JP7065058B2 - 流動床炉における流動媒体の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流動床炉における流動媒体の回収方法に関する。
従来、特許文献1,2に記載されているように、砂等の流動媒体が流動した状態で各種廃棄物を焼却処理する流動床式焼却炉或いは当該廃棄物をガス化する流動床式ガス化炉が知られている。これらの流動床炉には、流動媒体を炉から取り出すと共に当該流動媒体を不燃物と分離した後、流動媒体を炉に戻す循環機構が設けられている。
特許文献1には、流動床式ガス化炉の炉底残渣の処理方法が記載されており、この方法では、流動床式ガス化炉より排出された炉底残渣から金属分及び非金属分が回収されて残った流動媒体が炉に戻されると共に、回収された非金属分が溶融炉でスラグ化される。特許文献2には、流動床式ガス化炉の底部より排出された流動砂と不燃物の混合物から不燃物を分離して流動砂のみを炉に戻す循環機構として、砂分級装置と、砂循環エレベータと、を備えたものが記載されている。
特許第3909514号公報 特許第4321823号公報
流動床式焼却炉により焼却処理される或いは流動床式ガス化炉によりガス化される廃棄物には、金や銀等の貴金属或いは鉛や亜鉛等の重金属等、有価金属が微量に含まれている。特許文献1,2では、このような廃棄物に含まれる有価金属を効率的に回収することが困難であり、本発明者等はこの課題に着目した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、流動床炉において廃棄物に含まれる有価金属を効率的に回収することが可能な方法を提供することである。
本発明の一局面に係る流動床炉における流動媒体の回収方法は、炉本体と、前記炉本体内に充填された流動媒体と、前記流動媒体を前記炉本体の外へ抜き出すための抜出口が形成されると共に前記抜出口に向かって前記流動媒体の安息角よりも小さい角度で下向きに傾斜する炉底板と、を備え、前記流動媒体が流動した状態で有価金属を含む廃棄物を焼却処理或いはガス化する流動床炉において、前記流動床炉を停止した時に前記炉本体内から前記流動媒体を回収する方法である。この回収方法は、前記炉本体内に充填された前記流動媒体を、前記抜出口を通じて重力により前記炉本体の外へ抜き出す抜出工程と、前記抜出工程の後に前記炉底板上に残存した前記流動媒体を、前記抜出工程で前記炉本体内から抜き出した前記流動媒体と分離した状態で回収する回収工程と、を備えている。
上記回収方法では、流動床炉を停止した後、まず、炉本体内に充填された流動媒体を、抜出口を通じて炉本体の外へ抜き出す(抜出工程)。この時、炉底板の傾斜角が流動媒体の安息角よりも小さいため、上記抜出工程では炉本体内に充填された流動媒体が全て炉外へ抜き出されることはなく、一部の流動媒体が炉底板上に残存する。
本発明者等は、鋭意研究の結果、上述のように抜出工程の後に炉底板上に残存した流動媒体に、廃棄物由来の有価金属が高濃度に含まれていることを新たに発見した。このため、本発明の流動床炉における流動媒体の回収方法では、上記知見に基づき、抜出工程の後に炉底板上に残存した流動媒体を、上記抜出工程で炉外へ抜き出された流動媒体と混合することなく、これと分離した状態で別途回収する(回収工程)。これにより、高濃度の有価金属を含む流動媒体のみを回収することが可能になり、その後、回収された流動媒体から有価金属を分離することにより、廃棄物由来の有価金属を効率的に回収することができる。
上記流動床炉における流動媒体の回収方法は、前記回収工程で回収した前記流動媒体から有価金属を分離する分離工程をさらに備えていてもよい。
この方法によれば、流動媒体から分離した有価金属を種々の用途に利用することができる。
上記流動床炉における流動媒体の回収方法において、前記流動床炉は、前記炉本体の外へ抜き出された前記流動媒体を前記炉本体へ戻す循環機構であって、前記流動媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された前記流動媒体を貯留する貯留槽と、を有する前記循環機構をさらに備えていてもよい。前記抜出工程では、前記炉本体の外へ抜き出された前記流動媒体を、前記搬送部により搬送すると共に前記貯留槽に供給してもよい。前記回収工程では、前記炉底板上に残存した前記流動媒体を前記炉本体の外へ排出した後、前記貯留槽と異なる場所で回収してもよい。
この方法によれば、抜出工程の後に炉底板上に残存した流動媒体を、抜出工程において炉外へ抜き出された流動媒体と確実に分離した状態で回収することが可能になる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、流動床炉において廃棄物に含まれる有価金属を効率的に回収することが可能な方法を提供することができる。
本発明の実施形態1における流動床炉の構成を模式的に示す図である。 上記流動床炉における散気管の構成を示す断面図である。 上記流動床炉における散気管の構成を示す平面図である。 本発明の実施形態1に係る流動床炉における流動媒体の回収方法の手順を示すフローチャートである。 上記流動床炉における流動媒体の回収方法の抜出工程後に炉底板上に残存した流動媒体を示す模式図である。 本発明の実施形態2における流動床炉の構成を模式的に示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る流動床炉における流動媒体の回収方法を詳細に説明する。
(実施形態1)
<流動床式ガス化溶融炉の構成>
まず、本発明の実施形態1に係る流動床炉における流動媒体の回収方法を、図1~図5を参照して説明する。はじめに、本回収方法が実施される流動床式ガス化溶融炉1の構成を、図1~図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態における流動床式ガス化溶融炉1は、流動床式ガス化炉10と、旋回流溶融炉20と、ダクト30と、を主に備えている。以下、これらの構成要素についてそれぞれ説明する。
流動床式ガス化炉10は、例えば都市ごみ、下水汚泥又は自動車破砕残渣(ASR:Automobile Shredder Residue)等の各種廃棄物を、可燃性ガス(一酸化炭素、水素、炭化水素等)、未燃物(チャー)及び灰に熱分解するための設備である。図1に示すように、流動床式ガス化炉10は、炉本体12と、炉本体12内に充填された流動媒体13と、流動媒体13を炉本体12の外へ抜き出すための抜出口16bが形成された炉底板16と、抜出口16bに接続された抜出管15と、を主に有している。
炉本体12は、上下方向に延びる円筒形状を有している。炉本体12には、廃棄物を炉本体12内に供給するための供給口14と、炉本体12内で発生した可燃性ガスを炉外へ流出させるための流出口11と、流動媒体13を流動させるための流動化ガス(例えば、空気)を風箱18(炉本体12内における炉底板16よりも下側の空間)に導入するための導入口17と、がそれぞれ設けられている。図1に示すように、供給口14は、炉本体12の側部のうち炉底板16よりも上側の部位に設けられている。流出口11は、炉本体12の頂部に設けられている。導入口17は、炉本体12の側部のうち炉底板16よりも下側の部位に設けられている。
炉底板16は、炉本体12内の底部側に配置されており、その中央部に流動媒体13の抜出口16bが形成されている。炉底板16における抜出口16bの周囲部分には、多数の散気管16aが貫通している。また図1に示すように、炉底板16は、中央の抜出口16bに向かって下向きに傾斜しており、その傾斜角は、流動媒体13の安息角よりも小さい角度となっている。具体的には、流動媒体13の安息角が35~40°であるのに対し、炉底板16の傾斜角は10~30°となっている。なお、図1では、炉底板16の傾斜角が、水平方向(図1中の破線)と炉底板16の下面との間の角として示されているが、水平方向と炉底板16の上面との間の角もこれと同じである。
図2及び図3は、散気管16aの構成を詳細に示している。図2に示すように、各散気管16aは、炉底板16を厚さ方向に貫通する直管部16a1と、直管部16a1の上端に接続されたU字管部16a2と、を有している。導入口17(図1)から風箱18に導入された流動化ガスは、直管部16a1内を上昇した後、U字管部16a2の開口から流動媒体13に向けて送り出される(図3中矢印)。
流動媒体13は、例えば珪砂やオリビン砂等の流動砂であり、炉底板16上に充填されている。これにより、図1に示すように、所定の厚さを有する流動層(砂層)が、炉底板16上に形成されている。流動床式ガス化炉10は、流動媒体13が流動した状態で有価金属(例えば、金、銀、銅、鉛又は亜鉛)を含む廃棄物を処理する。
抜出管15は、流動媒体13を不燃物と共に炉本体12の外へ抜き出すためのものである。図1に示すように、抜出管15は、炉底板16の抜出口16bに接続された上端部と、炉本体12の外側に位置する下端部と、を有し、炉本体12の底壁部を貫通して上端部から下端部まで上下に延びている。
旋回流溶融炉20は、流動床式ガス化炉10で発生した可燃性ガスの旋回流100を形成しつつ当該可燃性ガス及び未燃物を完全燃焼させると共に、可燃性ガスに同伴された灰を溶融させる炉である。図1に示すように、旋回流溶融炉20は、可燃性ガスの流入口21及び灰が溶融することにより形成される溶融スラグを炉外へ排出するための出滓口22がそれぞれ設けられた炉本体23を有している。
流入口21は、炉本体23の側部のうち頂部近傍の部位に設けられており、ダクト30により流動床式ガス化炉10の流出口11に接続されている。また出滓口22は、炉本体23の底部に設けられている。旋回流溶融炉20において可燃性ガスが燃焼することにより発生した排ガスは、旋回流溶融炉20の後段に配置された各種設備(ボイラ、減温塔、バグフィルタ、触媒反応塔等)を通過した後、煙突(図示しない)から大気中に放出される。
流動床式ガス化炉10は、循環機構40を有している。循環機構40は、炉本体12の外へ抜き出された流動媒体13を、不燃物から分離した後に炉本体12へ戻すものである。図1に示すように、循環機構40は、抜出スクリュ41と、分級装置42と、循環エレベータ43(搬送部)と、貯留槽44と、第1~第3搬送経路45,46,47と、を主に有している。
抜出スクリュ41は、回転駆動によって炉本体12の底部から流動媒体13を不燃物と共に抜き出すためのものであり、抜出管15の下端部に設けられている。分級装置42は、抜出スクリュ41の下流端に設けられており、篩によって流動媒体13と不燃物とを分離する。なお、流動媒体13から分離された不燃物は、粉砕された後に旋回流溶融炉20においてスラグ化され、又は系外へ搬出される。
循環エレベータ43は、分級装置42により不燃物が除去された流動媒体13を、所定の高さまで搬送するものである。図1に示すように、循環エレベータ43の下部には流動媒体13の入口43Aが設けられており、当該入口43Aは第1搬送経路45により分級装置42の出口42A(流動媒体13の出口)と接続されている。また循環エレベータ43の上部には、流動媒体13の出口43Bが設けられている。
貯留槽44は、循環エレベータ43により上方に搬送された流動媒体13を貯留するための槽である。図1に示すように、循環エレベータ43の出口43Bには第2搬送経路46の上端が接続されており、当該第2搬送経路46の途中に貯留槽44が配置されている。これにより、循環エレベータ43によって上方に搬送された流動媒体13を、第2搬送経路46を通じて貯留槽44へ落下させ、当該貯留槽44において貯留することができる。
また図1に示すように、第3搬送経路47は、一端が第2搬送経路46における貯留槽44よりも上側の部位に接続されると共に、他端が炉本体12の側部に接続されている。これにより、循環エレベータ43の出口43Bから出た流動媒体13を、第3搬送経路47を通じて炉本体12に戻すことができる。なお、図示は省略するが、循環機構40は、循環エレベータ43の出口43Bから出た流動媒体13を、貯留槽44へ導くか又は炉本体12へ導くかを切り替える切替部(バルブ等)をさらに有していてもよい。
<流動床炉における流動媒体の回収方法>
次に、本実施形態に係る流動床炉における流動媒体の回収方法を、図4に示すフローチャートに従って説明する。本回収方法は、以下に説明する通り、例えば流動床式ガス化炉10のメンテナンス時等、流動床式ガス化炉10を停止した時に炉本体12内から流動媒体13を回収する方法である。
まず、流動床式ガス化炉10のメンテナンス前、すなわち流動床式ガス化炉10の定常運転(工程S10)においては、散気管16aにより送り込まれる流動化ガス(例えば、空気)により流動媒体13が流動した状態で、廃棄物が供給口14から炉本体12内に供給される。そして、当該廃棄物は、炉本体12内で加熱されることにより可燃性ガス、未燃物及び灰に熱分解される。ここで、廃棄物中には、貴金属(金、銀、銅等)や重金属(鉛、亜鉛等)等の有価金属が相当量含まれている。
流動床式ガス化炉10で発生した可燃性ガスは、未燃物及び灰と共にダクト30を通じて旋回流溶融炉20内に流入する。そして、当該旋回流溶融炉20において、可燃性ガス及び未燃物が完全燃焼すると共に灰が溶融する。この定常運転の間、循環機構40を作動させることにより、炉本体12内に充填された流動媒体13を不燃物と共に炉外へ抜き出すと共に、不燃物が除去された流動媒体13を炉本体12に戻す。
次に、流動床式ガス化炉10のメンテナンス時期が到来すると(工程S20のYES)、まず、炉本体12への廃棄物の供給を停止し(工程S30)、続いて風箱18への流動化ガスの供給も停止する(工程S40)。その後、炉本体12内に充填された流動媒体13を、当該炉本体12の外へ抜き出す工程(抜出工程S50)が行われる。
抜出工程S50では、炉本体12内に充填された流動媒体13を、抜出口16bを通じて重力により炉本体12の外へ抜き出す。具体的には、抜出スクリュ41を回転駆動させることにより、炉本体12内に充填された流動媒体13を抜出管15を通じて炉本体12の外へ抜き出す。
そして、炉外へ抜き出された流動媒体13は、分級装置42で不燃物と分離され、循環エレベータ43により上方に搬送された後、貯留槽44に貯留される。つまり、抜出工程S50では、炉本体12から抜き出された流動媒体13が、炉本体12に戻されず、全て貯留槽44に貯留される。
図5は、上記抜出工程S50の後における炉本体12内の様子(炉底板16の近傍の様子)を模式的に示している。上述の通り、炉底板16は、流動媒体13の安息角よりも小さい角度θで抜出口16bに向かって下向きに傾斜している。このため、図5に示すように、上記抜出工程S50で炉本体12内の流動媒体13が全て炉外へ抜き出されることはなく、上記抜出工程S50の後に炉底板16上において一部の流動媒体13が残存する。より詳細には、炉底板16の上面と散気管16aのU字管部16a2との間には、流動化ガスの影響を受けにくい領域(不動層)が存在し、当該不動層において一定量の流動媒体13が残存する。以下、上述のように抜出工程S50の後に炉底板16上に残存した流動媒体13を、「炉底媒体(炉底砂)」とも称する。
本発明者等は、この炉底媒体中に廃棄物由来の有価金属(金、銀、銅、鉛、亜鉛等)が高濃度に含まれていることを新たに発見した。すなわち、炉底媒体は、流動媒体13と有価金属の混合物である。本発明者等の知見によると、炉底媒体は、上記抜出工程S50で貯留槽44に貯留された流動媒体13と比較して有価金属の濃度が大幅に高く、その結果かさ密度(g/cm)も大きくなっている。なお、上記抜出工程S50の前に炉本体12内に充填された流動媒体13のうち、大半(例えば99%)が上記抜出工程S50で貯留槽44に送られ、残りが炉底板16上に炉底媒体として残存する。
このため、本実施形態に係る回収方法では、上記抜出工程S50に続く回収工程S60において、上記抜出工程S50で炉本体12内から抜き出した流動媒体13(貯留槽44に貯留された流動媒体13)と分離した状態で、炉底媒体を別途回収する。具体的には、上記抜出工程S50が完了した後に作業者が炉本体12内に立ち入り、炉底媒体を採取することによって当該炉底媒体を炉本体12内から直接回収する。
その後、作業者は、炉本体12内の清掃や点検等のメンテナンス作業を行う(工程S70)。なお、炉底媒体の回収前に炉内の清掃、点検等が行われてもよいし、炉底媒体の回収と炉内のメンテナンス作業とが併行して行われてもよい。
このように、本実施形態に係る回収方法では、流動床式ガス化炉10のメンテナンスのタイミングを利用して、廃棄物由来の有価金属を高濃度に含んだ流動媒体13を回収する。下記の表1は、本実施形態における流動床式ガス化炉10(図1)と同様の構成を備えた複数の廃棄物処理施設(施設A~E)において、抜出工程S50で貯留槽44に回収した流動媒体13の有価金属濃度(mg/kg)と、抜出工程S50の後に炉底板16上に残存した炉底媒体の有価金属濃度(mg/kg)と、を調査した結果を示している。表1から明らかなように、炉底媒体は、貯留槽44に回収した流動媒体13に比較して、有価金属(Au、Ag、Cu)の濃度が顕著に高くなっている。なお、施設Aについては時期を分けて2回調査を行い、各調査結果を表1においてそれぞれ(1),(2)で示している。
Figure 0007065058000001
また下記の表2は、施設A,Bについて、抜出工程S50で貯留槽44に回収した流動媒体13のかさ密度(g/cm)と、炉底媒体のかさ密度(g/cm)と、を調査した結果を示している。表2から明らかなように、貯留槽44に回収した流動媒体13に比べて炉底媒体の方がかさ密度が大きくなり、これは有価金属濃度の差に起因するものと考えられる。
Figure 0007065058000002
最後に、上記回収工程S60で回収した流動媒体13(炉底媒体)から有価金属を分離する(分離工程S80)。具体的には、熱処理、化学処理又は物理選別等の方法により、炉底媒体に含まれる有価金属を流動媒体13から分離する。熱処理としては、例えば、溶融処理(製錬)、焼成処理又は塩化揮発等が挙げられる。化学処理としては、例えば、酸等の溶媒抽出がある。また物理選別としては、例えば、磁力選別、渦電流選別、静電選別又は比重選別等が挙げられる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る流動床炉における流動媒体の回収方法を、図6を主に参照して説明する。実施形態2に係る流動床炉における流動媒体の回収方法は、基本的に上記実施形態1に係る流動床炉における流動媒体の回収方法と同様であるが、回収工程S60の具体的方法において上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図6は、実施形態2における流動床式ガス化溶融炉1Aの構成を模式的に示している。実施形態2における流動床式ガス化炉10Aは、上記実施形態1における流動床式ガス化炉10(図1)の構成に加えて、流動媒体13を循環機構40の外へ抜き出して回収する回収機構50をさらに備えている。
図6に示すように、回収機構50は、第1搬送経路45に接続された回収経路51と、回収経路51上に設けられた第1バルブ52と、第1搬送経路45上において回収経路51の接続部P1よりも下流側に設けられた第2バルブ53と、を有している。第1バルブ52及び第2バルブ53は、制御部(図示しない)により自動制御されるものであってもよいし、手動制御されるものであってもよい。
実施形態2における抜出工程S50では、第1バルブ52を閉じ且つ第2バルブ53を開いた状態で、抜出スクリュ41を回転駆動させる。これにより、炉本体12から炉外へ抜き出された流動媒体13は、回収経路51内に入らず、循環エレベータ43により上方に搬送された後、上記実施形態1と同様に貯留槽44に供給される。
続いて、実施形態2における回収工程S60では、第1バルブ52を開状態に切り替えると共に、第2バルブ53を閉状態に切り替える。そして、作業者が炉本体12内に立ち入り、炉底板16上に残存した流動媒体13を抜出口16bから抜出管15内に落下させる。その後、抜出スクリュ41を回転駆動させる。
これにより、上記抜出工程S50の後に炉底板16上に残存した流動媒体13は、炉本体12の外へ排出された後、貯留槽44側へ搬送されず、貯留槽44と異なる場所(回収経路51)で回収される。その結果、上記実施形態1と同様に、上記抜出工程S50で貯留槽44に貯留した流動媒体13と分離した状態で、炉底媒体を別途回収することができる。
上記の通り開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
すなわち、以下のような変形例も、本発明の範囲に含まれる。
上記実施形態2では、第1搬送経路45の途中で炉底媒体を回収する場合を説明したが、循環機構40における別の場所(例えば、循環エレベータ43等)において炉底媒体の回収口が設けられてもよい。
上記実施形態2では、作業者が炉底媒体を抜出管15内に落下させる場合を説明したが、散気管16aから流動化ガスを供給することにより炉底媒体を抜出管15内に落下させてもよい。
上記実施形態1,2では、廃棄物をガス化する流動床式ガス化炉10,10Aを流動床炉の一例として説明したが、廃棄物を焼却処理する流動床式焼却炉においても本発明の流動媒体の回収方法を適用することができる。
1,1A 流動床式ガス化溶融炉
10,10A 流動床式ガス化炉(流動床炉)
12 炉本体
13 流動媒体
16 炉底板
16b 抜出口
40 循環機構
43 循環エレベータ(搬送部)
44 貯留槽
θ 角度

Claims (3)

  1. 炉本体と、前記炉本体内に充填された流動媒体と、前記流動媒体を前記炉本体の外へ抜き出すための抜出口が形成されると共に前記抜出口に向かって前記流動媒体の安息角よりも小さい角度で下向きに傾斜する炉底板と、を備え、前記流動媒体が流動した状態で有価金属を含む廃棄物を焼却処理或いはガス化する流動床炉において、前記流動床炉を停止した時に前記炉本体内から前記流動媒体を回収する方法であって、
    前記炉本体内に充填された前記流動媒体を、前記抜出口を通じて重力により前記炉本体の外へ抜き出す抜出工程と、
    前記抜出工程の後に前記炉底板上に残存した前記流動媒体を、前記抜出工程で前記炉本体内から抜き出した前記流動媒体と分離した状態で回収する回収工程と、を備えた、流動床炉における流動媒体の回収方法。
  2. 前記回収工程で回収した前記流動媒体から有価金属を分離する分離工程をさらに備えた、請求項1に記載の流動床炉における流動媒体の回収方法。
  3. 前記流動床炉は、前記炉本体の外へ抜き出された前記流動媒体を前記炉本体へ戻す循環機構であって、前記流動媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された前記流動媒体を貯留する貯留槽と、を有する前記循環機構をさらに備え、
    前記抜出工程では、前記炉本体の外へ抜き出された前記流動媒体を、前記搬送部により搬送すると共に前記貯留槽に供給し、
    前記回収工程では、前記炉底板上に残存した前記流動媒体を前記炉本体の外へ排出した後、前記貯留槽と異なる場所で回収する、請求項1又は2に記載の流動床炉における流動媒体の回収方法。
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