以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動ブレーキシステムの構成を示す図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1は、運転者の操作により選択された自動変速機のレンジであるシフトレバーのレンジ、すなわちP(駐車)レンジ、R(後退走行)レンジ、N(中立)レンジ又はD(前進走行)レンジを検出するレンジセンサ2と、自車両の車速を検出する車速センサ3と、自車両の操舵角度を検出する舵角センサ4と、自車両周囲の障害物を検出する障害物検出センサ5と、運転者によるブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダルセンサ6とを備えている。
障害物検出センサ5は、ミリ波レーダやレーザレーダなどが用いられ、自車両の前方に配置されて自車両前方の障害物を検出する前方障害物検出センサ5aと、自車両の後方に配置されて自車両後方の障害物を検出する後方障害物検出センサ5bとから構成されている。
前方障害物検出センサ5aは、自車両前方の障害物を検出すると共に自車両前方の障害物と自車両との距離及び相対速度を検出するようになっている。後方障害物検出センサ5bは、自車両後方の障害物を検出すると共に自車両後方の障害物と自車両との距離及び相対速度を検出するようになっている。
図2は、自車両の走行路内の障害物を示す図である。図2(a)に示すように、前方障害物検出センサ5aは、自車両20の前進時に自車両前方の走行路31内の障害物30を検出すると共に障害物30と自車両20との距離L1及び相対速度V1を検出し、障害物30が静止している場合は障害物30と自車両20との相対速度V1として自車両20の速度と同じ速度を検出するようになっている。
図2(b)に示すように、後方障害物検出センサ5bは、自車両20の後退時に自車両後方の走行路41内の障害物40を検出すると共に障害物40と自車両20との距離L2及び相対速度V2を検出し、障害物40が静止している場合には障害物40と自車両20との相対速度V2として自車両20の速度と同じ速度を検出するようになっている。
自動ブレーキシステム1はまた、運転者によるブレーキペダルの操作時にブレーキペダルの踏込量に応じて所定のブレーキ圧が供給されて自車両に制動力を付与するブレーキ手段としてのブレーキ装置8を備えている。ブレーキ装置8はまた、自車両周囲の障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合、障害物に自車両が衝突する前に自車両を停車させるように、自動的に第1ブレーキ圧(自動ブレーキ圧)が供給されて自車両に第1制動力を付与するように作動される。自車両に第1制動力を付与するように供給される第1ブレーキ圧として、好ましくは運転者によるブレーキペダルの最大踏込量に対応するブレーキ圧が設定される。
自動ブレーキシステム1はまた、自車両周囲の障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合に障害物に自車両が衝突する前に自車両を停車させるようにブレーキ装置8が作動される前に、ブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知する警報装置9を備えている。
自動ブレーキシステム1にはまた、ブレーキ装置8及び警報装置9の作動などを含む自車両20に関係する構成を総合的に制御するコントロールユニット10が備えられている。コントロールユニット10には、レンジセンサ2、車速センサ3、舵角センサ4、障害物検出センサ5、ブレーキペダルセンサ6などからの信号が入力され、コントロールユニット10は、これらの信号などに基づいてブレーキ装置8及び警報装置9の作動などの各種制御を行うようになっている。なお、コントロールユニット10は、マイクロコンピュータを主要部として構成されている。
コントロールユニット10は、自車両周囲の障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測し、具体的には自車両の前進時に自車両前方の障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測すると共に自車両の後退時に自車両後方の障害物に自車両20が衝突する可能性があることを予測する。
コントロールユニット10は、車速が1km/hなどの所定車速以上である走行時に、自車両と障害物との距離及び相対速度に基づいて、自車両と障害物との距離を自車両と障害物との相対速度で除して衝突予測時間(TTC:Time To Collision)を算出すると共に、衝突予測時間が予め設定された2秒などの衝突予測判定時間以下になると障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測する。
そして、コントロールユニット10は、障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合、障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測したことを運転者に報知する衝突予測報知制御を行う。
コントロールユニット10は、障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合、衝突予測時間が予め設定された1秒などの自動ブレーキ作動判定時間以下になると、障害物に自車両が衝突する前に自車両を停車させるようにブレーキペダルの操作にかかわりなく自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる自動ブレーキ制御を行う。また、自動ブレーキ制御が行われていることを運転者に報知する自動ブレーキ作動報知制御を行う。
本実施形態では、コントロールユニット10は、運転者によるブレーキペダルの非操作時に、衝突予測時間が予め設定された1、3秒などの自動ブレーキ報知判定時間以下になると、障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合に自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動される前に、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知する自動ブレーキ報知制御を行う。
自動ブレーキ報知制御は、自車両の後退時に自車両後方の障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合と、自車両の前進時に自車両前方の障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合とに応じて、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知する報知形態を変更させ、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知する。
図3は、自動ブレーキシステムの制御を説明するためのタイムチャートである。自動ブレーキシステム1では、図3(a)に示すように、自車両の前進時に静止した自車両前方の障害物に接近する場合、前方障害物に衝突するまでの衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1以下になると障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測して衝突予測報知制御を行い、第1音量音である報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
そして、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1より短い自動ブレーキ報知判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行い、第1音量音である報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
また、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ報知判定時間t2より短い自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行い、自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、自動ブレーキ作動報知制御を行い、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
また、図3(b)に示すように、自車両の後退時に静止した自車両後方の障害物に接近する場合、後方障害物に衝突するまでの衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1以下になると障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測して衝突予測報知制御を行い、第1音量音である報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
そして、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレーキ報知判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行い、第1音量音である報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させると共に、ブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1より低い第2ブレーキ圧P2を供給して自車両に第1制動力より小さい第2制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。第2ブレーキ圧P2として、好ましくは第2ブレーキ圧の供給によるブレーキ装置8の作動によって運転者に弱い慣性負荷が作用するように第1ブレーキ圧P1の三分の一以下のブレーキ圧が設定される。
また、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行い、自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、自動ブレーキ作動報知制御を行い、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知する報知開始タイミングである自動ブレーキ報知判定時間t2は、障害物と自車両との距離及び相対速度に基づいて、自動ブレーキ作動判定時間t3までに、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることに対して運転者が準備動作を完了して身構えることができる1.3秒などの時間が設定される。
このように、コントロールユニット10は、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動される前に自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知し、自車両の後退時と自車両の前進時とに応じて運転者に報知する報知形態を変更させ、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知し、所定時間経過したときに自動ブレーキ制御を行う。
本実施形態では、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されるときにブレーキ装置8の作動に対する運転者の準備動作が完了できるように自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動される直前に、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知する。
図4は、自動ブレーキシステムの制御を示すフローチャートである。図4に示すように、自車両周囲の障害物に自車両が衝突することが予測される場合に障害物に自車両が衝突する前に自車両を停車させるように自動的にブレーキ装置8を作動させる自動ブレーキシステム1の制御動作は、コントロールユニット10によって実行される。
コントロールユニット10には先ず、各種信号が読み込まれ(ステップS1)、シフトレバーのレンジ、自車両の車速、自車両の操舵角度、障害物と自車両との距離及び相対速度、及びブレーキペダルの踏込量などが読み込まれる。そして、走行時に走行路内に障害物が検出されたか否かが判定される(ステップS2)。シフトレバーのレンジ及び自車両の車速に基づいて走行時であるか否かが判定され、走行時であると判定される場合にシフトレバーのレンジ、自車両の車速及び操舵角度に基づいて予測される走行路内に障害物が検出されたか否かが判定される。
ステップS2での判定結果がノー(NO)の場合、ステップS1〜S2が繰り返されるが、ステップS2での判定結果がイエス(YES)の場合、障害物と自車両との距離及び相対速度に基づいて衝突予測時間が算出され(ステップS3)、シフトレバーのレンジ及び自車両の車速に基づいて後退時であるか否かが判定される(ステップS4)。
ステップS4での判定結果がイエスの場合、自車両後方の障害物に衝突する可能性があることが予測されるか否かが判定され(ステップS5)、衝突予測時間が後退時における衝突予測判定時間以下であるか否かが判定される。
ステップS5での判定結果がノーの場合、後退時にはステップS1〜S5が繰り返されるが、ステップS5での判定結果がイエスの場合、後退時における衝突予測報知制御を行い(ステップS6)、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
次に、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間が後退時における自動ブレーキ報知時間以下であるか否かが判定され(ステップS7)、ステップS7での判定結果がノーの場合、後退時にはステップS1〜S7が繰り返されるが、ステップS7での判定結果がイエスの場合、後退時における自動ブレーキ報知制御を行い(ステップS12)、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させると共に、ブレーキ装置8に第2ブレーキ圧P2を供給して自車両に第2制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させ、運転者に警報音に加えて第2制動力による慣性負荷を作用させて自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを報知する。
そして、衝突予測時間が後退時における自動ブレーキ作動判定時間以下であるか否かが判定され(ステップS9)、ステップS9での判定結果がノーの場合、後退時にはステップS1〜S9が繰り返されるが、ステップS9での判定結果がイエスの場合、後退時における自動ブレーキ制御を行い(ステップS10)、ブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、後退時における自動ブレーキ作動報知制御を行い(ステップS11)、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
一方、ステップS4での判定結果がノーの場合、すなわち後退時ではなく前進時である場合、自車両前方の障害物に衝突する可能性があることが予測されるか否かが判定され(ステップS12)、衝突予測時間が前進時における衝突予測判定時間以下であるか否かが判定される。
ステップS12での判定結果がノーの場合、前進時にはステップS1〜S4、S12が繰り返されるが、ステップS12での判定結果がイエスの場合、前進時における衝突予測報知制御を行い(ステップS13)、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
次に、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間が前進時における自動ブレーキ報知時間以下であるか否かが判定され(ステップS14)、ステップS14での判定結果がノーの場合、前進時にはステップS1〜S4、S12〜S14が繰り返されるが、ステップS14での判定結果がイエスの場合、前進時における自動ブレーキ報知制御を行い(ステップS15)、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させ、運転者に警報音を作用させて自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを報知する。
そして、衝突予測時間が前進時における自動ブレーキ作動判定時間以下であるか否かが判定され(ステップS16)、ステップS16での判定結果がノーの場合、前進時にはステップS1〜S4、S12〜S16が繰り返されるが、ステップS16での判定結果がイエスの場合、前進時における自動ブレーキ制御を行い(ステップS17)、ブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、前進時における自動ブレーキ作動報知制御を行い(ステップS17)、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
本実施形態では、自車両の前進時に静止した自車両前方の障害物に接近する場合及び自車両の後退時に静止した自車両後方の障害物に接近する場合について衝突予測時間に基づいて自動ブレーキ制御などの制御を行っているが、自車両の前進時に移動する自車両前方の障害物に接近する場合及び自車両の後退時に移動する自車両後方の障害物に接近する場合についても同様に衝突予測時間に基づいて自動ブレーキ制御などの制御が行われる。
このように、本実施形態に係る自動ブレーキシステム1では、自車両周囲の障害物に自車両が衝突する前に自車両を停車させるように自動的に自車両のブレーキ装置8を作動させ、障害物に自車両が衝突する可能性があることが予測される場合にブレーキ装置8が作動される前にブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知し、自車両の後退時と自車両の前進時とに応じて、運転者に報知する報知形態を変更させる。
これにより、障害物に自車両が衝突する前に自車両を停車させるように自動的に自車両のブレーキ装置8が作動されるので、障害物に自車両が衝突することを防止すると共に、自車両のブレーキ装置8が作動される前にブレーキ装置が作動されることが運転者に報知されるので、運転者に自動ブレーキ作動前に自動ブレーキが作動されることを認識させて自動ブレーキ作動に対する準備動作を完了させて身構えるように準備動作を行わせることができる。
また、自車両の後退時と自車両の前進時とに応じて運転者に報知する報知形態が変更されるので、運転者によって障害物を視認することが難しい自車両の後退時に自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知することで、自車両の後退時に運転者に自動ブレーキ作動前に自動ブレーキが作動されることを認識させて自動ブレーキ作動に対する準備動作を完了させて身構えるように準備動作を行わせることができる。
また、自車両の後退時には警報装置9を作動させると共に自車両に第1制動力より小さい第2制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させ、自車両の前進時には警報装置9を作動させ、自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知することにより、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知することができ、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。また、自動ブレーキ作動前に弱い制動力によって運転者が着座するシートのヘッドレストにゆっくり運転者の頭部を近づけさせて準備動作を行わせることができる。
また、障害物と自車両との距離及び相対速度に基づいて、ブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知する報知開始タイミングを決定することにより、運転者がブレーキ装置8の作動に対する準備動作を完了させて身構えることができる時間を確保するように報知開始タイミングを決定することで、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。
また、ブレーキ装置8が作動されることが運転者に報知された後に所定時間経過したときに、ブレーキ装置8を作動させることにより、所定時間として、運転者がブレーキ装置8の作動に対する準備動作を完了させて身構えることができる時間を設定することで、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る自動ブレーキシステムの制御を説明するためのタイムチャートである。第2実施形態に係る自動ブレーキシステムは、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と、後退時における自動ブレーキ報知制御及び自動ブレーキ作動報知制御が異なるものであり、同様の構成については説明を省略する。
第2実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいても、図5(a)に示すように、自車両の前進時に自車両前方の障害物に接近する場合、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と同様に、衝突予測時間TTCが衝突予測時間t1以下になると衝突予測報知制御を行い、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレーキ予測判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行い、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行うと共に自動ブレーキ作動報知制御を行う。
また、図5(b)に示すように、自車両の後退時に自車両後方の障害物に接近する場合、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と同様に、衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1以下になると衝突予測報知制御を行い、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレー報知判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行うが、自動ブレーキ報知制御は、第1音量音より高い第2音量音である報知レベルN2で警報音を発生させるように警報装置9を作動させると共に、ブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1より低い第2ブレーキ圧P2を供給して自車両に第1制動力より小さい第2制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。
また、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行い、自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、自動ブレーキ作動報知制御を行うが、自動ブレーキ作動報知制御は、報知レベルN2で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
本実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいても、コントロールユニット10は、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動される前に自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知し、自車両の後退時と自車両の前進時とに応じて運転者に報知する報知形態を変更させ、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知し、所定時間経過したときに自動ブレーキ制御を行う。
これにより、障害物に自車両が衝突することを防止すると共に運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。運転者によって障害物を視認することが難しい自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知することで、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。
図6は、本発明の第3実施形態に係る自動ブレーキシステムの制御を説明するためのタイムチャートである。第3実施形態に係る自動ブレーキシステムは、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と、後退時における自動ブレーキ報知制御及び自動ブレーキ作動報知制御が異なるものであり、同様の構成については説明を省略する。
第3実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいても、図6(a)に示すように、自車両の前進時に自車両前方の障害物に接近する場合、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と同様に、衝突予測時間TTCが衝突予測時間t1以下になると衝突予測報知制御を行い、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレーキ予測判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行い、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行うと共に自動ブレーキ作動報知制御を行う。
また、図6(b)に示すように、自車両の後退時に自車両後方の障害物に接近する場合、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と同様に、衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1以下になると衝突予測報知制御を行い、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレーキ報知判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行うが、自動ブレーキ報知制御は、第1音量音より高い第2音量音である報知レベルN2で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
また、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行い、自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、自動ブレーキ作動報知制御を行うが、自動ブレーキ作動報知制御は、報知レベルN2で警報音を発生させるように警報装置9を作動させる。
本実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいても、コントロールユニット10は、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動される前に自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知し、自車両の後退時と自車両の前進時とに応じて運転者に報知する報知形態を変更させ、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知し、所定時間経過したときに自動ブレーキ制御を行う。
これにより、障害物に自車両が衝突することを防止すると共に運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。運転者によって障害物を視認することが難しい自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知することで、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。
次に、本発明の第4実施形態に係る自動ブレーキシステムについて説明する。
第4実施形態に係る自動ブレーキシステムは、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と、後退時における自動ブレーキ報知制御及び自動ブレーキ作動報知制御が異なるものであり、同様の構成については説明を省略する。
第4実施形態に係る自動ブレーキシステムは、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1にシートベルトを所定張力で巻き取るプリテンショナ機構が備えられ、コントロールユニット10は、プリテンショナ機構の作動を制御するようになっている。
第4実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいても、自車両の後退時に自車両後方の障害物に接近する場合、第1実施形態に係る自動ブレーキシステム1と同様に、衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1以下になると衝突予測報知制御を行い、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレーキ報知判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行うが、自動ブレーキ報知制御は、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させると共に、シートベルトを所定張力で巻き取るプリテンショナ機構を作動させ、運転者に警報音に加えてシートベルトの拘束力を強めて、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを報知する。
また、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行い、自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、自動ブレーキ作動報知制御を行うが、自動ブレーキ作動報知制御は、報知レベルN1で警報音を発生させるように警報装置9を作動させると共にシートベルトを所定張力で巻き取るプリテンショナ機構を作動させる。
本実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいても、コントロールユニット10は、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動される前に自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知し、自車両の後退時と自車両の前進時とに応じて運転者に報知する報知形態を変更させ、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知し、所定時間経過したときに自動ブレーキ制御を行う。
これにより、障害物に自車両が衝突することを防止すると共に運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。運転者によって障害物を視認することが難しい自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知することで、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。
また、自車両の後退時には警報装置9を作動させると共にプリテンショナ機構を作動させ、自車両の前進時には警報装置9を作動させ、ブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知することにより、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知することができ、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。
次に、本発明の第5実施形態に係る自動ブレーキシステムについて説明する。
第5実施形態に係る自動ブレーキシステムは、第3実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいて、警報装置9に代えてシートベルトを所定張力で巻き取るプリテンショナ機構を用いて運転者に報知するようにしたものであり、同様の構成については説明を省略する。
第5実施形態に係る自動ブレーキシステムは、第3実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいて警報装置9に代えてシートベルトを所定張力で巻き取るプリテンショナ機構が備えられ、コントロールユニット10は、プリテンショナ機構の作動を制御するようになっている。
第5実施形態に係る自動ブレーキシステムでは、自車両の前進時に自車両前方の障害物に接近する場合、衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1以下になると障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測して衝突予測報知制御を行い、第1張力である報知レベルN1でシートベルトを巻き取るようにプリテンショナ機構を作動させる。
そして、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレーキ報知判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行い、第1張力である報知レベルN1でシートベルトを巻き取るようにプリテンショナ機構を作動させる。
また、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行い、自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、自動ブレーキ作動報知制御を行い、第1張力である報知レベルN1でシートベルトを巻き取るようにプリテンショナ機構を作動させる。
また、自車両の後退時に自車両後方の障害物に接近する場合、衝突予測時間TTCが衝突予測判定時間t1以下になると障害物に自車両が衝突する可能性があることを予測して衝突予測報知制御を行い、第1張力である報知レベルN1でシートベルトを巻き取るようにプリテンショナ機構を作動させる。
そして、運転者によるブレーキペダルの非操作時に衝突予測時間TTCが自動ブレーキ報知判定時間t2以下になると、自動ブレーキ報知制御を行い、第1張力より高い第2張力である報知レベルN2でシートベルトを巻き取るようにプリテンショナ機構を作動させる。
また、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ作動判定時間t3以下になると、自動ブレーキ制御を行い、自動的にブレーキ装置8に第1ブレーキ圧P1を供給して自車両に第1制動力を付与するようにブレーキ装置8を作動させる。また、自動ブレーキ作動報知制御を行い、報知レベルN2でシートベルトを巻き取るようにプリテンショナ機構を作動させる。
本実施形態に係る自動ブレーキシステムにおいても、コントロールユニット10は、自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動される前に自動ブレーキ制御によってブレーキ装置8が作動されることを運転者に報知し、自車両の後退時と自車両の前進時とに応じて運転者に報知する報知形態を変更させ、自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知し、所定時間経過したときに自動ブレーキ制御を行う。
これにより、障害物に自車両が衝突することを防止すると共に運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。運転者によって障害物を視認することが難しい自車両の後退時には自車両の前進時より高い報知レベルで運転者に報知することで、運転者に自動ブレーキ作動前に準備動作を行わせることができる。
本実施形態では、自車両の前進時及び後退時において衝突予測判定時間、自動ブレーキ報知判定時間、自動ブレーキ作動判定時間が同一に設定されているが、自車両の前進時及び自車両の後退時において衝突予測判定時間、自動ブレーキ報知判定時間、自動ブレーキ作動判定時間を異なるように設定することも可能である。
また、警報装置9は警報音を発生させるように構成されているが、ディスプレイなどの表示装置に警報表示を表示させるようにすることも可能である。かかる場合、警報表示を、自車両の後退時には自車両の前進時より大きく表示することで報知レベルを高くすることも可能である。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。