JP5344308B2 - ガス化溶融装置及びその操業方法 - Google Patents

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本発明は、廃棄物固形燃料を熱分解及び部分酸化して残渣を溶融するガス化溶融装置及びその操業方法に関するものである。
廃棄物を処理する技術として、都市ごみやシュレッダーダストなどの廃棄物を熱分解及び部分酸化して可燃性ガスを発生させ、熱分解及び部分酸化した残渣を溶融しスラグにして排出するガス化溶融処理がある。
この処理方法は、廃棄物をガス化することによりその燃焼熱を回収することができるとともに、残渣を溶融してスラグとして排出することにより、埋立処分などによる最終処分量を減容することができる利点を有している。このような処理を行なう溶融炉には幾つかの方式があるが、その一つとして、シャフト式廃棄物ガス化溶融炉がある。
このシャフト式廃棄物ガス化溶融炉は、例えば、炉底部に堆積させたコークスを燃焼させ、この高温のコークス上へ廃棄物を投入して、熱分解及び部分酸化させてガス化するとともに残渣を溶融してスラグにする処理を行なう方式の炉である(特許文献1参照)。
特許文献1のシャフト式廃棄物ガス化溶融炉においては、炉体の機能が大別して縦方向で3つに区分されている。すなわち、炉底部にコークスを堆積させた高温燃焼帯が設けられ、この高温燃焼帯の上に廃棄物堆積層が設けられ、炉体の上部にて大きな空間を有するフリーボード部が設けられている。
そして、上記各部では酸素含有ガスの吹込みが行われる。高温燃焼帯には主羽口が設けられ、投入されて堆積されたコークスを燃焼させて廃棄物の熱分解残渣を溶融するための酸素富化空気が吹き込まれる。また、廃棄物堆積層には副羽口が設けられ、投入されて堆積された廃棄物を緩やかに流動させると共に、廃棄物を熱分解及び部分酸化させるための空気が吹き込まれる。また、フリーボード部には三段目羽口が設けられ、廃棄物が熱分解されて生成した熱分解ガス(可燃性ガス)を部分燃焼させて内部を所定温度に維持するための空気が吹き込まれる。
このようにシャフト式廃棄物ガス化溶融炉は、廃棄物を一つの炉で熱分解ガス化処理及び溶融処理の両方を行う設備である。投入した廃棄物は熱分解され、ガスと残渣に分離される。ガスは可燃性ガスを多量に含み二次燃焼室で燃焼され、ボイラやエコノマイザで熱回収された後、サイクロンで比較的粗いダストが除去される。さらに、減温装置で冷却され、有害物質除去剤との反応により有害ガスが除去され、集塵機で除塵処理され煙突から放散される。また、熱分解残渣は、炉内を下方に移動し、炉下部の高温燃焼帯で溶融され、スラグとメタルとして排出される。
一方、廃棄物を燃料として燃焼処理する技術として、廃棄物を加工して廃棄物固形燃料(Refuse Derived Fuel、以下「RDF」という)として燃焼し、発生熱エネルギーを利用してボイラで蒸気発生させ発電することが行われている。RDFは家庭から分別収集した可燃性のゴミ(生ゴミ、紙ゴミ、プラスチックなど)などの廃棄物を破砕、乾燥し、石灰などを加えて練り上げ、ペレット状に圧縮・成型した固形燃料である。
図3は、RDFを燃焼処理するためのガス化溶融炉を備える従来のガス化溶融装置を示す図である。ガス化溶融炉1は、RDFを熱分解及び部分酸化させてガス化し残渣を溶融するシャフト式廃棄物ガス化溶融炉である。該ガス化溶融炉1の全体形状は、竪型で円筒形状に形成され、上部が拡径された形状になっている。ガス化溶融炉1の上端部近くにはガス出口1Aが設けられ、ガス化溶融炉1の下部には溶融スラグ排出口1Bが設けられている。
ガス化溶融炉1の炉体の機能は大別して縦方向に3つに区分されている。すなわち、炉底部にコークスを堆積させた高温燃焼帯が設けられ、この高温燃焼帯の上にRDF堆積層が設けられ、拡径された部分である上部には大きな空間を有するフリーボード部が設けられている。
そして、上記各部では酸素含有ガスの吹込みが行われる。炉下部の高温燃焼帯が形成される位置にはコークスを燃焼させる空気又は酸素富化空気(以下、「酸素含有ガス」という)を吹込むための複数の主羽口1Cが設けられている。主羽口1Cには、送風配管20が接続されており、該送風配管20には主羽口1Cへ酸素含有ガスを送風する送風機21が接続されている。送風機21により取り入れられた空気には酸素が供給され、該空気は酸素富化空気として主羽口1Cから高温燃焼帯へ吹込まれる。高温燃焼帯の上にはRDF堆積層が形成され、投入されたRDFを流動化させると共に熱分解及び部分酸化させる空気を吹込むための複数の副羽口1Dが設けられている。また、フリーボード部には炉下部で生成した熱分解ガス(可燃性ガス)を部分燃焼させる空気を吹き込むための複数の三段目羽口1Eが設けられている。
ガス化溶融炉1の炉上部には、RDF、副資材としてのコークス及び石灰石を該ガス化溶融炉1内に投入するRDF・副資材供給装置としての供給装置2が設けられている。該供給装置2は、RDF貯留タンク(図示せず)から供給されたRDFを搬送するRDF搬送コンベヤ2Aと、該RDF搬送コンベヤ2Aの下方に位置し該RDF搬送コンベヤ2Aによって搬送されたRDFを貯留するRDF供給ホッパ2Bと、該RDF供給ホッパ2Bの下部に設けられ定量的かつ連続的にRDFを後述のRDF・副資材投入コンベヤ2Eに供給するフィーダ2Cと、該フィーダ2Cから供給されたRDFを落下供給させるシュート2Fと、副資材としてのコークス及び石灰石を搬送し該副資材を後述のRDF・副資材投入コンベヤ2Eに供給する副資材搬送コンベヤ2Dと、フィーダ2Cから供給されたRDF及び副資材搬送コンベヤ2Dから供給された副資材を搬送してガス化溶融炉1内に投入するRDF・副資材投入コンベヤ2Eと、溶融炉1の炉頂に接続されガス化溶融炉1内へのRDF及び副資材を落下供給させるシュート2Gとを有している。シュート2Gとガス化溶融炉1の接続口部との間にはダブルフラップダンパ2Hが設けられており、該ダブルフラップダンパ2Hが炉内ガスをシールするようになっている。
ガス化溶融炉1のガス出口1Aの下流側にはガス化溶融炉1から排出された可燃性ガスを燃焼させる二次燃焼室3が設置され、二次燃焼室3の下流側には熱回収装置としてのボイラ4が設置されている。さらに、ボイラ4の下流側には、排ガス中の比較的粗いダストを除去するサイクロン5が設置され、その下流側には熱回収された排ガスを該排ガスの浄化処理に適する温度まで冷却するガス冷却器としての減温塔6が設置されている。また、減温塔6の下流側にはバグフィルタ7が設置され、減温塔6とバグフィルタ7との間で排ガス中の酸性ガスを中和させるアルカリ剤が該排ガス中に吹き込まれるようになっている。そして、該バグフィルタ7の下流側には、該バグフィルタ7で集塵処理された排ガスを外部へ放出するための煙突8が設けられている。また、バグフィルタ7で集塵された集塵灰に重金属類の溶出を防止する安定化処理を施す安定化処理装置9が設けられている。安定化処理装置9により安定化処理を施された集塵灰は埋立処分場に埋立処分される。
ガス化溶融炉1で発生したガスが二次燃焼室3、ボイラ4、サイクロン5、減温塔6を経てバグフィルタ7へ到達するまでの間において、排ガス中に含まれる灰を主な成分とするダストのうち、比較的粗いダストがそれぞれの装置内に落下する。以下、ガス化溶融炉1とバグフィルタ7との間に配置された各装置内に落下したダストを「落下灰」という。
図3に示されるガス化溶融装置には、上記各装置から落下灰を抜き出して、ガス化溶融炉1の主羽口1Cから酸素含有ガスとともに該落下灰を高温燃焼帯へ吹き込むための落下灰回収吹込装置10が設けられている。該落下灰回収吹込装置10によりガス化溶融炉1内へ吹き込まれた落下灰は高温燃焼帯で溶融してスラグ化される。この結果、ガス化溶融炉1で発生したダストのうち落下灰はスラグ化され、バグフィルタ7で集塵された集塵灰が埋立処分されることになるため、発生ダスト全量を埋立処分することに比べて埋立処分量が削減されるので、埋立処分場の負荷が軽減される。
落下灰回収吹込装置10は、落下灰を搬送する落下灰搬送コンベヤ11と、該落下灰を受けて貯留する落下灰貯槽12と、定量的に該落下灰を切り出すロータリバルブ13と、該落下灰を輸送する空気輸送装置14と、該空気輸送装置14により輸送された該落下灰を貯留するとともに定量的に切り出す落下灰切出装置15と、該落下灰切出装置15に切り出されシュート18及びゲート弁19を経て送風配管20に供給された該落下灰を酸素含有ガスとともに主羽口1Cへ送風して落下灰をガス化溶融炉1内に吹き込む吹込装置としての送風機21とを有している。また、上記落下灰切出装置15は、落下灰を貯留する落下灰ホッパ16と該落下灰を所定量で切り出すロータリバルブ17とから成っている。
上述のように構成されたガス化溶融炉1におけるRDFのガス化溶融処理は次のように行なわれる。
まず、RDF、コークス及び石灰石とがそれぞれ計量され、供給装置2によって、ガス化溶融炉1内へ投入される。ガス化溶融炉1へ投入されたもののうち、コークスは炉底部に堆積し、ここに主羽口1Cから酸素含有ガスが吹き込まれる。
この酸素含有ガスの吹き込みによりコークスが燃焼し、高温燃焼帯が形成される。投入されたRDFは高温燃焼帯の上方で、副羽口1Dから吹き込まれる空気によって流動しながら滞留して流動化層を形成する。RDFは流動化している間に予熱され、熱分解して可燃性ガスを発生する。
RDFの熱分解残渣は、高温燃焼帯で溶融され、溶融スラグとなり炉底部の溶融スラグ排出口1Bから排出される。
一方、RDFの熱分解により生成した可燃性ガスは、フリーボード部において、三段目羽口1Eから空気を吹き込まれて部分燃焼し、ガス出口1Aから排出される。ガス出口1Aから排出された可燃性ガスは、二次燃焼室3で二次燃焼用空気が吹き込まれて燃焼した後、ボイラ4へ送られて熱回収される。熱回収された排ガスはサイクロン5で該排ガス中の比較的粗いダストが除去され、さらに減温塔6で水を噴霧されて200℃以下程度に冷却される。
次いで、排ガスは、酸性ガスを除去するためのアルカリ剤を吹き込まれた後、バグフィルタ7へ送られて集塵処理される。集塵処理された排ガスは、煙突8から外部へ放出される。また、バグフィルタ7で集塵された集塵灰は、安定化処理装置9によって、重金属溶出を防止するための安定化処理が施された後、埋立処分される。
ガス化溶融炉1からの排ガスがバグフィルタ7へ到達するまでの間に、二次燃焼室3、ボイラ4、サイクロン5及び減温塔6で落下した落下灰は、各装置の下方に位置する落下灰搬送コンベヤ11によって抜き出されて落下灰貯槽12へ搬送される。該落下灰貯槽12に貯留された落下灰は下部に設けられたロータリバルブ13によって切り出され、ガス化溶融炉1の周辺に設けられた落下灰切出装置15へ空気輸送装置14によって輸送される。該落下灰切出装置15のロータリバルブ17によって切り出された落下灰は、シュート18及びゲート弁19を経て送風配管20に供給され、送風機21によって酸素含有ガスとともに主羽口1Cへ送風される。そして、該落下灰は、ガス化溶融炉1の高温燃焼帯へ吹き込まれ、溶融されてスラグ化される。
特開平9−60830
RDFをガス化溶融炉によりガス化溶融処理する場合に、以下の問題がある。RDFは、家庭から分別収集した可燃性のゴミ(生ゴミ、紙ゴミ、プラスチックなど)などの廃棄物から金属類やがれき類などを取り除き、破砕した後、乾燥機にて水分除去して、石灰などを加えて練り上げ、成形機で圧縮・成形して製造される。このとき、成形機の型穴を通過する際に円柱状の固形物表面が摩擦熱で加熱され、表面のプラスチックなどが一部溶融して表面が固化しチョーク状の形に成形される。
RDFは、このように成形機にて表面だけを溶融固化された成形体であるので、搬送や貯留するときにこすられたり、供給装置のシュートへ投入される際に割れたり削れたりして、粉状の粉化物が生じやすい。したがって、RDFをガス化溶融炉に供給する際には、RDFの固形物とともに比較的多くの粉化物が炉内へ投入されることとなる。図3では、RDFの固形物が符号Rで、粉化物が符号Sで示されている。
RDFの粉化物Sは非常に軽質であるため、ガス化溶融炉内へ投入されても、図3に示されているように炉内から排出される排ガスの流れに同伴され、そのほとんどがガス化溶融炉内で落下することなく、二次燃焼室へ運ばれることとなる。
このため、本来ガス化溶融炉内でガス化溶融処理されるRDFの量が少なくなり、可燃性ガスの発生量が低下するという問題や、二次燃焼室以降の下流側に飛散していく飛灰量が多くなり、バグフィルタで捕集される集塵灰量が多くなる結果、安定化処理や埋立処理する集塵灰量が多くなるので処理コストが嵩むという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、RDFをガス化溶融炉によりガス化溶融処理する際に、RDFの粉化物がガス化溶融炉から下流側に飛散することを防止し、ガス化溶融炉内でガス化溶融処理されるRDFの量を低下させることがないガス化溶融装置とその操業方法を提供することを目的とする。
<第一発明>
本発明に係るガス化溶融装置は、炉下部に高温燃焼帯が形成され、高温燃焼帯に酸素含有ガスを吹き込む羽口と、廃棄物固形燃料を炉内へ供給する廃棄物固形燃料供給装置と、廃棄物固形燃料を熱分解及び部分酸化すると共に残渣を溶融するガス化溶融炉とを有する。
かかるガス化溶融装置において、本発明では、廃棄物固形燃料の粉化物を回収する粉化物回収装置と、粉化物回収装置により回収された廃棄物固形燃料の粉化物を、羽口から高温燃焼帯に吹き込む吹込装置とを備えることを特徴としている。
本発明では、廃棄物固形燃料の粉化物は、粉化物回収装置により回収され、吹込装置によりガス化溶融炉の高温燃焼帯に吹き込まれて、該高温燃焼帯で残渣とともに溶融される。このように、廃棄物固形燃料の粉化物を回収してガス化溶融炉内へ吹き込むことにより、ガス化溶融炉の下流側へ飛散する粉化物の量が大幅に削減されるとともに、ガス化溶融炉内でガス化溶融処理される廃棄物固形燃料の量が低下することが防止される。また、ガス化溶融炉の下流側へ飛散する粉化物の量が削減される分、埋立処分される集塵灰量も削減される。
ガス化溶融炉から排出された排ガスから落下灰を回収する落下灰回収装置をさらに備え、吹込装置は、廃棄物固形燃料の粉化物とともに、落下灰回収装置により回収された落下灰を羽口から高温燃焼帯に吹き込むことが好ましい。このように、廃棄物固形燃料の粉化物に加え、落下灰回収装置により回収された落下灰をもガス化溶融炉内へ吹き込むことにより、落下灰を埋立処分する必要がなくなる分、埋立処分される集塵灰量がさらに削減される。
ガス化溶融炉の周囲及びガス化溶融炉に供給する副資材の搬送設備の少なくとも一つからダストを集塵する環境集塵装置をさらに備え、吹込装置は、廃棄物固形燃料の粉化物とともに、環境集塵装置により集塵したダストを羽口から高温燃焼帯に吹き込むことが好ましい。このように、廃棄物固形燃料の粉化物に加え、環境集塵装置により集塵したダストをもガス化溶融炉内へ吹き込むことにより、ダストを埋立処分する必要がなくなる分、埋立処分される集塵灰量がさらに削減される。
<第二発明>
本発明に係るガス化溶融装置の操業方法は、炉下部に高温燃焼帯が形成され、高温燃焼帯に酸素含有ガスを吹き込む羽口を有し、廃棄物固形燃料を熱分解及び部分酸化すると共に残渣を溶融する。
かかるガス化溶融装置の操業方法において、本発明では、廃棄物固形燃料を炉内へ供給する際に廃棄物固形燃料の粉化物を回収する粉化物回収工程と、粉化物回収工程により回収された廃棄物固形燃料の粉化物を羽口から高温燃焼帯に吹き込む吹込工程とを有することを特徴としている。
本発明では、廃棄物固形燃料の粉化物は、粉化物回収工程にて回収され、吹込工程にてガス化溶融炉の高温燃焼帯に吹き込まれて、該高温燃焼帯で残渣とともに溶融される。このように、廃棄物固形燃料の粉化物を回収してガス化溶融炉内へ吹き込むことにより、ガス化溶融炉の下流側へ飛散する粉化物の量が大幅に削減されるとともに、ガス化溶融炉内でガス化溶融処理される廃棄物固形燃料の量が低下することが防止される。また、ガス化溶融炉の下流側へ飛散する粉化物の量が削減される分、埋立処分される集塵灰量も削減される。
吹込工程にて、廃棄物固形燃料の粉化物とともに、ガス化溶融炉から排出された排ガスから回収された落下灰を羽口から高温燃焼帯に吹き込むことが好ましい。このように、廃棄物固形燃料の粉化物に加え、回収された落下灰をもガス化溶融炉内へ吹き込むことにより、落下灰を埋立処分する必要がなくなる分、埋立処分される集塵灰量がさらに削減される。
吹込工程にて、廃棄物固形燃料の粉化物とともに、ガス化溶融炉の周囲及びガス化溶融炉に供給する副資材の搬送設備の少なくとも一つから集塵したダストを羽口から高温燃焼帯に吹き込むことが好ましい。このように、廃棄物固形燃料の粉化物に加え、集塵したダストをもガス化溶融炉内へ吹き込むことにより、ダストを埋立処分する必要がなくなる分、埋立処分される集塵灰量がさらに削減される。
本発明によれば、廃棄物固形燃料をガス化溶融炉によりガス化溶融処理する際に、廃棄物固形燃料の粉化物がガス化溶融炉の下流側に飛散することを防止し、ガス化溶融炉内でガス化溶融処理される廃棄物固形燃料の量を低下させることなく効率の良いガス化溶融処理を行うことができる。また、従来はガス化溶融炉の下流側に飛散していた廃棄物固形燃料の粉化物の量を大幅に削減できるので、その分、埋立処分する集塵灰量が削減でき、その結果、埋立処分場の負荷を軽減できるとともに処理コストを低減できる。さらに、廃棄物固形燃料の粉化物を回収してガス化溶融炉内に吹き込むことにより、本来ガス化溶融炉内へ供給すべき廃棄物固形燃料の全量に近い量を供給することができるので、従来よりも可燃性ガスの発生量を増加させることができる。また、従来に比べて熱源が増加するので、その分、コークス量を削減することができる。
実施形態に係るガス化溶融装置を示す図である。 図1のガス化溶融装置の一部拡大図である。 従来のガス化溶融装置を示す図である。
以下、添付図面に基づいて本発明に係るガス化溶融炉の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るガス化溶融装置を示す図である。本実施形態に係るガス化溶融装置は、図3を用いて既述した従来のガス化溶融装置に、RDFの粉化物を回収する装置(粉化物回収装置)及びガス化溶融炉1の周囲や副資材搬送コンベヤ2Dで発生したダストを回収する装置(環境集塵装置)、そして回収したRDFの粉化物及びダストをガス化溶融炉1内に吹き込む装置(吹込装置)を設けることにより構成されている。本実施形態では、上記粉化物を回収する装置及びダストを回収する装置そして該粉化物及びダストを吹き込む装置の構成を中心に説明し、従来のガス化溶融装置と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
<環境集塵装置>
ガス化溶融炉1の周囲や副資材搬送コンベヤ2Dで発生したダストを回収する装置(環境集塵装置)について説明する。環境集塵装置は以下に記載する各装置からなる。図1に示されるように、副資材搬送コンベヤ2Dには該副資材搬送コンベヤ2Dで発生するダストを回収するためのフード31が設けられており、ガス化溶融炉1の近傍には該ガス化溶融炉1の周囲で発生するダストを回収するためのフード32が設けられている。フード32はガス化溶融炉1の近傍に複数設けられているが、図1では一つを示し他の図示を省略している。以下、副資材搬送コンベヤ2D及びガス化溶融炉1の周囲で発生するダストを「環境集塵ダスト」という。
また、本実施形態に係るガス化溶融装置では、吸引ファン(図示せず)の駆動により環境集塵ダストを集塵する環境集塵機33が設けられており、上記フード31,32はそれぞれダクトによって該環境集塵機33と接続されている。環境集塵機33としてはバグフィルタ等のろ過集塵機を用いる。ガス化溶融炉1の周囲や副資材搬送コンベヤ2Dで発生したダストがフード31,32から吸引され、それぞれダクトを通って環境集塵機33で集塵され回収される。
<粉化物回収装置>
RDFの粉化物を回収する装置(粉化物回収装置)について説明する。粉化物回収装置は以下に記載する各装置からなる。RDF・副資材投入コンベヤ2Eからガス化溶融炉1内へRDF及び副資材を落下投入させるシュート2Gの側壁に粉化物を回収するための集塵空気を取り入れる集塵空気取入口2G−1が設けられ、環境集塵機33により吸引する空気が集塵空気取入口2G−1から取り入れられるようになっている。また、該集塵空気取入口2G−1には、環境集塵機33により集塵空気取入口2G−1から吸引される吸引空気量を調整するためのダンパ34が設けられている。
RDF供給ホッパ2BからRDF・副資材投入コンベヤ2EへRDFを落下させるシュート2Fの側壁には、RDFの粉化物を回収するための粉化物吸入口2F−1が設けられている。該粉化物吸入口2F−1はダクトによって環境集塵機33と接続されており、該環境集塵機33によって、RDF・副資材投入コンベヤ2E上のRDFの粉化物及びシュート2F及び2G内を落下するRDFの粉化物が吸引され回収されるようになっている。すなわち、本実施形態では、環境集塵機33は、環境集塵ダストの回収装置の集塵装置としてだけでなく、RDF粉化物の回収装置の集塵装置としても機能する。また、環境集塵機33により回収したRDF粉化物と環境集塵ダストを落下灰貯槽12に搬送する搬送装置35が設けられている。搬送装置35としては空気輸送装置や搬送コンベア等を用いることができる。
図2は、図1のガス化溶融装置のうちシュート2Fからシュート2Gへ至る部分を示す拡大図である。同図に示されるように、RDFは、固形物Rと該固形物Rが粉化した粉化物Sとが混在した状態でシュート2Fを落下する。そして、集塵空気取入口2G−1から取り込まれた空気により、RDFの粉化物Sだけが該空気の流れに同伴して粉化物吸入口2F−1を経て環境集塵機33に吸引される。
このように、本実施形態では、シュート2Gの側壁に集塵空気取入口2G−1が設置されているので、シュート2Fで捕集しきれなかったRDFの粉化物を捕集することができ、また、RDF・副資材投入コンベヤ2E上で浮遊するRDF粉化物も回収することができる。
本実施形態では、ダンパ34の開度が調整されることにより、集塵空気取入口2G−1からの吸引空気量、換言すると吸引風速が調整される。そして、吸引空気量の調整によって、RDFの粉化物と固形物とが風力選別され、粉化物のみが環境集塵機33に吸引されるようになっている。また、本実施形態では、RDFの固形物と粉化物がバラバラの状態で落下するので、RDFの粉化物を効率良く風力選別して環境集塵機33で吸引することができる。
発明者は、RDFの粉化物の粒度分布を調べ、粉化物と固形物とを風力選別することができる風速を検討した。吸引ダクト内の風速が速過ぎると、比較的大きな固形物まで吸引してしまうが、風速を6m/s以下に抑えることで、粉化物のみを選択して吸引することができることを確認した。したがって、環境集塵機33への吸込みダクト内の風速が6m/s以下になるようにダンパ34の開度を調整して吸引空気量を調整することが好ましい。
<吹込装置>
回収したRDFの粉化物及び環境集塵ダストをガス化溶融炉1内に吹き込む装置(吹込装置)について説明する。本実施形態では、上記吹込装置を落下灰回収吹込装置10と共用するようにしており、RDFの粉化物と環境集塵ダストを落下灰とともにガス化溶融炉1内に吹き込む。環境集塵機33により回収されたRDFの粉化物及び環境集塵ダストは、搬送装置35により落下灰貯槽12へ搬送され、落下灰とともに空気輸送装置14により落下灰切出装置15へ輸送される。該落下灰切出装置15により切り出されたRDFの粉化物、環境集塵ダスト及び落下灰は、シュート18、ゲート弁19を経て、主羽口1Cへ酸素含有ガスを送風する送風配管20内に供給され、送風機21により送風される酸素含有ガスとともに主羽口1Cから高温燃焼帯へ吹き込まれた後、RDFの熱分解残渣とともに溶融されスラグ化される。
本実施形態によれば、RDFの粉化物がガス化溶融炉1の下流側に飛散することが防止されるので、ガス化溶融炉1内でガス化溶融処理されるRDFの量を低下させることなく、効率良くガス化溶融処理を施すことができる。また、従来はガス化溶融炉1の下流側に飛散していたRDFの粉化物の量が大幅に削減されるので、埋立処分する集塵灰量を削減でき、その結果、埋立処分場の負荷を軽減できるとともに処理コストを低減できる。さらに、RDFの粉化物を回収してガス化溶融炉1内に吹き込むことにより、本来ガス化溶融炉1内へ供給すべきRDFの全量に近い量を供給することができるので、従来よりも可燃性ガスの発生量を増加させることができる。また、従来に比べて熱源が増加するので、その分、コークス量を削減することができる。
また、本実施形態では、RDFの粉化物を環境集塵ダストとともに環境集塵機33で吸引し、また、RDFの粉化物及び環境集塵ダストを落下灰とともに、送風機21により送風される酸素含有ガスとともに主羽口からガス化溶融炉1に吹き込むこととした。このように、RDFの粉化物、環境集塵ダスト及び落下灰の吸引手段や吹込手段を共用することにより、RDFの粉化物、環境集塵ダスト及び落下灰の吸引手段や吹込手段をそれぞれ別個に設ける場合と比較して、設備の面積を小さくできるとともに、設備費用を低く抑えることができる。なお、RDFの粉化物、環境集塵ダスト及び落下灰の吸引手段や吹込手段をそれぞれ別個に設けてもよいことは言うまでもない。
1 ガス化溶融炉
1C 主羽口(羽口)
2 供給装置(廃棄物固形燃料・副資材供給装置)
10 落下灰回収吹込装置
21 送風機
33 環境集塵機

Claims (6)

  1. 炉下部に高温燃焼帯が形成され、前記高温燃焼帯に酸素含有ガスを吹き込む羽口と、廃棄物固形燃料を炉内へ供給する廃棄物固形燃料供給装置と、廃棄物固形燃料を熱分解及び部分酸化すると共に残渣を溶融するガス化溶融炉とを有するガス化溶融装置であって、
    廃棄物固形燃料の粉化物を回収する粉化物回収装置と、前記粉化物回収装置により回収された廃棄物固形燃料の粉化物を前記羽口から高温燃焼帯に吹き込む吹込装置とを備えることを特徴とするガス化溶融装置。
  2. 前記ガス化溶融炉から排出された排ガスから落下灰を回収する落下灰回収装置をさらに備え、
    前記吹込装置は、前記廃棄物固形燃料の粉化物とともに、前記落下灰回収装置により回収された落下灰を前記羽口から高温燃焼帯に吹き込むことを特徴とする請求項1に記載のガス化溶融装置。
  3. 前記ガス化溶融炉の周囲及びガス化溶融炉に供給する副資材の搬送設備の少なくとも一つからダストを集塵する環境集塵装置をさらに備え、
    前記吹込装置は、前記廃棄物固形燃料の粉化物とともに、前記環境集塵装置により集塵したダストを前記羽口から高温燃焼帯に吹き込むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス化溶融装置。
  4. 炉下部に高温燃焼帯が形成され、前記高温燃焼帯に酸素含有ガスを吹き込む羽口を有し、廃棄物固形燃料を熱分解及び部分酸化すると共に残渣を溶融するガス化溶融装置の操業方法であって、
    廃棄物固形燃料を炉内へ供給する際に廃棄物固形燃料の粉化物を回収する粉化物回収工程と、前記粉化物回収工程により回収された廃棄物固形燃料の粉化物を前記羽口から高温燃焼帯に吹き込む吹込工程とを有することを特徴とするガス化溶融装置の操業方法。
  5. 前記吹込工程にて、前記廃棄物固形燃料の粉化物とともに、前記ガス化溶融炉から排出された排ガスから回収された落下灰を前記羽口から高温燃焼帯に吹き込むことを特徴とする請求項4に記載のガス化溶融装置の操業方法。
  6. 前記吹込工程にて、前記廃棄物固形燃料の粉化物とともに、前記ガス化溶融炉の周囲及びガス化溶融炉に供給する副資材の搬送設備の少なくとも一つから集塵したダストを前記羽口から高温燃焼帯に吹き込むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のガス化溶融装置の操業方法。
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