JP6393103B2 - 取付部品を取付け部に留めるための留め具 - Google Patents

取付部品を取付け部に留めるための留め具 Download PDF

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Description

本発明は、留め具に関し、特に、板材等の取付部品を、壁や車体である取付け部に留めるための留め具に関するものである。
様々な物品を製造する場面において、ある物を他の物に連結あるいは固定する必要性が出てくるが、一般的には、釘やネジあるいは接着剤を使用して行われている。しかしながら、これらの釘やネジあるいは接着剤が使用できない物品や場面があることは多々あり、これらの釘やネジ等が使用できない物品や場面では、特別な留め具が必要になる。例えば、裏側に作業空間が存在しない壁や車体である取付け部に、表面に傷を付けたり加工したりしたくない板材等の取付部品を留める場合に適した方法あるいは留め具が、例えば特許文献1等において種々提案されてきている。
特許文献1で提案されている「着脱部材の固定構造」は、図10及び図11に示すように、「被着脱体1には、座ぐり部1aを形成すると共にその座ぐり部底面に、そのほぼ中央部に小径部1b1を位置させただるま形透孔1bを穿設しておく。着脱部材2には、きのこ形支持軸2aを形成すると共にその軸部2a2に雄ねじ部2a3を形成し、それにねじつまみ2bを螺入しておく。そして、きのこ形支持軸2aの笠部2a1をだるま形透孔大径部1b2に挿通させた後、軸部2a2をだるま形透孔小径部1b1内に移動させ、ねじつまみ2bを締付けることにより、それを座ぐり部1a内に収めると共に笠部2a1とねじつまみ2bとで座ぐり部1a底面を表裏から挟持し着脱部材2を被着脱体1に固定する」ものである。
この特許文献1で提案されている「着脱部材の固定構造」では、「きのこ形支持軸2aの笠部2a1をだるま形透孔大径部1b2に挿通させた後、軸部2a2をだるま形透孔小径部1b1内に移動させ、ねじつまみ2bを締付ける」ことが必要で、しかもこの締付け作業を行う空間も必要である。
そこで、これらの締付け作業や空間が必要でなくなるような技術が、特許文献2において提案されている。
特開平10−184629号公報、要約、代表図 特許第2860341号掲載公報、第6図 特開平07−133812号公報 特許第5048263号掲載公報 特許第5210329号掲載公報 実公平03−036438号公報
特許文献2には、図12の(a)に示すような、「被保持物を挟持して保持するための頭部と、パネル板の取付孔に挿入して嵌着するための胴部とからなり、当該胴部が一対の弾性脚部と中央柱部とを具備してなる保持クリップ」が提案されている。この「保持クリップ」(図12の(a)中では符号40で示してある)は、図12の(a)に示すように、取り付けられるべき板材50に形成した、大穴51と小穴52を連続部53で連続させたダルマ穴のうち、大穴51に頭部を挿入して、そのままの状態で当該保持クリップ40の軸を、連続部53を通して小穴52に移行させることにより、小穴52に当該保持クリップ40の頭部を嵌着するものである。
これによって、当該保持クリップ40は、板材50を取付対象である鉄板54の挿通穴54aに対して固定できるのであるが、取り付けられた板材50に問題が発生する。つまり、この板材50の表面(図12の(a)では、図示右側の面)がそのまま使用されるものである場合に、頭部を挿入するだけに使用された大穴51は、そのまま表面に露出してしまうことである。この保持クリップ40によって板材50を鉄板54の挿通穴54aに対して固定したときを平面的にみてみると、図12の(b)に示すような状態になることと考えられる。
この図12の(b)に示すような状態では、保持クリップ40の頭部を挿入するだけに使用された大穴51が表面に露出することになり、この露出している大穴51は、板材50が表装材である場合には非常に見栄えが悪いだけでなく、当該大穴51に他の物が引っ掛かったり、ゴミが溜まったりして、製品として非常に不都合なものとなるのである。そこで、従来では、当該大穴51を隠すために、保持クリップを取付けた後、当該保持クリップの頭部側の板材に不織布や皮シート等の装飾材を貼る、という手間の掛かる作業を行って対処している。
ところで、この種のクリップを使用して、取付対象である取付け部に取付部品を取り付けるにあたっては、この取付部品の厚さに応じて、「軸」の長さを調整したクリップが必要となる。つまり、シート状の表装材や中実の板材のように、厚さの薄いものが取付部品である場合は、「軸」が短いクリップが採用されるし、プラスチック製段ボール等(断面がハーモニカ状)の中空構造板のように、厚さの厚いものであると、「軸」が長いクリップが採用されることになって、取付部品の種類や厚さに応じたクリップを用意しなければならない。クリップの「軸」の長さが変われば、クリップ自体やその「軸」の強度試験を行う必要があり、取付部品の種類に応じたクリップを用意するためには、時間と労力が多く掛かることになる。
一般のクリップの軸の長さは、中実の板材の肉厚に合わせてあるので、短いものである。しかし、プラスチック製段ボール等の中空構造板の肉厚は、中実の板材の肉厚よりも厚いものであり、軸の長さが短い一般のクリップを取付けるのは困難である。この軸の長さが短いクリップを取付ける為に、中空構造板を押し圧して肉厚を薄くする加工を行えば、クリップを取付けることが可能にはなるが、クリップを中空構造板に取付けても、引き抜き強度が不足して、クリップが中空構造板から外れてしまうという虞が生ずる。
そこで、本発明者等は、保持クリップ40を使用して、板材50を取付対象である鉄板54の挿通穴54aに対して固定した際に、取り付けられた板材50に大穴51が表面に露出するという問題が発生しないようにするとともに、取付部品の種類や厚さに応じたクリップを用意する必要性をなくすためにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、クリップを介して取付部品を取付け部に留めることができることは勿論、取付部品の種類や厚さに応じたクリップを用意する必要がなくて常に一般的なクリップを使用でき、取付部品にクリップ係止のための「だるま穴」を形成する必要がなく、しかも、留めが完了した際に、だるま穴を構成していた大穴のような「開口部」が取付部品の表面に残らないようにすることのできる留め具を提供することにある。
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「クリップ40を介して、取付部品20を取付け部30に留めるために、クリップ40の頭部41を保持する受け部材10Aと、この受け部材10Aに取り付けられる蓋部材10Bとからなる留め具10であって、
受け部材10Aが、取付部品20の開口21内に収納される受け部11aと、この受け部11aに形成されて、頭部41を支持している軸42を案内する長孔15と、を備え、
受け部材10Aは、クリップ40の軸42を長孔15に案内した状態で、頭部41に直接当接して、頭部41を単独で保持できるように構成されており、
蓋部材10Bが、取付部品20の開口21内に収納されたときに受け部材10Aを取り付ける取付部と、取付部品20の表面に当接する蓋部11bと、を備えたことを特徴とする留め具10」
である。
本発明に係る留め具10は、クリップ40を介して、取付部品20を取付け部30に留めるために、クリップ40の頭部41を保持する受け部材10Aと、この受け部材10Aに取り付けられる蓋部材10Bとからなるものであり、受け部材10Aはクリップ40の保持を、蓋部材10Bは受け部材10Aの取付部品20に対する保持を行うものである。そして、本発明では、一般的に提供されているクリップ40は、主として、受け部材10Aを保持しながら取付け部30に固定されることになるものである。
また、本発明に係る留め具10を実際に使用するにあたっては、取付け部30側に留め孔31を形成することは、前述した特許文献2の場合と同様ではあるが、取付部品20側には、図12の(a)に示したような大小二連の「だるま穴」が形成されることはなく、図1に示すように、単なる丸孔である開口21が形成されるだけである。
ところで、本発明に係る留め具10が対象としている取付け部30については種々なものがあり得る。一般的には、この取付け部30としては、例えば不織布や皮シートのような、薄いシート状の表装材があるが、プラスチック製段ボール(断面がハーモニカ状になっている)等の中空構造板や、中実の合成樹脂製板や鋼板のように、厚さのある板状の表装材がある。勿論、この厚さのある板状物や、種々な積層板の表面に、上記不織布や皮シート、あるいはラミネートフィルムのような薄いシート状物を貼ったり固定したりした表装材も、本発明に係る留め具10が対象としている取付け部30である。
以下に説明する図5及び図6で使用している取付け部30は、プラスチック製段ボール等の中空構造板のように、厚さのある板状の表装材であるが、止め穴31の周囲で留め具10によって少し押し潰すように固定できるものである。
クリップ40は、一般的に使用され市販もされているもので種々なタイプのものがあるが、その基本的な構成要素は、図7〜図9に示すように、何処か(本発明では受け部材10Aの受け部11a上)に係止される頭部41と、この頭部41と一体的な軸42と、この軸42の先に一体化されて、取付け部30の留め孔31内に係合される嵌入部43と、を備えているものである。また、この種のクリップ40は、取付け部30の表面に当接して、嵌入部43のそれ以上の嵌入を阻止するとともに、当接部44を有していることも一般的である。
本発明において使用されるクリップ40では、次に述べていくように、その頭部41は、受け部材10A側への係止だけに使用されるものであり、軸42については、受け部材10A側への挿通だけに使用される部分であるから、その断面形状が四角であっても他の形状であってもよいが、挿入時の方向性が無くなることから、「円」にするのが好ましい。
さて、本発明に係る留め具10を構成している受け部材10Aは、図2に示すように、主として、取付部品20の開口21内に収納される受け部11aと、この受け部11aに形成されて、クリップ40の頭部41を支持している軸42を案内して、頭部41を受け部11a上に配置する長孔15とを備えたものである。この長孔15を受け部材10Aが有している結果、上述したクリップ40の軸42を、嵌入部43が受け部11aの外側になる状態で長孔15内に挿入すると、クリップ40の頭部41は、受け部材10Aの受け部11a上に係止されることになる。なお、この長孔15については、図2の(c)に示すような「丸」と「四角」の組み合わせとしているが、この「丸」部分を、楕円、四角、多角形、あるいは長孔形状に形成して実施してもよい。
つまり、この受け部材10Aには、図5の(a)に示すように、クリップ40が組み付けられることになるのであり、このクリップ40が組み付けられた受け部材10Aを、取付部品20の開口21内に嵌め込んだ後述する蓋部材10Bに対して連結すれば、当該受け部材10Aと後述する蓋部材10Bとからなる留め具10は、クリップ40を取付部品20の開口21に取り付けることになるのである。
一方、本発明に係る留め具10を構成している蓋部材10Bは、取付部品20の開口21内に収納されて受け部材10A上に取り付ける取付部と、この取付部に設けられてクリップ40の頭部41を覆うとともに、取付部品20の表面に当接する蓋部11bと、を備えたものである。この蓋部材10Bの蓋部11bは、図5の(a)に示すように、取付部品20の開口21を覆うものである。
特に、この蓋部材10Bの蓋部11bは、図6の(b)に示すように、取付部品20に形成した開口21を隠してしまうだけでなく、当該蓋部材10Bに受け部材10Aを連結した際には、図6の(a)に示すように、受け部材10A側の受け部11aの外縁とによって開口21にて取付部品20を挟み込むことになるものである。この蓋部11bは、当該蓋部材10Bを構成している前記取付部に設けられてクリップ40の頭部41を覆うとともに、取付部品20の表面に当接するものとしてあるからである。
なお、留め具10の対象である取付け部30がプラスチック製段ボール等の中空構造板のような軟質若しくは潰しが効くものであれば、この蓋部材10Bの蓋部11bの裏面に取付け部30の表面に食い込むことのできる「突起」を形成しておいて、この突起が取付け部30の表面に食い込むようにしながら、蓋部11bを取付け部30の表面に当接されるとよい。
ところで、蓋部材10B側の取付部であるが、この取付部の具体的構成は、取付部品20側に形成した開口21内に収納することができて、当該蓋部材10Bと前述した受け部材10Aとの取付けあるいは連結ができるのであれば何であってもよく、種々考えらるものである。この取付部は、例えば蓋部11bの裏面に突設した複数のピンであって、その先端を上述した受け部材10A側の受け部11aに差し込み係合できるものであってもよいものである。要するに、これらの受け部材10Aと蓋部材10Bとの取付けは、嵌合、螺合、接着、あるいはこれらの組み合わせによって行うことが可能である。
勿論、この蓋部材10B側の取付部は、これに受け部材10Aを容易に連結できるようにしなければならないものであり、連結後にあっては、その連結状態が容易には解除されない必要がある。このような条件を加味すると、当該取付部は、一定方向に突出するピンのような「突出部分」、あるいはこれを係合することのできる「孔」であり、一方受け部材10A側にはこれらに合う「孔」あるいは「突出部分」であるとよい。
後述する請求項3に係る留め具10では、開口21内に収納されて受け部材10A上に取り付ける取付部としては、蓋部11bの下面に形成した第2取付壁12bと、この第2取付壁12bに形成されて、受け部材10A側の第1取付壁12aに突出形成した係合突起14aが係合される孔14bと、によって構成したものとなっているが、これに限られないことは、上述したとおりである。なお、受け部材10Aと蓋部材10Bとを連結すべく、受け部材10A側に形成した係合突起14aを蓋部材10B側に形成し、蓋部材10B側の孔14bを受け部材10A側に形成して実施してもよいことは、言うまでもない。
受け部材10Aと蓋部材10Bとを連結する方法はどのようなものであってもよいが、例えば、受け部材10Aの第1取付け壁12aの先端部に2つの凹凸を形成し、この凹凸と噛み合うように、蓋部材10Bの第2取付け壁12bの先端部にも2つの凹凸を形成する方法がある。この受け部材と蓋部材の凹凸の凸には、凸の先端の隅部が鋭角(45度)に形成されている。受け部材10Aと蓋部材10Bを連結するためには、お互いに凹凸を噛み合せた後に、少し回転させることで、お互いの凸の先端の鋭角がZ字状に噛み合って連結することになる。
以上のように構成した留め具10によって、例えば図1に示すように、表装材等の取付部品20を壁や車体等の取付け部30に、クリップ40を使用して取り付ける際の一般的な方法について、図5及び図6を使用して説明すると次の通りである。
図5の(a)の下側部分にて示すように、まず、クリップ40を受け部材10Aに組み付けるのであるが、それには、嵌入部43が図示下側に突出するようにしながら、クリップ40側の頭部41を長孔15内に開口から挿入(図1中の矢印参照)すればよい。クリップ40の軸42が長孔15の奥にまで挿入されれば、クリップ40の頭部41は、受け部材10Aの受け部11a上に自動的に係止されることになり、当該クリップ40の受け部材10Aに対する係止が完了する。
一方で、図5の(a)の上側部分にて示すように、取付部品20に形成しておいた開口21内に、蓋部材10Bの取付部を収納して、この蓋部材10Bの蓋部11bを取付部品20の表面に当接させる。このとき、既に、取付部品20に形成した開口21は、蓋部材10B側の蓋部11bによって完全に覆われ、取付部品20の表面には何らの孔も現れない状態となる。この取付部品20に形成される開口21は、受け部材10A上に取り付ける取付部を収納するためのものであるから、一個の独立したものであればよく、図12に示したような、大穴51と小穴53とこれらを連結する連結部52とからなる所謂「だるま穴」のような複雑なものにする必要は全くなく、本発明に係る留め具10を採用することによって、加工が非常に簡単なものとなっているだけでなく、後加工も必要がないのである。
そこで、図5の(a)中の実線矢印にて示すように、受け部材10A側の受け部11a上部分を、開口21内の蓋部材10Bの取付部に向けて押し込み、この取付部による受け部材10Aの組み付けを完了させる。これにより、受け部材10A及び蓋部材10Bからなる留め具10は、取付部品20の開口21に取り付けられることになる。このときには、図5の(b)に示すように、取付部品20の開口21内に露出している端部は、受け部材10A側の受け部11aと蓋部材10B側の蓋部11bとによってしっかりと挟み込まれた状態となっており、クリップ40の嵌入部43は、当該取付部品20が取り付けられる先である取付け部30に向けて突出している。なお、このように留め具10によって取り付けられたクリップ40の嵌入部43が突出する箇所は、当該取付部品20について一個であったり、複数であったりすることは言うまでもない。
そこで、図5の(b)中の矢印にて示すように、取付部品20の裏面に突出している各嵌入部43を、取付け部30に形成してある留め孔31内に差し込むのである。各嵌入部43の最大直径は、留め孔31の直径より大きくしてあり、かつこの最大直径部分は例えば図9に示すように縮小可能な形状にしてあるから、各嵌入部43は、留め孔31内に差し込まれた際に縮小するとともに、その当接部44が取付け部30上に当接したとき、全体が元の形状に復帰して留め孔31に対する係止が完了するのである。
以上の結果、図6の(a)に示すように、クリップ40は留め具10によって取付部品20の開口21に対してしっかりと取り付けられるのであり、留め具10を構成している受け部材10Aの受け部11aと、留め具10を構成している蓋部材10Bの蓋部11bとによって挟まれた取付部品20を取付け部30に対して固定することになるのである。なお、留め具10を構成している受け部材10Aの受け部11aについては、取付部品20を確実に受けることができるようにすることを考慮して、図6の(c)に示すように、この受け部11aの周縁に補助受け部11a´を積極的に形成して、当該受け部11aの受け面積を増大させることができる。
そして、この固定状態においても、図6の(b)に示すように、取付部品20側に形成した開口21は蓋部11bによって完全に覆われた状態になり、従来例を示す図12の(b)のような「大穴51」を露出させるようなことは全くないのである。
なお、以上のような、表装材等の取付部品20を壁や車体等の取付け部30に、本発明に係る留め具10を使用し、かつクリップ40を介して取り付ける一般的な方法の他には、次のような方法も考えられる。例えば、受け部材10Aのみを連結したクリップ40の嵌入部43を取付け部30の留め孔31内に挿入することによって、当該クリップ40を介して留め具10の受け部材10Aを取付け部30に取り付けると、取付け部30の表面側には、各受け部材10Aの受け部11a上の、蓋部材10Bが取付らる部分が露出することになる。そこで、これらの受け部材10Aの露出部分を、取付部品20を取付け部30に近づけることによってその各開口21内に挿入して、取付け部30に対する取付部品20の位置決めを行う。最後に、取付部品20の各開口21内に臨んでいる受け部材10Aに向けて、今度は蓋部材10B側の蓋部11b裏面を押し込んで、受け部材10Aと蓋部材10Bとの係止を行うのである。そうすると、受け部材10Aの受け部11aと蓋部材10Bの蓋部11bとの間で挟持された取付部品20は、当該留め具10とクリップ40とによって、取付け部30に連結されるのである。
従って、請求項1に係る留め具10によれば、クリップ40を介して取付部品20を取付け部30に留めることができることは勿論、取付部品の種類や厚さに応じたクリップを用意する必要がなくて常に一般的なクリップを使用でき、取付部品20にクリップ40を係止のための「だるま穴」を形成する必要がなく、しかも、留めが完了した際に、だるま穴を構成していた大穴のような「取付痕」が取付部品20の表面に残らないのである。
上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または2に記載の留め具10について、
「受け部材10Aの受け部11aに、クリップ40の頭部41を囲むとともに、クリップ40の軸42を挿通し得る切欠き13aを有した第1取付壁12aを形成し、蓋部材10Bの蓋部11bに、第1取付壁12aに取り付けられる第2取付壁12bを形成して、これらの第1及び第2取付壁12a・12bによって受け部材10Aと蓋部材10Bとの取り付けを行うようにしたこと」
である。
この請求項3に係る留め具10では、図2に示すように、受け部材10Aの受け部11aに、クリップ40の頭部41を囲むとともに、軸42を挿通し得る切欠き13aを有した第1取付壁12aを形成し、図3に示すように、蓋部材10Bの蓋部11bに、第1取付壁12aに外または内嵌合される第2取付壁12bを形成したものである。これらの第1及び第2取付壁12a・12bによって、図4に示すように、受け部材10Aと蓋部材10Bとの取り付けが行えるようにしたものである。
また、これらの第1及び第2取付壁12a・12bを使用して、受け部材10Aと蓋部材10Bとの取り付けを行うには、図5及び図6に示す方法を例に採って説明すると、次の通りである。蓋部材10Bにおいては、図5の(a)に示すように、その第2取付壁12bによって取付部品20の開口21内に挿入されるのであるから、開口21に対する位置決めが確実になされているだけでなく、当該第2取付壁12bと取付部品20との間の摩擦力によって、当該蓋部材10Bが取付部品20から外れ難い状態となる。勿論、後述するように、第1取付壁12aの外面に係合突起14aを形成し、この係合突起14aが、第2取付壁12bに形成してある孔14b内に係合するようにすれば、当該受け部材10Aに対する蓋部材10Bの固定はよりしっかりと行える。
そこで、受け部材10Aの第1取付壁12aを蓋部材10Bの第2取付壁12bに嵌合すべく、図5の(a)中の実線矢印にて示すようにクリップ40が組みつけられた受け部材10Aを押し込めば、両第1及び第2取付壁12a・12bは、図5の(b)に示すように、互いに嵌合し合うことになる。この場合、受け部材10A側の第1取付壁12aは、蓋部材10B側の第2取付壁12bに外または内嵌合されるものであるから、蓋部材10Bに対する受け部材10Aの位置決めは容易に行えるものとなっている。
嵌合し合った両第1及び第2取付壁12a・12bを互いに連結するには、例えば両者をネジ嵌合し合うようにしたり、両者間を接着剤によって接着する等、種々な方法があるが、後述する実施形態では、第1取付壁12aに突出形成した係合突起14aを、第2取付壁12bに形成した孔14b内に強制的に係合させることによって行うようにしている。
従って、この請求項3に係る留め具10は、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮する他、両第1及び第2取付壁12a・12bの存在によって、蓋部材10Bに対する受け部材10Aの位置決めと、両者間の固定または連結とが確実に行えるものとなっている。
そして、上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1から3のいずれか一項に記載の留め具10について、 「長孔15内に、互いに対向して当該長孔15を狭くするくびれ部15aを一体的に形成する」
である。
この請求項4に係る留め具10については、その受け部材10Aの受け部10aに形成してある長孔15内に、互いに対向するくびれ部15aを一体的に形成したものであるが、これらのくびれ部15aは、図2の(c)に示すように、長孔15の一部を狭くするものである。換言すれば、後述する実施形態における長孔15は、クリップ40の軸42が収納される「丸孔」と、これに連なり軸42の案内道となる「四角孔」とによって構成されるのであるが、これらのくびれ部15aは、上記「丸孔」の手前側に受け部10aから突出した状態で形成されるものであり、これによって、長孔15の丸孔に連なり軸42の案内道となる部分を狭くするのである。
これらのくびれ部15aは、クリップ40の軸42を長孔15内に通す際の邪魔ものとなり得るが、クリップ40の軸42を長孔15内に無理嵌めしてやれば長孔15が開くことから、クリップ40の軸42を長孔15内に挿通するための大きな問題にはならない。これとは逆に、これらのくびれ部15aは、長孔15内に入れられた軸42が長孔15から出るのを阻止するストッパの役割を果たすことになる。
従って、この請求項4に係る留め具10は、上記請求項1から3のいずれか一項のそれと同様な機能を発揮する他、受け部材10Aに組み付けたクリップ40の不用意な脱落を防止することができるものとなっているのである。
以上、説明した通り、本発明においては、
「クリップ40を介して、取付部品20を取付け部30に留めるために、クリップ40の頭部41を保持する受け部材10Aと、この受け部材10Aに取り付けられる蓋部材10Bとからなる留め具10であって、
受け部材10Aが、取付部品20の開口21内に収納される受け部11aと、この受け部11aに形成されて、頭部41を支持している軸42を案内する長孔15と、を備え、
受け部材10Aは、クリップ40の軸42を長孔15に案内した状態で、頭部41に直接当接して、頭部41を単独で保持できるように構成されており、
蓋部材10Bが、取付部品20の開口21内に収納されたときに受け部材10Aを取り付ける取付部と、取付部品20の表面に当接する蓋部11bと、を備えたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、クリップ40を介して取付部品20を取付け部30に留めることができることは勿論、取付部品の種類や厚さに応じたクリップを用意する必要がなくて常に一般的なクリップを使用でき、取付部品20にクリップ30係止のための「だるま穴」を形成する必要がなく、しかも、留めが完了した際に、だるま穴を構成していた大穴のような「取付痕」が取付部品20の表面に残らないようにすることのできる留め具10を提供することができるのである。
特に、本発明に係る留め具10によれば、取付部品20の種類や厚さには無関係に、留め具10を構成している受け部材10Aにクリップ40を取り付けるだけで済み、取付部品20の厚さに応じた軸42を有するクリップ40を選定若しくは用意する必要はないのである。何故なら、クリップ40の軸42は、受け部材10Aの受け部11aに取り付けられるのであるから受け部11aの厚さにのみ制限され、この受け部11aの厚さは取付部品20の厚さとは無関係であるから、クリップ40としては、すでに品質検査が終わっている一般的な市販品を採用するだけで十分だからである。
結果的に、本発明に係る留め具10は、種類や厚さが変わった取付部品20を取付け部30に取り付けるにあたって、クリップ40として、取付部品20の種類や厚さに応じたものを採用すべく、新たに設計したり検査したりする必要性を完全になくすことができるのである。
本発明に係る留め具10と、取付け部30と、これに対してクリップ40を介して取り付けられる取付部品20との位置関係を示す分解斜視図である。 同留め具10を構成してる受け部材10Aを示すもので、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図である。 同留め具10を構成してる蓋部材10Bを示すもので、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 受け部材10Aと蓋部材10Bとを連結させて構成した留め具10の斜視図である。 本発明に係る留め具10を使用し、クリップ40を介して取付部品20を取付け部30に連結する様子を示すもので、(a)は取付部品20に受け部材10Aと蓋部材10Bとを組み付ける様子を示す部分拡大断面図、(b)は留め具10によって取付部品20に組み付けたクリップ40を取付け部30の留め孔31に取り付ける様子を示す部分拡大断面図である。 取付部品20と取付け部30との連結が終わった留め具10を示すもので、(a)は部分拡大断面図、(b)はそのときの蓋部11bを中心にみた取付部品20の部分平面図、(c)は受け部11aの周縁に補助受け部11a´を積極的に形成した場合の部分拡大断面である。 実施形態で採用しているクリップ40の拡大正面図である。 同クリップ40の拡大側面図である。 同クリップ40を示すもので、(a)は立断面図、(b)は嵌入部43における最大直径部の横断面図である。 特許文献1に示された技術を示す斜視図である。 図10の技術を示す側面図である。 特許文献2に示された技術を示すもので、(a)は分解斜視図、(b)は取付完了後の平面図である。
次に、以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態である留め具10について説明すると、図1には、本実施形態に係る留め具10と、取付け部30と、これに対してクリップ40を介して取り付けられる取付部品20との位置関係を示す分解斜視図が示してあり、留め具10は、受け部材10Aと蓋部材10Bとからなるものである。また、これらの受け部材10Aと蓋部材10Bとは、合成樹脂を材料として、個別に一体成形したものである。
本実施形態に係る留め具10を説明する前に、この留め具10に組み込まれるクリップ40や、このクリップ40を介して取付け部30に取り付けられる取付部品20、そして取付け部30について説明すると、まず、クリップ40は、図7〜図9において拡大して示したようなものである。
このクリップ40は、例えば合成樹脂を材料として一体成形されたもので、図7及び図8に示したように、少なくとも、図示上端に一体化された頭部41と、この頭部41の下側に一体化された軸42と、下部の嵌入部43とを備えたものである。頭部41は、後述する受け部材10A側の第1取付壁12a内に収納できる大きさのものであって、第1取付壁12a内の受け部11a上に全面で当接し得る裏面を有したものであり、受け部材10Aの第1取付壁12a側の切欠き13aを通すか傾斜させる等して第1取付壁12a内に収納されるものである。軸42は、受け部材10A側の長孔15の開口及び第1取付壁12a側の切欠き13aを通して、受け部材10A側の長孔15の内奥に係止されるもので、円柱状に形成されるのが一般的である。そして、嵌入部43は、例えば、図6の(a)に示したように、取付け部30の留め孔31内に強制的に挿入されてこの留め孔31にて係止されるものであり、種々な形態のものが考えられている。このようなクリップ40は、特許文献3〜特許文献6においても種々提案されているものであり、本実施形態の留め具10は何れの形式のクリップ40に対しても適用できるものである。
また、本実施形態では、このクリップ40は、図7に示したように、頭部41と軸42との間に当接部44を形成したものであり、この当接部44は、図6の(a)にも示したように、取付部品20が取り付けられるべき取付け部30の留め孔31周囲に当接して、取付時における当該クリップ40の、取付け部30に対する固定を確実にするものである。
以上のようなクリップ40が、本発明に係る留め具10によって組み付けられる取付部品20は、種々な形態のものが対象とあり得るが、留め具10が組み込まれるべき開口21を形成する必要があることから、この開口21が容易に変形しない程度の剛性を有したものが適している。開口21は、後述する受け部材10A側の第1取付壁12aや蓋部材10B側の第2取付壁12b(取付部)が収納できて、蓋部材10B側の蓋部11bによって完全に覆われるのであればどのような形状のものであってもよい。
この取付部品20における開口21については、図12の(a)に示したような大小二連の「だるま穴」にしなくてよく、独立した単独の孔で十分であることが重要である。何故なら、本発明に係る留め具10を採用することによって、この開口21に対するクリップ40の係止を、「だるま穴」でなく単独の独立した孔でできるようにしたからである。
以上の取付部品20が取り付けられる先の取付け部30としては、特に制限がないが、本発明に係る留め具10を使用しながらクリップ40を介して取り付けるために、クリップ40の嵌入部43が挿入して固定されるべき留め孔31は必要である。この留め孔31の形状や数等の仕様は、取付部品20を取り付けるのに最も好適なものとして決定されることは言うまでもない。
さて、本実施形態に係る留め具10は、図2に示した受け部材10Aと、図3に示した蓋部材10Bとからなるものであって、これらの受け部材10Aも蓋部材10Bも、平面視あるいは底面視において円形のものであるが、例えば四角形や三角形、あるいは楕円形等の他の形状のものとして実施してもよい。しかしながら、組み付け時や連結時における方向性の制限が少なくなることから、受け部材10A及び蓋部材10Bの形状を本実施形態におけるような円形にするのが、最も好ましい。
本実施形態に係る受け部材10Aは、図2に示したように、上述した取付部品20の開口21内に収納される受け部11aと、この受け部11aに形成されて、上述したクリップ40の頭部41を支持している軸42を案内して、頭部41を受け部11a上に配置する長孔15と、を備えたことを基本構成とするものである。
当該受け部材10Aの受け部11aは、図2の(a)〜(c)に示したように、外周縁部に傾斜面を形成したものであり、この傾斜面と後述する蓋部材10Bの蓋部11b端縁とによって、図6の(a)に示したように、取付部品20の開口21端部の挟み込みを容易にするための、外側に広がった挟み空間が形成されることになるものである。なお、この受け部11aの、後述する係合突起14aの直下に位置する部分には、図2の(a)および(b)に示したような孔が形成してあるが、この孔は係合突起14aを型成形する場合に使用されるものであって、図2の(c)においては省略してある。
なお、留め具10を構成している受け部材10Aの受け部11aについては、取付部品20を確実に受けることができるようにすることを考慮して、図6の(c)に示すように、この受け部11aの周縁に補助受け部11a´を積極的に形成して、当該受け部11aの受け面積を増大させることができる。
この受け部材10Aの受け部11aには、図2の(c)にも示したように、長孔15が形成してあるが、この長孔15は、上述したクリップ40の頭部41を支持している軸42を案内するものである。この長孔15は、入り口からクリップ40の軸42の挿入ができて、その内奥で軸42の位置決めができれば、長方形状等どのような形状のものであってもよい。本実施形態における長孔15の内奥は、クリップ40の軸42を位置決めできる円形にしてあって、この円の中心は、当該長孔15が形成してある受け部11aの中心と一致するようにしてある。そして、この長孔15の内奥にクリップ40の軸42が挿入されたときには、クリップ40の頭部41が受け部11a上に配置されることになる。
また、本実施形態における長孔15にあっては、図2の(c)にも示したように、当該長孔15の途中部分で隘路を形成するくびれ部15aが、内方に両側から突出するようにしてある。これらのくびれ部15aは、長孔15の内奥に挿入されたクリップ40の軸42の抜け止めを行うものであるが、当該受け部材10Aの受け部11aと同一の合成樹脂材料によって形成したものであるため、軸42が強制的に挿入される際には撓んだり曲がったりして通り抜けを許容し、軸42が長孔15の内奥に挿入されてしまえば元に戻って軸42の抜け止めを果たすものである。
また、本実施形態の受け部材10Aにおいては、その受け部11a上に第1取付壁12aが一体的に形成してある。この第1取付壁12aは、後述する蓋部材10Bの取付場所を確保するとともに、当該受け部材10Aに対する蓋部材10Bの取付位置を規定するものである。勿論、この第1取付壁12aの、上記長孔15に対応する部分には、クリップ40側の頭部41及び軸42を通すために、上下同じ幅の切欠き13aが形成してあるが、この切欠き13aの下側を軸42を通す程度の小幅部分とし、上側を頭部41のために大幅部分として実施してもよい。なお、この切欠き13aには、図4にも示すように、蓋部材10B側のクサビ13bが挿入されることがある。
この第1取付壁12aが蓋部材10Bの取付場所を確保するためには、種々な態様が考えられる。例えば、この第1取付壁12aにネジ部を形成しておき、このネジ部に螺合するネジ部を蓋部材10B側に形成しておくことが考えられるが、この場合には、螺合によって受け部材10Aの径が小さくならないようにすることを考慮して、第1取付壁12aを外側にし、第2取付壁12bを内側にすることがなされる。また、第1取付壁12aが蓋部材10Bの取付場所を確保する他の方法としては、この第1取付壁12aと蓋部材10B側の取付部(例えば第2取付壁12b)とを接着剤で接着したり、あるいは、この第1取付壁12aの上端に、蓋部材10B側の蓋部11bを直接ネジ止めしたりすることがあるが、本実施形態では、この第1取付壁12aの外面に係合突起14aを形成することにしている。
すなわち、この実施形態に係る第1取付壁12aの外面には、図2の(a)及び(b)に示したように、係合突起14aが形成してあるが、この係合突起14aは図2の(c)においては省略した。これらの係合突起14aは、第1取付壁12aに蓋部材10B側の第2取付壁12bが外嵌合されてきたときに、図6の(a)に示したように、第2取付壁12bに形成してある孔14b内に係合するものであり、当該受け部材10Aに対する蓋部材10Bの固定をしっかりと行えるようにするものである。
一方、留め具10を構成する本実施形態に係る蓋部材10Bは、図3に示したように、クリップ40の開口21内に収納されて受け部材10A上に取り付ける取付部と、この取付部に設けられてクリップ40の頭部41を覆うとともに、取付部品20の表面に当接する蓋部11bと、を備えたことがその基本構成である。
この蓋部材10Bにおける取付部は、種々な形態のものとして実施できることは上述したとおりであるが、本実施形態では、この取付部を第2取付壁12bとして具体化してある。この第2取付壁12bは、上記受け部材10A側の第1取付壁12aに対して、外または内嵌合できるようにしたものであり、その上側に、取付部品20の開口21を覆う蓋部11bを一体化したものである。この蓋部11bは、当該留め具10によってクリップ40を支持したとき、図6の(a)に示したように、その頭部41を覆うことになるものであり、図6の(b)に示したように、最終的には、取付部品20の表面に当接して開口21を隠すものである。
また、実施形態の第2取付壁12bには、図3、及び図6の(a)にも示したように、受け部材10A側の係合突起14aが係合する孔14bが形成してあり、この孔14bは、上述したとおり、当該第2取付壁12bに受け部材10A側の第1取付壁12aを嵌合したときに、第1取付壁12aと第2取付壁12bとの連結を行うものである。
上述したように、受け部材10Aと蓋部材10Bとを連結する方法はどのようなものであってもよいが、例えば、受け部材10Aの第1取付け壁12aの先端部に2つの凹凸を形成し、この凹凸と噛み合うように、蓋部材10Bの第2取付け壁12bの先端部にも2つの凹凸を形成する方法がある。この受け部材と蓋部材の凹凸の凸には、凸の先端の隅部が鋭角(45度)に形成されている。受け部材10Aと蓋部材10Bを連結するためには、お互いに凹凸を噛み合せた後に、少し回転させることで、お互いの凸の先端の鋭角がZ字状に噛み合って連結することになるようにするのである。
さらに、本実施形態に係る第2取付壁12bの内面には、図3の(a)〜(c)に示したように、クサビ13bが一体的に形成してあり、このクサビ13bは、当該第2取付壁12bに受け部材10A側の第1取付壁12aを嵌合する際に、第1取付壁12aに形成してある切欠き13aの幅広部分(この部分の図2の(a)の上部端面には面取りが施してある)内に嵌合されることになるものである。受け部11aに長孔15を有する受け部材10Aを、合成樹脂を材料として一体成形した場合、成形後の「収縮」等により長孔15が狭くなることがある。この長孔15が狭くなることによる問題は、次に説明するように、主として2つあるが、このような問題を解決するために、クサビ13bを切欠き13a内に強制的に押し込んで「クサビ効果」を発揮させ、第1取付壁12aや長孔15の内奥を設計通りの形状及び大きさのものとするのである。
この長孔15が狭くなることによる問題は、第一に、留め具10に組み付けられたクリップ40の、作業時における自由度の減少であり、第二に、受け部材10A側の第1取付壁12aと蓋部材10B側の第2取付壁12bとの嵌合時におけるガタ付きの発生である。
第一の問題は、クリップ40を受け部材10Aに組み付けるにあたって、長孔15の内奥を円形にして、その大きさをクリップ40の軸42より大きくしておくことにより、組み付けられたクリップ40が受け部材10Aに対してある程度自由に動き得るようにする場合に発生する。換言すれば、受け部材10Aの成形完了後に、長孔15の幅が設計より狭くなってしまっていると、クリップ40は受け部材10Aに対して自由に動かなくなり、一枚の取付部品20に取り付けた複数個所のクリップ40間の寸法公差内での、当該取付部品20の取付け部30に対する取付作業が困難になるのである。
第二の問題は、第1取付壁12aと第2取付壁12bとを互いに嵌合して、受け部材10Aと蓋部材10Bとの一体化を図るこのより発生する。蓋部材10B側の第2取付壁12bについては、図3の(c)に示したように、閉じた円環であるから、合成樹脂からの成形によっては形状が変化することはないが、受け部材10A側の第1取付壁12aについては、図2の(a)にも示したように、切欠き13aによって部分的に切れた円環のものであるから、当該受け部材10Aの受け部11aに長孔15が形成してあることもあって、その半径が小さくなり得る。そうなると、小さくなった第1取付壁12aに第2取付壁12bを嵌合すると、両者間に隙間が生じて、固定または連結を強固に行えなくなる。
勿論、以上のクサビ13bが切欠き13a内に入るようにすることは、蓋部材10Bに対する受け部材10Aの位置決めを行うことと同意義であり、このクサビ13bによる位置決めを行うことによって、受け部材10A側の係合突起14aと、蓋部材10B側の孔14bとの位置決めも行えることになることを意味している。
以上の結果、留め具10については、
「第2取付壁12bに、第1取付壁12a側の切欠き13a内に入るクサビ13bを一体化する」
という具体策を講じて、上記の第一及び第二の問題が発生しないようにすることができることになる。
また、本実施形態の留め具10については、
「第1取付壁12aまたは第2取付壁12bに係合突起14aを形成し、この係合突起14aが係合する孔14bを第2取付壁12bまたは第1取付壁12aに形成する」
という具体策を講じることによって、受け部材10Aと蓋部材10Bとの一体化をより強固なものとすることができることになる。
さらに、本実施形態の留め具10については、
「長孔15内に、互いに対向して当該長孔15を狭くするくびれ部15aを一体的に形成する」
という具体策を講じることによって、受け部材10Aに組み付けたクリップ40の不用意な脱落を防止することができることになる。
なお、上述した通り、本発明に係る留め具10を構成している受け部材10Aは、取付部品20の開口21内に収納される受け部11aと、この受け部11aに形成されて、クリップ40の頭部41を支持している軸42を案内して、頭部41を受け部11a上に配置する長孔15とを備えたものであるが、この長孔15については、図2の(c)に示すような「丸」と「四角」の組み合わせとしている。この長孔15の「丸」部分は、取付部品20の取付け部30への取付性を良好にするため、及び当該留め具10を合成樹脂製とする場合の「収縮」問題を解決するために、次のようになされることがある。
すなわち、一枚の取付部品20を、複数のクリップ40及び当該留め具10によって、取付け部30への取り付けを行う場合、当該留め具10を合成樹脂製とする場合の「収縮」によって、各クリップ40間の寸法が、取付け部30の既に穿孔されている止め穴31間の寸法と異なっていることがある。また、取付部品20を取付け部30へ固定する際には、留め具10に対してクリップ40が少し動いてくれると、位置調整や固定作業がやり易い。
そこで、長孔15の「丸」部分について、次ように形状が少し異なるものを用意しておくのである。
・基準孔:クリップ40の軸42の直径と同じ真円孔のもの。軸42をガタツキなしで支持できる。
・副基準孔:クリップ40の軸42が入る楕円孔のもの。軸42を長軸方向にだけ動き得るように指示できる。
・一般孔:クリップ40の軸42の直径より大きい直径の真円孔のもの。軸42をあらゆる方向で緩く支持できる。
この場合、楕円孔の副基準孔を形成した留め具10は方向性が生じるため、取付部品20に固定するときに位置決めする必要が生ずるが、これを避けるためには、留め具10の全体形状を長方形形状等にすればよい。これに対して、留め具10が真円である場合、この留め具10を位置決めするためには、留め具10の外側になる蓋部材10Bの第2取付壁12bに外向きの凸起を形成し、蓋部材10Bを挿入する取付部品20に、この凸起に対応する凹部を形成しておけば、受け部材10Aが回転しないように位置決めすることができる。
そして、取付部品20を取付け部30へ固定するには、「基準孔」、「副基準孔」、次いで、「一般孔」を有する順に、該当する留め具10を使用していくのである。このようにすれば、まず「基準孔」によって取付部品20を取付け部30の設計通りの位置へ、「副基準孔」によって取付部品20を取付け部30の誤差範囲内位置に、次いで、「一般孔」によって取付部品20のを取付けを作業性よく行えるのである。
10 留め具
10A 受け部材
10B 蓋部材
11a 受け部
11a´ 補助受け部
11b 蓋部
12a 第1取付壁
12b 第2取付壁
13a 切欠き
13b クサビ
14a 係合突起
14b 孔
15 長孔
15a くびれ部
20 取付部品
21 開口
30 取付け部
31 留め孔
40 クリップ
41 頭部
42 軸
43 嵌入部
44 当接部
51 第1取付部
51a 第1係合部
52 第2取付部
52a 第2係合部
53 収納部

Claims (4)

  1. クリップを介して、取付部品を取付け部に留めるために、前記クリップの頭部を保持する受け部材と、この受け部材に取り付けられる蓋部材とからなる留め具であって、
    前記受け部材が、前記取付部品の開口内に収納される受け部と、この受け部に形成されて、前記頭部を支持している軸を案内する長孔と、を備え、
    前記受け部材は、前記クリップの軸を前記長孔に案内した状態で、前記頭部に直接当接して、当該頭部を単独で保持できるように構成されており、
    前記蓋部材が、前記取付部品の開口内に収納されたときに前記受け部材を取り付ける取付部と、前記取付部品の表面に当接する蓋部と、を備えたことを特徴とする留め具。
  2. クリップを介して、取付部品を取付け部に留めるために、前記クリップの頭部を保持する受け部材と、この受け部材に取り付けられる蓋部材とからなる留め具であって、
    前記受け部材が、前記取付部品の開口内に収納される受け部と、この受け部に形成されて、前記頭部を支持している軸を案内する長孔と、を備え、
    前記受け部材は合成樹脂製であり、前記長孔の幅は、前記クリップの頭部よりも小さく、前記クリップの軸よりも大きくなっており、
    前記蓋部材が、前記取付部品の開口内に収納されたときに前記受け部材を取り付ける取付部と、前記取付部品の表面に当接する蓋部と、を備えたことを特徴とする留め具。
  3. 前記受け部材の受け部に、前記クリップの前記頭部を囲むとともに、前記クリップの前記軸を挿通し得る切欠きを有した第1取付壁を形成し、前記蓋部材の蓋部に、前記第1取付壁に取り付けられる第2取付壁を形成して、これらの第1及び第2取付壁によって前記受け部材と蓋部材との取り付けを行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の留め具。
  4. 前記長孔内に、互いに対向して当該長孔を狭くするくびれ部を一体的に形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の留め具。
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