JP6385299B2 - 液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置 - Google Patents

液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置 Download PDF

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Description

本発明は液体分析装置に関する。
液体クロマトグラフ装置では、紫外(UV)/紫外・可視(UV・VIS)吸光度検出器が最も汎用的に使用されている。特に紫外波長帯(200〜380nm)には有機化合物中の様々な官能基の吸収波長帯が存在する事から、様々な分野で使用されている。吸光度検出器の利点は、測定波長を物質の極大吸収波長に合わせて感度向上ができること、妨害成分の光吸収が少ない測定波長を用いて妨害物の影響を抑制して試料の測定ができることなどが挙げられる。しかし、UV検出器では、紫外波長帯に吸収を持たない化合物、例えば、糖、アルコールなどは検出できない。
遠紫外領域の分光法の研究は古くから行われており、紫外領域(200nm以上)にほとんど吸収を持たない物質も遠紫外領域には必ず吸収帯を持つことが知られている。しかし、気相状態の物質の研究がほとんどで液体状態の研究はあまり行われていなかった。その理由は、遠紫外領域のスペクトルを測定する場合、空気中の酸素による吸収が強いために分光装置内部を真空にする必要があり、装置が煩雑で高価であることであった。さらに、使用する溶媒の吸収スペクトルが非常に強いため、光がほとんど透過せず、測定が困難であったためである。ここで、一般的に、遠紫外光とは波長10nm以上200nm以下の光で、紫外光(近紫外光とも呼ばれる)とは波長200nmから380nmの光と定義されている。
近年、分光装置内部の空気を窒素ガス等の不活性ガスで置換することで遠紫外分光測定を簡便に行えるようになり、光路長を0.5mmと短くした透過型セルを使用して180nmまでの溶液中の物質の吸収スペクトル測定が可能になった(非特許文献1)。さらに、実効光路長を数十nmと極めて短くした全反射減衰(Attenuated Total Reflection:ATR)型の分光装置により120nmまでの液体の吸収スペクトルの測定が可能になった(非特許文献2)。
また、遠紫外領域での固体試料の反射率及び透過率スペクトルを測定可能な装置として、試料への入射光の強度低下を防止し、さらに反射率の測定時に試料の傾斜を不要として試料移動機構を小型化して真空排気時間の短縮と共に測定時間を短縮した真空紫外分光装置が知られている(特許文献1)。
図10は、従来の真空紫外分光装置の概略図である。光源901から出た光は、スリット902を通って回折格子904に入射する。所定の波長の光がスリット905を通り、さらに試料909を透過した光の強度を第一の光検出器907で検出する。この分光装置は、酸素や水蒸気による光吸収の影響を排除するため、真空排気機構915を備えている。一般的な分光器では試料の直前にビームスプリッタ等を設置して光路を分岐させ、一方を参照光、もう一方を試料へ入射させる光として吸光度を検出する。しかし、特許文献1では、駆動装置910を用いて回折格子904の回転に第二の光検出器908を連動させ、+1次光以外の同一波長の光を参照光として第二の光検出器908で検出している。
しかし、これらの装置はいずれも吸収スペクトルの取得を主な目的としており、検出感度や、装置の大きさやコストの問題などで液体クロマトグラフ装置の検出器として適用されていなかった。
特開2004−12370号公報
Analytical Chemistry, 2005, Vol.77, pp.2272-2277. REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS, Vol.78, 103107.
図11は、従来の液体クロマトグラフ用吸光度検出装置の説明図である。従来の液体クロマトグラフ用吸光度検出装置では、紫外光又は可視光を発する光源1001から出た光がミラー1002で反射され、入射スリット1003を通って、回折格子1004に入射する。回折格子1004で分光された光のうち、特定の波長の光が出射スリット1005を通り、ミラー1009で反射されて、ビームスプリッタ1030によって2つの光路に分岐される。一方の光は、フローセル1006に入射され、フローセル1006を透過した光は検出光として第一の光検出器1007で検出される。もう一方の光は、参照光として第二の光検出器1008で検出される。検出光と参照光の光強度は演算部1020に伝達され、演算部1020により吸光度が求められ、制御部1021に出力される。オートサンプラ1014から導入された試料はポンプ1011で送液される溶離液1010中に注入され、分離カラム1012で分離され、フローセル1006内に順次導入され、廃液容器1013に送られる。分離カラム1012で分離された各成分について特定波長における吸光度の時間変化を計測することで各成分の濃度を求めることができる。
遠紫外領域では、大気中の酸素や水蒸気に加え、液体クロマトグラフで使用する溶離液(例えば、水、メタノールなど)にも非常に強い吸収があるため、検出に利用する光量が低下して吸光度の検出が困難となる。例えば、水の場合、図12に示す吸光度スペクトルが知られており、波長が200nmから180nmに変化すると吸光度が4倍以上増加する。一般的に、分光光度計では光量が低下することによりノイズが増加する。ここで、ノイズとは測定対象の試料が無いときの吸光度のゆらぎである。図13は、吸光度検出器の光量とノイズの関係を示す図である。吸光度検出器では、ノイズ値は光量に反比例する関係にあり、遠紫外領域での光量を確保できなければ高感度化は難しい。
従来のATR方式の分光光度計では、光路長が数十nmと極めて短く、水などの液体の吸光度を低く抑えることができ、十分な光量を確保することができるが、光路長が極めて短いため感度が大きく低下する。感度が低くても単体物質の吸収スペクトル測定は可能であるが、高い感度を必要とする液体クロマトグラフには適用できない。分離カラムで分離された成分は溶離液中に微量にしか存在しないため、通常の液体クロマトグラフ用吸光度検出装置のフローセルの光路長は10mmである。
一方、従来の真空分光装置(図10)では、ビームスプリッタを用いない光学系を採用して遠紫外領域での光量を確保している。その際、吸光度のスペクトルを取得するために、回折格子904の回転に連動した第2の光検出器908を用いて、測定波長と同一波長でかつ+1次光以外の光を参照光として検出する構成になっている。従来の真空分光装置を液体クロマトグラフ用検出器に応用した場合に、参照光を測定する第2の光検出器908を回折格子904に連動させる必要があり、第2の光検出器908を連動させる駆動装置910の分だけ装置が複雑になりコストが増大する問題がある。さらに、駆動装置910の設置により装置の体積が増加するため、真空排気又は窒素ガス等の不活性ガスによるパージ効率の低下や時間増大を招く問題がある。
本発明による液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置は、遠紫外光を含む光を発する光源、光源から発せられた光を分光する回折格子、液体が通過するフローセル、回折格子で回折された+1次光の所定の波長を選択してフローセルに入射するスリット、フローセルを透過した光を検出する第一の光検出器、及び回折格子で回折された+1次光以外の光を検出する第二の光検出器を備える光学系と、光学系を真空排気あるいは窒素ガスで置換する機構と、第一の光検出器の出力信号と第二の光検出器の出力信号から吸光度を算出する演算部とを有し、第二の光検出器は固定配置されている構成を有する。
一例として、第二の光検出器を回折格子の−1次光側に固定配置し、第二の光検出器で検出される光の波長幅を第一の光検出器で検出される光の波長幅より大きく設定することができる。
演算部は、測定時の波長変更と同期してベースライン補正を行うのが好ましい。
一例として、第二の光検出器で検出される光の波長幅を4nm以上50nm以下とすることができる。
本発明によると、検出光の光量低下を防ぎ十分な光量で吸光度測定が可能になる。さらに、参照光用光検出器を回折格子と連動して駆動する駆動装置が不要となることや、光学系の部品点数が減るため、真空排気又は窒素ガス等の不活性ガスによるパージの効率向上や時間短縮ができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置の一実施例を示す模式図。 測定波長変更に伴うベースライン変動の説明図。 測定波長変更時のベースライン補正の手順を示すフローチャート。 演算部の一部を示す模式図。 ソフトウェアによるベースライン補正処理の手順を示すフローチャート。 糖分析の例を示す図。 糖の吸収スペクトルを測定した例を示す図。 ペプチド分析の例を示す図。 TyrとPheの吸光スペクトルを示す図。 従来の真空紫外分光装置の概略図。 従来の液体クロマトグラフ用吸光度検出装置の説明図。 水の吸光スペクトルを示す図。 吸光度検出器の光量とノイズの関係を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例]
本実施例では、参照光を測定する光検出器を回折格子の−1次光側に固定配置し、吸光度を測定する例を説明する。
図1は、本発明の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置の一実施例を示す模式図である。本実施例の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置は、重水素ランプ101、第一のミラー102、入射スリット103、分光素子としての凹面回折格子104、出射スリット105、第二ミラー109、フローセル106、検出光用光検出器107、参照光用光検出器108、密閉容器115を有し、溶離液110の入った容器、オートサンプラ114、ポンプ111、分離カラム112、及び廃液容器113に接続されている。
重水素ランプ101から発せられた光は、第一のミラー102で反射され、入射スリット103の開口部に集光され、凹面回折格子104へ入射する。凹面回折格子104で分光された+1次光の特定の波長の光が出射スリット105を通り、第二ミラー109で反射された光がフローセル106に導かれる。フローセル106を透過した光は、検出光用光検出器107で検出される。このとき、入射スリット103、出射スリット105は凹面回折格子104のローランド円周上に設置される。一方、凹面回折格子104で分光された−1次光は、装置に固定配置された参照光用光検出器108で検出される。
オートサンプラ114から導入された試料は、ポンプ111で送液される溶離液110中に注入され、分離カラム112で分離され、フローセル106内に順次導入され、廃液容器113に送られる。分離カラム112により分離された試料液体の種類や濃度の変化に応じてフローセル106を透過する光量が変化する。検出光用光検出器107で検出された光量と、参照光用光検出器108で検出された光量は演算部120で処理され、吸光度として制御部121に出力される。
遠紫外光は、酸素及び水蒸気によって吸収されるため、光路中の光量低下を防ぐ目的で、密閉容器115で光学系全体を密閉し、密閉容器115内を窒素ガスで置換又は真空排気する。例えば、窒素パージを実施することで、波長185nmの検出光の光量はおよそ2倍増加する。真空排気及び窒素パージは、重水素ランプ101の点灯前に実施されることが望ましい。これは酸素を含む雰囲気中で短波長の遠紫外光が発せされると、合成石英のような窓材は白く曇ってしまうことがあるため、光量低下の原因となるからである。
本実施例では、重水素ランプ101を光源として用いたが、遠紫外光と紫外光を含む広範囲の波長の光を発する光源が好ましく、例えば水銀ランプ、エキシマランプなどでもよい。本発明では、液体クロマトグラフ用吸光検出器で使用可能な遠紫外光を、水の吸収(ピーク波長150nm付近)の影響を受けにくい、波長170nm以上200nm以下の光と定義する。
ミラー102,109は、遠紫外光及び紫外光で反射損失の少ない材質でコートすることが望ましく、コート材としては例えばアルミやMgF2などが好適である。2つの光検出器107,108は、リニアリティレンジが広いフォトダイオードが液体クロマトグラフ用途として好ましいが、光電子増倍管やフォトダイオードアレイなどを使用しても良い。重水素ランプ101、フローセル106、光検出器107,108に使用される窓材としては、遠紫外光及び紫外光で高い透過率を持つことが望ましく、例えば合成石英、MgF2、CaF2などが好適である。
通常の真空紫外分光光度計のように、所定の波長での試料の吸光度を求める際には、参照光を検出光と同一の波長とする必要がある。一方、液体クロマトグラフでは所定の波長の吸光度の時間変化を測定し、試料の種類や濃度を測定する。また、波長範囲が狭い範囲(例えば、50nm以下)では光源のゆらぎの波長依存性は小さいため、参照光を検出光と同一波長としなくとも、同一波長とした場合に比べてノイズが増加することはない。したがって、検出光と異なる波長の光を参照光として用いてもよい。そこで、本実施例では参照光用光検出器108を凹面回折格子104によって分光された−1次光を測定できる位置に固定して配置する。
本実施例の光学系を採用することにより、従来の分光光度計のビームスプリッタ1030を使用した場合(図11)に比べて検出光の光量が増加する。例えば、ビームスプリッタ1030としてハーフミラーを使用していた場合と比べると、本実施例の光学系では検出光の光量は2倍となる。また、参照光の波長は1つの波長に限定する必要はなく、複数の波長を含む所定の波長帯域の光を利用してもよい。すなわち、参照光用光検出器108で検出される光の波長幅を検出光用光検出器107で検出される光の波長幅より大きく設定しても良い。例えば、遠紫外領域(170nm〜200nm)の一部あるいは全部を含む波長幅4nm以上50nm以下の波長帯の光を参照光として利用すると、測定波長変更時でも参照光の光量が大きく変化し難くなるため、吸光度測定が安定するという利点がある。参照光の波長幅が検出光の波長幅と同程度(検出光の波長幅は4nm以下)の場合には、参照光として利用する光は凹面回折格子104の+1次光以外かつ検出波長と異なる波長の光であるが、参照光の波長幅が4nm以上の場合には+1次光以外の光で検出光と同一波長の光が含まれていても構わない。また、参照光に用いる光は凹面回折格子104の−1次光に限らず、±2次以上の光や0次光でもよい。さらに、参照光用光検出器108を配置する位置はローランド円上である必要もない。
図2は、測定波長変更に伴うベースライン変動の説明図である。参照光用光検出器108は固定されて配置されているため、使用者が測定波長を変更すると凹面回折格子104が回転し、参照光の波長も変更されてしまう。したがって、測定途中に波長を変更した場合は、図2に略示するようにベースラインが変動してしまい、定量的な吸光度測定ができない。そこで本実施例では、測定中の波長設定と同期して吸光度のベースラインを補正する。
図3は、測定波長変更時のベースライン補正の手順を示すフローチャートである。
測定開始前に、測定波長及び測定時間を設定する。測定途中で波長を変更する場合には、変更する時刻と変更後の波長を予め設定しておく(S11)。測定波長を変更する時刻は、試料が溶出しておらず、溶離液のみが溶出している時刻とする。次に、吸光度測定を開始し、試料が注入された時刻を0秒とし、測定開始時(0秒)に吸光度が0となるようにオフセットを設定する(S12)。一定時間が経過し、S11で設定した波長変更時刻となったら、波長変更に同期してベースラインを補正し、吸光度が0となるようにオフセットを再度設定する(S13)。複数回波長を変更する時にはS13を繰り返す。設定した測定時間が経過したら測定を終了する(S14)。
ここで、「波長変更に同期」とは、波長を変更した時刻と同一時刻あるいは変更した時刻からある一定の時間(以降、補正時間とする)以内を指す。この補正時間は、吸光度が安定するまでの時間であり、測定のサンプリング間隔又は積算時間から決定される。サンプリング間隔の10倍以内又は積算時間の3倍以内とすることで、補正される吸光度の値が安定する。通常1〜2秒以内とすることが望ましい。ベースライン補正は、この補正時間内のある所定の時刻での吸光度又は一定時間内での吸光度の平均値を記録し、その吸光度が0となるようにオフセットを設定することで行われる。
図4は、演算部120の一部を示す模式図である。検出光用光検出器107と参照光用光検出器108で検出される光量に応じた信号は、それぞれ信号処理回路403,404で電圧に変換及び増幅され、吸光度演算回路405で吸光度の信号に変換される。波長変更と同期して検出された吸光度に応じて、補正用可変電圧源406の電圧値が設定され、吸光度を打ち消す電圧値が出力され、ベースラインが補正される。また、ベースラインの補正は、制御部121においてソフト的にベースライン補正をしても良い。
図5は、ソフトウェアによるベースライン補正処理の手順を示すフローチャートである。波長変更の設定に同期して、演算部120から出力された吸光度信号をオフセットとして記録しておき(S21)、その後に得られた吸光度信号から記録したオフセット信号を引くことでベースラインが補正される(S22)。波長が複数回変更される場合には、波長変更のたびに、ベースラインが補正される。
[測定例1]
実施例に示した液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置を用いて糖分析した例を示す。この測定では、参照光用光検出器を、−1次光側のローランド円上から5mm外側に離れた位置に固定配置した。検出光の波長が185nmのとき、参照光は波長帯170〜200nmの光が参照光用光検出器に入射される位置とした。使用した分析条件を以下に示す。
サンプル;各濃度5mg/mLのフルクトース、グルコース混合水溶液
注入量;6μL
分析カラム;SHODEX製カラム(Asahipak NH2P-50 4E、4.6mm×250mm)
移動相;水25%、アセトニトリル75%の混合溶液
流速;1.0mL/min
検出波長;185nm
図6は、本装置を用いて測定した糖分析の例を示す図である。光路長10mmのフローセルを使用した。図6に破線で示すように、破線紫外光である波長250nmでは糖の検出が困難である。一方、図6に実線で示すように、遠紫外光である185nmの波長を使用することで、ソルベントピーク603に続きフルクトース601、グルコース602の吸光度ピークが分離・検出できた。移動相には、遠紫外領域の波長170〜200nmに吸収がほとんどない水又はアセトニトリル、あるいはその混合物を用いるのが好ましい。
図7は、同様の測定条件で光路長0.5mmのフローセルを用いて糖の吸収スペクトルを測定した例を示す図である。図7のスペクトルは、紫外光では感度が低いため測定が難しく、遠紫外光を用いることで糖の測定が可能になったことを示している。
実施例に示した装置構成により参照光として検出光と異なる波長の光を用いることで、検出光である+1次光の光量は従来のビームスプリッタを利用した光学系ではほとんど光量がなかったが、光量が5倍以上増加し、175nmまでのスペクトルの測定が可能となった。その際、参照光として検出光より広い波長帯の光(検出波長185nmに対して参照光は波長帯170〜200nm)を用いているため、測定波長変更時でも参照光の光量が大きく変化しない利点がある。さらに、光源の揺らぎの波長依存性は今回のように波長範囲が狭い場合(波長幅30nm)には、ほとんど無視できるほど小さく、本方式により光源の揺らぎに由来するノイズを低減することができた。
[測定例2]
次に、実施例に示した液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置を用いてペプチドを分析した例を示す。使用した分析条件を以下に示す。
サンプル;各濃度0.01mg/mLのGly-Tyr、Val-Tyr-Val、Phe-Asp-Phe-Ser-Phe
注入量;10μL
分析カラム;Vydac製カラム(218TP54、4.6mm×250mm)
移動相;水90%、アセトニトリル10%の混合溶液から水60%、アセトニトリル40%の混合溶液へ30分かけて線形に組成を変化させたグラジエント分析。5mMの過塩素酸ナトリウム塩を添加。
流速;1.0mL/min
図8は、本装置を用いて測定したペプチド分析の例を示す図である。図9は、TyrとPheの吸光スペクトルを示す図である。この測定では、測定開始時(0分)の波長を192nmとし、11.5分経過後に測定波長を187nmに設定した。これは、図9に示すように、Tyrの遠紫外領域の吸収ピーク波長が192nmにある一方で、Pheの遠紫外領域の吸収ピーク波長が187nmとなっているためである。波長を192nmから187nmに変更することで、Pheを含むペプチドの検出は、約1.5倍の高感度化が可能となる。
参照光用光検出器は、測定例1と同様に−1次光側のローランド円上から5mm外側に離れた位置に固定配置されている。検出光の波長が192nmのとき参照光は波長帯170〜200nmの光が参照光用光検出器に入射され、検出光の波長が187nmのとき参照光は波長帯176〜206nmの光が参照光用光検出器に入射される。
ペプチドの分離のため、イオンペア試薬として遠紫外領域に吸収がほとんどない過塩素酸ナトリウムを使用した。その他に遠紫外領域に吸収がない塩としてフッ化ナトリウム等が挙げられる。ソルベントピーク804に続き、Gly-Tyr801、Val-Tyr-Val802、Phe-Asp-Phe-Ser-Phe803が分離され、それぞれの吸収ピークを遠紫外光で高感度に測定できた。11.5分で波長を変化させたことによるベースラインの補正は、測定後にソフト的に実施した。このベースライン補正により、さらに定量性を向上させることができる。本測定例のように溶出時間が既知である場合には、各成分の吸収ピーク波長を測定波長に設定することで、より高感度に検出可能である。
実施例に示した装置構成により参照光を検出光と異なる波長の光を用いることで、検出光である+1次光の光量は従来のビームスプリッタを利用した光学系で得られる光量に比べて2倍に増加し、吸光度ノイズは約2倍低下したことで10μAUとなり、ペプチドの高感度測定が可能となった。その際、参照光として検出光より広い波長帯の光を用いているため、測定波長変更時でも参照光の光量が大きく変化しない利点がある。さらに、光源の揺らぎの波長依存性は今回のように波長範囲が狭い場合(波長幅30nm)には、ほとんど無視できるほど小さく、本方式により光源の揺らぎに由来するノイズを低減することができ高感度測定が可能になった。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101 重水素ランプ
104 凹面回折格子
106 フローセル
107 検出光用光検出器
108 参照光用光検出器
110 溶離液
111 ポンプ
112 分離カラム
113 廃液容器
114 オートサンプラ
115 密閉容器
120 演算部
121 制御部
910 駆動装置
1030 ビームスプリッタ

Claims (7)

  1. 遠紫外光を含む光を発する光源、前記光源から発せられた光を分光する回折格子、液体が通過するフローセル、前記回折格子で回折された+1次光の所定の波長を選択して前記フローセルに入射するスリット、前記フローセルを透過した光を検出する第一の光検出器、及び前記回折格子で回折された+1次光以外の光を検出する第二の光検出器を備える光学系と、
    前記光学系を真空排気あるいは窒素ガスで置換する機構と、
    前記第一の光検出器の出力信号と前記第二の光検出器の出力信号から吸光度を算出する演算部とを有し、
    前記第二の光検出器は固定配置されており、
    前記演算部は、測定時の波長変更と同期してベースライン補正を行う、液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置。
  2. 記回折格子からの光はスリットやビームスプリッタを通過することなく直接前記第二の光検出器に入射する、請求項1記載の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置。
  3. 前記第二の光検出器は前記回折格子の−1次光側に固定配置され、前記第二の光検出器で検出される光の波長幅が前記第一の光検出器で検出される光の波長幅より大きい、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置。
  4. 前記第二の光検出器で検出される光の波長幅が4nm以上50nm以下である、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置。
  5. 前記光源は前記光学系が窒素ガスで置換された後に点灯される、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置。
  6. 前記フローセルを通過する液体が水又はアセトニトリル、あるいはその混合物である、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置。
  7. 前記液体に含まれる塩が過塩素酸ナトリウム又はフッ化ナトリウムである、請求項6に記載の液体クロマトグラフ用遠紫外吸光度検出装置。
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