JP6380380B2 - 耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の製造方法 - Google Patents

耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、優れた分散性と優れた耐熱性を有する黄色含水酸化鉄顔料の製造方法に関するものである。
黄色顔料は、樹脂、塗料、道路舗装用の着色材料として広く使用されている。特に、道路アスファルト舗装やコイル塗装においては、250℃程度の耐熱性が必要とされている。
黄色顔料としては、一般的には、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、硫化カドミウム等の材料を使用する場合が多い。ただ、これらの物質は耐熱性には優れているが、有毒性であり、発がん性も有することからその使用は問題を有している。
一方、黄色含水酸化鉄顔料は樹脂、塗料、インキ等の様々な用途に使用されており、その無毒性から人体に対して安全な材料であり、また環境にも優しい材料として優れたものである。ただ、耐熱性に関しては、200℃前後での結晶水の脱離に伴い、230℃程度で赤褐色に変色してしまうという問題を有する。
そのため、通常200℃以上で成形加工されるポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン重合体、ポリアミド、ポリオレフィン、ABS等の熱可塑性樹脂や、200〜250℃程度で焼き付けする塗料、あるいは、施工時に200℃以上で加熱したり、溶融して使用される路面表示用塗料に黄色含水酸化鉄顔料を使用することは困難であった。
このような問題への解決策として、例えば、含水酸化鉄粒子をオートクレーブ中で水またはアルカリ水溶液中で水熱処理する方法が報告されている。(特許文献1参照)
また、含水酸化鉄粒子の表面を(AlO)PO(OH)x−3で表わされるアルミニウム化合物で被覆する方法が報告されている。(特許文献2参照)
さらに、含水酸化鉄粒子の表面をFeおよびAlからなる含水酸化物で被覆する方法が報告されている。(特許文献3、4、5参照)
特開昭50−115698号公報 特開昭62−112661号公報 特開平11−012492号公報 特開平11−012491号公報 特開2000−191938号公報
特殊な装置を使わない簡便な処理で、耐熱性改善処理を行い、処理の前後において色相の変化の少なく、かつ、分散性に優れた黄色含水酸化鉄顔料の製造方法は、現在最も要求されている。
すなわち、前出特許文献1の方法による処理を行った黄色含水酸化鉄顔料は、耐熱性が向上したものではあるが、粒子の形態や粒度分布が耐熱性改善処理工程の前後で大きく変化し、その結果、分散性に課題を有し、かつ、色相の変化が大きいものであった。
前出特許文献2の方法による処理を行った黄色含水酸化鉄顔料は、色相の変化は小さいものではあるが、分散性および耐熱性において十分とは言えないものであった。
前出特許文献3〜5の方法による処理を行った黄色酸化鉄顔料は、色相の変化は小さいものではあるが、分散性および耐熱性において十分とは言えないものであった。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、含水酸化鉄粒子を含む水分散液に、pH4〜7の範囲でリン酸化合物を添加して含水酸化鉄粒子を処理した後に、pH3〜5の範囲でアルミニウム化合物を添加して処理し、さらにpH5〜8に調整して加熱処理して含水酸化鉄粒子の粒子表面にリン化合物及びアルミニウム化合物を付着させる耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の製造方法であり、耐熱性黄色含水酸化鉄顔料のリン含有量がP換算で0.1〜6重量%であってアルミニウム化合物の含有量がAl換算で2〜12重量%であることを特徴とする耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の製造方法である(本発明1)。
また、pH5〜8に調整する際に水溶性ケイ酸塩を添加する本発明1記載の製造方法である(本発明2)。
また、更に、乾式混合機を用いて、ロジン、レシチン、ソルビタン酸エステル、オレイン酸のいずれか一種以上を用いて、得られた黄色含水酸化鉄顔料の処理を行う本発明1又は2記載の製造方法である(本発明3)。
本発明に係る黄色含水酸化鉄顔料の製造方法は、特殊な装置を使わない簡便な処理で、耐熱性改善処理を行い、処理の前後において色相の変化の少なく、かつ、分散性に優れた黄色含水酸化鉄顔料が得られるので、黄色含水酸化鉄顔料の製造方法として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料を得る製造方法は、含水酸化鉄粒子を含む水分散液に、pHが4〜7の範囲でリン酸化合物を添加して含水酸化鉄粒子を処理した後に、pHが3〜5の範囲でアルミニウム化合物を添加して処理し、さらに中性pHに調整した後、加熱処理するものである。必要により、前記アルミニウム化合物を処理した後、さらに水溶性ケイ酸塩を添加した後、中性pHにて加熱処理を行ってもよい。
本発明におけるリン酸化合物としては、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等が使用できる。
リン酸化合物としての添加量は、含水酸化鉄粒子に対してPとして0.1〜6重量%が適当である。より好ましくは、0.5〜5重量%である。0.1重量%より少ない場合は、得られる黄色含水酸化鉄顔料の耐熱性が不十分であり、6重量%を超える場合には、黄色含水酸化鉄顔料の色相が変化してしまう。
本発明におけるアルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム等が使用できる。
アルミニウム化合物の添加量としては、含水酸化鉄粒子に対してAlとして2〜12重量%が適当である。より好ましくは、4〜10重量%である。2重量%未満では、得られる黄色含水酸化鉄顔料の分散性および耐熱性が不十分であり、一方、12重量%を超える場合には、色相が変化してしまう。
本発明における水溶性ケイ酸塩としては、ナトリウム、カリウムのケイ酸塩等を使用することができる。
水溶性ケイ酸塩の添加量としては、含水酸化鉄粒子に対して重量で1〜20%が適当である。より好ましくは2〜15重量%である。1重量%未満では、得られる黄色含水酸化鉄顔料の耐熱性向上効果が不十分であり、一方、20重量%を超える場合には、ろ過性が悪化してしまい、ろ過に時間がかかり過ぎる。
本発明における耐熱処理は、まず、含水酸化鉄粒子の3〜10重量%濃度の水分散液に対し、リン酸化合物を添加して50〜80℃で30分〜2時間反応させる。このときのpHは4〜7の範囲である。反応溶液のpHが前記範囲外の場合には、リン酸化合物が粒子表面に付着しない点で好ましくない。
次に、アルミニウム化合物を添加して、70〜90℃で1〜3時間反応させる。同じくpHは3〜5の範囲である。反応溶液のpHが前記範囲外の場合には、アルミニウム化合物が粒子表面に付着しない点で好ましくない。反応終了後、pHを中性付近(pHが5〜8)の範囲に調製した後、上記と同温度で1〜2時間反応させる。室温まで冷却した後、ろ過・乾燥の所定の処理により、黄色含水酸化鉄顔料を得ることができる。
必要により、更に、ケイ酸化合物を被覆する場合には、アルミニウム化合物を添加して、70〜90℃で1〜3時間反応させた後、3号ケイ酸ソーダを所定量添加して、同温度で1〜3時間反応させる。反応終了後、室温まで冷却した後、ろ過・乾燥の所定の処理により、黄色含水酸化鉄顔料を得ることができる。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の形状は紡錘状、針状や米粒状である。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料は、平均長軸径が0.1〜1.0μmであり、好ましくは0.15〜0.6μmである。平均長軸径が0.1μm未満の場合には、粒子の微細化による表面積増大に基づき粒子間の凝集力が増大し、樹脂組成物やビヒクル中における分散が困難となる。一方、1.0μmを超える場合には、大粒子化に伴い、樹脂組成物やビヒクル中における均一な分散が困難となる。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料は、平均短軸径が0.01〜0.20μmであり、さらに0.012〜0.15μmが好ましい。平均短軸径が0.01μm未満の場合には、粒子の微細化による表面積増大に基づき粒子間の凝集力が増大し、樹脂組成物やビヒクル中における分散が困難となる。一方、0.20μmを超える場合には、大粒子化に伴い、樹脂組成物やビヒクル中における均一な分散が困難となる。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料は、軸比(平均長軸径/平均短軸径)が2〜20であり、さらに2.5〜18が好ましい。軸比が2未満の場合には、十分なスティフネスを有する塗膜を得ることが困難となる。一方、軸比が20を超える場合には、ビヒクル中での粒子の絡み合いが多くなり、分散性が悪くなったり粘度が増加することがある。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料は、BET比表面積が10〜180m/gであり、さらに10〜150m/gが好ましい。BET比表面積が10〜180m/gが好ましいのは、平均長軸径や平均短軸径の上限値および下限値と同様の理由である。
リン酸化合物の存在量は、含水酸化鉄粒子に対してPとして0.1〜6重量%が好ましい。また、本発明におけるアルミニウム化合物の存在量は含水酸化鉄粒子に対してAlとして2〜12重量%が好ましく、より好ましくは4〜10重量%である。
ケイ素化合物の存在量は、含水酸化鉄粒子に対して0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜15重量%である。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料は、被覆層中のAl/Pの重量比が1/1〜6/1の範囲が好ましい。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の耐熱性は250℃以上が好ましい。耐熱性が250℃未満では本発明の目的が達成できない。なお、本発明における耐熱性は、後述する評価方法に従って評価した。
本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の色相は、L値が40〜80、a値が−30〜+35、b値が+30〜+100の範囲のものが好ましい。L値、a値、b値が上記範囲外の場合には、本発明の目的とする黄色顔料を得ることができない。
本発明に係る黄色含水酸化鉄顔料は、さらに表面を下記の材料で被覆処理を行うことが好ましい。すなわち、表面被覆処理に用いる材料として、ロジン化合物、レシチン、ソルビタン酸エステル化合物、オレイン酸のいずれかあるいはそれぞれの組み合わせで使用することができる。これらは、いずれも顔料表面の親油性を向上させ、吸油量を低減させる効果が期待できる。結果として、塗料の粘性を低減することが可能となる。本発明に係る黄色含水酸化鉄顔料のJIS K 5101に従って測定した吸油量は、好ましくは50以下、より好ましくは30〜40である。
ロジン化合物としては、ガムロジン、トール油ロジン、変性ロジン、ロジンエステル等が使用できる。
レシチンとしては、大豆レシチン、卵黄レシチンが使用できる。
ソルビタン酸エステル化合物としては、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミエート等が使用できる。これらはエステル化度を種々変えたものが複数存在する。
これら材料による表面被覆は、黄色含水酸化鉄顔料に対して0.5〜5重量%処理することが好ましい。さらに、0.5〜2重量%処理することが好ましい。
これら材料による表面被覆は、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサー、モルタルミキサー等の乾式混合機を用いて行うことが簡便で好ましい。これら処理機に耐熱処理を施した黄色含水酸化鉄顔料を所定量加え、そこに表面処理材料をそのまま、あるいは適当な溶剤に溶解させた形で添加し、所定時間混合処理することで分散性に優れた耐熱性黄色含水酸化鉄顔料を得ることができる。
次に、本発明に係る黄色含水酸化鉄顔料を配合した塗料について述べる。
本発明に係る塗料中における黄色含水酸化鉄顔料の配合割合は、塗料構成基材100重量部に対して0.5〜100重量部の範囲で使用することができ、塗料のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.0〜100重量部である。
塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、必要により油脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
樹脂としては、溶剤系塗料用や油性印刷インクに通常使用されているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ガムロジン、ライムロジン等のロジン系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン変性樹脂、石油樹脂等を用いることができる。水系塗料用としては、水系塗料用や水性インクに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
溶剤としては、溶剤系塗料用に通常使用されている大豆油、トルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
水系塗料用溶剤としては、水と水系塗料用に通常使用されているエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤とを混合して使用することができる。
油脂としては、あまに油、きり油、オイチシカ油、サフラワー油等の乾性油を加工したボイル油を用いることができる。
消泡剤としては、ノプコ8034(商品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム08(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することができる。
次に、本発明に係る黄色含水酸化鉄顔料を含有する樹脂組成物について述べる。
本発明に係る樹脂組成物中における黄色含水酸化鉄顔料の配合割合は、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部の範囲で使用することができ、樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましくは0.05〜150重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部である。
本発明に係る樹脂組成物における構成基材としては、黄色含水酸化鉄顔料と周知の熱可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン、天然ゴム、合成ゴム等を用いることができる。
添加剤の量は、黄色含水酸化鉄顔料と樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低下する。
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂原料と黄色含水酸化鉄顔料をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用を加えて、黄色含水酸化鉄顔料の凝集体を破壊し、樹脂組成物中に黄色含水酸化鉄顔料を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
本発明に係る樹脂組成物はマスターバッチペレットを経由して得ることもできる。
本発明におけるマスターバッチペレットは、塗料及び樹脂組成物の構成基材としての結合材樹脂と前記黄色含水酸化鉄顔料とを必要により、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で混合した後、周知の単軸混練押出機や二軸混練押出機等で混練、成形した後切断するか、又は、上記混合物をバンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混練して得られた混練物を粉砕又は成形、切断することにより製造される。
結合材樹脂と黄色含水酸化鉄顔料の混練機への供給は、それぞれを所定比率で定量供給してもよいし、両者の混合物を供給してもよい。
本発明におけるマスターバッチペレットは、平均長径1〜6mm、好ましくは2〜5mmの範囲である。平均短径は2〜5mm、好ましくは2.5〜4mmである。平均長径が1mm未満の場合には、ペレット製造時の作業性が悪く好ましくない。6mmを超える場合には、希釈用結合材樹脂の大きさとの違いが大きく、十分に分散させるのが困難となる。また、その形状は種々のものができ、不定形及び球形等の粒状、円柱形、フレーク状等にできる。
本発明におけるマスターバッチペレットに使用する結合材樹脂としては、前記樹脂組成物用樹脂と同一の樹脂が使用できる。
なお、マスターバッチペレット中の結合材樹脂の組成は、希釈用結合材樹脂と同一の樹脂を用いても、また、異なる樹脂を用いてもよいが、異なる樹脂を使用する場合には、樹脂同士の相溶性により決まる諸特性を考慮して決めればよい。
マスターバッチペレット中に配合される黄色含水酸化鉄顔料の量は、結合材樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは1〜100重量部である。1重量部未満の場合には、混練時の溶融粘度が不足し、黄色含水酸化鉄顔料の良好な分散混合が困難である。200重量部を超える場合には、黄色含水酸化鉄顔料に対する結合材樹脂が少ないため、黄色含水酸化鉄顔料の良好な分散混合が難しく、また、マスターバッチペレットの添加量のわずかな変化によって樹脂組成物中に配合される黄色含水酸化鉄顔料の含有量が大きく変化するため所望の含有量に調整することが困難となり好ましくない。また、機械摩耗が激しく適当ではない。
<作用>
まず、本発明において重要な点は、黄色含水酸化鉄粒子の水分散液に、該含水黄色酸化鉄粒子に対しP換算で0.1〜6重量%を含むリン化合物をpH4〜7の範囲で処理した後に、Al換算で2〜12重量%のアルミニウム化合物を、pH3〜5の範囲で処理し、さらにpHを5〜8の範囲に調製した後に、加熱処理することでアルミニウムの水酸化物の層を該黄色含水酸化鉄粒子の表面に形成し、耐熱性黄色含水酸化鉄顔料を得ることができる点である。
また、黄色含水酸化鉄粒子の水分散液に、該黄色含水酸化鉄粒子に対しP換算で0.1〜6重量%を含むリン化合物をpH4〜7の範囲で処理した後に、Al換算で2〜12重量%のアルミニウム化合物を、pH3〜5の範囲で処理し、さらにpHを5〜8の範囲に調製した後に、加熱処理し、次に、水溶性ケイ酸塩を所定量添加して、同温度で1〜3時間反応させる。反応終了後、室温まで冷却した後、ろ過・乾燥の所定の処理により、粒子表面にアルミニウムの水酸化物の層とシリカ層とを有する黄色含水酸化鉄顔料を得ることができる点である。
さらに、得られた耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の表面を、ロジン化合物、レシチン、ソルビタン酸エステル化合物、オレイン酸のいずれかあるいはそれぞれの組み合わせの材料で被覆処理して、分散性に優れた耐熱性黄色含水酸化鉄顔料を得ることができる点である。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて、更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
粒子の平均長軸径、平均短軸径は、いずれも電子顕微鏡写真(×20000)を縦方向および横方向にそれぞれ2倍に拡大した写真(×80000)に示される粒子350個の長軸径、短軸径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
黄色含水酸化鉄顔料に含まれるP値、Al値およびSi量は、蛍光X線分析により測定した。
試料の可溶性ナトリウム塩の含有量は、試料5gを300mlの三角フラスコに秤り取り、煮沸した純水100mlを加え、加熱して煮沸状態を約5分間保持した後、栓をして常温まで放冷し、減量に相当する水を加えて再び栓をして1分間振り混ぜ、5分間静置した後、上澄み液をNo.5Cの濾紙を用いて濾過し、濾液中のNaを誘導結合プラズマ発光分光分析装置(セイコー電子工業株式会社製)を用いて測定した。
色相は、試料0.5gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について、多光源分光測色計(MSC−IS−2D、スガ試験機(株)製)Multi−spctro−colour−Meterを用いてHunterのLab空間によりL値、a値及びb値を測色し、国際照明委員会(Commission Internationnale de l’Eclairage、CIE)1976(L値、a値、b値)均等知覚空間に従った値で示した。
耐熱性は、下記の方法により、耐熱性黄色含水酸化鉄顔料を用いた溶剤系塗料を作製し、その塗料をアルミニウム板(0.8mm×70mm×150mm)に20μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成することによって得られた該塗布片の耐熱性を評価した。すなわち、各試験片を電気炉に入れ、電気炉の温度を種々変化させて各温度において5分間加熱処理を行い、塗布板の各温度における加熱前後での色相(L*値、a値*、b値*)を多光源分光測色計(MSC−1S−2D、スガ試験機(株)製)Multi−Spectro−Colour−Meterを用いて測定し、加熱前の測定値を基準に下記式で示されるΔE*を求め、片対数グラフを用いて横軸に加熱温度を、縦軸にΔE*値をプロットし、ΔE*値がちょうど1.5になるときの温度を塗布膜の耐熱温度とした。
<式>
ΔE*=((ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2
ΔL*値:比較する試料の加熱処理前後のL*値の差
Δa*値:比較する試料の加熱処理前後のa*値の差
Δb*値:比較する試料の加熱処理前後のb*値の差
吸油量は、JIS K 5101に従って試料にアマニ油を滴下してヘラで練り、一つの塊状となった点を終点として測定を行った。
<リン化合物およびアルミニウム化合物による耐熱処理>
実施例1:
出発原料としての含水酸化鉄粒子粉末(被処理含水酸化鉄粒子1:長軸平均径0.4μm、短軸平均径0.07μm、軸比(長軸径/短軸径)5.7、BET比表面積18.5m/g)の湿ケーキを水に懸濁して、濃度5重量%の懸濁液3000mLを準備し、次いで、高速ディゾルバー及び縦型ビーズミルを用いて該懸濁液中の含水酸化鉄粒子粉末をよく分散させた。このときの水懸濁液のpHは5.6であった。
この懸濁液3000mLに20重量%のリン酸二水素アンモニウム水溶液を75mL(含水酸化鉄に対してP換算で2.7重量%に相当)を加え、80℃まで加熱昇温させ、同温度で1時間保持し、含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にP化合物を付着させた。
続いて、20重量%の塩基性酢酸アルミニウム水溶液を300mL(含水酸化鉄に対してAl換算で5重量%に相当)を加え、同温度で2時間保持し、含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にAl化合物を付着させた。
所定時間保持した後、2N苛性ソーダを用いてpHを6に調節し、80℃で1時間反応させた。室温まで温度を下げた後、ヌッチェによりろ過・水洗を行い、続いて100℃の乾燥機内で1日乾燥させた。
得られた含水酸化鉄粒子粉末を、ライカイ機を用いて粉砕し、PおよびAlにより表面処理された含水酸化鉄粒子粉末は、Pの含有量が含水酸化鉄に対して2.4%であり、Alの含有量が4.8%であった。被覆層中のAl/P重量比は2/1であった。この複合含水酸化鉄粒子粉末は、BET比表面積が19.5m/gであった。
<耐熱性黄色含水酸化鉄顔料を含む溶剤系塗料の調製>
上記耐熱性黄色含水酸化鉄顔料10gとアミノアルキッド樹脂およびシンナーを下記割合で配合して3mmΦガラスビーズ90gとともに140mlのガラス瓶に添加し、次いで、ペイントシェーカーで1分、3分、5分、10分、30分、60分、90分と振とう時間を変化させて混合し、おのおのミルベースを作製した。
耐熱性黄含水色酸化鉄顔料 : 10g
アミノアルキッド樹脂 : 16g
溶剤(シンナー) : 6g
ガラスビーズ(3mmΦ) : 90g
作製したミルベースにアミノアルキッド樹脂 50gを加え、ペイントコンディショナーで5分間振とうさせることで、塗料を調製した。
得られた塗料をアルミニウム板(0.8mm×70mm×150mm)に20μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成することによって得られた塗布片の色相は、L値が61.8、a値が17.6、b値が50.8であった。
前記評価方法により耐熱性を評価した。
<分散性の評価>
上記で得られた耐熱性黄色含水酸化鉄顔料10gとアミノアルキッド樹脂およびシンナーを下記割合で配合して3mmΦガラスビーズ90gとともに140mlのガラス瓶に添加し、次いで、ペイントシェーカーで1分、3分、5分、10分、30分、60分、90分と振とう時間を振って混合し、おのおのミルベースを作製した。
耐熱性黄色含水酸化鉄顔料 : 10g
アミノアルキッド樹脂 : 66g
溶剤(シンナー) : 6g
ガラスビーズ(3mmΦ) : 90g
得られた塗料をミラーコート紙に塗布、乾燥して塗膜を形成することによって得られた該塗布片の色相を、各サンプルについて測定した。評価結果を表6に示す。
含水酸化鉄1〜5:
被処理粒子として、表1に示される被処理含水酸化鉄粒子1〜5を準備した。
実施例2:
平均長軸径0.37μm、平均短軸径0.062μm、BET比表面積19.3m/gの針状含水酸化鉄粒子粉末の5重量%濃度の水懸濁液1000gを、3Lフラスコに仕込み、そこに、10重量%りん酸二水素アンモニウム水溶液47gを添加し、液温が80℃になるように1時間を掛けて昇温する。同温度にて1時間保持した後、10重量%酢酸アルミニウム水溶液を85g添加し、同じく80℃で2時間保持する。得られた反応液のpHは3.6であった。
次に、2N苛性ソーダ水溶液を添加して、pHを6.5に調整した後、80℃で1時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、ヌッチェを用いてろ過および水洗処理を行い、得られたケーキを100℃の乾燥機内で乾燥させた。
当該粒子粉末は、平均長軸径が0.37μm、平均短軸径が0.063μm、BET比表面積が19.5m/g、色相は、L*値61.8、a*値17.6、b*値50.8であった。
さらに、耐熱性試験の結果、耐熱温度は267℃であり、黄色含水酸化鉄顔料の耐熱性試験の試験前−試験後の色相変化の絶対値は、L*値、a*値、b*値ともに1未満であった。
実施例3〜5、比較例1〜2:
りん化合物の種類および量、アルミニウム化合物の種類および量、反応時間、pHを種々変化させた以外は実施例1と同様にして調製した。主要製造条件および諸特性を表2および表4に示す。
実施例6:
実施例1と同様にして、平均長軸径0.37μm、平均短軸径0.062μm、BET比表面積19.3m/gの針状含水酸化鉄粒子粉末の5重量%濃度の水懸濁液1000gを、3Lフラスコに仕込み、そこに、10重量%りん酸二水素アンモニウム水溶液47gを添加し、液温が80℃になるように1時間を掛けて昇温する。同温度にて1時間保持した後、10重量%酢酸アルミニウム水溶液を85g添加し、同じく80℃で2時間保持した。
次に、3号水ガラス8.3gを添加し、80℃で1時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却した。液のpHは6.8であった。さらに、ヌッチェを用いてろ過および水洗処理を行い、得られたケーキを100℃の乾燥機内で乾燥させた。
当該粒子粉末は、平均長軸径が0.38μm、平均短軸径が0.065μm、BET比表面積が19.3m/g、色相は、L*値62、a*値17.5、b*値51.1であった。
さらに、耐熱性試験の結果、耐熱温度は271℃で、耐熱性試験の試験前−試験後の色相変化の絶対値は、L*値、a*値、b*値ともに1未満であった。
実施例7〜10:
りん化合物の種類および量、アルミニウム化合物の種類および量、水ガラスの添加量、さらには、反応時間、pHを種々変化させた以外は実施例6と同様にして調製した。主要製造条件および諸特性を表3および表4に示す。
実施例11:
実施例1で得られた表面被覆黄色含水酸化鉄顔料1000gを20Lのヘンシェルミキサーに仕込み、そこにロジン粉末10gとエタノール10gを添加し、室温で1時間混合処理を行った。
得られた表面被覆黄色含水酸化鉄顔料は、吸油量が39であった。
<分散性の評価>
上記耐熱性黄色含水酸化鉄顔料10gとアミノアルキッド樹脂およびシンナーを下記割合で配合して3mmΦガラスビーズ90gとともに140mlのガラス瓶に添加し、次いで、ペイントシェーカーで1分、3分、5分、10分、30分、60分、90分と振とう時間を振って混合し、おのおのミルベースを作製した。
耐熱性黄色含水酸化鉄顔料 : 10g
アミノアルキッド樹脂 : 66g
溶剤(シンナー) : 6g
ガラスビーズ(3mmΦ) : 90g
得られた塗料をミラーコート紙に塗布、乾燥して塗膜を形成することによって得られた該塗布片の色相を、各サンプルについて測定した。
得られた結果を表6に示す。
実施例12〜14:
耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の種類、表面処理剤の種類及び添加量を種々変化させた以外は実施例11と同様にして調製した。このときの製造条件および諸特性を表6に示す。
表6に示されるとおり、本発明に係る耐熱性黄色含水酸化鉄顔料(A、B、C、M、N、O及びP)は吸油量が55以下と少ないものであり分散性に優れるものである。特に、ロジン化合物、レシチン、ソルビタン酸エステル、オレイン酸から選ばれた1種あるいは2種以上の化合物を被覆した耐熱性黄色含水酸化鉄顔料(M、N、O、P)は各々表面処理前の顔料(A、B、C)に対して、ペイントシェーカーの振とうが短い時間で目標色相に近い色相になることが明らかである。言い換えると、より短時間で分散可能であることが明らかとなった。耐熱性黄色含水酸化鉄顔料(M、N、O、P)はペイントシェーカーでの振とう時間が30分での値が、60分での値との差としてΔE値の変化が1.5以下であった。ここで、ΔE値は、ΔL、Δa及びΔbの各値の和の平方根である。ΔE={(L(60分)−L(30分))+(a(60分)−a(30分))+(b(60分)−b(30分))}1/2
Figure 0006380380
Figure 0006380380
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本発明に係る黄色含水酸化鉄顔料の製造方法は、特殊な装置を使わない簡便な処理で、耐熱性改善処理を行い、処理の前後において色相の変化の少なく、かつ、分散性に優れた黄色含水酸化鉄顔料の製造方法である。

Claims (3)

  1. 含水酸化鉄粒子を含む水分散液に、pH4〜7の範囲でリン酸化合物を添加して含水酸化鉄粒子を処理した後に、pH3〜5の範囲でアルミニウム化合物を添加して処理し、さらにpH5〜8に調整して加熱処理して含水酸化鉄粒子の粒子表面にリン化合物及びアルミニウム化合物を付着させる耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の製造方法であり、耐熱性黄色含水酸化鉄顔料のリン含有量がP換算で0.1〜6重量%であってアルミニウム化合物の含有量がAl換算で2〜12重量%であることを特徴とする耐熱性黄色含水酸化鉄顔料の製造方法。
  2. pH5〜8に調整する際に水溶性ケイ酸塩を添加する請求項1記載の製造方法。
  3. 更に、乾式混合機を用いて、ロジン、レシチン、ソルビタン酸エステル、オレイン酸のいずれか一種以上を用いて、得られた黄色含水酸化鉄顔料の処理を行う請求項1記載の製造方法。
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