けられており、この揺動部材62が揺動することで、用紙Sの搬送方向が切り替え可能になっている。
第1搬送ローラ63は、第1経路68Aの中間位置に設けられている。第2搬送ローラ64は、第1経路68A上の第1搬送ローラ63よりも用紙Sの搬送方向上流側に設けられている。
次に、フラッパ100とフラッパ100を揺動させるための機構について説明する。
図2に示すように、フラッパ100は、用紙Sの搬送を案内する左右方向に並ぶ複数のガイド板111と、複数のガイド板111を繋ぐ連結部材112と、左右両端のガイド板111からそれぞれ左右方向外側に延出したシャフト113と、右端のガイド板111から右側に延出した第1バネ掛け部114と、シャフト113の右端部に固定されたレバー部115とを備えている。
シャフト113は、ガイド板111の上端部に設けられている。シャフト113は、装置本体2を構成する筐体5に回動可能に支持され(図示省略)、これにより、フラッパ100が筐体5に対してシャフト113の中心を通る揺動軸を中心に揺動可能となっている。より詳細には、シャフト113は、図3に示すように、用紙Sの幅方向、すなわち、左右方向から見て、第2排紙経路83の前側に配置されている。図2に戻り、第1バネ掛け部114は、シャフト113よりガイド板111の先端部側、より詳しくは、ガイド板111の中央部に設けられている。第1バネ掛け部114には、付勢部材の一例としての第1引張バネ118の下端が係合されている。
第1引張バネ118は、上端が筐体5に掛止されており(図3(a)参照)、常時フラッパ100を揺動方向の一方側、具体的には、後側、すなわち、用紙Sを第1排紙トレイ16に案内する第1位置へ向けて付勢している。なお、筐体5は、フラッパ100に当接することで、フラッパ100の第1引張バネ118の付勢方向への移動を規制する図示しないストッパを有している。
レバー部115は、シャフト113に固定されるリング部116と、リング部116から径方向外側へ延出する被押圧部117とを有している。被押圧部117は、図3に示すように、フラッパ100が第1位置に位置する状態で、リング部116から後斜め上方へ延びている。
排紙ユニット3は、フラッパ100を揺動させるためのリンク機構200および駆動機構300を備えている。
リンク機構200は、上下方向にスライド移動可能な直動リンク210と、揺動可能に設けられ、直動リンク210に連結された揺動リンク220と、直動リンク210を付勢する第4付勢部材の一例としての第2引張バネS1とを備えている。
直動リンク210は、上下方向に移動するように設けられ、フラッパ100に当接してフラッパ100を揺動させるように構成されている。具体的に、直動リンク210は、フラッパ100の被押圧部117に当接してフラッパ100を第2位置に揺動させる当接位置(図4の位置)と、当接位置から上方に退避して被押圧部117から離間する離間位置(図3の位置)とに直線運動可能に設けられている。
図3および図5に示すように、直動リンク210は、上下方向に長い本体部211と、本体部211の下端から前方へ延び、先端部がフラッパ100の被押圧部117の上に配置される押圧部212と、本体部211の上端に設けられた第2バネ掛け部213と、本体部211の上部に設けられた連結軸214と、本体部211の下部から前側に突出する規制突起215とを有している。
第2バネ掛け部213には、第2引張バネS1の下端部が掛止されている。そして、第2引張バネS1の上端部は排紙ユニット3のフレーム69に固定されている。これにより、第2引張バネS1は、常に、直動リンク210をフラッパ100から離間する方向、つまり、上方向に付勢している。
図3に示すように、本体部211は、排紙ユニット3のフレーム69に設けられたスライドレール400に沿って移動可能になっている。スライドレール400は、本体部211の前側で上下に延びる第1レール410と、本体部211の後側で上下に延びる第2レール420とを有している。
第2レール420は、下端部が、フレーム69の下端部付近に配置され、上端が、離間位置にあるときの本体部211の上端部付近に配置されている。
第1レール410は、下端部が、第2レール420の下端部よりも高い位置に配置されている。詳細には、第1レール410の下端面411は、規制部の一例であり、直動リンク210が第2引張バネS1の付勢力により上方へ移動するときに、規制突起215に当接することで、直動リンク210がフラッパ100から離間する方向に移動するのを規制するように設けられている。また、第1レール410の下端面411は、後述するカム330が揺動リンク220から離間するように回転している状態において直動リンク210と当接する位置に設けられている(図8(b)参照)。
図5に示すように、揺動リンク220は、略前後方向に延びる本体部221と、本体部221の前端部に設けられる連結部222と、本体部221の後端部に設けられる軸支部223とを有している。
連結部222は、図6に示すように、直動リンク210の連結軸214が入る長穴222Aを有している。
軸支部223は、フレーム69に設けられる図示しない軸が係合するように設けられた孔である。これにより、揺動リンク220は、後端部に設けられた揺動軸C1(図3参照)を中心に、フレーム69に対して揺動可能となっている。
このように構成された揺動リンク220は、図3に示すような直動リンク210を離間位置に位置させる上方位置と、図4に示すような前端部を上方位置よりも下方に揺動させ直動リンク210を当接位置に位置させる下方位置とに移動可能となっている。
駆動機構300は、図5および図6に示すように、モータなどからなる駆動源M(図3参照)と、駆動ギヤ310と、セクタギヤ320と、カム330と、コロ340と、バネ支持部材350と、第2付勢部材の一例としてのトーションバネ360と、係合部材の一例としての第1係合部材370および第2係合部材380と、電磁アクチュエータ390とを備えている。
駆動ギヤ310は、駆動源Mから駆動力を受けて回転するギヤであり、図3における反時計回りの方向に回転するように設けられている。
セクタギヤ320は、駆動ギヤ310の下に配置されている。セクタギヤ320は、リング部321と、ギヤ部322と、大径円筒部323と、円筒部324とを一体に有している。
円筒部324は、リング部321の中心をとおって左右方向に延びている。図6に示すように、円筒部324とリング部321の間には、第1バネ支持部325と、当接部の一例としての当接壁326とを有している。
第1バネ支持部325は、リング部321の内周面から径方向内側に向けて延びる壁である。
当接壁326は、円筒部324に対し、第1バネ支持部325とは反対側に配置され、リング部321の内周面から径方向内側に延びている。
ギヤ部322は、リング部321の右側に設けられている。図3および図4に示すように、ギヤ部322は、駆動ギヤ310と噛み合わない欠歯部322Aと、駆動ギヤ310と噛み合うギヤ歯部322Bとを有している。欠歯部322Aは、円筒部324を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。また、ギヤ歯部322Bは、円筒部324を挟んだ両側にそれぞれ設けられ、それぞれ、2つの欠歯部322Aの間に設けられている。なお、図4に示すセクタギヤ320は、図3の状態から約180°回転した状態である。
大径円筒部323は、ギヤ部322の右側に設けられている。大径円筒部323は、略円筒状に形成されており、その周面に、径方向に突出する第1爪部323Aと第2爪部323Bを有している。
第1爪部323Aは、図3に示すように、フラッパ100が第1位置にある状態で、ギヤ部322の欠歯部322Aが駆動ギヤ310に対向しているときに、後述する第2係合部材380の第2係合アーム382と係合して、セクタギヤ320の回転を止めるためのものである。
第2爪部323Bは、図4に示すように、フラッパ100が第2位置にある状態で、ギヤ部322の欠歯部322Aが駆動ギヤ310に対向しているときに、後述する第1係合部材370の第1係合アーム372と係合して、セクタギヤ320の回転を止めるためのものである。
第1係合部材370は、図5に示すように、セクタギヤ320の下方に配置される第1軸支部371(図3も参照)と、第1軸支部371から上方へ延びる第1係合アーム372と、第1軸支部371から後方へ延びる作動部373と、第1軸支部371から下方へ延びる第1バネ保持部374とを有している。
第1係合アーム372は、図3に示すように、上端部が、セクタギヤ320の大径円筒部323の後側に配置されている。そして、第1係合アーム372は、上端に前側へ突出する第1フック372Aを有している。
この第1係合部材370は、第1軸支部371がフレーム69に回動可能に支持されている。そして、第1係合部材370は、回動することで、第1フック372Aがセクタギヤ320の第2爪部323Bに係合する第1規制位置(図4の位置)と、第1規制位置から第1フック372Aが後方へ退避してセクタギヤ320の大径円筒部323から離間する第1非規制位置(図3の位置)とに移動可能となっている。また、第1係合部材370は、バネ部材S4によって、第1非規制位置から第1規制位置へ向けて付勢されている。
第2係合部材380は、図5に示すように、第2軸支部381と、第2軸支部381から上方に延びる第2係合アーム382と、第2軸支部381から下方に延びる第2バネ保持部383とを有している。
第2軸支部381は、円筒状に形成され、内側に、第1係合部材370の第1軸支部371が挿通されている。これにより、第2係合部材380は、第1軸支部371に軸支されている。
第2係合アーム382は、図3に示すように、上端部が、セクタギヤ320の大径円筒部323の前側に配置されている。そして、第2係合アーム382は、上端部に後側へ突出する第2フック382Aを有している。
第2係合部材380は、回動することで、第2フック382Aがセクタギヤ320の第1爪部323Aに係合する第2規制位置(図3の位置)と、第2規制位置から第2フック382Aが前方へ退避してセクタギヤ320から離間する第2非規制位置(図4の位置)とに移動可能となっている。
第2バネ保持部383は、第1係合部材370の第1バネ保持部374の後側に配置されている。そして、第1バネ保持部374と第2バネ保持部383の間には、バネS3が設けられている。バネS3は、第1バネ保持部374と第2バネ保持部383の間隔が所定間隔となるように、第1バネ保持部374と第2バネ保持部383を連結している。
また、第2係合アーム382は、第1係合アーム372側へ延出する延出部384を有している。
このように構成された第1係合部材370と第2係合部材380は、一体に移動可能であり、第1係合部材370が第1規制位置に位置するとき、第2係合部材380が第2非規制位置に位置し、第2係合部材380が第2規制位置に位置するとき第1係合部材370が第1非規制位置に位置するように構成されている。具体的に、第1係合部材370が第1規制位置から第1非規制位置に移動すると、第1バネ保持部374の回動に伴ってバネS3が第2バネ保持部383を前方へ引っ張るので、第2係合部材380が回動して第2規制位置に移動する。そして、第1係合部材370が第1非規制位置から第1規制位置に移動すると、第1係合アーム372が第2係合部材380の延出部384に当接して第2係合アーム382を前方へ押すので、第2係合部材380が回動して第2非規制位置に移動する。
電磁アクチュエータ390は、第1係合部材370の作動部373に係合した上下に進退可能なスライドピン391を有している。本実施形態において、電磁アクチュエータ390は、キープソレノイドであり、通電しているときに、スライドピン391を進退させ、通電を遮断したときに、スライドピン391を遮断時の位置に保持するように構成されている。
電磁アクチュエータ390は、図示しない制御部により制御されることで、スライドピン391を上下に進退し、作動部373を作動させて第1係合部材370および第2係合部材380を回動させる装置である。
具体的に、スライドピン391は、制御部により、フラッパ100を第1位置に切り替えるとき、図3に示すように、下方に退避し、フラッパ100を第2位置に切り替えるとき、図4に示すように、上方に進出するように制御されている。
これにより、フラッパ100を第1位置に切り替えるときには、図3に示すように、作動部373が下方へ回動し、これに伴って、第1係合部材370が第1非規制位置に移動するとともに、第2係合部材380が第2規制位置に移動する。そして、フラッパ100を第2位置に切り替えるときには、作動部373が上方へ回動し、これに伴って、第1係合部材370が第1規制位置に移動するとともに、第2係合部材380が第2非規制位置に移動する。
図5および図6に示すように、カム330は、セクタギヤ320の左側に配置されている。カム330は、カム本体331と、カム本体331からセクタギヤ320側に突出する第1軸部332、被当接部の一例としての被当接突起335および第2バネ支持部336と、カム本体331からセクタギヤ320とは反対側に突出する第2軸部333およびコロ支持軸334とを有している。
第1軸部332は、軸部の一例であり、セクタギヤ320の円筒部324に挿通され、セクタギヤ320を回転可能に支持している。つまり、セクタギヤ320は、第1軸部332に軸支されている。
第2軸部333は、中心が第1軸部332の中心と同一直線上に配置されるように設けられている。そして、第1軸部332と第2軸部333は、それぞれ、フレーム69に回転可能に支持されている(図示省略)。これにより、カム本体331とセクタギヤ320は、同軸上で回転可能に設けられている。そして、第1軸部332を介してカム330からセクタギヤ320に力が加わるのを抑えることが可能となっている。
カム本体331は、揺動リンク220の上方に配置され(図8(b)参照)、セクタギヤ320に連動して回転することで、揺動リンク220に作用して直動リンク210を移動させるように構成されている。
図7に示すように、カム本体331は、周面に、第1面331Aと、第2面331Bと、第3面331Cとを有している。なお、図7において、円の中は、その部分を被当接突起335と当接壁326を通る平面で切った断面を示している。また、図8以降においても、円の中は、図7と同様の平面で切った断面を示している。
第1面331Aは、カム330の回転中心C2(第2軸部333の中心)を中心とする円弧状に形成されている。第2面331Bは、セクタギヤ320の回転方向(矢印参照)において、第1面331Aの上流端から第2軸部333に対して第1面331Aとは反対側の位置まで延びている。第3面331Cは、セクタギヤ320の回転方向において、第1面331Aの下流端から第2軸部333に対して第1面331Aとは反対側の位置まで延びている。そして、第2面331Bと第3面331Cは、それぞれ、第1面331Aから離れるにつれて徐々にカム330の回転中心C2からの距離が小さくなっている。また、第2面331Bと第3面331Cの角部は、揺動リンク220に対向しているときに、上方位置に位置する揺動リンク220に接触するように設けられていてもよいし、離間するように設けられていてもよい。
被当接突起335は、カム本体331のセクタギヤ320と対向する面のうち第1軸部332と第1面331Aの間の位置に設けられている。この被当接突起335は、セクタギヤ320の当接壁326に対し、セクタギヤ320の回転方向における下流側に隣接して配置されている。これにより、セクタギヤ320がカム330に対して回転したときに、当接壁326が被当接突起335にセクタギヤ320の回転方向上流側から当接可能となっている。
第2バネ支持部336は、カム本体331からセクタギヤ320側に突出するとともに(図6参照)、カム330の回転中心C2に対して被当接突起335とは反対側に延びている。この第2バネ支持部336は、セクタギヤ320の第1バネ支持部325に対し、セクタギヤ320の回転方向上流側に配置されている。そして、第2バネ支持部336は、第1バネ支持部325と対向するバネ支持壁336Aを有している。
そして、バネ支持壁336Aと第1バネ支持部325の間には、第3付勢部材の一例としての圧縮バネS2が配置されている。圧縮バネS2は、第2バネ支持部336と第1バネ支持部325の間隔を広げるように、第2バネ支持部336をセクタギヤ320の回転方向上流側へ付勢し、第1バネ支持部325をセクタギヤ320の回転方向下流側へ付勢するように設けられている。つまり、圧縮バネS2は、係合部材370,380とセクタギヤ320の係合が解除されたときに、セクタギヤ320をギヤ歯部322Bが駆動ギヤ310と噛み合う位置まで回転させるように、セクタギヤ320を停止しているカム330に対して回転方向下流側へ付勢している。
また、圧縮バネS2は、セクタギヤ320の当接壁326をカム330の被当接突起335に当接させるように、カム330とセクタギヤ320を付勢している。これにより、セクタギヤ320が回転しているときに、当接壁326が圧縮バネS2の付勢力により被当接突起335に当接することで、当接壁326が被当接突起335を押すので、カム330がセクタギヤ320と一体となって回転するようになっている。
図6に示すように、コロ支持軸334は、カム本体331の第2軸部333と第1面331Aの間に設けられている。コロ支持軸334は、コロ340を回転可能に支持している。コロ340は、図10(b)に示すように、周面が、第1面331Aからカム本体331の径方向外側に突出するように設けられている。
そして、カム330は、セクタギヤ320の第2爪部323Bが第1係合部材370に係合する直前から、セクタギヤ320の第2爪部323Bが第1係合部材370に係合する時点まで、コロ340が揺動リンク220に接触する姿勢となるようにセクタギヤ320に対して組みつけられている。
ここで、揺動リンク220の構成について説明する。
揺動リンク220の本体部221は、コロ340が当接する当接面221Aを有している。当接面221Aは、下方に凹んだ円弧形状を有している。
そして、当接面221Aは、図14(b)に示すように、セクタギヤ320が規制位置にある第1係合部材370により回転が停止した時、つまり、第1係合部材370の第1係合アーム372が第2爪部323Bに係止した時点で、当該当接面221Aからカム330(コロ340(破線参照))にかかる力の向き(矢印参照)が、カム330の回転中心C2よりカム330の回転方向下流側を向くように構成されている。
また、当接面221Aは、図14(a)に示すように、セクタギヤ320が規制位置にある第1係合部材370により回転が停止する直前においても、当接面221Aからカム330にかかる力の向きが、カム330の回転中心C2よりカム330の回転方向下流側に傾くようにカム330の回転方向下流側を向くように構成されている。
そして、揺動リンク220の本体部221は、当接面221Aから突出する回転規制面221Bを有している。回転規制面221Bは、当接面221Aの前側に配置されている。回転規制面221Bは、揺動リンク220の上面から突出する突起221Cに設けられた面である。この回転規制面221Bは、セクタギヤ320が規制位置にある第1係合部材370により回転が停止した後、コロ340にカム330の回転方向下流側から当接することで、カム330を停止させるように設けられている。
なお、図10に示すように、コロ340が回転規制面221Bに当接している状態で、揺動リンク220の揺動軸C1から当接面221Aとカム330との接触部Pまでの距離よりも、揺動リンク220の揺動軸C1から直動リンク210と揺動リンク220の連結部、すなわち、連結軸214までの距離の方が大きくなっている。
図5および図6に示すように、バネ支持部材350は、カム330の左側に配置されている。バネ支持部材350は、カム330の第2軸部333が挿通される円筒部351と、円筒部351の右端部から径方向外側へ延びるフランジ部352と、フランジ部352の上端部から上方へ延びる固定部353とを主に有している。
フランジ部352は、左側の端面から左側へ突出する第1バネ係合部355Aと第2バネ係合部355Bを有している。第1バネ係合部355Aと第2バネ係合部355Bは、円筒部351からそれぞれ異なる方向に延びている。具体的に、第1バネ係合部355Aは、図8(b)に示すように、直動リンク210が離間位置にある状態で、円筒部351から後方へ向けて延びている。また、第2バネ係合部355Bは、直動リンク210が離間位置にある状態で、円筒部351から前方へ向けて延びている。
固定部353は、図5に示すように、カム330側に突出する一対のフック354を有している。このフック354は、カム330の図示しない係止部に係止されている。これにより、バネ支持部材350は、コロ340をカム330との間で挟んで保持するとともに、カム330と一体に回転可能となっている。
トーションバネ360は、第1アーム部361と第2アーム部362とを有している。第1アーム部361は、図8(b)に示すように、カム330の上方で、フレーム69に固定されている(図示省略)。第2アーム部362は、先端部がカム330の回転中心C2の後側に配置され、当該回転中心C2の後側に位置する第1バネ係合部355Aまたは第2バネ係合部355Bに上から当接している。これにより、トーションバネ360は、カム330を回転方向下流側へ向けて付勢している。また、トーションバネ360は、カム330を圧縮バネS2を縮める方向に付勢することで、カム330を介してセクタギヤ320を回転方向の下流側へ向けて付勢している。なお、トーションバネ360の付勢力は、圧縮バネS2の付勢力よりも大きい。
次に、レーザプリンタ1の動作について説明する。
用紙Sを第1排紙トレイ16に排紙する場合、図3に示すように、直動リンク210が離間位置に配置されるので、フラッパ100は、第1引張バネ118の付勢力によって第1位置に位置する。
具体的には、図8(a),(b)に示すように、セクタギヤ320は、欠歯部322Aが駆動ギヤ310と対向した状態で、第2規制位置にある第2係合部材380が第1爪部323Aに係合することにより回転が停止している。また、カム330は、コロ340が最も高い位置に位置する姿勢で停止しており、第2面331Bと第3面331Cの角部が揺動リンク220に対向している。この状態では、第2引張バネS1(図3参照)の付勢力により直動リンク210および揺動リンク220の前端部が上方へ移動しようとするが、直動リンク210の規制突起215が第1レール410の下端面411に当接することで、直動リンク210が離間位置に規制されるとともに、揺動リンク220が上方位置に規制されている。
そして、カム330の被当接突起335は、セクタギヤ320の当接壁326から離間しており、セクタギヤ320とカム330の間に設けられる圧縮バネS2は圧縮された状態になっている。なお、トーションバネ360は、圧縮バネS2を縮める方向であるカム330の回転方向下流側に向けてカム330を付勢している。
用紙Sを第2排紙トレイ61に排紙する場合、図4に示すように、駆動機構300が、揺動リンク220を下方位置に揺動させて、下方位置にロックする。これにより、直動リンク210が離間位置から当接位置へ移動するので、フラッパ100が第1引張バネ118の付勢力に抗して第2位置へ移動する。
具体的に、図9(a),(b)に示すように、まず、電磁アクチュエータ390が、スライドピン391を上方へ進出させる。これにより、第1係合部材370が第1規制位置に移動するとともに、第2係合部材380が第2非規制位置に移動するので、第2係合部材380がセクタギヤ320から外れる。
第2係合部材380がセクタギヤ320から外れると、セクタギヤ320は、圧縮バネS2とトーションバネ360の付勢力により図9(a)における時計回りの方向へ回転する。このとき、セクタギヤ320のギヤ歯部322Bが駆動ギヤ310に噛み合う。セクタギヤ320のギヤ歯部322Bが駆動ギヤ310に噛み合うと、セクタギヤ320は、駆動ギヤ310の回転に伴って回転し始める。
ギヤ歯部322Bが駆動ギヤ310と噛み合った後に、セクタギヤ320が回転することで、セクタギヤ320の当接壁326が被当接突起335にセクタギヤ320の回転方向上流側から当接する。セクタギヤ320の回転によって当接壁326が被当接突起335を押すことで、カム330がセクタギヤ320と一体に回転する。
カム330が回転すると、カム330の第3面331Cおよび第3面331Cと第1面331Aの角部が揺動リンク220を第2引張バネS1(図3参照)の付勢力に抗して下方に押す。これにより、揺動リンク220が下方位置へ向けて揺動するとともに、直動リンク210が当接位置へ向けて移動する。
図10(a),(b)に示すように、欠歯部322Aが駆動ギヤ310に対向する位置の手前側まで移動すると、コロ340が揺動リンク220の当接面221Aに当接する。また、このとき、図10(b)に示すように、トーションバネ360の第2アーム部362が第2バネ係合部355Bを下方に向けて押す。これにより、第2バネ係合部355Bが、トーションバネ360によってカム330の回転方向へ付勢される。
欠歯部322Aが駆動ギヤ310に対向する直前の位置まで移動すると、ギヤ歯部322Bと駆動ギヤ310は、一つのギヤ歯同士が噛み合っており、駆動ギヤ310からギヤ歯部322Bのギヤ歯にかかる負荷が大きくなる状態になる。このとき、図14(a)に示すように、揺動リンク220の当接面221Aからカム330にかかる力の向きが、カム330の回転中心C2よりカム330の回転方向下流側に傾いているため、カム330およびセクタギヤ320は、揺動リンク220により回転方向下流側へ押される。つまり、駆動ギヤ310がカム330およびセクタギヤ320を回転させるのを揺動リンク220がアシストするので、駆動ギヤ310から欠歯部322Aのギヤ歯にかかる負荷を低減することができる。また、トーションバネ360もカム330を回転方向の下流側へ付勢しているので、駆動ギヤ310から欠歯部322Aのギヤ歯にかかる負荷をさらに低減することができる。
図11(a),(b)に示すように、セクタギヤ320の欠歯部322Aが駆動ギヤ310に対向すると、駆動ギヤ310からの駆動力の伝達が切断される。このとき、圧縮バネS2の付勢力でセクタギヤ320も回転しようとするが、第1係合部材370が第1規制位置に位置しているので、セクタギヤ320の第2爪部323Bが第1係合アーム372に係合し、セクタギヤ320の回転が規制される。
一方、図14(b)に示すように、当接面221Aからカム330(コロ340(破線参照))にかかる力の向きが、カム330の回転中心C2よりカム330の回転方向下流側に傾くようにカム330の回転方向下流側を向いており、また、トーションバネ360がカム330を回転方向下流側へ付勢しているので、カム330が停止しているセクタギヤ320に対して回転する。本実施形態では、コロ340が当接面221Aに当接しているので、カム330は、コロ340が当接面221A上を転がることでスムーズに回転することができる。
そしてこのとき、カム330が、停止しているセクタギヤ320に対して回転するので、図12(a),(b)に示すように、カム330の被当接突起335は、セクタギヤ320の当接壁326から回転方向下流側へ離間する。また、圧縮バネS2は圧縮される。
そして、カム330は、コロ340が揺動リンク220の回転規制面221Bに当接することで、回転が規制される。これにより、揺動リンク220が下方位置にロックされる。
揺動リンク220が下方位置にロックされると、図3(b)に示すように、直動リンク210が当接位置で停止するので、フラッパ100は第2位置に位置する。
第2排紙トレイ61への排紙が終了した後、第1排紙トレイ16へ用紙Sを排紙する場合、図3に示すように、駆動機構300は、揺動リンク220を上方位置へ揺動させることで、直動リンク210を離間位置へ移動させる。これにより、フラッパ100が第1引張バネ118の付勢力により第1位置へ揺動する。
具体的に、図13(a),(b)に示すように、まず、電磁アクチュエータ390は、スライドピン391を下方へ退避させることで、第1係合部材370を第1非規制位置に揺動させるとともに、第2係合部材380を第2規制位置に揺動させる。これにより、第1係合部材370とセクタギヤ320の第2爪部323Bの係合が解除されるので、セクタギヤ320は、圧縮バネS2とトーションバネ360の付勢力により回転し、ギヤ歯部322Bが駆動ギヤ310と噛み合う。セクタギヤ320のギヤ歯部322Bが駆動ギヤ310に噛み合うと、セクタギヤ320は、駆動ギヤ310の回転に伴って回転し始める。
ギヤ歯部322Bが駆動ギヤ310と噛み合った後に、セクタギヤ320が回転することで、セクタギヤ320の当接壁326がカム330の被当接突起335にセクタギヤ320の回転方向上流側から当接する。そして、当接壁326が被当接突起335を押すことで、カム330がセクタギヤ320と一体に回転する。このとき、駆動源Mからの駆動力でセクタギヤ320とカム330が回転するので、コロ340が揺動リンク220の突起221Cを乗り越えることができる。
カム330が回転することで、コロ340およびカム330の第1面331Aと第2面331Bの角部が揺動リンク220から離間すると、第2引張バネS1の付勢力により、揺動リンク220が上方位置へ向けて揺動し始めるとともに、直動リンク210が離間位置へ向けて移動し始める。
このとき、揺動リンク220が、カム330の第2面331Bに当接するので、揺動リンク220を徐々に上昇させることができる。
そして、図8(a),(b)に示すように、直動リンク210の規制突起215が第1レール410の下端面411に当接すると、直動リンク210の上方への移動が規制される。これに伴い、揺動リンク220の揺動も規制される。これにより、直動リンク210が離間位置に保持されるので、フラッパ100も第1位置に保持される。
またこのとき、セクタギヤ320の欠歯部322Aが駆動ギヤ310に対向するので、駆動ギヤ310からの駆動力の伝達が切断される。このとき、圧縮バネS2とトーションバネ360の付勢力でセクタギヤ320も回転しようとするが、第2係合部材380が第2規制位置に位置しているので、セクタギヤ320の第1爪部323Aが第2係合アーム382に係合し、セクタギヤ320の回転が規制される。
一方、カム330は、トーションバネ360の付勢力により、停止しているセクタギヤ320に対して回転する。そのため、カム330の被当接突起335は、セクタギヤ320の当接壁326から離間する。また、圧縮バネS2は圧縮される。
以上のように構成されレーザプリンタ1の効果について説明する。
リンク機構200が、直動リンク210によってフラッパ100を揺動させるように構成されているので、フラッパ100がカム330から離れた位置に配置されていても、フラッパ100を揺動させることができる。特に、本実施形態では、フラッパ100が装置本体2に配置され、カム330が排紙ユニット3に配置されているので、上記の構成が特に有効である。このように、本実施形態の構成では、レイアウトの自由度を向上させることができる。
そして、揺動リンク220の揺動軸C1から揺動リンク220のカム330との接触部Pまでの距離よりも、揺動リンク220の揺動軸C1から直動リンク210の連結軸214までの距離の方が大きいので、カム330が揺動リンク220を押す量が小さくても、連結軸214(直動リンク210)を大きく動かすことができ、フラッパ100を大きく移動させることができる。
また、セクタギヤ320とカム330が停止しているとき、セクタギヤ320の当接壁326とカム330の被当接突起335が離間しているので、フラッパ100やリンク機構200からカム330に加わる力が、セクタギヤ320に伝わるのを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態において、回転規制面221Bは、揺動リンク220に設けられた突起221Cに設けられた面であったが、回転規制面の構成はこれに限定されるものではない、例えば、揺動リンク220は、上面に段差を有し、この段差面が回転規制面として機能してもよい。
前記実施形態において、直動リンク210は、フレーム69に設けられた第1レール410の下端面411に当接することで、上方への移動が規制されていたが、直動リンク210の移動を規制する構成はこれに限定されるものではない。例えば、カム330が揺動リンク220を上方位置にロックすることで、直動リンク210の上方への移動を規制するように構成してもよい。
前記実施形態では、リンク機構200および駆動機構300が排紙ユニット3に設けられていたが、リンク機構および駆動機構の構成はこれに限定されるものではない。例えば、リンク機構および駆動機構は、装置本体2に設けられていてもよい。
前記実施形態では、フラッパ100が装置本体2に設けられ、装置本体2内を搬送される用紙Sの搬送方向を切り替えるように構成されていたが、フラッパの構成はこれに限定されるものではない。例えば、フラッパは、排紙ユニット3に設けられていてもよい。
前記実施形態では、装置本体2の上に排紙ユニット3を取り付け可能なレーザプリンタ1に本発明を適用したが、排紙ユニットを備えない画像形成装置に本発明を適用してもよい。また、本発明をカラープリンタなどのモノクロのレーザプリンタ1以外の画像形成装置に適用してもよい。
1 レーザプリンタ
2 装置本体
3 排紙ユニット
7 画像形成部
16 第1排紙トレイ
61 第2排紙トレイ
100 フラッパ
118 第1引張バネ
210 直動リンク
220 揺動リンク
221A 当接面
221B 回転規制面
310 駆動ギヤ
320 セクタギヤ
322A 欠歯部
322B ギヤ歯部
326 当接壁
330 カム
332 第1軸部
335 被当接突起
340 コロ
370 第1係合部材
380 第2係合部材
390 電磁アクチュエータ
410 第1レール
411 下端面
M 駆動源
S 用紙
S1 第2引張バネ
S2 圧縮バネ

Claims (16)

  1. 揺動可能なフラッパと、
    前記フラッパを揺動方向の一方側へ付勢する付勢部材と、
    前記フラッパに当接する当接位置と、前記フラッパから離間する離間位置とに直線運動可能に設けられ、前記フラッパと当接して前記フラッパを前記付勢部材の付勢力に抗して揺動させる直動リンクと、
    揺動可能に設けられ、前記直動リンクに連結された揺動リンクと、
    駆動源と、
    前記駆動源から駆動力を受けて回転する駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤと噛み合うギヤ歯部および前記駆動ギヤと噛み合わない欠歯部を有するセクタギヤと、
    前記セクタギヤを回転方向の一方側へ付勢する第2付勢部材と、
    前記セクタギヤの回転をロックする規制位置と、前記規制位置から退避した非規制位置とに移動可能な係合部材と、
    前記係合部材に係合し、前記係合部材を移動させる電磁アクチュエータと、
    前記セクタギヤに連動して回転することで、前記揺動リンクに作用して前記直動リンクを移動させるカムと、を備え
    前記カムは、被当接部を有し、
    前記セクタギヤは、前記被当接部に回転方向上流側から当接可能な当接部を有し、
    前記揺動リンクの前記カムが当接する当接面は、前記セクタギヤが前記規制位置にある前記係合部材により回転が停止した時、当該当接面から前記カムにかかる力の向きが、前記カムの回転中心より前記カムの回転方向下流側に傾くように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記当接面は、前記セクタギヤが前記規制位置にある前記係合部材により回転が停止する直前においても、当該当接面から前記カムにかかる力の向きが、前記カムの回転中心より前記カムの回転方向下流側に傾くように構成されていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記当接面は、円弧形状を有していることを特徴とする請求項または請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記揺動リンクは、前記当接面から突出し、前記セクタギヤが前記規制位置にある前記係合部材により回転が停止した後、前記カムに前記カムの回転方向下流側から当接することで、前記カムを停止させるように設けられた回転規制面を有することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記セクタギヤと前記カムは、同軸上で回転可能に設けられ、
    前記カムと前記セクタギヤの間には、前記当接部を前記被当接部に当接させるように前記カムと前記セクタギヤを付勢する第3付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記カムは、軸部を有し、
    前記セクタギヤは、前記軸部に軸支されていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記直動リンクを前記フラッパから離間する方向に付勢する第4付勢部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項に記載の画像形成装置。
  8. 揺動可能なフラッパと、
    前記フラッパを揺動方向の一方側へ付勢する付勢部材と、
    前記フラッパに当接する当接位置と、前記フラッパから離間する離間位置とに直線運動可能に設けられ、前記フラッパと当接して前記フラッパを前記付勢部材の付勢力に抗して揺動させる直動リンクと、
    揺動可能に設けられ、前記直動リンクに連結された揺動リンクと、
    駆動源と、
    前記駆動源から駆動力を受けて回転する駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤと噛み合うギヤ歯部および前記駆動ギヤと噛み合わない欠歯部を有するセクタギヤと、
    前記セクタギヤを回転方向の一方側へ付勢する第2付勢部材と、
    前記セクタギヤの回転をロックする規制位置と、前記規制位置から退避した非規制位置とに移動可能な係合部材と、
    前記係合部材に係合し、前記係合部材を移動させる電磁アクチュエータと、
    前記セクタギヤに連動して回転することで、前記揺動リンクに作用して前記直動リンクを移動させるカムと、を備え
    前記直動リンクを前記フラッパから離間する方向に付勢する第4付勢部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記直動リンクに当接することで、前記直動リンクが前記フラッパから離間する方向に移動するのを規制する規制部を備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記規制部は、前記カムが前記揺動リンクから離間するように回転している状態において前記直動リンクと当接する位置に設けられていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記カムは、回転可能なコロを有し、前記コロが前記揺動リンクに接触するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 揺動可能なフラッパと、
    前記フラッパを揺動方向の一方側へ付勢する付勢部材と、
    前記フラッパに当接する当接位置と、前記フラッパから離間する離間位置とに直線運動可能に設けられ、前記フラッパと当接して前記フラッパを前記付勢部材の付勢力に抗して揺動させる直動リンクと、
    揺動可能に設けられ、前記直動リンクに連結された揺動リンクと、
    駆動源と、
    前記駆動源から駆動力を受けて回転する駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤと噛み合うギヤ歯部および前記駆動ギヤと噛み合わない欠歯部を有するセクタギヤと、
    前記セクタギヤを回転方向の一方側へ付勢する第2付勢部材と、
    前記セクタギヤの回転をロックする規制位置と、前記規制位置から退避した非規制位置とに移動可能な係合部材と、
    前記係合部材に係合し、前記係合部材を移動させる電磁アクチュエータと、
    前記セクタギヤに連動して回転することで、前記揺動リンクに作用して前記直動リンクを移動させるカムと、を備え
    前記カムは、回転可能なコロを有し、前記コロが前記揺動リンクに接触するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記電磁アクチュエータは、キープソレノイドであることを特徴とする請求項1から請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記係合部材は、前記電磁アクチュエータが作動することで、前記セクタギヤに係合する第1規制位置と、前記セクタギヤから離間する第1非規制位置とに移動可能な第1係合部材と、前記電磁アクチュエータが作動することで、前記セクタギヤに係合する第2規制位置と、前記セクタギヤから離間する第2非規制位置とに移動可能な第2係合部材と、を有し、
    前記第1係合部材と前記第2係合部材は、一体に移動可能であり、前記第1係合部材が前記第1規制位置に位置するとき前記第2係合部材が前記第2非規制位置に位置し、前記第2係合部材が前記第2規制位置に位置するとき前記第1係合部材が前記第1非規制位置に位置するように構成されたことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 第1排紙トレイおよび画像形成部を有する装置本体と、前記装置本体に取り付け可能であり、第2排紙トレイを有する排紙ユニットと、を備え、
    前記フラッパは、前記装置本体に設けられ、揺動することで、前記画像形成部から搬出されたシートを前記第1排紙トレイに案内する第1位置と、前記画像形成部から搬出されたシートを前記第2排紙トレイに案内する第2位置とに移動可能に構成され、
    前記直動リンク、前記揺動リンク、前記駆動源、前記セクタギヤおよび前記カムは、前記排紙ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記揺動リンクの揺動軸から前記揺動リンクの前記カムとの接触部までの距離よりも、前記揺動リンクの揺動軸から前記直動リンクと前記揺動リンクの連結部までの距離の方が大きいことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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