JP6393520B2 - 自走式電子機器 - Google Patents
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Description
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、充電が必要となった場合に、充電台へ戻るまでの無駄な移動をできるだけ少なくし、充電台へ帰還するまでの時間を短縮することのできる自走式電子機器を提供することを課題とする。
これによれば、受信したBLE信号に基づいて、目標対象物までの距離を測定しているので、走行方向に障害物があるか否かにかかわらず、自走式電子機器がBLE信号を受信できる距離内にいる限り、自走式電子機器と目標対象物との間の直線距離を算出することができる。
これによれば、直線走行と、180度の回転動作と、90度の回転動作とを組み合わせた走行を行っているので、壁に沿った走行やランダム走行を行うことによって目標対象物に近づける場合に比べて、無駄な走行を減少させることができ、目標対象物の近傍領域に移動するまでの時間を短縮することができる。
これによれば、直線走行と、一定方向の90度の回転動作とを組み合わせた走行を行っているので、壁に沿った走行やランダム走行を行うことによって目標対象物に近づける場合に比べて、無駄な走行を減少させることができ、目標対象物の近傍領域に移動するまでの時間を短縮することができる。
また、前記目標対象物は移動体でもよく、自走式電子機器は、その移動体に追随するようにしてもよい。
これによれば、自走式掃除機から充電台までの距離を測定し、その測定距離に基づいて、直線走行と回転動作とを繰り返し行わせて、自走式掃除機を充電台まで帰還させるので、自走式掃除機の充電台への帰還処理にかかる時間を短縮することができる。
なお、これによって、この発明が限定されるものではない。
この発明の自走式電子機器は、目標対象物の位置に向かって自動走行する電子機器である。
以下に、この発明の自走式電子機器の一実施例として、充電池および掃除機能を備えた「自走式掃除機」の構成について説明する。また、この場合、上記目標対象物は、充電台とする。
ただし、この発明は、少なくとも充電池を備え、自動走行制御を行って、自動走行によって目標対象物の近傍領域にまで移動する機能を有する電子機器であればよく、自走式掃除機に限定するものではない。また、目標対象物も、充電台に限定するものではない。
図1において、この発明の自走式掃除機(以下、掃除機またはクリーナとも呼ぶ)は、主として、制御部11、充電池12、電池残量検出部13、信号通信部14、超音波センサ15、距離測定部16、距離判定部17、赤外線受信部18、走行制御部21、車輪22、吸気口31、排気口32、集塵部33、障害検知部34、入力部35、記憶部41、充電台接続部51を備える。
図2に、この発明の自走式掃除機の一実施例の概略斜視図を示す。
図2において、赤外線受信部18が配置されている部分を前方部、従動輪である後輪が配置されている部分を後方部、筐体内部に信号通信部14や集塵部33が配置されている部分を中間部と呼ぶ。
ただし、障害物があれば、それを避けながら、充電台100の方向へ移動する。
図1の制御部11は、掃除機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の掃除機能、走行機能などを実行する。
充電池12の充電は、掃除機1と充電台100とを接続した状態で行われる。
掃除機1と充電台100との接続は、互いの接続部(51,101)である露出した充電端子どうしを接触させることにより行う。
車輪を駆動させることにより、掃除機1の前進、後退、回転、静止などの動作を行わせる。
後述するように、自走式電子機器の帰還処理を行うために回転動作をする場合、その回転動作の角度は、ランダムに生成された任意の角度、あるいは、予め設定された固定値のいずれかであってもよい。
また、吸気口31と連通する流入路と、排気口32と連通する排出路とを有し、吸気口31から吸い込まれた空気を流入路を介して集塵容器内に導き、集塵後の空気を排出路を介して排気口32から外部へ放出する。
吸気口31および排気口32は、それぞれ掃除のための空気の吸気および排気を行う部分であり、前記したような位置に形成される。
CPUは、障害検知部34から出力された信号に基づいて、障害物の存在する位置を認識する。認識された障害物の位置情報に基づいて、その障害物を避けて次に走行すべき方向を決定する。
あるいは、入力部35としては、掃除機本体とは別に、リモコンユニットを設け、ユーザがこのリモコンユニットに設けられた操作ボタンを押すことにより、赤外線や無線電波信号を送出し、無線通信により動作の指示入力をしてもよい。
入力部35としては、たとえば、電源スイッチ、起動スイッチ、主電源スイッチ、充電要求スイッチ、その他のスイッチ(運転モードスイッチ,タイマースイッチ)などが設けられる。
記憶部41には、主として、目標距離42、最小測定距離43、現在測定距離44、電池情報45などが記憶される。以下の実施例では、目標距離をky_x、最小測定距離をky_min、現在測定距離をky_tmpとする。
電池情報45には、電池残量検出部13によって検出された電池残量(%)や、充電台への帰還を決定するために検出された電池残量と比較する判定値(残量しきい値)などが含まれる。
この発明では、掃除機1が自ら充電台100へ帰還する処理を実行するが、制御部11が、充電台と接触した状態に帰還する必要があると判断した場合に、その帰還処理を実行する。
たとえば、電池残量検出部13によって検出された充電池の電池残量が、電池情報45として記憶されている残量しきい値以下に減少した場合に、充電台へ帰還する必要があると判断し、自走式掃除機を充電台に帰還させる機能(帰還処理)を実行する。
あるいは、自動走行中に、充電要求スイッチが押し下げられた場合に、充電台へ帰還する必要があると判断し、帰還処理を実行する。
たとえば、充電台100の信号通信部102と自走式掃除機1の信号通信部14との間の現在測定距離(ky_tmp)44が、記憶部41に記憶された目標距離(ky_x)42よりも短い場合(ky_x>ky_tmp)、自走式掃除機1は、充電台100まで戻ってきたと判断する。
新たに測定された現在測定距離44が、記憶部41に記憶された最小測定距離43よりも小さくなった場合には、この新たに測定された現在測定距離44が、最小測定距離43に置き換えられる。
図3(a)は、自走式掃除機1が、充電台100から十分離れた位置にいる場合(ky_tmp>ky_x)を示している。
図3(b)は、自走式掃除機1が、充電台100の所定の近傍領域にまで戻ってきた場合(ky_tmp<ky_x)を示している。
図3において、現在測定距離44は、充電台100の信号通信部102と自走式掃除機1の信号通信部14との間の距離の現在の測定値ky_tmpとして示している。
すなわち、自走式掃除機1が、この円の中にまで戻ってきた場合、所定の動作を行うことにより、相互の接続部(51,101)を接続させることができるものとし、目標距離ky_xは、そのような距離が予め設定される。たとえば、目標距離ky_xとしては、30cm程度が設定される。
以下の実施例では、充電台100から送信される無線信号としては、たとえば、ブルートゥース ローエナジー(BLE:Bluetooth Low Energy)の規格で定められた信号を用いるものとする。以下、この信号を、BLE信号と呼ぶ。
充電台からBLE信号が送信される場合は、信号通信部14も、BLEによる通信が可能な受信デバイスが用いられる。この発明では、信号通信部14が受信したBLE信号に含まれる送信側の信号送出レベルと、受信側で実際に受信した信号の受信強度に基づいて、目標対象物までの距離を測定することを特徴とする。
BLEは、最大通信速度が1Mbpsであり、省電力性を特徴とする。
たとえば、信号通信部102から出力されるBLE信号内に含まれる送信側の信号送出レベル情報と、受信側で実際に受信した信号の受信信号強度を比較することにより、伝送による信号の伝送損失を求め、その伝送損失に基づいて距離を演算することにより上記距離ky_tmpを計算すればよい。
あるいは、計測しておいたBLE信号の受信強度と距離との関係テーブルを記憶部に予め記憶しておき、受信したBLE信号の測定値と関係テーブルの受信強度とを比較することによって、距離を求めてもよい。
したがって、赤外線を遮るような障害物が、充電台100と自走式掃除機1との間にあったとしても、BLE信号を受信することができ、両者(1,100)間の距離を測定することができる。
超音波センサ15は、主として、壁などの障害物までの距離の測定に用いられる。
たとえば、自動走行中に、距離測定部16によって測定された最新の現在位置での測定距離と、自動走行中の過去の複数の測定距離のうち最小の測定距離とを比較して大小関係を判定する部分である。
自走式電子機器が目標対象物から遠ざかる方向に移動していると判断した場合、すなわち、現在位置での測定距離が、最小の測定距離よりも大きくなったと判定した場合(ky_tmp>ky_min)は、後述するように、現在位置で所定の回転動作を行わせた後、目標対象物である充電台に近づく方向に、直線走行と回転動作を繰り返し行うことによって、充電台の所定の近傍にまで移動させる。
充電台接続部51は、充電池12を充電させるための電力を入力するための端子である。
この充電台接続部51と、充電台100の掃除機接続部101とを物理的に接触させることにより、充電台100の電力供給部104から与えられる電力を、充電池12に供給し充電する。
充電台接続部51は、掃除機接続部101と接触させるために、掃除機1本体の側面に露出した状態で形成される。
自走式掃除機1は上記のように、充電台の近傍に帰還した後、赤外線受信部18によって受信された赤外線を利用して、充電台接続部51と掃除機接続部101とを接触させるように、接続処理を行う。
たとえば、掃除中あるいは静止状態において、イオンを発生する構成(イオン発生器)を備えて、除菌や消臭(または脱臭)を行うようにしてもよい。
また、掃除処理を実行する時間を設定するタイマースイッチを設け、タイマースイッチの入(ON)操作がされた場合には、予め設定された時間(たとえば60分間)のカウントを開始し、その設定時間が経過するまで掃除処理を実行するようにしてもよい。
この設定時間が経過した後は、掃除処理を中止し、自動的に充電台に帰還するようにしてもよい。
図1において、充電台100は、主として、掃除機接続部101、信号通信部102、制御部103、電力供給部104、赤外線送信部106とを備え、室内の壁などに配置された商用電源105のコンセントからのAC電源電力の供給を受ける。
電力供給部104は、商用電源105からの交流電力を受け入れ、掃除機1を充電することのできる直流電力に変換し、掃除機接続部101に与える部分である。
信号通信部102は、無線信号を送信(発信)する部分である。たとえば、BLEの規格に基づいた信号を送信するBLEの通信デバイスが用いられる。
充電台100の制御部103は、充電台の各種機能を実現する部分であり、主として、BLE信号の通信処理や赤外線信号の発信処理と、充電電力の供給制御を行う。制御部103は、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータにより実現できる。
ここでは、自走式掃除機が充電台へ帰還する処理の第1実施形態について説明する。
第1実施形態では、自走式掃除機1の現在位置と充電台100との間の距離を測定しながら、目標対象物から遠ざかる方向に移動していると判定された場合に、180度の回転動作あるいは90度の回転動作を行わせ、直線走行と、180度回転と、90度回転とを組み合わせた走行を繰り返し実行することにより、自走式掃除機1を充電台のある方向へ進行させ、上記した目標距離42の円内にまで移動させる帰還方法を示す。
帰還処理の説明をわかりやすくするために、走行する空間内に障害物は存在しないものとする。
図4(a)は、充電台100の位置と、この実施例における自走式掃除機1の初期位置とを示している。ここで、充電台100の信号通信部102を円の中心と考え、自走式掃除機1が帰還したと判断する距離(目標距離:ky_x)を、その円の半径とする。
この初期位置で測定した距離を、仮の最小測定距離(ky_min)とする。
図4に示す自走式掃除機1の丸印は、走行の前方方向を示しているものとし、通常の直線的な前進走行をする場合は、この丸印の前方に向かって進行するものとする。
このような初期位置から、自走式掃除機1が、目標距離(ky_x)を半径とする円の中に入るようになるまで、以下に示すような帰還処理を実行する。
図4(b)では、図の左ややななめ下方向へ進行するものとする。そして、現在測定距離44(ky_tmp)と、最小測定距離43(ky_min)とを比較する。
この場合、このまま前進すると、充電台100からさらに遠ざかることになるので、充電台100に近づくために、図4(b)の測定位置に静止した状態で、180度回転する。
図4(b)と図4(c)の自走式掃除機1の位置は同一とする。
図4(d)において、図4(b)の説明で示したのと同様に、自走式掃除機1は、一定距離だけ前進してその位置での充電台100までの距離を測定し、現在測定距離(ky_tmp)として記憶することを繰り返す。
したがって、現在の前進方向と同じ方向に、直線的な走行を継続させる。
また、ky_tmp<ky_minとなった場合は、ky_tmpの値を、新たな最小測定距離43と考えて、ky_minに代入する。
すなわち、図5(a)の位置に比べて、充電台100から遠ざかる方向に進行したとする。このまま同じ方向に前進すると、充電台100からますます遠ざかってしまうので、進行方向を180度変更する。
図5(d)は、図5(c)の位置から、一定距離だけ前進した場合を示している。ここでは、図5(a)と同一位置まで戻ったものとする。ただし、図5(a)の位置に戻るためには、図5(c)のような180度回転した状態を経ずに、図5(b)の状態から一定距離だけ後進するようにしてもよい。
図6(b)に示すように、一定距離だけ前進した後、現在測定距離ky_tmpを測定する。図6(b)の場合は、ky_tmp>ky_minとなるので、自走式掃除機1は、充電台100から遠ざかる方向に進行したことになる。
図6(d)に示すように、一定距離だけ前進して、距離測定を繰り返す。
ky_tmp<ky_minとなるように進行している場合は、ky_tmpの値を、新たなky_minとして設定し、同方向への前進を継続する。
これにより、自走式掃除機1は、次第に、充電台のある方向に近づいていく。
図4,図5の説明では省略したが、ky_tmpを測定するごとに、ky_tmpと、目標距離ky_xとを比較してもよい。ky_tmp>ky_xであれば、上記したような走行を継続して行う。
このとき、自走式掃除機1は、充電台100の信号通信部102を中心とする半径ky_xの円の領域内に入ったと判断できるので、自走式掃除機1は、充電台100まで帰還したと考え、帰還処理を終了する。
この後、自走式掃除機1の充電台接続部51と、充電台100の掃除機接続部101とを接触させるために、自走式掃除機1は、所定の走行および回転動作を行う。
自走式掃除機の初期位置は、図4(a)に示す位置にあるとは限らないため、帰還のための実際の直線走行の進行方向と回転動作は種々の場合が存在する。
ただし、充電台から遠ざかるような走行をした場合に、180度の回転動作や、90度の回転動作を含めて、直線走行と回転動作を繰り返し行うことにより、徐々に、充電台のある方向に向かって進行することができる。
特に、最短で、2回の直線移動をすることにより、充電台の近傍に帰還することが可能である。
このような帰還処理では、自走式掃除機1がBLE信号の受信が可能な距離内にいる限り、従来の帰還処理のような壁面に沿った走行やランダム走行をする必要がなく、無駄な走行動作を減らすことができ、充電台への帰還処理にかかる時間を短縮することができる。
ここでは、充電台100の赤外線送信部106と、自走式掃除機1の赤外線受信部18とを利用する。
充電台100から、指向性を持った赤外線を送信し、その赤外線を受光できる所定の領域を領域Aとする。この場合、充電台100の近傍にまで戻ってきた自走式掃除機1が、赤外線を受信した場合、所定の領域Aに戻ってきたと判断し、その位置で静止し、その後、互いの接続部(51,101)を接続させるための一連の処理を行うようにしてもよい。
このように、BLE信号を用いた距離測定に加えて、赤外線の受信処理を行うようにすれば、より確実に、充電台への帰還処理を行うことができる。
図9(a),(b)に、この発明の第1実施形態の帰還処理のフローチャートを示す。
図9(a)のステップS1において、ユーザが入力部35を用いて、所定の目標距離42を入力し、目標距離を示す変数ky_xに設定する。あるいは、予め、目標距離42を固定的に変数ky_xに記憶しておいてもよい。
また、一定距離は固定値ではなく、可変としてもよい。たとえば、測定距離が比較的長い場合は、一定距離を長く設定し、充電台に近づいたために測定距離が所定値よりも短くなった場合に、一定距離を短く設定してもよい。
回転動作は、たとえば、30度、60度、90度、180度というように予め設定された角度の他、ランダムな角度で、回転するようにしてもよい。ステップS2へ戻った後は、上記した一連の処理を繰り返す。
また、障害物が壁の場合は、ランダムな角度で方向転換してもよいが、壁ぎわまで走行した後、その壁に沿った走行をするようにしてもよい。
ステップS9において、最小測定距離ky_minに、現在測定距離ky_tmpを代入し、最小測定距離を更新する。
ステップS10において、ステップS3と同様に、一定距離だけ、前進させる。
障害物のない場合は、ステップS13へ進み、ステップS6と同様に、現在測定距離ky_tmpを測定し、記憶する。
一方、自走式掃除機1が、一定距離の走行によって、前回までの最小測定距離ky_minよりも充電台100から遠ざかる方向に進行した場合(ky_min<ky_tmp)、ステップS15へ進み、ステップS8と同様に、180度の回転動作を行う。
障害物がある場合は、ステップS18へ進み、ステップS5と同様に方向転換を行って、ステップS2へ戻る。
一方、障害物がない場合は、図9(b)のステップS19へ進み、現在位置に静止して、左方向に90度回転する。ただし、右方向への90度回転をしてもよい。
ここで、90度回転するのは、すでに、180度回転した方向から現在位置まで進行してきたので、再度180度回転した場合には、すでに通ってきた過去の位置に戻ることになるからである。
したがって、回転角度としては、180度以外の角度を選択すればよいが、その後の進路を明確に設定するために、上記のように、たとえば90度の回転を選択すればよい。このような90度回転をした後は、新たな直線上における走行が行われることになる。
ステップS21において、ステップS3と同様に、一定距離だけ前進する。この後、ステップS22からS26までは、ステップS4からS8までと同様の処理を、繰り返し行う。
現在測定距離ky_tmpが、目標距離ky_xよりも小さくなった場合は、自走式掃除機1が充電台の所定の近傍にまで戻ったと判断し、帰還処理を終了する。
一方、現在測定距離ky_tmpが、目標距離ky_xよりも大きい場合は、まだ帰還途中であるので、ステップS28に戻り、ステップS28からS31までの処理を繰り返す。
以上の帰還処理を実行すれば、壁に沿った走行などの無駄な走行を減らすことができ、充電台までの帰還処理にかかる時間を短縮することができる。
図10から図12に、この発明の帰還処理の第2実施形態の説明図を示す。
第2実施形態では、目標対象物である充電台までの距離を測定しながら、自走式電子機器が充電台から遠ざかる方向に移動していると判定された場合に、上記判定をした現在位置で、一定方向の90度の回転動作を行わせ、直線走行と、上記一定方向と同一方向の90度の回転動作とを組み合わせた走行を行うことによって、自走式電子機器を充電台の近傍領域にまで移動させる。
上記一定方向は、左方向および右方向のいずれでもよいが、両方向を混在させるのではなく、予め設定したどちらか一方の方向を用いるものとする。
図10(a)に、自走式掃除機1の初期位置と、充電台100までの初期距離を示す。ここでは、測定された初期距離は、最小測定距離ky_minとして記憶される。図10(a)では、左ややななめ下方向が、自走式掃除機の前進方向とする。
図10(b)において、一定距離だけ前進し、その位置での充電台までの距離を測定し、現在測定距離ky_tmpとして記憶する。
この位置での測定距離を、最小測定距離ky_minとして記憶する。
図10(d)の前進走行によって、充電台から遠ざかる方向に移動したので、図11(a)に示すように、図10(d)の現在位置で静止して、90度左回転をする。これにより、右ややななめ上が、前進方向となる。この位置での測定距離を、最小測定距離ky_minとして記憶する。
図11(b)では、前進した位置でのky_tmpは、ky_minよりも小さくなっているので、自走式掃除機1は、充電台に近づく方向に移動している。そこで、ky_minにky_tmpを代入して、更新する。
図11(c)では、充電台までの距離が徐々に短くなっていき、最も右側の位置のky_tmpが、その前回位置での最小測定距離ky_minよりも大きくなっている。これ以上、同方向に前進をし続けると、充電台からますます遠ざかる方向に移動することになる。
そこで、図11(d)に示すように、自走式掃除機1は、図11(c)の最も右側の位置で、90度左回転をする。
これにより、前進方向は、左上方向となる。この位置での測定距離を、最小測定距離ky_minとして記憶する。
図12では、ky_tmp<ky_xとなったので、自走式掃除機1が充電台100まで帰還したと考え、帰還処理を終了する。この後は、上記したように、2つの接続部(51,101)どおしを接触させる動作を行わせる。
図9のフローチャートと同じ処理には、同一のステップ番号を付与している。
図13において、ステップS1からステップS7までの一連の処理は、図9と同一の処理である。
ステップS40では、現在位置に制した状態で、90度の左回転をする。その後、ステップS2へ戻り、一連の処理を繰り返す。
一方、ky_min≧ky_tmpの場合は、充電台に近づく方向に移動したので、ステップS41へ進む。
ky_tmp<ky_xの場合、自走式掃除機1は、目標とする充電台の近傍にまで戻ってきたと判断し、帰還処理を終了する。
一方、ky_tmp≧ky_xの場合、まだ帰還途中であるので、ステップS2へ戻って、一連の処理を繰り返す。
進行方向に障害物がある場合、そのまま直進することができないので、その障害物を回避するように、進行方向を変更する必要がある。そこで、障害検知部34によって障害物を検知した進行方向とは異なる方向(たとえば、90度左方向、90度右方向)への回転動作を行って、さらにその方向への前進走行をしてもよい。
あるいは、180度の回転動作を行ってもよい。また、回転角度は、90度と180度に限るものではなく、他の角度を利用してもよい。
上記実施例では、目標対象物を、固定設置された充電台としたが、固定設置されたものに限る必要はなく、信号通信部を有する移動体であってもよい。この場合、自走式電子機器は、移動体との距離を測定しながら、移動体に追随していくことができる。
Claims (3)
- 目標対象物の位置に向かって自動走行する自走式電子機器であって、
車輪の回転を制御して直線走行および回転動作をさせる走行制御部と、
前記目標対象物から送信された無線信号を受信する信号通信部と、
前記受信された無線信号に基づいて、前記目標対象物までの距離を測定する距離測定部と、
自動走行中に前記距離測定部によって測定された最新の現在位置での測定距離と、自動走行中の過去の複数の測定距離のうち最小の測定距離とを比較して大小関係を判定する距離判定部と、
制御部とを備え、
前記無線信号は、ブルートゥース ローエナジーの規格で定められたBLE信号であり、前記信号通信部が受信したBLE信号の受信強度に基づいて、前記距離測定部が、前記目標対象物までの距離を測定し、
前記直線走行では一定の前進距離だけの直進的な前進走行を行い、
前進走行での前記前進距離は可変とし、
現在位置での前記目標対象物までの測定距離が比較的長い場合は、前記前進距離を長く設定し、現在位置での前記目標対象物までの測定距離が所定値よりも短くなった場合は、前記前進距離を短く設定し、前記直線走行において、前記設定された前進距離だけ前進走行を行い、
前記距離判定部が、前記現在位置での測定距離が、前記最小の測定距離よりも大きくなったと判定した場合に、前記制御部が、前記現在位置で所定の回転動作を行わせた後、
前記目標対象物に近づく方向に直線走行と回転動作を繰り返し行うことによって、前記目標対象物の所定の近傍領域にまで移動させることを特徴とする自走式電子機器。 - 目標対象物の位置に向かって自動走行する自走式電子機器であって、
車輪の回転を制御して直線走行および回転動作をさせる走行制御部と、
前記目標対象物から送信された無線信号を受信する信号通信部と、
前記受信された無線信号に基づいて、前記目標対象物までの距離を測定する距離測定部と、
制御部とを備え、
前記無線信号は、ブルートゥース ローエナジーの規格で定められたBLE信号であり、前記信号通信部が受信したBLE信号の受信強度に基づいて、前記距離測定部が、前記目標対象物までの距離を測定し、
前記直線走行では一定の前進距離だけの直進的な前進走行を行い、
前進走行での前記前進距離は可変とし、
現在位置での前記目標対象物までの測定距離が比較的長い場合は、前記前進距離を長く設定し、現在位置での前記目標対象物までの測定距離が所定値よりも短くなった場合は、前記前進距離を短く設定し、前記直線走行において、前記設定された前進距離だけ前進走行を行い、
自動走行中に前記距離測定部によって測定された複数の測定距離に基づいて、自走式電子機器が前記目標対象物から遠ざかる方向に移動していると判定された場合に、
前記制御部が、現在位置で180度の回転動作あるいは90度の回転動作を行わせた後、直線走行と、180度の回転動作と、90度の回転動作とを組み合わせた走行を行うことによって、前記目標対象物の所定の近傍領域にまで移動させることを特徴とする自走式電子機器。 - 前記目標対象物が移動体であり、前記移動体に追随することを特徴とする請求項1または2に記載の自走式電子機器。
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