JP6381436B2 - ヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態に係るヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法は、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を調製する調製工程と、上記調製工程で調製したヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を乾燥させる乾燥工程と、を含む。
(反応工程)
態様1において、反応工程では、好ましくは、窒素およびアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下において以下の反応を行なう。
式(1)の反応によって、アルコール中においてヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属を好適に製造し、ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を得ることができる。このため、水溶媒系において、ヨウ化アルカリ金属又はヨウ化アルカリ土類金属を製造する場合と比較して、アルコール溶媒を除去した段階においてヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属が反応容器内において固着することを好適に抑制することができる。従って、生成されたヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属を好適に採集することができる。また、アルコール中においてヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属を製造することができるため、水溶媒中にてヨウ化アルカリ金属又はヨウ化アルカリ土類金属を製造する場合と比較して、除去すべき水の量を大幅に低減することができる。従って、ヨウ化アルカリ金属の無水物またはヨウ化アルカリ土類金属の無水物を首尾よく製造することができる。以下に、式(1)の反応系における各化合物について説明する。
アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、好ましくは、式(1)においてMXとして示される化合物であり、これらに限定されるものではないが、例えば、炭酸リチウム、重炭酸リチウム、水酸化リチウム、シュウ酸リチウム、酢酸リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化カリウム、シュウ酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸ルビジウム、重炭酸ルビジウム、水酸化ルビジウム、シュウ酸ルビジウム、酢酸ルビジウム、炭酸セシウム、重炭酸セシウム、水酸化セシウム、シュウ酸セシウム、酢酸セシウム、炭酸ベリリウム、重炭酸ベリリウム、水酸化ベリリウム、シュウ酸ベリリウム、酢酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、シュウ酸カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、重炭酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、炭酸バリウム、重炭酸バリウム、水酸化バリウム、シュウ酸バリウム、酢酸バリウム、などであり得る。これらのアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物は、無水物を用いてもよく、水和物を用いてもよい。
一実施形態において、アルコールは、反応工程における溶媒として用いられる。
ヨウ化物は、反応工程においてアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物と反応させることでヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属を製造するために用いられる。ヨウ化物は、好ましくは、式(1)においてR2Iとして示される化合物である。ここで、一実施形態において、上記ヨウ化物は、炭素数1以上、4以下のヨウ化アルキルであることが好ましい。ヨウ化アルキルの炭素数が1以上、4以下であれば、反応工程において沸点の低いエーテルまたはエステルを副生成物として生じさせることができる。
反応工程におけるアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物とヨウ化物との反応条件は、使用するアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物、アルコールおよびヨウ化物の種類に応じて適宜調整することができる。
また、反応工程の後、反応工程で生成した水以外の副生成物を留去する留去工程を行ってもよい。
さらに、反応工程において得られたヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を脱水する脱水工程を行なうことで、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液を調製することができる。
態様2では、反応工程において、アルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートと、ヨウ化物とを、アルコール存在下において反応させることによって、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液を調製することができる。
一実施形態において、調製工程は、反応工程に供するアルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートを調製するアルコラート調製工程を含む。
また、態様2のように、アルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートと、ヨウ化物とを、アルコール存在下で反応させる反応工程を行った後に、態様1のように、脱水工程を行ってもよい。これにより、好適にヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液を得ることができる。
態様4では、水和物を含むヨウ化アルカリ金属、水和物を含むヨウ化アルカリ土類金属、水を含んだヨウ化アルカリ金属、または水を含んだヨウ化アルカリ土類金属と、アルコールとを混合することによってヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を得てもよい。これにより、好適にヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液を得ることができる。
上記調製工程では、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体が形成される。ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体は、減圧条件下においてアルコールを比較的容易に脱離する。このため、ヨウ化アルカリ金属水和物またはヨウ化アルカリ土類金属水和物を減圧下において乾燥する場合よりも、低い温度においてヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属を乾燥することができる。従って、ヨウ化アルカリ金属の無水和物またはヨウ化アルカリ土類金属の無水和物を容易に得ることができる。
一実施形態に係るヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法は、上記調製工程で調製したヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属錯体懸濁液を乾燥させる乾燥工程を含む。
以下の実施例1〜9に記載する通り、ヨウ化リチウムを製造し、反応液の水分量、並びにヨウ化リチウムの純度および結晶中の水分含量を以下の方法により測定した。
ヨウ化リチウムの試料を200mlのビーカーに秤量し、超純水を加え100mlとした後、0.1M硝酸銀水溶液を用いて電位差滴定装置にて滴定した。滴定結果から得られたヨウ素イオン濃度をヨウ化リチウム濃度に換算し、ヨウ化リチウム純度とした。
容量法カールフィッシャー水分計を用いて測定した。
攪拌装置、コック付き分留頭を備えた還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量200mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりエタノール70.0gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より水酸化リチウム一水和物4.25g(0.101モル)を投入した。該滴下ロートよりヨウ化メチル21.5g(0.151モル)を反応容器内に投入した。反応容器内の温度を30℃に保ちながら21時間攪拌し熟成を続けた(反応工程(調製工程))。
攪拌装置、モレキュラーシーブ3A−1/8を133g充填したソックスレー抽出器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量300mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりエタノール228.6gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より水酸化リチウム一水和物12.6g(0.300モル)を投入した。エタノールの還流が始まるまで反応器を加熱し、26時間還流しながら脱水を続けた(アルコラート調製工程(調製工程))。還流液中の水分は還流26時間で1.86%から0.40%まで減少した。
攪拌装置、コック付き分留頭を備えた還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量300mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりエタノール223.0gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より水酸化リチウム7.3g(0.305モル)を投入した。該滴下ロートよりヨウ化メチル68.6g(0.483モル)を反応容器内に投入した。反応容器内の温度を30℃に保ちながら21.5時間攪拌し、さらに40℃に保ちながら3時間攪拌し熟成を続けた(反応工程(調製工程))。
攪拌装置、モレキュラーシーブ3A−1/8を116g充填したソックスレー抽出器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量300mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりエタノール231.7gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より水酸化リチウム7.3g(0.305モル)を投入した。エタノールの還流が始まるまで反応器を加熱し、33時間還流しながら脱水を続けた(アルコラート調製工程(調製工程))。
攪拌装置、モレキュラーシーブ4A−1/8を89g充填したソックスレー抽出器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量300mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりメタノール231.8gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より水酸化リチウム7.3g(0.305モル)を投入した。メタノールの還流が始まるまで反応器を加熱し、29時間還流しながら脱水を続けた。ソックスレー抽出器を新たにモレキュラーシーブ4A−1/8を102g充填したソックスレー抽出器に交換し、さらに23時間還流しながら脱水を続けた(アルコラート調製工程(調製工程))。
攪拌装置、モレキュラーシーブ3A−1/8を126g充填したソックスレー抽出器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量300mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりエタノール155.2g、およびシクロヘキサン51.8gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より水酸化リチウム7.3g(0.305モル)を投入した。還流が始まるまで反応器を加熱し、27時間還流しながら脱水を続けた(アルコラート調製工程(調製工程))。
攪拌装置、コック付き分留頭を備えた還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量200mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりメタノール32.5gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口よりリチウムエチラート(EtOLi)2.79g(0.054モル)を投入した。該滴下ロートよりヨウ化メチル13.2g(0.093モル)を反応容器内に投入した。撹拌下、反応容器内の温度を20〜25℃に保ちながら1時間熟成し、さらに40℃に保ちながら5時間熟成を続けた(反応工程(調製工程))。反応容器内を室温まで冷却後、真空ポンプにて1kPaに減圧することにより、過剰のヨウ化メチルおよび生成したエチルメチルエーテルを留去した。その後、反応容器内の減圧状態を窒素により解除した。反応液中の水分は0.36%であった。
攪拌装置、コック付き分留頭を備えた還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量200mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりメタノール25.6gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口よりリチウムメチラート(MeOLi)3.84g(0.101モル)を投入した。該滴下ロートよりヨウ化メチル25.3g(0.178モル)を反応容器内に投入した。撹拌下、反応容器内の温度を20〜25℃に保ちながら1時間熟成し、さらに40℃に保ちながら5時間熟成を続けた(反応工程(調製工程))。反応容器内を室温まで冷却後、真空ポンプにて1kPaに減圧することにより、過剰のヨウ化メチルおよび生成したジメチルエーテルを留去した。その後、反応容器内の減圧状態を窒素により解除した。反応液中の水分は0.23%であった。
攪拌装置、温度計を備えた容量100mlのオートクレーブを窒素で十分に置換した。エタノール5.4g、酢酸リチウム(AcOLi)3.43g(0.052モル)およびヨウ化メチル38.3g(0.270モル)をオートクレーブ内に投入した。オートクレーブ内の温度を93〜95℃に保ちながら24時間攪拌し熟成を続けた(反応工程(調製工程))。室温まで冷却後、反応液のNMRを測定した。酢酸リチウムと酢酸メチルの組成比より、転化率は75%であった。
2:共沸溶媒としてシクロヘキサンを使用した。
3:モレキュラーシーブ4A−1/8を使用した。
実施例10において、ヨウ化バリウムを溶媒に溶解し、以下に記載する条件において脱水工程を行なった。
攪拌装置、コック付き分留頭を備えた還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量200mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりエタノール69.6gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より水酸化リチウム一水和物4.25g(0.101モル)を投入した。該滴下ロートよりヨウ化メチル21.56g(0.152モル)を反応容器内に投入した。反応容器内の温度を25℃に保ちながら25時間攪拌し熟成を続けた(反応工程(調整工程))。
参考例1〜5において、ヨウ化リチウムを溶媒に溶解し、以下に記載する条件において脱水工程を行なった。また、その後、各参考例において反応液中の水分量の評価を行ない、脱水工程の評価を行なった。
ヨウ化リチウム24.4重量%、i−プロパノール70.3重量%、水5.3重量%からなるヨウ化リチウム溶液を用意した。攪拌装置、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた容量100mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートより用意したヨウ化リチウム溶液20.1g(水:0.059モル)を反応容器内に投入した。攪拌下、該滴下ロートよりオルソギ酸メチル7.65g(0.072モル)を投入した。反応容器内の温度を50℃に保ちながら5.5時間攪拌し熟成を続けた。室温まで冷却後、反応液中の水分量を測定したところ0.52重量%であった。
ヨウ化リチウム24.4重量%、i−プロパノール70.3重量%、水5.3重量%からなるヨウ化リチウム溶液を用意した。攪拌装置、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた容量100mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートより用意したヨウ化リチウム溶液21.3g(水:0.063モル)を反応容器内に投入した。攪拌下、該滴下ロートよりオルソギ酸メチル7.43g(0.070モル)およびギ酸0.12g(0.003モル)を投入した。反応容器内の温度を50℃に保ちながら3時間攪拌し熟成を続けた。室温まで冷却後、反応液中の水分量を測定したところ0.00重量%であった。
ヨウ化リチウム24.4重量%、i−プロパノール70.3重量%、水5.3重量%からなるヨウ化リチウム溶液を用意した。攪拌装置、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた容量100mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートより用意したヨウ化リチウム溶液20.7g(水:0.061モル)を反応容器内に投入した。攪拌下、該滴下ロートよりオルソ酢酸メチル8.75g(0.073モル)を投入した。反応容器内の温度を80℃に保ちながら7時間攪拌し熟成を続けた。室温まで冷却後、反応液中の水分量を測定したところ0.37重量%であった。
ヨウ化リチウム24.4重量%、i−プロパノール70.3重量%、水5.3重量%からなるヨウ化リチウム溶液を用意した。攪拌装置、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた容量100mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートより用意したヨウ化リチウム溶液21.0g(水:0.062モル)を反応容器内に投入した。攪拌下、該滴下ロートよりオルソ酢酸メチル8.82g(0.073モル)およびギ酸0.05g(0.001モル)を投入した。反応容器内の温度を50℃に保ちながら3.5時間攪拌し熟成を続けた。室温まで冷却後、反応液中の水分を測定したところ0.04%であった。
攪拌装置、温度計、pHメーター、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量2L反応容器の滴下ロートよりイオン交換水650.0gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より炭酸リチウム250.0g(3.38モル)を投入した。該滴下ロートに57重量%のヨウ化水素酸水溶液1516.9g (6.76モル)を仕込んだ。反応容器内の温度を25℃にした後、反応容器内の温度を25〜40℃の範囲を保ちながら、滴下ロート内のヨウ化水素酸水溶液を滴下した。滴下終了後、25〜30℃を保ちながら30分間攪拌し熟成を続けた。ついで固体投入口より水酸化リチウムを投入し、反応容器内のpH5〜6に調整しpH調整液を得た。次に固体投入口より活性炭(白鷺A 武田薬品製)7.3gを上記pH調整液に投入し、25〜30℃を保ちながら30分間攪拌した。その後、吸引ビンにADVANTEC製定性濾紙(No.5C)を装着したヌッチェ上に、減圧下、反応容器の内容物を給液し、活性炭を濾過することにより、無色透明のヨウ化リチウム水溶液を得た。水溶液中のヨウ化リチウム濃度は40%であった。
攪拌装置、モレキュラーシーブ3A−1/8を45g充填したソックスレー抽出器、温度計、滴下ロートおよび固体投入口を備えた容量100mlの反応容器内を窒素で十分に置換した。該滴下ロートよりエタノール56.4gを反応容器内に投入した。攪拌下、該固体投入口より〔製造例1〕にて得られたヨウ化リチウム3.89水和物相当品5.6gを投入した。仕込み液中の水分は2.91%であった。還流が始まるまで反応器を加熱し、5時間還流しながら脱水を続けた。室温まで冷却後、反応液中の水分量を測定したところ0.21%であった。
実施例12において、ヨウ化リチウム・1.5IPA錯体を製造し、その性状を確認した。
製造例1により得られたヨウ化リチウム水溶液5mlを容量100mlのナス型フラスコに入れ、エバポレーターを用いて、50℃/3kPaの条件で1時間かけて水を留去した。その後、該ヨウ化リチウムを、3kPaの減圧条件下、表4に示す温度ごとに2時間かけてさらに濃縮乾固した。
Claims (10)
- アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物と、ヨウ化物とを、アルコール存在下で反応させることで、ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を得る反応工程と、
上記反応工程で得た、ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を脱水する脱水工程と、を行なうことによって、
ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を調製する調製工程と、
上記調製工程で調製したヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を乾燥させる乾燥工程と、を含み、
上記脱水工程では、上記ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液中またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液中の水分量を2.0重量%以下になるまで脱水する、ヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法(ただし、上記アルカリ金属化合物または上記アルカリ土類金属化合物と反応させる上記ヨウ化物は、ヨウ素アルカリ塩およびフルオロアルキルヨウ化物ではない)。 - 上記脱水工程では、乾燥剤または水分離膜を用いて、上記ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液または上記ヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を脱水する、請求項1に記載のヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。
- 上記脱水工程では、上記ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液または上記ヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液から水と共沸して留去されたアルコールを、上記乾燥剤または水分離膜を用いて脱水し、上記ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液または上記ヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液に再投入させる、請求項2に記載のヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。
- 上記アルコールは、炭素数1以上、9以下のアルキルアルコールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。
- 上記アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、アルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。
- 上記調製工程は、上記反応工程に供するアルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートを調製するアルコラート調製工程を含み、
上記アルコラート調製工程では、アルカリ金属源のアルコール溶液またはアルカリ土類金属源のアルコール溶液を脱水する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。 - 上記ヨウ化物は、炭素数1以上、4以下のヨウ化アルキルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。
- 上記乾燥工程前において、上記調製工程で生成した水以外の副生成物を留去する留去工
程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。 - アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物と、ヨウ化物とを、アルコール存在下で反応させることで、ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を得る反応工程を行ない、
ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を調製する調製工程と、
上記調製工程で調製したヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を乾燥させる乾燥工程と、を含み、
上記アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、アルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートであり、
上記調製工程は、上記反応工程に供するアルカリ金属アルコラートまたはアルカリ土類金属アルコラートを調製するアルコラート調製工程を含み、
上記アルコラート調製工程では、アルカリ金属源のアルコール溶液またはアルカリ土類金属源のアルコール溶液を脱水する、ヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。 - アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物と、ヨウ化物とを、アルコール存在下で反応させることで、ヨウ化アルカリ金属のアルコール溶液またはヨウ化アルカリ土類金属のアルコール溶液を得る反応工程を行ない、
ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を調製する調製工程と、
上記調製工程で調製したヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体溶液、ヨウ化アルカリ金属・アルコール錯体懸濁液、またはヨウ化アルカリ土類金属・アルコール錯体懸濁液を乾燥させる乾燥工程と、を含み、
上記ヨウ化物は、炭素数1以上、4以下のヨウ化アルキルである、ヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法。
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