JP6381497B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンバータとこのコンバータからの直流電圧を交流電圧に変換してモータに供給するインバータとを備えた電力変換装置に関するものである。
従来より、モータを制御するための電力変換装置の一つとしてスイッチング素子を備えたインバータが広く用いられている。インバータは、直流電力をスイッチング制御により交流電力に変換する。インバータのスイッチング制御には、電圧指令値と搬送波(キャリア波)との電圧比較に基づくPWM(Pulse Width Modulation)信号により、インバータのスイッチング素子をオンオフするPWM制御方式が利用される場合が多い。
PWM制御方式の一つに、キャリア周波数をインバータの駆動周波数の整数倍とする同期PWM制御方式がある。同期PWM制御方式を用いると、モータ電圧の歪みが低減され、特に低周期での電圧波形の周期的なビート現象を抑制できる。
しかし、同期PWM制御方式では、インバータの駆動周波数が大きくなるとスイッチング周波数が増加し、スイッチング損失の増加につながる。そのため、スイッチング損失の増大を回避するために、インバータの駆動周波数に対応してキャリア周波数との整数倍比を切り替える手法が行われている。
例えば、特許文献1では、モータの回転数とトルク指令とに基づきPWM信号を生成し、モータを駆動することが提案されている。そして、特許文献1では、変調率に基づいて非同期PWM制御および同期PWM制御のいずれかを選択し、更に、同期PWM制御の場合にはパルス数を算出してPWM信号を生成し、インバータのスイッチング制御を行っている。そして、同期PWM制御のパルス数は、モータの電流歪率が所定値以下になるパルス数のうち、最も小さなパルス数を選択することが提案されている。
特開2013−187933号公報(特許請求の範囲請求項5等参照)
特許文献1では、電流歪率が閾値以下となる範囲で、スイッチング損失が低くなるようパルス数を極力低減する制御を行うので、パルス数が小さくなり過ぎてモータの相電流が大きく歪み制御が不安定になるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、電流歪率が低くなってモータ損失が低減し、しかも、パルス数が小さくなり過ぎることがなく安定した制御特性が得られる電力変換装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子を備え直流電圧を出力するコンバータ、スイッチング素子を備え直流電圧を交流電圧に変換し電動機に供給するインバータ、およびコンバータおよびインバータを制御する処理部を備えた電力変換装置であって、
PWM制御におけるキャリア信号と電圧指令信号との関係が非同期方式かまたは両信号の周波数比を特定した同期方式かをキャリアモードで規定するものとし、
処理部は、電動機の速度指令値に基づき第一インバータ電圧を演算するとともにキャリアモードを設定し、設定したキャリアモードに応じてインバータのスイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング信号および電動機の電流歪率が最小となる変調率と電圧指令値とに基づく第一直流電圧指令値を生成するインバータ制御部、およびコンバータが出力する直流電圧が第一直流電圧指令値に追従するようコンバータのスイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング信号を生成するコンバータ制御部を備え
コンバータは、交流電源の交流電圧を整流した電圧を昇圧して直流電圧として出力するものであり、コンバータから交流電源に流出する高調波電流の基準波電流に対する比である高調波含有率が、速度指令値の変化範囲に応じて定まる直流電圧の変化範囲内において予め設定された規制値を越える規制外電圧範囲が存在する場合、規制外電圧範囲での運転を回避するよう、規制外電圧範囲において第一直流電圧指令値に替わる第二直流電圧指令値を生成する第二直流電圧指令値算出器を備え、コンバータ制御部は、規制外電圧範囲では、コンバータが出力する直流電圧が、第二直流電圧指令値に追従するようコンバータのスイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング信号を生成するようにしたものである。
この発明に係る電力変換装置は、以上のように、電動機の速度指令値に基づきキャリアモードを設定し、かつ、電動機の電流歪率が最小となる変調率で動作するので、電流歪率が低くなってモータ損失が低減し、しかも、パルス数が小さくなり過ぎることがなく安定した制御特性が得られる。
本発明の実施の形態1による電力変換装置12の全体構成を示す図である。 図1のINV制御部8の内部構成を示す図である。 図2のキャリアモード生成器82によるキャリアモード指令値ptn*の生成要領を説明する図である。 キャリアモードを切り替えた時のキャリア信号の具体的な設定例を示すタイミングチャートである。 図2のINV制御器83の内部構成を示す図である。 電圧位相θv2と各キャリアモードのキャリア波との関係を示す図である。 図5のキャリアモード切替許可判定器832の内部構成を示す図である。 キャリアモード切替許可判定器832に基づく、キャリアモード切替タイミングの生成を説明する図である。 図5のキャリア周期補正量演算器833の動作を示すフローチャートである。 各キャリアモードにおける、モータの電流歪率ITHDと変調率Dutyとの関係を示す図である。 モータ加速時における、直流電圧Vdcと変調率Dutyとキャリアモードptnとの時間経過を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2におけるCNV制御部7Aの内部構成を示す図である。 本発明の実施の形態2による電力変換装置におけるCNV3Aの内部構成を示す図である。 マルチレベルチョッパを適用したCNV3Aの特性例を示す図である。 図12の第二直流電圧指令値算出器72による昇圧モードVdcmodeと第二直流電圧指令値Vdc*CNVとの算出要領を説明する図である。 図12のCNV制御器73で処理される、昇圧モードとスイッチングモードとの関係を示す図である。 図16におけるスイッチングモードMode毎のスイッチング素子Tr1、Tr2、ダイオードD1、D2のON/OFF状態を示す図である。 図12のCNV制御器73における、直流電圧指令値Vdc*INVLIMと第二直流電圧指令値Vdc*CNVとの切替要領を示す図である。 本発明の実施の形態2のモータ加速時における、各信号の時間経過を示すタイミングチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による電力変換装置12の全体構成を示す図である。図1において、電力変換装置12は、三相の交流電源1の交流電圧を整流して直流電圧を出力する三相の整流器2、整流器2からの直流電圧を変換して直流電圧Vdcを出力するコンバータ(以下、CNVと記す)3、CNV3の出力側に接続されCNV3からの出力電圧を平滑化し充電する平滑コンデンサ4、平滑コンデンサ4の両極間に接続され直流電圧Vdcを三相の交流電圧に変換して電動機(以下、モータと記す)6に供給するインバータ(以下、INVと記す)5、およびCNV3を制御するCNV制御部7とINV5を制御するINV制御部8とからなる処理部13を備えている。
そして、整流器2は、例えば、6個の整流ダイオードをブリッジ接続した構成となっている。
CNV3は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子を備え、CNV制御部7からのスイッチング信号Cp、Cnに基づいてスイッチング素子をオンオフすることで制御を行うが、その具体的な構成例は、後段の実施の形態2で説明するものとする。
INV5は、例えば、三相ブリッジ接続のIGBT等のスイッチング素子と各スイッチング素子に逆並列に接続された還流ダイオードとから構成されている。そして、INV5は、平滑コンデンサ4によって平滑された直流電圧Vdcを、INV制御部8からのPWM信号であるスイッチング信号Up〜Wnに基づいてスイッチング素子をオンオフ制御することで三相の交流電圧に変換しモータ6に供給する。
また、INV制御部8は、詳細は後述するが、モータ6の速度指令値ω*に基づき、第一直流電圧指令値Vdc*INVおよびINV5へのスイッチング信号Up〜Wnを生成する。また、CNV制御部7は、INV制御部8からの第一直流電圧指令値Vdc*INVおよび入力電流センサ9により検出されたCNV3の入力電流Idcに基づき、CNV3へのスイッチング信号Cp、Cnを生成する。
なお、CNV制御部7およびINV制御部8の処理は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行する処理部13により実現される。ここで、記憶部14は、モータ6の電気回路定数や制御に必要なパラメータ、上述の処理演算の内容を記述したプログラムなどが記憶されたメモリーにより構成される。
処理部13は、マイコン(マイクロコンピュータ)やDSP(Digital Signal Processor)、FPGAなどのハードウェア回路に論理構成されたプロセッサにより構成される。また、複数の処理部13および複数の記憶部14が連携して前記機能を実行してもよい。
図2は、図1のINV制御部8の内部構成を示すブロック図である。図2において、速度指令値演算器81は、速度指令値ω*に基づきモータ6に印加するための、二軸の電圧指令値Vd*、Vq*および制御遅延補正を施した基準電圧位相θvを演算する。
なお、制御遅延補正は、一般に、指令値とフィードバック検出値とのタイミングを調整するための処理で、無駄時間を考慮して、通例速度指令値ω*を積分した値θに1.5をかけた値をθvとしている。
なお、この発明では、後段で詳述するように、INV5の指令電圧として、電動機の電流歪率を最小とする変調率と関連させて演算により求める、INV5の入力電圧に対応する第一直流電圧指令値Vdc*INVを設定する。一方、上述の電圧指令値Vd*、Vq*は、後述するように、速度指令値ω*に基づき一般的な方法で算出するINV5の出力電圧に対応する値であり、あくまでも最終の第一直流電圧指令値Vdc*INVを求めるための情報の一例であり、同様の目的を達成し得るものであれば他の情報であってもよい。
この意味で、本願請求項1では、この情報を第一インバータ電圧と称している。
また、速度指令値ω*から電圧指令値Vd*、Vq*を導出する要領は、公知であり、本願発明の要旨とは直接関係しないのでその詳しい説明は省略するが、例えば、速度指令値ω*と別途検出されたモータ6の速度検出値との偏差に基づき速度制御手段により電流指令値を演算し、この電流指令値と電流センサ10で検出されたモータ6の電流検出値との偏差に基づき電流制御手段により電圧指令値Vd*、Vq*を導出する方法等がある。
キャリアモード生成器82は、詳細は後段の図3で説明するが、速度指令値ω*に基づきキャリアモード指令値ptn*を生成する。
INV制御器83は、詳細は後段の図5で説明するが、速度指令値ω*と速度指令値演算器81からの二軸の電圧指令値Vd*、Vq*と基準電圧位相θvとキャリアモード生成器82からのキャリアモード指令値ptn*とからキャリアモードptnおよびINV5へのスイッチング信号Up〜Wnを生成する。
変調率指令値生成器84は、更に後段で詳述するが、INV制御器83からのキャリアモードptnに基づき変調率指令値Duty*を生成する。第一直流電圧指令値算出器85は、更に後段で詳述するが、速度指令値演算器81からの二軸の電圧指令値Vd*、Vq*と変調率指令値生成器84からの変調率指令値Duty*とに基づきCNV制御部7への第一直流電圧指令値Vdc*INVを算出する。
次に、図2のキャリアモード生成器82によるキャリアモード指令値ptn*の生成方法について、図3を用いて説明する。ここで、キャリアモードとは、モータ制御に係るPWM制御のパターンを示す。具体的に、キャリアモードには、PWM制御におけるキャリア信号の周波数(以下、単に、「キャリア周波数」とも記す)がINV5の出力電圧の周波数とは関係なく設定される非同期PWM制御(以下、単に「非同期モード」と記す)と、キャリア周波数がINV5の出力電圧の周波数の整数倍となるように設定される同期PWM制御(以下、単に「同期モード」と記す)とがある。
更に、同期PWM制御としては、例えば、この整数を9とする同期9パルスモード(以下、単に「同期9パルス」と記す)、同じく6とする同期6パルスモード(以下、単に「同期6パルス」と記す)、同じく3とする同期3パルスモード(以下、単に「同期3パルス」と記す)といった複数の同期パターンを用いてもよいし、一つの同期パターンを用いてもよい。
図3は、本発明の実施の形態1におけるキャリアモード生成器82による、キャリアモード指令値ptn*の生成要領の具体例を示す。ここでは、切替速度ω*1、ω*2、ω*3[rps]が予め設定されている。そして、モータ6を駆動する速度、即ち、速度指令値ω*が切替速度ω*1未満のときは非同期モードを設定する。切替速度ω*1以上の範囲では同期モードで、速度指令値ω*が大きくなるに連れて同期9パルス→同期6パルス→同期3パルスと、キャリア信号とINV5の出力電圧との周波数比が順次段階的に低減するようキャリアモード指令値ptn*を設定する。
キャリアモード生成器82は、具体的には、次のようにしてキャリアモード指令値ptn*を生成する。速度指令値ω*が0[rps]以上ω*1[rps]未満なら、キャリアモード指令値ptn*として非同期モードを示す0を生成する。ω*1[rps]以上ω*2[rps]未満なら、キャリアモード指令値ptn*として同期モードの同期9パルスを示す9を生成する。ω*2[rps]以上ω*3[rps]未満なら、キャリアモード指令値ptn*として同期モードの同期6パルスを示す6を生成する。そして、ω*3[rps]以上なら、キャリアモード指令値ptn*として同期モードの同期3パルスを示す3を生成する。
従って、キャリアモード指令値ptn*は、非同期モードのときは0となり、同期モードのときは3、6、9のいずれかの値となる。
図4は、キャリアモードを切り替えた時のキャリア信号の設定例を示す。なお、図4では、横軸は、INV5の出力電圧の周波数に相当する速度指令値ω*、縦軸は、キャリア信号の周波数であるキャリア周波数fcで表示している。
この具体例では、速度指令値ω*がω1*までの低速域における非同期モードでは、キャリア周波数fcをfc1一定としている。これは、低周波における雑音を避けるとともにキャリア周波数を極力低く設定してINV5のスイッチング損失の抑制を図ったものである。更に、非同期モードから同期9パルスへの切替時もキャリア周波数が滑らかにつながり切替時のショックも抑制される。
また、より高速域での同期9パルスから同期6パルス、更に同期3パルスへの切替においてもキャリア周波数は比較的小幅内での変動となり、円滑で安定した制御特性が得られスイッチング損失の増大も防止されるという効果が得られる。
次に、先の図2のINV制御器83について説明する。図5は、このINV制御器83の内部構成を示す。更に、図6は、同期9パルス、同期6パルス等各同期モードの切替が円滑になされるよう、特に、このINV制御器83により、各同期モードにおけるキャリア信号の位相を調整する要領を説明するものである。なお、図6の上段は、u相を例に、その電圧指令値Vu*の波形、電圧位相を示す。下段の3つの波形は、以下で詳述するINV制御器83の、特に、キャリア周期補正量演算器833とキャリア波生成器834との処理に基づきそれぞれ位相が調整された、同期9パルス、同期6パルス、同期3パルスのキャリア信号の波形、電圧位相を示す。
図5に戻り、INV制御器83の各要素を、図6を適宜参照して説明する。
先ず、電圧位相演算器831は、先の速度指令値演算器81(図2)からの二軸の電圧指令値Vd*、Vq*と基準電圧位相θvとを用いて位相調整を施した電圧位相θv2を算出する。電圧位相θv2は、例えば、基準電圧位相θvに対して90[deg]位相を進めた位相とする。そして、この電圧位相θv2を用いて、二軸の電圧指令値Vd*、Vq*を三相座標に変換して三相の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算する。
キャリアモード切替許可判定器832は、キャリアモード生成器82(図2)で生成したキャリアモード指令値ptn*と電圧位相演算器831により演算した電圧位相θv2とに基づいて、キャリアモードptnを生成する。
図7は、図5のキャリアモード切替許可判定器832の内部構成を示す。キャリアモード切替許可判定器832は、電圧位相θv2に基づいて同期モードから異なる同期モードへの同期切替動作を実現するために必要な位相切替許可信号ptnthetaを生成する位相切替条件8321と、キャリアモード指令値ptn*と位相切替許可信号ptnthetaとに基づいてキャリアモードptnを生成する非同期/同期切替条件判別8322とで構成される。
先の図6を参照しながら位相切替条件8321の処理内容の説明をする。
ところで、同期モードのキャリア波の切り替えは、図6に示すように、電圧位相θv2において各キャリア波の谷が揃う位相である90、210、330[deg]のいずれかの位相となるタイミングで実施すると、キャリア波の切替をスムーズに行うことできる。
なお、図6は、キャリアモードの切替移行の動作をスムーズに行えるよう調整するものであるので、同一の目的を実現するためには、必ずしも図6に例示するように、切替移行時点で各キャリア波がすべて谷となるようにする必要はなく、各キャリア波の山、山から谷への中間、谷から山への中間のいずれかの位相であってもよい。
以上のことから、図7での位相切替許可信号ptnthetaは、電圧位相θv2が、90、210、330[deg]のいずれかの位相になると、1を出力する。一方、電圧位相θv2が、90、210、330[deg]以外の場合は、0を出力する。
次に、図8を用いて非同期/同期切替条件判別8322の処理内容の説明をする。図8は、キャリアモード指令値ptn*と位相切替許可信号ptnthetaとがどのタイミングになったらキャリアモードptnを生成するかを示している。
即ち、非同期/同期切替条件判別8322は、図8に示すように、非同期モードから同期モード、もしくは、同期モードから非同期モードへの切替時には、速度指令値ω*が予め設定した切替速度ω*1をまたぐタイミングでキャリアモードptnの切替動作を実行する。
一方、同期モードから異なる同期モードへの切替時は、速度指令値ω*が予め設定した切替速度をまたいだ後、位相切替条件8321からの位相切替許可信号ptnthetaが1になったタイミングで、キャリアモードptnの切替処理を実行する。
図5に戻り、キャリア周期補正量演算器833は、電圧位相演算器831により演算した電圧位相θv2とキャリアモード切替許可判定器832からのキャリアモードptnとに基づいてキャリア周期補正量Δtcを演算する。
図9は、このキャリア周期補正量演算器833における、キャリア周期補正量Δtcの生成に関するフローチャートである。
先ず、位相指令値θv2*生成8331では、キャリアモードptnが切り替わったら同期パルスごとに位相指令値θv2*を生成する。例えば、同期9パルスで制御する場合、キャリア波1周期毎に電圧位相θv2を40=360/9[deg]毎に予め設定する。
以上のように、キャリアモード切替時の連続性を確保するため同期パルス毎に位相指令値θv2*を生成してキャリア波を生成するが、この位相指令θv2*と電圧位相θv2とにズレが生じ得る。そこで、このズレを速やかに解消する以下の処理が必要となる。
位相差分値ΔP演算8332では、例えば、以下の式(1)を用いて、上記したズレに相当する位相差分値ΔPを算出する。
ΔP=θv2*−θv2 ・・・(1)
そして、キャリア周期補正量Δtc演算8333では、例えば、以下の式(2)を用いてキャリア周期補正量Δtcを算出する。
Δtc=ΔP×GAIN ・・・(2)
式(2)において、GAINはキャリア周期ゲインである。即ち、ここでは、キャリアモード切替後、発生した位相差分値ΔPを速やか解消するため、位相差量にGAINを乗算することで周期差量に変換し、式(2)で算出したキャリア周期補正量Δtcを0に収束させる演算手法を採用する。
なお、キャリア周期ゲインGAINは、全運転領域中に位相差分値ΔPが収束する範囲であれば、固定値を設定してもよいし、可変値を設定してもよい。例えば、キャリア周期ゲインGAINを可変値に設定する場合は、速度指令値ω*に応じてキャリア周期ゲインGAINを調整するように設定してもよい。
再び図5に戻り、キャリア波生成器834は、キャリアモードptnとキャリア周期補正量Δtcと速度指令値ω*とに基づいて、PWM制御に必要なキャリア波Carrierを生成する。
具体的には、キャリア波生成器834は、式(2)で算出したキャリア周期補正量Δtcを用いて、以下の式(3)によりキャリア周期tcを算出する。
tc=1/(ptn×ω*)+Δtc ・・・(3)
そして、キャリア波生成器834では、キャリア周期補正量Δtcが0に収束するようキャリア波Carrierを出力する。以上により、キャリア波生成器834が出力するキャリア波Carrierの周波数は、キャリアモード切替後、速やかに同期パルスの正確な周波数ptn×ω*に収束する。
以上で説明した収束演算を伴う手法でキャリア波を生成することにより、結果として図6で示すように、キャリアモードが同期9パルスの場合、電圧位相θv2が0[deg]の時に、キャリア波が山から谷への中間になるように、また、キャリアモードが同期6パルスの場合、電圧位相θv2が0[deg]の時に、キャリア波が山になるように、また、キャリアモードが同期3パルスの場合、電圧位相θv2が0[deg]の時に、キャリア波が谷から山への中間になるように、キャリア波の位相を制御することが出来る。
そして更に、キャリアモードの切替を電圧位相θv2が、90、210、330[deg]のいずれかの時点で実行することにより、キャリアモード切替移行時のキャリア波の連続性が確保され、円滑で安定した制御特性が得られる訳である。
INV制御器83の最終段であるPWM比較器835(図5)は、電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*とキャリア波Carrierとに基づいてスイッチング信号Up〜Wnを生成する。
以上説明したように、INV制御器83は、INV5へのスイッチング信号Up〜Wnとキャリアモードptnを生成する。
図2に戻り、変調率指令値生成器84は、INV制御器83からのキャリアモードptnに基づき変調率指令値Duty*を生成する。
図10は、モータの電流歪率ITHDと変調率Dutyとの関係を示したものである。図10では、変調率Dutyが1を超えると過変調となる。図10に示すように、キャリアモードptnごとにモータの電流歪率ITHDが最小となる変調率Dutyのポイント(図10中、X、Y、Z、Pで示す)が存在する。
電流歪率ITHDは、非同期の時が一番大きく、同期6パルス、同期3パルス、同期9パルスの順で小さくなる。変調率Dutyは、非同期ではX、同期3パルスではP、同期6パルスではZ、同期9パルスではYで電流歪率が最小となる。非同期の場合、奇数次や偶数次のモータ電流高調波によりモータの電流歪率が、同期6パルスの時や同期9パルスの時よりも大きくなる。また、同期6パルスは、偶数次のモータ電流高調波の影響により同期9パルスの時よりも電流歪率が大きくなる。
また、同期3パルスは、同期9パルスと比較して、電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*の1周期中のパルス数が少ないので、電流歪率が大きくなる。なお、電流歪率ITHDは、電流センサ10から取得したモータ電流を用いて、実効電流値Irmsを算出し、その実効電流値Irmsから以下の式(4)により演算する。
Figure 0006381497
式(4)において、nは2以上の自然数である。例えば、Irms(1)は基本波成分の実効電流値、Irms(2)は2倍高調波の実効電流値であり、Irms(i)はi倍高調波の実効電流値である。
以上のキャリアモードごとの電流歪率の関係から、変調率指令値生成器84は、変調率Dutyに応じた電流歪率ITHDが最小となるポイント(図10中、X、Y、Z、P)をキャリアモードptnごとにデータベースとして保持しておく。
具体的には、変調率指令値生成器84は、INV制御器83からのキャリアモードptnが非同期を示す0の場合は、変調率指令値Duty*としてXを設定し、INV制御器83からのキャリアモードptnが同期6パルスを示す6の場合は、変調率指令値Duty*としてZを設定し、INV制御器83からのキャリアモードptnが同期9パルスを示す9の場合は、変調率指令値Duty*としてYを設定し、INV制御器83からのキャリアモードptnが同期3パルスを示す3の場合は、変調率指令値Duty*としてPを設定する。
第一直流電圧指令値算出器85(図2)は、速度指令値演算器81からの二軸の電圧指令値Vd*、Vq*と変調率指令値生成器84からの変調率指令値Duty*とから、以下の式(5)によりCNV制御部7への第一直流電圧指令値Vdc*INVを算出する。
Figure 0006381497
算出された第一直流電圧指令値Vdc*INVは、CNV制御部7へと指令される。そして、CNV制御部7は、第一直流電圧指令値Vdc*INVに追従するように直流電圧Vdcを制御する。
以上により、キャリアモード毎にモータの電流歪率が最小となる変調率で、しかも、INV5が、本来、速度指令値ω*に基づき必要とされた変調率に相当する電圧を出力するようCNV制御部7に対してCNV3の出力電圧(INV5の入力電圧)Vdcを、式(5)で算出した第一直流電圧指令値Vdc*INVにするべく指令するわけである。
図11は、本発明の実施の形態1による電力変換装置12の動作特性として、モータ加速時における、直流電圧Vdcと変調率Dutyとキャリアモードptnとの時間経過を示すタイミングチャートである。図11において、すべての横軸は時刻、1段目の縦軸は、第一直流電圧指令値Vdc*INV(実線)と直流電圧Vdc(破線)、2段目の縦軸は、変調率指令値Duty*(実線)と変調率Duty(一点鎖線)、3段目の縦軸は、キャリアモードptn(実線)を示している。
以下、キャリアモードptnごとに動作について説明する。
(1)非同期(キャリアモードptn=0の時):
速度指令値ω*が徐々に上昇するに従って、二軸の電圧指令値Vd*、Vq*が増大、変調率Dutyも、設定された変調率指令値Duty*=Xまで上昇する。このとき、第一直流電圧指令値Vdc*INVは、式(5)の変調率指令値Duty*にXの値が代入されて算出される。
そして、直流電圧Vdcは、CNV制御部7の制御に基づいて第一直流電圧指令値Vdc*INVに追従して上昇する。例えば、図10に示すように、変調率指令値Xに1を超える値を設定した場合は過変調で動作しているので、電圧の飽和から実質的にパルス数が減少してスイッチング損失が低減する。
(2)同期9パルス(キャリアモードptn=9の時):
非同期から同期9パルスに切り替わると、変調率指令値Duty*がXからYに変化する。YはXと比較して低い値なので(図10参照)、式(5)に基づいて算出される第一直流電圧指令値Vdc*INVは、ステップ状に上昇する。そして、直流電圧Vdcは、CNV制御部7の制御に基づいて、この第一電圧指令値Vdc*INVに追従して一旦所定量上昇し、その後、モータ6の加速に応じて上昇する。
(3)同期6パルス(キャリアモードptn=6の時):
同期9パルスから同期6パルスに切り替わると、変調率指令値Duty*がYからZに変化する。ZはYと比較して高い値なので(図10参照)、式(5)に基づいて算出される第一直流電圧指令値Vdc*INVは、ステップ状に低下する。そして、直流電圧Vdcは、CNV制御部7の制御に基づいて、この第一電圧指令値Vdc*INVに追従して一旦所定量下降し、その後、モータ6の加速に応じて再び上昇する。
なお、図11では図示していないが、同期6パルスから同期3パルスに切り替わった場合は、同様に、変調率指令値Duty*がZからこれより低いPに変化するので(図10参照)、第一直流電圧指令値Vdc*INVは、ステップ状に上昇し、直流電圧Vdcは、この第一電圧指令値Vdc*INVに追従するように制御される。
以上のように、本発明の実施の形態1による電力変換装置は、モータ6の速度指令値ω*に基づき電圧指令値Vd*、Vq*を演算するとともにキャリアモードptnを設定し、この設定したキャリアモードに基づくINV5のスイッチング信号Up〜Wnおよびモータ6の電流歪率が最小となる変調率と電圧指令値Vd*、Vq*とに基づく第一直流電圧指令値Vdc*INVを生成するINV制御部8と、この第一直流電圧指令値Vdc*INVに追従するようCNV3のスイッチング信号Cp、Cnを生成するCNV制御部7とを備えたので、電流歪率が低くなってモータ損失が低減し、しかも、パルス数が小さくなり過ぎることがなく安定した制御特性が得られるという効果を奏する。
また、INV制御部8は、キャリアモードptnとして、速度指令値ω*が予め設定された閾値ω*1未満のときはそのキャリア周波数を可聴周波数領域外の一定値に設定した過変調非同期方式、閾値ω*1以上のときは同期方式であって、更に速度指令値ω*が大きくなるに連れて同期9パルス、同期6パルス・・とパルス数が順次段階的に低減するキャリアモードptnを設定するようにしたので、キャリア周波数は比較的小幅内での変動となり、円滑で安定した制御特性が得られ、PWM制御におけるパルス数も全体として低い値に止まり電圧指令値1周期中のスイッチング回数が低減してINV5のスイッチング損失を抑制できるという効果を奏する。
更に、同期方式の同期パルス数が互いに異なるキャリアモードに移行する場合、移行前のキャリア信号と移行後のキャリア信号との両信号が、移行の時点で、共にその山、谷、山から谷への中間、谷から山への中間のいずれかに該当するよう各キャリアモードにおけるキャリア信号の位相を調整するキャリアモード切替許可判定器832、キャリア周期補正量演算器833、およびキャリア波生成器834を備えたので、同期パルス数が互いに異なるキャリアモードの切替移行の動作がスムーズになされるという効果を奏する。
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2におけるCNV制御部7Aの内部構成を示す図である。この実施の形態2のCNV制御部7Aは、先の実施の形態1で説明した電力変換装置におけるCNV3として、特に、以下で説明する、いわゆるマルチレベルチョッパを適用した場合に、電力変換装置として所望の特性が得られるように構成したものである。
従って、先ず、マルチレベルチョッパを適用したCNV3Aについて、その構成および特性の一例を、それぞれ図13および図14を参照して説明する。
図13は、本発明の実施の形態2における電力変換装置のCNV3Aの内部構成を示す図である。
CNV3Aは、先の図1における整流器2の出力間に直列に接続されたリアクトルL、トランジスタからなり互いに直列に接続された第一スイッチング素子Tr1と第二スイッチング素子Tr2、リアクトルLと第一スイッチング素子Tr1との接続点と平滑コンデンサ4(図1)との間に挿入され互いに直列に接続された逆流防止用の第一ダイオードD1と第二ダイオードD2、および第二ダイオードD2と第一スイッチング素子Tr1との直列体に並列に接続された充放電用のコンデンサCを備えている。
このCNV3Aは、CNV制御部7Aからのスイッチング信号に基づいて、整流器2により整流された直流電圧を昇圧する。
リアクトルLの入力側には、リアクトルLに入力する入力電流Idcを検出する入力電流センサ9(図1)が設けられている。リアクトルLの入力側の電圧、つまりCNV3Aの入力側の電圧をVdcinとし、CNV3Aの出力側の電圧をVdcとする。なお、ここでは、入力電圧Vdcinは一定とする。
そして、第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2と第一、第二ダイオードD1、D2は、例えば、シリコン(Si)素子と比較して、バンドギャップが大きい炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンド素子等のワイドバンドギャップ半導体で構成されている。第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2と第一、第二ダイオードD1、D2とをワイドバンドギャップ半導体で構成することにより、従来用いられているSi系スイッチング素子を用いた場合と比べ、損失低減を図ることができる。なお、第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2に、トランジスタに代えて、MOSFET、IGBT等の半導体素子を用いてもよい。また、第一、第二ダイオードD1、D2に、ファストリカバリダイオードのような素子を用いてもよい。
このCNV3Aの回路動作については、後段で詳細に説明するが、図14は、その回路動作に基づく特性の一例で、特に、CNV3Aの電流の脈動、即ち、リプル電流の発生状況に着目したものである。図14において、縦軸は、CNV3Aのリプル電流、横軸は、CNV3Aの昇圧率=Vdc/Vdcinで、合わせて、平滑コンデンサ4の電圧Vdcを併記している。
また、キャリア周波数として、4kHzと8kHzの両者について示している。そして、キャリア周波数としては、比較的低速域では、CNV3Aのスイッチング損失を抑制するよう4kHzとし、比較的高速域では8kHzとしている。
ここでは、特に、リプル電流の挙動に着目している。即ち、リプル電流は、CNV3Aのスイッチング動作に基づきCNV3Aから交流電源1に流出する高調波電流の基準波電流に対する比である高調波含有率に対応するもので、この高調波含有率が大きくなるとリアクトルLの損失が大きくなる。
このため、この高調波含有率には、予め規制値が設定される場合が有る。従って、先の実施の形態1の電力変換装置を運転した場合、その速度指令値ω*の変化範囲に応じて定まる直流電圧Vdcの変化範囲内においてこの規制値を越える規制外電圧範囲が存在する場合が有り得る。
この実施の形態2による電力変換装置は、以上のような場合を想定し、そのような場合にも上述した弊害を回避することができる方策を提供するものである。
具体的に、ここでは、図14の特性から、1.1倍昇圧から2倍昇圧までが規制外電圧範囲であるとし、同図に矩形で表示するように、キャリア周波数4kHzでもリプル電流が比較的低い、1.1倍昇圧未満および2倍昇圧近傍の領域、更にそれを越えるキャリア周波数8kHzでの範囲を規制外電圧範囲外(規制内電圧範囲)と設定するものである。
図12に示すCNV制御部7Aは、図14で例示したCNV3Aの特性を考慮し、速度指令値ω*に基づき所望の直流電圧Vdcを出力する点で先の実施の形態1の場合と変わるものではないが、実質的に、図14で規制外電圧範囲とされた部分の運転回避を実現することで、高調波含有率の抑制を可能とするものである。
なお、図12のINV制御部8は、先の実施の形態1における図2のINV制御部8と同様の構成となっているが、このINV制御部8からキャリアモードptnをCNV制御部7Aに伝送する点が異なっている。
以下、図12のCNV制御部7Aの構成について説明する。CNV制御部7Aは、INV制御部8からの第一直流電圧指令値Vdc*INVが上限値および下限値を越えないように制限を施す処理を行うリミッタブロック71と、このリミッタブロック71からの直流電圧指令値Vdc*INVLIMと入力電流センサ9(図1)からの入力電流Idcとに基づき、後述する第二直流電圧指令値Vdc*CNVと昇圧モードVdcmodeを生成する第二直流電圧指令値算出器72と、直流電圧Vdcと入力電流Idcと第二直流電圧指令値Vdc*CNVと直流電圧指令値Vdc*INVLIMとキャリアモードptnと昇圧モードVdcmodeとに基づき、図13のCNV3Aのスイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング信号Cp、Cnを生成するCNV制御器73とを備える。
なお、直流電圧指令値Vdc*INVLIMは、第一直流電圧指令値Vdc*INVがリミッタブロック71が設定する上限値および下限値を越えない範囲では、第一直流電圧指令値Vdc*INVと等しい値となる。
図15は、図12の第二直流電圧指令値算出器72による昇圧モードVdcmodeと第二直流電圧指令値Vdc*CNVとの算出要領を説明する図である。第二直流電圧指令値算出器72は、図15に示すように、負荷電力P1または直流電圧指令値Vdc*INVLIMを監視し予め設定された閾値1〜4に基づき昇圧モードVdcmodeを決定し、決定した昇圧モードに応じて第二直流電圧指令値Vdc*CNVを生成する。
先ず、昇圧モードとしては、CNV3Aの入力電圧Vdcinに対し昇圧を行わない(以下「停止」と記す)昇圧モード0と、CNV3Aの入力電圧Vdcinを1.1倍に昇圧する(以下「微昇圧」と記す)昇圧モード1と、CNV3Aの入力電圧Vdcinを2倍まで昇圧する昇圧モード2と、CNV3Aの入力電圧Vdcinを2倍超過電圧に昇圧する昇圧モード3とに分けられている。なお、昇圧モード0の時には、第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2の両方がOFF状態であり、INV制御部8のみでモータ6が制御される。
従って、第二直流電圧指令値Vdc*CNVは、これら昇圧モードに応じて以下のように設定される。即ち、昇圧モード0では、Vdc*CNV=Vdin×1.0、昇圧モード1では、Vdc*CNV=Vdcin×1.1、昇圧モード2では、Vdc*CNV=Vdcin×2.0に設定する。そして、昇圧モード3では、CNV制御器73は、第二直流電圧指令値Vdc*CNVに替えて直流電圧指令値Vdc*INVLIMを指令目標としてCNV3Aのスイッチング信号Cp、Cnを生成する。
そして、これら閾値としては、昇圧モード0と昇圧モード1とを区分する閾値1、昇圧モード1と昇圧モード2とを区分する閾値2、CNVキャリア周波数4[kHz]とCNVキャリア周波数8[kHz]とを区分する閾値3、および昇圧モード2と昇圧モード3とを区分する閾値4がある。以下、これら閾値について説明する。
(1)閾値1は、停止(昇圧モード0)から微昇圧(昇圧モード1)、または、微昇圧(昇圧モード1)から停止(昇圧モード0)にモード移行する場合に使用する。閾値1の判別には、入力電流Idcと直流電圧指令値Vdc*INVLIMとを用いて推定した負荷電力P1を用いる。
例えば、負荷電力P1が3[kW]以上になると停止(昇圧モード0)から微昇圧(昇圧モード1)へと起動させる。停止(昇圧モード0)する場合は、ヒステリシスの構成とし、2[kW]以下で停止させる。この時は、CNV3Aのキャリア周波数は4[kHz]で動作させる。
(2)閾値2は、微昇圧(昇圧モード1)から2倍昇圧(昇圧モード2)、または、2倍昇圧(昇圧モード2)から微昇圧(昇圧モード1)にモード移行する場合に使用する。閾値2の判別には、CNV3Aの入力電圧Vdcinを用いる。
例えば、微昇圧(昇圧モード1)から2倍昇圧(昇圧モード2)への切替は、直流電圧指令値Vdc*INVLIMがVdcin×1.1の値に達すると実行される。2倍昇圧(昇圧モード2)から微昇圧(昇圧モード1)への切替は、直流電圧指令値Vdc*INVLIMがVdcin×1.07の値の時に実行される。
切替には切替動作の円滑化のためいわゆるランプ関数処理を行う。但し、急峻な切替でも制御が不安定にならない範囲であれば、微昇圧(昇圧モード1)から2倍昇圧(昇圧モード2)への切替時には必ずしもランプ関数処理を用いる必要はなく、ステップ状に立ち上げるようにしてもよい。
(3)閾値3は、2倍超昇圧(昇圧モード3)への準備期間として設けた設定値である。直流電圧指令値Vdc*INVLIMが入力電圧Vdcin×1.97の値を超えた時、CNV3Aのキャリア周波数を4kHzから8kHzに移行する。また、直流電圧指令値Vdc*INVLIMが入力電圧Vdcin×1.94の値を下回った時、キャリア周波数を8kHzから4kHzに移行する。
(4)閾値4は、2倍昇圧(昇圧モード2)から2倍超昇圧(昇圧モード3)、または2倍超昇圧(昇圧モード3)から2倍昇圧(昇圧モード2)にモード移行をする場合に使用する。2倍昇圧(昇圧モード2)から2倍超昇圧(昇圧モード3)、2倍超昇圧(昇圧モード3)から2倍昇圧(昇圧モード2)への切替は、直流電圧指令値Vdc*INVLIMが入力電圧Vdcin×2.00の値に達すると実行される。
次に、CNV制御部7AのCNV制御器73の動作について図16〜図18を参照して説明する。CNV制御器73は、図16に示すように、昇圧モード毎に、第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2を駆動するMode番号が設定されたスイッチングモードのデータを有している。
そして、CNV3Aのスイッチングモードは、図17に示すように、第一スイッチング素子Tr1をOFF、第二スイッチング素子Tr2をONするMode1と、第一スイッチング素子Tr1をON、第二スイッチング素子Tr2をOFFするMode2と、第一スイッチング素子Tr1をOFF、第二スイッチング素子Tr2をOFFするMode3と、第一スイッチング素子Tr1をON、第二スイッチング素子Tr2をONするMode4とに分けられている。
(1)第二直流電圧指令値算出器72にて、昇圧モード0から昇圧モード1へ切り替えられた場合、CNV制御器73は、昇圧モード1として設定されたMode1→Mode3→Mode2→Mode3の順に第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2が駆動するように制御を繰り返し行う。
先ず、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1をOFF、第二スイッチング素子Tr2をONする(Mode1)。この時、リアクトルL→第二ダイオードD2→コンデンサC→第二スイッチング素子Tr2の経路が導通し、入力電圧VdcinによりコンデンサCが充電される。
次いで、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1と第二スイッチング素子Tr2の両方をOFFする(Mode3)。この時、リアクトルL→第二ダイオードD2→第一ダイオードD1→平滑コンデンサ4の経路が導通すると共に、コンデンサC→第一ダイオードD1→平滑コンデンサ4の経路が導通し、入力電圧VdcinとコンデンサCの充電電圧とにより平滑コンデンサ4が充電される。
その後、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1をON、第二スイッチング素子Tr2をOFFする(Mode2)。この時、リアクトルL→第一スイッチング素子Tr1→コンデンサC→第一ダイオードD1→平滑コンデンサ4の経路が導通し、入力電圧VdcinにコンデンサCの充電電圧が加わった直流電圧が平滑コンデンサ4に印加される。
そして、CNV制御器73は、再び、第一スイッチング素子Tr1と第二スイッチング素子Tr2の両方をOFFする(Mode3)。この時、リアクトルL→第二ダイオードD2→第一ダイオードD1→平滑コンデンサ4の経路が導通すると共に、コンデンサC→第一ダイオードD1→平滑コンデンサ4の経路が導通し、入力電圧VdcinとコンデンサCの充電電圧とにより平滑コンデンサ4が充電される。
この一連の動作を繰り返し行うことにより、平滑コンデンサ4には、第二直流電圧指令値Vdc*CNVに相当するCNV3Aの入力電圧Vdcinの1.1倍程度に昇圧された直流電圧Vdcが充電され、INV5に入力する。この昇圧モード1(微昇圧)においては、図14でも例示したように、高調波電流の発生は規制値以下に抑制されている。
(2)次に、第二直流電圧指令値算出器72にて、昇圧モード1から昇圧モード2へ切り替えられた場合、CNV制御器73は、昇圧モード2として設定されたMode1→Mode2の順に第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2が駆動するように制御を繰り返す。
先ず、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1をOFF、第二スイッチング素子Tr2をONする(Mode1)。この時、リアクトルL→第二ダイオードD2→コンデンサC→第二スイッチング素子Tr2の経路が導通し、入力電圧VdcinによりコンデンサCが充電される。
次いで、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1をON、第二スイッチング素子Tr2をOFFする(Mode2)。この時、リアクトルL→第一スイッチング素子Tr1→コンデンサC→第一ダイオードD1→平滑コンデンサ4の経路が導通し、入力電圧VdcinにコンデンサCの充電電圧が加わった直流電圧が平滑コンデンサ4に印加される。
この一連の動作を繰り返し行うことにより、平滑コンデンサ4には、第二直流電圧指令値Vdc*CNVに相当する入力電圧Vdcinの2倍程度に昇圧された直流電圧Vdcが充電され、INV5に入力する。この昇圧モード2(2倍昇圧)においては、図14にも例示したように、リプル電流は極小となる状態に抑制されている。
(3)以上の通り、昇圧モード1の動作で、直流電圧指令値Vdc*INVLIMがVdcin×1.1に達すると、2倍昇圧の昇圧モード2に移行し、第二直流電圧指令値Vdc*CNVは、それまでのVdcin×1.1からVdcin×2.0までほぼステップ状に引き上げられる。即ち、図14で既述したように、リプル電流が大きくなる1.1倍昇圧から2倍昇圧に至る規制外電圧範囲が実質的に運転範囲から除外されることになり、従って、リアクトルLの損失が軽減され、交流電源1への弊害も抑制される訳である。
(4)次に、第二直流電圧指令値算出器72にて、昇圧モード2から昇圧モード3へ切り替えられた場合、CNV制御器73は、昇圧モード3として設定されたMode1→Mode4→Mode2→Mode4の順に第一、第二スイッチング素子Tr1、Tr2が駆動するように制御を繰り返し行う。
先ず、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1をOFF、第二スイッチング素子Tr2をONする(Mode1)。この時、リアクトルL→第二ダイオードD2→コンデンサC→第二スイッチング素子Tr2の経路が導通し、入力電圧VdcinによりコンデンサCが充電される。
次いで、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1と第二スイッチング素子Tr2の両方をONする(Mode4)。この時、リアクトルL→第一スイッチング素子Tr1→第二スイッチング素子Tr2の経路が導通し、入力電圧VdcinによりリアクトルLにエネルギーが蓄積される。一方、コンデンサCに充電された直流電圧は、第一ダイオードD1を介して平滑コンデンサ4を徐々に充電していく。
その後、CNV制御器73は、第一スイッチング素子Tr1をON、第二スイッチング素子Tr2をOFFにする(Mode2)。この時、リアクトルL→第一スイッチング素子Tr1→コンデンサC→第一ダイオードD1→平滑コンデンサ4の経路が導通し、入力電圧VdcinにコンデンサCの充電電圧が加わった直流電圧が、平滑コンデンサ4に印加される。
そして、CNV制御器73は、再び、第一スイッチング素子Tr1と第二スイッチング素子Tr2の両方をONする(Mode4)。この時、リアクトルL→第一スイッチング素子Tr1→第二スイッチング素子Tr2の経路が導通し、入力電圧VdcinによりリアクトルLにエネルギーが蓄積される。
この一連の動作を繰り返し行うことにより、平滑コンデンサ4には、直流電圧指令値Vdc*INVLIMに相当する、CNV3Aの入力電圧Vdcinよりも2倍を超える直流電圧Vdcが充電され、INV5に入力する。
図18は、CNV制御器73が、キャリアモードptnと昇圧モードVdcmodeとの2つの状態量から第二直流電圧指令値Vdc*CNVか直流電圧指令値Vdc*INVLIMかを選択する要領を示している。
図18に示すように、キャリアモードptnが0、かつ、昇圧モードVdcmodeが0もしくは1もしくは2の時は、第二直流電圧指令値Vdc*CNVを選択する。また、キャリアモードptnが0もしくは9もしくは6もしくは3、かつ、昇圧モードVdcmodeが3の時は、直流電圧指令値Vdc*INVLIMを選択する。
以上から、キャリアモードptnと昇圧モードVdcmodeとに基づいて、直流電圧指令値Vdc*INVLIMもしくは第二直流電圧指令値Vdc*CNVを選択することができる。
図19は、本発明の実施の形態2の電力変換装置において、モータ6の加速時における、各信号の時間経過を示すタイミングチャートである。図19において、すべての横軸は時刻、1段目の縦軸は、直流電圧指令値Vdc*INVLIM(一点鎖線)と直流電圧Vdc(実線)と第二直流電圧指令値Vdc*CNV(破線)、2段目の縦軸は昇圧モードVdcmode(実線)、3段目の縦軸はキャリアモードptn(実線)を示している。なお、図19では、主として、CNV制御部7Aの動作を中心に説明する。
また、図19では、CNV制御部7AのCNV制御器73による直流電圧指令値Vdc*INVLIMと第二直流電圧指令値Vdc*CNVとの選択の基準、更に、CNV3Aのキャリア周波数の状態も併記して説明する。
(1)CNV制御部7Aが第二直流電圧指令値Vdc*CNVを使用している時:
先の図14で説明した通り、CNV3Aから交流電源1に流出する高調波含有率が規制値を越えないよう、CNV制御部7Aは、直流電圧Vdcが第二直流電圧指令値Vdc*CNVに追従するよう制御する。
モータ6が回転を始めた直後では負荷電力P1が小さいので、INV5の損失よりもCNV3Aの損失を低減することを優先し、CNV3Aとして特に昇圧動作をしない昇圧モード0、即ち、Vdc*CNV=Vdcinに設定して運転する。図19上段に示すように、この動作によっても、速度指令値ω*の上昇に応じて電圧指令値Vd*、Vq*が増大、これに応じて直流電圧指令値Vdc*INVLIMは、所定の勾配で上昇していく。
負荷電力P1が、閾値1として設定された3[kW]を超えると、昇圧モード0から昇圧モード1に移行、第二直流電圧指令値Vdc*CNVにVdcin×1.1を設定する。直流電圧Vdcは、直ちに、この第二直流電圧指令値Vdc*CNVに追従し、モータ6の加速に応じて直流電圧指令値Vdc*INVLIMは続けて上昇する。
直流電圧指令値Vdc*INVLIMが、閾値2として設定されたVdcin×1.1を超えると、昇圧モード1から昇圧モード2に移行、第二直流電圧指令値Vdc*CNVにVdcin×2を設定する。直流電圧Vdcは、直ちに、この第二直流電圧指令値Vdc*CNVに追従し、モータ6の加速に応じて直流電圧指令値Vdc*INVLIMは続けて上昇する。
以上のように、1.1倍昇圧の昇圧モード1から2倍昇圧の昇圧モード2にステップ状に移行させ、この間、第二直流電圧指令値Vdc*CNVに直流電圧指令値Vdc*INVLIMより高い値を設定するので、先の図14で既述したように、高調波含有率が大きくなる規制外電圧範囲での運転が実質的にほとんどなくなり、リアクトルLの損失増大や交流電源1への弊害が防止される。
なお、CNV3Aは、直流電圧指令値Vdc*INVLIMが閾値3として設定されたVdcin×1.97以下では、キャリア周波数4[kHz]で動作し、それを超えると8[kHz]で動作する。
(2)CNV制御部7Aが直流電圧指令値Vdc*INVLIMを使用している時:
直流電圧指令値Vdc*INVLIMが閾値4として設定されたVdcin×2を超えると、昇圧モード2から昇圧モード3に移行し、CNV制御器73は、第二直流電圧指令値Vdc*CNVに替わって直流電圧指令値Vdc*INVLIMを選択する。これにより、CNV制御部7Aは、直流電圧指令値Vdc*INVLIMに基づき、直流電圧Vdcが直流電圧指令値Vdc*INVLIMに追従するように制御する。
更にモータ6が加速し、速度指令値ω*がω*1を超えると、低周期での電圧波形の周期的なビート現象を抑制する必要があるため、非同期から同期PWMの同期9パルスに移行する。この時、負荷電力が大きいので、CNV3Aの損失よりもINV5の損失を低減することを優先して動作させる。
また、非同期から同期9パルスに移行すると、先の実施の形態1の図11で説明した通り、変調率指令値Duty*がXからこのXより低いYに変化するので、先の式(5)に基づき、直流電圧指令値Vdc*INVLIMはステップ状に上昇する。
また、平滑コンデンサ4の電圧保護のため、リミッタブロック71の動作により、直流電圧指令値Vdc*INVLIM、従って、直流電圧Vdcは最高740Vに制限される。
なお、図19では、非同期の途中で最終の昇圧モード3に到達し、同期9パルスでは、直流電圧指令値Vdc*INVLIMに基づき制御するようになっているが、キャリアモードの切替に係る閾値ω*1の設定値によっては、同期9パルスでも第二直流電圧指令値Vdc*CNVに基づき制御する場合もあり得る。
また、この実施の形態2では、図12、図19に示すように、平滑コンデンサ4の電圧保護のためリミッタブロック71を設けて第一直流電圧指令値Vdc*INVを直流電圧指令値Vdc*INVLIMに制限するようにしたが、特に電圧保護の要求がない場合は、リミッタブロック71を省略し、INV制御部7からの第一直流電圧指令値Vdc*INVをそのままCNV制御部7Aの第二直流電圧指令値算出器72およびCNV制御器73に入力するようにしてもよい。
以上のように、本発明の実施の形態2による電力変換装置は、交流電源1に流出する高調波電流の含有率が、予め設定された規制値を越える規制外電圧範囲が存在する場合、第二直流電圧指令値算出器72およびCNV制御器73を備え、規制外電圧範囲では、直流電圧Vdcを、直流電圧指令値Vdc*INVLIMより高く設定した第二直流電圧指令値Vdc*CNVに追従させる制御としたので、高調波含有率が大きくなる規制外電圧範囲での運転が実質的になくなり、リアクトルLの損失増大が防止される。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 交流電源、2 整流器、3,3A CNV(コンバータ)、4 平滑コンデンサ、5 INV(インバータ)、6 モータ(電動機)、7,7A CNV制御部、
8 INV制御部、9 入力電流センサ、10 電流センサ、11 電圧センサ、
12 電力変換装置、13 処理部、14 記憶部、71 リミッタブロック、
72 第二直流電圧指令値算出器、73 CNV制御器、81 速度指令値演算器、
82 キャリアモード生成器、83 INV制御器、84 変調率指令値生成器、
85 第一直流電圧指令値算出器、831 電圧位相演算器、
832 キャリアモード切替許可判定器、833 キャリア周期補正量演算器、
834 キャリア波生成器、835 PWM比較器。

Claims (6)

  1. スイッチング素子を備え直流電圧を出力するコンバータ、スイッチング素子を備え前記直流電圧を交流電圧に変換し電動機に供給するインバータ、および前記コンバータおよび前記インバータを制御する処理部を備えた電力変換装置であって、
    PWM制御におけるキャリア信号と電圧指令信号との関係が非同期方式かまたは前記両信号の周波数比を特定した同期方式かをキャリアモードで規定するものとし、
    前記処理部は、前記電動機の速度指令値に基づき第一インバータ電圧を演算するとともに前記キャリアモードを設定し、前記設定したキャリアモードに応じて前記インバータの前記スイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング信号および前記電動機の電流歪率が最小となる変調率と前記第一インバータ電圧とに基づく第一直流電圧指令値を生成するインバータ制御部、および前記コンバータが出力する前記直流電圧が前記第一直流電圧指令値に追従するよう前記コンバータの前記スイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング信号を生成するコンバータ制御部を備え
    前記コンバータは、交流電源の交流電圧を整流した電圧を昇圧して前記直流電圧として出力するものであり、前記コンバータから前記交流電源に流出する高調波電流の基準波電流に対する比である高調波含有率が、前記速度指令値の変化範囲に応じて定まる前記直流電圧の変化範囲内において予め設定された規制値を越える規制外電圧範囲が存在する場合、前記規制外電圧範囲での運転を回避するよう、前記規制外電圧範囲において前記第一直流電圧指令値に替わる第二直流電圧指令値を生成する第二直流電圧指令値算出器を備え、前記コンバータ制御部は、前記規制外電圧範囲では、前記コンバータが出力する前記直流電圧が、前記第二直流電圧指令値に追従するよう前記コンバータの前記スイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング信号を生成するようにした電力変換装置。
  2. 前記インバータ制御部は、前記速度指令値が予め設定された閾値未満のときは前記非同期方式のキャリアモードを設定し、前記閾値以上のときは前記同期方式のキャリアモードを設定し、前記同期方式のキャリアモードとして、前記速度指令値が大きくなるに連れて前記周波数比が順次段階的に低減する前記キャリアモードを設定するようにした請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記非同期方式のキャリアモードにおける前記キャリア信号の周波数を、可聴周波数領域外で予め設定した一定値とする請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記同期方式のキャリアモードにおいて、前記周波数比が互いに異なるキャリアモードに移行する場合、前記移行前のキャリアモードにおける前記キャリア信号と前記移行後のキャリアモードにおける前記キャリア信号との両信号が、前記移行の時点で、共にその山、谷、山から谷への中間、谷から山への中間のいずれかに該当するよう前記各キャリアモードにおける前記キャリア信号の位相を調整するようにした請求項2または請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記第二直流電圧指令値算出器は、前記第二直流電圧指令値を、前記規制外電圧範囲において前記第一直流電圧指令値より高くなるよう設定するようにした請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記第二直流電圧指令値算出器は、前記第二直流電圧指令値を前記コンバータの前記昇圧の動作における昇圧率を規定した昇圧モードで設定するようにした請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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