JP6385790B2 - 紡糸延伸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紡糸機から紡出された糸を延伸する紡糸延伸装置に関する。
例えば、特許文献1には、紡糸機から紡出されたポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)等の糸を延伸する紡糸延伸装置が開示されている。この紡糸延伸装置は、少なくとも1つの第1ローラと、第1ローラの糸走行方向下流側に配置され、第1ローラよりも糸送り速度が速い加熱ローラである複数の第2ローラが設けられている。そして、紡糸機から紡出された糸が第1ローラと第2ローラとの間で延伸されるとともに、延伸された糸が複数の第2ローラによって熱固定される。このとき、延伸条件および熱固定時の条件により、糸の物性をコントロールしている。
具体的には、複数の第2ローラの糸送り速度を、糸走行方向下流側にあるものほど遅く設定し、糸をリラックス状態で熱固定する弛緩熱処理を行うことで、沸水収縮率(BWS:Boiling Water Shrinkage)を低くすることができる。一方、複数の第2ローラの糸送り速度を、糸走行方向下流側にあるものほど速く設定し、糸をストレッチ状態で熱固定する緊張熱処理を行うことで、ヤング率(モジュラス)を高くすることができるものとなっている。
特開2014−77221号公報
上述のように、特許文献1に記載の紡糸延伸装置では、複数の第2ローラの糸送り速度を変えることで、熱固定時における糸の張力を変化させ、糸の物性を調整している。しかしながら、複数の第2ローラの糸送り速度を変えるだけでは、物性のコントロールの幅に限界があった。
以上の課題を鑑みて、本発明にかかる紡糸延伸装置においては、糸の物性をより幅広くコントロール可能とすることを目的とする。
本発明の第1態様は、紡糸機から紡出された糸を延伸する紡糸延伸装置であって、少なくとも1つの第1ローラと、前記第1ローラの糸走行方向下流側に配置され、前記第1ローラよりも糸送り速度が速い加熱ローラである3つ以上の第2ローラと、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を制御する速度制御部と、前記3つ以上の第2ローラの温度を制御する温度制御部と、を備え、前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、糸走行方向下流側にあるものほど遅くなるように制御し、前記温度制御部は、最も糸走行方向下流側の前記第2ローラの温度が、他の前記第2ローラの温度以上となるように、前記3つ以上の第2ローラの温度を制御することを特徴とする。
本発明の第1態様によれば、第1ローラと第2ローラとの間で糸が延伸されるとともに、3つ以上の第2ローラの糸送り速度が、糸走行方向下流側にあるものほど遅くなるので、糸をリラックス状態で熱固定する弛緩熱処理が行われる。このとき、糸走行方向下流側に糸が走行するにしたがって、糸の弛緩状態が高まり、かつ、最も糸走行方向下流側の第2ローラの温度が、他の第2ローラの温度以上となっているので、糸の弛緩状態が高まり、分子の易動度が高くなっているときに、糸が強く加熱されることになる。このように、第2ローラの糸送り速度に加えて温度を制御することで、分子鎖を効果的に弛緩させることができ、弛緩熱処理の効果を従来よりも高めることができる。その結果、糸の物性をより幅広くコントロールすることができる。
ここで、前記温度制御部は、糸走行方向において隣り合う2つの前記第2ローラにおいて、糸走行方向下流側にある前記第2ローラの温度が糸走行方向上流側にある前記第2ローラの温度以上となるように、前記3つ以上の第2ローラの温度を制御するとよい。
こうすることで、糸走行方向下流側ほど、すなわち、糸の弛緩状態が高まるほど、糸が強く加熱されることになり、上記弛緩熱処理を確実かつ効果的に高めることができる。
さらには、前記温度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの温度を、糸走行方向上流側にあるものほど低くなるように制御するとよい。
上述のように、弛緩熱処理の効果を高めるためには、最も糸走行方向下流側の第2ローラの温度が、他の第2ローラの温度以上であればよく、他の第2ローラの温度が、最も糸走行方向下流側の第2ローラの温度と同じであってもよい。しかしながら、糸があまり弛緩していない状態では、強い加熱を行っても分子鎖を効率的に弛緩させることはできないため、糸走行方向上流側ほど加熱することの効果は小さい。したがって、第2ローラの温度を、糸走行方向上流側にあるものほど低くすることにより、無駄な加熱を抑制することができ、効率的に糸の物性をコントロールすることができる。
また、前記3つ以上の第2ローラの各ローラ間のうち少なくとも1つの区間に、糸を加熱する加熱器が設けられると好適である。
加熱器を設けることで、熱処理の性能を向上させることができ、糸を良好に熱固定することが可能となる。
このとき、前記加熱器が、最も糸走行方向下流側の2つの前記第2ローラの間に設けられるとさらに好適である。
こうすることで、弛緩状態が高まった糸に対して、加熱器によるさらなる加熱が行われることになり、弛緩熱処理の効果をより高めることができる。このため、糸の物性をさらに幅広くコントロールすることが可能となる。
ここで、少なくとも1つの前記第2ローラを収容する保温箱が設けられており、前記加熱器が前記保温箱の内部に配置されると好適である。
保温箱の内部に加熱器を配置することで、加熱器からの熱が逃げてしまうことを抑制でき、加熱器による熱処理の効果を向上させることができる。
また、これとは反対に、少なくとも1つの前記第2ローラを収容する保温箱が設けられており、前記加熱器が前記保温箱の外部に配置されるようにしてもよい。
保温箱の外部に加熱器を配置した場合には、保温箱の大きさに制限されることなく、大型の加熱器を採用することができるので、加熱器の加熱性能を容易に向上させることができる。
また、前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、各ローラ間を走行する糸の張力が0.05g/de以上となるように制御すると好適である。
糸の張力が0.05g/deよりも小さくなると、糸揺れが生じ、糸がローラに巻き付いたり、断糸が発生したりするおそれがある。そこで、糸の張力を0.05g/de以上とすることで、これらの不具合を回避することができる。
本発明の第2態様は、紡糸機から紡出された糸を延伸する紡糸延伸装置であって、少なくとも1つの第1ローラと、前記第1ローラの糸走行方向下流側に配置され、前記第1ローラよりも糸送り速度が速く、少なくとも最も糸走行方向下流側のもの以外は加熱ローラである3つ以上の第2ローラと、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を制御する速度制御部と、前記3つ以上の第2ローラのうち前記加熱ローラであるものの温度を制御する温度制御部と、を備え、前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、糸走行方向下流側にあるものほど速くなるように制御し、前記温度制御部は、最も糸走行方向上流側の前記第2ローラの温度が、他の前記第2ローラの温度以上となるように、前記3つ以上の第2ローラのうち前記加熱ローラであるものの温度を制御することを特徴とする。
本発明の第2態様によれば、第1ローラと第2ローラとの間で糸が延伸されるとともに、3つ以上の第2ローラの糸送り速度が、糸走行方向下流側にあるものほど速くなるので、糸をストレッチ状態で熱固定する緊張熱処理が行われる。このとき、糸走行方向下流側に糸が走行するにしたがって、糸の緊張状態が高まり、かつ、最も糸走行方向上流側の第2ローラの温度が、他の第2ローラの温度以上となっているので、まだ糸の緊張状態が低く、分子の易動度が高いときに、糸が強く加熱されることになる。また、糸走行方向下流側の第2ローラによる糸の昇温が抑制されるので、分子鎖の緊張状態が緩和されることを防ぐことができる。このように、第2ローラの糸送り速度に加えて温度を制御することで、結晶化を効果的に進行させ、また分子鎖の緊張状態の緩和を防ぐことができ、緊張熱処理の効果を従来よりも高めることができる。その結果、糸の物性をより幅広くコントロールすることが可能となる。
ここで、前記温度制御部は、糸走行方向において隣り合う2つの前記第2ローラにおいて、糸走行方向上流側にある前記第2ローラの温度が糸走行方向下流側にある前記第2ローラの温度以上となるように、前記3つ以上の第2ローラのうち前記加熱ローラであるものの温度を制御するとよい。
こうすることで、糸走行方向上流側ほど、すなわち、結晶化がまだ進んでおらず、分子の易動度が高いうちに、糸が強く加熱されることになり、上記緊張熱処理の効果を確実かつ効率的に高めることができる。
さらには、前記温度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの温度を、糸走行方向下流側にあるものほど低くなるように制御するとよい。
上述のように、緊張熱処理の効果を高めるためには、最も糸走行方向上流側の第2ローラの温度が、他の第2ローラの温度以上であればよく、他の第2ローラの温度が、最も糸走行方向上流側の第2ローラの温度と同じであってもよい。しかしながら、糸の緊張が進んだ段階では、強い加熱を行っても効率的に結晶化することができないため、糸走行方向下流側ほど加熱することの効果は小さい。また、糸走行方向下流側の第2ローラによる糸の昇温を抑制することで、分子鎖の緊張状態が緩和されることを防ぐことができる。したがって、第2ローラの温度を、糸走行方向下流側にあるものほど低くすることにより、無駄な加熱を抑制することができるとともに、分子鎖の緊張状態が緩和されることを防ぐことができるので、効率的に糸の物性をコントロールすることができる。
また、前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、各ローラ間を走行する糸の張力が1g/de以下となるように制御すると好適である。
糸の張力が1g/deよりも大きくなると、断糸や毛羽が発生するおそれがある。そこで、糸の張力を1g/de以下とすることで、これらの不具合を回避することができる。
また、本発明の第1態様および第2態様に共通して、前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、各ローラ間の糸送り速度差が30m/min以下となるように制御すると好適である。
こうすることで、糸の張力が適正に維持され、ローラへの糸の巻き付きや断糸を防止することができる。
本発明では、3つ以上の第2ローラの糸送り速度に加えて温度を調整することによって、糸の物性を幅広くコントロールすることが可能となる。
本発明の実施形態にかかる紡糸延伸装置を備えた紡糸巻取機の正面図である。 本発明の実施形態にかかる紡糸延伸装置を備えた紡糸巻取機の側面図である。 紡糸延伸装置の制御ブロック図である。 他の実施形態にかかる紡糸延伸装置を備えた紡糸巻取機の正面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる紡糸延伸装置を備えた紡糸巻取機の正面図であり、図2は、本発明の実施形態にかかる紡糸延伸装置を備えた紡糸巻取機の側面図であり、図3は、紡糸延伸装置の制御ブロック図である。
図1、2に示すように、紡糸巻取機1は、紡糸延伸装置2と、糸巻取装置3とを備えている。紡糸巻取機1は、上方にある紡糸機4から紡出されて連続的に供給される複数の糸Yを紡糸延伸装置2で延伸して糸巻取装置3に送り、糸巻取装置3で複数の糸Yを巻き取る。糸Yは、例えば、延伸のための予備加熱が必要なPETである。なお、紡糸機4から紡出された複数の糸Yには、図示しない給油ガイドにより、油剤が付与されている。
紡糸延伸装置2は、紡糸機4から紡出された複数の糸Yを延伸するための装置であり、その詳細については後述する。
糸巻取装置3は、紡糸機4の下方に配置されており、紡糸延伸装置2を介して紡糸機4から供給された複数の糸Yを、複数のボビンBにそれぞれ巻き取って、複数のパッケージPを形成する。糸巻取装置3は、案内ローラ5、6、複数の支点ガイド7、2つの巻取ユニット8等を備える。
案内ローラ5、6は、不図示のモータによって回転駆動される駆動ローラであって、紡糸延伸装置2から送られてくる複数の糸Yは、案内ローラ5、6により、下方の複数の支点ガイド7に送られる。
複数の支点ガイド7は、2つの巻取ユニット8のそれぞれの上方において、前後方向に沿って複数のボビンBの長さと略同一の間隔で並んで配置されている。複数の支点ガイド7は、後述する複数のトラバースガイド12に対応して設けられており、糸Yがトラバースガイド12によって前後方向に綾振りされる際の支点となる。
巻取ユニット8は、本体フレーム9、本体フレーム9に回転可能に設けられた円板状のターレット10、ターレット10に片持ち支持された状態で前後方向に延びており、複数のボビンBが軸方向に装着される2本のボビンホルダ11、複数の糸Yの綾振りを行う複数のトラバースガイド12、本体フレーム9に対して上下方向に移動可能であり、ボビンホルダ11に装着されたボビンBに対して離接するコンタクトローラ13等を有している。
巻取ユニット8は、不図示のモータによりボビンホルダ11を回転させることで、このボビンホルダ11に装着された複数のボビンBを回転させ、回転する複数のボビンBに複数の糸Yを巻き取る。このとき、ボビンBに巻き取られる糸Yは、ボビンBの上方に配置されたトラバースガイド12によって、支点ガイド7を支点としてボビンBの軸方向に綾振りされる。
そして、支点ガイド7を支点としてトラバースガイド12に綾振られた糸Yは、ボビンBに巻き取られてパッケージPを形成する。このとき、コンタクトローラ13は、ボビンBへの巻き取り時に、パッケージPの外周面に接触して、所定の接圧を付与しながら回転して、パッケージPの形状を整える。そして、ボビンホルダ11に装着された複数のパッケージPは、満巻きになると不図示のプッシャーにより前方へ押し出されてボビンホルダ11から取り外される。
紡糸延伸装置2について説明する。紡糸延伸装置2は、第1ゴデットローラ21a、21b、第2ゴデットローラ22a、22b、22c、第3ゴデットローラ23、保温箱24、加熱器25、インターレース装置26等を備え、紡糸機4の下方に配置されている。
第1ゴデットローラ21a、21bおよび第2ゴデットローラ22a、22b、22cは、いずれも保温箱24の内部に配置されており、第1ゴデットローラ21a、21bは、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの上方に配置されている。第1ゴデットローラ21bは、第1ゴデットローラ21aよりも上方かつ左方に配置されている。また、第2ゴデットローラ22bは、第2ゴデットローラ22aよりも上方かつ右方に配置されており、第2ゴデットローラ22cは、第2ゴデットローラ22bよりも下方かつ右方に配置されている。第3ゴデットローラ23は、保温箱24の外部であって、第2ゴデットローラ22cよりも上方かつ右方に配置されている。このように配置されたゴデットローラ21a、21b、22a、22b、22c、23に対して、この順番に糸Yが360度以内の巻き掛け角度で巻き掛けられて糸道が規定されている。
ゴデットローラ21a、21b、22a、22b、22c、23は、いずれもモータM(図3)により回転駆動される駆動ローラである。このうち、第1ゴデットローラ21a、21bおよび第2ゴデットローラ22a、22b、22cは、内部にヒータH(図3)を備えた加熱ローラである。また、第3ゴデットローラ23は、ヒータを備えない非加熱ローラである。ゴデットローラ21a、21b、22a、22b、22c、23の糸送り速度や温度は、図3に示す制御装置30によって制御される。
図3に示すように、制御装置30は、速度制御部31と温度制御部32とを有して構成される。速度制御部31は、ゴデットローラ21a、21b、22a、22b、22c、23のモータMを制御することで、ゴデットローラ21a、21b、22a、22b、22c、23の糸送り速度V1、V2、V3、V4、V5、V6を制御する。温度制御部32は、第1ゴデットローラ21a、21b、第2ゴデットローラ22a、22b、22cのヒータHを制御することで、第1ゴデットローラ21a、21b、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度T1、T2、T3、T4、T5を制御する。なお、温度制御部32は、後述の加熱器25の温度Thも制御する。
制御装置30に対しては、不図示のキーボード等の入力手段により、オペレータが糸送り速度や温度等の各条件を設定可能となっている。制御装置30が有する速度制御部31および温度制御部32の機能は、マイクロプロセッサ等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアとが協働することにより実現される。なお、速度制御部31および温度制御部32は、機能としての分担を示すものであり、必ずしも物理的に独立して構成される必要はない。また、ゴデットローラ21a、21b、22a、22b、22c、23のそれぞれに対して、個別に速度制御部31や温度制御部32が設けられる構成でもよい。
図1に戻って、保温箱24は、断熱材によって構成された概ね直方体形状の箱であり、第1ゴデットローラ21a、21b、第2ゴデットローラ22a、22b、22cおよび加熱器25を収容している。保温箱24を設けることで、第1ゴデットローラ21a、21b、第2ゴデットローラ22a、22b、22cおよび加熱器25から発せられる熱が保温箱24の外部に逃げることを抑制し、保温箱24の内部を保温できるようになっている。保温箱24の内部には、第1ゴデットローラ21a、21bと第2ゴデットローラ22a、22b、22cとの間に遮熱壁28が設けられている。この遮熱壁28により、第1ゴデットローラ21a、21bと第2ゴデットローラ22a、22b、22cとが互いの温度に影響を及ぼすことを抑制している。
また、保温箱24の上面(第1ゴデットローラ21aの上方)には、複数の糸Yを保温箱24の内部に導入するためのスリット24aが設けられている。複数の糸Yは、このスリット24aを通過して保温箱24の内部に導入され、第1ゴデットローラ21aに巻き掛けられている。また、保温箱24の右側面の下部(第2ゴデットローラ22cの右方)には、複数の糸Yを保温箱24の外部に導出するためのスリット24bが設けられている。第2ゴデットローラ22cから送られる複数の糸Yは、このスリット24bを通過して保温箱24の外部に導出され、第3ゴデットローラ23に巻き掛けられている。
加熱器25は、例えば赤外線ヒータ等の熱輻射を利用した非接触加熱ヒータであり、最も糸走行方向下流側の2つの第2ゴデットローラ22bと第2ゴデットローラ22cとの間に配置されている。加熱器25により、第2ゴデットローラ22bから第2ゴデットローラ22cへ送られる糸Yが加熱される。
インターレース装置26は、流体噴射ノズルを用いることで糸Yを構成するフィラメントを相互に絡み合わせて集束性を付与し、繊維間の広がりや分離を抑制するためのものである。インターレース装置26は、第2ゴデットローラ22cと第3ゴデットローラ23との間に配置されている。
図1に戻って、紡糸延伸装置2における糸Yの延伸処理について詳細に説明する。第1ゴデットローラ21aの温度T1および第1ゴデットローラ21bの温度T2は、温度制御部32によって、糸Yのガラス転移点以上の温度(例えば、PETの場合、80〜100℃程度)に制御され、延伸前の糸Yの温度がガラス転移点以上となるように予備加熱を行う。なお、ガラス転移点は高分子の種類によって異なるため、糸Yの原料に応じて、第1ゴデットローラ21a、21bの温度T1、T2は設定される。
また、第1ゴデットローラ21aの糸送り速度V1および第1ゴデットローラ21bの糸送り速度V2は、速度制御部31によって、例えば、1500〜3000m/min程度に制御される。なお、詳細には、第1ゴデットローラ21aで糸Yが加熱されることで生じる糸Yの内部応力緩和による張力低下を補正するため、第1ゴデットローラ21bの糸送り速度V2が、第1ゴデットローラ21aの糸送り速度V1よりも、若干(数10m/min)速くなるように制御される。ただし、このように制御することは必須ではない。
第2ゴデットローラ22aの糸送り速度V3、第2ゴデットローラ22bの糸送り速度V4、および第2ゴデットローラ22cの糸送り速度V5は、第1ゴデットローラ21a、21bの糸送り速度V1、V2よりも速くなるよう、速度制御部31によって、例えば、4500〜5500m/min程度に制御される。このため、第1ゴデットローラ21bと第2ゴデットローラ22aとの間において、糸Yは延伸される。ここで、速度制御部31は、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度V3、V4、V5を、各ローラ間の糸送り速度差が30m/min以下となるように制御することが好ましい。こうすることで、糸Yの張力が適正に維持され、ローラへの糸Yの巻き付きや断糸を防止することができる。
第2ゴデットローラ22aの温度T3、第2ゴデットローラ22bの温度T4、および第2ゴデットローラ22cの温度T5は、温度制御部32によって、延伸された糸Yを熱固定可能な温度(例えば、120〜180℃程度)に制御される。同じく、加熱器25の温度Thも、温度制御部32によって、延伸された糸Yを熱固定可能な温度(例えば、120〜180℃程度)に制御される。第2ゴデットローラを3つ以上設けることで、後述の弛緩熱処理や緊張熱処理において、糸Yの弛緩状態や緊張状態を、急激な張力変化を抑制しつつ、より高めることができる。
第3ゴデットローラ23の糸送り速度V6は、インターレース装置26における糸Yの張力が、糸Yへの交絡の付与に適した値となるように調整される。
このように構成された紡糸延伸装置2によれば、紡糸機4から紡出された複数の糸Yは、第1ゴデットローラ21a、21bによってガラス転移点以上の温度まで予備加熱された後、第1ゴデットローラ21bと第2ゴデットローラ22aとの間で延伸され、第2ゴデットローラ22a、22b、22cで熱固定される。ここで、糸Yが延伸される際の延伸倍率が高くなるほど、強度やヤング率が高くなり、伸度が低くなる。反対に、延伸倍率が低くなるほど、強度やヤング率が低くなり、伸度が高くなる。つまり、糸Yの延伸倍率を調整することで、糸Yの物性を調整することができる。
しかしながら、例えば、沸水収縮率が5%程度以下と非常に低い超低収縮糸や、10%強度(伸度が10%のときの強度であり、ヤング率の代用特性として用いられる)が破断強度の70%程度以上の高モジュラス糸等を生産することは、これまで困難であった。なぜなら、沸水収縮率をより低くしようとする場合、熱固定時の温度、すなわち第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度を高くすればよいが、この温度を例えば200℃程度以上と高くしすぎると、糸Yの劣化(強伸度の低下)や断糸が多く発生するため、沸水収縮率を低くすることには限界があった。また、糸Yを延伸する際の延伸倍率を大きくすることで、ヤング率を高くすることができるが、その場合、伸度が低くなり過ぎ、断糸や毛羽が多発するため、ヤング率を高くするには限界があった。しかしながら、紡糸延伸装置2では、3つの第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度および温度をそれぞれ独立に制御することにより、超低収縮糸や高モジュラス糸の生産が可能となる。以下、その原理について説明する。
(弛緩熱処理による超低収縮糸の生産)
速度制御部31によって、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度V3、V4、V5を、糸走行方向下流側にあるものほど遅くなるよう、すなわちV3>V4>V5となるように制御することで、糸Yをリラックス状態で熱固定する弛緩熱処理が行われる。弛緩熱処理を行うことで、非結晶領域の分子配向性が低下し、糸Yの沸水収縮率が小さくなる。同時に、温度制御部32によって、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度T3、T4、T5を、最も糸走行方向下流側の第2ゴデットローラ22cの温度T5が、他の第2ゴデットローラ22a、22bの温度T3、T4以上となるよう、すなわちT3≦T5かつT4≦T5となるように制御する。
このような制御によれば、糸走行方向下流側に糸Yが走行するにしたがって、糸Yの弛緩状態が高まり、かつ、最も糸走行方向下流側の第2ゴデットローラ22cの温度T5が、他の第2ゴデットローラ22a、22bの温度T3、T4以上となっているので、糸Yの弛緩状態が高まり、分子の易動度が高くなっているときに、糸Yが強く加熱されることになる。このように、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度V3、V4、V5に加えて温度T3、T4、T5も制御することで、分子鎖を効果的に弛緩させることができ、弛緩熱処理の効果を従来よりも高めることができる。その結果、糸Yの物性をより幅広くコントロールすることができる。したがって、例えば、糸Yの劣化や断糸が発生するほど第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度を高くしなくとも、弛緩熱処理の効果が向上することで、沸水収縮率を低下させることができ、超低収縮糸の生産が可能となる。
温度制御部32は、糸走行方向において隣り合う2つの第2ゴデットローラ(第2ゴデットローラ22aと22b、あるいは第2ゴデットローラ22bと22c)において、糸走行方向下流側にある第2ゴデットローラの温度が糸走行方向上流側にある第2ゴデットローラの温度以上となるよう、すなわちT3≦T4≦T5となるよう、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度T3、T4、T5を制御するとより好適である。こうすることで、糸走行方向下流側ほど、すなわち、糸Yの弛緩状態が高まるほど、糸Yが強く加熱されることになり、上記弛緩熱処理を確実かつ効果的に高めることができる。
ここで、弛緩熱処理の効果を高めるためには、最も糸走行方向下流側の第2ゴデットローラ22cの温度T5が、他の第2ゴデットローラ22a、22bの温度T3、T4以上であればよく、他の第2ゴデットローラ22a、22bの温度T3、T4が、最も糸走行方向下流側の第2ゴデットローラ22cの温度T5と同じであってもよい。しかしながら、糸Yがあまり弛緩していない状態では、強い加熱を行っても分子鎖を効率的に弛緩させることはできないため、糸走行方向上流側ほど加熱することの効果は小さい。したがって、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度T3、T4、T5を、糸走行方向上流側にあるものほど低く、すなわちT3<T4<T5とすることにより、無駄な加熱を抑制することができ、効率的に糸Yの物性をコントロールすることができる。
また、本実施形態では、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの各ローラ間のうち少なくとも1つの区間に、糸Yを加熱する加熱器25が設けられている。このため、熱処理の性能を向上させることができ、糸Yを良好に熱固定することが可能となる。
特に、本実施形態では、加熱器25が、最も糸走行方向下流側の2つの第2ゴデットローラ22bと第2ゴデットローラ22cの間に設けられている。このため、弛緩状態が高まった糸Yに対して、加熱器25によるさらなる加熱が行われることになり、弛緩熱処理の効果をより高めることができる。このため、糸Yの物性をさらに幅広くコントロールすることが可能となる。
また、本実施形態では、加熱器25が保温箱24の内部に配置されているので、加熱器25からの熱が逃げてしまうことを抑制でき、加熱器25による熱処理の効果を向上させることができる。
また、本実施形態では、速度制御部31は、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度V3、V4、V5を、各ローラ間を走行する糸Yの張力が0.05g/de以上となるように制御する。糸Yの張力が0.05g/deよりも小さくなると、糸揺れが生じ、糸Yがローラに巻き付いたり、断糸が発生したりするおそれがあるが、糸Yの張力を0.05g/de以上とすることで、これらの不具合を回避することができる。
(緊張熱処理による高モジュラス糸の生産)
速度制御部31によって、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度V3、V4、V5を、糸走行方向下流側にあるものほど速くなるよう、すなわちV3<V4<V5となるように制御することで、糸Yをストレッチ状態で熱固定する緊張熱処理が行われる。緊張熱処理を行うことで、非結晶領域の分子配向性が高まり、糸Yのヤング率が大きくなる。同時に、温度制御部32によって、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度T3、T4、T5を、最も糸走行方向上流側の第2ゴデットローラ22aの温度T3が、他の第2ゴデットローラ22b、22cの温度T4、T5以上となるよう、すなわちT3≧T4かつT3≧T5となるように制御する。
このような制御によれば、糸走行方向下流側に糸Yが走行するにしたがって、糸Yの緊張状態が高まり、かつ、最も糸走行方向上流側の第2ゴデットローラ22aの温度T3が、他の第2ゴデットローラ22b、22cの温度T4、T5以上となっているので、まだ糸Yの緊張状態が低く、分子の易動度が高いときに、糸Yが強く加熱されることになる。また、糸走行方向下流側の第2ゴデットローラ22b、22cによる糸Yの昇温が抑制されるので、分子鎖の緊張状態が緩和されることを防ぐことができる。このように、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度V3、V4、V5に加えて温度T3、T4、T5も制御することで、結晶化を効果的に進行させ、また分子鎖の緊張状態の緩和を防ぐことができ、緊張熱処理の効果を従来よりも高めることができる。その結果、糸Yの物性をより幅広くコントロールすることが可能となる。このように、緊張熱処理の効果を向上させることで、ヤング率を高くすることができるので、ヤング率を高くするために延伸倍率を過剰に大きくする必要がない。よって、糸Yの伸度が低くなり過ぎることによる断糸や毛羽の発生を抑制しつつ(適度な伸度を確保しつつ)、高モジュラス糸を生産することが可能となる。
温度制御部32は、糸走行方向において隣り合う2つの第2ゴデットローラ(第2ゴデットローラ22aと22b、あるいは第2ゴデットローラ22bと22c)において、糸走行方向上流側にある第2ゴデットローラの温度が糸走行方向下流側にある第2ゴデットローラの温度以上となるよう、すなわちT3≧T4≧T5となるよう、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度T3、T4、T5を制御するとより好適である。こうすることで、糸走行方向上流側ほど、すなわち、結晶化がまだ進んでおらず、分子の易動度が高いうちに、糸Yが強く加熱されることになり、上記緊張熱処理の効果を確実かつ効率的に高めることができる。
ここで、緊張熱処理の効果を高めるためには、最も糸走行方向上流側の第2ゴデットローラ22aの温度T3が、他の第2ゴデットローラ22b、22cの温度T4、T5以上であればよく、他の第2ゴデットローラ22b、22cの温度T4、T5が、最も糸走行方向上流側の第2ゴデットローラ22aの温度T3と同じであってもよい。しかしながら、糸Yの緊張が進んだ段階では、強い加熱を行っても効率的に結晶化することができないため、糸走行方向下流側ほど加熱することの効果は小さい。また、糸走行方向下流側の第2ゴデットローラ22b、22cによる糸Yの昇温を抑制することで、分子鎖の緊張状態が緩和されることを防ぐことができる。したがって、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの温度T3、T4、T5を、糸走行方向下流側にあるものほど低く、すなわちT3>T4>T5とすることにより、無駄な加熱を抑制することができるとともに、分子鎖の緊張状態が緩和されることを防ぐことができるので、効率的に糸Yの物性をコントロールすることができる。
また、本実施形態では、速度制御部31は、第2ゴデットローラ22a、22b、22cの糸送り速度V3、V4、V5を、各ローラ間を走行する糸Yの張力が1g/de以下となるように制御する。糸Yの張力が1g/deよりも大きくなると、断糸や毛羽が発生するおそれがあるが、糸Yの張力を1g/de以下とすることで、これらの不具合を回避することができる。
なお、上述のように、緊張熱処理の際、糸Yの緊張が進んだ段階では、強い加熱を行っても効率的に結晶化することができず、糸走行方向下流側ほど加熱することの効果は小さい。このため、最も糸走行方向下流側の2つの第2ゴデットローラ22bと第2ゴデットローラ22cとの間に配置した加熱器25で糸Yを加熱することの効果は小さい。むしろ、分子鎖の緊張状態を緩和させる弊害が生じるおそれがある。したがって、緊張熱処理の際には、加熱器25を作動させる必要性はなく、加熱器25の電源を切断する。なお、緊張熱処理の際に加熱器25を有効に利用するためには、加熱器25はできるだけ糸走行方向上流側に配置されることが好ましく、例えば、最も糸走行方向上流側の2つの第2ゴデットローラ22aと第2ゴデットローラ22bとの間に配置されるのが最適である。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態に限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
上述の実施形態においては、延伸前の糸Yが走行する第1ゴデットローラ21a、21bは2つであるが、第1ゴデットローラ21a、21bは少なくとも1つあればよい。
上述の実施形態においては、延伸前の糸Yが走行する第1ゴデットローラ21a、21bは加熱ローラである。しかしながら、生産する糸種、例えば常温で延伸可能なナイロン等では、第1ゴデットローラ21a、21bをヒータを備えない非加熱ローラとしたり、また、ヒータを備える場合は、ヒータの電源を切断して非加熱状態で使用したりすることもできる。
上述の実施形態においては、延伸された糸Yの熱固定を行う第2ゴデットローラ22a、22b、22cは3つであるが、第2ゴデットローラ22a、22b、22cは3つ以上であればいくつでもよい。
上述の実施形態においては、第1ゴデットローラ21a、21b、第2ゴデットローラ22a、22b、22cおよび加熱器25をすべて保温箱24の内部に配置したが、このように配置することは必須ではない。例えば、図4に示すように、加熱器25を配置することも可能である。
図4は、他の実施形態にかかる紡糸延伸装置を備えた紡糸巻取機の正面図である。上述の実施形態と同じ構成については、図1と同じ符号を付してある。この実施形態では、最も糸走行方向下流側の第2ゴデットローラ22cおよび加熱器25は、保温箱24の外部に配置されており、第2ゴデットローラ22cは、保温箱24とは別の保温箱27に収容されている。上述の実施形態では、保温箱24に、複数のゴデットローラ21a、21b、22a、22b、22cが収容されているため、加熱器25を配設するための空間の確保に限界がある。しかしながら、加熱器25を保温箱24の外部に配置することで、保温箱24の大きさに制限されることなく、大型の加熱器25を採用することができるので、加熱器25の加熱性能を容易に向上させることができる。また、紡糸延伸装置2を用いて緊張熱処理を行う場合には、第2ゴデットローラ22cを加熱ローラではなく、非加熱ローラとしてもよい。なお、加熱器25を、保温箱27や別途用意した保温箱に収容するようにしてもよい。
上述の実施形態においては、弛緩熱処理の効果をより高めるため、加熱器25を、最も糸走行方向下流側の2つの第2ゴデットローラ22bと第2ゴデットローラ22cとの間に配置したが、加熱器25の配置はこれに限定されない。また、加熱器25を複数設けてもよい。
2:紡糸延伸装置
4:紡糸機
21a、21b:第1ゴデットローラ(第1ローラ)
22a、22b、22c:第2ゴデットローラ(第2ローラ)
24:保温箱
25:加熱器
31:速度制御部
32:温度制御部

Claims (8)

  1. 紡糸機から紡出された糸を延伸する紡糸延伸装置であって、
    少なくとも1つの第1ローラと、
    前記第1ローラの糸走行方向下流側に配置され、前記第1ローラよりも糸送り速度が速い加熱ローラである3つ以上の第2ローラと、
    前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を制御する速度制御部と、
    前記3つ以上の第2ローラの温度を制御する温度制御部と、
    を備え、
    前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、糸走行方向下流側にあるものほど遅くなるように制御し、
    前記温度制御部は、最も糸走行方向下流側の前記第2ローラの温度が、他の前記第2ローラの温度より高くなるように、前記3つ以上の第2ローラの温度を制御することを特徴とする紡糸延伸装置。
  2. 前記温度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの温度を、糸走行方向上流側にあるものほど低くなるように制御する請求項に記載の紡糸延伸装置。
  3. 前記3つ以上の第2ローラの各ローラ間のうち少なくとも1つの区間に、糸を加熱する加熱器が設けられる請求項1又は2に記載の紡糸延伸装置。
  4. 前記加熱器が、最も糸走行方向下流側の2つの前記第2ローラの間に設けられる請求項に記載の紡糸延伸装置。
  5. 少なくとも1つの前記第2ローラを収容する保温箱が設けられており、前記加熱器が前記保温箱の内部に配置される請求項に記載の紡糸延伸装置。
  6. 少なくとも1つの前記第2ローラを収容する保温箱が設けられており、前記加熱器が前記保温箱の外部に配置される請求項に記載の紡糸延伸装置。
  7. 前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、各ローラ間を走行する糸の張力が0.05g/de以上となるように制御する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の紡糸延伸装置。
  8. 前記速度制御部は、前記3つ以上の第2ローラの糸送り速度を、各ローラ間の糸送り速度差が30m/min以下となるように制御する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の紡糸延伸装置。

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