JP4404570B2 - 無機ヨウ素化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業上広く利用されている無機ヨウ素化合物の製造において、高純度で保存安定性がよく取り扱いが容易な無機ヨウ素化合物を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無機ヨウ素化合物は、現在、消毒剤やX線造影剤等の医薬、触媒、写真感光材、色素や分析用試薬など、広範に使用されている。この無機ヨウ素化合物の製造方法としては、従来、ヨウ素もしくはヨウ化水素酸と、製造しようとする無機ヨウ素化合物に対応する塩基性金属塩ないしは塩素酸金属塩等とを水溶媒下にて反応せしめ、そのまま蒸発乾固せしめることによるか、もしくは、必要に応じて濃縮後に冷却して目的の無機ヨウ素化合物を析出せしめた後に固液分離を行なうことによって、結晶(固体もしくは固形物と言い換えてもよい。以下同じ。)として取り出し、必要があれば水溶媒下に再結晶を行なう等の精製を行なった後、最後に乾燥することが一般的である(例えば、非特許文献1〜5参照)。
【0003】
上記非特許文献1〜5に記載の方法で製造された無機ヨウ素化合物は、吸湿性、潮解性が強く、ヨウ素を遊離しやすいという、本来有する性状から、密閉下に保存しても、結晶中の水分によって、短期間に、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を生じやすく、産業上の利用にあたっての障害となっている。このため、上記したような無機ヨウ素化合物の製造方法においては、反応後もしくは精製後に取り出される結晶は、一般に水湿体であり、加熱により乾燥されて中に含まれる水分を除去している。
【0004】
【非特許文献1】
社団法人日本化学会編、「実験化学講座 9 無機化合物の合成と精製」丸善株式会社発行、1958年、p.47、51、94−96、99−100、121−122、163、164−165、196−197、395、454−455
【非特許文献2】
社団法人日本化学会編、「新実験化学講座 8 無機化合物の合成II」丸善株式会社発行、1977年、p.462−463、472−474、522−524、552−553、599−600、618、628、639−640、916、934−935
【非特許文献3】
野崎弘・藤代光雄著、「ヨウ素とその工業」東京電気大学出版部発行、1962年3月1日、p.19−137
【非特許文献4】
井上敏著、「無機化学製造実験」裳華房発行、1946年、p.69−70
【非特許文献5】
"Inorganic Syntheses" 1936-1976, McGraw-Hill Book Co., New York, vol. 1, p.157-158, 163, 168
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蒸発乾固や加熱乾燥では、水湿結晶の形態での無機ヨウ素化合物から完全に水分を除去することは困難であり、例えば、ヨウ化バリウム2水和物の製造の場合では、その製造過程で、ヨウ化バリウム2水和物中にヨウ化バリウム6水和物が副生するが、このヨウ化バリウム6水和物がヨウ化バリウム2水和物に比して吸湿性が高いため、容器内に残存する水が極少量であっても、水分がヨウ化バリウム6水和物に作用してヨウ化バリウム6水和物の固結・固化が起こり、また、水の存在によりヨウ素が遊離して、純度の低下や着色が起こり、製品全体としての品質が低下してしまう。
【0006】
また、特にヨウ化バリウム2水和物の製造においては、その製造原料中に水酸化ストロンチウムが混入しているため、所望のヨウ化バリウム2水和物のほかにヨウ化ストロンチウム2水和物も副生してしまう。しかしながら、ストロンチウムはバリウムと同族でありかつ挙動が類似しているため、ヨウ化ストロンチウム2水和物の除去が非常に困難であり、純度の面で十分とはいえなかった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、無機ヨウ素化合物の製造において、当該化合物が本来有する、吸湿性、潮解性が強く、ヨウ素を遊離しやすいという性状に起因する、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を改善した、高純度でかつ保存安定性がよく取り扱いが容易な無機ヨウ素化合物の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ヨウ化バリウム2水和物の製造において、混入するストロンチウム等の金属不純物の含量を低減できる、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を改善した、高純度でかつ保存安定性がよく取り扱いが容易なヨウ化バリウム2水和物の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、無機ヨウ素化合物の製造工程において、水湿体として取り出された無機ヨウ素化合物の結晶を、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の、水と親和性を有する有機溶媒(混合物を含む)で洗浄することによって、無機ヨウ素化合物中に残存する少量の水であっても効率よく除去でき、このような洗浄後に乾燥することにより、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を引き起こさない程度にまで、水分含量を低減した無機ヨウ素化合物が容易に製造できることを見出した。
【0010】
また、本発明者らは、さらに上記他の目的を達成するために鋭意検討した結果、ヨウ化バリウム2水和物の製造工程において、ヨウ化バリウム2水和物の水溶液から析出させたヨウ化バリウム2水和物の結晶を、上記したような有機溶媒(混合物を含む)で洗浄することによって、ヨウ化バリウム2水和物中に残存する少量の水であっても効率よく除去できると共に、結晶に付着した晶析母液を有機溶媒に置換して、ヨウ化バリウム2水和物に含有されるストロンチウム量を、数ppmにまで低減でき、このような洗浄後に乾燥することによって、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を引き起こさない程度にまで、水分含量を低減し、かつヨウ化バリウム2水和物の製造原料中に混入しているストロンチウム等の金属不純物の含量をも低減したヨウ化バリウム2水和物が容易に製造できることをも、見出した。
【0011】
上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0012】
上記諸目的は、下記(1)〜()によって達成される。
【0013】
(1) ヨウ化バリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅、ヨウ化亜鉛、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ユウロピウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム、及びこれらの水和物からなる群より選択される少なくとも一種の無機ヨウ素化合物の結晶を、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:R1COOR2(式中、R1は、HまたはCH3であり、およびR2は、CH3またはC25である)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤で洗浄することを特徴とする無機ヨウ素化合物の製造方法。
【0014】
(2) ヨウ化バリウム2水和物の水溶液から当該化合物の結晶を析出し、当該結晶を、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:R1COOR2(式中、R1は、HまたはCH3であり、およびR2は、CH3またはC25である)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤で洗浄することを特徴とするヨウ化バリウム2水和物の製造方法。
【0016】
) 上記溶剤は、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤である、前記(1)または(2)に記載の製造方法。
【0017】
) 洗浄後のヨウ化バリウム2水和物中のストロンチウムの含量が10ppm以下である、前記(2)または(3)に記載の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
第一の態様によると、本発明は、無機ヨウ素化合物の結晶を、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:R1COOR2(式中、R1は、HまたはCH3であり、およびR2は、CH3またはC25である)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤で洗浄することを特徴とする無機ヨウ素化合物の製造方法を提供するものである。本発明の方法によれば、特定の溶剤で無機ヨウ素化合物の結晶を洗浄し、所望の無機ヨウ素化合物はほとんど溶解させずに、結晶中に残存する少量の水分を溶剤に溶解させることによって選択的に除去できる。また、製造工程中に生成するあるいは原料中に含まれる不純物(例えば、鉄、鉛、イオウ、ストロンチウムなど及びその無機塩)は、一般的に結晶中の水に溶解した状態であるいはそのまま混入しているが、このような金属不純物及びその無機塩またはこれらが水に溶解した形態のもの(明細書中では、これらを一括して、「不純物」とも称する)を溶剤に溶解させることによって選択的に除去できる。したがって、本発明の方法によると、無機ヨウ素化合物の固結、ヨウ素の遊離による着色及び収率の低下が有効に防止できる。また、沸点が低い溶剤を使用することにより、洗浄の後の無機ヨウ素化合物の乾燥に、高温での加熱処理を必要としない。
【0020】
無機ヨウ素化合物は、本来、吸湿性、潮解性が強く、ヨウ素を遊離しやすいという性状を有しており、この本来有する性状故に、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下が避けられず、産業上広く利用され、かつ望まれているにもかかわらず、高純度で保存安定性や取り扱い性がよい無機ヨウ素化合物を容易に得ることはできなかった。また、無機ヨウ素化合物は、一般に、水に溶解しやすく、有機溶媒に溶解しにくいという特性を有している。このため、無機ヨウ素化合物の製造工程においては、合成反応後の無機ヨウ素化合物の水溶液は、特別な処理を施さない限り遊離したヨウ素の存在により着色しており、そのまま蒸発乾固せしめた場合はもとより、晶析せしめた後に固液分離を行なっても、そのままでは結晶から着色した晶析母液(水及びその水に溶解した無機ヨウ素化合物並びに不純物等)を完全に除去することはできず、結晶は着色したままであり、純度も上がらない。また、結晶を水で洗浄すると、無機ヨウ素化合物は水に溶けやすいため、収率が大きく低下してしまう。水溶媒下に再結晶を行なう等の精製を行なう場合にも同様の問題が生じる。また、合成された無機ヨウ素化合物を乾燥する場合、水分をなるべく除去するために高温とすることにより、湿結晶に付着した水による一時的な再溶解が生じ、結晶形状がくずれ、水和物においては、結晶水を徐々に放出して純粋な水和物でなくなることも多い。また、乾燥しても完全に水を除去することは難しいため、残存した水により、保存中に潮解による固結やヨウ素の遊離による着色及び純度低下が発生しやすい。
【0021】
本発明は、無機ヨウ素化合物の製造工程において、合成反応後の後処理として取り出された当該化合物の水湿結晶を、水と親和性を有する有機溶媒で洗浄することにより、水湿結晶に付着した晶析母液(水及びその水に溶解した無機ヨウ素化合物並びに不純物等;以下同様)を除去することによって、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を改善した、高純度で保存安定性がよく、また流動性がよい等取り扱いが容易な無機ヨウ素化合物を製造することを特徴とする。本発明の方法によれば、有機溶媒に対する無機ヨウ素化合物の溶解度は、一般に、水に比して極めて小さいため、水湿結晶に付着した水及びその水に溶解した無機ヨウ素化合物並びに不純物等のみを除去し、無機ヨウ素化合物の結晶をほとんど溶かし出さない。また、当該有機溶媒は、水に比して蒸発潜熱が小さいため、洗浄後の比較的低温での乾燥によって、容易に除去できる。さらに、当該有機溶媒は、安価で工業的に入手容易であり、無機ヨウ素化合物の製造工程において、合成反応後の後処理として取り出された当該化合物の水湿結晶を、当該有機溶媒で洗浄するという簡便な操作のみによって、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を改善した、高純度で保存安定性がよく取り扱いが容易な無機ヨウ素化合物を製造することができるという大きな効果を有する。
【0022】
本発明に使用される無機ヨウ素化合物は、特に制限されるものではなく、一般的に知られている、金属ヨウ化物、ヨウ素酸金属塩、過ヨウ素酸金属塩等、常温で固体たる無機ヨウ素化合物が広く使用できる。本発明の効果が顕著であり、かつ産業上広く利用されている無機ヨウ素化合物としては、例えば、ヨウ化バリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅、ヨウ化亜鉛、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ユウロピウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム等が好ましく挙げられる。本発明においては、上記無機ヨウ素化合物は、水和物の形態であってもよく、使用される用途などに応じて適宜選択される。その例としては、ヨウ化バリウム2水和物、ヨウ化バリウム6水和物、ヨウ化ナトリウム2水和物、ヨウ化カルシウム6水和物、ヨウ素酸ナトリウム1水和物、ヨウ素酸ナトリウム5水和物、ヨウ素酸カルシウム1水和物、ヨウ素酸カルシウム6水和物などが挙げられる。また、これらの無機ヨウ素化合物(水和物を含む)は、一種のみを単独で使用されてもあるいは二種以上の混合物の形態で使用されてもいずれであってもよく、使用される用途などに応じて適宜選択される。これらの無機ヨウ素化合物のうち、ヨウ化バリウム及びヨウ化バリウム2水和物、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化ユウロピウムが好ましく使用される。
【0023】
無機ヨウ素化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、使用される無機ヨウ素化合物の種類によって適宜選択される。例えば、「実験化学講座 9 無機化合物の合成と精製」(社団法人日本化学会編、丸善株式会社発行、1958年、p. 47、51, 94-96, 99-100, 121-122, 163, 164-165, 196-197, 395, 454-455)、「新実験化学講座 8 無機化合物の合成II」(社団法人日本化学会編、丸善株式会社発行、1977年、p. 462-463, 472-474, 522-524, 552-553, 599-600、618, 628, 639-640, 916, 934-935)、「ヨウ素とその工業」(野崎弘・藤代光雄著、東京電気大学出版部発行、1962年3月1日、p.19−137)、「無機化学製造実験」(井上敏著、裳華房発行、1946年、p.69−70)、および"Inorganic Syntheses" 1936-1976, McGraw-Hill Book Co., New York, vol.1, p.157-158, 163, 168などに記載の方法など、公知の方法が適用できる。すなわち、無機ヨウ素化合物は、ヨウ素もしくはヨウ化水素酸と、製造しようとする無機ヨウ素化合物に対応する塩基性金属塩ないしは塩素酸金属塩等とを水溶媒下にて反応せしめることによって合成される。金属ヨウ化物においては、合成操作及び後処理操作が容易であり、かつ経済性にも優れているところから、合成しようとする金属ヨウ化物に対応する金属水酸化物が入手容易であれば該金属水酸化物と、広く市販されているヨウ化水素酸(ヨウ化水素濃度57%前後の水溶液)とを反応せしめることが推奨される。等モル当量の中和反応により、化学量論的に容易に合成できる。
【0024】
合成反応後の後処理としては、目的とする無機ヨウ素化合物の性状に応じて、そのまま蒸発乾固せしめることによるか、または、必要に応じて濃縮後に冷却して目的の無機ヨウ素化合物を析出せしめた後に固液分離を行なうことによって、水湿結晶として取り出すことができる。必要であれば、この後、水溶媒下に再結晶を行なう等の精製を行なった後、最後に乾燥して無機ヨウ素化合物を製造してもよい。
【0025】
このようにして製造された無機ヨウ素化合物は、結晶形態であるが、この際の結晶の大きさは、特に制限されず、上記したようにして製造された無機ヨウ素化合物をそのまま使用してもよいし、または無機ヨウ素化合物の用途や溶剤との接触面積などを考慮して、適当な粒度を有する無機ヨウ素化合物の結晶を分別・選択してもよい。好ましくは、平均粒度が、0.1μm〜10mm、より好ましくは1μm〜1mmである。このような粒度の無機ヨウ素化合物の結晶は、効率よく溶剤と接触して含まれる水分を効率よく除去できる。
【0026】
本発明で無機ヨウ素化合物の結晶の洗浄に使用される溶剤は、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:R1COOR2(式中、R1は、HまたはCH3であり、およびR2は、CH3またはC25である)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選ばれる1ないしは2以上の混合物であり、目的とする無機ヨウ素化合物に応じて、無機ヨウ素化合物の有機溶媒に対する溶解度等を考慮して選択される。これらのうち、炭素数が1から4である脂肪族アルコールとしては、目的の無機ヨウ素化合物は溶解せずに水や他の不純物を溶解できるものであれば、特に制限されないが、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、及びメタノールなどが挙げられる。また、炭素数が3から5である脂肪族ケトンとしては、やはり目的の無機ヨウ素化合物は溶解せずに水や他の不純物を溶解できるものであれば、特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジアセチルなどが挙げられる。炭素数が2から4である脂肪族ニトリルとしては、やはり目的の無機ヨウ素化合物は溶解せずに水や他の不純物を溶解できるものであれば、特に制限されないが、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルなどが挙げられる。同様にして、上記式で表わされる脂肪族エステルとしては、酢酸、プロピオン酸、酢酸メチル、酢酸エチルなどが挙げられる。同様にして、炭素数が2から4である脂肪族エーテルとしては、メチルエーテル、エチルエーテル、エチルメチルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル及びテトラヒドロフランが好ましく使用される。これらの溶剤は、所望の無機ヨウ素化合物は溶解せずに水をはじめとする不純物(ストロンチウム、イオウ、鉄、鉛など)は溶解し、さらに、溶剤の沸点が水より低いために、洗浄後の溶剤の除去工程が低温加熱により行なえるためである。この際、上記溶剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
【0027】
本発明において、無機ヨウ素化合物の結晶の溶剤による洗浄では、固液分離を行なう装置の形態や固液分離の方法等を考慮して、最適な方法が選択される。例えば、水湿結晶を固液分離装置に保持したまま、十分量の溶剤でかけ洗いする方法、固液分離装置から取り出した水湿結晶を有機溶媒に懸濁せしめた後に再び固液分離する方法などが挙げられる。
【0028】
本発明において、洗浄に使用する溶剤の量は、水や不純物が除去できれば特に制限されず、無機ヨウ素化合物の種類や使用量、無機ヨウ素化合物の結晶の大きさ、不純物の種類、固液分離を行なう装置の形態や固液分離の方法、水湿結晶の量や結晶に付着した晶析母液の量等を考慮して、最適な量を決定すればよい。結晶に付着した晶析母液を溶剤に置換するに必要十分な量ならばよいが、好ましくは、無機ヨウ素化合物の結晶の質量に対して、0.01〜10倍、より好ましくは0.1〜2倍である。また、溶剤による無機ヨウ素化合物結晶の洗浄工程は、1回である必要はなく、必要であれば繰り返し行なわれてもよく、これらは水湿結晶の量や結晶に付着した晶析母液の量等を考慮して、適宜選択される。好ましくは、溶剤による無機ヨウ素化合物の結晶の洗浄工程は、1〜20回、より好ましくは1〜5回行なわれる。さらに、洗浄温度は、固液分離を行なう装置の形態や固液分離の方法、製造しようとする無機ヨウ素化合物の性状等を考慮して、任意に決定され、特に制限されるものではないが、通常、0℃以上、洗浄に使用する有機溶媒の沸点以下である。
【0029】
最後に、このようにして溶剤で洗浄された無機ヨウ素化合物の結晶を常法により乾燥することによって、目的の無機ヨウ素化合物が、ほとんど水分を含まずに高純度で、製造できる。この際、乾燥方法としては、加熱乾燥、風乾、減圧乾燥などが挙げられる。これらの方法は、単独であるいは組み合わせて使用されてもよい。また、これらの方法のうち、減圧乾燥が、減圧下で必要最小限度の温度及び時間にて有機溶媒を除去できるため、好ましく使用される。この場合の減圧度、乾燥温度及び乾燥時間に関しては、乾燥に使用する機器の形態及び除去しようとする溶剤の性状を考慮して最適化される。また、洗浄に使用される有機溶媒が水より低い沸点を有する場合には、加熱乾燥においても従来より低い温度での加熱乾燥により有機溶媒を完全に除去できる。このようにして製造された無機ヨウ素化合物は、水分含量が極めて低い(ほとんど水分を含まない)上、余分な有機溶媒も含まないために、長期間保存されても経時的な固結やヨウ素の遊離による着色を引き起こさず、均一で流動性の良い結晶形態を維持できる。
【0030】
第二の態様によると、本発明は、ヨウ化バリウム2水和物の水溶液から当該化合物の結晶を析出し、当該結晶を、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:R1COOR2(式中、R1は、HまたはCH3であり、およびR2は、CH3またはC25である)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤で洗浄することを特徴とするヨウ化バリウム2水和物の製造方法を提供するものである。従来のヨウ化バリウム2水和物の製造では、水に加えてヨウ化バリウム6水和物が副生するが、このヨウ化バリウム6水和物はヨウ化バリウム2水和物よりも吸湿性が高いため、従来の加熱乾燥で残存する少量の水がこのヨウ化バリウム6水和物に作用して、固化・固結を誘発してしまう。しかしながら、本発明の方法によれば、特定の溶剤でヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶を洗浄し、所望のヨウ化バリウム2水和物はほとんど溶解させずに、結晶中に残存する少量の水分を溶剤に溶解させることによって選択的に除去できる。また、製造工程中に生成するあるいは原料中に含まれる不純物(例えば、鉄、鉛、イオウ、ストロンチウムなど及びその無機塩)は、一般的に結晶中の水に溶解した状態であるいはそのまま混入しているが、このような金属不純物、特に従来分離・除去が困難であったストロンチウム及びその無機塩またはこれらが水に溶解した形態のものを溶剤に溶解させることによって選択的に除去できる。したがって、本発明の方法によると、無機ヨウ素化合物の固結、ヨウ素の遊離による着色及び収率の低下が有効に防止できる。また、沸点が低い溶剤を使用することにより、洗浄の後のヨウ化バリウム2水和物の乾燥に、高温での加熱処理を必要としない。
【0031】
本発明は、ヨウ化バリウム2水和物の製造工程において、合成反応後の後ヨウ化バリウム2水和物の水溶液から析出させた当該化合物の水湿結晶を、水と親和性を有する有機溶媒で洗浄することにより、水湿結晶に付着した晶析母液(水及びその水に溶解した無機ヨウ素化合物並びに不純物等)を除去することによって、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を改善した、高純度で保存安定性がよく、また流動性がよい等取り扱いが容易なヨウ化バリウム2水和物を製造することを特徴とする。本発明の方法によれば、有機溶媒に対するヨウ化バリウム2水和物の溶解度は、一般に、水に比して極めて小さいため、水湿結晶に付着した水及びその水に溶解したヨウ化バリウム2水和物並びに不純物等のみを除去し、結晶をほとんど溶かし出さない。また、当該有機溶媒は、水に比して蒸発潜熱が小さいため、洗浄後の比較的低温での乾燥によって、容易に除去できる。さらに、当該有機溶媒は、安価で工業的に入手容易であり、ヨウ化バリウム2水和物の製造工程において、合成反応後の後処理として取り出された当該化合物の水湿結晶を、当該有機溶媒で洗浄するという簡便な操作のみによって、固結、ヨウ素の遊離による着色及び純度低下を改善した、高純度で保存安定性がよく取り扱いが容易なヨウ化バリウム2水和物を製造することができるという大きな効果を有する。
【0032】
加えて、本発明の第二態様による方法によれば、ヨウ化バリウム2水和物の高純度化の一面として、ストロンチウム量の削減がある。すなわち、ヨウ化バリウム2水和物には一般的にストロンチウム、カルシウム及びアルカリ金属などの金属不純物が含まれている。これらのうちストロンチウムは、特に、バリウムと同族の元素であり、その挙動も類似している。また、ヨウ化バリウム2水和物の原料たる水酸化バリウム8水和物には数百から数千ppmの水酸化ストロンチウム8水和物が含まれており、ヨウ化バリウム2水和物の製造工程において、ヨウ化ストロンチウム2水和物も生成してしまう。ヨウ化バリウム2水和物とヨウ化ストロンチウム2水和物とは、やはり挙動が類似しているため、ヨウ化バリウム2水和物から効率的にヨウ化ストロンチウム2水和物のみを除去することは難しいという問題があった。しかしながら、本発明の第二態様による方法によると、ヨウ化ストロンチウムを不純物として含んでいるヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶を、水と親和性を有する有機溶媒で洗浄することによって、結晶に付着した晶析母液を有機溶媒に置換して、ヨウ化バリウム2水和物に含有されるストロンチウム量を、数ppmにまで低減することができる。
【0033】
以下、本発明の第二の態様を詳細に説明するが、洗浄に使用される溶剤、洗浄条件などについては、本発明の第一の態様と同様の部分についてはその説明を省略し、本発明の第一の態様におけるのと相違する部分についてのみ、以下に説明する。
【0034】
本発明の方法に使用されるヨウ化バリウム2水和物の製造方法は、特に制限されるものではなく、使用される無機ヨウ素化合物の種類によって適宜選択される。例えば、「実験化学講座 9 無機化合物の合成と精製」(社団法人日本化学会編、丸善株式会社発行、1958年、p. 196-197)、「新実験化学講座 8 無機化合物の合成II」(社団法人日本化学会編、丸善株式会社発行、1977年、p. 628)、「ヨウ素とその工業」(野崎弘・藤代光雄著、東京電気大学出版部発行、1962年3月1日、p.71)などに記載の、公知の方法が適用できる。すなわち、ヨウ化バリウムは、例えば、水酸化バリウム8水和物とヨウ化水素酸との等モル当量の中和反応により、化学量論的に合成される。中和熱による発熱反応であるが、ヨウ化水素酸が蒸散しない温度であれば、反応温度は成り行きでよい。反応が終了すると、ヨウ化バリウムの水溶液が得られる。
【0035】
反応で得られたヨウ化バリウム水溶液から水を留去して濃縮していくと、ヨウ化バリウム2水和物の結晶が析出してくる。析出した結晶を26℃以上100℃以下の温度において固液分離して、ヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶を得る。濃縮の度合いにもよるが、分離温度が26℃未満であると、ヨウ化バリウム2水和物の析出温度が25.7℃であることから、結晶に付着した晶析母液(水及びその水に溶解した無機ヨウ素化合物並びに不純物等)からヨウ化バリウム6水和物が析出し、所望のヨウ化バリウム2水和物の純度が低下する場合があるため、通常は、濃縮を終了した温度のまま、26℃以上の温度で固液分離を行なう。固液分離に用いる装置も26℃以上100℃以下の温度に保温し、得られたヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶が26℃未満に冷却されないようにする。冷却されると、結晶に付着した晶析母液(水及びその水に溶解した無機ヨウ素化合物並びに不純物等)からヨウ化バリウム6水和物が析出し、付着する。ヨウ化バリウム6水和物が混在していると、所望のヨウ化バリウム2水和物の純度が低下することとなり、また固結及びヨウ素の遊離による着色が起こりやすくなり、保存安定性や取り扱い性が悪くなるからである。
【0036】
このようにして製造されたヨウ化バリウム2水和物は、水湿結晶の形態であるが、この際の結晶の大きさは、特に制限されず、上記したようにして製造された無機ヨウ素化合物をそのまま使用してもよいし、またはヨウ化バリウム2水和物の用途や溶剤との接触面積などを考慮して、適当な粒度を有するヨウ化バリウム2水和物の結晶を分別・選択してもよい。適宜選択される。好ましくは、平均粒度が、0.1μm〜1mm、より好ましくは1〜500μmである。このような粒度の無機ヨウ素化合物の結晶は、効率よく溶剤と接触して含まれる水分を効率よく除去できる。
【0037】
本発明でヨウ化バリウム2水和物の結晶の洗浄に使用される溶剤は、上記本発明の第一の態様で述べたのと同様のものが使用でき、好ましくは2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル及びテトラヒドロフラン、特に2−プロパノール及びメタノールである。
【0038】
このようにして固液分離にて得られたヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶は、上記した特定の溶剤で洗浄される。ヨウ化バリウム2水和物の結晶の溶剤による洗浄では、固液分離を行なう装置の形態や固液分離の方法等を考慮して、最適な方法が選択される。例えば、水湿結晶を固液分離装置に保持したまま、十分量の溶剤でまんべんなくかけ洗いする方法、結晶を浸る程度の量の有機溶媒に浸した後に固液分離する方法などが挙げられる。
【0039】
本発明において、洗浄に使用する溶剤の量は、水や不純物が除去できれば特に制限されず、ヨウ化バリウム2水和物の種類や使用量、ヨウ化バリウム2水和物の結晶の大きさ、不純物の種類、固液分離を行なう装置の形態や固液分離の方法、水湿結晶の量や結晶に付着した晶析母液の量等を考慮して、最適な量を決定すればよい。結晶に付着した晶析母液を溶剤に置換するに必要十分な量ならばよいが、好ましくは、ヨウ化バリウム2水和物の結晶の質量に対して、0.01〜10倍、より好ましくは0.1〜2倍である。また、溶剤によるヨウ化バリウム2水和物の洗浄工程は、1回である必要はなく、必要であれば繰り返し行なわれてもよく、これらは水湿結晶の量や結晶に付着した晶析母液の量等を考慮して、適宜選択される。好ましくは、溶剤によるヨウ化バリウム2水和物の結晶の洗浄工程は、1〜20回、より好ましくは1〜5回行なわれる。さらに、洗浄温度は、他の洗浄条件や製造しようとする無機ヨウ素化合物の性状等を考慮して、任意に決定され、特に制限されるものではないが、通常、0℃以上、洗浄に使用する有機溶媒の沸点以下の範囲、好ましくは26〜100℃、より好ましくは30〜80℃、特に好ましくは固液分離した時の温度を保ったまま、である。この際、洗浄温度が26℃未満であると、ヨウ化バリウム6水和物が析出して結晶に付着し、所望のヨウ化バリウム2水和物の純度が低下することとなり、また、固結及びヨウ素の遊離による着色が起こりやすくなり、保存安定性や取り扱い性が悪くなる場合がある。
【0040】
最後に、このようにして溶剤で洗浄されたヨウ化バリウム2水和物の結晶を常法により乾燥することによって、目的のヨウ化バリウム2水和物が、ほとんど水分及びストロンチウムを含まずに高純度で、製造できる。この際、乾燥方法としては、加熱乾燥、風乾、減圧乾燥などが挙げられる。これらの方法は、単独であるいは組み合わせて使用されてもよい。また、これらの方法のうち、減圧乾燥が、減圧下で必要最小限度の温度及び時間にて有機溶媒のみを除去できるため、好ましく使用される。この場合の減圧度、乾燥温度及び乾燥時間に関しては、乾燥に使用する機器の形態及び除去しようとする有機溶媒の性状を考慮して最適化される。必要以上の高温や長時間乾燥すると、結晶水が徐々に放出されて結晶の性状が変化し、2水和物たる目的を達し得なくなる。このため、結晶水を放出せしめない乾燥温度が選択されることが好ましく、このような乾燥温度は、通常、約60〜70℃を上限の目安とするが、必要以上に長時間乾燥乾燥せしめると結晶水が徐々に放出されるので、有機溶媒を除去し得る最短の時間で乾燥を終了することが好ましい。また、洗浄に使用される有機溶媒が水より低い沸点を有する場合には、加熱乾燥においても従来より低い温度での加熱乾燥により有機溶媒を完全に除去できる。
【0041】
このようにして製造されたヨウ化バリウム2水和物は、水分含量が極めて低い(ほとんど水分を含まない)上、余分な有機溶媒も含まないために、長期間保存されても経時的な固結やヨウ素の遊離による着色を引き起こさず、均一で流動性の良い結晶形態を維持できる。加えて、このようにして製造されたヨウ化バリウム2水和物では、ヨウ化バリウム2水和物の製造原料中に混入していたストロンチウムを効率よく除去できる。この際の洗浄後のヨウ化バリウム2水和物中のストロンチウムの量は、具体的には、10ppm以下、より好ましくは5ppm以下である。なお、本明細書において、ストロンチウムは、ストロンチウム金属のみを意味するものではなく、ヨウ化ストロンチウム(水和物を含む)や水酸化ストロンチウム(水和物を含む)などのストロンチウム化合物をも包含する。また、ヨウ化バリウム2水和物中のストロンチウムの量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法によって測定され、ストロンチウム金属の量として規定される。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
実施例1
攪拌機、温度計及び排気管を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、57.6%ヨウ化水素酸400g(ヨウ化水素として1.8mol)を仕込み、攪拌しつつ、水酸化バリウム8水和物(水酸化ストロンチウム8水和物500ppm含有)284g(水酸化バリウムとして0.9mol)を加えて中和反応を完結せしめた。中和反応による発熱のため液温が上昇するので、水浴にて冷却し、反応中、液温を60℃以下とした。次に、活性炭3.0gを加えて攪拌した後、活性炭を濾別して、ヨウ化バリウム水溶液684gを得た。
【0044】
攪拌機、温度計及び減圧蒸留装置(凝縮器、受器及び真空ポンプ)を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、上記で得られたヨウ化バリウム水溶液684gを仕込み、6.7kPaの減圧下、攪拌しつつ水浴にて液温を70℃まで加温して、水254gを留出せしめることにより濃縮した。濃縮終了時、フラスコ内にはヨウ化バリウム2水和物の白色結晶が析出し、スラリー状態となっていた。このスラリーを、60℃以下にならないようにしながら、ブフナーロートを用いて吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶260gと濾液(64%ヨウ化バリウム水溶液)170gを得た。
【0045】
ブフナーロート上に得られたヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶260gに、水湿結晶の温度を固液分離時の温度に保ったまま、2−プロパノール(以下、IPAと称す。)40gを加えて結晶をまんべんなくIPA中に浸すことによって洗浄した後に、吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化バリウム2水和物のIPA湿結晶260gと洗浄濾液40gを得た。
【0046】
得られたヨウ化バリウム2水和物のIPA湿結晶260gを、2.7kPaの減圧下、60℃にて乾燥して、ヨウ化バリウム2水和物の結晶240gを得た。得られた結晶は、均一で流動性の良い白色結晶であり、硝酸銀滴定法による純度は99%以上、誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下、ICP法と称す。)によるストロンチウム含量は5ppm以下であった。
【0047】
このようにして得られたヨウ化バリウム2水和物の結晶を密閉下、通常の室内条件にて1年間放置したところ、外観上の変化は全く見られなかった。また、密閉下、40℃にて6ヶ月間放置したところ、着色や固結は全く見られず、均一で流動性の良い白色結晶のままであり、硝酸銀滴定法による純度も99%以上と変化がなかった。
【0048】
比較例1
実施例1と同様に反応及び固液分離を行なって得られたヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶260gを、IPAによる洗浄を行なわずに、そのまま、2.7kPaの減圧下、60℃にて乾燥して、ヨウ化バリウム2水和物の結晶255gを得た。得られた結晶は小さな塊を含む淡黄白色結晶であり、硝酸銀滴定法による純度は98%以上、ICP法によるストロンチウム含量は20ppmであった。
【0049】
得られたヨウ化バリウム2水和物の結晶を密閉下、通常の室内条件に放置したところ、2ヶ月でヨウ素の遊離によるものと思われる着色及び固結が見られた。
【0050】
実施例2
攪拌機、温度計及び排気管を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、実施例1で得られた濾液(64%ヨウ化バリウム水溶液)170gと洗浄濾液40gを仕込み、次いで57.6%ヨウ化水素酸250g(ヨウ化水素として1.12mol)を仕込み、攪拌しつつ、水酸化バリウム8水和物(水酸化ストロンチウム8水和物500ppm含有)177g(水酸化バリウムとして0.56mol)を加えて中和反応を完結せしめた。中和反応による発熱のため液温が上昇するので、水浴にて冷却し、反応中、液温を60℃以下とした。次に活性炭3.0gを加えて攪拌した後、活性炭を濾別して、ヨウ化バリウム水溶液637gを得た。
【0051】
攪拌機、温度計及び減圧蒸留装置(凝縮器、受器及び真空ポンプ)を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、上記で得られたヨウ化バリウム水溶液637gを仕込み、6.7kPaの減圧下、攪拌しつつ水浴にて液温を70℃まで加温して、水及びIPAを合わせて207g留出せしめることにより濃縮した。濃縮終了時、フラスコ内にはヨウ化バリウム2水和物の白色結晶が析出し、スラリー状態となっていた。このスラリーを、60℃以下にならないようにしながら、ブフナーロートを用いて吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶260gと濾液(64%ヨウ化バリウム水溶液)170gを得た。
【0052】
ブフナーロート上に得られたヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶260gに、水湿結晶の温度を固液分離時の温度に保ったまま、IPA40gを加えて結晶をまんべんなく浸すことによって洗浄した後に吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化バリウム2水和物のIPA湿結晶260gと洗浄濾液40gを得た。
【0053】
得られたヨウ化バリウム2水和物のIPA湿結晶260gを、2.7kPaの減圧下、60℃にて乾燥して、ヨウ化バリウム2水和物の結晶240gを得た。得られた結晶は均一で流動性の良い白色結晶であり、硝酸銀滴定法による純度は99%以上、ICP法によるストロンチウム含量は5ppm以下であった。
【0054】
実施例3
実施例1と同様に反応及び引き続く固液分離を行なって得られたヨウ化バリウム2水和物の水湿結晶260gに、水湿結晶の温度を50℃〜60℃に保ったまま、メタノール40gを加えて結晶をまんべんなくメタノール中に浸すことによって洗浄した後に、吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化バリウム2水和物のIPA湿結晶250gと洗浄濾液50gを得た。
【0055】
得られたヨウ化バリウム2水和物のメタノール湿結晶250gを、2.7kPaの減圧下、60℃にて乾燥して、ヨウ化バリウム2水和物の結晶230gを得た。得られた結晶は均一で流動性の良い白色結晶であり、硝酸銀滴定法による純度は99%以上、ICP法によるストロンチウム含量は5ppm以下であった。
【0056】
実施例4
攪拌機、温度計、ガス吹き込み管及び排気管を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、57.6%ヨウ化水素酸628g(ヨウ化水素として2.83mol)を仕込み、攪拌しつつ、アンモニアガス50g(2.94mol)を吹き込んで中和反応を完結せしめた。中和反応による発熱のため液温が上昇するので、水浴にて冷却し、反応中、液温を60℃以下とした。次に活性炭3.0gを加えて攪拌した後、活性炭を濾別して、ヨウ化アンモニウム水溶液678gを得た。
【0057】
攪拌機、温度計及び減圧蒸留装置(凝縮器、受器及び真空ポンプ)を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、上記で得られたヨウ化アンモニウム水溶液678gを仕込み、6.7kPaの減圧下、攪拌しつつ水浴にて液温を70℃まで加温して、水132gを留出せしめることにより濃縮した。濃縮終了時、フラスコ内にはヨウ化アンモニウムの白色結晶が析出し、スラリー状態となっていた。このスラリーを、水浴にて20℃以下まで冷却した後、ブフナーロートを用いて吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化アンモニウムの水湿結晶262gと濾液(66%ヨウ化アンモニウム水溶液)284gを得た。
【0058】
ブフナーロート上に得られたヨウ化アンモニウムの水湿結晶262gにIPA40gを加えて結晶をまんべんなくIPA中に浸すことによって洗浄した後に、吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化アンモニウムのIPA湿結晶242gと洗浄濾液60gを得た。
【0059】
得られたヨウ化アンモニウムのIPA湿結晶242gを、2.7kPaの減圧下、60℃にて乾燥して、ヨウ化アンモニウムの結晶222gを得た。得られた結晶は均一で流動性の良い白色結晶であり、硝酸銀滴定法による純度は99%以上、ICP法によるイオウ含量は10ppm以下、鉛及び鉄含量は各々5ppm以下であった。
【0060】
得られたヨウ化アンモニウムの結晶を密閉下、通常の室内条件にて6ヶ月間おいたところ、外観上の変化は全く見られなかった。また、密閉下、40℃にて6ヶ月間おいたところ、着色や固結は全く見られず、均一で流動性の良い白色結晶のままであり、硝酸銀滴定法による純度も99%以上と変化がなかった。
【0061】
比較例2
実施例4と同様に反応及び引き続く固液分離を行なって得られたヨウ化アンモニウムの水湿結晶262gを、IPAによる洗浄を行なわずに、そのまま、2.7kPaの減圧下、60℃にて乾燥して、ヨウ化アンモニウムの結晶248gを得た。得られた結晶は小さな塊を含む白色結晶であり、硝酸銀滴定法による純度は98%以上であった。
【0062】
得られたヨウ化アンモニウムの結晶を密閉下、通常の室内条件においたところ、3ヶ月でヨウ素の遊離によるものと思われる着色及び固結が見られた。
【0063】
実施例5
攪拌機、温度計、ガス吹き込み管及び排気管を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、実施例4で得られた濾液284gと洗浄濾液60gを仕込み、次いで57.6%ヨウ化水素酸314g(ヨウ化水素として1.41mol)を仕込み、攪拌しつつ、アンモニアガス25g(1.47mol)を吹き込んで中和反応を完結せしめた。中和反応による発熱のため液温が上昇するので、水浴にて冷却し、反応中、液温を60℃以下とした。次に活性炭3.0gを加えて攪拌した後、活性炭を濾別して、ヨウ化アンモニウム水溶液683gを得た。
【0064】
攪拌機、温度計及び減圧蒸留装置(凝縮器、受器及び真空ポンプ)を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、上記で得られたヨウ化アンモニウム水溶液683gを仕込み、6.7kPaの減圧下、攪拌しつつ水浴にて液温を70℃まで加温して、水及びIPA137gを留出せしめることにより濃縮した。濃縮終了時、フラスコ内にはヨウ化アンモニウムの白色結晶が析出し、スラリー状態となっていた。このスラリーを、水浴にて20℃以下まで冷却した後、ブフナーロートを用いて吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化アンモニウムの水湿結晶262gと濾液(66%ヨウ化アンモニウム水溶液)284gを得た。
【0065】
ブフナーロート上に得られたヨウ化アンモニウムの水湿結晶262gにIPA40gを加えて結晶をまんべんなく浸すことによって洗浄した後に吸引濾過にて固液分離し、ヨウ化アンモニウムのIPA湿結晶242gと洗浄濾液60gを得た。
【0066】
得られたヨウ化アンモニウムのIPA湿結晶242gを、2.7kPaの減圧下、60℃にて乾燥して、ヨウ化アンモニウムの結晶222gを得た。得られた結晶は均一で流動性の良い白色結晶であり、硝酸銀滴定法による純度は99%以上、ICP法によるイオウ含量は10ppm以下、鉛及び鉄含量は各々5ppm以下であった。
【0067】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、無機ヨウ素化合物の結晶を、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:R1COOR2(式中、R1は、HまたはCH3であり、およびR2は、CH3またはC25である)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤で洗浄することを特徴とする無機ヨウ素化合物の製造方法に関するものである。本発明の方法によると、所望の無機ヨウ素化合物はほとんど溶解せずに、結晶中に残存する少量の水分を溶剤に溶解させることによって選択的に除去できる。また、製造工程中に生成するあるいは原料中に含まれる不純物(例えば、鉄、鉛、イオウ、ストロンチウムなど及びその無機塩)は、一般的に結晶中の水に溶解した状態であるいはそのまま混入しているが、このような金属不純物及びその無機塩またはこれらが水に溶解した形態のものを溶剤に溶解させることによって選択的に除去できる。したがって、本発明の方法によると、無機ヨウ素化合物の固結、ヨウ素の遊離による着色及び収率の低下が有効に防止できる。また、沸点が低い溶剤を使用することにより、洗浄の後の無機ヨウ素化合物の乾燥に、高温での加熱処理を必要としない。このため、本発明の方法によると、従来技術では得られない、高純度で保存安定性がよく取り扱いが容易な無機ヨウ素化合物の製造が安価で簡便な方法によって実施可能であるので、本発明は工業的に極めて有用である。
【0068】
また、本発明は、ヨウ化バリウム2水和物の水溶液から当該化合物の結晶を析出し、当該結晶を、上記と同様の1以上の溶剤で洗浄することを特徴とするヨウ化バリウム2水和物の製造方法に関するものである。本発明の方法によると、上記利点に加えて、バリウムと同族であり、その挙動も類似しているため、従来分離が非常に困難であったストロンチウム化合物(水酸化ストロンチウム8水和物やヨウ化ストロンチウム2水和物)含量を、数ppmにまで低減することができる。

Claims (4)

  1. ヨウ化バリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅、ヨウ化亜鉛、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ユウロピウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム、及びこれらの水和物からなる群より選択される少なくとも一種の無機ヨウ素化合物の結晶を、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:RCOOR(式中、Rは、HまたはCHであり、およびRは、CHまたはCである)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤で洗浄することを特徴とする無機ヨウ素化合物の製造方法。
  2. ヨウ化バリウム2水和物の水溶液から当該化合物の結晶を析出し、当該結晶を、炭素数が1から4である脂肪族アルコール、炭素数が3から5である脂肪族ケトン、炭素数が2から4である脂肪族ニトリル、式:RCOOR(式中、Rは、HまたはCHであり、およびRは、CHまたはCである)で表わされる脂肪族エステル、炭素数が2から4である脂肪族エーテル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤で洗浄することを特徴とするヨウ化バリウム2水和物の製造方法。
  3. 該溶剤は、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上の溶剤である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 洗浄後のヨウ化バリウム2水和物中のストロンチウムの含量が10ppm以下である、請求項2または3に記載の製造方法。
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