以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[塗装設備の構成例]
図1は、本発明の実施の形態に係るワーク搬送装置100を含む塗装設備150の構成例を示す平面図である。塗装設備150は、ワーク処理設備の一例である。したがって、ワーク搬送装置100が適用される設備は、塗装設備に限定されず、任意である。
図1に示すように、塗装設備150は、ワークWに塗装するための設備である。そして、塗装設備150は、ワーク搬送装置100の他、ロボット110、図示しない塗料供給装置、及び塗装ブース120を備えている。また、塗装設備150は、ワーク搬送装置100、ロボット110、及び塗料供給装置を制御する図示しない制御部を備えている。
ロボット110は、例えば、多関節ロボットであり、アーム112と、アーム112の先端に設けられている吐出ガン111と、を備えている。そして、アーム112を動かして吐出ガン111の姿勢を変化させることによって、塗料の噴射位置及び姿勢を変化させることができる。これによって、塗装ムラが生じることを防ぐことができる。ロボット110は、周知の多関節ロボットで構成されるので、これ以上の説明を省略する。
塗料供給装置は、吐出ガン111に塗料を供給する。
塗装ブース120は、開口部121を有する。そして、開口部121の内側にワークWに塗料を吹き付けるための塗装作業空間が設定されている。そして、開口部121を除く塗装作業空間を囲むように壁面122が設けられている。壁面122は、ロボット110の吐出ガン111から放出された塗料ミストであって、塗装作業空間に分散浮遊する塗料ミストが、塗装作業空間の外に流出することを防止している。また、塗装ブース120は、塗料ミストを捕集する機構を有している。本実施の形態において、塗装ブース120は、壁面122に沿って水を流下させることによって、塗料ミストを捕集する。なお、塗料ミストを捕集する機構は、これに限定されるものではない。塗装ブース120は、周知の塗装ブースで構成されるので、これ以上の説明を省略する。
ロボット110、ワーク搬送装置100及び塗装ブース120は、例えば、後方から前方に向かって、この順に一列に配置されている。また、塗装ブース120は、開口部121がロボット110及びワーク搬送装置100に向くように配置されている。なお、以下では説明の便宜上、ロボット110から塗装ブース120に向かう方向を前といい、その逆方向を後ということがある。また、説明の便宜上、上下方向から見て、前後方向と直交する方向を左右方向ということがある。
そして、塗装ブース120の塗装作業空間に、ロボット110がワークWを塗装するためのワーク処理位置P1が設定される。このワーク処理位置P1は、ワーク搬送装置100の後述する第1アーム3が保持するワークW、及びワーク搬送装置100の後述する第2アーム4が保持するワークWを塗装するための位置である。すなわち、塗装設備150において、第1アーム3が保持するワークW及び第2アーム4が保持するワークWは、同一位置において処理される。これによって、ロボット110は、第1アーム3が保持するワークW及び第2アーム4が保持するワークWを同一の動作によって塗装することができ、ひいては、塗装設備150の構成を簡素化することができる。一方のアームに保持されたワークWを処理している間に他方のアームに保持された処理済のワークを未処理のワークWに交換することができるので、ワーク搬送装置100が1つのアームのみを備える場合に比べて、タクトタイムを短縮することができる。
そして、後述するワークWを交換するための第1ワーク交換位置P2及び第2ワーク交換位置P3がワーク搬送装置100の後方に設定される。本実施の形態において、第1ワーク交換位置P2及び第2ワーク交換位置P3は、ロボット110の両側方に設定される。そして、第1ワーク交換位置P2は、ワーク搬送装置100の後述する第1アーム3が保持するワークWを交換するための位置であり、第2ワーク交換位置P3は、ワーク搬送装置100の後述する第2アーム4が保持するワークWを交換するための位置である。したがって、上記ワーク処理位置P1とは異なり、第1アーム3が保持するワークWの交換位置と第2アーム4が保持するワークWの交換位置は、別の位置に設定される。そして、第1ワーク交換位置P2及び第2ワーク交換位置P3に位置するワークWを載置した後述するワーク保持台8は、塗装設備150の後方に位置する、例えば作業員、搬送ロボットによって交換される。なお、ワーク処理位置P1、第1ワーク交換位置P2、及び第2ワーク交換位置P3は、例示であり、上記以外の任意の適切な位置に配置してもよい。
[ワーク搬送装置の構成例]
図2は、ワーク搬送装置100の構成例を示す平面図であり、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1と第2回転角度位置Pθ2との中間の角度位置Pθnに位置する状態を示す図である。図3は、ワーク搬送装置100の構成例を示す平面図であり、旋回体2が第1回転角度位置に位置する状態を示す図である。図4は、ワーク搬送装置100の構成例を示す平面図であり、旋回体2が第2回転角度位置に位置する状態を示す図である。なお、図3及び図4においては、駆動装置の図示を省略している。
図2に示すように、ワーク搬送装置100は、基台1と、旋回体2と、第1アーム3と、第2アーム4と、第1連動機構と、第2連動機構と、駆動装置131と、を備える。
本実施の形態において、駆動装置131は、例えば、サーボモータであり、例えば基台1の内部に配置され、塗装設備150の制御部によって制御される。
基台1は、例えば床に載置、固定されている。本実施の形態において、基台1は、例えば、軸線が上下方向に延びる円筒状に形成されているが、これに限定されるものではない。
旋回体2は、基台1に対して旋回軸線L1周りに回動可能に連結されている。この連結されている部分が後述する4節リンクにおける第1関節61を構成する。そして、旋回体2は、例えば、厚板状に形成された基体部23と、上端部が基体部23に固着され、基体部23から下方に、基台1の内部まで延びる軸部24とを含む。軸部24は、軸線が旋回軸線L1の延在方向に延びるよう配設されている。そして、軸部24は、ワーク搬送装置100の駆動装置131によって、旋回軸線L1周りに回転駆動される。本実施の形態において、旋回体2は、図3に示す第1回転角度位置Pθ1と、図4に示す第2回転角度位置Pθ2との間で回動可能に構成されている。
図3に示す第1回転角度位置Pθ1は、第1アーム3に取り付けられたワーク保持台8(図1参照)のワークWをワーク交換位置P2(図1参照)に位置させる角度位置である。また、第1回転角度位置Pθ1は、第2アーム4に取り付けられたワーク保持台8(図1参照)のワークWをワーク処理位置P1(図1参照)に位置させる角度位置でもある。
また、図4に示す第2回転角度位置Pθ2は、第1アーム3に取り付けられたワーク保持台8(図1参照)のワークWをワーク処理位置P1(図1参照)に位置させる角度位置である。また、第2回転角度位置Pθ2は、第2アーム4に取り付けられたワーク保持台8(図1参照)のワークWをワーク交換位置P3(図1参照)に位置させる角度位置でもある。
そして、本実施の形態において、旋回体2の基体部23は、図2に示すように、例えば、旋回軸線L1に対して径方向外方に突出する2つの突出部21,22を有している。この2つの突出部21,22は、第1アーム3及び第2アーム4が取り付けられる部分である。そして、突出部21,22は、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1と第2回転角度位置Pθ2との中間の角度位置(中間角度位置)Pθnに位置していると仮定した場合に、旋回軸線L1の延在方向から見て(以下、「平面視において」という場合がある)、旋回軸線L1を通って前後方向に延びる仮想の基準線Sに対して線対称であるように設けられている。以下、この平面視において旋回軸線L1と通って前後方向に延びる仮想の基準線Sを、単に基準線Sということがある。
第1アーム3は、仮想の第1延伸軸La1に沿って延びる形状(例えば、棒状)に形成されている。そして、第1アーム3は、一端部3aに、第1アーム3に対して回動可能に第1ワーク保持台回転軸31が設けられている。第1ワーク保持台回転軸31は、図示しないワーク保持台回転駆動装置によって回転駆動されるように構成されている。なお、このワーク保持台回転駆動装置は、ワーク搬送装置100の駆動装置131によって構成されていてもよく、この場合、図示されないクラッチ機構によって、ワーク搬送装置100の駆動装置131が旋回体2の軸部24及び第1アーム3の第1ワーク保持台回転軸31の何れか一方を回転させるように切替可能に構成されていてもよい。そして、第1ワーク保持台回転軸31には、ワークWを載置するためのワーク保持台8(図1参照)を着脱自在に取り付けることができるように構成されている。このワーク保持台8は、例えば平板状に形成されている。よって、第1ワーク保持台回転軸31に取り付けられたワーク保持台8は、ワーク保持台回転駆動部によって回転される。これによって、塗装ムラが生じることを防ぐことができる。このように第1ワーク保持台回転軸31は、第1ワーク保持部を構成している。
そして、第1アーム3は、第1ワーク保持台回転軸31より他端に近い部分(第1所定部分)が旋回体2の基体部23の突出部21に第1軸線L2周りに回動可能に連結されている。この連結されている部分が後述する4節リンクにおける第2関節62を構成する。第1軸線L2は、旋回軸線L1と平行に伸びている。
ここで、本実施の形態では、旋回体2の回転角度を、便宜上、基準線Sに対する旋回体2の旋回軸線L1周りの回転角度で表す。また、旋回体2の旋回軸線L1周りの回転における角度位置を、便宜上、平面視において旋回軸線L1と第1軸線L2とを通るリンク線LL1によって、当該旋回体2を代表して示す。第1回転角度位置Pθ1は、基準線Sに対しリンク線LL1がθ1の回転角度を成す回転角度位置に設計され(図3参照)、第2回転角度位置Pθ2は、基準線Sに対しリンク線LL1がθ2の回転角度を成す回転角度位置に設計される(図4参照)。更に、中間角度位置Pθnは、基準線Sに対しリンク線LL1がθnの回転角度を成す回転角度位置に設計される。θ1は鋭角の回転角度に設計され、θ2は180度を超える回転角度に設計され、θnはθ1を超えてθ2未満の回転角度に設計される。
また、第1アーム3は、図2に示す第1近接回転角度位置Pnθ1と、図2〜4に示す第1離隔回転角度位置Pdθ1との間で、第1軸線L2周りに回動可能に旋回体2に取り付けられている。本実施の形態では、第1アーム3の回転角度を、便宜上、リンク線LL1に対する第1アーム3の第1軸線L2周りの回転角度で表す。また、第1アーム3の第1軸線L2周りの回転における角度位置を、便宜上、上述の第1延伸軸La1によって、当該第1アーム3を代表して示す。なお、平面視において、第1ワーク保持台回転軸31と第1軸線L2とを通る軸が上述の第1延伸軸La1として定義される。第1離隔回転角度位置Pdθ1は、リンク線LL1に対し第1延伸軸La1がθa1の回転角度を成す回転角度位置に設計され(図3参照)、第1近接回転角度位置Pnθ1は、第1離隔回転角度位置Pdθ1から第1回転方向C1にθmax1回転した角度位置に設計される。θa1は、例えば180度以下の鈍角に設計され、θmax1は鋭角に設計される。第1近接回転角度位置Pnθ1は、第1ワーク保持台回転軸31が旋回軸線L1に近い第1近接位置Pn1に位置する、第1アーム3の旋回体2に対する角度位置である。第1離隔回転角度位置Pdθ1は、第1ワーク保持台回転軸31が第1近接回転角度位置Pnθ1よりも旋回軸線L1から遠い第1離隔位置Pd1(図3,4参照)に位置する第1アーム3の旋回体2に対する角度位置である。なお、第1アーム3は、第1近接回転角度位置Pnθ1と第1離隔回転角度位置Pdθ1との間の角度範囲を超えて回動可能に構成されていてもよい。
また、図2に示すように、第1アーム3の第2関節62から他端部3bまでの部分の幅は、第1アーム3の一端部3aから第2関節62までの部分の幅よりも狭くなっている。これによって、第1アーム3を軽量化することができる。当該部分は、第1アーム3の延長部32を構成する。
第2アーム4は、仮想の第2延伸軸La2に沿って延びる形状(例えば、棒状)に形成されている。そして、第2アーム4は、一端部4aに、第2アーム4に対して回動可能に第2ワーク保持台回転軸41が設けられている。第2ワーク保持台回転軸41は、図示しないワーク保持台回転駆動装置によって回転駆動されるように構成されている。なお、このワーク保持台回転駆動装置は、ワーク搬送装置100の駆動装置131によって構成されていてもよく、この場合、クラッチ機構によって、ワーク搬送装置100の駆動装置が旋回体2の軸部24及び第2アーム4の第2ワーク保持台回転軸41の何れか一方を回転させるように切替可能に構成されていてもよい。そして、第2ワーク保持台回転軸41には、ワークWを載置するためのワーク保持台8(図1参照)を着脱自在に取り付けることができるように構成されている。よって、第2ワーク保持台回転軸41に取り付けられたワーク保持台8は、ワーク保持台回転駆動部によって回転されるようになっている。これによって、塗装ムラが生じることを防ぐことができる。このように第2ワーク保持台回転軸41は、第2ワーク保持部を構成している。
そして、第2アーム4は、第2ワーク保持台回転軸41より他端に近い部分(第3所定部分)が旋回体2の基体部23の突出部22に第4軸線L5周りに回動可能に連結されている。この連結されている部分が後述する4節リンクにおける第5関節65を構成する。第4軸線L5は、旋回軸線L1と平行に伸びている。
また、第2アーム4は、図2に示す第2近接回転角度位置Pnθ2と、図2〜4に示す第2離隔回転角度位置Pdθ2との間で、第4軸線L5周りに回動可能に旋回体2に取り付けられている。本実施の形態では、第2アーム4の回転角度を、便宜上、平面視において旋回軸線L1と第4軸線L5とを通るリンク線LL2に対する第2アーム4の第4軸線L5周りの回転角度で表す。また、第2アーム4の第4軸線L5周りの回転における角度位置を、便宜上、上述の第2延伸軸La2によって、当該第2アーム4を代表して示す。なお、平面視において、第2ワーク保持台回転軸41と第4軸線L5とを通る軸が上述の第2延伸軸La2として定義される。第2離隔回転角度位置Pdθ2は、リンク線LL2に対し第2延伸軸La2がθa2の回転角度を成す回転角度位置に設計され(図3参照)、第2近接回転角度位置Pnθ2は、第2離隔回転角度位置Pdθ2から第2回転方向C2にθmax2回転した角度位置に設計される。θa2は、例えば180度以下の鈍角に設計され、θmax2は鋭角に設計される。本実施の形態では、θa2は、第1アーム3の第1離隔回転角度位置Pdθ1に対応する角度θa1と同じ角度に設計され、θmax2は、第1アーム3の第2離隔回転角度位置Pdθ2に対応する角度θmax1と同じ角度に設計される。第2近接回転角度位置Pnθ2は、第2ワーク保持台回転軸41が旋回軸線L1に近い第2近接位置Pn2に位置する、第2アーム4の旋回体2に対する角度位置である。第2離隔回転角度位置Pdθ2は、第2ワーク保持台回転軸41が第2近接回転角度位置Pnθ2よりも旋回軸線L1から遠い第2離隔位置Pd2(図3,4参照)に位置する、第2アーム4の旋回体2に対する角度位置である。なお、第2アーム4は、第2近接回転角度位置Pnθ2と第2離隔回転角度位置Pdθ2との間の角度範囲を超えて回動可能に構成されていてもよい。
また、図2に示すように、第2アーム4の第5関節65から他端部4bまでの部分の幅は、第2アーム4の一端部4aから第5関節65までの部分の幅よりも狭くなっている。これによって、第2アーム4を軽量化することができる。当該部分は、第2アーム4の延長部42を構成する。
第1連動機構は、旋回体2の回動に連動して第1アーム3を回動させる機構である。
本実施の形態において、基台1と、旋回体2と、第1アーム3と、第1連結部材51と、を含む4節リンクが第1連動機構を構成している。
第1連結部材51は、棒状に形成されている。そして、第1連結部材51の一端部51aは、基台1に対して第2軸線L3周りに回動可能に連結されている。この連結されている部分が後述する4節リンクにおける第3関節63を構成する。したがって、第2軸線L3は、基台1に対して位置が変化しないように構成されている。また、第1連結部材51の他端部51bは、第1アーム3の延長部32、即ち、第1アーム3の第1所定部分よりも他端に近い第2所定部分に第3軸線L4周りに回動可能に連結されている。この連結されている部分が後述する4節リンクにおける第4関節64を構成する。第2軸線L3及び第3軸線L4は、旋回軸線L1と平行に伸びている。
そして、上述の通り、第1関節61及び第3関節63は、基台1に対して位置が変化しないように構成され、4節リンクにおける固定関節を構成する。
そして、第1関節61と、第3関節63とを連結する基台1が4節リンクにおける静止リンクを構成している。また、固定関節である第1関節61と、旋回体2の回動に伴って旋回軸線L1周りに回動する第2関節62とを連結する旋回体2(仮想のリンク線LL1によって代表される)が4節リンクにおける原動リンクを構成する。更に、固定関節である第3関節63と、旋回軸線L1周りに回動する第2関節62に従動する第4関節64とを連結する第1連結部材51が4節リンクにおける従動リンクを構成する。そして、第2関節62と第4関節64とを連結する第1アーム3の延長部32が中間リンクを構成する。本実施の形態では、中間リンクを、第1アーム3の延長部32における第2関節62と第4関節64とを通る仮想のリンク線LL3によって代表して示す。本実施の形態では、リンク線LL3が第1アーム3の第1延伸軸La1に一致するよう設計されている。したがって、第1ワーク保持台回転軸31は、4節リンクにおける中間リンクを延長した部分に配置されている。なお、リンク線LL3は、必ずしも、第1アーム3の第1延伸軸La1に一致しなくてもよい。
図5は、ワーク搬送装置100の第1アーム3の動作を示す平面図である。図5においては、第2アーム4を省略している。
この4節リンク機構の静止リンク、原動リンク、従動リンク及び中間リンクの長さ寸法、並びに第1関節61,第2関節62,第3関節63及び第4関節64の位置は、旋回体2の回動に連動して、第1アーム3の第1ワーク保持台回転軸31が図5の太い2点鎖線で示す経路T1を通るように、第1アーム3を回動させるよう設計されている。
すなわち、上述の通り、旋回体2が図3に示す第1回転角度位置Pθ1に位置するときは、第1アーム3は、第1離隔回転角度位置Pdθ1に位置し、第1ワーク保持台回転軸31は第1離隔位置Pd1に位置する。即ち、第1アーム3が第1離隔回転角度位置Pdθ1に位置する状態において、第1関節61と第2関節62とを結ぶリンク線LL1と、第2関節62と第1ワーク保持台回転軸31とを結ぶ第1延伸軸La1とが成す角は、角度θa1となるように設計されている。そして、旋回体2を図4に示す第2回転角度位置Pθ2に向けて反時計回り方向に回動させると、まず、第1アーム3が旋回体2に対して第1回動方向C1(各図における時計回り方向、図7参照)に回動し、第1ワーク保持台回転軸31が旋回軸線L1に近づくように第1連動機構は構成されている。そして、図2に示すように、旋回軸線L1の側方において、第1アーム3が第1近接回転角度位置Pnθ1に位置し、第1ワーク保持台回転軸31は第1近接位置Pn1に位置する。すなわち、第1近接回転角度位置Pnθ1は、第1離隔回転位置Pdθ1から第1回転方向C1に角度θmax1(図2参照)回転した角度位置である。このとき、第1軸線L2が位置する第2関節62は、第1ワーク保持台回転軸31よりも、左右方向において内側に位置し、ワーク搬送装置100の側方に突出しないように構成されている。これによって、ワーク搬送装置100の占有スペースを小さくすることができる。
そして、ここから更に、旋回体2を図4に示す第2回転角度位置Pθ2に向けて回動させると、第1アーム3が旋回体2に対して第1回転方向C1とは逆方向である第2回転方向C2(各図における反時計回り方向、図8参照)に、第1回転方向C1に回動させた場合の第1アーム3の経路を逆方向に辿るようにして回動し、第1ワーク保持台回転軸31が旋回軸線L1から遠ざかるように第1連動機構は構成されている。そして、旋回体2が第2回転角度位置Pθ2に達すると、第1アーム3は第1離隔回転角度位置Pdθ1に戻り、第1ワーク保持台回転軸31は第1離隔位置Pd1に位置するように第1連動機構は構成されている。
したがって、第1連動機構は、図5において太い2点鎖線で示す第1ワーク保持台回転軸31の経路T1が、細い2点鎖線で示す第1アーム3が旋回体2に第1離隔回転角度位置Pdθ1で固定されていると仮定した場合における第1ワーク保持台回転軸31の経路T2(旋回軸線L1を中心とし、旋回軸線L1から第1離隔回転角度位置Pdθ1に位置する第1アーム3の第1ワーク保持台回転軸31までの距離を半径とする仮想円弧)よりも内側を通るように、第1回転角度位置Pθ1と第2回転角度位置Pθ2との間で回動する旋回体2の回動に連動して第1アーム3を回動させるように構成されている。しかも、第1ワーク保持台回転軸31の経路T1は、前後方向に長い単調な長円の弧になる。したがって、第1連動機構は、第1ワーク保持台回転軸31が旋回軸線L1の側方において経路T1が経路T2よりも距離D1(図5参照)旋回軸線L1側を通るように構成されている。これによって、ワーク搬送装置100の占有スペースを小さくすることができる。
また、旋回体2を第2回転角度位置Pθ2から第1回転角度位置Pθ1に向けて回動させると、第1アーム3は、旋回体2を第1回転角度位置Pθ1から第2回転角度位置Pθ2に向けて回動させた場合における上記の経路を逆方向に辿るようにして回動するように構成されている。
第2連動機構は、旋回体2の回動に連動して第2アーム4を回動させる機構である。
本実施の形態において、図2に示すように、基台1と、旋回体2と、第2アーム4と、第2連結部材52と、を含む4節リンクが第2連動機構を構成している。
第2連結部材52は、棒状に形成されている。そして、第2連結部材52の一端部52aは、基台1に対して第5軸線L6周りに回動可能に連結されている。この連結されている部分が後述する4節リンクにおける第6関節66を構成する。したがって、第5軸線L6は、基台1に対して位置が変化しないように構成されている。また、第2連結部材52の他端部52bは、第2アーム4の延長部42、即ち、第2アーム4の第3所定部分よりも他端に近い第4所定部分に第6軸線L7周りに回動可能に連結されている。この連結されている部分が後述する4節リンクにおける第7関節67を構成する。第5軸線L6及び第6軸線L7は、旋回軸線L1と平行に伸びている。
そして、上述の通り、第1関節61及び第6関節66は、基台1に対して位置が変化しないように構成され、4節リンクにおける固定関節を構成する。
そして、第1関節61と、第6関節66とを連結する基台1が4節リンクにおける静止リンクを構成している。また、固定関節である第1関節61と、旋回体2の回動に伴って旋回軸線L1周りに回動する第5関節65とを連結する旋回体2が4節リンクにおける原動リンク(仮想のリンク線LL2によって代表される)を構成する。更に、固定関節である第6関節66と、旋回軸線L1周りに回動する第5関節65に従動する第7関節67とを連結する第2連結部材52が4節リンクにおける従動リンクを構成する。そして、第5関節65と第7関節67とを連結する第2アーム4の延長部42が中間リンクを構成する。本実施の形態では、中間リンクを、第2アーム4の延長部42における第5関節65と第7関節67とを通る仮想のリンク線LL4によって代表して示す。本実施の形態では、リンク線LL4が第2アーム4の第2延伸軸La2に一致するよう設計されている。したがって、第2ワーク保持台回転軸41は、4節リンクにおける中間リンクを延長した部分に配置されている。なお、リンク線LL4は、必ずしも、第2アーム4の第2延伸軸La2に一致しなくてもよい。
図6は、ワーク搬送装置100の第2アーム4の動作を示す平面図である。図6においては、第1アーム3を省略している。
この4節リンク機構の静止リンク、原動リンク、従動リンク及び中間リンクの長さ寸法、並びに第1関節61,第5関節65,第6関節66及び第7関節67の位置は、旋回体2の回動に連動して、第2アーム4の第2ワーク保持台回転軸41が図6の太い2点鎖線で示す経路T3を通るように、第2アーム4を回動させるよう設計されている。
すなわち、上述の通り、旋回体2が図4に示す第2回転角度位置Pθ2に位置するときは、第2アーム4は、第2離隔回転角度位置Pdθ2に位置し、第2ワーク保持台回転軸41は第2離隔位置Pd2に位置する。即ち、第2アーム4が第2離隔回転角度位置Pdθ2に位置する状態において、第1関節61と第5関節65とを結ぶリンク線LL2と、第5関節65と第2ワーク保持台回転軸41とを結ぶ第2延伸軸La2とが成す角は、角度θa2となるように設計されている。そして、旋回体2を図3に示す第1回転角度位置Pθ1に向けて回動させると、まず、第2アーム4が旋回体2に対して第2回転方向C2に回動し、第2ワーク保持台回転軸41が旋回軸線L1に近づくように第2連動機構は構成されている。そして、図2に示すように、旋回軸線L1の側方において、第2アーム4が第2近接回転角度位置Pnθ2に位置し、第2ワーク保持台回転軸41は第2近接位置Pn2に位置する。すなわち、第2近接回転角度位置Pnθ2は、第2離隔回転位置Pdθ2から第2回転方向C2に角度θmax2(図2参照)回転した角度位置である。このとき、第4軸線L5が位置する第5関節65は、第2ワーク保持台回転軸41よりも、左右方向において内側に位置し、ワーク搬送装置100の側方に突出しないように構成されている。これによって、ワーク搬送装置100の占有スペースを小さくすることができる。
そして、ここから更に、旋回体2を図3に示す第1回転角度位置Pθ1に向けて時計回り方向回動させると、第2アーム4が旋回体2に対して第1回転方向C1に、第2回転方向C2に回動させた場合の第2アーム4の経路を逆方向に辿るようにして回動し、第2ワーク保持台回転軸41が旋回軸線L1から遠ざかるように第2連動機構は構成されている。そして、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1に達すると、第2アーム4は、第2離隔回転角度位置Pdθ2に戻り、第2ワーク保持台回転軸41は第2離隔位置Pd2に位置するように第2連動機構は構成されている。
したがって、第2連動機構は、図6において太い2点鎖線で示す第2ワーク保持台回転軸41の経路T3が、細い2点鎖線で示す第2アーム4が旋回体2に第2離隔回転角度位置Pdθ2で固定されていると仮定した場合における第2ワーク保持台回転軸41の経路T4(旋回軸線L1を中心とし、旋回軸線L1から第2離隔回転角度位置Pdθ2に位置する第2アーム4の第2ワーク保持台回転軸41までの距離を半径とする仮想円)よりも内側を通るように構成されている。しかも、第2ワーク保持台回転軸41の経路T3は、前後方向に長い単調な長円の弧になる。したがって、第2連動機構は、第2ワーク保持台回転軸41が旋回軸線L1の側方において、経路T3が経路T4よりも距離D1(図6参照)旋回軸線L1側を通るように構成されている。これによって、ワーク搬送装置100の占有スペースを小さくすることができる。
そして、本実施の形態において、第2ワーク保持台回転軸41及び第5関節65は、図2に示すように旋回体2が中間角度位置Pθnに位置している状態において、平面視において、基準線Sに対して、それぞれ第1ワーク保持台回転軸31及び第2関節62と線対称に配置されるようにワーク搬送装置100は構成されている。また、第2近接位置Pn2及び第2近接角度位置Pnθ2における第2アーム4の姿勢は、図2に示すように旋回体2が中間角度位置Pθnに位置している場合において、平面視において、基準線Sに対して、それぞれ第1近接位置Pn1及び第1近接角度位置Pnθ1における第1アーム3の姿勢と線対称に配置されるようにワーク搬送装置100は構成されている。これによって、旋回体2が中間角度位置Pθnに位置している状態において、第1アーム3に搬送されるワークWと、第2アーム4に搬送されるワークWとは、平面視において、基準線Sに対して対称に配置される。
そして、図3に示す、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1に位置している状態における第1ワーク保持台回転軸31、第2関節62、第2ワーク保持台回転軸41、及び第5関節65は、それぞれ、図4に示す、旋回体2が第2回転角度位置Pθ2に位置している状態における第2ワーク保持台回転軸41、第5関節65、第1ワーク保持台回転軸31、及び第2関節62と線対称に配置されるようにワーク搬送装置100は構成されている。また、図3に示す、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1に位置している状態における第1離隔位置Pd1、第1離隔回転角度位置Pdθ1における第1アーム3の姿勢、第2離隔位置Pd2、及び第2離隔回転角度位置Pdθ2における第2アーム4の姿勢は、それぞれ、図4に示す、旋回体2が第2回転角度位置Pθ2に位置している状態における第2離隔位置Pd2、第2離隔回転角度位置Pdθ2における第2アーム4の姿勢、第1離隔位置Pd1、及び第1離隔回転角度位置Pdθ1における第2アーム4の姿勢と線対称に配置されるようにワーク搬送装置100は構成されている。これによって、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1に位置している状態において、第1アーム3に搬送されるワークW及び第2アーム4に搬送されるワークWと、旋回体2が第2回転角度位置Pθ2に位置している状態において、第2アーム4に搬送されるワークW及び第1アーム3に搬送されるワークWとは、平面視において、基準線Sに対して線対称に配置される。
そして、第1連動機構及び第2連動機構は、旋回体2の第1回転角度位置Pθ1から第2回転角度位置Pθ2への回動に伴う第1アーム3の動作と、旋回体2の第2回転角度位置Pθ2から第1回転角度位置Pθ1への回動に伴う第2アーム4の動作とが、基準線Sに対して線対称であるように構成されている。
また、旋回体2を第1回転角度位置Pθ1から第2回転角度位置Pθ1に向けて回動させると、第2アーム4は、旋回体2を第2回転角度位置Pθ2から第1回転角度位置Pθ1に向けて回動させた場合における上記経路を逆方向に辿るようにして回動するように構成されている。
このように、本実施の形態において、第1連動機構及び第2連動機構は4節リンクであるので、連動機構の構成を簡素化することができ、製造に有利、且つ、製造コストも安価となる。
また、駆動装置131が旋回体2を回動させることによって、旋回体2の回動に連動して、第1連動機構及び第2連動機構が第1アーム3及び第2アーム4を回動させるように構成されているので、旋回体2を回転駆動する駆動装置131以外のこれら2つのアームを回動させるための駆動装置を設ける必要がなく、ワーク搬送装置100の構成を簡素化することができ、製造に有利、且つ、製造コストも安価となる。
[動作例]
次に、ワーク搬送装置100を含む塗装設備150の動作例を説明する。
図7乃至図10は、塗装設備150の動作例を示す平面図である。
まず、塗装設備150の制御部は、図3及び図7に示すように、ワーク搬送装置100の駆動装置131(図2参照)を駆動し、旋回体2を第1回転角度位置Pθ1に位置させる。これによって、第1アーム3及び第2アーム4は、それぞれ第1離隔回転角度位置Pdθ1及び第2離隔回転角度位置Pdθ2に位置する。また、第1ワーク保持台回転軸31及び第2ワーク保持台回転軸41は、それぞれ第1離隔位置Pd1及び第2離隔位置Pd2に位置する。そして、第1アーム3の第1ワーク保持台回転軸31(図2参照)に取り付けられたワーク保持台8は、第1ワーク交換位置P2に位置する。また、第2アーム4の第2ワーク保持台回転軸41(図2参照)に取り付けられたワーク保持台8は、ワーク処理位置P1に位置する。そして、例えば、作業員、搬送ロボットが第1ワーク保持台回転軸31に取り付けられたワーク保持台8にワークWを載置する。
次に、制御部は、旋回体2を第2回転角度位置Pθ2に向かって反時計回り方向に回転させる。これによって、第1連動機構及び第2連動機構は、旋回体2の回動に連動して第1アーム3及び第2アーム4を回動させる。そして、図2及び図8に示すように、第1アーム3及び第2アーム4は、旋回軸線L1の側方において、それぞれ第1近接回転角度位置Pnθ1及び第2近接回転角度位置Pnθ2に位置する。また、第1ワーク保持台回転軸31及び第2ワーク保持台回転軸41は、第1近接位置Pn1及び第2近接位置Pn2に位置する。
そして、旋回体2がここから更に回転し、図4及び図9に示すように、旋回体2が第2回転角度位置Pθ2に位置すると、第1アーム3及び第2アーム4は、それぞれ第1離隔回転角度位置Pdθ1及び第2離隔回転角度位置Pdθ2に戻る。また、第1ワーク保持台回転軸31及び第2ワーク保持台回転軸41は、それぞれ、第1近接位置Pn1から第1離隔位置Pd1に及び第2近接位置Pn2から第2離隔位置Pd2に戻る。
そして、第1アーム3に取り付けられたワーク保持台8は、ワーク処理位置P1に位置する。また、第2アーム4の第2ワーク保持台回転軸41は、第2ワーク交換位置P3に位置する。
次に、制御部は、第1ワーク保持台回転軸31を回転させてワーク保持台8を回転させると共に、ロボット110を制御し、第1アーム3に取り付けられたワーク保持台8に載置されたワークWの塗装を行う。そして、ワークWの塗装が行われている間に、例えば、作業員、搬送ロボットが第2アーム4の第2ワーク保持台回転軸41に取り付けられたワーク保持台8にワークWを載置する。このように、ワーク搬送装置100は、第1アーム3及び第2アーム4を備え、一方のアームに取り付けられたワーク保持台8に載置されたワークWの塗装作業を行っている間に、他方のアームに取り付けられたワーク保持台8のワークWの交換を行うことができるので、塗装設備150を用いたワークWの塗装処理のサイクルタイムを短縮することができる。
そして、ワークWの塗装が終了すると、次に、図3及び図10に示すように、制御部は、旋回体2を第2回転角度位置Pθ2から第1回転角度位置Pθ1に向かって時計回り方向に回転させ、第1回転角度位置Pθ1に位置させる。これによって、第1アーム3に取り付けられ、塗装が終了したワーク保持台8は、第1ワーク交換位置P2に位置する。そして、例えば、作業員、搬送ロボットが塗装が終了したワークWをワーク保持台8から下ろす。また、第2アーム4に取り付けられたワーク保持台8は、ワーク処理位置P1に位置する。これによって、ロボット110によって第2アーム4に取り付けられたワーク保持台8に載置されたワークWの塗装を行うことができる。
以上に説明したように、本発明のワーク搬送装置100の第1連動機構は、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1から第2回転角度位置Pθ2へ回動するに連れて、第1アーム3を回動させ、旋回軸線L1の側方において、第1ワーク保持台回転軸31を第1近接位置Pn1に位置させる。そして、この状態において、第1軸線L2が位置する第2関節62は、第1ワーク保持台回転軸31よりも、左右方向において内側に位置するように、第1連動機構は、第1アーム3を回動させる。すなわち、第1連動機構は、第2関節62が第1ワーク保持台回転軸31よりもワーク搬送装置100の側方に突出しないように第1アーム3を回動させる。しかも、第1アーム3を旋回体2に相対的に回転させない場合にはワークWの搬送経路T2が円弧になるのに対し、第1アーム3を旋回体2に相対的に回転させるので、ワークWの搬送経路T1が前後方法に長い長円の弧になる。これによって、ワーク搬送装置100の占有スペースを小さくすることができる。
また、本発明のワーク搬送装置100の第2連動機構は、旋回体2が第2回転角度位置Pθ2から第1回転角度位置Pθ1へ回動するに連れて、第2アーム4を回動させ、旋回軸線L1の側方において、第2ワーク保持台回転軸41を第2近接位置Pn2に位置させる。そして、この状態において、第4軸線L5が位置する第5関節65は、第2ワーク保持台回転軸41よりも、左右方向において内側に位置するように、第2連動機構は、第2アーム4を回動させる。すなわち、第2連動機構は、第5関節65が第2ワーク保持台回転軸41よりもワーク搬送装置100の側方に突出しないように第2アーム4を回動させる。しかも、第2アーム4を旋回体2に相対的に回転させない場合にはワークWの搬送経路T4が円弧になるのに対し、第2アーム4を旋回体2に相対的に回転させるので、ワークWの搬送経路T3が前後方法に長い長円の弧になる。これによって、ワーク搬送装置100の占有スペースを更に小さくすることができる。
(実施の形態2)
以下では実施の形態2の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。
図11は、本発明の実施の形態2に係るワーク搬送装置200の構成例を示す平面図であり、第1アーム203の動作を示す平面図である。図11においては、第2アームを省略している。
上記実施の形態1において、ワーク搬送装置100の第1連動機構及び第2連動機構は、4節リンクによって構成されているものを例示したが、本実施の形態において、ワーク搬送装置200の第1連動機構及び第2連動機構は、カム機構によって構成されている。
すなわち、図11に示すように、本実施の形態において、ワーク搬送装置200は、基台1と、旋回体2と、第1アーム203と、第2アーム(図示せず)と、第1連動機構と、第2連動機構と、駆動装置とを備える。
基台1、旋回体2、及び駆動装置については、上記実施の形態1と同様の構成であるので、その説明を省略する。
第1アーム203は、図示しない付勢機構によって第1軸線L2周りにおける第2回動方向C2に付勢されている。そして、第3軸線L4周りに回動可能に取り付けられたカムフォロア213を備える。カムフォロア213は、円筒状に形成されている。その他の構成は、上記実施の形態1と同様の構成であるので、その説明を省略する。
第2アームは、平面視において、第1アーム203と基準線S(図2参照)に対して対称に形成され、配置されている。
本実施の形態において、第1アーム203の付勢機構及びカムフォロア213、並びに第1板カム251が第1連動機構を構成している。
第1板カム251は、所定の輪郭に形成された外周縁251aを有する板体である。そして、第1板カム251は、第1板カム251の外周縁251aにカムフォロア213が付勢されるように配設されている。そして、第1板カム251の外周縁251aの輪郭形状は、旋回体2の回動に連動して第1アーム203を図11に示すように回動させるように構成されている。この旋回体2の回動に連動した第1アーム203の回動動作は、上記実施の形態1と同様である。
すなわち、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1に位置するときは、第1アーム203は、第1離隔回転角度位置Pdθ1に位置する。そして、旋回体2を第2回転角度位置Pθ2に向けて回動させると、まず、第1板カム251の外周縁251aが第1アーム203の付勢機構の付勢力に抗して第1アーム203を第1軸線L2周りにおいて第1回転方向C1に回動させる。これによって、第1ワーク保持台回転軸31が旋回軸線L1に近づくように第1連動機構は構成されている。そして、旋回軸線L1の側方において、第1アーム203が第1近接回転角度位置Pnθ1に位置し、第1ワーク保持台回転軸31は第1近接位置Pn1に位置する。
そして、ここから更に、旋回体2を図4に示す第2回転角度位置Pθ2に向けて回動させると、第1アーム203のカムフォロア213は、第1アーム203の付勢機構の付勢力によって、第1板カム251の外周縁251aに追従し、第1アーム203は第1軸線L2周りにおいて第2回転方向C2に回転する。これによって、第1ワーク保持台回転軸31が旋回軸線L1から遠ざかるように第1連動機構は構成されている。そして、旋回体2が第2回転角度位置Pθ2に達すると、第1アーム203は第1離隔回転角度位置Pdθ1に戻るように第1連動機構は構成されている。
また、本実施の形態において、第2アームの付勢機構及びカムフォロア、並びに第2板カムが第2連動機構を構成している。第2板カムは、平面視において、第1板カム251と基準線S(図2参照)に対して対称に形成され、配置されている。この旋回体2の回動に連動した第2アームの回動動作は、上記実施の形態1と同様であるので、その詳しい説明を省略する。
したがって、第1連動機構は、旋回体2が第1回転角度位置Pθ1から第2回転角度位置Pθ2へ回動するに連れて、第1アーム203を第1離隔回転角度位置Pdθ1から第1近接回転角度位置Pnθ1に回動させて第1ワーク保持部を旋回軸線L1の側方において第1近接位置Pn1にそれぞれ位置させた後、第1離隔回転角度位置Pdθ1に戻るように第1アーム203を可逆的に回動させるよう構成されている。
また、第2連動機構は、旋回体2が第2回転角度位置から第1回転角度位置へ回動するに連れて、第2アームを第2離隔回転角度位置Pdθ2から第2近接回転角度位置Pnθ2に回動させて第2ワーク保持部を旋回軸線L1の側方において第2近接位置Pn2にそれぞれ位置させた後、第2離隔回転角度位置Pdθ2に戻るように第2アームを可逆的に回動させるよう構成されている。
本実施の形態においては、第1アーム203及び第2アームは、旋回体2の回動に連動して、上記実施の形態1と同様の動作をするものを例示したが、これに限られるものではない。上述の通り、アームの外周縁の形状を変更することによって、第1ワーク保持台回転軸31及び第2ワーク保持台回転軸41が、旋回軸線L1の側方において、上記実施の形態におけるものよりもさらに旋回軸線L1側を通るように構成することもできる。
(実施の形態3)
実施の形態1において、ワーク搬送装置100が第1アーム3及び第2アーム4を一緒に又は個別に駆動するモータを備え、制御装置が、第1アーム3及び第2アーム4を実施の形態1に記載されたように動作するよう当該モータを制御してもよい。
(実施の形態4)
また、実施の形態1乃至3のいずれかにおいて、ワーク搬送装置100が第1アーム3及び第2アーム4のいずれかのみを備えてもよい。
(実施の形態5)
更に、実施の形態1乃至4のいすれかにおいて、旋回体2の回動による第1アーム3及び第2アーム4の回転方向が実施の形態1乃至4の第1アーム3及び第2アーム4の回転方向と反対に構成してもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。