JP6380836B2 - フィルター付き端子台 - Google Patents
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Description
しかしながら、ノイズフィルター付き端子台は、バスバー単体に比べると、磁性体コアやモールド部材の分だけその外形が大きくなる。そのため、複数の端子台を必要とする場合には、端子台を設置するための設置スペースが大きくなるという問題がある。この場合、複数の端子台を例えばモールドにより一体化したとしても、バスバーおよび磁性体コアの数は変わらないため、小型化に大きく寄与することはない。また、複数のバスバーと複数の磁性体コアを備えることで端子台単体としての重量が増大し、取り付け構造を強固にする必要がある等、自動車のような振動が生じるようなものに適用するには反って問題を引き起こす可能性がある。
また、磁性体コアを小型化することができることから、製造コストを低減することができる。
また、フィルター付き端子台自体の大きさが小型化されることから、小型化や軽量化が求められ、また、設置場所に振動が生じたりする電気自動車やハイブリッド自動車等への適用に好適である。
図1に示すように、本実施形態のノイズフィルター付き端子台(以下、単に端子台1と称する)は、本実施形態では3本のバスバー2A〜2Cと、それらのバスバー2A〜2Cを一体にモールドするモールド部材3とを備えている。バスバー2A〜2Cは、導電性材料により形成されており、その両端に、貫通孔4が形成された端子部5が形成されている。以下、3本のバスバー2A〜2Cについて総称する場合は、単にバスバー2と称して説明する。なお、貫通孔4は、ねじ溝を切ったねじ穴であってもよい。また、端子部5にナットを取り付けた構成や、そのナットごとモールド樹脂3により一体にモールドした構成であってもよい。
そして、モールド工程においてモールド部材3によりモールドすることにより、図8に断面視にて示すように、磁性体コア6の中空部9には、バスバー2A〜2C(より厳密には、各バスバー2の中央部8)が所定間隔を存して積層された状態、且つ、バスバー2間および磁性体コア6との間が絶縁された状態となる。
端子台1では、バスバー2は、両端側にそれぞれ端子部5が形成されているとともに、その中央側(中央部8側)の少なくとも一部が平板状に形成され、磁性体コア6の中空部9を、互いに所定の間隔を存して板厚方向に積層された状態で貫通する。このため、磁性体コア6の中空部9は、1つの平板状のバスバー2の幅と、それを複数枚積層できるだけの大きさとを備えていればよい。そのため、複数のバスバー2を単純に横方向に並べる場合に比べて、磁性体コア6を小型化することができる。そして、磁性体コア6を小型化することができることから、モールド部材3で一体化した際にも、端子台1の大きさを小型化することができる。したがって、複数のバスバーが存在する構成において、ノイズフィルター機能を実現しつつも小型化を図ることができる。
このとき、絶縁ボビン7を設けることにより、互いが接触するおそれを低減している。これにより、中空部9に複数のバスバー2を積層して配置することで互いの距離や中空部9の内周面との間の距離が短くなる場合であっても、例えばモールド工程において圧力が加えられた際に接触する等のおそれを低減することができる。そして、絶縁ボビン7により絶縁されていることから、積層する際の間隔をより小さくでき、より小型化を図ることができる。
また、端子台1自体の大きさが小型化されることから、小型化や軽量化が求められ、また、設置場所に振動が生じたりする電気自動車やハイブリッド自動車等への適用に好適である。
また、モールド部材3を成形収縮率が0.6%以下の樹脂材料で形成したことにより、モールド工程の終了後にモールド部材3が収縮した場合であっても、磁性体コア6が損傷するおそれを抑制することができる。
また、本実施形態では、直線状に形成されたバスバー2(2A)と、オフセットが形成されたバスバー2(2B、2C)との2種類で構成されている。このため、バスバー2の種類が増えて製造や管理や煩雑になることを抑制することができる。
また、バスバー2を2種類で構成していることから、モールド工程前の段階(図7(B)参照)で仮に上下や左右を取り違えるミスが起きても、最終的な端子台1は同じものができあがる。つまり、人為的ミスに対する冗長性を備えることができる。
本発明は、上記した実施形態で例示した構成に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形又は拡張することができる。
モールド部材3を形成する樹脂材料は、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂のいずれも採用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば以下のようなものを採用することができる。
・ポリフェニレンサルファイド樹脂(Poly Phenylene Sulfide Resin:PPS):融点が約280℃と高く、また、高い耐熱性、優れた耐薬品性を備え、難燃剤を添加せずに自己消火性を実現できる。
・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene:ABS):軽量かつ強固で、メッキを施すことが。また、耐熱性、耐摩耗性、寸法安定性に優れ、電気的特性も良好であり溶接や溶着が容易。なお、折り曲げて白化したり、耐候性にやや劣る面もあるが、テレビ、ラジオ部品、車両部品、トランク、運道具、楽器ケース、スーツケース、ヘルメット、自動車内装用、ハンドル、計算機等に広く利用されている。
・フェノール系樹脂:機械的強度、電気絶縁性、耐酸性、耐水性、耐熱性等が高く、比較的安価 に利用できる。耐アルカリ性にやや劣るものの、積層板、耐酸器具、電気絶縁材料、機械部品、塗料、食器、ボタン等に幅広く使われている。
・エポキシ系樹脂:電気絶縁性、接着性、耐熱性、耐薬品性等が良好。やや高価であるものの、ライニング、歯車、日用品の接着剤、金属接着剤、金属塗料等に幅広く使われている。
実施形態では閉環状の磁性体コア6を例示したが、環状の一部に不連続部を設けた磁性体コアを採用してもよい。また、一体の磁性体コア6を例示したが、分割型の磁性体コアを採用してもよい。
Claims (4)
- 磁性材料により形成され、その内周側にバスバーが貫通する中空部を有する磁性体コアと、
導電性材料により形成され、両端側にそれぞれ端子部が形成されているとともに、その中央側の少なくとも一部が平板状に形成され、前記中空部を互いに所定の間隔を存して板厚方向に積層された状態で貫通する複数のバスバーと、
樹脂材料で形成され、前記磁性体コアおよび前記バスバーを、前記端子部を露出した状態で一体にモールドするモールド部材と、
絶縁性材料により形成され、前記中空部を貫通する複数の前記バスバー間および前記バスバーと前記磁性体コアの内周面との間を絶縁するとともに、前記バスバー間および前記バスバーと前記磁性体コアの内周面との間の沿面距離を確保する絶縁ボビンと、を備え、
前記バスバーは、直線状に形成されたものと、両側の端子部が前記中空部に挿入されている部位から前記磁性体コアの外側までオフセットした形状に形成されたものとが設けられており、
前記中空部に挿入される前記絶縁ボビンは、前記磁性体コアに前記バスバーを挿入した状態で取り付け可能なように、前記バスバーが貫通する貫通孔に、当該バスバーのオフセット方向に対応した開口が形成されていることを特徴とするフィルター付き端子台。 - 前記磁性体コアの前記中空部は、前記バスバーの前記中空部に挿入される部位の幅よりも若干大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載のフィルター付き端子台。
- 前記モールド部材は、成形収縮率が0.6%以下の樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のフィルター付き端子台。
- 前記モールド部材は、線膨張係数が5×10-5/℃以下の範囲の樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のフィルター付き端子台。
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