JP6383482B2 - 経路予測的輻輳回避のための方法及びシステム - Google Patents

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Description

〔関連出願との相互参照〕
本発明は、2014年3月19日に出願された米国仮特許出願第61/955,724号に対する優先権を主張するものであり、この仮特許出願は全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
無線セルラーの展開は、多くの場合、広域都市圏又は地方のカバレッジエリア内の隣接セル群を用いて行われている。人口集中地域にわたるセルの連続的固定配列によってもたらされる、偏在的なサービス範囲をサポートする能力は、いくつかのモバイル無線サービスの重要な側面である。
モバイル無線ユーザは、移動時に、道路、小道、幹線道路、鉄道線路、橋、フェリー航路などの、交通インフラに制約された経路をたどる傾向にある。これらのルート制限は、地域ネットワークの区分を越えた主要経路を形成する隣接セル間のハンドオーバシーケンスにつながる。また、主な交通幹線道路を含むセルを横切る動きは相関性が高く、数分間から数時間、さらには数日間にも持続し得る期間にわたって予測可能であると理解することもできる。
無線カバレッジネットワークをセルのグリッドに分割することとモバイルユーザとの間の別の本質的因果関係は、セル間でのユーザ密度のばらつきによって示されるネットワーク負荷の分散である。負荷の低いセルもあれば、負荷の高いセルもある。これらのパターンは、一日を通じてしばしば複雑に変化する。時には、リソース容量に近づく又はリソース容量を超過するほどの活動がセル内で行われ、望ましくない過負荷シナリオ及び質の悪いユーザ体験を招くこともある。
ユーザの移動性は複雑であるため、通常は疑似ランダムな動きとして扱われ、セルリソースの過負荷は、当初計画の微調整、顧客の苦情及び定期的なドライブテストに基づいて反応的に管理される。携帯事業者コストを抑えてユーザ満足度を向上させるには、リソースの過負荷を積極的に予測して防止する自律的方法が有用と思われる。
本開示の実施形態は、群になった無線セルのネットワークを横切る移動性パターンの予測を容易にする。ネットワークの一部における現在のトラフィック負荷がどれほどであるかを知ることにより、無線リソース要素が、ネットワークの他の部分における負荷を予想し、予防措置を行って潜在的な過負荷シナリオを避けることができる。無線リソース要素は、先を見越したリソース設定とリソース予約とを協調させてネットワーク性能を高めることもできる。
実施形態は、集中型又は分散型無線リソースコントローラが、ネットワークセル間のハンドオーバに関する情報を用いて、ユーザがネットワークを通過する際の主要移動性経路のマップを構築するシステム及び一連の方法に関する。この主要経路を用いて、ネットワークの一部に存在するユーザがネットワークの別の部分に移動した際に生じる未決の過負荷シナリオを予測することができる。別の考えられる経路知識の使用法は、システム応答待ち時間を短縮し、モバイルユーザがネットワークを通過する際にこれらのユーザへのリソース割り当ての信頼性を高めるために、ネットワークリソースが直ちに必要になる前にこれらのリソースを積極的に準備することである。
ある実施形態では、無線通信ネットワークのための方法が、複数のセルの活動データを受け取るステップと、この活動データに基づいて、複数のセルの各々の主要経路を特定するステップと、主要経路に基づいて、将来的なネットワーク状態を予測するステップと、予測された将来的なネットワーク状態に基づいて、ネットワークリソースを割り当てるステップとを含む。活動データは、複数のセルのハンドオーバ情報を含むことができる。
ある実施形態では、ハンドオーバ情報が、複数のセルのうちのターゲットセルからユーザ装置がハンドインした先のセルのアイデンティティと、ユーザ装置がターゲットセルからハンドアウトした先の1又は2以上のセルのアイデンティティと、一定期間内におけるターゲットセルへのハンドインイベントの量と、一定期間内におけるターゲットセルからのハンドアウトイベントの量とを含む。ハンドオーバ情報は、ハンドインイベント及びハンドアウトイベントに関連するユーザ装置のアイデンティティと、ユーザ装置の通過時間と、ユーザ装置のアイドル状態とアクティブ状態との間の遷移とをさらに含む通過イベントレコードに記録することができる。ハンドオーバ情報は、ユーザ装置が一定期間内に複数のセルのうちのターゲットセルにハンドインした時刻、及びターゲットセルからハンドアウトした時刻を含むことができる。
ある実施形態では、主要経路を特定するステップが、ターゲットセルを占めるユーザ装置の大部分が一定期間内にハンドアウトした先のセルを特定するステップと、ターゲットセルからユーザ装置の大部分がハンドアウトした先のセルまでの経路を主要経路として指定するステップとを含む。主要経路を特定するステップは、ターゲットセルを占めるユーザ装置の大部分が一定期間内にハンドインして来た元のセルを特定するステップと、ユーザ装置の大部分がハンドインした先のセルからターゲットセルまでの経路を主要経路として指定するステップとをさらに含むことができる。
主要経路を特定するステップは、一定期間内にターゲットセルからの最も多くのハンドアウトを受け取ったセルへの経路であるターゲットセルからの一次経路を特定するステップと、一定期間内にターゲットセルからの2番目に多くのハンドアウトを受け取ったセルへの経路であるターゲットセルからの二次経路を特定するステップとを含むことができる。主要経路を特定するステップは、ターゲットセルを横切る複数の通過イベントと、この通過イベントを実行したユーザ装置のアイデンティティとを相関付けるステップをさらに含むことができる。
ある実施形態は、相関付けられた複数の通過イベントに基づいて、ターゲットセルの通過待ち時間値を求めることができる。将来的なネットワーク状態を予測するステップは、主要経路に沿ったユーザ装置の移動を、平均通過時間を用いてシミュレートするステップを含むことができる。このシミュレートされる移動は、ネットワーク内のユーザ装置の現在位置に基づくことができる。
ネットワークリソースを割り当てるステップは、複数のセルのうちの過負荷であると予測されるセルからユーザ装置をハンドオーバするステップと、複数のセルのリソースを予約して、予測された将来的なネットワーク状態に対処するステップとを含むことができる。主要経路は、主要経路指示子を共有する隣接セルの連結リストを含むことができる。
ある実施形態による無線通信システムを示す図である。 ある実施形態による基地局を示す図である。 ある実施形態によるネットワークリソースコントローラを示す図である。 主要経路の実施形態を示す図である。 ある実施形態のブロックアーキテクチャを示す図である。 予測的輻輳回避処理の実施形態を示す図である。 活動データ収集処理の実施形態を示す図である。 主要経路及び通過待ち時間特定処理の実施形態を示す図である。 セルラーネットワーク内の複数の主要経路の実施形態を示す図である。 将来的なネットワーク活動を予測する処理の実施形態を示す図である。 ある実施形態による、セルを横切る複数次数の主要経路を示す図である。
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を成す添付図面を参照する。詳細な説明に示す実施形態例、図面及び特許請求の範囲は、限定的であることを意図するものではない。本明細書に示す主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することも、他の変更を行うこともできる。本明細書において一般的に説明し図面に示す本開示の様態には、様々な異なる構成での配置、代用、組み合わせ、分割及び設計を行うことができると理解されるであろう。
本発明は、プロセス、装置、システム、組成物、コンピュータ可読記憶媒体に具体化されるコンピュータプログラム製品、及び/又はプロセッサに結合されたメモリに記憶された、及び/又はこのようなメモリによって提供される命令を実行するように構成されたプロセッサなどのプロセッサを含む数多くの形で実装することができる。一般的に、開示する処理のステップの順序は、本発明の範囲内で変更することができる。特に明記しない限り、タスクを実行するように構成されたものとして説明するプロセッサ又はメモリなどのコンポーネントは、所与の時点にタスクを実行するように一時的に構成された汎用コンポーネント、又はタスクを実行するように製造された専用コンポーネントとして実装することができる。本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するように構成された1又は2以上の装置、回路及び/又はプロセッシングコアを意味する。
以下、本発明の原理を示す添付図と共に実施形態の詳細な説明を示す。このような実施形態に関連して本発明を説明するが、本発明はいずれの実施形態にも限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって限定され、本発明は、数多くの代替例、変形例及び同等物を含む。以下の説明では、本発明を完全に理解できるように数多くの具体的な詳細を示す。これらの詳細は例示目的で示すものであり、本発明は、これらの具体的な詳細の一部又は全部を伴わずに特許請求の範囲に従って実施することができる。明確にするために、本発明が不必要に曖昧にならないように、本発明に関する技術分野において知られている技術的内容については詳細に説明しない。
図1に、本開示の実施形態によるネットワークコンピュータシステム100を示す。図示のシステム100は、データ通信ネットワーク102と、1又は2以上の基地局106a〜eと、1又は2以上のネットワークリソースコントローラ110a〜cと、1又は2以上のユーザ装置(UE)108a〜mとを含む。本明細書で使用する「基地局」という用語は、ある場所に設けられた、無線ネットワークのハブとしての役割を果たす無線通信局を意味する。基地局は、マクロセル、マイクロセル、ピコセル及びフェムトセルを含むことができる。
ある実施形態によるシステム100では、データ通信ネットワーク102が、ネットワークコントローラ装置110a〜cのいずれかと基地局106a〜eのいずれかとの間の分散ネットワーク通信を容易にすることができるバックホール部を含むことができる。ネットワークコントローラ装置110a〜cのいずれかは、基地局から離れて設けられた、又は基地局に設けられた専用ネットワークリソースコントローラ(NRC)とすることができる。ネットワークコントローラ装置110a〜cのいずれかは、とりわけNRC機能を提供する非専用装置とすることができる。1又は2以上のUE108a〜mは、携帯電話機108a〜i、ラップトップコンピュータ108j〜k、ハンドヘルドゲーム機108l、電子ブック装置又はタブレットPC108m、及び基地局106a〜eのいずれかによって無線通信サービスを提供できる他のいずれかのタイプの一般的なポータブル無線コンピュータ装置を含むことができる。
当業者であれば理解するように、ほとんどのデジタル通信ネットワークでは、データ通信ネットワーク102のバックホール部が、一般的に有線であるネットワークの基幹回線と、ネットワークの周辺部に位置するサブネットワーク又は基地局106a〜eとの間の中間リンクを含むことができる。例えば、1又は2以上の基地局106a〜eと通信するセルラーユーザ装置(例えば、UE108a〜m)は、ローカルサブネットワークを構成することができる。基地局106a〜eのいずれかと他の地域との間のネットワーク接続は、アクセスプロバイダの通信ネットワーク102のバックホール部へのリンクを(例えば、ポイントオブプレゼンスを介して)開始することができる。
ある実施形態では、NRCが、自機が実行できる処理によって定めることができる存在物及び機能を有する。従って、一般にNRCである概念的エンティティは、本開示の実施形態に関連する処理を実行する上でのNRCの役割によって定めることができる。従って、NRCエンティティは、特定の実施形態に依存して、ハードウェアコンポーネント、及び/又はネットワークコンピュータシステム100内の1又は2以上の通信装置の揮発性又は不揮発性メモリなどのコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアコンポーネントのいずれかであると考えることができる。
ある実施形態では、ネットワークコントローラ装置110a〜c及び/又は基地局106a〜eのいずれかが、本開示の様々な実施形態に関連する処理を実行するように単独で又は協調して機能することができる。
標準的なGSM(登録商標)ネットワークによれば、ネットワークコントローラ装置110a〜c(NRC装置又は任意にNRC機能を有する他の装置)のいずれかは、基地局コントローラ(BSC)、移動通信交換局(MSC)、データスケジューラ、又は無線リソースマネージャ(RRM)などの当業者に周知の他のいずれかの一般的なサービスプロバイダ制御装置に関連することができる。標準的なUMTSネットワークによれば、(任意にNRC機能を有する)ネットワークコントローラ装置110a〜cのいずれかは、NRC、サービングGPRSサポートノード(SGSN)、又はRRMなどの当業者に周知の他のいずれかの一般的なネットワークコントローラ装置に関連することができる。標準的なLTEネットワークによれば、(任意にNRC機能を有する)ネットワークコントローラ装置110a〜cのいずれかは、eNodeB基地局、モビリティ管理エンティティ(MME)、又はRRMなどの当業者に周知の他のいずれかの一般的なネットワークコントローラ装置に関連することができる。
ある実施形態では、ネットワークコントローラ装置110a〜c、基地局106a〜e、及びUE108a〜mのいずれかを、いかに限定されるわけではないが、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Mac OS(登録商標)、Google(登録商標)Chrome(登録商標)、Linux(登録商標)、Unix(登録商標)、或いはSymbian(登録商標)、Palm(登録商標)、Windows Mobile(登録商標)、Google(登録商標)Android(登録商標)、Mobile Linux(登録商標)などを含むいずれかのモバイルオペレーティングシステムを含むいずれかの周知のオペレーティングシステムを実行するように構成することができる。ネットワークコントローラ装置110a〜cのいずれか、又は基地局106a〜eのいずれかは、あらゆる数の共通サーバ、デスクトップ、ラップトップ及びパーソナルコンピュータ装置を使用することができる。
ある実施形態では、UE108a〜mのいずれかが、いかに限定されるわけではないが、GSM、UMTS、3GPP LTE、LTEアドバンスト、WiMAXなどを含むいずれかの一般的な無線データ通信技術を用いた無線通信能力を有する一般的なモバイルコンピュータ装置(例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話機、ハンドヘルドゲーム機、電子ブック装置、パーソナル音楽プレーヤ、MiFiTM装置、ビデオレコーダなど)のいずれかの組み合わせに関連することができる。
ある実施形態では、図1のデータ通信ネットワーク102のバックホール部が、光ファイバ、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、Ethernet(登録商標)ケーブル及び電力線ケーブルといった一般的な通信技術、並びに当業者に周知の他の無線通信技術のいずれかを使用することができる。本発明の様々な実施形態との関連では、通常、様々なデータ通信技術(例えば、基地局106a〜e)に関連する無線通信カバレッジは、ネットワークのタイプ、及びネットワークの特定の領域内で展開されるシステムインフラに基づいて、異なるサービスプロバイダネットワーク間で異なる(例えば、GSM、UMTS、LTE、LTEアドバンスト、WiMAXベースネットワーク、及び各ネットワークタイプにおいて展開される技術間の相違)と理解されたい。
図2は、図1の基地局106a〜eを代表することができる基地局200(例えば、フェムトセル、ピコセル、マイクロセル又はマクロセル)のブロック図である。ある実施形態では、基地局200が、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)202を含む。CPU202は、算術演算及び論理演算を実行する算術論理演算装置(ALU、図示せず)と、メモリから命令及び記憶コンテンツを取り出し、これらを実行及び/又は処理し、プログラム実行中の必要時にALUに呼び掛ける1又は2以上の制御装置(CU、図示せず)とを含むことができる。CPU202は、揮発性システムメモリ(RAM)及び不揮発性システムメモリ(ROM)204に記憶されたコンピュータプログラムを実行する役割を担う。
基地局200は、オペレータ要員が基地局との間でデータ入力及びデータ抽出を行えるようにするユーザインターフェイス206と、ネットワークの有線部分に結合されたネットワークインターフェイスとを含むことができる。ある実施形態では、基地局200が、ネットワークインターフェイス208を介して他のネットワーク要素との間でデータの送受信を行うことができる。一方、基地局200は、1又は2以上のアンテナ214を備えたトランシーバ212を介してUEとの間で、無線で情報の送受信も行う。
基地局200は、システムバス210及びデータストレージ216をさらに含むことができる。システムバスは、基地局の様々なコンポーネント間の通信を容易にする。例えば、システムバス210は、データストレージ215に記憶されたプログラムと、プログラムを実行するCPU202との間の通信を容易にすることができる。ある実施形態では、データストレージ216が、ハンドオーバデータ218及び活動データ220を記憶することができる。また、データストレージ216は、オペレーティングシステム、及び基地局200の動作に関連する様々なプログラムを含むこともできる。
様々な実施形態では、基地局200が、2位相偏移変調(1ビット/シンボルを有するBPSK)、4位相偏移変調(2ビット/シンボルを有するQPSK)、及び直角位相振幅変調(例えば、4ビット/シンボル、6ビット/シンボルなどを有する16−QAM、64−QAM)などの当業者に周知のいずれかの変調/符号化スキームを利用することができる。また、基地局200は、いずれかの一般的なGSM、UMTS、WiMAX又はLTEプロトコルを含むいずれかのセルラーデータ通信プロトコルを介してUE108a〜mと通信するように構成することもできる。
図3は、ネットワークコントローラ装置110a〜cのいずれかを代表することができるNRC300のブロック図である。ある実施形態では、ネットワークコントローラ装置110a〜cの1つ又は2つ以上がSONコントローラである。NRC300は、CPU304を含む1又は2以上のプロセッサ装置を含む。
CPU304は、揮発性メモリ(RAM)、不揮発性メモリ(ROM)302及び記憶装置312(例えば、HDD又はSSD)に記憶されたコンピュータプログラムを実行する役割を担う。いくつかの実施形態では、記憶装置312が、ASIC又はFPGAなどの論理ハードウェアとしてプログラム命令を記憶することができる。記憶装置312は、例えば、主要経路データ314、通過データ316及び経路予測モジュール318を記憶することができる。また、記憶装置312は、主要経路データ314を使用する主要経路予測モジュール、及び割り当てモジュールを含むこともできる。
NRC300は、管理者によるNRCのソフトウェアリソース及びハードウェアリソースとの相互作用、及びネットワークコンピュータシステム100の性能及び動作の表示を可能にするユーザインターフェイス306を含むこともできる。また、NRC300は、ネットワークコンピュータシステム内の他のコンポーネントと通信するためのネットワークインターフェイス308、及びNRC300のハードウェアリソース間のデータ通信を容易にするシステムバス310を含むこともできる。
ネットワークコントローラ装置110a〜cに加え、NRC300を用いて、アンテナコントローラ、RF計画エンジン、コアネットワーク要素又はデータベースシステムなどの他のタイプのコンピュータ装置を実装することもできる。このようなコンピュータの記憶装置は、NRCによって提供される機能に基づいて、ソフトウェアのためのリポジトリ及びリポジトリデータベースとしての役割を果たす。
高負荷の影響を軽減するには、高負荷のセルから低負荷の隣接セルにユーザ端末をハンドオーバするようにネットワークを操作することができる。ある実施形態では、オペレータが、オペレータネットワーク内のNRCを介して本開示の実施形態の1又は2以上の態様を実施することができる。NRCは、来たるべきリソース過負荷イベントを予測し、影響を受けるセル及びその隣接セルに、想定される過負荷セルの負荷を協調的に低減するように命令することができる。
従って、負荷が増加した時に軽減して、生じたはずの過負荷を防ぐことができる。NRCネットワーク要素は、NRCに関連する基地局サービングセルから、ハンドオーバ(HO)レポートと最も近い隣接セルリストとを収集することができる。NRCは、これらのレポート及びリストから、ネットワークを通る主要経路をセル間シーケンスとして特定するとともに各セルにおける通過速度を特定してこれらを記憶することができる。
図4に、主要経路400の一例を示す。主要経路は、図4に六角形で示すカバレッジエリアのグリッドを形成する複数のセル402を通って延びる。主要経路400は、セル402の識別子のシーケンスによって識別され、セル間の複数のハンドオーバ404に対応することができる。図4では、このシーケンスが{1,2,3,4,5,6}である。
経路は、モバイル端末がセルから退出又はハンドアウトしたことに基づいて形成することができる。ある実施形態では、あるセルが、複数の隣接セルからなる主要経路からのハンドオーバを受け取り、このセルから退出するための1つの主要経路を有することができる。換言すれば、主要経路は、セルからの退出によって定めることができる。しかしながら、いくつかの実施形態は、複数の主要経路を定める複数の退出地点を有することもできる。
ある実施形態では、各セルが、所与の搬送波周波数のための単一のアンテナによってサービスを受ける地域を表すことができる。セルのカバレッジエリアは、特定の搬送波信号の信号強度に関連し、信号強度が閾値を越える地点、又は干渉が閾値を上回る地点によってセルの境界が定められるようにすることができる。また、セルは、アンテナが存在する基地局に関することもできる。従って、ある実施形態は、カバレッジエリアに関連するセルラー識別子又は基地局識別子によって主要経路を識別することができる。基地局サイトは、複数のカバレッジセクタを提供することができ、経路の識別は、基地局及びセクタID、又はネットワークを通過するモバイル装置のネットワーク接続地点を指定する他の一意の識別子を含むことができると理解される。
NRCは、特定のユーザ端末のデータを含むことができる定期的なリソース負荷レポートを基地局から受け取ることができる。NRCは、ネットワークの他の部分における現在の推定負荷を分析することにより、ユーザ端末が存在すると思われる場所へのガイドとして経路情報を用いて、将来的なユーザ端末の分布、及び潜在的な過負荷シナリオを予測することができる。
ネットワークは、将来的な過負荷状態が識別されると、過負荷になると予測されるセル402の現在の負荷を低減し、従って過負荷状態が生じた場合の影響を防止又は低減しようと試みる。ある実施形態では、NRCが、得られた経路情報及び通過待ち時間を用いて、将来的に端末が存在する可能性の高いセルでのリソース予約を事前に準備することができる。リソース予約の待ち時間及び信頼性は、至急の必要性が検出されて初めて反応する方法に比べて高めることができる。
図5に、ある実施形態のブロックアーキテクチャを示す。図5では、1又は2以上のサービング基地局502(例えば、eNodeB、アクセスポイントなど)が、複数のモバイルユーザ装置端末506に無線カバレッジセル504を提供し、ユーザ装置端末506は、自機の無線環境状態をサービング基地局502にレポートする。基地局502は、複数の基地局と通信する集中型ネットワークコア要素とすることができるマルチノードNRC508に通信可能に結合されているが、マルチノードNRC508は、複数の基地局にわたって分散することもできる。
NRC508には、基地局502に配信される負荷バランシング忠告及び/又はリソース予約メッセージ512を協調させるためのハンドオーバ及びリソース指標510が送られる。NRC508は、主要経路を特定するブロック514、及び負荷バランシングのためのブロック516、及びリソース予約のためのブロック518を含むことができる。また、NRC508は、干渉回避を行うためのブロック520、並びに容量及びカバレッジ最適化のためのブロック522などの他の動作のための複数のブロックを含むこともできる。ある実施形態では、NRC508を遠隔要素管理エンティティ524によって管理することができる。
図6に、ある実施形態による予測的輻輳回避処理600の実施形態を示す。処理600では、S602において、基地局が活動データを収集する。活動データは、ハンドイン及びハンドアウトイベント、ユーザ装置端末ID、及びハンドオーバ動作のタイムスタンプを含むハンドオーバレポートを含むことができる。ある実施形態では、活動データが、現在のユーザ端末占有データ及びUE当たりの平均使用量を含むリソース負荷レポートを含むことができる。基地局で収集された活動データは、NRCに送信することができる。
S604において、NRCは、活動データを受け取って主要経路を特定する。主要経路の特定は、所与のターゲット基地局との間でハンドオーバされる可能性が最も高いセルの識別を含むことができる。主要経路は、活動データに含まれるハンドオーバデータから特定することができる。また、受け取った通過待ち時間データに基づいて、セルの平均通過待ち時間値を特定することができる。
S606において、NRCは、将来的なネットワーク活動を予測する。予測される活動は、所与のセル内のUEの予測セル占有率及び予測活動レベルに基づくことができ、S604において特定された主要経路及び通過待ち時間にさらに基づくことができる。
S608において、負荷バランシング及びリソース予約などのリソース割り当て機会を識別する。S608では、例えば無線チャネルスループット容量などの利用可能なリソースを予測負荷が超過する場合、過負荷状態を識別することもできる。システムは、過負荷状態及び/又はリソース予約機会を識別した後に、S610において、負荷バランシング及びリソース予約などの軽減活動を実行する。
図7には、ある実施形態による活動データ収集処理700を示す。S702において、ハンドオーバデータを収集する。このハンドオーバデータは、UEが典型的なセルラーモビリティ動作の態様として基地局にレポートすることも、或いは特定の予測的輻輳回避の目的でレポートすることもできる。ハンドオーバデータは、移動元及び移動先のセル及び/又は基地局の識別子、並びにハンドオーバに関連する時間のタイムスタンプを含むことができる。また、ハンドオーバデータは、ハンドオーバのタイプを含むこともできる。
S704において、活動データを収集することができる。活動データは、UE活動レポートを含むことができる。ある実施形態では、活動レポートが、活動に関連する個々のUEのアイデンティティを含む。活動データは、一定期間内のUEのスループットを含むことができ、これを用いてセルに対するUEの平均スループットを求める。
ある実施形態では、活動データが、アクティブな端末のみから収集される。従って、アイドル状態の端末データは、収集された活動データから除外することができる。いくつかの実施形態では、UEがアイドル状態からアクティブ状態に、又はその逆に変化した際に、S704において状態変化に関するデータが収集される。
S702及びS704において収集されたデータは、S706において基地局で処理することができる。S706のデータ処理は、後続の解析を容易にするようにデータをフィルタ処理又は構文解析することを含むことができる。レポートは、活動レベル、セルを横切る通過時間(UEのハンドインイベントとハンドアウトイベントとの間のデルタタイム)、ソース/ターゲット基地局アイデンティティなどを含む、記憶されたレポートに含まれている指標のいずれかによってフィルタ処理することができる。別の実施形態では、収集されたデータが基地局において処理されず、基地局は、収集されたデータを直接NRCに送ることができる。S708において、NRCは、収集及び/又は処理されたデータを基地局から受け取ることができる。
S708においてNRCがデータを受け取った後、収集されたデータを用いて主要経路及び通過待ち時間を特定することができる。図8には、ある実施形態による主要経路及び通過待ち時間特定処理800を示す。主要経路及び通過待ち時間は、ネットワーク内の所定のセル群について特定することができ、主要経路情報と通過待ち時間情報との組み合わせは、群の移動性状態として参照することができる。
S802において、指標が受け取られたセル又は基地局を選択する。S804において、選択されたセル又は基地局毎に、UEによる通過イベントを相関付けることができる。ある実施形態では、S804におけるUEによる通過イベントの相関付けが、個々のUEのハンドインイベントをハンドアウトイベントと一致させることを含む。通過イベントの相関付けは、1時間、4時間、1日などの所定の期間にわたって行うことができる。
結果として得られる通過イベントレコードは、特定のUEのアイデンティティ、選択したセルにおいてUEが費やした合計時間、UEのハンドイン元のセルのアイデンティティ及びハンドイン時刻、UEのハンドアウト先のセルのアイデンティティ及びハンドアウト時刻、UEがターゲットセルに留まっている合計時間、UEがアクティブ状態とアイドル状態との間で遷移した時刻、並びに選択したセルによってUEがサービスを受けている間のUEの活動レベルを少なくとも含むことができる。ある実施形態では、主要経路を特定する際に、アクティブ状態とアイドル状態との間で遷移したUE、及び/又はターゲットセル内で所定の時間よりも多くを費やしたUEを除外することができる。
別の実施形態では、通過イベントレコードにおいて個々のUEが明確に識別されない。このような実施形態では、セル内のUEの数を、一定期間にわたるハンドアウト活動に相関付けることができる。例えば、セル内に存在するUEの数と、このセルからのハンドアウトイベントの数との相関関係に基づいてハンドアウト率を求めることができる。このような実施形態のデータは、時刻及び曜日にさらに相関付けることによって強化することができる。ある実施形態では、このデータを用いて、特定の日時に特定の数のUEがセル内に存在する場合、一定期間にわたって特定のセルへのいくらかのハンドアウトが行われる可能性があると判断することができる。従って、主要経路の特定は、時刻、曜日などの時間情報を考慮することができる。
ハンドオーバ活動データを分析して、複数のセルにわたる通過経路を特定することができる。S806において、特定のセルのハンドオーバデータを解析して、関連するイベント量が最も多い主要ハンドアウトセルを特定することができる。主要ハンドアウトセルは、所与の期間内に最も多くのUEがハンドオーバした先のセルとすることができる。
いくつかの実施形態では、さらに低次の経路を特定することもできる。例えば、ある実施形態は、所与のセルのハンドアウトターゲットのリストを作成し、このリストを、ハンドアウト率、ハンドアウト数、ハンドアウト速度などの1又は2以上の基準によってフィルタ処理することができる。1つの実施形態では、一定期間内のハンドアウト数が最も多い主要ハンドアウトターゲットが2番目に多いハンドアウトターゲットの所定のパーセンテージ内にある場合、これらの両方のセルについて経路を特定することができる。同様に、別の実施形態では、30%又は40%などの所定の値よりも大きなハンドアウト率を受け取った全てのターゲットを用いて経路を特定することができる。
識別された各通過イベントは、S808において各UEのハンドインタイムスタンプとハンドアウトタイムスタンプとを比較することによって特定できる、関連する通過待ち時間を有する。通過待ち時間データは、1又は2以上の基地局又はNRCに配置されたメモリとすることができる通過イベントレコードに記憶することができる。また、所与の期間にわたる平均通過待ち時間を計算し、基地局のマスター通過イベントレコードに記憶することもできる。平均通過待ち時間は、主要経路、二次経路、三次経路などの複数の経路について求めることができる。
S810において、主要経路を特定する。ある実施形態では、主要経路の特定が、主要経路指示子を共有する隣接セルの連結リストを含むレコードを形成することを含む。例えば、セルAがセルBへの主要経路を有し、セルBがセルCへの主要経路を有する場合、連結リストのメンバは、A−>B−>Cになる。
ある実施形態では、所与のセル群内の全てのセルについて主要経路が特定されないこともある。群内のセルによっては、比較的移動性が低く、又は移動性レベルが負荷バランシング動作を必要としないものもある。従って、ある実施形態は、通過活動のレベルに基づいて主要経路を定め、1又は2以上のセルには主要経路が存在しないと判断することができる。
図9に、セル群902を横切って延びる主要経路の一例を示す。主要経路900における矢印は、経路に含まれる方向性要素を示す。また、図9に示すセルの中には、セルに関連する主要経路を有していないものもある。いくつかの実施形態では、セル群が、これらのセルを通り抜ける複数の主要経路を有する。経路によっては、所与のセルを複数回横切るループを形成できるものもある。
図10に、ある実施形態による、将来的なネットワーク活動を予測する処理1000を示す。S1002において、将来の時点を選択することができる。ある実施形態では、S1002が、現在時刻からの分数に基づく将来的なエポック時間を選択することを含む。予測しようとする将来がさらに先のことになるにつれ、将来的なネットワーク構成の尤度が低下すると理解することができる。同様に、予測される解が大集団のUEの移動性に基づく場合、この解は、1又は2人のユーザのネットワークを横切る予期せぬ動きに対して安定する可能性が高くなる。
S1004において、選択した将来の時点についての将来的なネットワーク構成を推定する。ある実施形態では、ネットワーク構成が、所与の時点に分析されている群内の各セルに留まっているUEの数を含む。将来的なネットワーク構成の推定は、平均通過時間を用いて主要経路に沿ったUEの移動をシミュレートすることによって行うことができる。単純な例では、セルAがセルBへの主要経路を有し、セルA内に現在10個のセルが存在し、セルAを横切る平均通過時間が10分である場合、シミュレーションは、5分間に5つのUEがセルAからセルBに進むと判断することができる。
いくつかの実施形態では、経路に関連するハンドオーバイベントの回数に従って標準化した確率を用いて、経路のランク付け(主要、二次、三次など)に基づいてUEを隣接セルに進めることができる。以下、主要経路1102及び二次経路1104を含むセル1100を示す図11に関して一例を説明する。
この例では、所与の期間内に主要経路1102に関連するハンドアウトイベントが20回行われ、同じ期間内に二次経路1104に関連するハンドアウトイベントが10回行われている。従って、主要経路1102に割り当てる確率は2/3とすることができ、二次経路1104に割り当てる確率は1/3とすることができる。特定の経路に沿って予測するUEは、現在セルに留まっているUEからランダムに選択することができる。しかしながら、これは単純な例にすぎない。他の実施形態では、より多くのハンドアウトターゲットを使用し、それに応じて確率を割り当てることができる。
また、この例には含めていないが、図11には三次経路1106も示されている。三次経路1106では、ハンドインセルがハンドアウトセルと同じである。他の実施形態は、四次又はそれよりも高次の経路を含むことができる。
換言すれば、セルに留まっている現在のUEの母集団を仮定すると、履歴的傾向に基づいて、これらのUEの一部は、特定の時間内に現在のセルから離れると予想される。将来的な一定の時間間隔内にどの特定のUEが実際に基地局から離れるかを予測する全く確実な方法は存在しないので、ランダムに又は統計的設定に基づいて特定のUEを選択することができる。
ある実施形態では、1つにはUEが以前にどの隣接セルに関連していたかによって、経路をたどるUEに割り当てる確率を決定することができる。換言すれば、UEの過去のハンドオーバ履歴が、現在のセルから将来的なセルに移行する可能性の割り当てに影響を与えることができる。
将来的なネットワーク構成を推定するには、セルの現在のUE占有率と、あるセル群に対して定められた主要経路に沿った予想される正味の流入/流出とを使用することができる。いくつかの実施形態では、主要経路に沿った通過速度がセルによって異なることがある。このようなばらつきは、特定のセルの占有率が時間と共に純増又は純減することを意味する。
様々な実施形態は、UEを統計的に一般化することも、或いはUEを特定の個々のエンティティとして処理することもできる。例えば、統計的に一般化される実施形態では、セル内のUEの特定のアイデンティティに関わらず平均通過時間及び平均活動レベルを使用することができる。対照的に、もう一方の実施形態では、特定のUEに固有のデータを使用し、このUEのセル内における存在を検出し、将来的なネットワーク状態を推定する際に、このUE固有のデータを含めることができる。
ある実施形態では、UEの履歴的な位置の時間変動を観察することによって特定されるUEの速度によって、ある経路をたどるUEに割り当てる確率を決定することもできる。また、カバレッジセル内でUEがアイドルからアクティブに遷移したかどうかによって、ある経路をたどるUEに割り当てる確率を決定することもできる。具体的には、期間中にアイドルからアクティブに遷移したUEは、将来的な活動予測から除外することができ、或いはアイドル状態に入らずにアクティブ状態でセルに出入りしたUEとは別個に分析することができる。
S1006において、履歴的活動レベルに基づいて将来的なセル負荷を推定することができる。活動レベルは、UE毎に平均履歴値から適用することができる。例えば、前の期間中のUEの活動が、UE当たりNバイトの平均データスループットを有する場合、将来的なセル負荷は、このUE当たりのNバイトに、ある将来的な時点にセルを占めると予想されるUEの数を乗じることによって推定することができる。従って、ネットワーク内の複数のセルについて将来的なセルの活動レベルを推定することができる。
ある実施形態では、S1004において推定された将来的な構成を用いて、選択された将来的な時期にセル内に存在すると予測されるUEの現在の活動指標を合計することにより、推定セル負荷を求めることができる。現在のUEの活動を分析することに基づいて行われる1つの考えられる処理は、ある将来的な基地局内にUEが存在することがこれらのUEの移動性経路に基づいて予想される場合に、この基地局の負荷を予測することである。
S1008において、将来的な過負荷状態の確率を求める。将来的な過負荷状態を求めることは、推定される将来的なセル負荷を、そのセルで利用できるリソースと比較することを含むことができる。将来的な過負荷状態が検出された場合、S1010において、負荷バランシング機会を識別することができる。負荷バランシング機会は、ネットワークリソースと、影響を受けるセル内のUEの分布とを評価することによって識別することができる。ある実施形態では、将来的な過負荷状態が検出された場合、負荷バランシング機会の識別を自動的に行うことができる。換言すれば、将来的な過負荷状態が検出された場合には自動的に負荷バランシング活動を行うようにネットワークを構成することができる。
負荷バランシング活動の1つは、システム内で負荷バランシング情報を配信することとすることができる。例えば、NRCは、負荷バランシングメッセージを作成して1又は2以上の基地局に送ることができる。負荷バランシングメッセージは、過負荷状態の影響を受けると予測される1又は2以上の基地局のアイデンティティ、推測される過負荷状態の時間、予想される将来的な基地局の負荷、及びNRCの立場から見た負荷バランシング結果の目標を含むことができる。
ある実施形態では、負荷バランシングメッセージが助言的な本質を有し、関連する基地局は、提案される措置を無視すること又は修正することを選択することができる。また、予想されるネットワーク構成が確実に生じるとは限らないので、ネットワークの移動性状態が進化するにつれて、積極的負荷バランシングメッセージを更新することもできる。従って、予測される状況に先立つ前向きな変更と、措置の修正と、実際の状況が進化して予測とは異なった場合のこれらの変更の修正との間にはトレードオフが存在し得る。
ある実施形態では、S1012において、早期の過負荷警告から恩恵を受ける時点であると同時に、ネットワークが過負荷の発生前に反応してこれを防止又は軽減するのに十分な時間がまだ残っている間に、積極的に負荷バランシングを実行する。ある実施形態では、十分な時間が、モバイルネットワークのタイプ及び使用量に依存すると理解される。特定の実施形態では、この時間を、5分、15分、30分又は1時間とすることができる。
S1012における負荷の分散は、助言メッセージの形で通信される負荷バランシング目標を達成するために、UEを隣接セル間でハンドオーバすることを含むことができる。ある実施形態では、この目標が、近い将来に発生すると予測される将来的な過負荷状態を見越して、基地局カバレッジの負荷を隣接する基地局に解放することである。本明細書では「負荷バランシング」という用語を使用しているが、実施形態は、複数のセルにわたる処理動作の分散を正常化する他の処理を使用することもできる。
S1008において将来的な過負荷状態が検出された場合、S1004で推定された将来的なネットワーク構成、及び/又はS1006で推定された将来的なセル負荷に基づいて、S1014においてリソース予約機会を識別することができる。S1014におけるリソース予約機会の識別は、S1010における負荷バランシング機会の識別に加えて行うことも、又はこれとは別に行うこともできる。
リソース予約機会が識別されると、NRCは、ネットワーク内の影響を受ける基地局にリソース予約情報を送信することができる。S1016において、基地局は、ハンドオーバ処理の時間臨界を下げることによって設定待ち時間を短縮して処理の信頼性を高めるために、前のサービング基地局又は将来的なターゲット基地局と協調してハンドオーバリソースを事前準備することができる。リソース予約の別の例は、設定はできるものの、予測された関連するUEが実際に基地局に到着するまで実行できない、基地局からネットワークコア内へのベアラチャネルを伴う。ある実施形態では、負荷バランシング活動に関して上述したように、基地局が、リソース予約情報に基づいて実際にリソースを予約することも、又はリソース予約を行わないこともできる。
S1008において将来的な過負荷状態が検出されなかった場合、S1018において、時間を増分することができる。時間の増分は、予測時間を1分、5分又は1時間などの所定値だけ進めることを含むことができる。その後、システムは、S1020において、最終時点に達したかどうかを確認することができる。最終時点に達した場合には処理を終了し、そうでない場合にはS1004に戻り、新たな増分時間にわたって将来的なネットワーク構成を推定することによって新たな増分時間にわたって処理を繰り返す。
本開示の広範な教示は、様々な形で実装することができる。従って、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書及び以下の特許請求の範囲を検討した時点で他の修正が明らかになるので、本開示の実際の範囲をそのように限定すべきではない。
400 主要経路
402 セル
404 ハンドオーバ

Claims (14)

  1. プロセッサ及びメモリを有するコントローラを含む無線通信ネットワークのための方法であって、
    前記コントローラで、複数のセルの活動データを受け取るステップと、
    前記コントローラで、前記活動データに基づいて前記複数のセルの各々の主要経路であって、前記主要経路は前記複数のセルを通って延び、複数のユーザ装置が前記特定された主要経路に沿って、複数のセルのターゲットセルへ、及びターゲットセルから移動するように構成された前記主要経路を特定するステップと、
    前記コントローラで、前記特定された主要経路に基づいて将来的なネットワーク状態を予測するステップと、
    前記コントローラで、前記予測された将来的なネットワーク状態に基づいてネットワークリソースを割り当てるステップと、
    を含み、
    前記活動データは、前記複数のセルのハンドオーバ情報を含む、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記ハンドオーバ情報は、ユーザ装置が前記複数のセルのうちのターゲットセルにハンドインルのアイデンティティと、ユーザ装置が前記ターゲットセルからハンドアウトした先の1又は2以上のセルのアイデンティティと、一定期間内における前記ターゲットセルへのハンドインイベントの量と、前記一定期間内における前記ターゲットセルからのハンドアウトイベントの量とを含む、
    請求項に記載の方法。
  3. 前記ハンドオーバ情報は、前記ハンドインイベント及び前記ハンドアウトイベントに関連するユーザ装置のアイデンティティと、前記ユーザ装置の通過時間と、前記ユーザ装置のアイドル状態とアクティブ状態との間の遷移情報とをさらに含む通過イベントレコードに記録される、
    請求項に記載の方法。
  4. 前記ハンドオーバ情報は、ユーザ装置が一定期間内に前記複数のセルのうちのターゲットセルにハンドインした時刻、及び前記ターゲットセルからハンドアウトした時刻を含む、
    請求項に記載の方法。
  5. 前記主要経路を特定するステップは、
    ターゲットセルを占めるユーザ装置の大部分が一定期間内にハンドアウトした先の主要ハンドアウトセルを特定するステップと、
    前記ターゲットセルから前記ユーザ装置の大部分がハンドアウトした先の前記主要ハンドアウトセルまでの経路を前記主要経路として指定するステップと、
    を含む、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記主要経路を特定するステップは、
    前記ターゲットセルを占めるユーザ装置の大部分が一定期間内にハンドインして来た元の主要ハンドインセルを特定するステップと、
    前記ユーザ装置の大部分がハンドインした先の前記主要ハンドインセルから前記ターゲットセルまでの経路を前記主要経路として指定するステップと、
    をさらに含む、
    請求項に記載の方法。
  7. 前記主要経路を特定するステップは、
    前記一定期間内に前記ターゲットセルからの最も多くのハンドアウトを受け取ったセルへの経路である前記ターゲットセルからの一次経路を特定するステップと、
    前記一定期間内に前記ターゲットセルからの2番目に多くのハンドアウトを受け取ったセルへの経路である前記ターゲットセルからの二次経路を特定するステップと、
    を含む、
    請求項に記載の方法。
  8. 前記主要経路を特定するステップは、前記ターゲットセルを横切る複数の通過イベントと、該通過イベントを実行したユーザ装置のアイデンティティとを相関付けるステップをさらに含む、
    請求項に記載の方法。
  9. 前記相関付けられた複数の通過イベントに基づいて、前記ターゲットセルの通過待ち時間値を求めるステップをさらに含む、
    請求項に記載の方法。
  10. 前記将来的なネットワーク状態を予測するステップは、前記主要経路に沿ったユーザ装置の移動を、平均通過時間を用いてシミュレートするステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  11. 前記シミュレートされる移動は、前記ネットワーク内のユーザ装置の現在位置に基づく、
    請求項10に記載の方法。
  12. 前記ネットワークリソースを割り当てるステップは、前記複数のセルのうちの過負荷であると予測されるセルからユーザ装置をハンドオーバするステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  13. 前記ネットワークリソースを割り当てるステップは、前記複数のセルのリソースを予約して、前記予測された将来的なネットワーク状態に対処するステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  14. 通信システムであって、
    プロセッサと、
    複数のセルのハンドオーバ情報を含む活動データを受け取る受信機と、
    前記複数のセルの前記活動データを記憶するメモリと、
    前記プロセッサによって実行されると、
    前記活動データに基づいて前記複数のセルの各々の主要経路であって、前記主要経路は前記複数のセルを通って延び、複数のユーザ装置が前記特定された主要経路に沿って、複数のセルのターゲットセルへ、及びターゲットセルから移動するように構成された前記主要経路を特定するステップと、
    前記主要経路に基づいて将来的なネットワーク状態を予測するステップと、
    前記予測された将来的なネットワーク状態に基づいてネットワークリソースを割り当てるステップと、
    を実行する実行可能命令を記憶した少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体と、
    を備えることを特徴とする通信システム。
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