以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るポジションセンサ取付構造が適用された手動変速機Mの動力伝達機構1の構成を示す。この手動変速機Mは、車両に搭載された、前進6速及び後退1速の手動変速機であり、エンジンルーム内に横置きされたエンジン2の車両左側に位置するように、上記エンジン2と連結されている。動力伝達機構1は、変速機ケース80のギヤケース81(図2参照)内に収容されている。
上記動力伝達機構1は、上記車両に搭載されたエンジン2の動力が入力されるプライマリシャフト10と、プライマリシャフト10と平行に配置され、後述する差動装置70に動力を伝達するためのセカンダリシャフト20とを備える。プライマリシャフト10は、上記車両の乗員の踏み込み操作により切断状態とされるクラッチ4を介して、エンジン2の出力軸3(クランク軸)に連結されている。プライマリシャフト10及びセカンダリシャフト20は、どちらも車幅方向に延びている。尚、図1の右側であるエンジン2側が車両右側であり、図1の左側である反エンジン2側が車両左側である。
プライマリシャフト10とセカンダリシャフト20との間には、プライマリシャフト10からセカンダリシャフト20に動力を伝達するための、互いに常時噛み合う2つのギヤをそれぞれ有する複数の前進変速段用ギヤ列G1〜G6と、後退速時に互いに噛み合う3つのギヤを有するリバース用ギヤ列GRとが設けられている。具体的には、エンジン2側から順に、1速用ギヤ列G1、リバース用ギヤ列GR、2速用ギヤ列G2、5速用ギヤ列G5、6速用ギヤ列G6、3速用ギヤ列G3及び4速用ギヤ列G4がそれぞれ配設されている。
上記1速用ギヤ列G1及び2速用ギヤ列G2は、それぞれプライマリシャフト10に固定された1速用及び2速用プライマリシャフト11,12と、セカンダリシャフト20に遊嵌合された1速用及び2速用セカンダリギヤ21,22とで構成されている。また、3〜6速用の各ギヤ列G3,G4,G5,G6は、それぞれ、プライマリシャフト10に遊嵌合された3〜6速用プライマリギヤ13〜16と、セカンダリシャフト20に固定された3〜6速用セカンダリギヤ23〜26とで構成されている。
リバース用ギヤ列GRは、プライマリシャフト10に固定されたリバース用プライマリギヤ17と、セカンダリシャフト20に遊嵌合されたリバース用セカンダリギヤ27と、プライマリシャフト10及びセカンダリシャフト20と平行に延びるリバース用アイドルシャフト30の回りに回転可能に設けられ、該リバース用アイドルシャフト30の軸方向に摺動自在に嵌合されたリバース用アイドルギヤ37とで構成されている。
また、セカンダリシャフト20のエンジン2側の端部には、差動装置70のリングギヤ71と常時噛み合う出力ギヤ28が設けられ、セカンダリシャフト20の回転は、出力ギヤ28を介して差動装置70に伝達され、該差動装置70から上記車両の左右の車軸72,73にそれぞれ伝達されて、該左右の車軸72,73に連結された上記車両の左右の車輪に伝達される。
セカンダリシャフト20上における1速用セカンダリギヤ21と2速用セカンダリギヤ22との間には、1−2速用同期装置40が配設されている。また、プライマリシャフト10上における3速用プライマリギヤ13と4速用プライマリギヤ14との間には、3−4速用同期装置50が配設され、プライマリシャフト10上における5速用プライマリギヤ15と6速用プライマリギヤ16との間には、5−6速用同期装置60が配設されている。
不図示のチェンジレバーが上記車両の乗員により操作されると、これらの同期装置40,50,60のスリーブ41,51,61がエンジン2側又は反エンジン2側にスライドされ、スライドされた側の遊嵌合ギヤがプライマリシャフト10又はセカンダリシャフト20に固定され、当該ギヤ列が動力伝達状態となる。
具体的には、1−2速用同期装置40のスリーブ41が、図1に示す中立位置からエンジン2側へスライド操作されると、1速用セカンダリギヤ21とセカンダリシャフト20とが結合され、この結果、エンジン2の出力軸3の駆動力が、クラッチ4、プライマリシャフト10、1速用プライマリギヤ11、1速用セカンダリギヤ21、及びセカンダリシャフト20を介して出力ギヤ28に伝達されて、1速が達成される。
一方、1−2速用同期装置40のスリーブ41が、図1に示す中立位置から反エンジン2側へスライド操作されると、2速用セカンダリギヤ22とセカンダリシャフト20とが結合され、この結果、エンジン2の出力軸3の駆動力が、クラッチ4、プライマリシャフト10、2速用プライマリギヤ12、2速用セカンダリギヤ22、及びセカンダリシャフト20を介して出力ギヤ28に伝達されて、2速が達成される。
また、3−4速用同期装置50のスリーブ51が、図1に示す中立位置からエンジン2側へスライド操作されると、3速用プライマリギヤ13とプライマリシャフト10とが結合され、この結果、エンジン2の出力軸3の駆動力が、クラッチ4、プライマリシャフト10、3速用プライマリギヤ13、3速用セカンダリギヤ23、及びセカンダリシャフト20を介して出力ギヤ28に伝達されて、3速が達成される。
一方、3−4速用同期装置50のスリーブ51が、図1に示す中立位置から反エンジン2側へスライド操作されると、4速用プライマリギヤ14とプライマリシャフト10とが結合され、この結果、エンジン2の出力軸3の駆動力が、クラッチ4、プライマリシャフト10、4速用プライマリギヤ14、4速用セカンダリギヤ24、及びセカンダリシャフト20を介して出力ギヤ28に伝達されて、4速が達成される。
さらに、5−6速用同期装置60のスリーブ61が、図1に示す中立位置からエンジン2側へスライド操作されると、5速用プライマリギヤ15とプライマリシャフト10とが結合され、この結果、エンジン2の出力軸3の駆動力が、クラッチ4、プライマリシャフト10、5速用プライマリギヤ15、5速用セカンダリギヤ25、及びセカンダリシャフト20を介して出力ギヤ28に伝達されて、5速が達成される。
一方、5−6速用同期装置60のスリーブ61が、図1に示す中立位置から反エンジン2側へスライド操作されると、6速用プライマリギヤ16とプライマリシャフト10とが結合され、この結果、エンジン2の出力軸3の駆動力が、クラッチ4、プライマリシャフト10、6速用プライマリギヤ16、6速用セカンダリギヤ26、及びセカンダリシャフト20を介して出力ギヤ28に伝達されて、6速が達成される。
リバース用ギヤ列GRを構成するリバース用セカンダリギヤ27は、上記1−2速用同期装置40のスリーブ41に設けられており、該1−2速用同期装置40のハブ42を介してセカンダリシャフト20に回転可能に固定されている。上記チェンジレバーの操作により、リバース用アイドルギヤ37が反エンジン2側へスライドされると、該リバース用アイドルギヤ37がリバース用プライマリギヤ17及びリバース用セカンダリギヤ27にそれぞれ噛み合うようになり、この結果、エンジン2の出力軸3の駆動力が、クラッチ4、プライマリシャフト10、リバース用プライマリギヤ17、リバース用アイドルギヤ37、リバース用セカンダリギヤ27、セカンダリシャフト20を介して出力ギヤ28に伝達されて、リバースが達成される。
次に、手動変速機Mの変速操作機構について図2〜図7を参照しながら説明する。図2では、図示を省略しているが、エンジン2は、図2の左側に設けられている。すなわち、図2の左側であるエンジン2側が車両右側であり、図2の右側である反エンジン2側が車両左側である。
尚、図2〜図7は、上記チェンジレバーがシフトパターンにおけるニュートラル位置に位置しているときの状態を示している。図示を省略するが、本実施形態では、上記シフトパターンは、車幅方向をセレクト方向、該セレクト方向に垂直な方向をシフト方向として、セレクト方向に延びる1つのセレクトレーンとシフト方向に延びる複数のシフトレーンとを有している。上記セレクトレーンと上記複数のシフトレーンとの位置関係としては、上記セレクトレーンの車両左側から順に、リバース用シフトレーン、シフト方向に同一直線上に延びる1速用シフトレーン及び2速用シフトレーン、シフト方向に同一直線上に延びる3速用シフトレーン及び4速用シフトレーン、シフト方向に同一直線上に延びる5速用シフトレーン及び6速用シフトレーンが位置するという関係になっている。上記ニュートラル位置は、上記セレクトレーンと上記3速用シフトレーン及び上記4速用シフトレーンとの交点に設定されている。
手動変速機Mの変速操作機構は、変速機ケース80内において、上下方向に延びるように配設されたシフトセレクトシャフト100(図2〜図7参照)を有している。該シフトセレクトシャフト100は、後述するシフトアウターレバー110により、上記車両の乗員による上記チェンジレバーのシフト操作に連動して軸回りに回動し、後述するセレクトアウターレバー120により、上記車両の乗員による上記チェンジレバーのセレクト操作に連動して軸方向、すなわち上下方向に移動する。
シフトセレクトシャフト100の一端部、具体的には、シフトセレクトシャフト100の上側の端部は、変速機ケース80の上側の壁部(後述するコントロールケース82)を貫通して、該変速機ケース80の外部に突出している。変速機ケース80の上側の上記壁部は、該シフトセレクトシャフト100の上側の部分を支持するためのコントロールケース82として構成されている。シフトセレクトシャフト100は、上記コントロールケース82に設けられた貫通孔82aを通って、コントロールケース82から上側に向かって突出するように延びている。コントロールケース82は、ギヤケース81とは別部材で構成されており、3つのボルト83によって該ギヤケース81に固定されている(図4参照)。
貫通孔82aにおける、コントロールケース82とシフトセレクトシャフト100との間には、図6に示すように、コントロールケース82とシフトセレクトシャフト100との間の隙間を塞ぐように、リング状のシール部材84が設けられ、さらに、コントロールケース82には、上記隙間における該シール部材84よりも上側の部分を塞ぐように、円筒状のブーツ85が取付固定されている。ブーツ85は、コントロールケース82に取付固定された状態で、シフトセレクトシャフト100と同軸である。また、ブーツ85は、コントロールケース82に取付固定された状態で、シフトセレクトシャフト100における、変速機ケース80の外部に突出した部分の周面を覆うように、シフトセレクトシャフト100の軸方向に沿って、コントロールケース82の上面から突出した状態となっている。尚、コントロールケース82は、変速機ケース80におけるブーツ85の近傍部分に相当する。
変速機ケース80の外部における、シフトセレクトシャフト100が突出した側には、手動変速機Mの変速操作機構の一部として、上記車両の乗員による上記チェンジレバーのシフト操作及びセレクト操作に連動して、上記シフトセレクトシャフト100を軸回りに回動及び軸方向に移動させるための、変速装置90が設けられている。該変速装置90には、上記車両の乗員により上記チェンジレバーがシフト操作された時に、該シフト操作に連動して、上記シフトセレクトシャフト100を軸回りに回動させるためのシフトアウターレバー110(第1レバー)と、上記車両の乗員により上記チェンジレバーがセレクト操作された時に、該セレクト操作に連動して、上記シフトセレクトシャフト100を軸方向に移動させるためのセレクトアウターレバー120(第2レバー)とが設けられている。また、詳しくは後述するが、変速装置90には、シフトセレクトシャフト100のシフト位置及びセレクト位置を検出するギヤシフトポジションセンサ200(ポジションセンサ。以下、Gear Shift position Sensorを省略してGSS200という)が設けられている。
上記シフトアウターレバー110は、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、ブーツ85よりも上端側の部分に、該シフトセレクトシャフト100の軸方向と垂直な方向、詳しくは、上記車両の左右方向に延びるように(厳密には、車両の左右方向に対して、車両前後方向に僅かに傾斜して延びるように)取付固定されている。シフトアウターレバー110は、細長い板状部材を加工したものであって、その長手方向の中央部分において、シフトセレクトシャフト100の上端部に取付固定されている。シフトアウターレバー110における車両右側の端部には、カウンターウエイト111が設けられる一方、シフトアウターレバー110における車両左側の端部には、上記チェンジレバーのシフト操作の操作力をシフトアウターレバー110に伝達するシフトケーブル(図示省略)が接続されるジョイント112が設けられている。
シフトアウターレバー110は、上記シフトケーブルを介して上記チェンジレバーのシフト操作の操作力が伝達されるようになっており、上記チェンジレバーがシフト操作された時には、該シフト操作の操作力が、上記シフトケーブルを介してシフトアウターレバー110に伝達されて、シフトアウターレバー110が図4に矢印Aで示すように回動される。これにより、シフトセレクトシャフト100が軸回りに回動する。上記カウンターウエイト111は、上記車両の乗員によるシフト操作により、シフトアウターレバー110がシフトセレクトシャフト100を軸回りに回動させるときに、シフトアウターレバー110が回動する側と同じ側に向かう慣性力を発生させ、上記車両の乗員によるシフト操作をアシストするために設けられている。尚、本実施形態では、シフトアウターレバー110は、上記チェンジレバーが1速、3速及び5速のいずれか1つにシフト操作されたときには、上側から見て、シフトセレクトシャフト100の軸周りに反時計回りに回動する一方、上記チェンジレバーがリバース、2速、4速及び6速のいずれか1つにシフト操作されたときには、上側から見て、シフトセレクトシャフト100の軸周りに時計回りに回動するように構成されている。
上記セレクトアウターレバー120は、図5に示すように、車両側方から見て略L字状をなした板状部材であり、該L字の角部123が、コントロールケース82から上側に突出するように設けられた支持構造部86の車両右側に、軸129(図3、図5及び図7参照)を介して回動可能に支持されている。セレクトアウターレバー120は、角部123から上側に延びる第1延設部121と、角部123から車両後側に延びる第2延設部122とを有している。
第1延設部121は、図3及び図5に示すように、上側に向かって車両後側に湾曲するように延びている。第1延設部121の上端部には、上記チェンジレバーのセレクト操作の操作力をセレクトアウターレバー120に伝達するセレクトケーブル(図示省略)に接続されるジョイント124が設けられている。
第2延設部122は、図4に示すように、車両後側に向かって真っ直ぐに延びた後、シフトセレクトシャフト100よりも車両前側の位置において、車両後側かつ車両右側に傾斜するように曲げられ、その後、車両前後方向におけるシフトセレクトシャフト100と同等の位置において、再び車両後側に向かって真っ直ぐに伸びるように曲げられている。第2延設部122の車両後側の端部には、車両左側に突出したピン125(図6参照)が取り付けられている。上記シフトアウターレバー110のカウンターウエイト111側の部分におけるシフトセレクトシャフト100の近傍部分には、当該部分の下面に、車両前後方向から見て略S字状に曲げられた係合部材113が固定されており、上記ピン125は、図6に示すように、係合部材113の下側の曲げ部113aと係合している。
セレクトアウターレバー120は、上記セレクトケーブルを介して上記チェンジレバーのセレクト操作の操作力が伝達されるようになっており、上記チェンジレバーがセレクト操作された時には、該セレクト操作の操作力が、上記セレクトケーブルを介してセレクトアウターレバー120に伝達されて、セレクトアウターレバー120が、図5に矢印Bで示すように軸129周りに回動される。セレクトアウターレバー120が回動すると、ピン125が係合部材113を介してシフトセレクトシャフト100を上側又は下側に押す。これにより、シフトセレクトシャフト100が上下方向、すなわち軸方向に移動する。尚、本実施形態では、上記チェンジレバーが、上記シフトパターンのセレクト方向における上記リバース用シフトレーンの位置に位置しているときに、シフトセレクトシャフト100が最も上側に位置し、上記チェンジレバーを、上記セレクトレーンに沿って上記リバース用シフトレーンの位置から上記5速用及び6速用シフトレーン側(つまり、車両右側)に移動させるに連れて、シフトセレクトシャフト100が下方向に移動するようになっている。つまり、セレクトアウターレバー120は、車両左側から見て、上記チェンジレバーを、上記セレクトレーンに沿って車両右側にセレクト操作したときには、軸129周りに時計回りに回動する一方、上記チェンジレバーを、上記セレクトレーンに沿って車両左側にセレクト操作したときには、軸129周りに反時計回りに回動するようになっている。
一方で、変速機ケース80内部には、該変速機ケース80の上部に、リバース用シフトロッド101、1−2速用シフトロッド(図示省略)、3−4速用シフトロッド102、及び5−6速用シフトロッド(図示省略)が設けられている。各シフトロッドの軸方向は、プライマリシャフト10、セカンダリシャフト20及びリバース用アイドルシャフト30との軸方向と平行になっている。また、各シフトロッドは、変速機ケース80のギヤケース81に軸方向にスライド可能に支持されている。
上記1−2速用シフトロッドには、1−2速用同期装置40に対応する位置に、1−2速用同期装置40のスリーブ41を、上記車両の乗員のシフト操作に応じて1速用セカンダリギヤ21又は2速用セカンダリギヤ22のいずれか一方側にスライドさせるための1−2速用シフトフォーク(図示省略)が設けられている。同様に、3−4速用シフトロッド102及び上記5−6速用シフトロッドにも、3−4速用同期装置50に対応する位置及び上記5−6速用同期装置60に対応する位置に、3−4速用シフトフォーク108及び5−6速用シフトフォーク(図示省略)がそれぞれ設けられている。また、リバース用シフトロッド101からは、上記車両の乗員のリバースシフト操作に応じてリバース用アイドルギヤ37を、リバース用プライマリギヤ17と噛合するようにスライドさせるためのリバース用シフトフォーク109が、リバース用アイドルギヤ37に向かって延びている。
また、各シフトロッドからは、シフトセレクトシャフト100に向かって、ゲート部材が延びている。具体的には、リバース用シフトロッド101からはリバース用ゲート部材104、上記1−2速用シフトロッドからは1−2速用ゲート部材105、3−4速用シフトロッド102からは3−4速用ゲート部材106、上記5−6速用シフトロッドからは5−6速用ゲート部材107がそれぞれ延びている。各ゲート部材104〜107は、シフトセレクトシャフト100側の端部が、上から順に、リバース用ゲート部材104、1−2速用ゲート部材105、3−4速用ゲート部材106、5−6速用ゲート部材107と並ぶように配置されている。各ゲート部材104〜107のシフトセレクトシャフト100側の端部には、シフト操作用凹部104a〜107aがそれぞれ形成されている。
変速機ケース80内において、シフトセレクトシャフト100の上下方向の中間部、具体的には、各シフト操作用凹部104a〜107aを含む所定の高さ範囲内の部分には、上記各ゲート部材104〜107を操作するためのアーム部材103が固着されている。アーム部材103の上記シフトロッド側の部分には、径方向外側に突出したアーム部103aが設けられている。アーム部103aは、各ゲート部材104〜107を介して各ゲート部材104〜107と連結されたシフトロッドを、上記シフト操作に連動して、その軸方向に移動させるためのものである。
上記車両の乗員によって、上記チェンジレバーがセレクト操作されると、シフトセレクトシャフト100が軸方向(本実施形態では上下方向)に移動し、アーム部103aがシフト操作用凹部104a〜107aのうち、上記チェンジレバーのセレクト位置に応じた1つのシフト操作用凹部と係合する(図7では、3−4速用ゲート部材106のシフト操作用凹部106aと係合した状態を示している)。アーム部103aがシフト操作用凹部と係合した状態で、上記車両の乗員によって、上記チェンジレバーがシフト操作されると、シフトセレクトシャフト100が軸回りに回動し、これに伴いアーム部103aが該軸周りに回動して、アーム部103aが、該アーム部103aと係合したゲート部材(図7では、3−4速用ゲート部材106)をエンジン2側又は反エンジン2側に向かって押す。これにより、当該ゲート部材が取り付けられたシフトロッドが、その軸方向のエンジン2側又は反エンジン2側に移動される。
シフトロッドがその軸方向のエンジン2側又は反エンジン2側に移動されると、当該シフトロッドに設けられたシフトフォークを介して、当該シフトフォークと係合したスリーブがエンジン2側又は反エンジン2側に向かって移動され、上記車両の乗員が選択した変速段に対応するギヤ列が動力伝達状態となる。
本実施形態に係る上記車両の変速操作では、先ず、上記車両の乗員の踏み込み操作によってクラッチ4が切断状態とされ、エンジン2の出力軸3とプライマリシャフト10との連結状態が切断される。クラッチ4の切断後、上記車両の乗員による上記チェンジレバーのセレクト操作及びシフト操作によって、上記車両の乗員が望む変速段が選択され、セレクトアウターレバー120及びシフトアウターレバー110が駆動されて、シフトセレクトシャフト100が軸方向に移動されかつ軸回りに回動される。シフトセレクトシャフト100が作動されることで、上記ゲート部材、上記シフトロッド及び上記シフトフォークを介して、上記車両の乗員が望む変速段に対応した同期装置が作動されて、当該変速段に対応するギヤ列が動力伝達状態とされる。その後、クラッチ4が再び結合されて、エンジン2の出力軸3の回転がプライマリシャフト10に伝えられ、動力伝達状態となったギヤ列を介して、車輪に伝達される。
本実施形態では、変速機ケース80の外部に、シフトセレクトシャフト100における、回動位置(以下、シフト位置という)及び軸方向の位置(以下、セレクト位置という)を検出するGSS200が設けられている。GSS200は、該GSS200が検出したシフトセレクトシャフト100のシフト位置及びセレクト位置に基づいて、不図示のコントロールユニットにより変速段を算出するために設けられている。さらに詳しくは、GSS200は、上記算出された変速段に基づいて、上記コントロールユニットがエンジン2の出力軸3の回転数を制御することで、変速操作におけるクラッチ4の再結合の際の変速ショックを出来る限り小さくするために設けられている。
本実施形態では、GSS200は、磁石用ブラケット181を介してシフトアウターレバー110に取り付けられた磁石180と、センサ用ブラケット191を介してコントロールケース82に取り付けられた磁気センサ190(センサ本体)とによって構成されている。
上記磁石用ブラケット181は、直方体形状をなしており、シフトセレクトシャフト100の中心軸を含みかつシフトアウターレバー110の長手方向に延びる平面P(図4参照。以下、特定平面Pという)を挟んで、セレクトアウターレバー120の第1延設部121とは反対側に位置するように、シフトアウターレバー110における、シフトセレクトシャフト100の近傍部分の下面に2つのボルト182によって固定されている。これにより、磁石用ブラケット181は、図5に示すように、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80(厳密には、コントロールケース82)とシフトアウターレバー110との間の範囲に、上記軸方向に沿って、シフトアウターレバー110の下面から変速機ケース80側に延びるように設けられる。また、磁石用ブラケット181は、図5及び図6に示すように、シフトセレクトシャフト100の径方向において、該シフトセレクトシャフト100と離間して、シフトアウターレバー110に固定されている。
磁石用ブラケット181の上下方向の長さは、シフトセレクトシャフト100のアーム部103aが5−6速用ゲート部材107のシフト操作用凹部107aと係合した状態、つまり、シフトセレクトシャフト100が最も下側に移動した状態で、磁石側ブラケット181の下端とコントロールケース82の上面とが当接しないような長さに設定されている。
また、磁石用ブラケット181の素材は、磁石180によって形成される磁場、詳しくは、磁石180から磁気センサ190に向かって放出される磁力線に影響を与えないような素材であり、本実施形態では樹脂である。
磁石180は、上側から見て、2つのボルト182の間に位置するように、磁石用ブラケット181の下端部に埋設されている。磁石180は、シフトセレクトシャフト100と同軸の円筒の一部を切り出した形状(以下、アーチ形状という)をなすように加工されている。詳しくは、上側から見て、磁石180の車両右側縁に沿って延ばした直線と、磁石180の車両左側縁に沿って延ばした直線との交点が、シフトセレクトシャフト100の軸心上に位置するようなアーチ形状をなしている。また、磁石180は、所定の磁気パターンとなるように磁化されており、本実施形態では磁軸が放射状になるように、詳しくは、磁軸がシフトセレクトシャフト100の軸方向に垂直でありかつ該シフトセレクトシャフト100の軸心を通過する方向に配向するように、磁化されている。尚、磁石180は、磁石用ブラケット181に完全に埋設されていなくてもよく、例えば、磁石180における磁気センサ190側の面が、磁石用ブラケット181から露出していてもよい。また、磁石180は、磁石用ブラケット181に固定されてさえいれば、磁石用ブラケット181に埋設されていなくてもよい。
磁石180が、シフトアウターレバー110に取り付けられた磁石用ブラケット181に埋設されることによって、磁石180は、磁石用ブラケット181を介してシフトアウターレバー110に取り付けられた状態となっている。また、磁石180が磁石用ブラケット181埋設されることによって、磁石180は、上記特定平面Pを挟んでセレクトアウターレバー120の第1延設部121とは反対側に位置するとともに、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、シフトアウターレバー110よりも変速機ケース80(厳密には、コントロールケース82)側に位置するように、すなわち、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80とシフトアウターレバー110との間の範囲に位置するようになる。
また、磁石180が、磁石用ブラケット181を介してシフトアウターレバー110に取り付けられることによって、磁石180は、上記チェンジレバーがシフト操作されたときには、シフトアウターレバー110と共にシフトセレクトシャフト100周りに回動し、上記チェンジレバーがセレクト操作されたときには、シフトアウターレバー110共にシフトセレクトシャフト100の軸方向に移動する。
さらに、磁石用ブラケット181が、シフトセレクトシャフト100の径方向において、該シフトセレクトシャフト100と離間しているため、磁石180は、図5及び図6に示すように、シフトセレクトシャフト100の径方向において、該シフトセレクトシャフト100と離間して配置される。
センサ用ブラケット191は、磁気センサ190が嵌め込まれるカプラー192と、車両左側でカプラー192を支持する左側支持部191aと、車両右側でカプラー192を支持する右側支持部191b(図4にのみ図示)と、によって構成されている。
左側及び右側支持部191a,191bは、図4に示すように、上記特定平面Pを挟んで、セレクトアウターレバー120の第1延設部121とは反対側に位置している。詳しくは、図5に示すように、コントロールケース82における、磁石用ブラケット181よりもシフトセレクトシャフト100の径方向外側の部分の上面から、シフトセレクトシャフト100の軸方向に沿って、シフトアウターレバー110側(つまり、上側)に延びるように設けられている。左側及び右側支持部191a,191bの下端部は、コントロールケース82と一体に形成されており、これにより、左側及び右側支持部191a,191bが変速機ケース80(厳密には、コントロールケース82)に固定された状態となっている。また、左側及び右側支持部191a,191bは、図5に示すように、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80とシフトアウターレバー110との間の範囲に設けられている。尚、左側及び右側支持部191a,191bは、コントロールケース82と一体成形されていなくてもよく、例えば、左側及び右側支持部191a,191bとコントロールケース82とが別体で構成され、左側及び右側支持部191a,191bの下端がコントロールケース82の上面に接着して固定されていてもよい。
カプラー192は、磁気センサ190の磁石180とは反対側の部分(本実施形態では、車両後側の部分)を覆うようになっており、カプラー192の車両左側の部分には車両左側に向かって突出した左側取付部192aが設けられ、カプラー192の車両右側の部分には車両右側に向かって突出した右側取付部192b(図4にのみ図示)が設けられている。図4に示すように、左側取付部192aは左側支持部191aの上端部にボルト194によって取付固定され、右側取付部192bは右側支持部191bの上端部にボルト194によって取付固定されている。カプラー192は、左側及び右側支持部191a,191bに取付固定された状態で、磁石用ブラケット181よりもシフトセレクトシャフト100の径方向の外側に位置している。
磁気センサ190は、矩形板状をなしていて、カプラー192に嵌め込まれることで、センサ用ブラケット191に取り付けられている。これにより、磁気センサ190は、センサ用ブラケット191を介して変速機ケース80(厳密には、コントロールケース82)に固定される。
磁気センサ190は、センサ用ブラケット191に取り付けられることによって、上記特定平面Pを挟んでセレクトアウターレバー120の第1延設部121とは反対側に位置するとともに、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80(厳密には、コントロールケース82)とシフトアウターレバー110との間の範囲に位置する。また、磁気センサ190は、センサ用ブラケット191に取り付けられた状態で、磁石用ブラケット181よりもシフトセレクトシャフト100の径方向の外側に位置している。
カプラー192の車両後側の部分には、磁気センサ190の検出信号を上記コントロールユニットに伝達するハーネスを、上記磁気センサ190に接続するためのコネクター193が設けられている。
磁気センサ190は、ホール素子で構成されており、磁石180によって形成される磁場、すなわち、磁石180から磁気センサ190に向かって放出されて、該磁気センサ190を通過する磁気ベクトルを検出して磁石180の位置を検出する。より詳しくは、磁気センサ190は、磁石180から磁気センサ190に向かって放出されて、該磁気センサ190を通過する磁力線の通過角度(本実施形態では、水平面内における磁力線の接線方向と車両前後方向との間の角度、及び、鉛直面内における磁力線の接線方向と車両前後方向との間の角度)を検出することで、磁石180の位置(シフト位置及びセレクト位置)を検出するように構成されている。
ここで、図8及び図9を参照しながら、磁石180の位置と、磁気センサ190に入力される磁力線との関係について説明する。尚、図8及び図9における磁石180の位置は、手動変速機Mの変速段が1速であるときの位置である。
手動変速機Mの変速段が1速であるときは、シフトアウターレバー110は、上記ニュートラルの位置から、シフトセレクトシャフト100の軸方向上側に移動するとともに、シフトセレクトシャフト100の軸周りに反時計回り側に回動しているため、磁石180は、図9に示すように、上記ニュートラルの位置からシフトセレクトシャフト100の軸方向上側に移動した位置に位置しているとともに、図8に示すように、上記ニュートラルの位置からシフトセレクトシャフト100の軸周りに反時計回り側に回動した位置に位置している。
磁石180が上記の位置にあるとき、磁気センサ190には、図8に示すように、水平面内において、磁気センサ190と対向する面、すなわち、磁石180の車両後側の面(以下、外側面180aという)から、例えば、車両左側に曲がるように延びる磁力線Sが入力される。磁気センサ190は、該磁気センサ190の磁石180と対向する面、すなわち車両前側の面(以下、観測面190aという)に入力された磁力線Sの上記観測面190aの位置における接線方向と車両前後方向との間の角度αとを検出する。
また、磁石180が上記の位置にあるとき、磁気センサ190には、図9に示すように、シフトセレクトシャフト100の軸心を通る鉛直面内において、磁石180の外側面180aから、例えば、下側に曲がるように延びる磁力線Sが入力される。磁気センサ190は、観測面190aに入力された磁力線Sの観測面190aの位置における接線方向と車両前後方向との間の角度βとを検出する。
磁気センサ190が検出した磁力線Sの角度α及び角度βに関する情報は、上記コントロールユニットに入力されて、該コントロールユニットによって、磁石180の位置が算出される。その後、算出された磁石180の位置に基づいて、上記コントロールユニットにより、シフトセレクトシャフト100のシフト位置及びセレクト位置が求められて、手動変速機Mの変速段が算出される。
以上により、磁気センサ190により、磁石180の位置が検出されて、シフトセレクトシャフト100のシフト位置及びセレクト位置が検出される。尚、実際には、図8及び図9に示した磁力線S以外にも、磁石180からは複数の磁力線が延びており、磁気センサ190は、各磁力線の角度α及び角度βをそれぞれ検出し、上記コントロールユニットは、検出された各磁力線の角度α及び角度βの全てを考慮して磁石180の位置を算出している。
磁石180の車幅方向の長さ及び上下方向の長さは、種々の手動変速機Mごとに予め設定された、シフト操作時にシフトセレクトシャフト100が回動する角度範囲及びセレクト操作時にシフトセレクトシャフト100が移動する軸方向移動範囲に基づいて、上記車両の乗員によってシフト操作及びセレクト操作が行われたときに、角度α及び角度βに十分に変化が生じるような長さに設定されている。
具体的には、本実施形態では、磁石180の車幅方向の長さは、図4及び図10に示すように、磁気センサ190の観測面190aの車幅方向の長さよりも僅かに大きい程度に設定され、磁石180の上下方向の長さは、図5及び図11に示すように、磁気センサ190の上下方向の長さの半分程度の長さに設定されている。
さらに詳しくは、磁石180の車幅方向の長さは、上記チェンジレバーが上記セレクトレーン上に位置しているときには、図10に実線で示すように、磁石180の外側面180aの車幅方向全体が、磁気センサ190の観測面190aと対向し、上記チェンジレバーが上記1速用シフトレーン、上記3速用シフトレーン及び上記5速用シフトレーンのうちの1つのシフトレーンにおけるシフト操作完了位置に位置しているときには、図10に一点鎖線で示すように、上側から見て、磁石180の外側面180aにおける車幅方向の中央乃至左側の部分のみが磁気センサ190の観測面190aと対向し、上記チェンジレバーが上記リバース用シフトレーン、上記2速用シフトレーン、上記4速用シフトレーン及び上記6速用シフトレーンのうちの1つのシフトレーンにおけるシフト操作完了位置に位置しているときには、図10に破線で示すように、上側から見て、磁石180の外側面180aにおける車幅方向の中央乃至右側の部分のみが磁気センサ190の観測面190aと対向するような長さに設定されている。
一方で、磁石180の上下方向の長さは、上記チェンジレバーが、上記セレクト方向における上記3速用及び上記4速用シフトレーンに対応する位置に位置しているときには、図11に実線で示すように、磁石180の外側面180aの上下方向全体が、磁気センサ190の観測面190aにおける上下方向の中央乃至下側の部分と対向し、上記チェンジレバーが、上記セレクト方向における上記1速用及び上記2速用シフトレーンに対応する位置に位置しているときには、図11に破線で示すように、磁石180の外側面180aの上下方向全体が、磁気センサ190の観測面190aにおける上下方向の中央乃至上側の部分と対向し、上記チェンジレバーが、上記セレクト方向における上記5速用及び上記6速用シフトレーンに対応する位置に位置しているときには、図11に一点鎖線で示すように、磁石180の外側面180aにおける上下方向の中央乃至上側の部分のみが、磁気センサ190の観測面190aと対向し、上記チェンジレバーが、セレクト方向における上記リバース用シフトレーンに対応する位置に位置しているときには、図11に二点鎖線で示すように、磁石180の外側面180aにおける上下方向の中央乃至下側の部分のみが、磁気センサ190の観測面190aと対向するような長さに設定されている。
ここで、変速機ケース80の内部には、ギヤ同士の噛み合いによって生じる摩耗粉としての鉄粉等が飛散している。該鉄粉等がGSS200の磁石180に付着してしまうと、磁石180から磁気センサ190に向かって延びて、該磁気センサ190に入力される磁力線が上記鉄粉等の影響を受けてしまい、GSS200の検出精度が低下してしまう。
しかしながら、本実施形態では、磁石180が、変速機ケース80の外部に配置されており、シフトセレクトシャフト100が貫通する貫通孔82aにおける、シフトセレクトシャフト100と変速機ケース80(厳密には、コントロールケース82)との間の隙間は、シール部材84及びブーツ85によって塞がれていて、変速機ケース80の内部に飛散している上記鉄粉等が外部に漏れ出ることはないため、上記鉄粉等が磁石180に付着することはない。そのため、上記磁力線が上記鉄粉等の影響を受けることがない。したがって、GSS200の検出精度を向上させることができる。
また、磁石180及び磁気センサ190からなるGSS200を手動変速機Mに取り付ける場合、シフト操作時の磁石180のストローク量(以下、シフトストローク量という)及びセレクト操作時の磁石180のストローク量(以下、セレクトストローク量という)を確保するために、一定以上の広さのスペースが必要であり、仮に磁石180を変速機ケース80内に配置する場合、上記スペースを確保するために、手動変速機Mの大型化が必要となる。
しかしながら、本実施形態では、磁石180は、磁気センサ190に対して、シフトセレクトシャフト100周りに相対回動可能にかつシフトセレクトシャフト100の軸方向に相対移動可能に、磁石用ブラケット181を介して、変速機ケース80の外部に設けられたシフトアウターレバー110に取り付けられているため、磁石180のシフト及びセレクトストローク量を確保するためのスペースを変速機ケース80内に設ける必要がなくなり、手動変速機Mの大型化を抑制することができる。
特に、本実施形態では、磁石用ブラケット181は、シフトセレクトシャフト100の軸方向に沿って、シフトアウターレバー110の下面から変速機ケース80側に延びるように、シフトアウターレバー110に取り付けられているため、上記磁石用ブラケット181に埋設された磁石180は、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80とシフトアウターレバー110との間の範囲に位置するようになる。シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80とシフトアウターレバー110との間の範囲には、少なくともブーツ85の軸方向の長さ分のスペースが予め形成されており、さらに、本実施形態では、セレクトアウターレバー120のストローク量を確保するためのスペースも予め形成されているため、上記範囲にはいわゆるデッドスペースが形成されている。したがって、磁石180を、上記磁石用ブラケット181に埋設することによって、上記デッドスペースに磁石180を配設することができ、手動変速機Mの大型化を一層抑制することができる。
さらに、本実施形態では、磁石180は、シフトセレクトシャフト100の径方向において、該シフトセレクトシャフト100と離間して、シフトアウターレバー110に取り付けられているため、磁石180をシフトセレクトシャフト100に直接設置する場合と比較して、磁石180のシフトストローク量を大きくすることができる。これにより、シフト操作時において、磁石180のシフト位置の変化が大きくなるため、GSS200の検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、磁気センサ190は、シフトセレクトシャフト100の軸方向に沿って、変速機ケース80の上面からシフトアウターレバー110側に延びるセンサ用ブラケット191に取り付けられているため、上記磁気センサ190は、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80とシフトアウターレバー110との間の範囲に位置している。つまり、GSS200を構成する磁石180と磁気センサ190との両方が、シフトセレクトシャフト100の軸方向における、変速機ケース80とシフトアウターレバー110との間の範囲に位置しているため、GSS200の手動変速機Mへの設置がコンパクトになり、手動変速機Mの大型化をより一層抑制することができる。
さらにまた、本実施形態では、磁石180及び磁気センサ190の両方が、上記特定平面Pを挟んで、セレクトアウターレバー120の第1延設部121とは反対側にそれぞれ配設されているため、磁石180とセレクトアウターレバー120の第1延設部121とが干渉しにくくなり、磁石180のシフトストローク量を大きくしやすい。これにより、GSS200の検出精度の向上を図ることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、シフトセレクトシャフト100は、軸方向が上下方向となるように配設され、シフト操作時に軸回りに回動し、セレクト操作時に軸方向に移動するように構成されていたが、これに限らず、シフトセレクトシャフト100が、軸方向が車幅方向となるように配設され、シフト操作時に軸方向に移動し、セレクト操作時に軸回りに回動するように構成されていてもよい。この場合、シフトセレクトシャフト100を軸回りに回動させる第1レバーがセレクトアウターレバーに相当し、シフトセレクトシャフト100をその軸方向に移動させる第2レバーがシフトアウターレバーに相当し、磁石は、セレクトアウターレバーに取り付けられるような構成となる。
また、上記実施形態では、磁石180は磁石用ブラケット181を介してシフトアウターレバー110に取り付けられていたが、これに限らず、シフトアウターレバー110に直接取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態では、手動変速機を対象としていたが、これに限らず、例えば、手動変速機と同じ変速機構、つまり、シフトセレクトシャフトの軸回りの回動及び軸方向の移動によって変速段を変更する変速機構を有する自動変速機(いわゆる、オートメーテッドマニュアルトランスミッション)を対象としてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。