JP2003042419A - ガス化溶融炉設備の運転方法およびガス化溶融炉設備 - Google Patents

ガス化溶融炉設備の運転方法およびガス化溶融炉設備

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JP2003042419A
JP2003042419A JP2001225233A JP2001225233A JP2003042419A JP 2003042419 A JP2003042419 A JP 2003042419A JP 2001225233 A JP2001225233 A JP 2001225233A JP 2001225233 A JP2001225233 A JP 2001225233A JP 2003042419 A JP2003042419 A JP 2003042419A
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melting
gasification
layer material
furnace
gasification furnace
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JP2001225233A
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English (en)
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Yoshitoshi Sekiguchi
善利 関口
Hideo Shitaya
英雄 下谷
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Hitachi Zosen Corp
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Hitachi Zosen Corp
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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低い運転コストで溶融室の温度を保持できる。 【解決手段】廃棄物をガス化炉1の流動層中に投入して
酸素不足の状態で熱分解し、この熱分解ガスを溶融室2
2に導入して高温燃焼させることにより、熱分解ガスに
同伴された灰を溶融してスラグを生成し、この燃焼排ガ
スからスラグを捕捉した後、二次燃焼室25で完全燃焼
させて排出するに際し、振動篩装置8によりガス化炉1
から抜き出した層材から不燃物と未燃炭素分とを分離
し、分離後の層材をガス化炉1に循環させ、未燃炭素分
を未燃炭素分供給ライン27から溶融室22に投入して
燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物や都市
ごみなどを焼却すると同時に焼却灰を溶融するガス化溶
融炉設備の運転方法およびガス化溶融炉設備に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみや産業廃棄物などを焼却処理す
る場合、焼却残滓の処理が大きな社会問題となり、焼却
処理すると同時に焼却灰を溶融してスラグ化できるガス
化溶融炉が着目されている。このガス化溶融炉は、廃棄
物をガス化炉に投入して流動層内で酸素不足の状態で熱
分解し、生成された熱分解ガスを溶融室に導入して高温
燃焼させることにより、熱分解ガスに同伴された灰を溶
融してスラグを生成し、連通部で燃焼排ガスからスラグ
を捕捉した後、燃焼排ガスを二次燃焼室に導入して完全
燃焼させ、排ガス処理後排出するものである。
【0003】ガス化溶融設備では、廃棄物中の水分がす
べてガス化炉内で蒸発されるため、廃棄物中の水分量が
多いと、蒸発潜熱分の熱量が消費され、また熱分解ガス
が蒸気により希釈されるため、熱分解ガスの発熱量が低
下するとともに、溶融室で発生する排ガス容量が増大
し、溶融室における燃焼ガスの温度が低下して灰溶融が
可能な約1300℃前後の燃焼温度を確保できなくなる
おそれがある。
【0004】そのために、たとえば特開平9−3180
28号公報には、ガス化炉投入前の廃棄物を乾燥する乾
燥機を設置するものなどが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】溶融室には、起動時や
温度制御時に、重油などを原料として使用する助燃バー
ナが設置されているが、使用頻度が高いと運転コストが
増加するという問題がある。
【0006】本発明は上記問題点を解決して、低い運転
コストで溶融室の温度を保持できるガス化溶融炉設備の
運転方法およびガス化溶融炉設備を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載のガス化溶融炉設備の運転方法は、廃棄
物をガス化炉の流動層中に投入して酸素不足の状態で熱
分解し、この熱分解ガスを溶融室に導入して高温燃焼さ
せることにより、熱分解ガスに同伴された灰を溶融して
スラグを生成し、この燃焼排ガスからスラグを捕捉した
後、二次燃焼室で完全燃焼させて排出するに際し、前記
ガス化炉から抜き出した層材から不燃物と未燃炭素分と
を分離し、分離後の層材をガス化炉に投入するととも
に、前記未燃炭素分を溶融室に投入して燃焼させるもの
である。
【0008】上記構成によれば、層材および不燃物を定
期的に抜出し、ガス化炉内の層材から不燃物を除去する
時に、従来では層材と共にガス化炉に戻されていた未燃
炭素分を分離し、これを溶融室に供給して溶融熱源とし
て使用するので、炭素分のガス化炉内での消費を抑制で
きる分、廃棄物のエネルギーを有効利用することができ
る。したがって、外部から溶融室に供給されていた熱源
使用量を少なくして溶融温度を保持することができ、運
転コストを低減することができる。
【0009】請求項2記載の発明は、廃棄物をガス化炉
の流動層中に投入して酸素不足の状態で熱分解し、この
熱分解ガスを溶融室に導入して高温燃焼させることによ
り、熱分解ガスに同伴された灰を溶融してスラグを生成
し、この燃焼排ガスからスラグを捕捉した後、二次燃焼
室で完全燃焼させて排出するガス化溶融設備において、
ガス化炉内の流動層から一部の層材を抜き出して再度ガ
ス化炉に戻す層材循環ラインと、前記層材循環ラインに
介在されて層材から不燃物と未燃炭素分とを分離する分
離手段と、前記分離手段で分離された未燃炭素分を溶融
室に投入して燃焼させる未燃炭素分供給ラインとを具備
したものである。
【0010】上記構成によれば、層材循環ラインにより
層材および不燃物を定期的に抜出してガス化炉内の不燃
物を除去する時に、従来では層材と共にガス化炉に戻さ
れていた未燃炭素分を分離手段により分離し、分離され
た未燃炭素分を未燃炭素分供給ラインを介して溶融室に
供給し溶融熱源として燃焼させるので、未燃炭素分をガ
ス化炉内での消費を抑制できる分、廃棄物のエネルギー
を灰の溶融に有効利用することができる。したがって、
外部から溶融室に供給されていた熱源量を少なくても溶
融温度を保持することができ、運転コストを低減するこ
とができる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の構
成において、未燃炭素分供給ラインに、未燃炭素分を粉
砕する粉砕機と、粉砕された未燃炭素分を貯留して所定
量ずつ供給するカーボンホッパと、カーボンホッパから
供給された未燃炭素分を溶融室に気送する搬送手段とを
設けたものである。
【0012】上記構成によれば、分離された粒状の未燃
炭素分を粉砕機で粉砕して粉体とし、カーボンホッパか
ら搬送手段により溶融室に気送供給するので、未燃炭素
分を溶融室に安定供給できるとともに、安定燃焼が可能
となり、溶融室における運転温度の変動が少なく安定状
態に維持することができる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項2または3
の構成において、ガス化炉に分散用空気を供給する分散
空気供給ラインに吸引混合手段を介在させ、該吸引混合
手段により二次燃焼室に接続された排ガス抜出管を介し
て燃焼排ガスの一部を取出し分散空気供給ラインの分散
空気に混合するように構成したものである。
【0014】上記構成によれば、燃焼排ガスの一部を取
出して分散空気に混合することにより、分散空気の加熱
熱源を削減できるとともに、分散空気の温度調整および
酸素濃度調整を容易に行うことができ、酸素濃度が低く
かつ温度が安定した分散空気を安定供給することができ
る。これにより、ガス化炉内での層材の流動化を阻害す
ることなく安定した効率の良い熱分解が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】ここで、本発明に係るガス化溶融
炉設備の実施の形態を図1および図2に基づいて説明す
る。
【0016】このガス化溶融炉設備は、図1に示すよう
に、投入された廃棄物を酸素不足の状態で熱分解して熱
分解ガスを生成するガス化炉1と、ガス化炉1で生成さ
れた熱分解ガスを燃焼させて同伴された灰を溶融し捕捉
するとともに、この燃焼排ガスを完全燃焼させる灰溶融
炉2と、灰溶融炉2から排出される排ガスを熱回収する
とともに除塵し有害物質を除去して排出する排ガス処理
装置3とで構成される。
【0017】前記ガス化炉1は、スクリュー式の廃棄物
供給装置4から廃棄物を、分散空気により流動化された
層材(砂)中に投入して、廃棄物を約400℃前後に加
熱し酸素不足の状態で熱分解するように構成されてい
る。またガス化炉1の底部には、一部の層材を不燃物と
ともに抜出し、不燃物を分離後に再度ガス化炉1に供給
そして循環させる層材循環ライン5が配設されている。
この層材循環ライン5には、ガス化炉1の底部からガス
化炉1の気密性を保持しつつ層材を抜出すスクリュー式
の層材抜出し装置6と、層材抜出し装置6から抜出され
た層材を搬送する層材循環コンベヤ7と、層材から金属
片などの不燃物と未燃炭素分であるチャーとを分離する
振動篩装置(分離手段)8が順次配置されている。
【0018】振動篩装置8は、図2に示すようにケーシ
ング10内に複数段の篩部を具備している。すなわち、
抜出した層材に含まれる不燃物の状態に応じてたとえば
3mmメッシュ〜5mmメッシュの間で調整可能な可変
メッシュ篩11が入口上位から出口側下位となる所定の
傾斜角を有して配置され、振動装置により所定の振動
数、振幅、振動方向で振動されて、可変メッシュ篩11
を通過しない不燃物と、通過する層材およびチャー(未
燃炭素分)に分離する上段篩部12が構成されている。
また、たとえば1mmメッシュの固定メッシュ篩13を
有して、振動装置により所定の振動数、振幅、振動方向
で振動されて、固定メッシュ篩13を通過しないチャー
と、通過する層材とに分離する下段篩部14が構成され
ている。これら上段篩部12と下段篩部14とにより、
抜出した層材からチャーと不燃物とを分離するように構
成されている。これにより、廃棄物中の可燃分から60
%のチャーを定常的に安定して取出すことができる。
【0019】灰溶融炉2は、ガス化炉1から熱分解ガス
を導入し、図示しないエアノズルや助燃バーナ21のノ
ズルから燃焼用空気を供給して約1350℃前後で燃焼
させ、熱分解ガスに同伴された灰を溶融して溶融スラグ
を生成する溶融室22と、溶融室22から下方に流入さ
れる燃焼排ガスを上方に迂回させることにより、同伴さ
れた溶融スラグを壁面で捕捉し、この溶融スラグを排出
口23aから排出する連通部23と、この連通部23の
排出口から流下された溶融スラグを冷却水中に等価して
水砕スラグを生成するスラグ冷却装置24と、連通部か
ら排出される燃焼排ガスに二次空気を供給して完全燃焼
させる二次燃焼室25とが具備されている。
【0020】また層材循環ライン5に設けられた振動篩
装置8で分離されたチャーを溶融室22の吹き込みノズ
ル26および/または助燃バーナ21に供給する未燃炭
素分供給ライン27が設けられている。この未燃炭素分
供給ライン27には、チャーを100μmm以下に粉砕
するカーボン粉砕機(たとえばボールミル)28と、粉
砕されたチャーを貯留して所定量ずつ供給するカーボン
ホッパ29と、カーボンホッパ29から供給された未燃
炭素分を溶融室に気送する気送ファン(搬送手段)30
が設けられ、気送式でチャーを溶融室に吹き込むことに
より、溶融室の運転温度を安定に維持することができ
る。
【0021】前記ガス化炉1には、送風機31から熱風
炉32を介して分散空気を供給する分散空気供給ライン
33が接続され、分散空気ライン3の熱風炉32出口に
吸引混合手段であるレジューサ35が介在されている。
また二次燃焼室25の出口に接続された排ガス抜出し管
34がレジューサ35に接続されている。したがって、
送風機31から熱風炉32を介して分散空気がガス化炉
1に送られると、レジューサ35により二次燃焼室25
から排ガス抜出し管34を介して燃焼排ガスの一部が吸
引されて分散空気供給ライン33に合流され、これによ
り、分散空気の温度を約400℃(350〜450℃の
範囲で)に温度制御して、ガス化炉1の流動層内の温度
を約400℃前後に保持するとともに、分散空気の酸素
濃度を10%以下に低下させてガス化炉1を熱分解可能
な酸素濃度に保持することができる。
【0022】排ガス処理装置3には、上流側から順に、
燃焼排ガスに冷却水を吹き込んで冷却する冷却塔41
と、排ガスから熱回収する空気予熱器42と、冷却水を
吹き込んで下流側のバグフィルタに適した温度に調整す
る調温塔43と、薬剤たとえば消石灰を排ガス中に吹き
込んで排ガス中の塩類や有害物質を凝縮させ、これを除
去するバグフィルタ44と、誘引ファン45とが具備さ
れている。
【0023】また冷却塔41、空気予熱器42、調温塔
43およびバグフィルタ44には、捕捉した飛灰やダス
ト(クリンカの小片を含む)を回収する飛灰回収ライン
51が接続され、この飛灰回収ライン51により回収さ
れた飛灰を灰溶融炉2の連通部23に供給する飛灰再投
入ライン52が接続されている。そして飛灰回収ライン
51と飛灰再投入ライン52の接続部には、回収された
飛灰を粉砕する飛灰粉砕機53と、粉砕された飛灰を約
10mm〜20mmの粒径に造粒する飛灰造粒装置54
とが介在されている。したがって、回収された飛灰を飛
灰粉砕機53で粉砕後、飛灰造粒装置54により造粒し
て連通部23の天井部および下流部から内部に供給する
ので、連通部23で燃焼排ガスにより飛灰が飛散するこ
となく、効果的に溶融することができる。
【0024】上記構成において、廃棄物供給装置4によ
りガス化炉1に廃棄物が供給されると、約400℃前後
に制御されて流動される層材中で、廃棄物が乾燥される
とともに酸素不足の状態で熱分解され、その熱分解ガス
が灰を同伴して溶融室22に送られる。このガス化炉1
では、層材抜出し装置6により層材の一部がチャー、不
燃物とともに抜出され、層材循環ライン5により振動篩
装置8に送られ、振動篩装置8の上段篩部12の可変メ
ッシュ篩11によりまず不燃物が分離除去され、次いで
下段篩部14の固定メッシュ篩13により層材からチャ
ーが分離される。そして、層材はガス化炉1に再度投入
され、チャーはカーボン粉砕機28で100μm以下に
粉砕されてカーボンホッパ29に貯留される。
【0025】そして、溶融室22の温度に応じて、カー
ボンホッパ29から所定量のチャー粉砕物が、気送ファ
ン30により未燃炭素分供給ライン27を介して助燃バ
ーナ21や吹き込みノズルから溶融室22に吹き込まれ
る。これにより、溶融室22の温度を1350℃に保持
されて、熱分解ガスに同伴された灰が溶融され溶融スラ
グが生成される。もちろん、チャーの供給量は、溶融室
22の温度に基づいて制御される。
【0026】溶融室22から旋回されつつ下方に噴き出
された燃焼排ガスは、連通部23で約180°旋回して
上方の二次燃焼室25に導入されることにより、燃焼排
ガスに同伴された溶融スラグが連通部23の壁面に接触
して捕捉される。捕捉された溶融スラグは、排出口23
aからスラグ冷却装置24の冷却水中に流下されて水砕
スラグが生成される。
【0027】連通部23から二次燃焼室25に導入され
た燃焼排ガスは、二次空気が吹き込まれて完全燃焼さ
れ、排ガス処理装置3に導入される。二次燃焼室25か
ら排出される一部の燃焼排ガスは、回収排ガス管34か
らレジューサ35に吸引され、分散空気供給ライン33
で送風機31から熱風炉32を介してレジューサ35に
供給された分散空気に合流される。これにより、分散空
気の温度が約400℃前後に保持されてるとともに、酸
素濃度が約10%前後に保持され、ガス化炉1に供給さ
れて層材を流動化させ廃棄物を熱分解させる。
【0028】ここで、従来と同様に、送風機31から熱
風炉32で加熱した分散空気を供給する場合と、燃焼排
ガスを分散空気に混合する本発明の場合とを、実証炉に
より実験した結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 上記実証試験によれば、層内温度を従来の600±70
℃に比較して、400±5℃とすることができるので、
最適なガス化運転を安定して行うことが可能となり、十
分な量の低酸素分散空気をガス化炉1に供給するので、
廃棄物中の可燃物から60%以上のチャーを定常的に取
出すことができ、可燃ガスと共に溶融室22に安定して
供給することができる。また、溶融室22の出口の熱分
解ガスの酸素濃度を8.0±3%から5.0±0.5%
に低濃度にできるので、安定した低空気比運転が可能と
なり、溶融運転の安定化が実現できる。
【0030】さらに、溶融室の溶融温度を1400±1
00℃から1350±5℃とすることができるので、溶
融室22の耐火材の寿命を5年以上と大幅に延長するこ
とができる。
【0031】排ガス処理装置3では、燃焼排ガスの冷
却、熱回収、温度調整が行われてダストや有害物質が除
去された後、排出される。この時、冷却塔41、空気予
熱器42、調温塔43およびバグフィルタ44で捕捉さ
れた飛灰やダストが飛灰回収ライン51により回収さ
れ、飛灰粉砕機53および飛灰造粒装置54に造粒され
た後、飛灰再投入ライン52から灰溶融炉2の連通部2
3に供給される。これにより、連通部23では、投入さ
れた飛灰が燃焼排ガス中で飛散することなく溶融され
る。
【0032】なお、ガス化炉では、熱分解ガスに同伴さ
れた灰を燃焼気流中で加熱溶融して捕捉するため、灰の
捕集率を上げることが困難である。このため、スラグ化
率(%)[=抜出しスラグ量/灰分量]が従来では60
〜70%であったが、実証炉の結果によれば、表1に示
すように、排ガス処理装置3で回収した飛灰を造粒して
から連通部23に投入することにより、スラグ化率が8
0%以上を確保でき、約85%前後に向上させることが
できた。
【0033】
【表2】 上記実施の形態によれば、ガス化炉1から抜出される層
材に同伴されるチャーを、層材から分離して溶融室22
に投入するので、ガス化炉1で生成された未燃炭素分を
有効利用して灰の溶融熱源に利用することができ、効率
よく廃棄物の焼却と灰の溶融とを連続して行うことがで
き、運転コストを低減することができる。また二次燃焼
室25で完全燃焼後の燃焼排ガスの一部を取出して、分
散空気供給ライン33に合流することにより、低酸素濃
度の分散空気を得ることができ、安定した熱分解が可能
となる。
【0034】さらに、燃焼気流中で溶融された灰の捕集
率を上げることは困難であるが、排ガス処理装置3で捕
集した飛灰を、造粒後に灰溶融炉2の連通部23に投入
することにより、灰を飛散させることなく溶融させるこ
とができ、スラグ化率を向上させることができる。
【0035】したがって、ガス化溶融炉の炉内圧力、溶
融温度、運転空気比を十分に安定させることができ、ダ
イオキシン類の排出量を0.01ng/Nm3で、溶融室22
の耐火材の寿命を5年以上と大幅な性能向上が達成でき
る。
【0036】
【発明の効果】以上に述べたごとく請求項1記載の発明
によれば、層材および不燃物を定期的に抜出してガス化
炉内の不燃物を除去する時に、従来では層材と共にガス
化炉に戻されていた未燃炭素分を分離し、これを溶融室
に供給して溶融熱源として使用するので、炭素分のガス
化炉内での消費を抑制できる分、廃棄物のエネルギーを
有効利用することができる。したがって、溶融室に外部
から供給されていた熱源量を少なくても溶融温度を保持
することができ、運転コストを低減することができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、層材循環ラ
インにより層材および不燃物を定期的に抜出してガス化
炉内の不燃物を除去する時に、従来では層材と共にガス
化炉に戻されていた未燃炭素分を分離手段により分離
し、分離された未燃炭素分を未燃炭素分供給ラインを介
して溶融室に供給し溶融熱源として燃焼させるので、炭
素分のガス化炉内での消費を抑制できる分、廃棄物のエ
ネルギーを有効利用することができる。したがって、溶
融室に外部から供給されていた熱源量を少なくても溶融
温度を保持することができ、運転コストを低減すること
ができる。
【0038】請求項3記載の発明によれば、分離された
粒状の未燃炭素分を粉砕機で粉砕して粉体とし、カーボ
ンホッパから搬送手段により気送供給するので、未燃炭
素分を溶融室に安定供給できるとともに、安定燃焼が可
能となり、溶融室における運転温度の変動が少なく安定
状態に維持することができる。
【0039】請求項4記載の発明によれば、燃焼排ガス
の一部を取出して分散空気に混合することにより、分散
空気の加熱熱源を削減できるとともに、分散空気の温度
調整および酸素濃度調整を容易に行うことができ、酸素
濃度が低くかつ温度が安定した分散空気を安定供給する
ことができる。これにより、ガス化炉内での層材の流動
化を阻害することなく安定した効率の良い熱分解が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス化溶融炉設備の実施の形態を
示す構成図である。
【図2】同分離手段である振動篩装置を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 ガス化炉 2 灰溶融炉 3 排ガス処理装置 4 廃棄物供給装置 5 層材循環ライン 6 層材抜出し装置 8 振動篩装置 12 上段篩部 14 下段篩部 21 助燃バーナ 22 溶融室 23 連通部 25 二次燃焼室 27 未燃炭素分供給ライン 28 カーボン粉砕機 29 カーボンホッパ 30 気送ファン 31 送風機 32 熱風炉 33 分散空気供給ライン 34 排ガス抜出し管 35 レジューサ 41 冷却塔 42 空気予熱器 43 調温塔 44 バグフィルタ 51 飛灰回収ライン 52 飛灰再投入ライン 53 飛灰破砕機 54 飛灰造粒装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/30 F27B 15/02 4K046 5/44 15/10 4K056 F27B 15/02 F27D 17/00 104G 15/10 F23C 11/02 308 F27D 17/00 104 B09B 3/00 303L Fターム(参考) 3K061 AA16 AA24 AB02 AB03 AC01 BA03 CA01 CA08 EA01 EB02 EB08 3K064 AA08 AA10 AB03 AC06 AC12 AD08 AE06 BA07 BA19 BA22 3K065 AA16 AA24 AB02 AB03 AC01 BA03 GA03 GA14 GA24 3K078 AA03 BA03 BA08 CA02 CA11 4D004 AA37 AA46 CA04 CA08 CA27 CA29 CB13 CB34 CB44 CB47 4K046 HA11 HA12 HA13 JD02 KA03 KA05 4K056 AA05 BA01 BB01 CA20 DB03 DB11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物をガス化炉の流動層中に投入して酸
    素不足の状態で熱分解し、この熱分解ガスを溶融室に導
    入して高温燃焼させることにより、熱分解ガスに同伴さ
    れた灰を溶融してスラグを生成し、この燃焼排ガスから
    スラグを捕捉した後、二次燃焼室で完全燃焼させて排出
    するに際し、 前記ガス化炉から抜き出した層材から不燃物と未燃炭素
    分とを分離し、 分離後の層材をガス化炉に投入するとともに、前記未燃
    炭素分を溶融室に投入して燃焼させることを特徴とする
    ガス化溶融炉設備の運転方法。
  2. 【請求項2】廃棄物をガス化炉の流動層中に投入して酸
    素不足の状態で熱分解し、この熱分解ガスを溶融室に導
    入して高温燃焼させることにより、熱分解ガスに同伴さ
    れた灰を溶融してスラグを生成し、この燃焼排ガスから
    スラグを捕捉した後、二次燃焼室で完全燃焼させて排出
    するガス化溶融設備において、 ガス化炉内の流動層から一部の層材を抜き出して再度ガ
    ス化炉に戻す層材循環ラインと、 前記層材循環ラインに介在されて層材から不燃物と未燃
    炭素分とを分離する分離手段と、 前記分離手段で分離された未燃炭素分を溶融室に投入し
    て燃焼させる未燃炭素分供給ラインとを具備したことを
    特徴とするガス化溶融炉設備。
  3. 【請求項3】未燃炭素分供給ラインに、未燃炭素分を粉
    砕する粉砕機と、粉砕された未燃炭素分を貯留して所定
    量ずつ供給するカーボンホッパと、カーボンホッパから
    供給された未燃炭素分を溶融室に気送する搬送手段とを
    設けたことを特徴とするガス化溶融炉設備。
  4. 【請求項4】ガス化炉に分散用空気を供給する分散空気
    供給ラインに吸引混合手段を介在させ、 該吸引混合手段により二次燃焼室に接続された排ガス抜
    出管を介して燃焼排ガスの一部を取出し分散空気供給ラ
    インの分散空気に混合するように構成したことを特徴と
    する請求項2または3記載のガス化溶融炉設備。
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