JP6384765B2 - マイクロバブル形成方法及びマイクロバブル形成装置 - Google Patents

マイクロバブル形成方法及びマイクロバブル形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、日本国特許出願:特願2013−227636号(2013年10月31日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、液状体の中に微細な径の気泡を形成するためのマイクロバブル形成方法及び装置に関し、より詳細には、液状体の中に安定した微細な径の気泡を形成するためのマイクロバブル形成方法及び装置に関する。なお、液状体には、(1)液体のみを含有するものだけではなく、(2)液体と前記液体に溶解しない不溶物を含有するもの(より詳細には、液状体が流動性を失わない範囲の量で前記不溶物を含有するもの)も含まれる。
マイクロバブルないしナノバブルのような微細な径を有する微細気泡を液状体に発生させるための方法は種々存在するが主に、(1)微細な孔を有するもの(例えば、ニードル、多孔質材料、散気膜等)に気体を通過させる方法、(2)せん断流による気液界面の不安定化による方法(具体的には、ベンチュリー管、オリフィス方式、高速旋回する旋回流方式等)、(3)加圧下で気体を溶解させ低圧で開放する加圧溶解法、(4)液体に超音波を発してキャビテーションを起こす方法、(5)炭酸塩と酸から炭酸ガスを発生させる等の化学反応法などがある。
一般的には、径が比較的小さい領域の気泡は、気泡の径の寸法によって、マイクロバブルやナノバブルといわれており、概念的には、直径がミクロン単位の気泡(具体的には、1μm〜1000μm)をマイクロバブルと称し、ナノ単位の気泡(具体的には、1nm〜1000nm)をナノバブルと称されることもあるが、これらの呼称はあまり正確には区別されていない場合もある。本願明細書では、「マイクロバブル」には「ナノバブル」も含まれるものとする。
マイクロバブルとしては、例えば、直径数十μm程度のものがあり、実務的に利用されている。このようなマイクロバブルは、肉眼でも確認でき、直径1μm〜100μmのマイクロバブルであれば、多量に発生させると白濁することで確認できる。
このようなマイクロバブルは、気体(通常の場合は、大気圧下、室温において、気体であるもの)の種類を適宜選択することによって、またバブルを形成し分散させる液状体の種類(例えば、水(水道水、純水、超純水等)、湖沼水、海水、排水処理水、洗濯水、浴場水、飲食物、血液等)を適宜選択することによって、様々な分野で利用されている。例えば、排水処理の分野では、酸素あるいは空気のマイクロバブルを利用することによって、排水中の溶存酸素濃度を高めることができる。また、食品製造の分野では、殺菌性を有する気体(例えば、オゾンガス)を利用することによって、食品を殺菌することができる。また、二酸化炭素あるいは空気を利用することによって、お風呂用の白濁湯を得ることができる。その他、マイクロバブルやナノバブルは、医療現場等でも利用され始めている。
マイクロバブルを発生させる装置には種々のものがある。例えば、下記特許文献1に記載のマイクロバブル発生装置があり、特許文献1には、マイクロバブルの発生原理が記載されている(特許文献1の段落[0003]参照)。前記マイクロバブルの発生原理によれば、例えば、ベンチュリー管を用いてマイクロバブルを発生させる装置の場合の原理は、次のとおりであると考えられる。
即ち、液状流体を激しく加速すると、液状流体中にその圧力が飽和蒸気圧よりも低くなる部分が無数に存在するようになり、これらの部分で液状流体が気化してキャビティ(微細気泡)が生成する。生成したキャビティ(微細気泡)は、これを含有する液状流体の流速が減少すると消滅する(前記圧力が飽和蒸気圧以上の圧力に戻るためと考えられる)。しかし、予め液状流体に対して気泡(例えば、直径が数ミリ程度の気泡)を混入し、気泡が混入した液状流体を気泡と一緒に加速した場合、液状流体に混入した気体がキャビティを満たし、マイクロバブルとして液状流体中に分散する。
マイクロバブルを発生させる装置としては、特許文献1に記載のマイクロバブル発生装置や下記特許文献2に記載のマイクロバブル発生器が知られている。
特開2007−21343号公報 特開2012−176335号公報
以下の分析は、本願発明においてなされたものである。
特許文献1に記載のマイクロバブル発生装置は、長手方向の両端にそれぞれ一端開口2及び他端開口3を開放したケーシング4と、ケーシング4に気体を導入させる気液混合手段5と、ケーシング4に内装された整流筒体6と、整流筒体6の外側に固定された第1のプロペラ形翼列7と、整流筒体6の内側に固定された第2のプロペラ形翼列8とを備えるものであり(特許文献1の図面の図2参照)、気液混合流体を内外逆回りの旋回流として発生させ、マイクロバブルを発生させるものであると考えられる。
しかし、本発明者の知見によれば、前記マイクロバブル発生装置を用いた場合、発生させたマイクロバブルにおいて気泡の再結合が生じやすく、充分に安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブル(特に、より小さい径のマイクロバブル)を得ることは困難である、と考えられる。
特許文献2に記載のマイクロバブル発生器は、一端側に設けた液体Lの流入開口10aと他端側に設けた液体の流出開口10bとを主通路10で連通させたケース体2と、主通路10の中間に設けた絞り部3と、絞り部に形成された気体混合手段4と、を含み、気体混合手段は、ケース体2を肉厚方向に貫通して主通路10に連通する気体導入孔6と、絞り部3に配置され気体導入孔6に連通するとともに主通路10に開放する環状スリット7と、気体導入孔6に連通するとともに環状スリット7に連通する環状空間8と、を備え、環状空間8からの気体であって、環状スリット7から主通路10の液体の流れ下流方向DWに斜めに向けて気体Gを導入させる斜め導入手段5を設けたものであり(特許文献2の図面参照)、気体導入孔6に連通する管状スリット7から主流路の液体の流れ下流方向に斜めに向けて気体を導入し、円滑な流れで気体を液体の通路内に導入して、マイクロバブルを発生させるもの(特許文献2の図面参照)である、と考えられる。
しかし、本発明者の知見によれば、発生させたマイクロバブルにおいて気泡の再結合が生じやすく、充分に安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブル(特に、より小さい径のマイクロバブル)を得ることは困難である、と考えられる。
なお、液状体として、純水や水道水のように不純物の少ない水を用いる場合には、充分に安定した(特に、経時的に安定した)より小さい径のマイクロバブルを得ることは困難である。即ち、従来のマイクロバブル等の微細気泡の発生器は、微細な気泡を作るために装置機構を種々工夫して行われていたが、純水や水道水のように不純物の少ない水は、表面張力が強いため、水中で気体を強力にせん断しても、あるいは、フィルタなどの微細な孔を介して水中に気体を送り込んでも、風船が膨らむような状態を経て気泡になるため、マイクロバブルといわれる微細気泡にはなり難い。
上記のようなマイクロバブルの気泡の径の限界を超えるために種々検討がなされ、例えば、従来の気泡発生器を大型にし、液状流体の流量の増加や流速を高め、吸引気体量を増大させることも考えられたが、その分、気体が液状流体で分散し難くなり、キャビテーションが起きても気体の全部がマイクロバブルを形成することは困難であった。
また、液状流体と混合する気体の混合機構を複雑にしても、特段の効果は認められない。この理由の一つは、流動中の水中では一度できた微細気泡がすぐに合体し、大きな気泡に変化することが避けられないことにあり、これを解決しなければ微細な気泡を安定的に維持することはできない。
そこで、本願発明の目的は、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルを得ることができるマイクロバブル形成方法を提供することである。また、本願発明の他の目的は、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルを得ることができるマイクロバブル形成装置を提供することである。
本発明によれば、第1の視点において、液状体流により負圧を生ずる領域において、気体導入と共に気泡安定剤を導入する工程を含むマイクロバブル形成方法により、上記目的を達成することができる。本発明のマイクロバブル形成方法では、次のようにすることができる。
前記液状体流により負圧を生ずる領域は、(1)液状体が流れるベンチュリー管(オリフィス菅も含む、以下同様)システムの負圧形成領域、(2)吸引により管状部に負圧を生ずる領域、(3)せん断力を液状体流に加えるせん断領域ないし前記せん断領域よりも上流側(液状体流の流れの上流側)近傍の領域のうちのいずれかにすることができる。前記せん断領域は、撹拌ないし旋回により発生させたせん断力を前記液状体流に加えるせん断領域にすることができる。液状体流に対して気体を導入する気体導入領域ないし前記気体導入領域よりも下流側の領域に、気泡安定剤を導入することができる。前記気泡安定剤として、界面活性物質及び/又は気泡保持物質(界面活性物質及び気泡保持物質の双方又はいずれか一方)を含有する液体を用いることができる。気体の導入量及び気泡安定剤の導入量のいずれか一方又は双方を調節しつつ、気体導入と共に気泡安定剤を導入することができる。
本発明によれば、第2の視点において、液状体流により負圧を生ずる領域に、気体導入部及び気泡安定剤導入部を備えるマイクロバブル形成装置により、上記目的を達成することができる。本発明のマイクロバブル形成装置では、次のようにすることができる。
前記気体導入部は、気泡安定剤導入部を兼ねることができる。前記液状体流により負圧を生ずる領域は、(1)液状体が流れるベンチュリー管システムの負圧形成領域、(2)吸引により管状部に負圧を生ずる領域、(3)せん断力を液状体流に加えるせん断領域ないし前記せん断領域よりも上流側(液状体流の流れの上流側)近傍の領域のうちのいずれかにすることができる。前記せん断領域は、撹拌ないし旋回により発生させたせん断力を前記液状体流に加えるせん断領域にすることができる。前記気泡安定剤導入部は、前記気体導入部による気体導入領域ないし前記気体導入領域よりも下流側の領域に気泡安定剤を導入する気泡安定剤導入部にすることができる。前記気泡安定剤導入部は、界面活性物質及び/又は気泡保持物質(界面活性物質及び気泡保持物質の双方又はいずれか一方)を含有する液体を導入する気泡安定剤導入部にすることができる。前記気体導入部による気体の導入量を調節する気体導入量調節部、及び前記気泡安定剤導入部による気泡安定剤の導入量を調節する気泡安定剤導入量調節部のいずれか一方又は双方を備えることができる。
本発明のマイクロバブル形成方法は、上記構成を有するものであり、複数の気泡の合一が阻害ないし遅延され、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルを得ることができる。
本発明のマイクロバブル形成装置は、上記構成を有するものであり、複数の気泡の合一が阻害ないし遅延され、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルを得ることができる。本発明の効果のより詳細な説明は、後述する。
本発明の一実施例の概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の概略断面図(概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の長手方向の概略断面図)である。 図1の径縮小部4と開放首位部5a及びこれらの近傍の部分拡大図であって、気体導入管6と気泡安定剤導入管7に流量調整部9、10を設けた図である。 図3は、本発明の一実施例である実施例1−4の概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置の概略断面図(概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の径方向の概略断面図であって図1のIII−III矢視に相当する断面を示すもの)である。 図4は、本発明の一実施例の概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置41の概略断面図(概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置41の長手方向の概略断面図)である。 図5は、本発明の一実施例のマイクロバブル形成装置のブロック図である。 図6は、本発明の実験試験例の概念を説明するためのブロック図である。 図7は、本発明の一実施例のマイクロバブル形成装置のブロック図である。
[発明の効果のより詳細な説明]
気泡安定剤を導入しない従来のマイクロバブル発生装置ないし発生方法により発生させたマイクロバブルは、マイクロバブルを形成した瞬間からマイクロバブルにおける複数の気泡の合一が開始するので、マイクロバブルにおける気泡は時間が経過するにつれて次第に大きくなる傾向がある。また、マイクロバブルにおける気泡は、一般的には、マイクロバブルを形成した瞬間から重力方向とは逆の方向に上昇し、気泡の上昇速度は、マイクロバブルにおける気泡の径が大きくなるにつれて次第に大きくなる。そして、通常の場合は、気泡は、大気との界面に到達して消滅することになる。したがって、一般的には、マイクロバブルにおける気泡径が小さいものほど、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルであると考えられる。
気泡の上昇速度は、工学的に応用する上で非常に重要な要素であり、ストークスの法則に準じていることが知られている。そこで、社団法人日本下水道協会の下水道試験法(上巻)の透視度測定法の変法にて測定するものとする。即ち、長さ50cmの管であって、管底に二重十字を置いた有底管である透視度計の前記管底の栓を閉じた後に、上部開口(有底管の管底とは反対側の開口端の開口)に試験液を注ぎ、透視度計の管底を上部開口から覗き、管底の二重十字が確認できた時点の経過時間を透視可時間として測定する。したがって、試験対象の試験液の透視可時間が長いほど径の小さい安定した(特に、経時的に安定した)気泡を含有する液状体であることを示している。
気泡安定剤を導入する本発明のマイクロバブル形成方法や、気泡安定剤導入部を備える本発明のマイクロバブル形成装置によれば、気泡安定剤の導入により、マイクロバブルにおける複数の気泡の合一が阻害ないし遅延されるので、マイクロバブルにおける気泡はより小さい径のままで維持される。そのため、気泡の上昇速度も小さいままで維持されるので、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルを得ることができるのである。
本発明のマイクロバブル形成方法、及び、本発明のマイクロバブル形成装置によれば、上述のように、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルを得ることができるので、様々な用途において極めて顕著な効果を奏することが可能であると考えられる。具体例を挙げて説明すれば、次のとおりである。
例えば、好気性微生物を培養する場合、水中に酸素を供給し続ける必要があり、大きな泡では瞬時に水中を上昇し抜けてしまうので、より細かい微細気泡化が求められている。水中の溶存酸素の濃度を測定すると、微生物が生育するのに必要な酸素を効率よく供給する方法は、微生物が溶存酸素を消費する場で、水中にある微細な空気が即座に水に溶けて、必要な溶存酸素の濃度を保つことである。本発明のマイクロバブル形成方法、あるいは、本発明のマイクロバブル形成装置によれば、安定した(特に、経時的に安定した)マイクロバブルを得ることができるのであるから、空気を効率よく使用することが可能になるので、損出空気量を少なくすることができる。したがって、コンプレッサーの使用電気量も削減され、経済的である。
また、例えば、浴場の湯中の炭酸ガスが人の血行をよくすることが証明されているが、浴槽も深さ40〜70cmほどの深さであり、気泡径のより大きいマイクロバブルは数分で抜けてしまい、充分な炭酸ガスを含ませておくには大量に供給し続けなくてはならない。そうすると、消費される炭酸ガス量は、浴液中に留まる時間のより長いより小径の微細気泡のマイクロバブルにして使用する方が少なくて済み、経済的に使用することができる。したがって、本発明のマイクロバブル形成方法、あるいは、本発明のマイクロバブル形成装置は、上記用途に対しても好適に使用することができるのである。
[液状体流により負圧を生ずる領域]
液状体流により負圧を生ずる領域は、好ましくは、(1)液状体が流れるベンチュリー管システムの負圧形成領域、(2)吸引により管状部に負圧を生ずる領域、(3)せん断力を液状体流に加えるせん断領域ないし前記せん断領域よりも上流側近傍の領域であるが、これら以外にも存在する。例えば、液状体が旋回流として流れる領域である。具体的には、特開2005−169286号公報に記載の気泡発生装置における「気液混合体の旋回流を形成する容器」の内部の領域、特開2006−142300号公報に記載の旋回式微細気泡発生装置における「円筒状のケーシング内部に形成された気液の旋回可能な空間である気液旋回室」の領域を挙げることができる。
[液状体]
液状体は、本発明を実施する際(本発明の装置の場合は、使用する際であり、以下、同様である。)の環境(具体的には、液状体が受ける温度、圧力等の環境条件)において流動性を有するもの(流動性を有する液状体であるもの)を用いることができる。例えば、室温(20〜25℃)において本発明を実施する場合は、室温(20〜25℃)において流動性を有するものを用いることができる。また、0℃以下において本発明を実施する場合は、0℃以下において流動性を有するものを用いることができる。
また、液状体は、(1)液体(使用する際の環境(温度等の環境条件)において液体であるもの)のみを含有するものだけではなく、(2)液体(使用する際の環境(温度等の環境条件)において液体であるもの)と前記液体に溶解しない不溶物を含有するもの(より詳細には、液状体が流動性を失わない範囲の量で、液状体が流動性を失わない範囲の寸法の前記不溶物を含有するもの)も含まれる。また、差し支えがない場合であれば、液状体には、気体が溶解していても構わない。液状体には、例えば、水(水道水、純水、超純水等)、飲用物、油、有機溶剤、湖沼水、海水、排水処理水、洗濯水、浴場水、飲食物、血液、固体粒子(例えば、金属粒子あるいは無機粒子)を含有する液体等がある。
[マイクロバブルを形成するための気体]
マイクロバブルを形成するための気体は、本発明を実施する際の環境(具体的には、マイクロバブルを形成するための気体が受ける温度、圧力等の環境条件)において気体であるものを用いることができる。例えば、室温(20〜25℃)において本発明を実施する場合は、室温(20〜25℃)において気体であるものを用いることができる。
また、マイクロバブルを形成するための気体は、マイクロバブルの用途・使用目的等に応じて、適宜、気体を選択することができる。例えば、マイクロバブルを形成しようとする液状体に殺菌力を保持させるには、オゾンガスないしオゾン含有ガスを使用する。また、マイクロバブルを形成しようとする液状体に対してなるべく化学的な影響を与えないようにしたい場合には、窒素ガス等の不活性ガスを使用する。また、マイクロバブルを形成しようとする液状体の溶存酸素の濃度を高めたい場合には、空気や酸素を使用する。
[気泡安定剤]
気泡安定剤は、マイクロバブルにおける複数の気泡の合一を阻害ないし遅延させる作用を有するものであり、前記作用を発揮できる環境(例えば、気泡安定剤が受ける温度等の環境条件)で使用することができる。気泡安定剤は、好ましくは、使用する際の温度(例えば、室温(20〜25℃))において流動性を有する形態のものを用いる。気泡安定剤が、使用する際の温度において流動性を有するものである場合には、そのまま使用することができる。また、気泡安定剤は、その作用・効果が得られる範囲の濃度ないし分散度に希釈して使用することができる。例えば、使用する際の温度において液体の溶媒ないし分散媒に気泡安定剤を溶解ないし分散させた、気泡安定剤の溶液ないし分散液にして使用することができる。
気泡安定剤としては界面活性物質や気泡保持物質があり、これらの中の1種又は2種以上を用いることができる。界面活性物質や気泡保持物質としては、例えば、界面活性剤、無機塩類、タンパク質、糖質、油脂などがあり、目的により適宜選択できる。洗浄技術用語辞典では、界面活性剤とは液体に物質を溶解していくと、液体の表面張力を減少させる物質をいうが、本願発明ではこれらのものを「界面活性物質」とし、「界面活性剤」とはこれらの物質の中で特に乳化や分散力が強く、洗浄剤、乳化剤、柔軟剤等に利用されているものとする。気泡保持物質とは、イオンの働きや高分子の網構造等により気泡を保持するものである。
少量で気泡安定剤の作用を発揮させるには界面活性剤が好適である。より好適な界面活性剤は、使用する液状体の種類あるいは性質に関係するので、液状体の種類あるいは性質に応じて適宜選択して用いることができる。液状体が親水性である場合(例えば、水性溶媒をベースとした溶液、水溶液)は、好ましくは、HLB7以上の界面活性剤から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を用いる。また、液状体が疎水性である場合は、好ましくは、HLB7以下の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種又は2種以上を用いる。
非イオン界面活性剤としては、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等を使用することができる。アニオン界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩があげられ、アルキルベンゼンスルホン酸塩などが使用できる。また、ポリオール型界面活性剤を使用することができ、好ましくは、炭素数8〜14の脂肪酸で構成される種々のショ糖脂肪酸エステルが使用できる。界面活性剤の添加率(液状体1リットル(L)に対する界面活性剤の重量)は、好ましくは、1000mg/L〜0.001mg/Lである。
無機塩としては、気泡安定作用を有するものを用いることができ、例えば、珪酸カルシウム、硫酸ナトリウム、ポリ燐酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が使用できる。タンパク質としては、好ましくは、可溶性又は分散性のタンパク質であり、例えば、乳、豆乳、膠質(ゼラチン、コラーゲン等)等のタンパク質やその分解物が利用できる。糖質としては、グルコースなどの単糖からデンプン、ペクチン、カラギーナン等の多糖類まで使用が可能である。油脂類においては、好ましくは、モノ、ジグリセライドやレシチン等のリン脂質を使用することができる。また、菌類の分解物や抽出物も使用できる。尚、これらの2種以上の混合物も使用できる。
[気体導入部及び気泡安定剤導入部]
本発明のマイクロバブル形成装置は、液状体流により負圧を生ずる領域に、気体導入部及び気泡安定剤導入部を備える。気体導入部は、気体導入口として構成することができ、気体導入口には、端部の開口が気体導入口に接続する気体導入管を設けることができる。気泡安定剤導入部は、気泡安定剤導入口として構成することができ、気泡安定剤導入口には、端部の開口が気泡安定剤導入口に接続する気泡安定剤導入管を設けることができる。気体導入口及び気泡安定剤導入口のそれぞれの開口の形状(気体又は気泡安定剤が流れる方向に対して垂直方向の断面の形状)は、任意の形状にすることができ、例えば、円形、楕円形、長方形、正方形、スリット状、多角形状等にすることができる。
本発明の実施例を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。図1は、本発明の一実施例の概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の概略断面図(概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の長手方向の概略断面図)である(但し、ハッチングは省略する。)。
[実施例1−1]
実施例1−1のマイクロバブル形成装置1は、マイクロバブル形成装置1の長手方向に延在する内部空間を有する概略円筒管形状のものであり、主管部3と、径縮小部4と、開放部5を有している。液状体は、液状体流として、主管部3の開口端である流入開口8aから連続的に導入することができる。なお、マイクロバブル形成装置1で得られたマイクロバブルを含有する液状体は、流出開口8bから連続的に流出させることができる。
〈主管部3、径縮小部4及び開放部5〉
主管部3は、前記長手方向において内径が一定の管状部であり、前記長手方向と平行な方向に中心軸(回転の中心軸)を有する円柱形状の内部空間を有する。径縮小部4は、前記長手方向において内径が次第に縮小する(液状体が流れる下流側の方向に向かって内径が次第に縮小する)管状部であり、液状体が流出する下流側の開口端は、内径が最小の最大絞り部4aとして構成されている。また、径縮小部4は、前記長手方向と平行な方向に中心軸(回転の中心軸)を有する円錐台形状の内部空間を有する。開放部5は、前記長手方向において内径が次第に拡大する(液状体が流れる下流側の方向に向かって内径が次第に拡大する)管状部であり、前記長手方向と平行な方向に中心軸(回転の中心軸)を有する円錐台形状の内部空間を有する。開放部5は、より詳細には、一例として、液状体の流れの上流側から順に、開放首位部5a、開放中部5b、開放後部5cに分けることができる。図1においては、開放首位部5a、開放中部5b、開放後部5cの各長さ(マイクロバブル形成装置1の長手方向における長さ)は、ほぼ等しい。
〈気体導入管6及び気泡安定剤導入管7〉
気体導入管6と気泡安定剤導入管7は、内径及び外径が均一な管(径方向の内径の断面形状は、概略円形)でよいが、特に限定されない。気体導入管6と気泡安定剤導入管7は、それぞれの管の端部が、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域の内周壁面に開口するように設けている。前記内周壁面に開口する開口の形状及び寸法は、前記それぞれの管の開口端の開口の形状(概略円形)及び寸法と同じに設定しているが、特に限定されない。開口の数についても特に限定されない。
なお、図1では、気泡安定剤の導入管と気体の導入管については、開放首位部5aの図面上の位置として上下から各1本の導入管を設けているが、開放首位部5aの外周面の周方向に任意の角度位置ないしピッチで、好ましくは均等ピッチで、各2本以上の導入管を配設することができる。
〈マイクロバブルを得るまでの過程の説明〉
マイクロバブル形成装置1によってマイクロバブルを得るまでの過程を説明すると次のとおりである。
液状体の供給源に連通しポンプによって液状体を供給する液状体供給管(図示せず)を、主管部3の開口端である流入開口8aに接続して、液状体流を流入開口8aから主管部3に連続的に供給する。主管部3に流入した液状体流は、径縮小部4と開放部5を通過して、開放後部5cの開口端5d(主管部3の内径の寸法と同じ寸法を有する)から流出する。マイクロバブル形成装置1は、ベンチュリー管と同様のベンチュリー管構造の部分(径縮小部4と開放部5)を有するものであり、径縮小部4と開放部5の各々の内部空間部は、液状体流の通過によって負圧を形成する領域である。
液状体流は、径縮小部4を通過する際に次第に加速、加圧され、最大絞り部4aにおいて最も高速、高圧になると考えられる。したがって、特に、開放首位部5aは、最大絞り部4aを通過した直後の、圧力が開放され加速された液状体流が最初に流入する領域であり、最も大きい負圧が形成される領域であると考えられる。
一方の管端が気体供給源(図示せず)と連通する気体導入管6は、もう一方の管端が開放首位部5aの内部空間に連通するように設けている。また、一方の管端が気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)の供給源(図示せず)と連通する気泡安定剤導入管7は、もう一方の管端が開放首位部5aの内部空間に連通するように設けている。そのため、気体(マイクロバブルを形成するための気体)は、気体導入管6によって気体流として連続的に開放首位部5aの内部空間に供給される。また、気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)は、気泡安定剤導入管7によって気泡安定剤液体流(液体の気泡安定剤を含有する液体流)として連続的に開放首位部5aの内部空間に供給される。
開放首位部5aの内部空間に流入した気体流と、気泡安定剤液体流は、開放首位部5aの内部空間部で、最大絞り部4aを通過した液状体流と合流して、前記三者の合流体流(気体流と、液体の気泡安定剤を含有する液体流と、液状体流との合流体流)となる。開放首位部5aの前記三者の合流体流は、開放首位部5a、開放中部5b、開放後部5cを経る間にせん断作用を受け、前記合流体流の中にマイクロバブルが形成され、開放後部5cの開口端5d(流出開口8b)から、安定なマイクロバブルを含有する液状体として流出する。この場合は、開放後部5cの開口端5dが流出開口8bとなるが、必要に応じて、開放後部5cの開口端5dに連通するように延長管(例えば、内径が、開口端5dの内径と同じか、大であり、且つ、長手方向に均一な管)を設けることができ、この場合は、延長管(図示せず)の開口端(安定なマイクロバブルを含有する液状体が流出する側の開口端)が流出開口8bとなる。
[実施例1−2]
〈スリット状の開口を有する気体導入管及び気泡安定剤導入管〉
実施例1−2のマイクロバブル形成装置は、気体導入管6及び気泡安定剤導入管7の前記内周壁面(開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域の内周壁面)に開口する開口の形状を、それぞれスリット状に変更する以外は、上記実施例1−1のマイクロバブル形成装置と同様のマイクロバブル形成装置である。即ち、上記実施例1−1のマイクロバブル形成装置の気体導入管6及び気泡安定剤導入管7の前記内周壁面に開口する開口(即ち、気体導入口及び気泡安定剤導入口)の形状は、それぞれ概略円形であるが、本実施例1−2では、スリット状(概略円筒形のマイクロバブル形成装置1の周方向に延在するスリット状)に変更している。
また、上記実施例1−1のマイクロバブル形成装置の気体導入管6及び気泡安定剤導入管7の形状は、内径及び外径が均一な管(但し、径方向の内径の断面形状は、概略円形)でよいが、本実施例1−2では、内径及び外径が均一な管(但し、径方向の内径の断面形状は、実施例1−2における前記内周壁面に開口する開口の形状と同様のスリット状)にすることができる。
本実施例1−2において、前記内周壁面(開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域の内周壁面)に開口する気体導入管及び気泡安定剤導入管の開口(即ち、気体導入口及び気泡安定剤導入口)の形状は、それぞれスリット形状であり、例えば図4(図4は、他の実施例についての図ではあるが、図4の気体導入口46及び気泡安定剤導入口47の説明参照)に一例を示す。これら各スリットの幅、間隔(マイクロバブル形成装置1の周方向における各スリットの長さ、及び、前記周方向に複数のスリットを設ける場合のスリット間の間隔)は、任意に設定することができ、また、マイクロバブル形成装置1の長手方向における各スリットの寸法(ないし空隙幅)も、必要に応じ夫々設定することができる。
[実施例1−3]
〈流量調整部を有する気体導入管及び気泡安定剤導入管〉
実施例1−3のマイクロバブル形成装置は、図2に示すように、気体導入管6に流量調整部9を設け、気泡安定剤導入管7に流量調整部10を設けること以外は上記実施例1−1のマイクロバブル形成装置と同様のマイクロバブル形成装置である。図2は、図1の径縮小部4と開放首位部5a及びこれらの近傍の部分拡大図であって、気体導入管6と気泡安定剤導入管7に流量調整部9、10を設けた図である。
即ち、図2に示すように、気体導入管6には、気体導入管6を流れる気体の流量を調整する気体導入管の流量調整部9を設け、気泡安定剤導入管7には、気泡安定剤導入管7を流れる液体の気泡安定剤(あるいは、液体の気泡安定剤を含有させた液体)の流量を調整する気泡安定剤導入管の流量調整部10を設けている。気体導入管6に流量調整部9を設けたことにより、マイクロバブルの含有率を調整した液状体を得ることができる。また、気泡安定剤導入管7に流量調整部10を設けたことにより、必要量以上の余分な量の気泡安定剤の使用を防止することができ、コストを抑制することができる。また、マイクロバブルの安定性を使用目的に応じて調整したマイクロバブルを含有する液状体を得ることができる。
[実施例1−4]
〈複数の気体導入管及び気泡安定剤導入管を有するマイクロバブル形成装置〉
実施例1−4のマイクロバブル形成装置は、2本の気体導入管6a、6bと2本の気泡安定剤導入管7a、7bを設けること以外は、上記実施例1−1のマイクロバブル形成装置と同様のマイクロバブル形成装置である。即ち、実施例1−4のマイクロバブル形成装置は、図3に図示するように、2本の気体導入管6a、6bと2本の気泡安定剤導入管7a、7bを設けたものであり、図3は、図1のIII−III矢視に相当する断面を示すものである。より詳細には、次のとおりであるが、これに限定されず、任意の角度ないし位置に配置することができる。
気体導入管6aは、概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の長手方向(液状体が流れる方向)に対して垂直方向に気体が流れるように、管の端部が、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域に連通するように設けられている。また、気体導入管6bは、概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の長手方向(液状体が流れる方向)に対して垂直方向に気体が流れるように、管の端部が、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域に連通するように設けられている。気体導入管6a、6bは、管状であり、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域との連通口の開口の形状は、概略円形である。気体導入管6a、6bは、図3に図示するように、図3の断面において直線上に存在するように設けられているが、これに限定されず、任意の角度ないし位置に配置することができる。
気泡安定剤導入管7aは、概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の長手方向(液状体が流れる方向)に対して垂直方向に気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)が流れるように、管の端部が、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域に連通するように設けられている。また、気泡安定剤導入管7bは、概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置1の長手方向(液状体が流れる方向)に対して垂直方向に気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)が流れるように、管の端部が、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域に連通するように設けられている。気泡安定剤導入管7a、7bは、管状であり、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域との連通口の開口の形状は、概略円形である。気泡安定剤導入管7a、7bは、図3に図示するように、図3の断面において直線上に存在するように設けられている。さらに、気泡安定剤導入管7a、7bが存在する直線は、気体導入管6a、6bを結ぶ直線と直交するように設けられている。
[実施例2]
本発明の一実施例である実施例2のマイクロバブル形成装置を図面の図4に基づいて説明する。図4は、本発明の一実施例の概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置41の概略断面図(概略円筒管形状のマイクロバブル形成装置41の長手方向の概略断面図)である。
実施例2のマイクロバブル形成装置41は、マイクロバブル形成装置41の長手方向に延在する内部空間を有する概略円筒管形状のものであり、主管部43と、径縮小部44と、合流円筒管部49と、径均一管部45を有している。液状体は、液状体流として、主管部43の開口端である流入開口48aから連続的に導入することができる。なお、マイクロバブル形成装置41で得られたマイクロバブルを含有する液状体は、流出開口48bから連続的に流出させることができる。
〈主管部43、径縮小部44、合流円筒管部49及び径均一管部45〉
主管部43は、前記長手方向において内径が一定の管状部であり、前記長手方向と平行な方向に中心軸(回転の中心軸)を有する円柱形状の内部空間を有する。なお、実施例2のマイクロバブル形成装置における主管部43、径縮小部44、合流円筒管部49及び径均一管部45は、図4に図示するように接合しているものであるが、説明の便宜上、部分的に抜き出した形態で説明する場合(例えば、径均一管部45の開口端45a)がある。
径縮小部44は、前記長手方向において内径が次第に縮小する(液状体が流れる下流側の方向に向かって内径が次第に縮小する)管状のノズル形状部であり、液状体が流出する下流側の開口端は、内径が最小の最大絞り部44aとして構成している。また、径縮小部44の最大絞り部44aが存在する側の端部及びその近傍は、内径が略均一で外径がテーパー状(開口端に向かって外径が次第に縮小するテーパー状)の小径部として構成している。このように、径縮小部44は、前記長手方向と平行な方向に中心軸(回転の中心軸)を有する概略円錐台形状に近い内部空間(前記中心軸を通る断面における内周壁面の断面が、前記中心軸側に凸になるように構成された内部空間)を有する。
合流円筒管部(ないしリング状部)49は、前記長手方向において内径が一定の管状部であり、前記長手方向と平行な方向に中心軸(回転の中心軸)を有する円筒形状の内部空間を有する。合流円筒管部49の外壁面には、前記外壁面を貫通する気体導入口46及び前記外壁面を貫通する気泡安定剤導入口47が設けられている。合流円筒管部49の内径は、径縮小部44のテーパー状の小径部の外径よりも大きく、径縮小部44のテーパー状の小径部は、合流円筒管部49の内部空間の中に挿入されて設けられており、径縮小部44の最大絞り部44aは、合流円筒管部49の内部空間(この内部空間の径は、最大絞り部44aの外径よりも大きい)において開口している。
径均一管部45は、前記長手方向において内径が一定の管状部であり、前記長手方向と平行な方向に中心軸(回転の中心軸)を有する円柱形状の内部空間を有する。径均一管部45において、液状体が流入する側の開口端45aの内径と、液状体が流出する側の開口端45dの内径は、それぞれ、合流円筒管部49の内径よりも小さい。
合流円筒管部49は、液状体が流出する下流側の開口端の外周壁面にフランジ部50aを有する。径均一管部45は、液状体が流入する上流側の開口端の外周壁面にフランジ部50bを有する。合流円筒管部49と径均一管部45は、フランジ部50a及びフランジ部50bのそれぞれに設けられた孔部を介してこれらを接合する接合部材(図示せず)によって、接合されている。接合部材としては、例えば、着脱自在に接合することができるボルトとナットにすることができる。
径均一管部45の開口端45aの内径dは、径縮小部44の最大絞り部44aの内径dと同じかこれよりも大きく設定することができる。図4においては、開口端45aの内径dは、最大絞り部44aの内径dよりも大きく設定している。また、径縮小部44の開口端である最大絞り部44aと、径均一管部45の開口端45aの間には、スリット状開口49aが形成されている。最大絞り部44aと開口端45aとの間隔tは、スリット状開口49aの空隙幅であり、適宜設定することができる。
〈気体導入口46及び気泡安定剤導入口47〉
気体導入口46は、マイクロバブルを形成するための気体を合流円筒管部49に導入するための開口(貫通孔)である。また、気泡安定剤導入口47は、気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)を合流円筒管部49に導入するための開口(貫通孔)である。気体導入口46及び気泡安定剤導入口47は、それぞれ、径縮小部44の開口端である最大絞り部44aの位置よりも、液状体が流れる方向において上流側に設けられている。気体導入口46及び気泡安定剤導入口47のそれぞれの開口の形状及び寸法は、任意の形状及び寸法にすることができる。前記開口の形状は、例えば、円形、楕円形、スリット状にすることができる。
本実施例2の場合、気体導入口46及び気泡安定剤導入口47の形状は、それぞれ円形である。また、気体導入口46及び気泡安定剤導入口47は、液状体が流れる方向において合流円筒管部49の同じ位置に設けているが、気泡安定剤導入口47は、気体導入口46よりも下流側(又は上流側)に設けることができる。
気体導入口46は、気体供給源と連通する気体導入管(図示せず)と接続させることができる。また、気泡安定剤導入口47は、気泡安定剤供給源と連通する気泡安定剤導入管(図示せず)と接続させることができる。気体導入管及び気泡安定剤導入管としては、それぞれ、気体導入口46及び気泡安定剤導入口47に接続可能なもの(具体的には、開口の形状及び寸法が接続可能な形状及び寸法であるもの)を用いる。
なお、図4では、気泡安定剤の導入口と気体の導入口については、合流円筒管部49の図面上において上下から各1つの導入口を設けているが、合流円筒管部49の外周面の周方向に任意の角度位置ないしピッチで、好ましくは均等ピッチで、各2つ以上の導入口を配設することができる。
〈マイクロバブルを得るまでの過程の説明〉
マイクロバブル形成装置41によってマイクロバブルを得るまでの過程を説明すると次のとおりである。
液状体の供給源に連通しポンプによって液状体を供給する液状体供給管(図示せず)を、主管部43の開口端である流入開口48aに接続して、液状体流を流入開口48aから主管部43に連続的に供給する。主管部43に流入した液状体流は、径縮小部44と、合流円筒管部49と、径均一管部45を通過して、径均一管部45の開口端45d(主管部43の内径の寸法と同じ寸法を有する)から流出する。マイクロバブル形成装置41は、ベンチュリー管と同様のベンチュリー管構造の部分(径縮小部44と合流円筒管部49)を有するものであり、径縮小部44と合流円筒管部49と径均一管部45の各々の内部空間部は、液状体流の高速通過によって負圧を形成する領域である。
液状体流は、径縮小部44を通過する際に次第に加圧、加速され、最大絞り部44aにおいて最も高圧、高速になると考えられる。したがって、特に、合流円筒管部49のスリット状開口部49aに囲まれた円柱状部分は、最大絞り部44aを通過した直後の、圧力が開放され高速になった液状体流が最初に流入する領域であり、最も大きい負圧が形成される領域であると考えられる。
一方の管端が気体供給源と連通する気体導入管(図示せず)は、もう一方の管端が合流円筒管部49の気体導入口46に連通するように設けている。また、一方の管端が気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)の供給源と連通する気泡安定剤導入管(図示せず)は、もう一方の管端が合流円筒管部49の気泡安定剤導入口47に連通するように設けている。そのため、気体(マイクロバブルを形成するための気体)は、気体導入管によって気体流として連続的に合流円筒管部49の内部空間に導入される。また、気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)は、気泡安定剤導入管によって気泡安定剤液体流(液体の気泡安定剤を含有する液体流)として連続的に合流円筒管部49の内部空間に導入される。
合流円筒管部49の内部空間に流入した気体流と、気泡安定剤液体流は、合流円筒管部49の内部空間部で、最大絞り部44aを通過した液状体流と合流して、前記三者の合流体流(気体流と、液体の気泡安定剤を含有する液体流と、液状体流との合流体流)となる。合流円筒管部49の前記三者の合流体流は、合流円筒管部49及び径均一管部45を経る間にせん断作用を受け、前記合流体流の中にマイクロバブルが形成され、径均一管部45の開口端45d(流出開口48b)から、安定なマイクロバブルを含有する液状体として流出する。この場合は、径均一管部45の開口端45dが流出開口48bとなるが、必要に応じて、径均一管部45の開口端45dに連通するように延長管(例えば、内径が、開口端45dの内径と同じであり、且つ、長手方向に均一な管)を設けることができ、この場合は、延長管(図示せず)の開口端(安定なマイクロバブルを含有する液状体が流出する側の開口端)が流出開口48bとなる。
なお、前記気体導入管には、気体の流量を調整する流量調整部を設けることができ、前記気泡安定剤導入管には、気泡安定剤(液体の気泡安定剤を含有する液体)の流量を調整する流量調整部を設けることができる。前記気体導入管に前記流量調整部を設けたことにより、マイクロバブルの含有率を調整した液状体を得ることができる。また、前記気泡安定剤導入管に前記流量調整部を設けたことにより、必要量以上の余分な量の気泡安定剤の使用を防止することができ、コストを抑制することができる。また、マイクロバブルの安定性を使用目的に応じて調整したマイクロバブルを含有する液状体を得ることができる。
[実施例3]
本発明の一実施例のマイクロバブル形成装置を図面の図5に基づいて説明する。図5は、本発明の一実施例のマイクロバブル形成装置のブロック図である。なお、図5は、本発明の実施例及び後述の実験試験例の概念を説明するためのブロック図であり、図示された装置ないし部材の形状や寸法は、実際の装置ないし部材の形状や寸法と同一ではない。
実施例3のマイクロバブル形成装置は、内径が一定の主管路58と、主管路58の途中に設けたせん断機構部55と、内径が一定の気体導入管56と内径が一定の気泡安定剤導入管57を有する。液状体は、液状体流として、主管路58の開口端である流入開口58aから連続的に導入することができる。なお、図5に図示された実施例3のマイクロバブル形成装置で得られたマイクロバブルを含有する液状体は、流出開口58bから連続的に流出させることができる。
せん断機構部55は、モータMの回転軸と連結する回転羽根の回転によって、旋回力により内部空間に流入した液状体流と気体流を撹拌してせん断力を与えてマイクロバブルを形成すると共に矢印59a、b方向の流れを生ぜしめることができるものであり、せん断機構部55の内部と、せん断機構部55の上流側(液状体流の流れの方向における上流側)に存在する主管路58の上流側部分の管内の内部空間は、液状体流により負圧を生じる領域である。気体導入管56と気泡安定剤導入管57は、せん断機構部55の上流側(液状体流の流れの方向における上流側)に存在する主管路58の上流側部分の管内の内部空間に連通するように設けられている。なお、気体の導入口及び気泡安定剤の導入口の形態等については、他の実施例と同様に種々の変形例が可能である。
[実施例4]
用いる液状体、気体及び「気泡安定剤を含有する液体」の各流量を精密に制御して、目的とする「マイクロバブルを含有する液状体」を得ることができる本発明の一実施例のマイクロバブル形成装置を図面の図7に基づいて説明する。図7は、本発明の一実施例のマイクロバブル形成装置のブロック図である。なお、図7は、本発明の実施例の概念を説明するためのブロック図であり、図示された装置ないし部材の形状や寸法は、実際の装置ないし部材の形状や寸法と同一ではない。また、図7における矢印75aは、液状体が流れる方向を示し、矢印75bは、得られたマイクロバブルを含有する液状体の流出する方向を示す。本実施例4では、マイクロバブル形成装置の気体導入部が気泡安定剤導入部を兼ねている。
〈マイクロバブル形成装置71〉
実施例4のマイクロバブル形成装置71は、流入開口78aに液状体供給管72を接続しており、液状体を液状体流として連続的に導入することができる。液状体供給管72は、液状体の供給源(図示せず)に連通しポンプ(液状体供給管72と接続した形態では図示せず)によって液状体を供給するものであり、液状体供給管72の管内を流れる液状体の流量を精密に調整する流量調整部72aを有する。マイクロバブル形成装置71で得られたマイクロバブルを含有する液状体は、流出開口78bから連続的に流出させることができる。マイクロバブル形成装置71としては、例えば、気泡安定剤導入管7を設けない以外は実施例1−1のマイクロバブル形成装置1と同様のマイクロバブル形成装置、あるいは、気泡安定剤導入口47を設けない以外は実施例2のマイクロバブル形成装置41と同様のマイクロバブル形成装置を用いることができる。
〈気体導入管76及び気泡安定剤導入管77〉
気体導入管76は、一方の開口端が気体供給源S1に連通し、もう一方の開口端がマイクロバブル形成装置71の気体導入部である気体導入口に連通する。前記気体導入口は、マイクロバブル形成装置71の液状体流により負圧を生ずる領域に連通する。気体導入管76は、気体供給源S1の気体を気体流として気体導入口から前記負圧を生ずる領域に導入する。気体導入管76には、気体導入管76の管内を流れる気体の流量を精密に調整する流量調整部76aを設けている。
気泡安定剤導入管77は、一方の開口端が「気泡安定剤を含有する液体」の供給源S2に連通し、もう一方の開口端が気体導入管76に接続する。気泡安定剤導入管77には、気泡安定剤導入管77の管内を流れる「気泡安定剤を含有する液体」の流量を精密に調整する流量調整部77aを設けている。気泡安定剤導入管77が気体導入管76に接続する位置は、流量調整部76aが存在する位置よりも下流側である。気泡安定剤導入管77から気体導入管76に導入された「気泡安定剤を含有する液体」は、気体導入管76を流れる気体流と共に気体導入口から前記負圧を生ずる領域に導入される。
〈流量制御部73〉
液状体供給管72の液状体の流量は、流量調整部72aによって調整されているが、得ようとする「マイクロバブルを含有する液状体」の量を変更(増加又は減少)したい場合は、液状体の流量の変化量に対応するように、気体及び「気泡安定剤を含有する液体」の各流量も調整する必要がある。そのようにしないと気体及び気泡安定剤を過剰に使用することとなったり、あるいは、気体及び気泡安定剤が少なすぎて得ようとする目的の「マイクロバブルを含有する液状体」を得ることができない場合(気泡の安定性や気泡の量が不十分な場合)が生じる。そこで、本実施例では、流量制御部73を設けている。
流量制御部73は、液状体の流量を精密に調整する流量調整部72aと、気体の流量を精密に調整する流量調整部76aと、「気泡安定剤を含有する液体」の流量を精密に調整する流量調整部77aと流量等のデータ信号を送受可能な通信回線Tで電気的に接続されている。流量制御部73は、通信回線Tを介して流量調整部72aによる液状体の設定流量値を所望の値に設定ないし変更することができる機能を有する。また、流量制御部73は、通信回線Tを介して流量調整部76aによる気体の設定流量値を所望の値に設定ないし変更することができる機能を有する。また、流量制御部73は、通信回線Tを介して流量調整部77aの「気泡安定剤を含有する液体」の設定流量値を所望の値に設定ないし変更することができる機能を有する。流量調整部72a、76a及び77aは、液状体、気体及び「気泡安定剤を含有する液体」が、それぞれの設定流量値で流れるように流量を調整する機能を有する。なお、流量調整部72aに代わり、或いは加えて、ポンプPの駆動制御を行うこともできる。なお、必要な電源は、図示外の電源(ないし電源装置)から電源供給線を介して供給することができる。通信回線は、必要に応じ、有線、無線又はこれらの組み合わせとすることができる。さらに、図7に示す制御系は、他の実施例にも適宜の修正をもって組み合わせて使用することができる。
液状体供給管72の液状体の流量を変更(増加又は減少)する場合は、流量制御部73によって液状体の流量を変更(増加又は減少)する旨の設定をする。これによって、液状体供給管72の液状体の流量を変更することができる。さらに、流量制御部73は、得ようとする目的の「マイクロバブルを含有する液状体」における気泡含有率及び気泡安定剤の濃度が変化しないように、液状体供給管72の液状体の流量の変化量(増減量)に応じて、流量調整部76aによる気体の設定流量値と、流量調整部77aによる「気泡安定剤を含有する液体」の設定流量値を変更する。以上のとおりなので、本実施例のマイクロバブル形成装置によれば、用いる液状体、気体及び「気泡安定剤を含有する液体」の各流量を精密に制御して、目的とする「マイクロバブルを含有する液状体」を得ることができるのである。なお、S1,S2に加え、Snとすれば、(n−1)種の異なった気体、気泡安定剤の導入を選択的にシステマティックに行うことができる。
[実施試験例]
以下、本発明の実施試験例を図面の図1〜2及び図5〜6を参照して説明する。実施試験例は、具体例を挙げて説明するが、本発明は、それぞれの値や製品名に限定されたものではない。なお、図6は、本発明の実験試験例の概念を説明するためのブロック図であり、図示された装置ないし部材の形状や寸法は、実際の装置ないし部材の形状や寸法と同一ではない。また、図6における矢印65a及び65bは、それぞれ水道水が流れる方向を示し、矢印65cは、得られた微細気泡液の流出する方向を示す。
[実施試験例1]
マイクロバブル形成装置1の主管部3の流入開口8a前には、吐出量20L/分の水中ポンプ(新明和工業(株))62に接続するホース63を取り付けている。ここで、「吐出量20L/分」における「L」は、本来、小文字の「l」を用いるべきであるが、数字の直後に記載する場合には、数字の「1」等と紛らわしいので数字の直後では大文字の「L」を使用している。以下、吐出量、流量、容積に関する大文字「L」について同様である。前記水中ポンプは、水道水を満たした容積500Lの水槽64に沈められており、0.1MPsで稼動させているので、水槽の水道水は、流入開口8aから主管部3に流入し、径縮小部4、開放首位部5a、開放中部5b、開放後部5cを順次経て、流出開口8bから流出する。ここで、径縮小部4、開放首位部5a、開放中部5b及び開放後部5cは、水道水の流れによって負圧を生じる領域になっている。
一方、気体導入管6と気泡安定剤導入管7は、開放首位部5aの内径が最も小さい最小内径側の領域に連通するように設けている。気体導入管6から、5L/分の流量の空気を吸引させた。また、種々の割合で希釈した界面活性剤(ユニオックスST−40E;日油株式会社)を含有させた液体(水道水)を、流量20L/分の使用水に対し流量450ml/分で気泡安定剤導入管7から1分間吸引させた。
なお、前記界面活性剤を含有させた液体における前記界面活性剤の濃度は、最終的に得られる前記三者(水道水と空気と界面活性剤)の混合液である微細気泡液(厳密には、微細気泡液の液体部分)における前記界面活性剤の濃度(v/v)が、それぞれ15ppm、1.5ppm、0.15ppmになるように設定した。使用した界面活性剤ユニオックスST−40Eは、日油株式会社の「油化製品総合カタログ、2013年7月作成(改訂10版)」によると、ポリオキシエチレン−テトラオレイン酸(HLB12.5)であり、ソルビットエステル・エチレンオキサイド付加型の非イオン界面活性剤である。このようにして液・気・気泡安定剤混合液(即ち、液体と気体と気泡安定剤との混合液)である微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。
流出開口8bから流出した微細気泡液を試験液とし、この試験液を社団法人日本下水道協会の下水道試験法(上巻)の透視度測定法の前記した変法にて測定した。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。この試験の結果は、表1の試験番号(1−1)、(1−2)及び(1−3)の各欄に示した。これらの結果によれば、本来の水道水に対し、顕著に増大した透視可時間をもち、気泡直径の低下による気泡上昇速度の低下が見られた。また界面活性剤の濃度は透視可時間に対し、一定の影響を及ぼすことが認められ、溶存酸素濃度も高まった。
[実施試験例2]
気泡安定剤導入管7を設ける領域を変更する以外は、実施試験例1で用いたマイクロバブル形成装置と同様のマイクロバブル形成装置を用いて、液・気・気泡安定剤混合液を製造した。より詳細には、次のとおりである。
使用した実施試験例2−1のマイクロバブル形成装置は、開放首位部5aと開放中部5bとにまたがる領域に連通するように気泡安定剤導入管7を設ける以外は、実施試験例1で用いたマイクロバブル形成装置と同様のものを用いた。この場合を試験番号(2−1)とする。また、使用した実施試験例2−2のマイクロバブル形成装置は、開放中部5bと開放後部5cとにまたがる領域に連通するように気泡安定剤導入管7を設ける以外は、実施試験例1で用いたマイクロバブル形成装置と同様のものを用いた。この場合を試験番号(2−2)とする。
上記マイクロバブル形成装置に対して、実施試験例1の場合と同様の流量で、流入開口から主管部に水道水を流入させると共に、実施試験例1の場合と同様の流量で、気体導入管から空気を流入させた。
そして、前記界面活性剤を含有させた液体における前記界面活性剤の濃度は、最終的に得られる前記三者(水道水と空気と界面活性剤)の混合液である微細気泡液における前記界面活性剤の濃度が、15ppmになるように設定した。このようにして液・気・気泡安定剤混合液(即ち、液体と気体と気泡安定剤との混合液)である微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。
流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて測定した。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。この試験の結果は、表1の試験番号(2−1)及び(2−2)の各欄に示した。実施試験例2では、気泡安定剤導入管7を設ける領域が気泡導入管6の位置に比較し、開放首位部5aと開放中部5bとの間、開放中部5bと開放後部5cとの間のように下流であると実施試験例1に比較し可視化時間が順次短くなり、気泡安定剤導入管7を設ける領域は気泡導入管6の位置と同等であることが最適であった。
[実施試験例3]
図2に示すように気泡安定剤導入管の流量調整部10を備える気泡安定剤導入管7における界面活性剤を含有させた液体の流量を、実施試験例1の試験番号(1−1)の場合の流量の10分の1量(45ml/分)に変更する以外は、実施試験例1の試験番号(1−1)の場合と同様にして、微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。なお、この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7%であった。
流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて測定した。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。この試験の結果は、表1の試験番号(3)の欄に示した。実施試験例3では、実施試験例1の試験番号(1−2)とほぼ同等の結果が得られた。
[実施試験例4]
図5に図示された実施例3のマイクロバブル形成装置に相当するマイクロバブル形成装置(攪拌することで旋回流によるマイクロバブルを生じさせるタイプの装置)を、水道水を満たした容積60Lの水槽に沈めて、主管路58の開口端である流入開口58aから水道水を60L/分の流量で連続的に導入するように稼働させた。
使用したマイクロバブル形成装置は、内径が一定の主管路58と、主管路58の途中に設けたせん断機構部55と、内径が一定の気体導入管56と内径が一定の気泡安定剤導入管57を有する。気体導入管56は、気体供給源と連通している。気泡安定剤導入管57は、気泡安定剤供給源と連通している。
気体導入管56と気泡安定剤導入管57は、せん断機構部55の上流側(水道水流の流れの方向における上流側)に存在する主管路58の上流側部分の管内の内部空間に連通するように設けられている。主管路58の上流側部分の管内の内部空間は、水道水流により負圧を生じる領域であり、気体導入管56から6L/分の流量で空気を吸引させ、気泡安定剤導入管57から界面活性剤(ツイーン80;ICN Biomedicals, Inc.)を含有させた液体を450ml/分の流量で吸引させた。
なお、前記界面活性剤を含有させた液体の重量に占める前記界面活性剤「ツイーン80」の重量は、最終的に得られる前記三者(水道水と空気と界面活性剤「ツイーン80」)の混合液である微細気泡液(厳密には、微細気泡液の液体部分)の重量に占める前記界面活性剤「ツイーン80」の重量が、10ppmになるように設定した。また、使用した界面活性剤ツイーン80は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(別名:モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)を含有する非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)である。このようにして液・気・気泡安定剤混合液(即ち、液体と気体と気泡安定剤との混合液)である微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。
流出開口58bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて測定した。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。この試験の結果は、表1の試験番号(4)の欄に示した。図5に例示するように、せん断機構部の上流側への気泡安定剤の導入の場合でも、所望のマイクロバブルが得られることが判った。
[実施試験例5]
界面活性剤(ユニオックスST−40E;日油株式会社)を、普通ブイヨン培地(栄研化学株式会社)に変更して、前記普通ブイヨン培地を含有する液状体をポンプを用いて気泡安定剤導入管から供給すること以外は、実施試験例1で用いたマイクロバブル形成装置と同様のマイクロバブル形成装置を用いて、液・気・気泡安定剤混合液を製造した。
前記普通ブイヨン培地(栄研化学株式会社)は、培地粉末18g(肉エキス3g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g)に精製水を加えて1000mLにし、オートクレーブで滅菌後の液状体である。なお、前記普通ブイヨン培地を含有する液状体の重量に占める前記普通ブイヨン培地の重量は、最終的に得られる前記三者(水道水と空気と前記普通ブイヨン培地)の混合液である微細気泡液状体(厳密には、微細気泡液状体の液状体部分)の重量に占める前記普通ブイヨン培地の重量が、150ppmになるように設定した。
流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて採取し測定した。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。この試験の結果は、表1の試験番号(5)の欄に示した。気泡安定剤として前記普通ブイヨン培地を用いた場合でも、所望のマイクロバブルが得られることが判った。
[実施試験例6]
界面活性剤(ユニオックスST−40E;日油株式会社)を、ゼラチン(ニッピスーパーゼラチンSSB;株式会社ニッピ)に変更して、前記ゼラチンを含有する液状体をポンプを用いて気泡安定剤導入管から供給すること以外は、実施試験例1で用いたマイクロバブル形成装置と同様のマイクロバブル形成装置を用いて、液・気・気泡安定剤混合液を製造した。前記ゼラチンは、タンパク質87%、水分12%を含有するものである。
なお、前記ゼラチンを含有させた液状体の重量に占める前記ゼラチンの重量は、最終的に得られる前記三者(水道水と空気と前記ゼラチンの混合液状体である微細気泡液状体(厳密には、微細気泡液状体の液状体部分)に占める前記ゼラチンの重量が、150ppmになるように設定した。
流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて採取し測定した。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。この試験の結果は、表1の試験番号(6)の欄に示した。気泡安定剤として前記ゼラチンを用いた場合でも、所望のマイクロバブルが得られることが判った。
[比較試験例1]
気泡安定剤導入管における界面活性剤を含有させた液体の流量を0ml/分に変更する以外は、実施試験例1の場合と同様にして、微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて測定した。この試験の結果は、表2の試験番号(C−1)の欄に示した。
[比較試験例2]
気泡安定剤導入管における界面活性剤を含有させた液体の流量を0ml/分に変更する以外は、実施試験例4の場合と同様にして、微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。流出開口58bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて採取し測定した。この試験の結果は、表2の試験番号(C−2)の欄に示した。
[比較試験例3]
気泡安定剤導入管における界面活性剤を含有させた液体の流量を0ml/分に変更すると共に、所定の重量の界面活性剤(ユニオックスST−40E;日油株式会社)を水槽の水道水に予め添加する以外は、実施試験例1と同様にして、液・気・気泡安定剤混合液(即ち、液体と気体と気泡安定剤との混合液)である微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。
水槽の水道水に添加した前記界面活性剤の重量は、前記界面活性剤を添加した後の水槽の「前記界面活性剤を含有する水道水」における前記界面活性剤(ユニオックスST−40E;日油株式会社)の濃度が15ppmになる重量である。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例1の場合と同様の方法にて採取し測定した。この試験の結果は、表2の試験番号(C−3)の欄に示した。
[比較試験例4]
気泡安定剤導入管における気泡安定剤を含有させた液体の流量を0ml/分に変更し、10ppmの濃度(即ち、界面活性剤ツイーン80を含有する水槽の水道水における界面活性剤の濃度が10ppm)になるように界面活性剤を水槽の水道水に予め添加し、空気の吸引流量を10L/分にする以外は、実施試験例4の場合と同様にして、微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。流出開口58bから流出した微細気泡液を、実施試験例4の場合と同様の方法にて採取し測定した。この試験の結果は、表2の試験番号(C−4)の欄に示した。
[比較試験例5]
気泡安定剤導入管における気泡安定剤を含有させた液体の流量を0ml/分に変更し、150ppmの濃度(厳密には、「普通ブイヨン培地」を含有する水槽の水道水の重量に占める「普通ブイヨン培地」の重量の割合)になるように「普通ブイヨン培地」を水槽の水道水に予め添加する以外は、実施試験例5の場合と同様にして、微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例の場合と同様の方法にて採取し測定した。この試験の結果は、表2の試験番号(C−5)の欄に示した。
[比較試験例6]
気泡安定剤導入管における気泡安定剤を含有させた液体の流量を0ml/分に変更し、150ppmの濃度(厳密には、「ゼラチン(ニッピスーパーゼラチンSSB;株式会社ニッピ))を含有する水槽の水道水の重量に占める前記「ゼラチン」の重量の割合)になるように前記「ゼラチン」を水槽の水道水に予め添加する以外は、実施試験例6の場合と同様にして、微細気泡液を製造し、試験計測に供したが、試験液は水槽には戻さず外部に流出させた。この試験時の水温は30℃で、水道水の溶存酸素は6.7mg/Lであった。流出開口8bから流出した微細気泡液を、実施試験例の場合と同様の方法にて採取し測定した。この試験の結果は、表2の試験番号(C−6)の欄に示した。
実施試験例1〜6で得られた結果を表1に示し、比較試験例1〜6で得られた結果を表2に示す。なお、下記表1〜2の溶存酸素濃度は、隔膜型ガルバニ電池式(飯島電子工業(株)を使用して、水面下約10cmにて測定した。
[表1]

















Figure 0006384765
[表2]












Figure 0006384765
[試験考察]
実施試験例1の気泡安定性のある界面活性剤を気泡安定剤導入管7に導入した場合は、比較試験例1の界面活性剤が全く含まれていない水道水を比較対象として、界面活性剤を15ppm含有すると透視可時間は約11倍、1.5ppmでは6.5倍、0.15ppmでは4.7倍の滞留時間となる結果を得た。この結果は、微細気泡安定剤である界面活性剤の添加量の多少により、透過可能時間(上昇する時間)が変化することを示している。また、微細気泡安定剤である界面活性剤を気泡安定剤導入管7から導入すると、微細気泡は安定して小径のままであり、その結果、上昇する時間(透過時間)が長くなることを示している。
実施試験例2の気泡安定剤導入管7の位置を、気泡導入管と同じ負圧の高い位置にある場合と比較して、下流の位置にずらしていくと、気泡安定性のある界面活性剤を導入した場合でも、微細気泡の径が大きくなり、その結果、透過可能時間(上昇する時間)が短くなることを示している。また、実施試験例3では、気泡安定剤導入管の流量調整部10を備える気泡安定剤導入管7における界面活性剤を含有させた液体の流量を、実施試験例1の試験番号(1−1)の場合の流量の10分の1量(45ml/分)に変更している。この実施試験例3の場合は、実施試験例1の試験番号(1−2)の場合の透視可時間が得られているので、濃度調節機能の有用性が示された。
比較試験例3では、試験実施例1の試験番号(1−1)の界面活性剤濃度15ppmと同様になる様に、水槽の水に同等の界面活性剤量を加え、この水を吸引し気泡を発生させた。本発明の効果は、比較試験例3の試験結果と比較しても格別顕著な効果を奏することができる。即ち、比較試験例3の場合の透視可時間は、1分28秒(88秒)であるのに対し、試験実施例1の試験番号(1−1)の場合の透視可時間は、5分40秒(340秒)であるので、およそ3.9倍に増加している。また、比較試験例3の場合の溶存酸素濃度は、7.4%であるのに対し、試験実施例1の試験番号(1−1)の場合の溶存酸素濃度は、8.2%であるので、およそ1.1倍に増加している。
実施試験例4では、旋回式のせん断によるマイクロバブル形成装置でも、せん断機構部の液状流体の取り入れ口の上流側に気体を導入すると共に、気泡安定剤である界面活性剤を気泡安定剤導入管より導入することで、比較試験例(4)と比較しておよそ1.3倍の透視可経過時間となり、微細気泡がより小さくなり、その結果、透過可能時間(上昇する時間)が長くなることを示している。なお、気泡安定剤を加えていない比較試験例(2)では、試験液を入れた瞬間で、二重十字を確認した。
実施試験例5は菌の培養液に関連する試験であるが、比較試験例5のマイクロバブルと比較すると約2.7倍の可使時間を示しており、有効な手段である。
実施試験例6は美容に関連する物質であるが、比較試験例6のマイクロバブルと比較すると約1.8倍の可使時間を示しており、有効な手段である。
なお、本発明は、以下のようにも記載される。
(付記1)
液状体流により負圧を生ずる領域において、気体導入と共に気泡安定剤を導入する工程を含むことを特徴とするマイクロバブル形成方法。
(付記2)
前記液状体流により負圧を生ずる領域は、液状体が流れるベンチュリー管システムの負圧形成領域であることを特徴とする付記1に記載のマイクロバブル形成方法。
(付記3)
前記液状体流により負圧を生ずる領域は、吸引により管状部に負圧を生ずる領域であることを特徴とする付記1に記載のマイクロバブル形成方法。
(付記4)
前記液状体流により負圧を生ずる領域は、せん断力を液状体流に加えるせん断領域ないし前記せん断領域よりも上流側近傍の領域であることを特徴とする付記1に記載のマイクロバブル形成方法。
(付記5)
前記せん断領域は、撹拌ないし旋回により発生させたせん断力を前記液状体流に加えるせん断領域であることを特徴とする付記4に記載のマイクロバブル形成方法。
(付記6)
液状体流に対して気体を導入する気体導入領域ないし前記気体導入領域よりも下流側の領域に、気泡安定剤を導入することを特徴とする付記1〜5のいずれか一に記載のマイクロバブル形成方法。
(付記7)
前記気泡安定剤として、界面活性物質及び/又は気泡保持物質を含有する液体を用いることを特徴とする付記1又は6に記載のマイクロバブル形成方法。
(付記8)
気体の導入量及び気泡安定剤の導入量のいずれか一方又は双方を調節しつつ、気体導入と共に気泡安定剤を導入することを特徴とする付記1〜7のいずれか一に記載のマイクロバブル形成方法。
(付記9)
液状体流により負圧を生ずる領域に、気体導入部及び気泡安定剤導入部を備えることを特徴とするマイクロバブル形成装置。
(付記10)
前記気体導入部は、気泡安定剤導入部を兼ねることを特徴とする付記9に記載のマイクロバブル形成装置。
(付記11)
前記液状体流により負圧を生ずる領域は、液状体が流れるベンチュリー管システムの負圧形成領域であることを特徴とする付記9に記載のマイクロバブル形成装置。
(付記12)
前記液状体流により負圧を生ずる領域は、吸引により管状部に負圧を生ずる領域であることを特徴とする付記9に記載のマイクロバブル形成装置。
(付記13)
前記液状体流により負圧を生ずる領域は、せん断力を液状体流に加えるせん断領域ないし前記せん断領域よりも上流側近傍の領域であることを特徴とする付記9に記載のマイクロバブル形成装置。
(付記14)
前記せん断領域は、撹拌ないし旋回により発生させたせん断力を前記液状体流に加えるせん断領域であることを特徴とする付記13に記載のマイクロバブル形成装置。
(付記15)
前記気泡安定剤導入部は、前記気体導入部による気体導入領域ないし前記気体導入領域よりも下流側の領域に気泡安定剤を導入する気泡安定剤導入部であることを特徴とする付記9に記載のマイクロバブル形成装置。
(付記16)
前記気泡安定剤導入部は、界面活性物質及び/又は気泡保持物質を含有する液体を導入する気泡安定剤導入部であることを特徴とする付記9に記載のマイクロバブル形成装置。
(付記17)
前記気体導入部による気体の導入量を調節する気体導入量調節部、及び前記気泡安定剤導入部による気泡安定剤の導入量を調節する気泡安定剤導入量調節部のいずれか一方又は双方を備えることを特徴とする付記9〜16のいずれか一に記載のマイクロバブル形成装置。
また、本発明は以下の好ましい形態も有する。
(形態1)
液状体が流れる1本の円筒管と、前記円筒管内に気体を導入するための気体導入部と、前記円筒管内に気泡安定剤を導入するための気泡安定剤導入部とを有し、
前記円筒管が上流側から主管部と、前記主管部の下流端から内径が縮小する径縮小部と、前記径縮小部の下流側の開口端に位置する内径が最小の最大絞り部よりも内径が大きい開放部とを有し、
前記気体及び前記気泡安定剤が、流れ方向において前記最大絞り部より直後の最も大きい負圧が形成される領域において前記液状体と合流するように、前記気体導入部と前記気泡安定剤導入部とが設けられることを特徴とするマイクロバブル形成装置。
(形態2)
前記円筒管は、少なくとも一部が二重管構造を有し、
前記二重管構造における内管が前記径縮小部を構成し、
前記二重管構造における外管が、前記気体導入部及び前記気泡安定剤導入部が接続され、前記気体と前記気泡安定剤とを合流させるための合流円筒管部を構成し、
前記合流円筒管部と前記径縮小部とが、前記径縮小部における内径が最小の前記最大絞り部が前記合流円筒管部の内部空間において開口するように構成されることを特徴とする形態1に記載のマイクロバブル形成装置。
(形態3)
前記径縮小部が下流側の方向に向かって内径が次第に縮小する形状を有し、
前記気体導入部及び前記気泡安定剤導入部が、前記径縮小部の下流側の開口端より直後の下流側において前記円筒管に接続されることを特徴とする形態1に記載のマイクロバブル形成装置。
(形態4)
前記径縮小部が、下流側の方向に向かって径が次第に縮小する円錐台形状の内部空間を有し、
前記開放部が、下流側の方向に向かって径が次第に拡大する円錐台形状の内部空間を有することを特徴とする形態3に記載のマイクロバブル形成装置。
(形態5)
前記径縮小部が、下流側の方向に向かって径が次第に縮小する円錐台形状の内部空間を有し、
前記開放部が、内径が一定の管形状を有することを特徴とする形態3に記載のマイクロバブル形成装置。
(形態6)
前記気泡安定剤導入部は、界面活性物質及び/又は気泡保持物質を含有する液体を導入する気泡安定剤導入部であることを特徴とする形態1〜5のいずれか一に記載のマイクロバブル形成装置。
(形態7)
前記気体導入部による気体の導入量を調節する気体導入量調節部、及び前記気泡安定剤導入部による気泡安定剤の導入量を調節する気泡安定剤導入量調節部のいずれか一方又は双方を備えることを特徴とする形態1〜5のいずれか一に記載のマイクロバブル形成装置。
(形態8)
上流側から主管部と、前記主管部の下流端から内径が縮小する径縮小部と、前記径縮小部の下流側の開口端に位置する内径が最小の最大絞り部よりも内径が大きい開放部とを有する1本の円筒管と、前記円筒管内に気体を導入するための気体導入部と、前記円筒管内に気泡安定剤を導入するための気泡安定剤導入部とを有するマイクロバブル形成装置を用いたマイクロバブル形成方法であって、
前記気体及び前記気泡安定剤を、流れ方向において前記最大絞り部より直後の最も大きい負圧が形成される領域において前記液状体と合流させることを特徴とするマイクロバブル形成方法。

本発明は、発生微細気泡を簡便に多量に且つ微細にさせるために有益な技術であり、例えば、排水処理、水質改善等の環境対策、化学工学、医療や福祉の分野に利用可能であり、また、さらにより広い分野で利用可能性を生じるものである。また、本発明の方法及び装置は、気液の混合のほか、異なる気体の混合で、炭酸ガスを含む浴場、美容などの健康対応、オゾンの混合で殺菌もでき衛生対応もでき、幅広く利用できる。
1、41 マイクロバブル形成装置
3、43 主管部
4、44 径縮小部
5 開放部
5a 開放首位部
5b 開放中部
5c 開放後部
6、6a、6b 気体導入管
7、7a、7b 気泡安定剤導入管
8a 流入開口
8b 流出開口
9 流量調整部
10 流量調整部
44a 開口端
45 径均一管部
49 合流円筒管部

Claims (8)

  1. 液状体が流れる1本の円筒管と、前記円筒管内に気体を導入するための気体導入部と、前記円筒管内に気泡安定剤を導入するための気泡安定剤導入部とを有し、
    前記円筒管が上流側から主管部と、前記主管部の下流端から内径が縮小する径縮小部と、前記径縮小部の下流側の開口端に位置する内径が最小の最大絞り部よりも内径が大きい開放部とを有し、
    前記気体及び前記気泡安定剤が、流れ方向において前記最大絞り部より直後の最も大きい負圧が形成される領域において前記液状体と合流するように、前記気体導入部と前記気泡安定剤導入部とが設けられることを特徴とするマイクロバブル形成装置。
  2. 前記円筒管は、少なくとも一部が二重管構造を有し、
    前記二重管構造における内管が前記径縮小部を構成し、
    前記二重管構造における外管が、前記気体導入部及び前記気泡安定剤導入部が接続され、前記気体と前記気泡安定剤とを合流させるための合流円筒管部を構成し、
    前記合流円筒管部と前記径縮小部とが、前記径縮小部における内径が最小の前記最大絞り部が前記合流円筒管部の内部空間において開口するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロバブル形成装置。
  3. 前記径縮小部が下流側の方向に向かって内径が次第に縮小する形状を有し、
    前記気体導入部及び前記気泡安定剤導入部が、前記径縮小部の下流側の開口端より直後の下流側において前記円筒管に接続されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロバブル形成装置。
  4. 前記径縮小部が、下流側の方向に向かって径が次第に縮小する円錐台形状の内部空間を有し、
    前記開放部が、下流側の方向に向かって径が次第に拡大する円錐台形状の内部空間を有することを特徴とする請求項3に記載のマイクロバブル形成装置。
  5. 前記径縮小部が、下流側の方向に向かって径が次第に縮小する円錐台形状の内部空間を有し、
    前記開放部が、内径が一定の管形状を有することを特徴とする請求項3に記載のマイクロバブル形成装置。
  6. 前記気泡安定剤導入部は、界面活性物質及び/又は気泡保持物質を含有する液体を導入する気泡安定剤導入部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載のマイクロバブル形成装置。
  7. 前記気体導入部による気体の導入量を調節する気体導入量調節部、及び前記気泡安定剤導入部による気泡安定剤の導入量を調節する気泡安定剤導入量調節部のいずれか一方又は双方を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載のマイクロバブル形成装置。
  8. 上流側から主管部と、前記主管部の下流端から内径が縮小する径縮小部と、前記径縮小部の下流側の開口端に位置する内径が最小の最大絞り部よりも内径が大きい開放部とを有する1本の円筒管と、前記円筒管内に気体を導入するための気体導入部と、前記円筒管内に気泡安定剤を導入するための気泡安定剤導入部とを有するマイクロバブル形成装置を用いたマイクロバブル形成方法であって、
    前記気体及び前記気泡安定剤を、流れ方向において前記最大絞り部より直後の最も大きい負圧が形成される領域において前記液状体と合流させることを特徴とするマイクロバブル形成方法。
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