JP6391046B2 - 廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置及び方法並びに廃棄物焼却灰からの金属回収装置及び方法 - Google Patents

廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置及び方法並びに廃棄物焼却灰からの金属回収装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置及び方法並びに廃棄物焼却灰からの金属回収装置及び方法に関し、特に、廃棄物焼却灰から金、銀等の貴金属類、銅、鉛、亜鉛等の有価金属類の金属製錬原料を回収する装置及び方法並びにこれらの貴金属類、有価金属類を回収する金属回収装置及び方法であって、火格子式焼却炉を用いた廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収技術及び金属回収技術に関する。
廃棄物中には金、銀等の貴金属類、さらには銅、鉛、亜鉛等の有価金属類が含まれている。
しかしながら、一旦焼却処理した焼却灰から、貴金属類や有価金属類を回収することはきわめて困難である。焼却灰に含まれる貴金属類や有価金属類は、その含有量が微量であり、多量の焼却灰から回収するには処理コストが高くつくため、回収処理の実現が阻まれている。したがって、廃棄物焼却灰は有価な資源を含んでいるにもかかわらず投棄されているのが現状である。
本発明者らは、火格子式焼却炉を用いた廃棄物焼却の際に、火格子間の隙間および燃焼用空気の噴出口から火格子下に落下した灰である落塵灰に着目し、その落塵灰の性状を分析した。
<落塵灰分析結果>
火格子式焼却炉で都市ごみを焼却して得られた落塵灰について精細に分析した結果を表1に示す。表1は、金属成分含有率の分析結果の一例であり、落塵灰1ton中の含有量を示している。
Figure 0006391046
表1に見られる分析結果でも明らかなように、落塵灰には高濃度の貴金属類、有価金属類が含まれている。火格子の末端部から排出される主灰と比較して、落塵灰に含まれる銅、鉛の含有率は非常に高く、貴金属類の含有率も鉱石と同等レベルであることが判明した。廃棄物が火格子上を移送されながら焼却される過程において、廃棄物に含まれている金属類が溶融しその溶滴が火格子隙間等から灰とともに落下し落塵灰に含まれることとなる。
このように、火格子の隙間から落下する落塵灰は、火格子の末端部から排出される主灰に比べて発生量は極微量であるが、落塵灰中には金、銀の貴金属類および銅、鉛等の有価金属類が比較的高い含有率で含まれていることがわかった。一方、火格子の末端部から排出され、焼却灰の大部分を占める主灰には、貴金属類や有価金属類の含有率が格段に低いことが判明し、これらの回収は困難であることもわかった。
火格子式焼却炉を用いた廃棄物焼却処理では、古くから、主灰と落塵灰とは分離されることなく、一旦、灰押出し装置や水封コンベア等の同一装置内に集められた後、灰ピットへと搬送されて、そこからトラック等で埋立処分場へと搬出されていた。つまり、主灰と落塵灰とを一緒に混合して処理する方式であった。また、焼却灰中に含まれる金属を回収することも行われていたが、その場合には、灰ピットへ搬送する過程において、例えば、磁気選別機による鉄の回収、アルミ選別機によるアルミニウムの回収等が行われていただけである。
そこで本発明者らは、特許文献1にて開示されているような、貴金属類や有価金属類の含有率が高い落塵灰から貴金属類や有価金属類を回収する方法を提案した。すなわち、火格子を備えた廃棄物焼却炉で廃棄物を焼却する際に、火格子の隙間から落下する落塵灰と火格子の末端部から排出される主灰とを分離して捕集し、この分離捕集された落塵灰について有価金属類の回収を行うこととした。
特開2003−286522
特許文献1によれば、主灰から分離して捕集された落塵灰をそのまま金属製錬装置に送り、公知の金属製錬プロセスにより、貴金属類や有価金属類を回収するとしている(特許文献1、段落[0022])。
落塵灰の主な成分は無機灰分であり、未燃有機物、不燃物等も多く含まれている。このように、特許文献1の方法においても、落塵灰が貴金属類や有価金属類以外の成分を多く含んでいるので、このような落塵灰から貴金属類や有価金属類をより効率よくかつ経済的に回収する技術が要望される。
本発明は、かかる現状に鑑み、廃棄物を焼却する際に生じる落塵灰に含まれている貴金属類や有価金属類を効率良くかつ経済的に回収することができる金属製錬原料回収装置及び方法並びに金属回収装置および方法を提供することを課題としている。
本発明において、火格子式廃棄物焼却炉により廃棄物を焼却する際に、火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する灰を落塵灰と言う。該落塵灰を廃棄物ガス化溶融装置により廃棄物の灰分とともに溶融して生成する溶融金属類を冷却して得る金属類、あるいは上記落塵灰を灰溶融装置により他の灰とともに溶融して生成する溶融金属類を冷却して得る金属類を落塵灰由来金属類と言う。また、火格子式廃棄物焼却炉により廃棄物を焼却する際に、火格子末端部から排出される主灰を廃棄物ガス化溶融装置により廃棄物の灰分とともに溶融して生成する溶融金属類を冷却して得る金属類、あるいは上記主灰を灰溶融装置により他の灰とともに溶融して生成する溶融金属類を冷却して得る金属類を主灰由来金属類と言う。
また、本発明において、貴金属類とは、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムを言い、有価金属類とは、銅、亜鉛、鉛、アルミニウムを言う。
本発明において、上述の課題は、金属製錬原料回収装置に関しては次の第一ないし第六発明により、金属回収装置に関しては第七発明により、金属製錬原料回収方法に関しては第八ないし第十三発明により、金属回収方法に関しては第十四発明により解決される。
[金属製錬原料回収装置]
<第一発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
廃棄物をガス化溶融する廃棄物ガス化溶融装置と、
落塵灰捕集装置から落塵灰を受けてこれを廃棄物ガス化溶融装置へ供給する落塵灰供給装置と、
廃棄物ガス化溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有し、
廃棄物ガス化溶融装置は、廃棄物の供給を受け該廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、上記落塵灰供給装置から落塵灰の供給を受け落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類を排出することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
<第二発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
灰を溶融する灰溶融装置と、
落塵灰捕集装置から落塵灰を受けてこれを灰溶融装置へ供給する落塵灰供給装置と、
灰溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有し、
灰溶融装置は上記落塵灰供給装置からの落塵灰と他の灰の供給を受けてこれらを溶融し、溶融スラグと溶融金属類とを排出することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
この第一発明及び第二発明においては、火格子式廃棄物焼却炉を備える場所から廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰を搬送する落塵灰搬送手段を有することが好ましい。
<第三発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
火格子末端部から排出される主灰を捕集する主灰捕集装置と、
廃棄物をガス化溶融する廃棄物ガス化溶融装置と、
落塵灰捕集装置から落塵灰を受けてこれを廃棄物ガス化溶融装置へ供給する落塵灰供給装置と、
主灰捕集装置から主灰を受けてこれを廃棄物ガス化溶融装置へ供給する主灰供給装置と、
廃棄物ガス化溶融装置へ灰として落塵灰のみを供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有し、
廃棄物ガス化溶融装置は、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、灰として落塵灰供給装置から落塵灰を受け該落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、灰として主灰供給装置から主灰を受け該主灰を溶融し、廃棄物の灰分と主灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行うことを可能としていることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
<第四発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
火格子末端部から排出される主灰を捕集する主灰捕集装置と、
灰を溶融する灰溶融装置と、
落塵灰捕集装置から落塵灰を受けてこれを灰溶融装置へ供給する落塵灰供給装置と、
主灰捕集装置から主灰を受けてこれを灰溶融装置へ供給する主灰供給装置と、
灰溶融装置へ落塵灰と、主灰を含まない他の灰を供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有し、
灰溶融装置は、落塵灰供給装置から落塵灰を受けるとともに主灰を含まない他の灰を受け該落塵灰そして他の灰を溶融し、落塵灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、主灰供給装置から主灰を受けるとともに落塵灰を含まない他の灰を受け該主灰そして他の灰を溶融し、主灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行うことを可能としていることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
この第三発明及び第四発明においては、火格子式廃棄物焼却炉を備える場所から廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰を搬送する落塵灰搬送手段と主灰を搬送する主灰搬送手段とを有することが好ましい。
<第五発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
落塵灰捕集装置から落塵灰の供給を受け落塵灰中の未燃分を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融し溶融スラグと溶融金属類を排出するガス化溶融装置と、
ガス化溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
<第六発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
落塵灰捕集装置から落塵灰の供給を受け落塵灰を溶融し溶融スラグと溶融金属類を排出する灰溶融装置と、
灰溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
この第五発明及び第六発明において、火格子式廃棄物焼却炉を備える場所からガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰を搬送する落塵灰搬送手段を有することが好ましい。
[金属回収装置]
<第七発明>
第一発明ないし第六発明のうちの一つの廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置と、
該金属製錬原料回収装置により回収された金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を受けて貴金属類及び有価金属類のうち少なくとも一つを製錬する金属製錬装置とを有することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属回収装置。
[金属製錬原料回収方法]
<第八発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
捕集された落塵灰を廃棄物ガス化溶融装置へ供給し、
廃棄物ガス化溶融装置で、廃棄物の供給を受け該廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、落塵灰の供給を受け落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類を排出し、
廃棄物ガス化溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
<第九発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
捕集された落塵灰を灰溶融装置へ供給し、
灰溶融装置で、落塵灰と他の灰の供給を受けてこれらを溶融し、落塵灰と他の灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出し、
灰溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
この第八発明及び第九発明においては、火格子式廃棄物焼却炉を備える場所から廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰を搬送することが好ましい。
<第十発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
火格子末端部から排出される主灰を捕集し、
落塵灰を廃棄物ガス化溶融装置へ供給し、
主灰を廃棄物ガス化溶融装置へ供給し、
廃棄物ガス化溶融装置で、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、落塵灰の供給を受け該落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、主灰の供給を受け該主灰を溶融し、廃棄物の灰分と主灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行い、
落塵灰供給運転を行い廃棄物ガス化溶融装置へ灰として落塵灰のみを供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
<第十一発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
火格子末端部から排出される主灰を捕集し、
落塵灰を灰溶融装置へ供給し、
主灰を灰溶融装置へ供給し、
灰溶融装置で、落塵灰を受けるとともに主灰を含まない他の灰を受け該落塵灰そして他の灰を溶融し、落塵灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、主灰を受けるとともに落塵灰を含まない他の灰を受け該主灰そして他の灰を溶融し、主灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行い、
落塵灰供給運転を行い灰溶融装置へ落塵灰と主灰を含まない他の灰を供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
この第十発明及び第十一発明においては、火格子式廃棄物焼却炉を備える場所から廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰と主灰を搬送することが好ましい。
<第十二発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
落塵灰をガス化溶融装置へ供給し、
ガス化溶融装置で、落塵灰の供給を受け落塵灰中の未燃分を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融し溶融スラグと溶融金属類を排出し、
ガス化溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
<第十三発明>
火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
落塵灰を灰溶融装置へ供給し、
灰溶融装置で、落塵灰の供給を受けてこれを溶融し、溶融スラグと溶融金属類とを排出し、
灰溶融装置から排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
この第十二発明及び第十三発明においては、火格子式廃棄物焼却炉を備える場所からガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰を搬送することが好ましい。
[金属回収方法]
<第十四発明>
第八ないし第十三発明のうちの一つの廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法に加え、回収された金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を受けて貴金属類及び有価金属類のうち少なくとも一つを製錬することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属回収方法。
本発明は以上のように、貴金属類や有価金属類を主灰に比し多く含んでいる、廃棄物焼却炉の火格子からの落塵灰を捕集し、この落塵灰を廃棄物ガス化溶融装置の廃棄物ガス化溶融炉にて、廃棄物を熱分解して生じる灰分とともに溶融し、廃棄物ガス化溶融炉から排出される溶融スラグと溶融金属類を冷却し、スラグを分離して落塵灰由来金属類を得て、落塵灰由来金属類を金属製錬原料として回収することとしたので、次のような効果を奏する。
(1)廃棄物ガス化溶融炉で落塵灰中の未燃有機物が燃焼され、灰分と不燃物(陶磁器片、ガラス片等)は溶融してスラグに移行するため、落塵灰を溶融して生成する溶融金属類を冷却して得る落塵灰由来金属類は、貴金属類や有価金属類の含有率が高くなり品位が上昇して、金属製錬原料として高価値であり、販売価格が高くなる。
(2)落塵灰に含まれていた亜鉛、鉛が揮発し排ガスとともに廃棄物ガス化溶融炉の炉外へ排出されるため、落塵灰由来金属類には、銅の製錬時に忌避物質となる亜鉛、鉛の含有率が低くなり、銅製錬原料としての価値が高くなる。
(3)落塵灰から揮発した亜鉛、鉛は、気体状態から固化しダストに付着して溶融飛灰に移行することとなり、廃棄物ガス化溶融炉の後流に設けられた集塵機で捕集された溶融飛灰中の亜鉛、鉛の含有率が高くなり、溶融飛灰を亜鉛、鉛の製錬原料として山元還元する際に価値が高くなる。
(4)このように落塵灰を、廃棄物を熱分解して生じる灰分とともに溶融し冷却して得る落塵灰由来金属類を用いて、貴金属類や有価金属類の製錬原料として資源化することにより、落塵灰をそのまま資源化することに比べて、貴金属類や有価金属類を濃縮していることになり、金属製錬原料としての価値が高くなり資源化業者に売却する際の収益が向上する。また、廃棄物焼却処理における貴金属類や有価金属類の回収、資源化において、全体的にCO排出量を削減することができる。
また、落塵灰を灰溶融装置にて、他の灰とともに溶融し炉から排出される溶融スラグと溶融金属類を冷却し、スラグを分離して落塵灰由来金属類を得て、落塵灰由来金属類を金属製錬原料として回収することとしたので、上記と同様の効果を奏することができる。
また、落塵灰だけをガス化溶融装置又は灰溶融装置にて溶融し、炉から排出される溶融スラグと溶融金属類を冷却し、スラグを分離して落塵灰由来金属類を得て、落塵灰由来金属類を金属製錬原料として回収することとする場合には、落塵灰だけを溶融して得られる落塵灰由来金属類は貴金属類や有価金属類の含有率が極めて高く、上記の効果をより高めて奏することができる。
本発明装置の全体構成概要図である。 本発明の一実施形態に係る廃棄物焼却炉および廃棄物ガス化溶融炉を用い他装置との接続関係を示す構成図である。 廃棄物焼却炉の火格子の構成を示す斜視図である。
図1にもとづき、本発明の一実施形態の廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置及び金属回収装置についてその概要構成を説明する。本実施形態では、複数の火格子式廃棄物焼却炉から捕集される落塵灰をまとめて処理して金属製錬装置へ供給できるようになっている。
図1では、図示された三基の火格子式廃棄物焼却炉Iのそれぞれに落塵灰捕集装置IIAが接続されており、各落塵灰捕集装置IIAから落塵灰を集めて一つの落塵灰供給装置IIIによって廃棄物ガス化溶融装置IVの廃棄物ガス化溶融炉(もしくは灰溶融装置IVの灰溶融炉)に送り、該廃棄物ガス化溶融装置IVの廃棄物ガス化溶融炉(もしくは灰溶融装置IVの灰溶融炉)で落塵灰を溶融して溶融金属類を排出し、落塵灰由来金属類回収装置Vで溶融金属類を冷却し金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得た後、得られた落塵灰由来金属類を金属製錬装置VIで製錬して、貴金属類そして有価金属類を得るように各装置が接続されている。廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置は、火格子式廃棄物焼却炉I、落塵灰捕集装置IIA、落塵灰供給装置III、廃棄物ガス化溶融装置IVの廃棄物ガス化溶融炉(もしくは灰溶融装置IVの灰溶融炉)及び落塵灰由来金属類回収装置Vにより構成され、廃棄物焼却灰からの金属回収装置は、金属製錬原料回収装置にさらに金属製錬装置VIが加わって構成される。
以下、図1における各構成装置について、図2にもとづき説明する。図2に示される本実施形態の廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置は、火格子式廃棄物焼却炉I、これに接続され落塵灰捕集装置IIAと主灰捕集装置IIBから成る灰捕集装置II、灰供給装置III、廃棄物ガス化溶融装置IVそして落塵灰由来金属類回収装置Vを有しており、廃棄物焼却灰からの金属回収装置は、金属製錬原料回収装置にさらに金属製錬装置VIを有しており、各装置は次のごとくになっている。
火格子式廃棄物焼却炉から捕集された落塵灰A1は、廃棄物ガス化溶融装置IVの廃棄物ガス化溶融炉に送られ、ここで廃棄物とともに供給され、廃棄物の灰分とともに溶融され、溶融金属類と溶融スラグが排出され、冷却された後、金属類とスラグとが選別分離され、落塵灰由来金属類は金属製錬原料として回収され、さらに金属製錬装置VIに供給され、落塵灰A1から貴金属類、有価金属類が回収される。
<火格子式廃棄物焼却炉>
火格子式廃棄物焼却炉Iは、火格子上に供給された廃棄物が火格子上を移送されながら焼却される炉である。すなわち、投入ホッパ11より投入された廃棄物Wは給塵装置12によって焼却炉本体13の火格子14上に連続的に供給され、火格子14上を移送されている間に燃焼・灰化される。
投入ホッパ11から投入された廃棄物Wは、まず火格子14上の乾燥領域において、火格子14の下方から吹き込まれる燃焼用空気(図中矢印で示す)と炉内の輻射熱によって乾燥されながら昇温して着火し、ついで燃焼領域に移送されて燃焼され、さらに後燃焼領域に移送されて灰化される。このようにして燃焼・灰化された廃棄物Wの焼却灰の大部分(主灰)は火格子14の後流側末端部の灰排出部15から排出され、この主灰A2は、灰排出部15から排出されて後述の主灰捕集装置IIBによって捕集される。
火格子14は、図3に示すように、固定火格子14Aとこれに対して上流側(図にて左側)そして下流側(図にて右側)に配された可動火格子14B,14Cを炉床に対して所定の上向き角度で傾斜させて炉長方向に交互に重ね合わせた構成となっている。固定火格子14Aおよび可動火格子14B,14Cは、それぞれ前面(後流側端面)に燃焼用空気の噴出口17が形成されていて、該噴出口17から空気が炉内に向け噴出されている。
上記固定火格子14Aは、固定ガーダ16Aにより炉床に固定されており、前後の可動火格子14B,14Cは山形状の可動ガーダ16B,16Cに結合されて炉床に摺動自在に支持されており、この可動ガーダ16B,16Cを油圧シリンダ(図示せず)により駆動することによって可動火格子14B,14Cを傾斜方向に往復運動させる構成となっている。上記可動火格子14B,14Cを傾斜方向に往復運動させることによって、廃棄物Wや焼却灰を反転・攪拌しながら下流へ移送する。
<落塵灰捕集装置>
火格子14の直下にホッパ21が設けられ、このホッパ21は火格子14下から燃焼用空気(図中矢印で示す)を吹き込むための風箱を兼ねており、炉長方向(図にて左右方向)に複数に分割して設けられている。落塵灰捕集装置IIAはこのホッパ21を有し、火格子14の隙間および燃焼用空気の噴出口17(図3参照)から図2で白抜き矢印で示すように落下する落塵灰A1がこのホッパ21により捕集・貯留されるようになっている。該ホッパ21は、図示の例では4基設けられており、各ホッパ21はその下部にダンパ22が設けられている。さらに、全ホッパ21の下部には落塵灰A1を落塵灰貯留槽23へ搬送するための搬送コンベア24が設けられている。搬送コンベア24はスクレーパコンベアやスクリューコンベアなどとすることができる。
廃棄物Wは、火格子14上で移送されながら焼却される過程において、火格子14の隙間および燃焼用空気の噴出口17から落塵灰A1が落下する。廃棄物Wが焼却される過程で廃棄物Wに含まれている金属類が溶融し、その溶滴が焼却灰の下層へ滴下していき、火格子14の燃焼用空気の噴出口17や火格子隙間から灰と共に落下し、落塵灰A1に金属類が含まれることとなる。落下した落塵灰A1は、火格子14の直下のホッパ21内に貯留される。落塵灰捕集装置IIAのホッパ21に落下し貯留された落塵灰A1は、ダンパ22が開くことで搬送コンベア24上に落とされ、該搬送コンベア24により落塵灰貯留槽23に搬送され貯留される。なお、火格子の領域毎に落塵灰に含まれる貴金属類や有価金属類の含有率に差がある場合には、高い含有率となる領域からの落塵灰を他領域の落塵灰と分離して捕集してもよい。すなわち、例えば乾燥領域と燃焼領域の火格子からの落塵灰を後燃焼領域の火格子からの落塵灰と分離捕集してもよい。
上記火格子14の気孔率は、火格子の燃焼用空気噴射口の開口面積総和の火格子炉床全面積に対する比率であるが、2%以上で7%以下が望ましく、気孔率をこのように設定することで有価金属類等を経済的に回収することができる。気孔率が2%より小さいと落塵灰の発生量が著しく少なくなり、有価金属類の含有量も少なくなるので、有価金属類のほとんどが主灰に含まれるようになってしまい、また、気孔率が7%より大きいと落塵灰の発生量が多くなり、有価金属類の含有率が低くなるので、落塵灰から金属回収を行うことによる効果が小さくなってしまうからである。
<主灰捕集装置>
主灰捕集装置IIBは、廃棄物焼却炉Iの灰排出部15の下方に位置して主灰A2の落下を受けて該主灰A2を例えば水封式で冷却処理する主灰冷却処理装置25と、該主灰冷却処理装置25から主灰を受けて貯留する主灰貯留槽26とを有している。廃棄物焼却炉Iの灰排出部15から排出された主灰A2は、水封式の主灰冷却処理装置25に投入され、適宜主灰A2の冷却処理が行われ、その後、プッシャー等の灰出し装置(図示せず)により主灰冷却処理装置25から主灰A2が排出され、主灰貯留槽26へ搬送され、貯留される。かくして、落塵灰A1は落塵灰貯留槽23、主灰A2は主灰貯留槽26に貯留される。
<落塵灰搬送手段、主灰搬送手段>
本実施形態では、落塵灰貯留槽23には落塵灰搬送手段71、主灰貯留槽26には主灰搬送手段72が接続されて設けられており、落塵灰A1そして主灰A2をそれぞれ後述の廃棄物ガス化溶融装置IVにもち込まれるようになっている。これらの落塵灰搬送手段71そして主灰搬送手段72は、廃棄物焼却炉Iと廃棄物ガス化溶融装置IVの両者が同一敷地にあって近接して設けられているときには、搬送コンベアとして両者を結んでもよく、遠隔にあるときには、トラック等の運搬手段を用いてもよい。また、落塵灰搬送手段71そして主灰搬送手段72は、本発明では必須ではなく、落塵灰A1そして主灰A2がそれぞれ直接に、又は別の手段により廃棄物ガス化溶融装置IVに供給されるようになっていてもよい。
落塵灰貯留槽23に収容された落塵灰A1は、後述の廃棄物ガス化溶融装置IVの廃棄物ガス化溶融炉に送られ、ここで廃棄物とともに供給され、廃棄物の灰分とともに溶融され、溶融金属類と溶融スラグが排出され、冷却された後、金属類とスラグとが選別分離され、落塵灰由来金属類は金属製錬原料として後述の金属製錬装置VIに供給され、落塵灰A1から貴金属類、有価金属類が回収される。
<廃棄物ガス化溶融装置>
本発明の実施形態に用いる廃棄物ガス化溶融装置IVは、廃棄物と落塵灰と主灰を処理対象物として供給し、廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、廃棄物の灰分と落塵灰、または、廃棄物の灰分と主灰を溶融するシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉40と、その周辺装置とを備えている。
廃棄物ガス化溶融炉において、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、捕集された落塵灰の供給を受け該落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、捕集された主灰の供給を受け該主灰を溶融し、廃棄物の灰分と主灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行う。この廃棄物ガス化溶融装置IVに用いられるシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉40の概要構成とその周辺装置について説明する。
本発明の一実施形態に用いるシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉40には、該廃棄物ガス化溶融炉40の炉上部に、処理対象物としての廃棄物と落塵灰又は主灰、燃料としてのコークス、生成されるスラグの成分調整材としての石灰石を炉内へ投入するための投入口40Aが設けられ、また、上部側方には炉内のガスを炉外へ排出するためのガス排出口40Bが設けられている。また、廃棄物ガス化溶融炉40の炉底部には溶融スラグと溶融金属類を排出するための出滓口40Cが設けられている。
廃棄物ガス化溶融炉40の上方には、都市ごみ等の廃棄物、コークス、石灰石をそれぞれ供給する廃棄物供給装置41A、コークス供給装置41B、石灰石供給装置41C、落塵灰と主灰とを切り替えて供給する灰供給装置41Dが配設されており、それぞれの供給装置41B〜41Dから供給されたコークス、石灰石、落塵灰又は主灰の灰は搬送コンベア(図示せず)により搬送され、廃棄物供給装置41Aからの廃棄物とともに炉上部の上記投入口40Aから炉内に投入される。
灰供給装置41Dは、落塵灰ホッパと主灰ホッパ(ともに図示せず)とを有し、火格子式廃棄物焼却炉Iから落塵灰捕集装置IIAにより捕集され落塵灰搬送手段71により搬送された落塵灰と、主灰捕集装置IIBにより捕集され主灰搬送手段72により搬送された主灰とが、それぞれ落塵灰ホッパと主灰ホッパに供給される。落塵灰ホッパと主灰ホッパの下方にはバルブ又はダンパが設けられ、その開閉により落塵灰と主灰とを切り替えて搬送コンベアに供給し廃棄物ガス化溶融炉に供給するようになっている。
ガス排出口40Bには二次燃焼室42が接続して設けられており、廃棄物を熱分解して生成した可燃性ガスを燃焼する。該二次燃焼室42は、二次燃焼のための空気を吹き込む空気送風口42Aが設けられている。また、この二次燃焼室42には、該二次燃焼室42で可燃性ガスを燃焼した燃焼ガスから熱回収するボイラ42Cが隣接して設けられている。
上記ボイラ42Cには、熱回収後にボイラ42Cから排出される排出ガスを冷却する減温塔43Aと排ガス中の飛灰を除去する集塵機43Bとが順に接続され、減温塔43Aから集塵機43Bへ排ガスを導く導管には排ガスから有害物質を除去して該排ガスを無害化する有害物質除去装置43Cが接続されている。上記減温塔43Aでは、排ガスに冷却水を噴霧して排ガスを有害物質除去装置43Cで処理するのに適切な温度としている。有害物質除去装置43Cは排ガス中の酸性ガスを中和するための粉末アルカリ剤、ダイオキシン類等の有害物質を吸着する活性炭吸着剤を上記導管内へ噴霧する。また、集塵機43Bは、種々の集塵形式が適用できるが、例えばバグフィルタ等が用いられ、排ガス中の飛灰、粉末アルカリ剤反応生成物、活性炭吸着剤が捕集されて、無害化された排ガスが排出される。集塵機43Bには、該集塵機43Bで飛灰等が除去され無害化された排ガスが送風機61を介して煙突62に接続されて、大気へ放出されるようになっている。
上記集塵機43Bには、排ガスから除去された飛灰等を受けてこの飛灰等に対して重金属溶出抑制処理等を施して無害化処理する飛灰処理装置44Aと、無害化された飛灰を貯留する飛灰貯留槽44Bが順に接続されている。飛灰貯留装置44Bに貯留された飛灰を山元還元として金属製錬装置52に供給して亜鉛、鉛などの有価金属類を回収するようになっている。
一方、シャフト炉式の廃棄物ガス化溶融炉40は、炉内の内部空間が縦方向で四つの領域に区分されていて、下方から、コークス充填層A、移動層B、ガス化層C、フリーボード部Dが形成される。
かかる廃棄物ガス化溶融炉40では、上記コークス充填層Aに主羽口40Dそしてガス化層Cに副羽口40Eがそれぞれ設けられていて酸素含有ガスの炉内への吹込みが行われる。炉下部におけるコークス充填層Aに設けられた主羽口40Dから酸素富化空気が吹き込まれ、ガス化層Cに設けられた副羽口40Eからは空気が吹き込まれる。
このような主羽口40Dそして副羽口40Eを有する廃棄物ガス化溶融炉40内にコークスが投入されると、このコークスが炉下部に下降し、主羽口40Dから吹き込まれる酸素富化空気によりコークスが燃焼し、発生する高温の燃焼ガスが廃棄物の熱分解の熱源となり、さらに、灰分を溶融する熱源となる。また、ガス化層Cには、副羽口40Eから空気が吹き込まれ、廃棄物を乾燥し、次いで熱分解および部分酸化させ可燃分をガス化する。
上記ガス化層Cより上方の空間で形成されるフリーボード部Dでは、廃棄物が熱分解されて生成した熱分解ガス(可燃性ガス)の一部を部分燃焼させて炉内部を所定温度に維持する。
<落塵灰由来金属類回収装置>
落塵灰由来金属類回収装置Vは以下に記載する水砕水槽、選別装置及び落塵灰由来金属類貯留槽を有する。廃棄物ガス化溶融炉40の下部に設けられた出滓口40Cには、その下方に位置する水砕水槽45が接続されている。該水砕水槽45は水槽底部から斜めに上昇する搬送部(図示せず)を有し、その上端からは排出筒が垂下していて、出滓口40Cから落下する溶融スラグと溶融金属類を水砕水で冷却し粒化し、粒化したスラグと金属類は搬送部により搬送され、排出筒から落下排出される。
上記水砕水槽45の排出筒の下方には、金属類とスラグとを分離選別する選別装置46が配されている。該選別装置46は、その形式に限定はないが、例えば浮力、磁力を用いた形式のものを用いることできる。
上記選別装置46には、スラグを貯留するスラグ貯留槽47、落塵灰由来金属貯留槽48そして主灰由来金属貯留槽49が接続されている。上述のように選別装置46では、金属類とスラグとが選別されるので、金属類は落塵灰由来金属類貯留槽48もしくは主灰由来金属類貯留槽49に貯留され、スラグはスラグ貯留槽47に貯留される。
上記溶融金属類を冷却して生成した金属に関しては、廃棄物ガス化溶融炉40の上部に設けられた灰供給装置41Dが、既述のように落塵灰の供給と主灰の供給とを切り替えて運転されることに対応して、落塵灰の供給がなされている期間はこれに対応して選別装置46が落塵灰由来金属類をスラグと分離選別するので、これを落塵灰由来金属類貯留槽48に貯留し、主灰の供給がなされている期間は選別装置46からの主灰由来金属類を主灰由来金属類貯留槽49に貯留する。
<金属製錬装置>
金属製錬装置VIは落塵灰由来金属類製錬装置51を有していて、上記落塵灰由来金属類貯留槽48に貯留された落塵灰由来金属類が落塵灰由来金属類製錬装置51へ供給され、落塵灰由来金属類を製錬原料として貴金属類及び有価金属類を回収するようになっている。廃棄物ガス化溶融装置IVを運用する事業者から金属製錬装置VIを運用する金属製錬事業者等へ落塵灰由来金属類を製錬原料として販売するように取引することもできる。
また、飛灰貯留装置44Bに貯留された飛灰を山元還元として金属製錬装置52に供給して亜鉛、鉛などの有価金属類を回収するようになっている。
<廃棄物ガス化溶融処理と灰供給の方法>
このような廃棄物ガス化溶融炉40では、火格子式廃棄物焼却炉Iに接続された落塵灰貯留装置23から落塵灰が、主灰貯留槽26から主灰が、それぞれ落塵灰搬送手段71そして主灰搬送手段72により廃棄物ガス化溶融炉40の灰供給装置41Dへ搬送され、該灰供給装置41Dの切り換えのもとで、廃棄物ガス化溶融炉40の炉内へ投入される。
廃棄物ガス化溶融炉40において、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、捕集された落塵灰の供給を受け該落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、捕集された主灰の供給を受け該主灰を溶融し、廃棄物の灰分と主灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とが切り替えて行われる。
廃棄物ガス化溶融炉では、各供給装置41A〜41Dからの廃棄物、コークスおよび石灰石そして落塵灰又は主灰がガス化溶融炉40の上部に設けられた投入口40Aを経て、それぞれ所定量ずつ炉内へ投入される。灰供給装置41Dにより落塵灰を供給する代わりに、廃棄物を貯留する廃棄物ピットに落塵灰を投入し、廃棄物ピットから廃棄物とともに落塵灰をクレーン等により廃棄物供給装置41Aに供給し、落塵灰を廃棄物とともにガス化溶融炉40に投入するようにすることもできる。主羽口40Dから酸素富化空気が、副羽口40Eから空気が炉内へ吹き込まれる。
炉内に投入されたコークスは炉下部に下降し、コークスが主羽口40Dから吹き込まれる酸素富化空気によって燃焼し、廃棄物の灰分と落塵灰又は主灰とを溶融する熱源を提供するとともに、発生した高温の燃焼ガスを上昇させ廃棄物の熱分解のために加熱する熱源を提供する。
上記投入口40Aから投入された廃棄物は、炉内に堆積して廃棄物のガス化層Cを形成し、炉下部のコークス充填層Aから移動層Bを通過し上昇してくる高温の燃焼ガスおよび副羽口40Eから吹き込まれる空気によって加熱され、乾燥され、次いで熱分解される。熱分解により生成した可燃性ガスを含む燃焼ガスは上昇し、可燃性ガスの一部がフリーボード部Dにて燃焼され、炉内部を所定温度に維持し、熱分解により発生した有害物とタール分を分解させる処理が施されるように用いられる。フリーボード部Dを通過したガスは炉上部に設けられたガス排出口40Bより、炉外の二次燃焼室42へ排出される。ガスは可燃性ガスを多量に含んでいて二次燃焼室42で燃焼され、ボイラ42Cで熱回収され蒸気を発生させその蒸気が発電等に用いられる。ボイラ42Cから排出された排ガスは、サイクロン(図示せず)で比較的粗いダストが除去され、さらに、減温塔43Aで冷却水の噴霧を受け冷却され、有害物質除去装置43Cで酸性ガスに対して粉末アルカリ剤が吹き込まれ中和反応により酸性ガスが除去され、活性炭吸着剤が吹き込まれダイオキシン類などが除去され、集塵機43Bで飛灰等が捕集され除塵され、煙突62から大気に放散される。集塵機43Bで捕集された飛灰はフィルタから払い落とされ排出され、必要に応じ飛灰処理装置44Aで飛灰に含まれる重金属類の溶出抑制処理が施され、飛灰貯留槽44Bに貯留される。
灰として落塵灰を供給する落塵灰供給運転を行う際に回収される飛灰は、亜鉛含有率が高く亜鉛製錬原料として有用であり、山元還元として亜鉛製錬事業者の金属製錬装置52に供給することができ、品位が高いため高価格で売却することができる。落塵灰供給運転時と灰として主灰を供給する主灰供給運転時とでそれぞれ回収される飛灰を分けて貯留することが好ましい。落塵灰供給運転を行う際に回収される飛灰を亜鉛製錬原料として用いる場合には、飛灰処理装置44Aによる飛灰に含まれる重金属類の溶出抑制処理を施さずに飛灰を製錬原料として用いる。主灰供給運転を行う際に回収される飛灰は、飛灰処理装置44Aで飛灰に含まれる重金属類の溶出抑制処理が施され、飛灰貯留槽44Bに貯留され、埋め立て処分される。
ガス化層Cで廃棄物は熱分解されてガスが生成され、さらに、熱分解により生じた固定炭素や灰分は、供給された落塵灰または主灰、コークスおよび石灰石とともに下降し移動層Bを形成する。移動層Bでは、コークス充填層Aから上昇してくる高温のガスにより下降する固体の昇温が行われると同時に、高温のCOガスにより廃棄物の熱分解により生じた固定炭素がガス化される。コークス充填層Aでは主羽口40Dから送風される酸素富化空気によりコークスとガス化されずに残った廃棄物の固定炭素が燃焼され、この燃焼熱により廃棄物の灰分と落塵灰または主灰とが溶融され溶融スラグと溶融金属類が生成される。石灰石は灰分が溶融されたスラグの性状を好ましいものとする調整材として働く。さらに、発生した高温の燃焼ガスが上昇し廃棄物の熱分解のために加熱する熱源となる。
主羽口40Dから下方の炉下部では、高温になりながらも燃え尽きていないコークスがコークス塊同士の間隙を保持して充填された状態でコークス充填層Aを形成しており、溶融スラグと溶融金属類はコークス塊同士の間隙を滴下し炉底に達する。溶融スラグと溶融金属類は炉底に達するまでに均質化され性状が安定化され、炉底に設けられた出滓口40Cから排出される。
<落塵灰由来金属類回収方法>
廃棄物ガス化溶融炉40の出滓口40Cから排出された溶融スラグと溶融金属類は、炉外に設けられた水砕水槽45に供給され冷却固化され、粒化されたスラグと金属類が生成される。スラグと金属類とが混合されて水砕水槽45から排出され、磁力選別等の選別装置46によりスラグと金属類とに分離され、スラグはスラグ貯留槽47に貯留される。
灰として落塵灰を供給する運転と、主灰を供給する運転とを分けて行うことに対応して、落塵灰供給運転時には選別装置46によりスラグと分離された落塵灰由来金属類を落塵灰由来金属類貯留槽48に貯留し、主灰供給運転時には主灰由来金属類を主灰由来金属類貯留槽49に貯留する。
スラグ貯留槽、落塵灰由来金属類貯留槽、主灰由来金属類貯留槽を設けず、それぞれを分けて貯留するヤードに積載するようにしてもよい。また、一つの金属類貯留槽により、落塵灰供給運転時には落塵灰由来金属類を貯留し、主灰供給運転時には主灰由来金属類を貯留するようにしてもよい。
<金属回収方法>
落塵灰由来金属類は金属製錬原料として回収され、さらに落塵灰由来金属類製錬装置51に供給され、落塵灰由来金属類から貴金属類、有価金属類が回収される。落塵灰由来金属類は貴金属類、有価金属類の含有率が高く、金属製錬原料としての品位が高く高価格で売却することができる。また、落塵灰由来金属類を原料として金属製錬を行う前に、公知の磁力選別、アルミ選別、比重選別などの選別を行って、混在する鉄や、アルミニウムを選別分離してもよい。
主灰由来金属類貯留槽49に貯留された主灰由来金属類は、落塵灰由来金属類に比べて貴金属類、有価金属類の含有率が低いが、廃棄物ガス化溶融炉で還元溶融されることにより主灰に比べて濃縮されているため、金属製錬原料として用いることができる。また、主灰を廃棄物ガス化溶融炉に供給しスラグと金属類とすることにより、減容化でき処理コストを低減でき、さらに、別途灰溶融設備を設けることに比べて主灰処理費用を低減できる。
上記の実施形態では、廃棄物ガス化溶融炉としてシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉を用いているが、このようなシャフト炉式ガス化溶融炉では落塵灰と廃棄物の供給を受けて灰分の溶融が十分に行われ溶融スラグと溶融金属類の生成と排出が確実に行われるので、好適である。一方、他のガス化炉として流動層ガス化炉があるが、落塵灰を供給しても流動層ガス化炉内では溶融せず、飛灰として排ガスとともに排出されるか、他の廃棄物の金属分または大塊物とともに流動層ガス化炉下部から排出され、落塵灰を溶融して溶融金属類を生成し金属類を回収することが困難であるため、不適である。
本発明では、廃棄物ガス化溶融炉に代えて、灰溶融炉を用いることも可能であり、灰溶融炉としては、灰溶融温度や溶融効率の点で電気抵抗式が最も好ましく、プラズマ式がこれに次いで好ましく、燃料溶融式は溶融温度が低く不適である。
また、落塵灰だけをガス化溶融装置に供給して溶融し落塵灰由来金属類を金属製錬原料として回収する場合に、好適なガス化溶融装置としてはコークスベッドを有するシャフト炉やプラズマを用いるシャフト炉が挙げられる。
廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置では、単位時間当たりのガス化溶融処理量又は灰溶融処理量の定格処理量が設定されている。廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置に他施設の焼却炉からの落塵灰を受け入れ追加投入して処理する際に、この定格処理量を超過することは安定操業及びエネルギー消費の点から好ましくないため、定格処理量を超過しないように落塵灰の投入量管理を行うことが好ましい。この落塵灰の投入量管理を適切に行うことにより、廃棄物又は焼却灰の溶融処理を行いながら落塵灰の追加投入を行っても、定格処理量を超過することなく安定操業を確保しながら、貴金属類、有価金属類の含有率の高い金属類の生産量をより増大させることができる。他施設の焼却炉からの落塵灰受入量が投入量を上回る事態に備え、落塵灰を一次貯留するヤード等を設置することが好ましい。
廃棄物ガス化溶融炉に廃棄物とともに落塵灰を供給する運転を行い、メンテナンス等のため炉を休止する際に、炉底には溶融金属類が固化した炉底金属が存在している。この炉底金属は落塵灰に由来して貴金属類、有価金属類の含有率が高いため、回収して金属製錬原料として利用することが好ましい。灰溶融炉の炉底金属も同様に金属製錬原料として利用することが好ましい。
I 火格子式廃棄物焼却炉
IIA 落塵灰捕集装置
IIB 主灰捕集装置
III 落塵灰供給装置(灰供給装置)
IV 廃棄物ガス化溶融装置(灰溶融装置)
V 落塵灰由来金属類回収装置
VI 金属製錬装置
48 落塵灰由来金属類貯留装置
49 主灰由来金属類貯留装置
71 落塵灰搬送手段
72 主灰搬送手段

Claims (8)

  1. 火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
    火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
    火格子末端部から排出される主灰を捕集する主灰捕集装置と、
    廃棄物をガス化溶融する廃棄物ガス化溶融装置と、
    落塵灰捕集装置から落塵灰を受けてこれを廃棄物ガス化溶融装置へ供給する落塵灰供給装置と、
    主灰捕集装置から主灰を受けてこれを廃棄物ガス化溶融装置へ供給する主灰供給装置と、
    廃棄物ガス化溶融装置へ灰として落塵灰のみを供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有し、
    廃棄物ガス化溶融装置は、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、灰として落塵灰供給装置から落塵灰を受け該落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、灰として主灰供給装置から主灰を受け該主灰を溶融し、廃棄物の灰分と主灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行うことを可能としていることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
  2. 火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置において、
    火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集する落塵灰捕集装置と、
    火格子末端部から排出される主灰を捕集する主灰捕集装置と、
    灰を溶融する灰溶融装置と、
    落塵灰捕集装置から落塵灰を受けてこれを灰溶融装置へ供給する落塵灰供給装置と、
    主灰捕集装置から主灰を受けてこれを灰溶融装置へ供給する主灰供給装置と、
    灰溶融装置へ落塵灰と、主灰を含まない他の灰を供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得る落塵灰由来金属類回収装置とを有し、
    灰溶融装置は、落塵灰供給装置から落塵灰を受けるとともに主灰を含まない他の灰を受け該落塵灰そして他の灰を溶融し、落塵灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、主灰供給装置から主灰を受けるとともに落塵灰を含まない他の灰を受け該主灰そして他の灰を溶融し、主灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行うことを可能としていることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
  3. 火格子式廃棄物焼却炉を備える場所から廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰を搬送する落塵灰搬送手段と主灰を搬送する主灰搬送手段とを有することとする請求項又は請求項に記載の廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置。
  4. 請求項1ないし請求項のうちの一つに記載の廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置と、
    該金属製錬原料回収装置により回収された金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を受けて貴金属類及び有価金属類のうち少なくとも一つを製錬する金属製錬装置とを有することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属回収装置。
  5. 火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
    火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
    火格子末端部から排出される主灰を捕集し、
    落塵灰を廃棄物ガス化溶融装置へ供給し、
    主灰を廃棄物ガス化溶融装置へ供給し、
    廃棄物ガス化溶融装置で、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、落塵灰の供給を受け該落塵灰を溶融し、廃棄物の灰分と落塵灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、廃棄物の供給を受け廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融するとともに、主灰の供給を受け該主灰を溶融し、廃棄物の灰分と主灰とが溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行い、
    落塵灰供給運転を行い廃棄物ガス化溶融装置へ灰として落塵灰のみを供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
  6. 火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収方法において、
    火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰を捕集し、
    火格子末端部から排出される主灰を捕集し、
    落塵灰を灰溶融装置へ供給し、
    主灰を灰溶融装置へ供給し、
    灰溶融装置で、落塵灰を受けるとともに主灰を含まない他の灰を受け該落塵灰そして他の灰を溶融し、落塵灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する落塵灰供給運転と、主灰を受けるとともに落塵灰を含まない他の灰を受け該主灰そして他の灰を溶融し、主灰と他の灰が溶融して生成される溶融スラグと溶融金属類とを排出する主灰供給運転とを切り替えて行い、
    落塵灰供給運転を行い灰溶融装置へ落塵灰と主灰を含まない他の灰を供給した際に排出される溶融金属類を冷却して金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を得ることを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
  7. 火格子式廃棄物焼却炉を備える場所から廃棄物ガス化溶融装置又は灰溶融装置を備える場所へ落塵灰と主灰を搬送することとする請求項又は請求項に記載の廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法。
  8. 請求項ないし請求項のうちの一つに記載の廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収方法に加え、
    回収された金属製錬原料としての落塵灰由来金属類を受けて貴金属類及び有価金属類のうち少なくとも一つを製錬することを特徴とする廃棄物焼却灰からの金属回収方法。
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