JP6392276B2 - 車両用シート制御装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、シートクッション(シート)のスライド動作可能なスライド範囲とシートバックのリクライニング動作可能なリクライニング範囲とを規定するマップを備え、同マップに設定されたしきい値に応じてシートクッションのスライド動作及びシートバックのリクライニング動作を制御する制御装置が開示されている。具体的には、例えばシートクッションがスライド範囲における車両前方側にある場合には、車両後方側にある場合よりもリクライニング範囲が大きくなるようにしきい値が設定されており、リアシート等との干渉を避けつつ、各シート要素の動作範囲を大きくしてその利便性の向上が図られている。
図1に示す本実施形態のフロントシート1fは、車両の前部座席に用いられるものである。フロントシート1fは、シートクッション2fと、シートクッション2fの後端部に対して傾動可能に設けられたシートバック3fと、シートバック3fの上端に設けられたヘッドレスト4fとを備えている。車両の床部Flには、車両前後方向に延びる二本のロアレール6fが並列に設けられている。ロアレール6fには、それぞれロアレール6f上を車両前後方向に相対移動可能なアッパレール7fが装着されている。そして、シートクッション2fは、各アッパレール7f上に支持されており、アッパレール7fと一体にロアレール6f上を車両前後方向に相対移動(スライド動作)可能となっている。
フロントシート1fには、上記アクチュエータ11f,12fの作動を制御するフロントECU15fが設けられている。フロントECU15fは、モータM1f,M2fにそれぞれ接続されており、各モータM1f,M2fに対する駆動電力の供給を通じて、各アクチュエータ11f,12fの作動、すなわち各シート要素SE(シートクッション2f、シートバック3f)の動作位置を制御する。そして、フロントECU15fは、各シート要素SEの動作位置の制御を通じてフロントシート1fのシート位置を移動する。
フロントECU15fは、乗員等によるフロント操作スイッチ21fへの入力があった場合には、その入力に応じてフロントシート1fのシート要素SEを位置調整する、すなわちフロントマニュアル動作を行う。また、フロントECU15fの記憶部としてのメモリ31fには、フロントシート1fの所定フロントシート位置が複数記憶(保持)されている。そして、フロントECU15fは、所定フロントシート位置毎に予め決められた所定のフロントオート動作開始条件の成立した場合に、各アクチュエータ11f,12fを制御し、各シート要素SEの動作位置が当該所定フロントシート位置に対応する動作位置となるように自動で位置調整する。すなわち、フロントECU15fは、フロントシート1fを当該所定フロントシート位置に移動するフロントオート動作を行う。
ここで、リアECU15rのメモリ31rには、小空間マップ及び大空間マップが記憶されている。そして、リアECU15rは、リアシート1rの乗員に窮屈な感じを与えることを抑制しつつ、フロントシート1f及びリアシート1rの各乗員の利便性を高めるべく、各マップに基づいてフロントオート動作時のフロントシート1fのシート要素SE及びリアオート動作時のリアシート1rのシート要素の位置調整を制限する。つまり、リアECU15rが制限部として機能する。なお、位置調整の制限は、マップの動作制限範囲内に進入しようとするシート要素SEの動作停止、及びマップの動作制限範囲との境界位置に停止しているシート要素SEによる当該動作制限範囲内への動作開始を許可しないことを含む。
図3に示すように、リアECU15rは、各種センサ及び車内ネットワーク23から各種信号を取得すると(ステップ101)、フロントシート1f及びリアシート1rの各シート要素SEの動作位置に基づいてフロントシート1f及びリアシート1r間の相対距離を算出する(ステップ102)。続いて、フロントシート1f及びリアシート1rが大空間マップ上で動作許可範囲内(境界線B2の内側)にあるか否かを判定し(ステップ103)、動作許可範囲内にない場合には(ステップ103:NO)、リアシート1rへの乗員の着座の有無を判定する(ステップ104)。そして、リアシート1rへの乗員の着座があった場合には(ステップ104:YES)、第2制限信号S_li2を出力し(ステップ105)、フロントシート1f及びリアシート1rが小空間マップ上で動作許可範囲内(境界線B1の内側)にあるか否かを判定する(ステップ106)。なお、大空間マップ上で動作許可範囲内にある場合(ステップ103:YES)、及びリアシート1rへの乗員の着座がない場合には(ステップ104:NO)、ステップ105に移行せずに、ステップ106に移行する。続いて、フロントシート1f及びリアシート1rが小空間マップ上で動作許可範囲内にない場合には(ステップ106:NO)、第1制限信号S_li1を出力する(ステップ107)。第1制限信号S_li1を出力した後、又は小空間マップ上で動作許可範囲内にある場合には(ステップ106:YES)、そのときにリアシート1rのリアオート動作を行っているか否かを判定する(ステップ108)。
図5に示すように、フロントECU15fは、各種センサ及び車内ネットワーク23から各種信号を取得すると(ステップ201)、フロントシート1fのフロントオート動作を行っているか否かを判定する(ステップ202)。フロントオート動作を行っている場合には(ステップ202:YES)、現在の演算周期において制限信号(第1制限信号S_li1及び第2制限信号S_li2の少なくとも一方)の入力がないか否かを判定する(ステップ203)。そして、制限信号の入力があった場合には(ステップ203:NO)、シートクッション2fの後作動及びシートバック3fの後作動を制限し(ステップ204)、フロントオート動作を継続する(ステップ205)。なお、制限信号の入力がない場合には(ステップ203:YES)、ステップ204に移行せずにステップ205に移行する。
(1)フロントECU15fは、リアシート1rに乗員が着座している場合、フロントオート動作によるシートクッション2f及びシートバック3fの後作動をリアシート1rに乗員が着座していない場合に比べて小さく制限するようにした。また、リアECU15rは、リアシート1rに乗員が着座している場合、リアオート動作によるリアシート1rのシートクッション2rの前作動、オットマン5rの上作動及び伸張作動をリアシート1rに乗員が着座していない場合に比べて小さく制限するようにした。そのため、リアシート1rに乗員が着座した状態でフロントシート1f及びリアシート1rの少なくとも一方がオート動作を行った場合に、フロントシート1fとリアシート1rとの間の空間が大きく確保されるため、リアシート1rの乗員に窮屈な感じを与えることを好適に抑制できる。一方、リアシート1rに乗員が着座していない場合には、フロントオート動作によるシートクッション2f及びシートバック3fの後作動が、リアシート1rに乗員が着座している場合に比べて小さく制限されないため、フロントシート1fの乗員の利便性を好適に高めることができる。
・上記実施形態では、小空間マップ及び大空間マップにそれぞれオットマン5rの部分動作許可範囲を1つ設けたが、これに限らず、複数の部分動作許可範囲を設けてもよい。この場合、各部分動作許可範囲は、オットマン5rの傾動範囲を機構上可能な最大範囲の適宜の割合、伸縮範囲を機構上可能な最大範囲の適宜の割合とすることができる。また、部分動作許可範囲を設けず、最大動作許可範囲及び動作制限範囲のみを設けてもよい。
Claims (5)
- 車両前部側のフロントシートの後方向に並んで配置されるリアシートへの乗員の着座を検知する着座検知部と、
駆動源からの駆動力により位置調整が可能な前記フロントシート及び前記リアシートの各シート要素の動作位置を検出する動作位置検出部と、
前記フロントシートの所定フロントシート位置及び前記リアシートの所定リアシート位置を記憶する記憶部と、
所定のフロントオート動作開始条件の成立により前記フロントシートを前記所定フロントシート位置に自動で移動するフロントオート動作、及び所定のリアオート動作開始条件の成立により前記リアシートを前記所定リアシート位置に自動で移動するリアオート動作を行う制御部と、
前記リアシートを車両前方向へ移動させるとき、前記着座検知部により前記リアシートへの乗員の着座が検知された場合、前記動作位置検出部の検出結果に基づいて、前記フロントオート動作による前記フロントシートのシート要素の車両後方向への位置調整及び前記リアオート動作による前記リアシートのシート要素の車両前方向への位置調整の両方を、前記リアシートへの乗員の着座が検知されない場合に比べて小さく制限する制限部と、を備えた車両用シート制御装置。 - 請求項1に記載の車両用シート制御装置において、
前記制御部は、フロント操作部への操作入力に応じて前記フロントシートのシート要素の動作位置を調整するフロントマニュアル動作を行うものであって、
前記制限部は、前記着座検知部により前記リアシートへの乗員の着座が検知された場合でも、前記フロントマニュアル動作による前記フロントシートのシート要素の車両後方向への位置調整を、前記リアシートへの乗員の着座が検知されない場合に比べて小さく制限しない車両用シート制御装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用シート制御装置において、
前記制御部は、リア操作部への操作入力に応じて前記リアシートのシート要素の動作位置を調整するリアマニュアル動作を行うものであって、
前記制限部は、前記着座検知部により前記リアシートへの乗員の着座が検知された場合でも、前記リアマニュアル動作による前記リアシートのシート要素の車両前方向への位置調整を、前記リアシートへの乗員の着座が検知されない場合に比べて小さく制限しない車両用シート制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用シート制御装置において、
前記フロントシートのシート要素は、車両前後方向の変位を含むスライド動作によりスライド位置を調整可能なシートクッション、及び車両前後方向の変位を含むリクライニング動作によりリクライニング位置を調整可能なシートバックを含み、
前記リアシートのシート要素は、車両前後方向の変位を含むスライド動作によりスライド位置を調整可能なシートクッション、及び車両前後方向の変位を含む傾動伸縮動作により傾動伸縮位置を調整可能なオットマンを含む車両用シート制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用シート制御装置において、
前記記憶部は、
前記フロントシートのシート要素を位置調整可能な動作範囲と前記リアシートのシート要素の位置調整可能な動作範囲とを、該フロントシートと該リアシートとの間の空間が小さくなるように設定した小空間マップと、
前記フロントシートのシート要素を位置調整可能な動作範囲と前記リアシートのシート要素の位置調整可能な動作範囲とを、該フロントシートと該リアシートとの間の空間が前記小空間マップよりも大きくなるように設定した大空間マップと、を記憶し、
前記制限部は、
前記着座検知部により前記リアシートへの乗員の着座が検知されない場合には前記小空間マップに基づいて、前記フロントオート動作による前記フロントシートのシート要素の車両後方向への位置調整及び前記リアオート動作による前記リアシートのシート要素の車両前方向への位置調整の少なくとも一方を制限し、
前記着座検知部により前記リアシートへの乗員の着座が検知された場合には前記大空間マップに基づいて、前記フロントオート動作による前記フロントシートのシート要素の車両後方向への位置調整及び前記リアオート動作による前記リアシートのシート要素の車両前方向への位置調整の少なくとも一方を制限する車両用シート制御装置。
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