JP6391155B2 - 絶対角測定装置及び絶対角測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、等周波数間隔多波長レーザー光源(例えばフェムト秒レーザー)をコリメートして得られたパルスレーザー光束を回折格子に入射した際に発生する1次回折光を、レーザー光束用対物レンズで集光した際に、前記対物レンズの後方焦点距離位置に生成されるレーザー集光点像群を絶対角スケールである角度スケールコムとして用いることを特徴する光学式の絶対角測定装置、およびそれを用いた絶対角測定方法に関するものである。
機械加工の自動化・多軸可の進展に伴い、ワークやツールの高精度な姿勢制御がますます重要になってきている。ワークやツールの姿勢を制御するためには、姿勢検出に用いる高精度なセンサが必要不可欠である。特に超精密多軸機械加工においては、工作機械へのツールおよびワークの取り付けおよび調整が容易ではないことが多く、ツールやワークを工作機械に取り付けたまま、すなわち加工機上で容易に測定ができるセンサが好まれる。
従来、例えばワークを搭載するステージの姿勢変動検出には、オートコリメーター、レーザー干渉計などが用いられてきた(例えば,特許文献1または非特許文献1参照)。また、ツールの姿勢検出の例としては、光学式または磁気式のロータリーエンコーダーなどが挙げられる(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、従来の測定手法は、加工機上におけるツールまたはワークの姿勢変動検出に対する要求を充分満たしているとは言い難いのが現状である。例えばオートコリメーターは、0.05角度秒程度の高分解能測定が可能であるが、その測定範囲は±200角度秒程度に制限されており、その適用範囲はステージの運動誤差評価程度に留まる。レーザー干渉計は反射光を光検出器で受ける必要があることから、角度変化が大きい場合には前記光検出器で反射光をとらえることができず、結果としてその測定角度範囲は限られたものとなる。更に、レーザー干渉計は相対位置(角度)を連続して取得し積算することで絶対位置(角度)を得るため、測定途中に光路が遮蔽された場合には絶対位置(姿勢)の情報が失われてしまう。そのため、ツールまたはワークを搭載したステージ群が複雑に構成されている多軸加工機等における姿勢検出には対応できない。
一方、光学式もしくは磁気式のロータリーエンコーダーは、360°の範囲に渡り高い分解能での姿勢検出が可能であり、ツールもしくはワークを搭載する回転ステージ等に適用しやすいが、姿勢を検出したい物体に対して回転軸を精度よく調整してエンコーダスケールを搭載する必要があるなど、その設置に際しては物理的な制限が大きい。特に、測定対象が小型である場合、対象に応じたサイズのエンコーダスケールを用意する必要があるが、小型かつ高精度なロータリエンコーダスケールをその都度用意するのは容易ではない。
このように、あらゆる測定対象物についてその姿勢角を広範囲に渡りかつ精度よく検出するのは容易ではない。その他、水準器などの測定装置も存在するが(例えば非特許文献3参照)、通常は水平からの微小な傾きを検出する目的で用いられるものであり、工作機械のツールもしくはワークの姿勢検出には対応できない。
特開2009−145051号公報
Kunzmannh, Pfeifer T., Flugge J., Scales Vs Laser Interferometers, Performance and Comparison of Two Measuring Systems, Annals of the CIRP,42(2),pp. 753−767 (1993) 崔 成日,高橋 和也,堤 正臣,佐藤 隆太「5軸制御マシニングセンタの傾斜回転軸位置決め精度測定方法の開発 : ロータリーエンコーダーと水準器を使った傾斜計の開発」精密工学会誌 73(9), pp.1040−1045(2007) Akinori N., Takuto O., Taro I., 2010, Trajectory Tracking Control on a Spiral Slope Using Inclination Sensors, Trans. Japan Soc. Mech. Eng., Vol.76, No. 767 (C series), pp.1735−1742
そこで本発明では、等周波数間隔多波長レーザー光源(例えばフェムト秒レーザー)をコリメートして得られたパルスレーザー光束を回折格子に入射し、発生した1次回折光をレーザー光束用対物レンズで集光し、得られたレーザー集光点像群を受光素子で検出するよう光学系を構成する。ここでは、等周波数間隔多波長レーザー光源としてフェムト秒レーザーを仮定して説明する。フェムト秒レーザーは異なる波長を有する光束の重ね合わせによって得られており、発生する1次回折光の回折角度は各波長光束によってそれぞれ異なるものとなる。この1次回折光を集光レンズで集光すると、集光レンズの後方焦点面には、それぞれの波長に応じた位置に集光スポットが生成されることになる。フェムト秒レーザーの周波数は精度良くコントロールされており、ごく安定である。そのため各光束の波長もごく安定しているため、得られる集光スポットの位置もごく安定している。従って、後方焦点面上に得られるレーザー集光点像群は、安定した角度スケールコムとして用いることができる。
これにより、本発明は、高い角度分解能を実現しつつ、広角度範囲に渡る姿勢検出を実現でき、回折光を生成する回折格子はコリメートしたレーザー光束群の光径程度で十分であり、小型の測定対象にも容易に適用可能であるため、前記レーザー集光点像群を絶対角スケールとして用いることを特徴する光学式の絶対角測定装置、およびそれを用いた絶対角測定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光学式の絶対角測定装置は、
等周波数間隔多波長レーザー光源と、
前記等周波数間隔多波長レーザー光源から照射されるレーザー光をコリメートしてコリメート光束を生成するコリメート部と、
前記コリメート光束を入射する回折格子と、
前記回折格子からの1次回折光束を集光する集光レンズと、
前記集光レンズの後方焦点距離位置に配置した受光素子と、
を有する。ここで、前記等周波数間隔多波長レーザー光源はフェムト秒レーザーであってもよい。
また、本発明において、前記コリメート光束は、ファブリ・ペローエタロンを用いて周波数間隔を拡大してもよい。
また、本発明において、前記受光素子は、光電変換により得られる電流を独立して出力することができる少なくとも2つ以上の受光面を有してもよい。
また、本発明において、前記コリメート光束の進行方向を連続的に変化させて前記回折格子への前記レーザー光束の入射を可能とするレーザー走査部を有してもよい。
また、本発明によれば、前記受光素子は、前記集光レンズの光軸に対して垂直方向に振動する機構を有してもよい。
更に、本発明に係る絶対角測定方法は、前述の本発明に係る角度スケールコムを用いた絶対角測定装置を用いて、前記回折格子を搭載した測定対象物の絶対姿勢角を測定する。
本発明によれば、等周波数間隔多波長レーザー光源(例えばフェムト秒レーザー)を測定光として用い、これを、測定対象物に搭載した回折格子に入射した際に発生する1次回折光を対物レンズによって集光した際に、対物レンズの焦点面上に得られるレーザースポット群を角度スケールコムとして用い、回折格子を搭載した測定対象物の絶対姿勢角を取得する。用いるレーザー光源は周波数が高精度に制御されているため、安定したスポット間隔を有するレーザースポット群が得られ、結果として高精度かつ安定した角度スケールコムを用いた光学式の絶対角測定装置、およびそれを用いた絶対角測定方法を提供することができる。
本発明にかかる第一の実施形態で用いる光学系の概略図である。 図1に示す第一の実施形態の光学系における、フェムト秒レーザー光2の強度を、時間領域、周波数領域、および空間周波数領域で見た場合の模式図である。 図1に示す第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5から発生した1次回折光束群6内の光束成分の、波長による回折角度の違いを示す模式図である。 図1に示す第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5から発生した1次回折光束群6内の光束成分を、集光レンズ7で集光した際の、集光レンズ7の後方焦点面16における集光スポットの位置関係を示す模式図である。 図1に示す第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5から発生した1次回折光束群6およびそれを集光レンズ7で集光して得られた集光スポット群17と、相対進行方向を姿勢角θ18だけ変えた1次回折光束群19およびそれを集光レンズ7で集光して得られた、相対位置を変えた集光スポット群20との位置関係を示す模式図である。 図5における受光素子上での集光スポット群17および相対位置を変えた集光スポット群20の位置関係を示す模式図である。 第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5の姿勢変化と、受光素子8の出力変化をシミュレーションにより確認した結果を示すグラフである。 本発明にかかる第二の実施形態で用いる光学系の概略図である。 本発明にかかる第二の実施形態の光学系において、ファブリ・ペローエタロン23を光路上に設置した場合と設置しない場合のそれぞれについて、回折格子5上に入射するコリメート光束3の光強度の、時間領域と、周波数領域と、空間周波数領域における状態を示した模式図である。 第一の実施形態で用いる光学系において、光源としてピコ秒レーザーを用いた場合の、回折格子5の姿勢変化と、受光素子8の出力変化をシミュレーションにより確認した結果を示すグラフである。 本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系の概略図である。 本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系において、異なる角度位置に配置された2つの受光素子で集光スポット群19を捕捉した場合における各々の受光素子の出力の周期PおよびPの違いを示す模式図である。 本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系において、回折角φ29を64°とした場合の受光面A26の出力と、回折角φ30を74°とした場合の受光面B27の出力をシミュレーションにより算出した結果を示すグラフである。 本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系において、異なる角度位置に配置された2つの受光素子で集光スポット群17を捕捉した場合における各受光素子の出力の周期PおよびPの比と、回折格子の姿勢角θとの関係をシミュレーションにより算出した結果を示すグラフである。
本発明にかかる第一の実施形態を、図1から図7を用いて説明する。
図1は、本発明にかかる第一の実施形態で用いる光学系の概略図である。本光学系は、フェムト秒レーザー光源1と、フェムト秒レーザー光源1から照射されるフェムト秒レーザー光2をコリメートしてコリメート光束3を生成するコリメート部4と、コリメート光束3を照射する回折格子5と、回折格子5から発生した1次回折光束群6を集光する集光レンズ7と、集光レンズ7の後方焦点面16(図4参照)に配置した受光素子8と、フェムト秒レーザー光源1のレーザー発振を安定化するための周波数標準9と、被測定物10からなる。回折格子5は、被測定物10に搭載される。
第一の実施形態で用いる光学系における、フェムト秒レーザー光2の性質について、図2を用いて説明する。図2は、図1に示す第一の実施形態の光学系における、フェムト秒レーザー光2の強度を、時間領域、周波数領域および空間周波数領域で見た場合の模式図である。フェムト秒レーザー光2の強度を時間領域で表記すると、図2(a)のようになり、周波数領域で表記すると、図2(b)のようになる。フェムト秒レーザー光2は、周波数が等間隔で並んだ光波成分の位相を制御して重ね合わせることで得られるパルス状のレーザー出力11として表すことができる。周波数領域で見ると、等間隔ピーク群12が得られる。これは櫛歯状に見えることから、光コムと呼ばれている。周波数領域における各々の出力ピークの周波数vは、以下の式で表される。
ここでvrepは出力ピーク間の周波数間隔、vceoはキャリアエンベロープオフセット周波数で、iは整数である。式(1)をもとに、それぞれの周波数を有する光波成分の波長λは、光の速度をcとした場合、以下の式で表される。
式(2)より、フェムト秒レーザー光2は、空間周波数領域においては、不等間隔ピーク群13(図2(c)参照)となることが分かる。本発明では、この性質を利用して、Angle Scale Comb(角度スケールコム)を生成する。
第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5から発生した1次回折光束6の性質について、図3および図4を用いて説明する。図3は、図1に示す第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5から発生した1次回折光束6内の光束成分の、波長による回折角度の違いを示す模式図である。コリメート光束3が回折格子5表面に入射すると、光の波長および回折格子5の格子間隔14(g)に応じた回折角方向に、1次回折光が発生する。いま、回折格子に入射する光波成分の波長をλとすると、回折角βは以下の式で表される。
式(2)と式(3)より、回折角βは以下のようにも表される。
すなわち、式(4)によれば、コリメート光束3は、回折格子5表面に入射すると、異なる回折角βを有する複数の光波に分光され、1次回折光束群6となる。
図4は、図1に示す第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5から発生した1次回折光束群6内の光束成分を、集光レンズ7で集光した際の、集光レンズ7の後方焦点面16における集光スポットの位置関係を示す模式図である。1次回折光束群6中のそれぞれの光波は、波長がそれぞれ異なるコリメート光として扱うことができるため、この1次回折光束群を集光レンズ7に通すと、集光レンズ7の後方焦点距離15(f)だけ離れた集光レンズ7の後方焦点面16に、集光スポット群17が生成されることになる。なお、図4では簡単のため、回折光束を3本だけ記載しているが、実際には多数の回折光束が存在し、かつその回折角の差異は小さいため、集光スポットが重なり合った状態の集光スポット群17が得られることになる。
第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5の姿勢変化と、集光スポット群17の位置との関係を、図5および図6を用いて説明する。図5は、図1に示す第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5から発生した1次回折光束群6およびそれを集光レンズ7で集光して得られた集光スポット群17と、相対進行方向を姿勢角18(θ)だけ変えた1次回折光束群19およびそれを集光レンズ7で集光して得られた(相対位置を変えた)集光スポット群20との位置関係を示す模式図である。いま、被測定物10に対して姿勢角18(θ)が生じたとすると、被測定物10に搭載されている回折格子5にも同様に角度変化が生じる。このとき、1次回折光束群6もその進行方向が姿勢角18(θ)だけ変化することになる。1次回折光束群6は集光レンズ7の後方焦点面16に配置した受光素子8上に集光され集光スポット群17となるが、回折格子5に姿勢角θが与えられた後は、相対進行方向を姿勢角18(θ)だけ変えた1次回折光束群19となり、これが集光レンズ7で集光されることで、結果として受光素子8上においてその相対位置を変えた集光スポット群20が得られることになる。
図6は、図5における受光素子上での集光スポット群17および相対位置を変えた集光スポット群20の位置関係を示す模式図である。姿勢角18(θ)に伴う集光スポット群20の移動を受光素子8の受光面21で捕捉することで、姿勢角18(θ)に応じた受光素子8の出力変化が得られ、結果として姿勢角18(θ)を検出することができる。
第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5の姿勢変化と、受光素子8の出力変化をシミュレーションにより確認した結果を、図7を用いて説明する。図7は、第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5の姿勢変化と、受光素子8の出力変化をシミュレーションにより確認した結果を示すグラフである。コリメート光束3のビーム径Dを3.6mm、集光レンズ7の後方焦点距離fを50mm、回折格子5の格子間隔を1.667μm(600本/mm)とし、フェムト秒レーザー光2の出力ピーク間の周波数間隔vrepを25GHzとして、各出力ピークの周波数vをもとに式(2)から波長λを算出した後、式(3)をもとに回折角βを割り出した。また、以下の式(5)をもとに各ピークのスポット径dを算出した。
式(5)で得られたスポット径に対して、ガウス分布を仮定して各々のスポットの強度分布を算出し、予め算出しておいた回折角βをもとに各々のスポットの強度分布を重ね合わせて得られた集光スポット群17の光強度分布を算出した後、サイズ0.3mm径の受光素子8の受光面21で捕捉される光量の総和を、姿勢角18(θ)を与えながら順次算出した結果が図7中のプロットである。姿勢角18(θ)に応じて周期的に変化する受光素子8の出力変化が得られることが分かる。この出力信号を角度スケールコムとして用いることで、姿勢角18(θ)を割り出すことが可能である。
なお、第一の実施形態で用いる光学系においては、回折格子からの0次回折光によるフェムト秒レーザー光源1の発振の不安定化を防ぐため、図1に示すように、フェムト秒レーザー光源1と回折格子5の間の光路上にアイソレータ22を用いても構わない。
本発明にかかる第二の実施形態を、図8から図9を用いて説明する。図8は、本発明にかかる第二の実施形態で用いる光学系の概略図である。主な構成は、図1に示した第一の実施形態で用いる光学系と同じであるが、第二の実施形態では、コリメート部4と回折格子5の間の光路上に,ファブリ・ペローエタロン23を導入している。その他の構成は、第一の実施形態の光学系と同様である。なお、第二の実施形態で用いる光学系の構成においても、フェムト秒レーザー光源1と回折格子5の間の光路上にアイソレータ22を用いても構わない。
第二の実施形態で用いる光学系における、ファブリ・ペローエタロン23の性質について、図9を用いて説明する。図9は、本発明にかかる第二の実施形態の光学系において、ファブリ・ペローエタロン23を光路上に設置した場合と設置しない場合のそれぞれについて、回折格子5上に入射するコリメート光束3の光強度の、時間領域と、周波数領域と空間周波数領域における状態を示した模式図である。ファブリ・ペローエタロンが無い場合には、コリメート光束のパルス周期24(T)は、フェムト秒レーザー光源1から生成されたフェムト秒レーザー光2のパルス周期と同じである。一方で、ファブリ・ペローエタロンがある場合のコリメート光束のパルス周期25(T)は、フェムト秒レーザー光源1から生成されたフェムト秒レーザー光2のパルス周期よりも短くなる。この周期が短くなったパルスレーザーを、周波数領域および空間周波数領域で観察すると、光コムのピークが間引かれたような状態となる。結果として、受光素子上における集光スポット群17中のスポットが間引かれることになり、姿勢角18(θ)に応じて周期的に変化する受光素子8の出力変化振幅がより大きくなる。ファブリ・ペローエタロン23を変更することで、コリメート光束のパルス周期25(T)を制御できるため、光学系設計の自由度が増す利点がある。
なお、上記第一の実施形態および第二の実施形態では、光源としてフェムト秒レーザー光源を用いているが、例えば他のパルスレーザーであっても同様の光学系を構築可能であることは自明である。レーザー光源としてピコ秒レーザーを仮定して、前述のシミュレーションと同じ条件をもとに、第一の実施形態で用いる光学系における、回折格子5の姿勢変化と、受光素子8の出力変化をシミュレーションにより確認した結果を図10に示す。シミュレーションでは、光路内にFSR(Free Spectral Range)が50GHzであるファブリ・ペローエタロン23を挿入したものとして計算を実施している。姿勢角18(θ)に応じて周期的に変化する受光素子8の出力変化が得られることが分かる。この出力信号を角度スケールコムとして用いることで、姿勢角18(θ)を割り出すことが可能である。
本発明にかかる第三の実施形態を、図11から図12を用いて説明する。図11は、本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系の概略図である。主な構成は、図1に示した第一の実施形態で用いる光学系、および図8に示した第二の実施形態で用いる光学系と同じであるが、第三の実施形態では、受光面A26と受光面B27を持つ受光素子28を用いている。
第三の実施形態で用いる光学系における、受光面A26と受光面B27上において得られる受光素子出力について、図12を用いて説明する。図12は、本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系において、異なる角度位置に配置された2つの受光素子で集光スポット群19を捕捉した場合における各受光素子の出力の周期PおよびPの違いを示す模式図である。図12(a)は、受光面A26を、回折角29(φ)を有する回折光が集光レンズ7によって集光される位置に配置した場合の、回折格子5の姿勢角θと受光面A26の出力との関係を表した模式図である。また、図12(b)は、受光面B27を、回折角30(φB)を有する回折光が集光レンズ7によって集光される位置に配置した場合の、回折格子5の姿勢角18(θ)と受光面B27の出力との関係を表した模式図である。式(3)より、空間周波数領域においては集光スポット群のスポット間隔が不等間隔であるため、回折角29(φ)を有する回折光に対して得られる受光面A26の出力の周期Pと、回折角30(φB)を有する回折光に対して得られる受光面B27の出力の周期Pには、図12に示すように周期差が見られることになる。
実際に、前述の手法と同様に受光素子28の出力変化をシミュレーションにより確認した結果を、図13を用いて説明する。図13は、本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系において、回折角29(φ)を64°とした場合の受光面A26の出力と、回折角30(φB)を74°とした場合の受光面B27の出力をシミュレーションにより算出した結果を示すグラフである。図13(a)は、回折角29(φ)を64°とした場合の受光面A26の出力を算出した結果であり、図13(b)は,回折角30(φB)を74°とした場合の受光面B27の出力を算出した結果である。受光面A26の出力の周期Pは約66角度秒、受光面B27の出力の周期Pは約93角度秒と、回折角29(φ)と回折角30(φB)の間に10°程度の角度差を設定することで、40%程度の周期差を得ることができる。
また、幾何的な関係より、受光面A26の出力の周期Pと受光面B27の出力の周期Pには以下の関係式が成り立つ。
本発明にかかる第三の実施形態で用いる光学系において、異なる角度位置に配置された2つの受光素子で集光スポット群17を捕捉した場合の、各々の受光素子の出力の周期PおよびPの比と、回折格子の姿勢角18(θ)との関係をシミュレーションにより算出した結果を示すグラフを図14に示す。シミュレーションに用いるパラメータとしては、前述のシミュレーションと同じ値を用いた。図14に示すとおり、F(θ)はθの1変数関数で、かつ単調増加関数であるため、受光面A26の出力の周期Pと受光面B27の出力の周期Pとの比を算出することで、θが一意に定まることになり、結果として絶対角度θが得られることになる。
なお、この手法で回折格子の姿勢角θを得る場合には、集光スポット群17と受光素子の間に相対変位を与える必要がある。相対変位を与えるためには、例えば受光素子側を圧電アクチュエータ駆動のステージに搭載し、回折光の拡がり方向に受光素子を微小振幅で往復する方法や、回折格子に入射するコリメート光束に対して、例えばガルバノミラーや音響光学素子等を用いて微小角度変化を与える方法などが考えられる。
本発明によれば、フェムト秒レーザーと回折格子を組み合わせることで、高い安定性かつ高い分解能を有する角度スケールコムを用いることを特徴とする光学式の絶対角測定装置、およびそれを用いた絶対角測定方法を実現することができる。更に,2つの受光素子を用いて角度スケールコムを読み取ることで、回折格子の絶対姿勢角度を得ることができると考えられ、その産業上の利用可能性は高い。
1 フェムト秒レーザー光源
2 フェムト秒レーザー光
3 コリメート光束
4 コリメート部
5 回折格子
6 1次回折光束群
7 集光レンズ
8 受光素子
9 周波数標準
10 被測定物
11 パルス状のレーザー出力
12 等間隔ピーク群
13 不等間隔ピーク群
14 格子間隔g
15 後方焦点距離f
16 後方焦点面
17 集光スポット群
18 姿勢角θ
19 相対進行方向を姿勢角θだけ変えた1次回折光束群
20 相対位置を変えた集光スポット群
21 受光素子の受光面
22 アイソレータ
23 ファブリ・ペローエタロン
24 エタロンが無い場合のコリメート光束のパルス周期T
25 エタロンがある場合のコリメート光束のパルス周期T
26 受光面A
27 受光面B
28 受光素子
29 回折角φA
30 回折角φB

Claims (7)

  1. 等周波数間隔多波長レーザー光源と、
    前記等周波数間隔多波長レーザー光源から照射されるレーザー光をコリメートしてコリメート光束を生成するコリメート部と、
    前記コリメート光束を入射する回折格子と、
    前記回折格子からの1次回折光束を集光する集光レンズと、
    前記集光レンズの後方焦点距離位置に配置した受光素子と、
    を有することを特徴とする光学式の絶対角測定装置。
  2. 前記等周波数間隔多波長レーザー光源はフェムト秒レーザーであることを特徴とする、請求項1記載の絶対角測定装置。
  3. 前記コリメート光束は、ファブリ・ペローエタロンを用いて周波数間隔を拡大したことを特徴とする、請求項1または2に記載の絶対角測定装置。
  4. 前記受光素子は、光電変換により得られる電流を独立して出力することができる少なくとも2つ以上の受光面を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の絶対角測定装置。
  5. 前記コリメート光束の進行方向を連続的に変化させて前記回折格子への前記レーザー光束の入射を可能とするレーザー走査部を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の絶対角測定装置。
  6. 前記受光素子は、前記集光レンズの光軸に対して垂直方向に振動する機構を有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の絶対角測定装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の絶対角測定装置を用いて、前記回折格子を搭載した測定対象物の絶対姿勢角を測定することを特徴とする絶対角測定方法。
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