JP6388109B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、近年高画質な画像を得るためトナーが小粒径化する傾向にあり、前記粉砕法では、6μm以下の小粒径にすると粉砕効率が低下するとともに分級によるロスが大きくなり、生産性が低くコストアップとなってしまう点で問題である。
しかしながら、水系媒体中で分散剤を使用することを前提としているためにトナーの帯電特性を損なう分散剤がトナー表面に残存し、環境安定性が損なわれるなどの不具合が発生したり、これを除去するために非常に大量の洗浄水を必要としたりすることが知られており、必ずしも製法として満足のいくものではない点で問題である。
しかしながら、これらの方法では、トナーの小粒径化は容易であるが、一つのノズルから単位時間あたりに吐出できる液滴数が少なく、生産性が悪いという問題があると同時に、液滴同士の合一による粒度分布の広がりが避けられず、均一粒径のトナーが得られないばかりでなく、分級によるロスを伴う場合がある点で問題であった。
しかし、この工法は無機微粒子の添加効果が十分ではなかった。
したがって、トナーの製造工程を簡略化し、かつ狭粒度分布、補給性、耐熱保存性が良好なトナー及びトナーの製造方法の提供が求められているのが現状である。
(1)吐出孔からトナー組成液を吐出して液滴化する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する固化工程と、を有するトナー粒子の製造方法であって、前記トナー組成液は、少なくとも結着樹脂、離型剤および微粒子を含有してなり、前記結着樹脂の水に対する接触角が90°以下であって、かつ前記微粒子のメタノールに対する疎水化度が65%以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
本発明で用いる液滴吐出手段は吐出する液滴の粒径分布が狭ければ、特に制限は無く、公知のものを用いることができる。液滴吐出手段としては1流体ノズル、2流体ノズル、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段等が挙げられる。膜振動タイプの液滴吐出手段は例えば、特開2008−292976号公報に記載されている。レイリー分裂タイプの液滴吐出手段は例えば、特許第4647506号公報に記載されている。液振動タイプの液滴吐出手段は例えば、特開2010−102195号公報に記載されている。
液滴の粒径分布を狭くし、かつ、トナーの生産性を確保するためには、例えば、液滴化液柱共鳴を利用することができる。液滴化液柱共鳴では、液柱共鳴液室内の液体に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出孔から液体を吐出すればよい。
前記液滴吐出手段を、液柱の共鳴を利用して吐出する液柱共鳴タイプ吐出手段を例に挙げて説明する。
図1に液柱共鳴液滴吐出手段11を示す。液柱共鳴液滴吐出手段11は液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含んで構成されている。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出孔19と、吐出孔19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。12は気流通路である。
図3に吐出孔19の取りうる断面形状を示す。
(a)は吐出孔19の接液面から吐出孔に向かってラウンド形状を持ちながら開口径が狭くなるような形状を有しており、薄膜41が振動した際に吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力が最大となるため、吐出の安定化に際しては最も好ましい形状である。
(d)は(a)と(b)を組み合わせた形状である。このように段階的に形状を変更しても構わない。
先ず、図1の液柱共鳴液滴吐出手段11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、液柱共鳴液室内のトナー組成液の音速をcとし、振動発生手段20から媒質であるトナー組成液に与えられた駆動周波数をfとした場合、液体の共鳴が発生する波長λは、
λ=c/f ・・・(式1)
の関係にある。
L=(N/4)λ ・・・(式2)
(但し、Nは偶数)
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端又は片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式2のNが奇数で表現される。
f=N×c/(4L) ・・・(式3)
と導かれる。しかし、実際には、液体は共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式4、式5に示すように、式3に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
えたとき、振動発生手段が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。また、共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近傍の周波数でも液柱共鳴定在波は発生する。つまり、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さをL、液供給側の端部に最も近い吐出孔までの距離をLeとする。このとき、L及びLeの両方の長さを用いて下記式4及び式5で決定される範囲の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生手段を振動させ、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出孔から吐出することが可能である。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・(式5)
また、図6の(b)は液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる。これらの同図の(a),(b)に示すように、液柱共鳴液室18における吐出孔19が設けられている流路内での圧力は極大となっている。その後、図6の(c)に示すように、吐出孔19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。
先に説明した液滴吐出手段から気体中に吐出させたトナー組成液の液滴を固化させた後に、捕集することで本発明のトナーを得ることが出来る。
吐出した液滴を固化させる手段としては、トナー組成液の性状しだいで、考え方は異なるが、基本的にトナー組成液を固体状態にできるものであれば手段を問わない。
例えばトナー組成液が固体原材料を揮発可能な溶媒に溶解または分散させたものであれば、液滴噴射後、搬送気流中で液滴を乾燥させる、すなわち溶媒を揮発させることで達成することができる。溶媒の乾燥にあたっては、噴射する気体の温度や蒸気圧、気体種類等を適宜選定して乾燥状態を調整することが出来る。また、完全に乾燥していなくとも、捕集された粒子が固体状態を維持していれば、回収後に別工程で追加乾燥させても構わない。前記例に従わなくとも、温度変化や化学的反応等の適用で達成しても良い。
固化した粒子は公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン、バックフィルター等によって気中から回収することが出来る。
液滴吐出手段2には、トナー組成液14を収容する原料収容器13と、原料収容器13に収容されているトナー組成液14を液供給管16を通して液滴吐出手段2に供給し、更に液戻り管22を通って原料収容器13に戻すために液供給管16内のトナー組成液14を圧送する液循環ポンプ15とが連結されており、トナー組成液14を随時液滴吐出手段2に供給できる。液供給管16にはP1、乾燥捕集ユニット60にはP2の圧力測定器がそれぞれ設けられており、液滴吐出手段2への送液圧力および、乾燥捕集ユニット60内の圧力は液圧力計P1およびチャンバ内圧力計P2によって管理される。このときに、液圧力計P1の圧力p1とチャンバ内圧力計P2の圧力p2とがp1>p2の関係であると、トナー組成液1が吐出孔19から染み出す恐れがあり、p1<p2の場合には吐出手段に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
チャンバ61内では、搬送気流導入口64から作られる下降気流101が形成されている。液滴吐出手段2から吐出された液滴21は、重力によってのみではなく、搬送気流101によっても下方に向けて搬送されて搬送気流排出口65から排出され固化したトナー粒子を捕集するトナー捕集手段62によって捕集される。捕集されたトナーはトナー貯留部63に貯留される。
噴射された液滴同士が乾燥前に接触すると、液滴同士が合体し一つの粒子になってしまう(以下この現象を合着と呼ぶ)。均一な粒径分布の固化粒子を得るためには、噴射された液滴どうしの距離を保つ必要がある。しかしながら、噴射された液滴は一定の初速度を持っているが空気抵抗により、やがて失速する。失速した粒子には後から噴射された液滴が追いついてしまい、結果として合着する。この現象は定常的に発生するため、この粒子を捕集すると粒径分布はひどく悪化することとなる。合着を防ぐためには液滴の速度低下を無くし、液滴同士を接触させないように搬送気流101によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送する必要があり、最終的には固化粒子捕集手段まで固化粒子を運ぶ。
上記のように第一の気流によって合着を防いだ後に、第二の気流によって固化粒子捕集手段まで固化粒子を運んでもよい。
図9で示された乾燥捕集ユニット60によって得られたトナー粒子に含まれる残留溶剤量が多い場合はこれを低減するために必要に応じて、二次乾燥が行われる。二次乾燥としては流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることが出来る。有機溶剤がトナー中に残留すると耐熱保存性や定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく。加熱による定着時において有機溶剤が揮発するため、使用者および周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まるため、充分な乾燥を実施する。
本発明のトナーは少なくとも結着樹脂、離型剤及び微粒子を含有し、必要に応じて、着色剤、帯電調整剤、添加剤およびその他の成分を含有する。
前記結着樹脂の水への接触角が90°以下であり、前記微粒子のメタノールに対する疎水化度が65%以上である。
トナー材料としては、上記のトナー組成液を調製することが出来れば、従来の電子写真用トナーと全く同じものが使用できる。これを前記のように液滴吐出手段より微小液滴とし、液滴固化捕集手段により、目的とするトナー粒子を作製することが可能である。
有機溶剤としては、結着樹脂を溶解し、着色剤等の分散体を安定に分散できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。トナーをサイクロンで捕集する場合は、ある程度トナー組成液を気相中で乾燥して、捕集する必要があるため、容易に乾燥できる溶媒が好ましい。乾燥の観点から、溶媒の沸点は100℃以下が、好ましい。
具体例としてトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
結着樹脂としては従来公知のトナー用結着樹脂が用いられるが、溶剤に溶解させるため架橋構造をもたないものが好ましい。
例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等からなるビニル重合体、これらの単量体の2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
これらのうち、ポリエステル系樹脂やスチレン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合体樹脂が好ましく用いられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
本発明におけるトナー、及び各材料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて200℃まで加熱する。その後、200℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて200℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ショルダー温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また、『吸熱ショルダー温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『ピーク温度解析プログラム』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における融点を求めることができる。また、『吸熱ピーク温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目における融点を求めることができる。
また同じく『ピーク温度解析プログラム』を用いて、一回目の降温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の降温一回目における発熱ピーク温度を求めることができる。
また本発明では、各構成成分の二回目昇温時における融点、Tgを各対象試料の融点、
Tgとする。
結着樹脂のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましく、また、THF可溶分としては、分子量10万以下の成分が60〜100[%]となるような結着樹脂も好ましく、分子量5千〜2万の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。
接触角の測定は協和界面化学社製の自動接触角計(型番CA−W)を用いて静的接触角を測定する。本装置ソフト中の「液滴法」を選択することにより、固体表面に付着した液滴の濡れ性を測定することが出来る。具体的な測定方法はJIS R3257の静滴法の測定方法に準じる。
―結着樹脂の接触角測定用試料板の作製―
結着樹脂3 gを、底面が平らなアルミカップに計量した後、120℃に加熱されたオーブンに入れ、樹脂が十分に溶融するまで加熱した。その後、樹脂が固化するまで冷却しアルミカップから樹脂板を取り出すことで接触角測定用の試料板を得る。この時、試料板の底面に凹凸、亀裂など測定に支障をきたす欠陥がないことを確認した。
―トナーの接触角測定用試料板の作製―
トナーを自動加圧成形機により加圧成形して試料板を作製した。以下に成形条件を示す。
トナー量 : 3 g
荷重 : 6t
時間 : 60s
成形ダイス直径 : 40 mm
―熱溶融後のトナーの接触角測定用試料板の作製―
トナー3 gを、底面が平らなアルミカップに計量した後、120℃に加熱されたオーブンに入れ、トナーが十分に溶融するまで加熱した。その後、トナーが固化するまで冷却し、アルミカップからトナー板を取り出すことで接触角測定用の試料板を得た。この時、試料板の底面に凹凸、亀裂など測定に支障をきたす欠陥がないことを確認した。
微粒子はトナー表面に露出し、トナーの流動性を向上させる役割を果たす。
そのため、微粒子が高分子微粒子の場合、有機溶媒に溶解しない必要がある。その条件を満たすものであれば、前記微粒子としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末やシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ、などが挙げられる。これらの中でも、溶媒へ溶解しない点とトナーへの流動性付与の効果が高い点から、処理シリカが好ましく、該シリカの処理剤としては疎水化度の向上効果の高いヘキサメチルジシラザン(HMDS)が特に好ましい。処理シリカの疎水化度は65%(MeOH)以上であることが望ましい。65%未満では、シリカが表面に露出しにくく、トナーの流動性や耐熱保存性が悪化するからである。シリカの疎水化度は、シランカップリング剤の量によってある程度コントロールでき、量を増すことによって疎水化度を上げることができる。
疎水化度の測定はメタノール滴定試験によって行う。メタノール滴定試験は疎水化された表面を有する微粒子の疎水化度を確認する実験的試験である。
メタノール滴定試験を、疎水化された表面を有するシリカ微粉末の疎水化度を測定する場合を例に挙げて以下説明する。
・容量250mlの三角フラスコ中に水50mlを入れ、更にシリカ微粒子0.2gを添加する。
・マグネットスターラーで緩やかに攪拌しつつ、滴下時に先端が水中に浸漬されたビューレットからメタノールを添加していく。
・シリカ微粉体の全量が液体中に懸濁された時を滴定の終点とする。
疎水化度は下記式に示すように、終点に達した際のメタノール及び水の液状混合物中のメタノールの百分率として表される。
疎水化度(%)
=(滴下メタノールの質量/(50ml+滴下メタノールの質量))×100
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される着色剤を適宜選択して使用することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記マスターバッチの使用量としては、結着樹脂100部に対して、2〜30部が好ましい。
本発明で用いるトナー組成液は、結着樹脂、着色剤とともに離型剤を含有する。
離型剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン離型剤、マイクロクリスタリン離型剤、パラフィン離型剤、サゾール離型剤等の脂肪族炭化水素系離型剤、酸化ポリエチレン離型剤等の脂肪族炭化水素系離型剤の酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラ離型剤、カルナバ離型剤、木ろう、ホホバろう等の植物系離型剤、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系離型剤、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系離型剤、モンタン酸エステル離型剤、カスター離型剤の等の脂肪酸エステルを主成分とする離型剤類。脱酸カルナバ離型剤の等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
本発明のトナーに用いられる帯電制御剤としては特に限定はないが、有機溶媒への溶解性の面から、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応により得られた重縮合体を含有する負帯電性の帯電制御剤を用いることが好ましい。
前記フェノール類とは、1つのフェノール性水酸基を持ち、その水酸基のオルト位には水素が結合しているp−アルキルフェノール、p−アラルキルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種のフェノール化合物を含有しており、前記アルデヒド類としては、パラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒドを適宜使用できる。
前記の帯電制御剤であって市販されているものとしては例えば、FCA−N型の縮合系ポリマーを含有した電荷制御剤(藤倉化成株式会社)等が挙げられる。
―ポリエステル樹脂Aの合成―
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に、アルコール成分として、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物0.6モル及び、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物0.6モルを、カルボン酸成分として、テレフタル酸0.9モルを、エステル化触媒としてオクチル酸スズを入れ、窒素雰囲気下、180℃で4時間縮重合反応させた。その後、トリメリット酸0.07モルを追加して、210℃に昇温して1時間反応させ、さらに8KPaにて1時間反応させることにより、ポリエステル樹脂Aを合成した。この樹脂の水への接触角は69°、質量平均分子量は25,000、ガラス転移点は58℃であった。
―ポリエステル樹脂Bの合成―
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に、アルコール成分として、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物0.5モル及び、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物0.5モルを、カルボン酸成分として、テレフタル酸0.9モルを、エステル化触媒としてオクチル酸スズを入れ、窒素雰囲気下、180℃で4時間縮重合反応させた。その後、トリメリット酸0.07モルを追加して、210℃に昇温して1時間反応させ、さらに8KPaにて1時間反応させることにより、ポリエステル樹脂Aを合成した。この樹脂の水への接触角は80°、質量平均分子量は75,000、ガラス転移点は63℃であった。
スチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂を用いた。このスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の水への接触角は84°、質量平均分子量は45,000、ガラス転移温度は61℃であった。
シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 Z−6018)を用いた。このシリコーン樹脂の水への接触角は97°、質量平均分子量は2000、ガラス転移点は51℃であった。
バーナーの中心部に設けたスラリー噴霧用二流体ノズルの中心部から、金属シリコン粉末(平均粒径6.7μm)50部と水50部からなるスラリーを火炎中(温度約1800℃)に20.5kg/時間の速度で噴射すると共に、その周囲から酸素を供給した。
生成した球状シリカ粉末をブロワーによって捕集ラインへ空気輸送し、バグフィルターで捕集した。
球状シリカ粉末250gを振動流動層に仕込み、吸引ブロワーにより循環させた空気で流動化させながら水3.2gを噴霧して5分間流動混合させた後、シランカップリング剤であるHMDS(ヘキサメチルジシラザン)5.3gを噴霧し、40分間流動混合し[疎水性シリカA]を得た。
疎水性シリカA製造において、金属シリコン粉末(平均粒径6.7μm)70部と水30部に変えて製造した以外は疎水性シリカAと同様に製造し、[疎水性シリカB]を得た。
メタノール700部、水46部、28%アンモニア水55部を添加して混合して混合溶液を得た。
この混合溶液を35℃に調整し攪拌しながらテトラメトキシシラン1300部および5.4%アンモニア水470部を同時に添加開始し、前者は5時間、そして後者は2時間かけて滴下した。
テトラメトキシシラン滴下後も0.2時間攪拌を続け加水分解を行いシリカ微粒子の懸濁液を得た。
得られた懸濁液に室温でヘキサメチルジシラザン550部を添加し55℃に加熱し3時間反応させシリカ微粒子をトリメチルシリル化した。これにより、[疎水性シリカC]を得た。
メタノール700部、水46部、28%アンモニア水55部を添加して混合した。
この溶液を35℃に調整し攪拌しながらテトラメトキシシラン1300部および5.4%アンモニア水470部を同時に添加開始し、前者は7時間、そして後者は4時間かけて滴下した。
テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間攪拌を続け加水分解を行いシリカ微粒子の懸濁液を得た。
得られた懸濁液に室温でヘキサメチルジシラザン550部を添加し55℃に加熱し3時間反応させシリカ微粒子をトリメチルシリル化した。
これにより、[疎水性シリカD]を得た。
酸化チタン(テイカ株式会社製)250gを振動流動層に仕込み、吸引ブロワーにより循環させた空気で流動化させながら水3.2gを噴霧して5分間流動混合させた後、シランカップリング剤であるイソブチルトリメトキシシラン5.3gを噴霧し、40分間流動混合し[疎水性酸化チタンA]を得た
得られた疎水性シリカA〜D及び[疎水性酸化チタンA]の物性値を表1に示す。
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400;Cabot社製)17部、顔料分散剤3部を、酢酸エチル80部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られたカーボンブラックの一次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去したカーボンブラックの二次分散液を調製した。
次に離型剤分散液を調製した。
カルナバ離型剤18部、離型剤分散剤2部を、酢酸エチル80部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバ離型剤を溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるよう離型剤粒子を析出させた。離型剤分散剤としては、ポリエチレン離型剤にスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。得られた分散液を、更にビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下になるよう調製した。
次に、上記結着樹脂、シリカ、着色剤、及び上記離型剤が表2の組成になるように各分散液、乃至溶解液を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させてトナー組成液を得た。溶媒希釈によるショックで顔料、及び離型剤粒子が凝集することはなかった。
<トナーAの作製>
トナー組成液Aを、図1、2、図3(a)に示すトナー製造装置を用い、図4に示す液柱共鳴原理を用いた液滴吐出ヘッドにより以下に示す条件で液滴を吐出させた。その後、該液滴を乾燥固化し、サイクロン捕集した後、更に35℃にて48時間2次乾燥させることにより、トナー母体粒子Aを作製した。
[液柱共鳴条件]
共鳴モード :N=2
液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さ :L=1.8mm
液柱共鳴液室の液共通供給路側のフレームの端部の高さ :h1=80μm
液柱共鳴液室の連通口の高さ :h2=40μm
[トナー母体粒子作製条件]
分散液比重 :ρ=1.1g/cm3
吐出孔の形状 :真円
吐出孔直径 :7.5μm
吐出孔の開口数 :液柱共鳴液室1つ当たり4個
隣接する吐出孔の中心部間の最短間隔 :130μm(全て等間隔)
乾燥エアー温度 :40℃
印加電圧 :10.0V
駆動周波数 :395kHz
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Bに変更して、[トナーB]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Cに変更して、[トナーC]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを観察し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Dに変更して、[トナーD]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Eに変更して、[トナーE]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Fに変更して、[トナーF]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Gに変更して、[トナーG]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Hに変更して、[トナーH]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Iに変更して、[トナーI]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Jに変更して、[トナーJ]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Kに変更して、[トナーK]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Lに変更して、[トナーL]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Mに変更して、[トナーM]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
実施例Aの、トナー組成液Aをトナー組成液Nに変更して、[トナーN]を得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表3にまとめた。
比較例Hでは、トナー製造方法を変更した。下記手順でトナー母体粒子Oを作製した。
−スチレン/アクリル樹脂微粒子の合成−
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液]を得た。このスチレン/アクリル樹脂微粒子A1のガラス転移温度Tgは62℃であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王製)10部、メタクリル酸メチル144部、アクリル酸ブチル50部、過硫酸アンモニウム1部、エチレングリコールジメタクリレート4部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸メチル)の水性分散液[アクリル樹脂微粒子分散液]を得た。このアクリル樹脂微粒子のガラス転移温度Tgは79℃であった。
水660質量部、前記スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液A1 25部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25部、及び酢酸エチル60部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。さらにアクリル樹脂微粒子を50部加え、[水相]を得た。光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。本水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがってこの後行われるトナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このようにアクリル樹脂微粒子は凝集を生じるがせん断によってほぐれることがトナー表面に均一に付着させる上で重要である。
表2に記載した[トナー組成液O]980部が入った容器に、[水相]を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー]を得た。
[分散スラリー]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、という前記(1)〜(4)の操作を2回行い[濾過ケーキ]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナーO]を得た。
下記組成をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。このコート層形成液を、流動床型コーティング装置を用いて、粒径40μmの球状マグネタイト1,000部の表面にコーティングして磁性キャリアを得た。
[組成]
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
トルエン 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
[トナーA]から[トナーN]のそれぞれについて、ブラックトナー4部及び上記磁性キャリア96部をボールミルで混合して二成分現像剤を作製した。
各二成分現像剤について、以下に示す方法で、粒径分布、耐熱保存性、剤流動性について評価した。
トナーA〜トナーOの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(マルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。
具体的には、ガラス製ビーカー(100mL容)に10%界面活性剤(アルキルベンゼンスホン酸塩 ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加した。次いで、各トナーをそれぞれ0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜた後、イオン交換水 80mLを添加した。次いで、超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。
この分散液について、前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は、前記マルチサイザーIIIが示す濃度が8±2%になるように前記トナー分散液を滴下した。2.001μm以上20.1874μ以下の粒径を対象とした。
前記の「水に対する接触角の測定方法」の項に記載した方法で、トナー及び熱融解後のトナーの接触角CAa及びCAbを測定した。
トナー容器から現像部へのトナーの補給性は、各々のトナーをトナー容器に充填し機械にセット、上記画像を形成している間(累計20,000枚耐久中)の、トナーの補給状況を、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準(補給性)〕
○:累計20,000枚耐久中補給異常が認められなかった。
×:トナーがトナー容器に入っているのに関わらずトナーエンド検知が点灯し、機械が停止した。
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度を測定し、下記基準により耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるもの(×)は、使用上、問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
○:針入度が15mm以上
△:針入度が5mm以上15mm未満
×:針入度が5mm未満
一方、比較例A〜Hにおいては、粒度分布に優れるものの、耐熱保存性、補給性に劣る結果となった。比較例Aについては、樹脂の接触角が90°以上であったことが原因であり、比較例B〜Gについては、シリカの疎水化度が65%未満であったことが原因である。比較例Hにて製造方法を変更した場合、CAaの値が非常に小さく、疎水性微粒子以外の親水性成分が表面に配置されていることがわかる。その結果、耐熱保存性、補給性ともに劣る結果となった。
粒子の表面状態を、走査型電子顕微鏡(SEM)観察したところ、実施例のトナーはいずれもトナー表面にシリカ粒子が観察されたのに対して、比較例の結果はいずれも、シリカがトナー表面に露出していなかった。
図11に実施例Aで得たトナーの断面のTEM写真を示す。
X線電子分光(XPS)による測定結果からも、シリカ微粒子由来のSiが最表面に偏在していることが検出された。
(1)少なくともトナー成分として結着樹脂、離型剤および微粒子を含有するトナー組成液を気体媒体中で造粒・乾燥して得たトナーであって、前記結着樹脂の水への接触角が90°以下であって、かつ前記微粒子のメタノールに対する疎水化度が65%以上であって、微粒子がトナー表面に偏在することを特徴とするトナー。
(2)微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする(1)に記載のトナー。
(3)トナーの接触角(CAa)と熱溶融後のトナーの接触角(CAb)との関係が下記式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー。
60°≦CAa≦90° (1)
2°≦|CAa−CAb| (2)
(4)重量平均粒径が1μm〜10μmであり、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.00〜1.10の範囲にあることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のトナー。
(5)吐出孔からトナー組成液を吐出して液滴化する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する固化工程と、を有するトナー粒子の製造方法であって、前記トナー組成液は、少なくとも結着樹脂、離型剤および微粒子を含有してなり、前記結着樹脂の水への接触角が90°以下であって、かつ前記微粒子のメタノールに対する疎水化度が65%以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
(6)前記液滴形成工程が、同じ開口径を有する複数の吐出孔が形成された薄膜に振動手段により振動を付与し、前記吐出孔からトナー組成液を吐出して液滴を形成する工程であることを特徴とする(5)に記載のトナー製造方法。
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載のトナーとキャリアとを少なくとも含有することを特徴とする現像剤。
2:液滴吐出手段
9:弾性板
11:液柱共鳴液滴吐出手段
12:気流通路
13:原料収容器
14:トナー組成液
15:液循環ポンプ
16:液供給管
17:液共通供給路
18:液柱共鳴液室
19:吐出孔
20:振動発生手段
21:液滴
22:液戻り管
24:ノズル角度
41:薄膜
60:乾燥捕集ユニット
61:チャンバ
62:トナー捕集手段
63:トナー貯留部
64:搬送気流導入口
65:搬送気流排出口
101:下降気流
P1:液圧力計
P2:チャンバ内圧力計
Claims (3)
- 吐出孔からトナー組成液を吐出して液滴化する液滴吐出工程と、前記液滴を固化する固化工程と、を有するトナー粒子の製造方法であって、前記トナー組成液は、少なくとも結着樹脂、離型剤および微粒子を含有してなり、前記結着樹脂の水に対する接触角が90°以下であって、かつ前記微粒子のメタノールに対する疎水化度が65%以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
- 前記液滴形成工程が、同じ開口径を有する複数の吐出孔が形成された薄膜に振動手段により振動を付与し、前記吐出孔からトナー組成液を吐出して液滴を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
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