JP2020008081A - 車両用変速機 - Google Patents

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将英 宮崎
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Abstract

【課題】アイドル軸を含めた多数の回転軸を有する車両用変速機において、軸の配置を適正化して車両に対する搭載性を向上できる車両用変速機を提供すること。【解決手段】自動変速機1において、入力軸5の軸心O1と筒状保持部81aの軸心O2とを通る仮想平面を第1の仮想平面L1とし、入力軸5の軸心O1を通り、第1の仮想平面L1と直交する仮想平面を第2の仮想平面L2とした場合に、前進用アイドル軸6と中間軸8と出力軸9とは、第1の仮想平面L1よりも下側に配置され、かつ、前進用アイドル軸6の軸心O3は、第2の仮想平面L2よりも前側に配置されている。後進用アイドル軸7および後進軸10は、第1の仮想平面L1よりも上側に配置され、かつ、後進用アイドル軸7の軸心O5は、第2の仮想平面L2よりも後側に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用変速機に関する。
従来の平行軸式の車両用変速機として、特許文献1に記載されるトランスミッションが知られている。このトランスミッションは、アイドルシャフトに前進変速段用のフォワードアイドルギヤを固定し、後進変速段用のリバースアイドルギヤをリバース同期結合装置で係脱自在に支持している。
さらに、フォワードアイドルギヤをメインシャフトのメインドライブギヤおよびセカンダリシャフトのセカンダリドリブンギヤに噛合させ、リバースアイドルギヤをカウンタシャフトのカウンタ1速−リバースギヤに噛合させている。
これにより、前進用のフォワードアイドルギヤを支持するためのアイドルシャフトを利用して後進用のリバースアイドルギヤを支持することが可能になり、部品点数およびコストの削減とトランスミッションの小型化とに寄与できる。
特開2010−19386号公報
このような従来のトランスミッションは、前進用のフォワードアイドルギヤを支持するためのアイドルシャフトを利用して後進用のリバースアイドルギヤを支持しているので、前進用のフォワードアイドルギヤと後進用のリバースアイドルギヤとに噛み合うギヤの位置が制限されてしまう。このため、アイドルシャフトを自由な位置に配置し難い上に、アイドルシャフトとカウンタシャフトの軸間距離が長くなるおそれがある。
また、前進時と後進時とにおいてアイドルシャフトを通る動力伝達経路が成立するので、特許文献1の図1に示すように、アイドルシャフトとセカンダリシャフトが、メインシャフトの軸心とディファレンシャルギヤの軸心とを通る仮想平面よりも上側に集中的に配置されている。
これにより、メインシャフトよりも上側のトランスミッションの部分が大型化し、車両に対するトランスミッションの搭載性が悪化するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、アイドル軸を含めた多数の回転軸を有する車両用変速機において、軸の配置を適正化して車両に対する車両用変速機の搭載性を向上できる車両用変速機を提供することを目的とするものである。
本発明は、車両の幅方向に延び、駆動源から動力が伝達される入力軸と、前記入力軸と平行に配置される第1のアイドル軸、第2のアイドル軸および中間軸と、前記入力軸と平行に配置され、第1の駆動ギヤを有する第1の出力軸と、前記入力軸と平行に配置され、第2の駆動ギヤを有する第2の出力軸と、前記第1の駆動ギヤと前記第2の駆動ギヤとに噛み合う従動ギヤを有し、前記入力軸よりも後方で、かつ、前記入力軸よりも低い位置に配置される駆動軸と、前記入力軸と前記第1の出力軸との間で変速を行う複数の第1の変速ギヤ列と、前記入力軸から前記第1のアイドル軸に動力を伝達する第1のアイドルギヤ列と、前記第1のアイドル軸から前記中間軸に動力を伝達する第2のアイドルギヤ列と、前記中間軸と前記第1の出力軸との間で変速を行う複数の第2の変速ギヤ列と、前記入力軸から前記第2のアイドル軸に動力を伝達する第3のアイドルギヤ列と、前記第2のアイドル軸から前記第2の出力軸に動力を伝達する第4のアイドルギヤ列とを備え、前記入力軸、前記第1のアイドル軸、前記中間軸および前記第1の出力軸によって前進駆動経路が構成され、前記入力軸、前記第2のアイドル軸および前記第2の出力軸によって後進駆動経路が構成される車両用変速機であって、前記入力軸の軸心と前記駆動軸の軸心とを通る仮想平面を第1の仮想平面とし、前記入力軸の軸心を通り、前記第1の仮想平面と直交する仮想平面を第2の仮想平面とした場合に、前記第1のアイドル軸と前記中間軸と前記第1の出力軸とは、前記第1の仮想平面よりも下側に配置され、かつ、前記第1のアイドル軸の軸心は、前記第2の仮想平面よりも前側に配置されており、前記第2のアイドル軸および前記第2の出力軸は、前記第1の仮想平面よりも上側に配置され、かつ、前記第2のアイドル軸の軸心は、前記第2の仮想平面よりも後側に配置されていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、アイドル軸を含めた多数の回転軸を有する車両用変速機において、軸の配置を適正化して車両に対する車両用変速機の搭載性を向上できる。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の構成図である。 図2は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の軸の配置を示す内側面図である。 図3は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の軸の配置を示す正面図である。
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、車両の幅方向に延び、駆動源から動力が伝達される入力軸と、入力軸と平行に配置される第1のアイドル軸、第2のアイドル軸および中間軸と、入力軸と平行に配置され、第1の駆動ギヤを有する第1の出力軸と、入力軸と平行に配置され、第2の駆動ギヤを有する第2の出力軸と、第1の駆動ギヤと第2の駆動ギヤとに噛み合う従動ギヤを有し、入力軸よりも後方で、かつ、入力軸よりも低い位置に配置される駆動軸と、入力軸と第1の出力軸との間で変速を行う複数の第1の変速ギヤ列と、入力軸から第1のアイドル軸に動力を伝達する第1のアイドルギヤ列と、第1のアイドル軸から中間軸に動力を伝達する第2のアイドルギヤ列と、中間軸と第1の出力軸との間で変速を行う複数の第2の変速ギヤ列と、入力軸から第2のアイドル軸に動力を伝達する第3のアイドルギヤ列と、第2のアイドル軸から第2の出力軸に動力を伝達する第4のアイドルギヤ列とを備え、入力軸、第1のアイドル軸、中間軸および第1の出力軸によって前進駆動経路が構成され、入力軸、第2のアイドル軸および第2の出力軸によって後進駆動経路が構成される車両用変速機であって、入力軸の軸心と駆動軸の軸心とを通る仮想平面を第1の仮想平面とし、入力軸の軸心を通り、第1の仮想平面と直交する仮想平面を第2の仮想平面とした場合に、第1のアイドル軸と中間軸と第1の出力軸とは、第1の仮想平面よりも下側に配置され、かつ、第1のアイドル軸の軸心は、第2の仮想平面よりも前側に配置されており、第2のアイドル軸および第2の出力軸は、第1の仮想平面よりも上側に配置され、かつ、第2のアイドル軸の軸心は、第2の仮想平面よりも後側に配置されている。
これにより、アイドル軸を含めた多数の回転軸を有する車両用変速機において、軸の配置を適正化して車両に対する搭載性を向上できる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用変速機について、図面を用いて説明する。
図1から図3は、本発明の一実施例に係る車両用変速機を示す図である。図1から図3において、上下前後左右方向は、車両に配置された状態の車両用変速機の上下前後左右方向とし、前後方向に対して直交する方向が左右方向、車両用変速機の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。
図1において、自動車等の車両に搭載される車両用変速機(以下、単に自動変速機という)1は、前進7速、後進1速の変速段を有し、例えば、AMT(Automated Manual Transmission)から構成される。
自動変速機1は、エンジン2のクランク軸3からトルクコンバータ4を介して動力が伝達され、車両の幅方向に延びる入力軸5と、それぞれ入力軸5と平行に配置される前進用アイドル軸6、後進用アイドル軸7、中間軸8、出力軸9および後進軸10とを備えている(図2参照)。本実施例のエンジン2は、本発明の駆動源を構成する。
エンジン2は、クランク軸3が車両の幅方向に延びるように配置される横置きエンジンから構成されており、本実施例の車両は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両である。
トルクコンバータ4は、ドライブプレート4Aを介してクランク軸3に連結されるフロントカバー4Bと、フロントカバー4Bに連結されたシェル4Cとを備えており、エンジン2と自動変速機1との間でオイルを介して動力を伝達する流体継手を構成している。
クランク軸3と連結されたシェル4Cの内面には、図示しないポンプインペラが固定されている。シェル4Cの内部には、図示しないタービンランナがポンプインペラに対向して配置されており、タービンランナは、入力軸5に接続されている。ポンプインペラとタービンランナの間には図示しないステータが配置されている。
トルクコンバータ4において、クランク軸3が回転すると、ドライブプレート4Aを介してフロントカバー4B、シェル4Cおよびポンプインペラが一体で回転する。このとき、ポンプインペラの回転による遠心力によって、トルクコンバータ4の内部の流体に、ポンプインペラからタービンランナに向かう流れが生じる。
この流体の流れによりタービンランナが回転され、タービンランナに接続された入力軸5が回転する。ステータは、タービンランナからの流体の流れをポンプインペラの回転方向に沿うように変換することにより、エンジン2の動力を増幅させる。
入力軸5は、主入力軸11と、主入力軸11の外周部に主入力軸11と同軸上に設けられ、主入力軸11と相対回転する中空形状の副入力軸12とを有する。
主入力軸11の一端部11aにはトルクコンバータ4が連結されており、エンジン2の動力は、トルクコンバータ4を介して主入力軸11に伝達される。
主入力軸11と副入力軸12の外周部には遊星歯車機構21が設けられており、遊星歯車機構21は、副入力軸12に対してエンジン2側に設けられている。
遊星歯車機構21は、主入力軸11と副入力軸12の一端部12aとを連結し、主入力軸11の回転を減速しながら副入力軸12に伝達可能に構成されている。具体的には、遊星歯車機構21は、キャリア22、サンギヤ23およびリングギヤ24を備えている。
キャリア22は、プラネタリピニオン22Aを自転自在に支持している。サンギヤ23は、プラネタリピニオン22Aに噛み合っており、後述するブレーキ装置31によって回転不能とされる状態と回転が許容される状態とに切換えられる。
リングギヤ24は、主入力軸11にスプライン嵌合されており、主入力軸11と一体で回転する。リングギヤ24は、プラネタリピニオン22Aに噛み合っており、リングギヤ24の動力は、キャリア22に伝達される。
キャリア22と副入力軸12の一端部12aとの間にはワンウェイクラッチ25が配置されており、ワンウェイクラッチ25は、キャリア22から副入力軸12に動力を伝達し、副入力軸12からキャリア22に動力を伝達しないように構成されている。これにより、ワンウェイクラッチ25は、主入力軸11から副入力軸12に動力を伝達可能とし、副入力軸12から主入力軸11に動力を伝達不能とする。
主入力軸11の径方向外方にはブレーキ装置31が配置されている。ブレーキ装置31は、筒状のブレーキケース32を備えている。ブレーキケース32は、変速機ケース13の隔壁14に固定されており、主入力軸11の一部を取り囲むようにして隔壁14から遊星歯車機構21に向かって突出している。
ブレーキケース32には環状に形成された一対の摩擦プレート34、35および筒状のクラッチハブ36が収容されている。クラッチハブ36は、サンギヤ23と一体に設けられており、サンギヤ23からブレーキケース32の内部に延びている。本実施例のクラッチハブ36は、サンギヤ23の一部を構成しており、サンギヤ23の一部は、ブレーキケース32に収容されている。
摩擦プレート34は、クラッチハブ36の外周部にスプライン嵌合されており、クラッチハブ36と一体で回転可能で、かつ、主入力軸11の軸方向に移動自在となっている。
摩擦プレート35は、ブレーキケース32の内周部にスプライン嵌合されており、ブレーキケース32に対して主入力軸11の回転方向に回転不能で、かつ、主入力軸11の軸方向に移動自在となっている。摩擦プレート34は、主入力軸11の軸方向において摩擦プレート35と交互に配置されている。
ブレーキ装置31において、摩擦プレート35のうちのトルクコンバータ4側に位置する摩擦プレート35がピストン37によって押圧されると、摩擦プレート34と摩擦プレート35とが摩擦接触し、サンギヤ23をブレーキケース32に固定する。これにより、サンギヤ23が回転不能となる。ピストン37は、オイルが作用することにより、摩擦プレート35を遊星歯車機構21側に押圧する。
サンギヤ23が回転不能となると、主入力軸11からリングギヤ24を介してキャリア22に動力が伝達される。このとき、プラネタリピニオン22Aが公転することにより、キャリア22が回転し、キャリア22からワンウェイクラッチ25を介して副入力軸12に動力が伝達される。
遊星歯車機構21は、プラネタリピニオン22A、サンギヤ23およびリングギヤ24のギヤ比を任意に設定することにより、主入力軸11の回転を減速して副入力軸12に伝達できる。すなわち、遊星歯車機構21は、減速機として機能する。
ブレーキ装置31において、ピストン37に油圧が作用しなくなると、図示しないリターンスプリングによって摩擦プレート35が付勢され、摩擦プレート35が摩擦プレート34から引き離される。
このため、サンギヤ23の回転が許容される。サンギヤ23の回転が許容されると、キャリア22は主入力軸11に対して空転し、主入力軸11から副入力軸12に動力が伝達されない。
主入力軸11の他端部11bと副入力軸12の他端部12bにはクラッチ装置41が設けられている。クラッチ装置41は、クラッチドラム42とクラッチハブ43とを有する。
クラッチドラム42は、主入力軸11にスプライン嵌合されており、主入力軸11と一体で回転する。クラッチハブ43は、副入力軸12にスプライン嵌合されており、副入力軸12と一体で回転する。
クラッチドラム42の内周部には環状の摩擦プレート44がスプライン嵌合されており、摩擦プレート44は、クラッチドラム42と一体で回転可能で、かつ、主入力軸11の軸方向に移動自在となっている。
クラッチハブ43の外周部には摩擦プレート45がスプライン嵌合されており、摩擦プレート45は、クラッチハブ43と一体で回転可能で、かつ、主入力軸11の軸方向に移動自在となっており、摩擦プレート44、45は、主入力軸11の軸方向において交互に配置されている。
クラッチ装置41は、図示しない油圧式のピストンによって摩擦プレート44と摩擦プレート45とを摩擦接触させる。これにより、クラッチドラム42とクラッチハブ43とが一体で回転し、エンジン2の動力が主入力軸11から副入力軸12に伝達される。
ピストンに油圧が作用しなくなると、摩擦プレート44、45が図示しないリタースプリングによって引き離される。これにより、主入力軸11から副入力軸12にエンジン2の動力が伝達されなくなる。
副入力軸12の軸方向においてトルクコンバータ4とクラッチ装置41の間には4速段用の変速ギヤ51、5速段用の変速ギヤ52、入力アイドルギヤ53および同期装置54が設けられている。
4速段用の変速ギヤ51および5速段用の変速ギヤ52は、副入力軸12に相対回転自在に支持されており、入力アイドルギヤ53は、副入力軸12にスプライン嵌合され、副入力軸12と一体で回転する。
同期装置54は、ハブ54Aおよびスリーブ54Bを有する。ハブ54Aは、副入力軸12にスプライン嵌合されており、副入力軸12と一体で回転する。スリーブ54Bは、ハブ54Aにスプライン嵌合されており、副入力軸12の軸方向に移動自在となっている。
スリーブ54Bは、後述するシフト操作によって4速段または5速段にシフトされると、中立位置から図示しないシフトフォークを介して4速段用の変速ギヤ51または5速段用の変速ギヤ52側に移動される。
例えば、自動によるシフト操作が行われる場合には、スリーブ54Bは、図示しないアクチュエータおよびシフトアンドセレクト軸90(図3参照)を含んで構成される変速機構によって駆動される。
変速機構は、運転者によって操作されるシフトレバーがドライブレンジにシフトされた状態において、予めスロットル開度と車速とをパラメータとして設定された変速マップに基づいて同期装置54および後述する同期装置68、69を操作して変速段の制御を行う。また、アクチュエータは、シフトレバーがリバースレンジにシフトされた状態において後述する同期装置88を操作する。
スリーブ54Bが中立位置から4速段用の変速ギヤ51側に移動すると、4速段用の変速ギヤ51がスリーブ54Bに嵌合することにより、スリーブ54Bを介して副入力軸12と4速段用の変速ギヤ51とが連結され、4速段用の変速ギヤ51が副入力軸12と一体で回転する。
スリーブ54Bが中立位置から5速段用の変速ギヤ52側に移動すると、5速段用の変速ギヤ52がスリーブ54Bに嵌合することにより、スリーブ54Bを介して副入力軸12と5速段用の変速ギヤ52とが連結され、5速段用の変速ギヤ52が副入力軸12と一体で回転する。
前進用アイドル軸6にはアイドルギヤ61、62が設けられている。アイドルギヤ61は、入力アイドルギヤ53に噛み合っている。
アイドルギヤ61は、アイドルギヤ62よりも大径に形成されており、前進用アイドル軸6と一体で回転する。これにより、アイドルギヤ61は、入力アイドルギヤ53からの動力を前進用アイドル軸6に伝達可能となっている。
アイドルギヤ62は、前進用アイドル軸6と一体で形成されて前進用アイドル軸6と一体で回転する。
中間軸8にはクラッチ装置41からトルクコンバータ4に向かって1−2速段用の変速ギヤ63、3速段用の変速ギヤ64、6速段用の変速ギヤ65、7速段用の変速ギヤ66およびアイドルギヤ67が設けられている。変速ギヤ63から変速ギヤ66は、クラッチ装置41側からトルクコンバータ4側に向かうに従って径が大きくなる。
変速ギヤ63から変速ギヤ66は、中間軸8に相対回転自在に設けられており、アイドルギヤ67は、中間軸8と一体で回転するように中間軸8にスプライン嵌合されている。アイドルギヤ67は、前進用アイドル軸6のアイドルギヤ62に噛み合っており、アイドルギヤ67にはアイドルギヤ62から動力が伝達される。
1−2速段用の変速ギヤ63と3速段用の変速ギヤ64との間には同期装置68が設けられており、6速段用の変速ギヤ65と7速段用の変速ギヤ66との間には同期装置69が設けられている。
同期装置68、69は、それぞれハブ68A、69Aおよびスリーブ68B、69Bを有する。ハブ68A、69Aは、中間軸8にスプライン嵌合されており、中間軸8と一体で回転する。スリーブ68B、69Bは、ハブ68A、69Aにスプライン嵌合されており、中間軸8の軸方向に移動自在となっている。
同期装置68は、シフト操作によって1速段または2速段にシフトされると、1−2速段用の変速ギヤ63を中間軸8に連結し、シフト操作によって3速段にシフトされると、3速段用の変速ギヤ64を中間軸8に連結する。
同期装置69は、シフト操作によって6速段にシフトされると、6速段用の変速ギヤ65を中間軸8に連結し、シフト操作によって7速段にシフトされると、7速段用の変速ギヤ66を中間軸8に連結する。
出力軸9にはクラッチ装置41からトルクコンバータ4に向かって1−2−4速段用の出力ギヤ70、3−5速段用の出力ギヤ71、6速段用の出力ギヤ72、7速段用の出力ギヤ73および前進用のファイナルドライブギヤ74が設けられている。
出力ギヤ70から出力ギヤ73は、クラッチ装置41側からトルクコンバータ4側に向かうに従って径が小さくなる。出力ギヤ70から出力ギヤ73は、出力軸9にスプライン嵌合されており、出力軸9と一体で回転する。前進用のファイナルドライブギヤ74は、出力軸9と一体に形成されて出力軸9と一体で回転する。
1−2−4速段用の出力ギヤ70は、4速段用の変速ギヤ51と1−2速段用の変速ギヤ63とに噛み合っており、3−5速段用の出力ギヤ71は、3速段用の変速ギヤ64と5速段用の変速ギヤ52とに噛み合っている。
6速段用の出力ギヤ72は、6速段用の変速ギヤ65に噛み合っており、7速段用の出力ギヤ73は、7速段用の変速ギヤ66に噛み合っている。
前進用のファイナルドライブギヤ74は、ディファレンシャル装置81のファイナルドリブンギヤ81Aに噛み合っている。これにより、出力軸9の動力は、前進用のファイナルドライブギヤ74およびファイナルドリブンギヤ81Aを経てディファレンシャル装置81に伝達される。
ディファレンシャル装置81は、外周部にファイナルドリブンギヤ81Aが取付けられ、ファイナルドリブンギヤ81Aと一体で回転するデフケース81Bと、デフケース81Bに収容された差動機構81Cとを備えている。
デフケース81Bの左右に設けられた筒状保持部81aにはそれぞれ図示しないドライブシャフト82L、82Rの一端部が嵌合されており、ドライブシャフト82L、82Rの他端側は、図示しない駆動輪が連結されている。ディファレンシャル装置81、エンジン2の動力を差動機構81Cによって左右のドライブシャフト82L、82Rで分配して駆動輪に伝達する。
後進用アイドル軸7にはアイドルギヤ84、85が設けられている。アイドルギヤ84は、入力アイドルギヤ53に噛み合っており、アイドルギヤ84は、後進用アイドル軸7にスプライン嵌合されて後進用アイドル軸7と一体で回転する。アイドルギヤ85は、後進用アイドル軸7と一体に形成されて後進用アイドル軸7と一体で回転する。
後進軸10には後進ギヤ86と、後進ギヤ86よりも小径に形成された後進用のファイナルドライブギヤ87とが設けられている。後進ギヤ86は、後進軸10に相対回転自在に設けられている。後進用のファイナルドライブギヤ87は、後進軸10と一体に形成されており、後進軸10と一体で回転する。
後進ギヤ86は、アイドルギヤ85に噛み合っており、後進用のファイナルドライブギヤ87は、ファイナルドリブンギヤ81Aに噛み合っている。
後進軸10には同期装置88が設けられている。同期装置88は、 同期装置88は、ハブ88Aおよびスリーブ88Bを有する。ハブ88Aは、後進軸10にスプライン嵌合されており、後進軸10と一体で回転する。スリーブ88Bは、ハブ88Aにスプライン嵌合されており、後進軸10の軸方向に移動自在となっている。
同期装置88は、シフト操作によって後進段にシフトされると、ハブ88Aが後進ギヤ86をハブ88Aに連結する。これにより、後進ギヤ86は、後進軸10と一体で回転し、後進用アイドル軸7からアイドルギヤ85および後進ギヤ86を介して後進軸10に動力が伝達される。
このとき、後進用のファイナルドライブギヤ87からファイナルドリブンギヤ81Aに動力が伝達され、ファイナルドリブンギヤ81Aが前進時と反対方向に回転し、車両が後進される。
図2、図3において、変速機ケース13の前側の上部にはシフトアンドセレクト軸90が設けられている。シフトアンドセレクト軸90は、アクチュエータによって軸周りに回転自在で、かつ軸方向に移動自在となるように変速機ケース13に取付けられている。
シフトアンドセレクト軸90には軸方向に離隔して一対のフィンガー部90a、90bが設けられている。
フィンガー部90aは、第1のシフトヨーク91Aおよび第2のシフトヨーク91Bに選択的に嵌合され、フィンガー部90bは、第3のシフトヨーク91Cおよび第4のシフトヨーク91Dに選択的に嵌合される。
第1のシフトヨーク91Aは、入力軸5と平行に延びる第1のシフタ軸92Aに連結されており、第1のシフタ軸92Aには第1のシフトフォーク93Aが連結されている。第1のシフトフォーク93Aは、スリーブ68Bに嵌合されている。
第2のシフトヨーク91Bは、入力軸5と平行に延びる第2のシフタ軸92Bに連結されている。第2のシフタ軸92Bは、連結部92Cを介して入力軸5と平行に延びる第2のシフタ軸92Dに連結されており、第2のシフタ軸92Dには第2のシフトフォーク93Bが連結されている。第2のシフトフォーク93Bは、スリーブ69Bに嵌合されている。
第3のシフトヨーク91Cは、入力軸5と平行に延びる第3のシフタ軸92Eに連結されており、第3のシフタ軸92Eには第3のシフトフォーク93Cが連結されている。第3のシフトフォーク93Cは、スリーブ54B(図1参照)に嵌合されている。
第4のシフトヨーク91Dは、入力軸5と平行に延びる第4のシフタ軸92Fに連結されている。第4のシフタ軸92Fは、連結部92Gを介して入力軸5と平行に延びる第4のシフタ軸92Hに連結されており、第4のシフタ軸92Hには第4のシフトフォーク93Dが連結されている。第4のシフトフォーク93Dは、スリーブ88B(図1参照)に嵌合されている。
このような構成を有する変速機構の動作を変速段が1速段にシフトされる場合について詳しく説明する。
アクチュエータによってシフトアンドセレクト軸90を軸方向に移動し、フィンガー部90aを第1のシフトヨーク91Aの図示しない二股状の先端部に嵌合させる。
次いで、アクチュエータによってシフトアンドセレクト軸90が軸線周りに回転されると、フィンガー部90aが第1のシフトヨーク91Aを入力軸5の軸方向に沿って揺動する。
このとき、第1のシフタ軸92Aが入力軸5の軸方向に移動し、第1のシフトフォーク93Aが中立位置から中間軸8の軸方向の左方側に移動する。これにより、スリーブ68Bを介してハブ68Aと1−2速段用の変速ギヤ63とが連結され、1−2速段用の変速ギヤ63が中間軸8に連結される。
本実施例の出力軸9は、本発明の第1の出力軸を構成し、後進軸10は、本発明の第2の出力軸を構成する。前進用アイドル軸6は、本発明の第1のアイドル軸を構成し、後進用アイドル軸7は、本発明の第2のアイドル軸を構成する。
デフケース81Bの筒状保持部81aは、本発明の駆動軸を構成する。ファイナルドライブギヤ74、87は、本発明の駆動ギヤを構成し、ファイナルドリブンギヤ81Aは、本発明の従動ギヤを構成する。
4速段用の変速ギヤ51および1−2−4速段用の出力ギヤ70と、5速段用の変速ギヤ52および3−5速段用の出力ギヤ71とは、入力軸5と出力軸9との間で変速を行う第1の変速ギヤ列を構成する。
1−2速段用の変速ギヤ63および1−2−4速段用の出力ギヤ70と、3速段用の変速ギヤ64および3−5速段用の出力ギヤ71と、6速段用の変速ギヤ65および6速段用の出力ギヤ72と、7速段用の変速ギヤ66および7速段用の出力ギヤ73とは、中間軸8と出力軸9との間で変速を行う第2の変速ギヤ列を構成する。
入力アイドルギヤ53およびアイドルギヤ61は、本発明の第1のアイドルギヤ列を構成し、アイドルギヤ62およびアイドルギヤ67は、本発明の第2のアイドルギヤ列を構成する。入力アイドルギヤ53およびアイドルギヤ84は、本発明の第3のアイドルギヤ列を構成し、アイドルギヤ85および後進ギヤ86は、本発明の第4のアイドルギヤ列を構成する。
同期装置54は、本発明の第1の同期装置を構成し、同期装置68、69は、本発明の第2の同期装置を構成する。同期装置88は、本発明の第3の同期装置を構成する。
本実施例の自動変速機1は、入力軸5、前進用アイドル軸6、中間軸8および出力軸9によって前進駆動経路が構成されており、入力軸5、後進用アイドル軸7および後進軸10によって後進駆動経路が構成されている。
図2において、ディファレンシャル装置81は、筒状保持部81aが入力軸5よりも後方で、かつ、入力軸5よりも低い位置に配置されている。
入力軸5の軸心O1と筒状保持部81aの軸心O2とを通る仮想平面を第1の仮想平面L1とし、入力軸5の軸心O1を通り、第1の仮想平面L1と直交する仮想平面を第2の仮想平面L2とした場合に、前進用アイドル軸6と中間軸8と出力軸9とは、第1の仮想平面L1よりも下側に配置され、かつ、前進用アイドル軸6の軸心O3は、第2の仮想平面L2よりも前側に配置されている。
後進用アイドル軸7および後進軸10は、第1の仮想平面L1よりも上側に配置されており、後進軸10の軸心O4は、第2の仮想平面L2よりも後側に配置されている。
前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5とを結んだ直線を第1の仮想直線L3とし、中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4とを結んだ直線を第2の仮想直線L4とした場合に、第1の仮想直線L3と第2の仮想直線L4とが同一方向(略平行)に並ぶように前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5と中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4とが位置決めされている。
本実施例の軸配列において、前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5と中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4とが長方形の頂点に位置するように位置決めされている。
前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5とは、第1の仮想直線L3が入力軸5の軸心O1に対して筒状保持部81aの軸心O2とは反対側に位置するように位置決めされている。
中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4とは、第2の仮想直線L4が入力軸5の軸心O1と筒状保持部81aの軸心O2とに挟まれる位置に位置するように位置決めされている。
シフトアンドセレクト軸90は、その軸方向が第1の仮想直線L3と同一方向に延びるように変速機ケース13に配置されており、入力軸5、前進用アイドル軸6および後進用アイドル軸7は、シフトアンドセレクト軸90の軸方向に沿って並んで配置されている。
次に、前進駆動経路と後進駆動経路を説明する。
(変速段が1速段の場合の前進駆動経路)
1速段においては、クラッチ装置41が解放された状態、すなわち、摩擦プレート44、45が離隔状態となるとともに、ブレーキ装置31によってサンギヤ23がブレーキケース32に固定されて回転不能となる。
さらに、同期装置68が中立位置から1−2速段用の変速ギヤ63側に移動し、1−2速段用の変速ギヤ63を中間軸8に連結する。
これにより、エンジン2の動力は、クランク軸3からトルクコンバータ4、主入力軸11、リングギヤ24、キャリア22、ワンウェイクラッチ25を経て副入力軸12に伝達される。
主入力軸11から副入力軸12に動力が伝達される場合には遊星歯車機構21によって主入力軸11の回転が減速されて副入力軸12に伝達される。
次いで、エンジン2の動力は、副入力軸12から入力アイドルギヤ53、アイドルギヤ61、前進用アイドル軸6、アイドルギヤ62、アイドルギヤ67を経て中間軸8に伝達される。
次いで、エンジン2の動力は、中間軸8に連結された1−2速段用の変速ギヤ63から1−2−4速段用の出力ギヤ70、出力軸9、前進用のファイナルドライブギヤ74を経てファイナルドリブンギヤ81Aに伝達された後、差動機構81Cからドライブシャフト82L、82Rを介して駆動輪に伝達される。
(変速段が後進段の場合の後進駆動経路)
後進段においては、クラッチ装置41が解放された状態となるとともに、ブレーキ装置31によってサンギヤ23がブレーキケース32に固定されて回転不能となる。さらに、同期装置88が中立位置から後進ギヤ86側に移動し、後進ギヤ86を後進軸10に連結する。
これにより、エンジン2の動力は、クランク軸3からトルクコンバータ4、主入力軸11、リングギヤ24、キャリア22、ワンウェイクラッチ25を経て副入力軸12に伝達される。
次いで、副入力軸12に伝達されたエンジン2の動力は、副入力軸12から入力アイドルギヤ53、アイドルギヤ84、後進用アイドル軸7、アイドルギヤ85、同期装置88によって後進軸10に連結された後進ギヤ86を経て後進軸10に伝達される。
次いで、後進軸10に伝達されたエンジン2の動力は、後進軸10から後進用のファイナルドライブギヤ87を経てファイナルドリブンギヤ81Aに伝達された後、差動機構81Cからドライブシャフト82L、82Rを介して駆動輪に伝達される。
本実施例の自動変速機1によれば、入力軸5、前進用アイドル軸6、中間軸8および出力軸9によって前進駆動経路が構成されており、入力軸5、後進用アイドル軸7および後進軸10によって後進駆動経路が構成されている。
さらに、入力軸5の軸心O1と筒状保持部81aの軸心O2とを通る仮想平面を第1の仮想平面L1とし、入力軸5の軸心O1を通り、第1の仮想平面L1と直交する仮想平面を第2の仮想平面L2とした場合に、前進用アイドル軸6と中間軸8と出力軸9とは、第1の仮想平面L1よりも下側に配置され、かつ、前進用アイドル軸6の軸心O3は、第2の仮想平面L2よりも前側に配置されている。
これに加えて、後進用アイドル軸7および後進軸10は、第1の仮想平面L1よりも上側に配置され、かつ、後進用アイドル軸7の軸心O5は、第2の仮想平面L2よりも後側に配置されている。
これにより、前進駆動経路を構成する軸と後進駆動経路を軸とを第1の仮想平面L1を境にして上下に分割して配置でき、後進駆動経路を構成する軸の配置に影響されずに、前進駆動経路を構成する前進用アイドル軸6、中間軸8および出力軸9を、第1の仮想平面L1の下方において入力軸5の周方向の自由な位置に配置できる。
また、ファイナルドリブンギヤ81Aは、離れて設置される2つのファイナルドライブギヤ74、87に噛み合うので、大径であり、入力軸5に配置されるギヤ51、52、53は、ファイナルドリブンギヤ81Aよりも小径である。
これにより、第1の仮想平面L1よりも下方で、ファイナルドリブンギヤ81Aの前方に大きな空間を確保できる。
さらに、前進用アイドル軸6と中間軸8と出力軸9とは、第1の仮想平面L1よりも下側に配置され、かつ、前進用アイドル軸6の軸心O3は、第2の仮想平面L2よりも前側に配置されている。
このため、後進駆動経路に比べて軸が1つ多い前進駆動経路において、前進用アイドル軸6の軸心O3を第2の仮想平面L2よりも前側に配置すれば、前進用アイドル軸6と中間軸8と出力軸9とを前後方向に広げてそれぞれの上下方向の高さが近くなるように配置できる。
したがって、前進駆動経路のギヤのうち、最下端に配置される7速段用の変速ギヤ66の下端を、ファイナルドリブンギヤ81Aの下端よりも上側に配置でき、自動変速機1の高さ方向の寸法を短くできる。
また、第1の仮想平面L1よりも上側において後進用アイドル軸7の軸心O5は、第2の仮想平面L2よりも後側に配置されている。
これにより、前進駆動経路よりも軸数が1つ少ない後進駆動経路を第1の仮想平面L1よりも上方に配置すれば、後進駆動経路を構成する後進用アイドル軸7に配置されたギヤ84、85と後進軸10に配置されたギヤ86の下部を、入力軸5のギヤ51、52、53の後部とファイナルドリブンギヤ81Aの前部との間の前後方向の空間において第1の仮想平面L1に近づけることができる。
このため、自動変速機1の高さを低くでき、自動変速機1が大型化することを防止できる。さらに、自動変速機1の高さを低くできるので、換言すれば、自動変速機1が上方に高くなることを防止できるので、車両のエンジンルームにおいて、図示しないボンネットの下方に配置される車載部品に自動変速機1が干渉することを防止できる。
以上のように、前進用アイドル軸6および後進用アイドル軸7を含めた多数の回転軸を有する自動変速機1において、軸の配置を適正化して車両に対する自動変速機1の搭載性を向上できる。
また、本実施例の自動変速機1によれば、前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5とを結んだ直線を第1の仮想直線L3とし、中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4とを結んだ直線を第2の仮想直線L4とした場合に、第1の仮想直線L3と第2の仮想直線L4とが類似した長さを有し同一方向に延びるように前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5と中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4とが位置決めされている。
ここで、前進用アイドル軸6の軸心O3と中間軸8の軸心O6との軸間距離および、後進用アイドル軸7の軸心O5と後進軸10の軸心O4との軸心距離は各軸に配置されるギヤの半径によって定まり相似した距離となる。これに対し、前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5との軸間距離および、中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4との軸心距離は自由に設定できる。
これにより、第1の仮想直線L3と第2の仮想直線L4とを上記の関係に設定すれば、前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5と中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4との4点が矩形または台形の頂点に配置される。矩形または台形の対角線を、これ以外の場合と比べて短くできる。
このため、対角線上に配置される2つの軸の軸間距離、すなわち、前進用アイドル軸6と後進軸10の軸間距離と、後進用アイドル軸7と中間軸8の軸間距離の少なくとも一方を短くできる。このため、自動変速機1のより一層の小型化を図ることができ、車両に対する自動変速機1の搭載性をより一層向上できる。
一方、第1の仮想直線L3と第2の仮想直線L4の両者が入力軸5の軸心O1と筒状保持部81aの軸心O2に挟まれる場合、軸心O3、O5、O6、O4を頂点とする四角形が扁平した形状になり、軸心O3、O5、O6、O5の4点を頂点とする四角形の対角線が長くなる。
これに対して、本実施例の自動変速機1は、第1の仮想直線L3が入力軸5の軸心O1に対して筒状保持部81aの軸心O2とは反対側に位置するように、前進用アイドル軸6の軸心O3と後進用アイドル軸7の軸心O5が位置決めされている。
これに加えて、第2の仮想直線L4が入力軸5の軸心O1と筒状保持部81aの軸心O2とに挟まれる位置に位置するように、中間軸8の軸心O6と後進軸10の軸心O4が位置決めされている。
これにより、軸心O3、O5、O6、O4を頂点とする矩形の対角線を、第1の仮想直線L3と第2の仮想直線L4が入力軸5の軸心O1と筒状保持部81aの軸心O2に挟まれる四角形の対角線に比べて短くできる。
このため、前進用アイドル軸6と後進軸10の軸間距離をより一層短くできるとともに、後進用アイドル軸7と中間軸8の軸間距離をより一層短くでき、自動変速機1のより一層の小型化を図ることができる。
また、本実施例の自動変速機1によれば、4速段用の変速ギヤ51および1−2−4速段用の出力ギヤ70と、5速段用の変速ギヤ52および3−5速段用の出力ギヤ71とから1つの変速ギヤ列を選択し、選択したギヤ列によって入力軸5から出力軸9に動力を伝達させる同期装置54を有する。
また、1−2速段用の変速ギヤ63および1−2−4速段用の出力ギヤ70と、3速段用の変速ギヤ64および3−5速段用の出力ギヤ71と、6速段用の変速ギヤ65および6速段用の出力ギヤ72と、7速段用の変速ギヤ66および7速段用の出力ギヤ73とから1つの変速ギヤ列を選択し、選択したギヤ列によって中間軸8から出力軸9に動力を伝達させる同期装置68、69を有する。
また、後進ギヤ86を後進軸10に連結し、後進用アイドル軸7からアイドルギヤ85および後進ギヤ86を介して後進軸10に動力を伝達させる同期装置88を有する。
さらに、同期装置54、68、69、88を操作するシフトアンドセレクト軸90を備え、シフトアンドセレクト軸90は、その軸方向が第1の仮想直線L3と同一方向に延びるように変速機ケース13に配置されている。
これにより、入力軸5、中間軸8および後進軸10をシフトアンドセレクト軸90に近づけて、シフトアンドセレクト軸90の軸方向に沿って配置できる。このため、自動変速機1のより一層の小型化を図ることができ、車両に対する自動変速機1の搭載性をより一層向上できる。
なお、本実施例の自動変速機1は、アクチュエータによってシフト操作されるAMT(Automated Manual Transmission)から構成されているが、AT(Automatic Transmission)やMT(Manual Transmission)から構成されてもよい。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...自動変速機(車両用変速機)、6...前進用アイドル軸(第1のアイドル軸)、7...後進用アイドル軸(第2のアイドル軸)、9...出力軸(第1の出力軸)、10...後進軸(第2の出力軸)、51...4速段用の変速ギヤ(第1の変速ギヤ列)、52...5速段用の変速ギヤ(第1の変速ギヤ列)、53...入力アイドルギヤ(第1アイドルギヤ列,第3のアイドルギヤ列)、54...同期装置(第1の同期装置)、61...アイドルギヤ(第1のアイドルギヤ列)、62...アイドルギヤ(第2のアイドルギヤ列)、63...1−2速段用の変速ギヤ(第2の変速ギヤ列)、64...3速段用の変速ギヤ(第2の変速ギヤ列)、65...6速段用の変速ギヤ(第2の変速ギヤ列)、66...7速段用の変速ギヤ(第2の変速ギヤ列)、67...アイドルギヤ(第2のアイドルギヤ列)、68,69...同期装置(第2の同期装置)、70...1−2−4速段用の出力ギヤ(第1の変速ギヤ列,第2の変速ギヤ列)、71...3−5速段用の出力ギヤ(第1の変速ギヤ列,第2の変速ギヤ列)、72...6速段用の出力ギヤ(第2の変速ギヤ列)、73...7速段用の出力ギヤ(第2の変速ギヤ列)、74,87...ファイナルドライブギヤ(駆動ギヤ)、81A...ファイナルドリブンギヤ(従動ギヤ)、81a...筒状保持部(駆動軸)、84...アイドルギヤ(第3のアイドルギヤ列)、85...アイドルギヤ(第4のアイドルギヤ列)、86...後進ギヤ(第4のアイドルギヤ列)、88...同期装置(第3の同期装置)、L1...第1の仮想平面、L2...第2の仮想平面、L3...第1の仮想直線、L4...第2の仮想直線、O1...入力軸の軸心、O2...駆動軸の軸心、O3...第1のアイドル軸の軸心、O4...第2の出力軸の軸心、O5...第2のアイドル軸の軸心、O6...中間軸の軸心

Claims (4)

  1. 車両の幅方向に延び、駆動源から動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸と平行に配置される第1のアイドル軸、第2のアイドル軸および中間軸と、
    前記入力軸と平行に配置され、第1の駆動ギヤを有する第1の出力軸と、
    前記入力軸と平行に配置され、第2の駆動ギヤを有する第2の出力軸と、
    前記第1の駆動ギヤと前記第2の駆動ギヤとに噛み合う従動ギヤを有し、前記入力軸よりも後方で、かつ、前記入力軸よりも低い位置に配置される駆動軸と、
    前記入力軸と前記第1の出力軸との間で変速を行う複数の第1の変速ギヤ列と、
    前記入力軸から前記第1のアイドル軸に動力を伝達する第1のアイドルギヤ列と、
    前記第1のアイドル軸から前記中間軸に動力を伝達する第2のアイドルギヤ列と、
    前記中間軸と前記第1の出力軸との間で変速を行う複数の第2の変速ギヤ列と、
    前記入力軸から前記第2のアイドル軸に動力を伝達する第3のアイドルギヤ列と、
    前記第2のアイドル軸から前記第2の出力軸に動力を伝達する第4のアイドルギヤ列とを備え、
    前記入力軸、前記第1のアイドル軸、前記中間軸および前記第1の出力軸によって前進駆動経路が構成され、前記入力軸、前記第2のアイドル軸および前記第2の出力軸によって後進駆動経路が構成される車両用変速機であって、
    前記入力軸の軸心と前記駆動軸の軸心とを通る仮想平面を第1の仮想平面とし、前記入力軸の軸心を通り、前記第1の仮想平面と直交する仮想平面を第2の仮想平面とした場合に、前記第1のアイドル軸と前記中間軸と前記第1の出力軸とは、前記第1の仮想平面よりも下側に配置され、かつ、前記第1のアイドル軸の軸心は、前記第2の仮想平面よりも前側に配置されており、
    前記第2のアイドル軸および前記第2の出力軸は、前記第1の仮想平面よりも上側に配置され、かつ、前記第2のアイドル軸の軸心は、前記第2の仮想平面よりも後側に配置されていることを特徴とする車両用変速機。
  2. 前記第1のアイドル軸の軸心と前記第2のアイドル軸の軸心とを結んだ直線を第1の仮想直線とし、前記中間軸の軸心と前記第2の出力軸の軸心とを結んだ直線を第2の仮想直線とした場合に、前記第1の仮想直線と前記第2の仮想直線とが類似した長さを有し同一方向に延びるように前記第1のアイドル軸の軸心と前記第2のアイドル軸の軸心と前記中間軸の軸心と前記第2の出力軸の軸心とが位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。
  3. 前記第1の仮想直線が前記入力軸の軸心に対して前記駆動軸の軸心とは反対側に位置するように前記第1のアイドル軸の軸心と前記第2のアイドル軸の軸心とが位置決めされており、
    前記第2の仮想直線が前記入力軸の軸心と前記駆動軸の軸心とに挟まれる位置に位置するように前記中間軸の軸心と前記第2の出力軸の軸心とが位置決めされていることを特徴とする請求項2に記載の車両用変速機。
  4. 前記複数の第1の変速ギヤ列から1つの変速ギヤ列を選択し、選択したギヤ列によって前記入力軸から前記第1の出力軸に動力を伝達させる第1の同期装置と、
    前記複数の第2の変速ギヤ列から1つの変速ギヤ列を選択し、選択したギヤ列によって前記中間軸から前記第1の出力軸に動力を伝達させる第2の同期装置と、
    前記第4のアイドルギヤ列を構成するギヤの1つを前記第2の出力軸に連結し、前記第2のアイドル軸から前記第4のアイドルギヤ列を介してギヤ前記第2の出力軸に動力を伝達させる第3の同期装置と、
    前記第1の同期装置、前記第2の同期装置および前記第3の同期装置を操作するシフトアンドセレクト軸とを備え、
    前記シフトアンドセレクト軸は、その軸方向が前記第1の仮想直線と同一方向に延びるように前記車両用変速機に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用変速機。
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