JP6383256B2 - 半導体トランジスタのテスト方法、及び、テストソケット - Google Patents

半導体トランジスタのテスト方法、及び、テストソケット Download PDF

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Description

本発明は、半導体トランジスタのテスト方法、及び、パッケージテスト用のソケットに関し、特に、パワーデバイス等の100V超の高電圧ないし1A超の大電流で使用されるトランジスタのパッケージテストにおいて、高電圧でのリーク電流テストを高精度で実施し、且つ、動特性テスト時に被試験デバイスが高速でターンオン又はターンオフする際に発生するドレイン電圧、ゲート電圧又はソース電圧の発振を抑制可能なソケット構造に関する。
半導体トランジスタ、特に、GaNやSiCなどの化合物半導体を材料とし、電力制御に用いられるパワーデバイス等のパッケージテストにおいては、2つの重要な課題がある。
第1に、高電圧印加時のリーク電流テストを、ソケットピンからソケット本体への微小なリークや外部ノイズの影響を受けずに高精度に測定することである。
第2に、スイッチングテストやゲート容量テストなどの被試験トランジスタのスイッチング動作を伴う動特性テストにおいて、スイッチング動作時のソケットピンのインダクタンスに起因するドレイン電圧、ゲート電圧、又はソース電圧の発振を抑制することである。
第1の課題に関しては、図14に示すように、信号送受部31とシールド部32の2層からなる同軸構造のソケットピンを使用して、内側の信号送受部31を外側のGND(接地電位0V)でシールドすることで信号線への外来ノイズを防止する方法が一般に知られており、RF信号を扱うような高周波デバイス用のソケットのコンタクトピンとして使用されている。
特許文献1に記載されているソケット構造を図15の断面図に示す。図15に示すテストソケットは、IC(集積回路)等の被試験デバイスの各電極端子を配線基板(ソケット基板)上の配線と接続させるために用いられる。
図15において、コンタクトピン固定部分30a、デバイス側のコンタクトピン可動部分30b、ソケット基板側のコンタクトピン可動部分30cで構成された信号用コンタクトピンが、導電性材料で構成されたソケット本体33に形成された挿入孔内に挿入されている。当該信号用コンタクトピン30a〜30cは、コンタクトピン外周絶縁物34によってソケット本体33から電気的に分離されている。
一方、信号用コンタクトピン30a〜30cの周囲には、被試験デバイスにGNDを供給するためのシールド用コンタクトピンが、挿入孔内に挿入されている。シールド用コンタクトピンは、信号用コンタクトピンと同様、コンタクトピン固定部分35a、デバイス側のコンタクトピン可動部分35b、ソケット基板側のコンタクトピン可動部分35cで構成される。シールド用コンタクトピン35a〜35cとソケット本体33の間には、導電性の結合材36が形成され、ソケット本体33はGNDに接続される。
特許文献1では、この構造のテストソケットを用いることによって、信号用コンタクトピンをGNDでシールドし、クロストークなどの外来ノイズの低減を実現している。信号用コンタクトピンはソケット本体を介してGND電位でシールドされる構造である。
しかしながら、ソケット本体へと流れる微小リーク電流の問題については、特許文献1には何も言及されていない。
第2の課題に関しては、2つの電流経路に対し、平行で互いに逆向きの同じ電流量の電流を流すことで、発生する磁界が相殺され、インダクタンスを低減でき、発振を抑制できることが一般的に知られている。
例えば、特許文献2には、半導体デバイスのウェハテストにおいて、テスタから表面電極用プローブにおけるフォース用プローブに向かう電流経路と、ウェハ保持部における導電性の接触部からプローブコンタクト領域へと向かう電流経路とを、互いに平行で逆向きとすることで、発生する磁界が相殺され、発生するインダクタンスを低減できることができる事が記載されている。
図16に、特許文献2に記載のインダクタンス低減方法をパッケージテストに適用する場合の例を示す。この例では、同軸構造の内側の信号送受部31に被試験デバイスのドレイン端子を接続し、外側のシールド部32に被試験デバイスのソース端子を接続する。外側のシールド部には、内側の信号送受部に流れるドレイン電流Idと電流量が略同一で逆向きの電流Isが流れる。信号送受部31及びシールド部双方32のインダクタンスに起因する磁界は各部を流れる電流に比例するが、信号送受部に流れる電流により発生する磁界と、シールド部に流れる電流により発生する磁界が打ち消し合うことにより、ドレイン電圧(又はソース電圧)の発振を抑制することができる。
特開2010−175371号公報 特開2013−118320号公報
一方で、ソケット本体へ流れる微小リーク電流の問題については、図14に示す同軸構造のコンタクトピンを使用することによっても、パワーデバイス等の半導体トランジスタの高電圧印加試験において、ソケットピンからソケット本体への微小なリークの影響を防止することは可能である。これを以下に説明する。
図14の同軸構造のコンタクトピンを使用して高電圧印加試験を行う場合、内側の信号用ピン(信号送受部31)に高電圧でのリーク電流測定の対象とするドレイン端子を接続する。
このとき、ソケット本体の抵抗が10GΩ程度としても、例えば600V以上のドレイン電圧を印加する場合、600V/(10×10Ω)=60nA程度のリーク電流が、測定誤差として発生しうる。
しかしながら、ドレイン端子を接続した内側の信号送受部31より外側の導体(シールド部32)に、ドレイン電圧と同じ電圧を試験装置から供給することで、内側の信号送受部と外周部の電位差をなくし、コンタクトピンの外側の絶縁物を介した微小リークの影響を回避し、リーク電流を発生させないことができる。
図15に示すソケット構造にこの方法を適用する場合、信号用コンタクトピン30a〜30cを被試験デバイスのドレイン端子と接続し、シールド用コンタクトピン35a〜35cにドレイン端子に供給する電圧と同じ電圧を試験装置から供給することで、高電圧印加時のリーク電流の発生を防止できる。なお、図17のように、シールド用コンタクトピンが、デバイス側のコンタクトピン可動部分35cを備えないシンプルな構成とすることも可能である。
これに対し、図15に示すソケット構造に図16の発振抑制方法を適用する場合、信号用コンタクトピン30a〜30cにドレイン電圧を、シールド用コンタクトピン35a〜35cにソース電圧(GND)を試験装置から供給し、互いに逆向きの電流を流すことができる。しかし、被試験デバイスのソース端子からの電流は主としてシールド用コンタクトピン35a内を流れるため、効果的に磁界を打ち消し合うことができない。
このため、図16の発振抑制用法を適用する場合は、例えば図18に示すような同軸コンタクトピン構造のソケットを別に用意し、シールド用コンタクトピンの固定部分35aに信号用コンタクトピンの固定部分30aに流れる電流と等価でかつ逆向きの電流が流れるようにして測定を行うことが好ましい。これにより、ドレイン端子用の信号用コンタクトピン30a〜30cの直近に、ソース端子用のコンタクトピン35cからのソース電流が流れる部分を配置することができる。
上述のソケット構造を用いる場合、上記2つの課題に対して個別に対処することとなる。試験項目に応じて、異なるソケット構造を有するテスト治具を使い分ける必要があり、連続してパッケージテストを行うことができない。
上記2つの課題を同一のソケットを用いて解決する方法として、図19に示すようにドレイン端子に2本の信号用コンタクトピンを夫々接続させ、試験項目に応じて使用するコンタクトピンを切り替える方法も考えられる。
図19において、ピン37は動特性評価用のコンタクトピンであり、内側の信号送受部31はドレイン端子に接続され、外側のシールド部32はソース端子に接続される。ピン38はリーク電流測定用のコンタクトピンであり、内側の信号送受部13はドレイン端子に接続され、外側のシールド部32には、ドレイン電圧と同じ電位が試験装置から供給される。リレー39及び40は、ドレイン端子に印加する試験電圧(ドレイン電圧)の供給を、試験装置41から、動特性評価用の信号用コンタクトピン37を介して供給するか、リーク電流測定用のコンタクトピン38を介して供給するかを、試験項目に応じて切り替える。
高精度のリーク電流の測定が必要な試験項目では、リレー39をオフ、リレー40をオンし、ドレイン端子と同じ電位でシールドされるコンタクトピン38を使用してテストを実施する。一方、動特性テスト等、発振を抑制する必要のある試験項目では、リレー39をオン、リレー40をオフし、ソース電位でシールドされるコンタクトピン37を使用してテストを実施する。これにより、高ドレイン電圧印加時のリーク電流テストをソケットピンからソケット本体への微小なリークの影響を受けずに高精度に測定すること、及び、スイッチングテストやゲート容量テストなどの被試験半導体トランジスタのスイッチング動作を伴う動特性テストにおいて、スイッチング動作時のソケットピンのインダクタンスに起因するドレイン電圧、ゲート電圧、又はソース電圧の発振を抑制することが、同一のパッケージテスト用ソケットを用いで実現可能と考えられる。
ところが、この方法では、ドレイン端子に2本のコンタクトピンを接触させる必要がある。一般に、パワーデバイス用のコンタクトピンは、数アンペア超の電流容量が必要なため、0.5mm径程度の太さのピンが必要とされる。一方で、近年、パッケージの小型化のニーズの高まりにより、従来のTO(Transistor Outline)パッケージのようなリード部が1mm×10mmのような大型のものではなく、0.5mm×1mm程度のリード部しかないパッケージが使用されている。
このため、ドレイン端子にコンタクトピンを2本接触させることが困難である。
また、TOパッケージのような大型パッケージで、ドレイン端子にコンタクトピンを2本接触させることが可能な場合であっても、ソケット基板上にリレーを実装する必要が生じる。この場合、ソケット基板上の配線を最短にすることができず、また、リレー部品のインピーダンスに起因する発振対策も必要となるが、容易に対処することが困難である。
上記の状況を鑑み、本発明は、高電圧印加時のリーク電流の高精度測定と、動特性測定において、ソケットピンのインダクタンスに起因するスイッチング動作時のドレイン電圧、ゲート電圧、又はソース電圧の発振抑制とを同一のソケットで実現可能としたテストソケットを提供することをその目的とする。
また、本発明は、当該テストソケットを用いた効率の良いテスト方法を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るテストソケットは、半導体トランジスタのパッケージ試験において、制御信号を供給するソケット基板と被試験トランジスタを接続するために使用されるテストソケットであって、
使用時において前記ソケット基板に面する第1面側に第1及び第2の開口部を有し、使用時において前記被試験トランジスタに面する第2面側に第3及び第4の開口部を有してなる本体部、
前記本体部の前記第1の開口部と前記第3の開口部との間を貫通する貫通孔内に配置され、前記第1面側で前記ソケット基板と、前記第2面側で前記被試験トランジスタと接触して前記被試験トランジスタと前記制御信号の送受を行うための、前記本体部から電気的に分離された導電性の第1のピン、
前記第2の開口部内に配置された導電性の第2のピン、
前記第4の開口部内に配置された導電性の第3のピン、
前記第1のピンの外周側面を第1の絶縁部分を介して覆い、前記本体部から電気的に分離された導電性の第1のシールド部材、及び、
前記第1のシールド部材の外周側面を第2の絶縁部分を介して覆う導電性の第2のシールド部材を備え、
前記第2のピン及び前記第3のピンが、夫々、前記第2のシールド部材と電気的に接続されていることを第1の特徴とする。
上記第1の特徴の本発明に係るテストソケットは、好ましくは、更に、
非導電性の前記本体部を有し、
前記第2のピンが、前記第2のシールド部材の前記第1面側の端部又はその近傍と、前記第3のピンが、前記第2のシールド部材の前記第2面側の端部又はその近傍と、夫々、電気的に接続している。
上記第1の特徴の本発明に係るテストソケットは、好ましくは、更に、
前記本体部が、前記第1面側に第5の開口部を有し、
前記第5の開口部内に配置され、前記本体部から電気的に分離された導電性の第4のピンを備え、前記第4のピンが前記第1のシールド部材と電気的に接続していることを第2の特徴とする。
上記第2の特徴の本発明に係るテストソケットは、好ましくは、更に、
前記第2のピンと前記第2のシールド部材を電気的に接続するための第1導電部材、
前記第3のピンと前記第2のシールド部材を電気的に接続するための第2導電部材、及び、
前記第4のピンと前記第1のシールド部材を電気的に接続するための第3導電部材を備え、
前記第2導電部材は、前記第1導電部材と前記第2のシールド部材とが電気的に接続される位置よりも前記第2面側で前記第2のシールド部材と電気的に接続されている。
上記第2の特徴の本発明に係るテストソケットは、好ましくは、更に、
非導電性の前記本体部を有し、
前記本体部が、第1、第2、及び第3の部品を備えて構成され、
前記第1の部品は、前記第1のピン、前記第2のピン、及び前記第4のピンを夫々挿通するための3つの孔を有し、
前記第2の部品は、少なくとも前記第1のピンを挿通するための孔を有し、
前記第3の部品は、少なくとも前記第1のピン及び前記第3のピンを夫々挿通するための2つの孔を有し、
前記第1導電部材が、前記第1の部品及び前記第2の部品の何れかに取り付けられ、
前記第2導電部材が、前記第2の部品及び前記第3の部品の何れかに取り付けられ、
前記第3導電部材が、前記第1の部品、前記第2の部品、及び、前記第3の部品のうち少なくとも何れか1つに取り付けられている。
上記第2の特徴の本発明に係るテストソケットは、好ましくは、更に、
前記第1のシールド部材は、その外周側面上において、前記第2絶縁部分及び前記第2のシールド部材で覆われていない露出領域を有し、
前記露出領域を介して、前記第1のシールド部材と前記第4のピンとの電気的接続がなされる。
上記第2の特徴の本発明に係るテストソケットは、好ましくは、更に、
前記第1〜第4のピンが、夫々、前記本体部に取り付けられた筒状の固定部分と、当該筒の内側を筒の軸方向に移動可能な可動部分を備え、
前記可動部分が、前記第1面又は前記第2面から突出して露出している。
上記目的を達成するため、本発明に係るテスト方法は、上記第2の特徴のテストソケットを用いた半導体トランジスタのテスト方法であり、
前記被試験トランジスタのドレイン端子を前記第1のピンの前記第2面側の一端と接続し、前記被試験トランジスタのソース端子を前記第3のピンに接続し、
前記第4のピンに、前記第1のピンの前記第1面側の他端に供給される試験電圧と同電圧を前記ソケット基板を介して供給し、前記被試験トランジスタの試験を実施することを第1の特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明に係るテスト方法は、半導体トランジスタのテスト方法であって、
最も内側の信号送受部と、中間層の第1のシールド部と、最外周の第2のシールド部とが夫々絶縁部分を介して積層された三層からなる同軸構造のコンタクトピンを備えたテストソケットを、前記テストソケットの第1面がソケット基板と対面するように、前記ソケット基板上に固定し、
前記テストソケットの被試験トランジスタに面する第2面側で、被試験トランジスタのドレイン端子を前記信号送受部と、被試験トランジスタのソース端子を前記第2のシールド部と、夫々接続し、
前記ソケット基板を介して、前記テストソケットの前記第1面側から、前記信号送受部に前記被試験トランジスタのドレイン端子に印加するための試験電圧を供給するとともに、前記第1のシールド部に前記試験電圧と同じ電圧を供給し、前記被試験トランジスタの試験を実施することを第2の特徴とする。
本発明に依れば、3層構造の同軸コンタクトピン(第1のピン)を使用することによって、ドレイン端子に高電圧を印加する試験時において、ソケットピンからソケット本体の絶縁部分へ流れるリーク電流を防止すること、及び、スイッチング動作を伴う動特性の測定時において、ソケットピンのインダクタンスに起因するドレイン電圧、ゲート電圧、又はソース電圧の発振を抑制することが、同じテストソケットを用いて可能となる。
第1のピンの最も内側はドレイン端子用の信号送受部とし、中間層をドレイン端子に供給される電圧と同じ電圧を供給する第1のシールド部とする。最も外側をソース端子と接続する第2のシールド部とする。信号送受部、第1のシールド部、第2のシールド部夫々との間は絶縁部分により電気的に分離されている。
中間層には、内側の信号送受部と同じ電圧を供給することで、信号送受部と中間層との間に電位差が生じることはなく、ソケットピンからソケット本体へ微小リークは発生しない。一方、信号送受部は最も外側の第2のシールド部によってシールドされ、高速動作時にドレイン電流の変化に起因する発振を抑制することができる。
この構造により、高速スイッチング動作時においてコンタクトピンのインダクタンスに起因する発振や、ノイズが抑制されると同時に、高電圧印加時のリーク電流テストを数十nA以下の高精度な環境で実施できるので、数十nA以下の高精度が要求される600V〜800V以上の高電圧でのリーク電流テストと、スイッチングテストやゲート容量テストに代表される、コンタクトピンのインダクタンスに起因する発振対策が必要な動特性テストとを同じテスト治具を使用して実施することができる。
本発明のテストソケットを用いる場合、ドレイン端子を2本以上のピンと接続する必要はないので、小型パッケージへの対応が容易であり、ソケット基板周辺でリレーによる切り替えも必要ないため、短配線化が可能で、ソケット基板上での特性悪化も発生しない。
したがって、本発明のテストソケットを用いてパッケージ試験を行うことで、高電圧でのリーク電流テストと、発振対策が必要な動特性テストを、複数の試験(テストパス)に分けて実施する必要がなく、1度の試験でリーク電流テストと動特性テストを実施できるので全体としてのテスト時間を短縮できる。この結果、テスト時間が短縮されることにより、テストコストが低減され、TAT(Turnaround Time)が改善され、トランジスタの製造コスト削減につながる。
本発明の一実施形態に係るテストソケットの構成例を示す模式的な構造断面図 図1に示すテストソケットの内部構造を模式的に示す斜視図 本発明の一実施形態に係るテストソケットについて、特にドレイン端子用コンタクトピンの構成を模式的に示す斜視図 図1に示すテストソケットをソケット基板に固定した状態の模式的な断面図 パッケージ試験時において、本発明の一実施形態に係るテストソケット内を流れる電流の様子を示す図 本発明の一実施形態に係るテストソケットを用いてパッケージ試験を実施するテスト方法を説明するフローチャート 本発明の一実施形態に係るテストソケットの組み立て方法を説明する構造断面図 本発明の一実施形態に係るテストソケットの組み立て方法を説明する構造断面図 本発明の一実施形態に係るテストソケットの組み立て方法を説明する構造断面図 本発明の一実施形態に係るテストソケットの構成例を示す模式的な構造断面図 図10に示すテストソケットをソケット基板に固定した状態の模式的な断面図 本発明の別実施形態に係るテストソケットの構成例を示す模式的な構造断面図 本発明の別実施形態に係るテストソケットについて、特にドレイン端子用コンタクトピンの構成を模式的に示す斜視図 従来構成に係るノイズ低減のための同軸構造のソケットピン(コンタクトピン)の構成を示す図 従来構成のテストソケットの構造の一例を示す断面図 従来構成を用いて、ソケットピンのインダクタンスに起因する発振を抑制する一例を説明する図 従来構成のテストソケットの構造の一例を示す断面図 従来構成のテストソケットの構造の一例を示す断面図 使用するコンタクトピンを試験項目に応じて切り替え、高精度のリーク電流測定と動特性テストにおける発振の抑制を両立させる方法を説明する図
以下に、本発明に係るテストソケットの構成及びテスト方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図6に、本発明の一実施形態に係るテストソケット及びテスト方法の構成例を示す。図1は、テストソケット1のソケット基板に垂直な面における模式的断面図である。テストソケット1は、非導電性の材料で構成された本体部10を備える。本体部10は、その第1面(ソケット基板側)に設けられた開口11a、11b、11eと、その第2面(被試験トランジスタ側)に設けられた開口11c、11dからなる5つの開口部を有し、当該開口11a〜11e内に4本のソケットピンが取り付けられ、本体部10に固定されている。
図2に、本体部10を除いた状態のテストソケット1の斜視図を模式的に示す。
固定部分12aと可動部分12b、12cを備えた導電性の第1のピン(以降において、適宜「ソケットピン12」と総称する)が、第1面に設けられた開口11a(第1の開口部)と、第2面に設けられた開口11c(第3の開口部)との間を貫通する貫通孔内に配置されている。
ソケットピン12の構造を図3の斜視図に示す。導電性の第1のシールド部材17が、絶縁部分16を介してソケットピン12の固定部分12aの外周側面を覆っている。更に、導電性の第2のシールド部材19が、絶縁部分18を介して第1のシールド部材17の外周側面を覆っている。ただし、第1のシールド部材17の外周側面は、絶縁部分18及び第2のシールド部材19によって完全には覆われておらず、その上端部(第2面側)外周側面と下端部(第1面側)外周側面において、第1のシールド部材17が露出する露出領域28a、28bを有している。
ソケットピン12、及び、その外周を覆う絶縁部分16、第1のシールド部材17、絶縁部分18、及び、第2のシールド部材19により、3層からなる同軸構造のドレイン端子用コンタクトピンが構成されている。ソケットピン12は、第2面側の可動部分12cで被試験トランジスタのドレイン端子と接続し、被試験トランジスタのドレイン端子に試験のための制御信号を供給する。そして、後述するが、第1のシールド部材17は、ドレイン端子へ供給される電圧と同じ電圧を供給するためのソケットピン15a、15bと電気的に接続され、第2のシールド部材19は、第2面側で被試験トランジスタのソース端子と電気的に接続される。
固定部分13aと可動部分13bを備えた導電性の第2のピン(以降において、適宜「ソケットピン13」と総称する)が、第1面に設けられた開口11b(第2の開口部)内に取り付けられ、第1導電部材20を介して第2のシールド部材19と電気的に接続している。
固定部分14aと可動部分14bを備えた導電性の第3のピン(以降において、適宜「ソケットピン14」と総称する)が、第2面に設けられた開口11d(第4の開口部)内に取り付けられ、第2導電部材21を介して第2のシールド部材19と電気的に接続する。本実施形態では、第1導電部材20及び第2導電部材21は、共に平板で構成され、第2導電部材21は、第1導電部材20と第2のシールド部材19とが電気的に接続される位置よりも第2面側(被試験トランジスタ側)で、第2のシールド部材19と電気的に接続している。より好ましくは、第2のシールド部材19は、その下端(第1面側の端部)又はその近傍で第1導電部材20と電気的に接続し、その上端(第2面側の端部)又はその近傍で第2導電部材21と電気的に接続する構成とする。
これにより、ソケットピン13とソケットピン14とは、第1導電部材20、第2のシールド部材19、及び、第2導電部材21を介し、電気的に接続される。ソケットピン14は、第2面側で被試験トランジスタのソース端子と接続される。したがって、上記の電気的に接続されたソケットピン13及び14が、従来技術におけるソース端子用のシールドコンタクトピンに相当する。
さらに、固定部分15aと可動部分15bを備えた導電性の第4のピン(以降において、適宜「ソケットピン15」と総称する)が、第1面に設けられた開口11e(第5の開口部)内に取り付けられ、第3導電部材22(22a、22b)を介して第1のシールド部材17と電気的に接続している。本実施形態では、平板で構成された2枚の第3導電部材22a、22bが本体部10内に取り付けられている。第3導電部材22aが、ソケットピン15の固定部15a、及び、第1のシールド部材17の下端側の上記露出領域28aを第1面側において電気的に接続する。第3導電部材22bが、ソケットピン15の固定部15a、及び、第1のシールド部材17の上端側の上記露出領域28bを第2面側において電気的に接続する。ソケットピン15には、被試験トランジスタのドレイン端子に供給される電圧と同じ、つまりソケットピン12への供給電圧と同じ電圧が、ソケット基板を介して供給される。
ソケットピン12〜15は、夫々、筒状の固定部分(12a、13a、14a、15a)と、筒の内側を軸方向に移動可能とした可動部分(12b、12c、13b、14b、15b)を備え、固定部分が本体部10と固定される。可動部分12b、12c、13b、14b、15bは、外力を受けない場合その先端部が本体部10の第1面又は第2面から露出し、突出するように取り付けられており、内部に設けられたばね等の機構によって、第1面又は第2面に垂直方向の外力を受けることで突出高さが縮小し、外力に応じて突出する高さが調整される。これにより、テストソケット1は、被試験トランジスタ及びソケット基板と良好な電気的接触を得る。
図4に、テストソケット1を、ソケット基板2にねじ3を介してねじ止め固定し、ソケット基板上に搭載した状態の模式的断面図を示す。
なお、テストソケット1は、ソケットピン12〜15に加えて、被試験トランジスタのゲート端子と接続され、被試験トランジスタのゲート端子に制御信号を供給するためのゲート端子用コンタクトピン(図示せず)が、本体部10に取り付けられてなるが、本発明の本質的部分ではないため、詳細な説明は割愛する。
上述の通り、テストソケット1は、ドレイン端子の信号送受に用いるソケットピン12と、ソケットピン12の外周側壁面を絶縁部分16を介して覆う第1のシールド部材17、及び、第1のシールド部材17の外周側壁面を絶縁部分18を介して覆う第2のシールド部材19からなる3層同軸構造のコンタクトピンを備える。第1のシールド部材17は、第3導電部材22a、22bを介して、ドレイン端子に供給される電圧と同じ電圧でシールドされる。これにより、最も内側のソケットピン12と中間層の第1のシールド部材17との間に電位差を発生させない構成とし、ソケットピン12に高ドレイン電圧信号を供給する試験においても、ソケットピン12から本体部10へ微小リークの発生を防止することができる。このため、高電圧印加時のリーク電流テストを数十nA以下の高精度で測定することが可能となる。
一方、最も内側のソケットピン12は、最も外側の第2のシールド部材19によってシールドされている。第2のシールド部材19は、上述の通り、第2導電部材21、及び、ソケットピン14を介して、被試験トランジスタのソース端子と電気的に接続する。このため、被試験トランジスタから流れ出たソース電流は、ソケットピン14から、第2のシールド部材19を経由して、ソケットピン13へと流れ込む。
図5に、テストソケット1に被試験トランジスタを接続してパッケージ試験を実施する場合に、テストソケット1内を流れる電流の様子を示す。図5に示すように、同軸構造の最も内側のソケットピン12に流れるドレイン電流Id(破線で表示)と、第2のシールド部材19に流れるソース電流Is(一点鎖線で表示)は、電流量が略同じであり、電流の向きが逆となる。これにより、双方の電流により発生する磁界が相殺されるため、高速スイッチング動作を伴う動特性試験において、コンタクトピンのインダクタンスに起因する発振や、ノイズが抑制される。
したがって、テストソケット1を用いてパッケージ試験を行うことで、数十nA以下の高精度が要求される600V〜800V以上の高ドレイン電圧でのリーク電流テストと、スイッチングテストやゲート容量テストに代表される、コンタクトピンのインダクタンスに起因する発振対策が必要な動特性テストとを、テストソケット1のソケット基板2からの取り外し、取り替えを伴うことなく、同じテスト治具を使用して実施することができる。
図6に、テストソケット1を用いてパッケージ試験を行う際のフローチャートを示す。先ず、図4に示したように、テストソケット1をソケット基板2に固定し、ソケットピン12の可動部分12cを被試験トランジスタのドレイン端子に、ソケットピン14の可動部分14bを被試験トランジスタのソース端子に、夫々接続する(ステップS101)。また、図示しないテストソケット1内のゲート端子用コンタクトピンを、被試験トランジスタのゲート端子に接続する。ソケット基板2は、試験のための電圧を供給する試験装置に接続されている。
その後、ソケットピン12の可動部12bに試験に必要なドレイン電圧を、及び、ソケットピン13の可動部13bに試験に必要なソース電圧を、ゲート端子用コンタクトピンに試験に必要なゲート電圧を、夫々、ソケット基板2を介して供給し、パッケージ試験を開始する(ステップS102)。このとき、ソケットピン15の可動部15bにも、ソケットピン12に供給する電圧と同じ電圧を、ソケット基板2を介して供給する。
このテスト方法では、高ドレイン電圧印加時のリーク電流テスト(ステップS103)と、高速スイッチング動作を伴う動特性テスト(ステップS104)とを、テストソケット1をソケット基板から取り外すことなく、連続して実施することができる。したがって、1度の試験でリーク電流テストと動特性テストを連続して実施できるので全体としてのテスト時間を短縮できる。
〈第2実施形態〉
テストソケット1は、複数の部品を組み合わせることにより、構成することができる。以下に、テストソケット1の組み立ての一例を、図7〜図9の工程断面図に示す。
先ず、図7(a)に示すように、3つの孔23a、23b、23cが設けられた非導電性の本体部品10aを用意する。孔23a、23b、23cは、夫々、ソケットピン12、ソケットピン13、ソケットピン15を挿通するための孔となる。
次に、図7(b)に示すように、孔23aと孔23cの周囲に、孔23cに対応する開口を有する第3導電部材22aを取り付け、その後、図7(c)に示すように、第3導電部材22a上を覆う位置に、孔23cを有してなる非導電性の本体部品10bを取り付ける。
その後、図7(d)に示すように、孔23a内に、第1のシールド部材17及び第2のシールド部材19を外周側壁に取り付け済のソケットピン12を取り付け、孔23b、及び、23c内に、ソケットピン13、及び、ソケットピン15を夫々取り付ける。このとき、第1のシールド部材17が、ソケットピン12の外周下端部(第1面側)で第3導電性部材22aと接触し、ソケットピン15の外周下端部でソケットピン15の固定部分15aと接触する。
その後、図8(a)に示すように、ソケットピン12とソケットピン14の周囲に、第2のシールド部材19、及び、ソケットピン13の固定部分13aと接触するように、ソケットピン12とソケットピン13を挿通させるための2つの孔が設けられた第1導電性部材20を取り付ける。
その後、図8(b)に示すように、ソケットピン12とソケットピン15が夫々挿通する2つの孔が設けられ、ソケットピン13及び第1導電部材20を塞ぐ非導電性の本体部品10cを取り付ける。それから、ソケットピン12とソケットピン14が夫々挿通する2つの孔が設けられた第2導電部材21を、一方の孔をソケットピン12が挿通するようにして取り付ける。
その後、図8(c)に示すように、第2導電部材21の他方の孔にソケットピン14の固定部14aを嵌め込み、ソケットピン14を取り付ける。このとき、第2導電部材21は、固定部14aの外周側面、及び、第2のシールド部材19と接触する。
その後、図9(a)に示すように、ソケットピン12、ソケットピン14、及びソケットピン15を挿通させるための3つの孔が設けられた本体部品10dを取り付け、さらにその上に第3導電部材22bを、ソケットピン12及びソケットピン15の周囲に取り付ける。このとき、第3導電部材22bは、ソケットピン12の外周上端部(第2面側)で第1のシールド部材17と接触し、ソケットピン13の外周上端部でソケットピン15の固定部分15aと接触する。
その後、図9(b)に示すように、ソケットピン12及びソケットピン14を通すための少なくとも2つの孔が設けられた本体部品10eを取り付け、テストソケット1が完成する。
本実施形態では、本体部10を5つの本体部品10a〜10eに分けて構成した。このうち本体部品10a及び10bと、第3導電部材22aとを予め組み立てておき第1の構成部品とし、第1導電部材20、本体部品10c、及び第2導電部材21を予め組み立てておき第2の構成部品とし、本体部品10d及び第3導電部材22bを予め組み立てておき第3の構成部品とし、本体部品10eを第4の構成部品とすることができる。この場合、テストソケット1を構成するにあたって必要な中間部品の数は、4つとなる。
〈第3実施形態〉
また、本発明に係るテストソケットは、上記第1及び第2実施形態に示す構造のテストソケット1に限られるものではない。例えば、図10、図11に示す構造のテストソケット4も可能である。図10は、テストソケット4のソケット基板に垂直な面における模式的断面図である。図11は、テストソケット4をソケット基板にねじ止め固定し、ソケット基板上に搭載した状態の模式的断面図である。
テストソケット4は、特許文献1に記載の図15に示したソケット構造に、本発明に係る3層同軸構造のコンタクトピンを適用したものと類似の構成である。図10において、ソケットピン12及びソケットピン15は上記第1実施形態と略同一構成であり、ソケットピン12の外周を覆う絶縁部分16、第1のシールド部材17、絶縁部分18、及び、導電性の本体部品25aにより、3層からなる同軸構造のドレイン端子用コンタクトピンが構成されている。固定部分24aと可動部分24b、24cを備えて構成されたソケットピン(以下において、「ソケットピン24」と総称する)は、第1実施形態におけるソケットピン13及び14に相当し、本実施形態において、ソケットピン24が、ソケットピン13及び14が一体化された一本のソース端子用コンタクトピンを構成している。
本体部は、内部の導電性の本体部品25aと、当該部品25aを挟持する非導電性の本体部品25b及び25cで構成されており、部品25a内に形成された3つの貫通孔に、ソケットピン12、15、24が挿通されている。本体部品25bは、ソケットピン12、15、24の各固定部分12a、15a、24aを嵌め込むための凹部を有し、且つ、当該凹部内に、各可動部分12b、15b、24bを挿通できるだけの3つの孔が設けられている。同様に、本体部品25cは、ソケットピン12、15、24の各固定部分12a、15a、24aを嵌め込むための凹部を有し、可動部分12c、24cを挿通できるだけの3つの孔が凹部内に設けられている。本体部品25b、25cのこの構造により、ソケットピン12、15、24の各固定部分12a、15a、24aのテストソケット内の位置が固定される。部品25b、25cの内部には、夫々、ソケットピン15と第1のシールド部材17とを電気的に接続するための第3導電部材22a、22bが、取り付けられている。
ここで、ソケットピン15は、その外周側壁を覆う絶縁部分26により、部品25aから絶縁される。また、第1のシールド部材17の端部は、本体部品25b又は25cによって、部品25aから絶縁されている。
この構成では、被試験トランジスタからソケットピン24へ流れ込むソース電流のうち、ソケットピン12の外周側壁面近傍の導電部品25aを経由して流れる電流量は多くなく、電流の大半はソケットピン12から一定距離だけ離れた位置にあるソケットピンの固定部分24aを経由して流れる。このため、被試験トランジスタのドレイン端子からソケットピン12内を流れる電流により発生する磁界を完全に相殺することはできず、動特性テストにおける発振抑制の効果は第1実施形態のテストソケット1よりも低い。しかしながら、導電性の本体部品25aが第2のシールド部材として働くため、絶縁部分18を本体部品25aに取り付けておくことで、ドレイン端子用コンタクトピンとしては、ソケットピン12の外周側壁に絶縁部分16、第1のシールド部材17が形成された2層構造の同軸ピンを使用できる。
以上、本発明に依れば、数十nA以下の高精度が要求される600V〜800V以上の高ドレイン電圧でのリーク電流テストと、スイッチングテストやゲート容量テストに代表される、コンタクトピンのインダクタンスに起因する発振対策が必要な動特性テストとを、テストソケットの取り外し、取替を行うことなく、同じテスト治具を使用して実施することができる。これにより、パッケージ試験において、高電圧でのリーク電流テストと、発振対策が必要な動特性テストを、複数の試験(テストパス)に分けて実施する必要がなく、1度の試験でリーク電流テストと動特性テストを連続して実施でき、全体のテスト時間を短縮できる。この結果、テスト時間が短縮されることにより、テストコストが低減され、TAT(Turnaround Time)が改善され、トランジスタの製造コストが削減される。
〈別実施形態〉
以下に、本発明の別実施形態について説明する。
〈1〉本発明は、上記第1〜第3実施形態において説明したテストソケット1、4の構造に限られるものではない。ドレイン端子用コンタクトピンが、最も内側のソケットピン12、中間層の第1のシールド部材17、及び、最外周の第2のシールド部材19が絶縁部分を介して積層された3層同軸構造を有して、第1のシールド部材17に被試験トランジスタのドレイン端子に印加される電圧と同じ電圧(ソケットピン12への供給電圧と同じ電圧)を供給し、被試験トランジスタのソース端子からのソース電流が第2のシールド部材19を経由して流れるように構成する限り、テストソケットの構造は特に限定されない。
〈2〉例えば、上記第1実施形態において、テストソケット1は、第1のシールド部材17とソケットピン15とを電気的に接続する2枚の第3導電部材22a、22bを備えている。しかし、当該第3導電部材22a、22bは、第1のシールド部材17にソケットピン15からの電圧を与えるためのものである。このため、第1のシールド部材17と電気的に接続する第3導電部材は最低で1つあれば良いし、或いは、3つ以上の第3導電部材を設けても差し支えない。
図12のテストソケット5の構成に示すように、第1のシールド部材17とソケットピン15との電気的接続を、ソケット基板側に配された第3導電部材22aのみで行う場合には、固定部分15aが短いソケットピン15を用いることができる。図1のような被試験トランジスタに面する第2面側まで固定部15aが延長するソケットピン15を用いる必要はない。
〈3〉また、上記第1〜第3実施形態では、第1のシールド部材17は、その外周側面上の上端部及び下端部において、絶縁部分18及び第2のシールド部材19で覆われていない露出領域28a、28bが設けられ、当該露出領域を介して第1のシールド部材17と第3導電部材22a、22bが接続される構成である。このため、第3導電部材22a、22bは、第1導電部材20より第1面側(ソケット基板側)或いは第2導電部材21よりも第2面側(被試験トランジスタ側)で、第1のシールド部材17と接続されることとなる。しかしながら、当該露出領域は、第1のシールド部材17の外周側面の全周ではなく、全周のうち一部に設けられても構わない。さらに、テストソケットの組み立てが若干複雑にはなるが、図13に示すように、第1面と第2面の間の中間位置に、第1のシールド部材17が絶縁部分18及び第2のシールド部材19で覆われていない露出領域28cを開口し、当該開口に第3導電部材22cが嵌め込まれ、第1のシールド部材17と第3導電部材とが接続される構成とすることもできる。したがって、第1のシールド部材17と第3導電部材22a〜22cの接続位置は、第2のシールド部材19と第1、第2導電部材20、21の接続位置に依らず、任意の構成を採用できる。
また、第2のシールド部材19をその側壁面の一部において第1のシールド部材17を超えて第1面側(第2面側)に延伸、突出させることで、第2のシールド部材19と第1導電部材20(第2導電部材21)との接続位置を、第1のシールド部材17と第3導電部材22a(22b)の接続位置よりも第1面側(第2面側)とすることも可能である。この場合、第2のシールド部材19の当該突出部分を、第1導電部材20(第2導電部材21)に嵌め込んで接続を形成する。
〈4〉上記第1〜第3実施形態では、説明の都合上、ソケットピン12〜15は、ソケット基板の基板面に垂直方向から見て同一直線上に配置されているとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、テストソケット内のソケットピン12〜15の配置は自由である。また、ソケットピン13と14は、基板面に垂直な方向から見て同じ位置にある(基板面上の平面位置座標が同じ)場合を想定したが、被試験トランジスタのパッケージレイアウト及びソケット基板上の配線レイアウトに応じて、ソケットピン13と14の位置を異ならせてもよい。
〈5〉また、ソケットピン12〜15の固定部分及び可動部分の長さや太さ、形状等は、夫々、必要に応じて適宜調整が可能である。当該調整に応じて、第1〜第3導電部材の取り付け位置も調整されうる。
〈6〉上記第2実施形態では、本体部を5つの本体部品で構成し、第1〜第3導電部材が取り付けられた4つの中間部品を予め用意して、テストソケット1を組み立てる例を説明したが、本体部品の構成の仕方、中間部品の構成の仕方としては、様々な方法を考えることができる。
しかしながら、上記別実施形態〈2〉〜〈5〉で説明した変形例を考慮し、第3導電部材の個数及び取り付け位置、並びに、第1、第2導電部材の取り付け位置は任意であり、第2面側に配置される本体部品では、ソケットピン15を挿通するための孔を必ずしも設ける必要はないことを踏まえれば、本体部品の構成の仕方として、少なくとも下記の3種の本体部品を備えるのが好ましい:
(1)ソケットピン12、13、15を夫々挿通するための3つの孔を有した第1の本体部品(本体部品10a及び本体部品10bからなる部品が該当)。
(2)少なくともソケットピン12を挿通するための孔を1つ有した第2の本体部品(本体部品10cが該当)。構成によっては、ソケットピン15を挿通するための孔、及び/又は、ソケットピン13又は14を挿通すための孔を更に有していることがある。
(3)少なくともソケットピン12及び14を挿通するための2つの孔を有した第3の本体部品(本体部品10d及び本体部品10eからなる構成部品が該当)。構成によっては、ソケットピン15を挿通するための孔を更に有していることがある。
第1導電部材20は、上記3種の本体部品のうち第1の本体部品又は第2の本体部品に取り付けられ、第1導電部材20が取り付けられた中間部品が構成される。第2導電部材21は、上記3種の本体部品のうち第2の本体部品又は第3の本体部品に取り付けられ、第2導電部材21が取り付けられた中間部品が構成される。第3導電部材22は、上記3つの本体部品のうち少なくとも何れか1つに取り付けられていればよい。上記の通り、複数の第3導電部材22が、複数の中間部品毎に分別されて取り付けられることもできる。
上記三種の本体部品のうち少なくとも何れかを、更に複数の部品に分割してテストソケット用部品を構成してもよいし、必要に応じて上記3種の本体部品の他に別の部品を加えて、テストソケットが組み立てられても構わない。
〈7〉上記第1及び第3実施形態における絶縁部分16、18、26は、第1のシールド部材17をソケットピン12及び第2のシールド部材19から電気的に分離し、又は、ソケットピン15の固定部15aを導電性の本体部25aから電気的に分離するために設けられたものである。このため、ソケットピン12から空間を空けて離間するように第1のシールド部材17を取り付け、第1のシールド部材17から空間を空けて離間するように第2のシールド部材19を取り付けたり、本体部品25aを、第1のシールド部材17及び固定部15aから空間を空けるように離間して取り付けたりすれば、当該空間が絶縁部分として機能する。
〈8〉上記第1〜第3実施形態及び別実施形態では、第1のシールド部材17への電圧供給を、ソケットピン15を介して行う構成としたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、第1のシールド部材17とソケット基板との接続を、第3導電部材22aと接続したワイヤをソケット基板と接続して行い、当該ワイヤを介して、第1のシールド部材17への電圧供給が行われる構成も考えられる。
本発明は、半導体トランジスタのテストに利用可能であり、特に、パワーデバイス等の100V超の高電圧ないし1A超の大電流で使用されるトランジスタのパッケージテストにおいて、好適に利用可能である。
1、4、5: 本発明の一実施形態に係るテストソケット
2: ソケット基板
3: 取り付けねじ
10: 本体部
10a〜10e: 本体部品
11a〜11e: 本体部に設けられた開口
12: 第1のピン
12a: 第1のピンの固定部分
12b、12c: 第1のピンの可動部分
13: 第2のピン
13a: 第2のピンの固定部分
13b: 第2のピンの可動部分
14: 第3のピン
14a: 第3のピンの固定部分
14b: 第3のピンの可動部分
15: 第4のピン
15a: 第4のピンの固定部分
15b: 第4のピンの可動部分
16、18、26: 絶縁部分
17: 第1のシールド部材
19: 第2のシールド部材
20: 第1導電部材
21: 第2導電部材
22a〜22c: 第3導電部材
23a〜23c: 本体部品の孔
24: ソース端子用ソケットピン
24a: ソース端子用のソケットピンの固定部分
24b: ソース端子用のソケットピンの可動部分
25a〜25c: 本体部品
28a〜28c: 第1のシールド部材の露出領域
30a: 従来構造の信号用コンタクトピンの固定部分
30b、30c: 従来構造の信号用コンタクトピンの可動部分
31: 信号送受部
32: シールド部
33: ソケット本体
34: コンタクトピン外周絶縁物
35a: 従来構造のシールド用コンタクトピンの固定部分
35b、35c: 従来構造のシールド用コンタクトピンの可動部分
36: 導電性結合材
37: 動特性評価用の同軸コンタクトピン
38: リーク電流測定用の同軸コンタクトピン
39、40: リレー
41: 試験装置

Claims (5)

  1. 半導体トランジスタのパッケージ試験において、制御信号を供給するソケット基板と被試験トランジスタを接続するために使用されるテストソケットであって、
    使用時において前記ソケット基板に面する第1面側に第1及び第2の開口部を有し、使用時において前記被試験トランジスタに面する第2面側に第3及び第4の開口部を有してなる本体部、
    前記本体部の前記第1の開口部と前記第3の開口部との間を貫通する貫通孔内に配置され、前記第1面側で前記ソケット基板と、前記第2面側で前記被試験トランジスタと接触して前記被試験トランジスタと前記制御信号の送受を行うための、前記本体部から電気的に分離された導電性の第1のピン、
    前記第2の開口部内に配置された導電性の第2のピン、
    前記第4の開口部内に配置された導電性の第3のピン、
    前記第1のピンの外周側面を第1の絶縁部分を介して覆い、前記本体部から電気的に分離された導電性の第1のシールド部材、及び、
    前記第1のシールド部材の外周側面を第2の絶縁部分を介して覆う導電性の第2のシールド部材を備え、
    前記第2のピン及び前記第3のピンが、夫々、前記第2のシールド部材と電気的に接続されていることを特徴とするテストソケット。
  2. 非導電性の前記本体部を有し、
    前記第2のピンが、前記第2のシールド部材の前記第1面側の端部又はその近傍と、前記第3のピンが、前記第2のシールド部材の前記第2面側の端部又はその近傍と、夫々、電気的に接続していることを特徴とする請求項1に記載のテストソケット。
  3. 前記本体部が、前記第1面側に第5の開口部を有し、
    前記第5の開口部内に配置され、前記本体部から電気的に分離された導電性の第4のピンを備え、前記第4のピンが前記第1のシールド部材と電気的に接続していることを特徴とする請求項1又は2に記載のテストソケット。
  4. 非導電性の前記本体部を有し、
    前記本体部が、第1、第2、及び第3の部品を備えて構成され、
    前記第1の部品は、前記第1のピン、前記第2のピン、及び前記第4のピンを夫々挿通するための3つの孔を有し、
    前記第2の部品は、少なくとも前記第1のピンを挿通するための孔を有し、
    前記第3の部品は、少なくとも前記第1のピン及び前記第3のピンを夫々挿通するための2つの孔を有し、
    前記第2のピンと前記第2のシールド部材を電気的に接続する第1導電部材が、前記第1の部品及び前記第2の部品の何れかに取り付けられ、
    前記第3のピンと前記第2のシールド部材を電気的に接続する第2導電部材が、前記第2の部品及び前記第3の部品の何れかに取り付けられ、
    前記第4のピンと前記第1のシールド部材を電気的に接続する第3導電部材が、前記第1の部品、前記第2の部品、及び、前記第3の部品のうち少なくとも何れか1つに取り付けられ、
    前記第2導電部材は、前記第1導電部材と前記第2のシールド部材とが電気的に接続される位置よりも前記第2面側で前記第2のシールド部材と電気的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載のテストソケット。
  5. 半導体トランジスタのテスト方法であって、
    最も内側の信号送受部と、中間層の第1のシールド部と、最外周の第2のシールド部とが夫々絶縁部分を介して積層された三層からなる同軸構造のコンタクトピンを備えたテストソケットを、前記テストソケットの第1面がソケット基板と対面するように、前記ソケット基板上に固定し、
    前記テストソケットの被試験トランジスタに面する第2面側で、被試験トランジスタのドレイン端子を前記信号送受部と、被試験トランジスタのソース端子を前記第2のシールド部と、夫々接続し、
    前記ソケット基板を介して、前記テストソケットの前記第1面側から、前記信号送受部に前記被試験トランジスタのドレイン端子に印加するための試験電圧を供給するとともに、前記第1のシールド部に前記試験電圧と同じ電圧を供給し、前記被試験トランジスタの試験を実施することを特徴とするテスト方法。
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