JP6379817B2 - 電気推進システムの制御方法および制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御方法および制御装置に関する。
この種の電気推進システムは、船舶の推進用プロペラを駆動する電気推進装置として公知である(例えば、特許文献1参照)。この場合、2台の電池を並列接続して給電を行う方法が一般的である。この場合、2台の電池が並列接続されているから、電池相互のアンバランスの発生はし難い。しかし両電池を並列接続するスイッチをOFFした場合に、各推進電動機は、それぞれ付設の電力変換装置を介して、付設の電池から互いに独立して給電されるため、電池相互にアンバランスが発生することが想定される。電池アンバランスが発生した場合、両給電電路を接続するためにスイッチをONすると、電池電圧の差によって突入電流が発生する。この突入電流を制限するのは、電池内部抵抗と電路抵抗の和である。しかし、大容量電気推進システムでは、使用される大容量電池の内部抵抗は極めて小さく、また、大電流を通電すべき給電電路の抵抗も極めて小さいことから、僅かな電池電圧の差であっても莫大な突入電流が流れて電池へ障害を与え、かつ、給電電路に配置した保護装置が作動するなどの障害発生が予想される。
特許第4923482号公報
本発明の課題は、2系統の給電電路を独立させて給電する動作状態であっても、2つの電池電圧にアンバランスを抑制する2台の推進電動機の出力もしくは負荷あるいはトルクの分担制御を実現することにより、電池容量低下、特性劣化、寿命劣化を抑制すると共に、電池の独立給電動作から並列給電動作に移行する際に、両電池電圧のアンバランスに起因する突入電流を抑制することを可能にする電気推進システムの制御方法および制御装置を提供することにある。
この課題は、方法発明に関しては、2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御方法において、電池の独立給電動作時に、各電力変換装置の受電電圧を検出し、両受電電圧が互いに一致するように少なくとも一方の電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整することによって解決される。
本発明による方法の実施形態に従って、各電力変換装置における電池電源からの受電電圧を検出し、両受電電圧の平均値を基準電圧とし、その基準電圧と各受電電圧との電圧偏差が零になるように各電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整すると有利である。
本発明による方法の他の実施形態に従って、電池の独立給電動作時に、各電力変換装置における電池電源からの受電電圧を検出し、一方側の電力変換装置の受電電圧を基準とし、一方側の電力変換装置の受電電圧と他方側の受電電圧との電圧偏差が零になるように、他方側の電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整することもできる。その際、基準とする一方側の電力変換装置として受電電圧の高い方の電力変換装置を選択することもできるし、それとは逆に、基準とする一方側の電力変換装置として受電電圧の低い方の電力変換装置を選択することもできる。それらの代わりに、一方側の電力変換装置および他方側の電力変換装置がそれぞれ予め固定選択されていてもよい。
本発明による方法の有利な実施形態では、両推進電動機の負荷分担の調整が、推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量を前記電圧偏差に応じて変化させることにより行われる。特に、推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量を各推進電動機に付設された回転速度調節器によって指令し、推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量を変化させるべく、回転速度調節器の指令を前記電圧偏差に応じて補正すると有利である。
本発明による方法の有利な実施形態では、推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量が電力変換装置の入力電流である。その際に、電力変換装置の入力電流を検出し、その検出された入力電流を、各推進電動機に付設された回転速度調節器から与えられた指令を補正することにより生成した入力電流指令値に一致させるように、入力電流のフィードバック制御を行うことが好ましい。
前記課題は、装置発明に関しては、2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御装置であって、制御装置が次のように構成されていること、即ち、電池の独立給電動作時に、各電力変換装置の受電電圧を検出し、両受電電圧が互いに一致するように少なくとも一方の電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整するよう構成されていることによって解決される。
本発明による制御装置の実施形態は、上述の本発明による制御方法の実施形態に対応してそれぞれ構成することができる。
本発明による制御装置の特に有利な実施形態では、制御装置が、各推進電動機の回転速度を制御すべく各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量の指令信号を発生する2つまたは1つの回転速度調節器と、各回転速度調節器からの指令信号に従って各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量を制御すべく付設の電力変換装置を制御する2つのトルク演算部と、各電力変換装置の受電電圧を検出する2つの電圧検出器と、両電圧検出器からの電圧検出信号に基づいて各電力変換装置のための受電電圧指令信号を出力する電圧制御指令部と、その電圧制御指令部からの受電電圧指令信号と付設の電圧検出器からの受電電圧検出信号との間の電圧偏差に応じて付設の回転速度調節部からの指令信号を補正する補正信号を付設のトルク演算部に与える2つのトルク補正部と、給電電路の並列給電動作時に両トルク補正部の動作を停止させる手段とから構成されている。
本発明による制御装置の他の実施形態によれば、前記電圧制御指令部が、両電圧検出器からの電圧検出信号の平均値を受電電圧指令信号として出力するように構成されている。
本発明による制御装置の他の実施形態によれば、前記電圧制御指令部は、両電圧検出器からの電圧検出信号のうち高い方の値を有する電圧検出信号を受電電圧指令信号として出力するように、あるいは両電圧検出器からの電圧検出信号のうち低い方の値を有する電圧検出信号を受電電圧指令信号として出力するように構成されている。それらの代わりに、更に別の実施形態によれば、前記電圧制御指令部は、両電圧検出器からの電圧検出信号のうち予め定められた電力変換装置側の電圧検出信号を受電電圧指令信号として出力するように構成されている。
更に、前記課題は、方法発明に関しては、2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御方法において、
各電池の独立給電動作時に両電池間の電圧差を検出し、その検出された電圧差に応じて、電圧の高い方の電池から給電される推進電動機のトルクを増大させて当該電池電圧を低下させ、かつ電圧の低い方の電池から給電される推進電動機のトルクを減少させて当該電池電圧を上昇させることによっても解決される。
両電池間の電圧差が予め与えられた閾値以下になったことを検出した際に、前記スイッチ装置による独立給電動作から並列給電動作への切り替えを許可するインターロック機能を設けるとよい。また、両電池間の電圧差の監視および表示を行い、かつ両電池間の電圧差が予め与えられた閾値以下になったことを検出した際に、前記スイッチ装置による独立給電動作から並列給電動作への切り替えを許可する信号の出力もしくは表示を行ってもよい。
更に、前記課題は、装置発明に関しては、2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御装置において、制御装置が、
各推進電動機の回転速度を調節すべく各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量の指令信号を発生する回転速度調節手段と、
該回転速度調節手段からの指令信号に従って各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量を調節すべく各推進電動機に付属する電力変換装置をそれぞれ制御する電力変換装置制御手段と、
各電池の独立給電動作時に両電池間の電圧差を検出する電圧差検出手段と、
該電圧差検出手段によって検出された電圧差に応じて、電圧の高い方の電池から給電される推進電動機のトルクを増大させかつ電圧の低い方の電池から給電される推進電動機のトルクを減少させるトルク補正信号を生成するトルク補正信号形成手段と、
該トルク補正信号に応じて前記回転速度調節手段からの指令信号を補正すべく各電力変換装置制御手段の前段部分にそれぞれ配置されたトルク補正手段と、
から構成されていることによっても解決される。
好ましい実施形態では、前記電圧差検出手段が、各電池の独立給電動作時に両電池の給電回路間に投入接続される外側の2つの外側端子と中間端子とを有する抵抗を含み、各外側端子と中間端子との間で、両電池間の電圧差に応じた互いに等しい大きさと互いに異なる極性とを有する2つの電圧差検出信号を取り出し得る電圧検出抵抗回路である。
更に、好ましい実施形態では、前記トルク補正信号手段は、前記電圧差検出手段からの電圧差検出信号と予め与えられた設定信号との偏差を零にするように作用するトルク補正用の調節器と、その設定信号を予め与えるトルク補正用の設定器とからなる。その際に、設定器において設定信号は通常0に設定される。
本発明による制御装置の個々の構成要素はハードウェアおよび/又はソフトウェアによって実現することができる。
本発明は、電池放電電流の増減により電池端子電圧が減増するという電池の電圧−電流特性を利用する。即ち、電池の独立給電動作時には、電力変換装置の受電電圧は電池端子電圧にほぼ等しく、電力変換装置の入力電流は電池放電電流に等しいので、電力変換装置の受電電圧は、電力変換装置の入力電流により変化する。また、推進電動機の負荷分担もしくは出力分担あるいはトルク分担の調整は、電力変換装置の入力電流の変化によって達成される。従って、電力変換装置の受電電圧は、推進電動機の負荷分担の調整により変化させることができる。それゆえ、本発明による制御方法によれば、各電池の独立給電動作時に、各電力変換装置の受電電圧を検出し、両受電電圧が互いに一致するように少なくとも一方の電力変換装置を制御することにより両推進電動機の出力分担もしくは負荷分担あるいはトルク分担を調整する。それによって、2系統の給電電路を独立させて給電する動作であっても、2台の電力変換装置の受電電圧を一致させることができる。即ち、両電池電圧を一致させる制御によって電池電圧アンバランスの発生を防止し、あるいは発生した電池電圧アンバランスをなくすことができるので、電池間の突入電流なしに並列給電動作へ移行することができる。
負荷分担の調整の際に、受電電圧の高い側では受電電圧を下げ、受電電圧の低い側では受電電圧を上げるように、両電力変換装置を互いに逆方向に制御しながら、両者の受電電圧を互いに等しい平均電圧レベルに収斂させることにより、機械的に結合された2台の推進電動機の合計出力の変化を抑制し、回転速度を維持することができる。その際に生じ得る誤差は、この種の電気推進システムで通常設けられている回転速度フィードバック制御系によって除去することができる。これに対して、推進電動機の負荷分担の調整を片側の電力変換装置の制御で行う場合には、基準とする受電電圧が高い方であるか又は低い方であるかに応じて、負荷分担の制御を行う側の電動機出力が増大もしくは減少し、回転速度が上昇もしくは低下しようとする。しかし、前述の回転速度フィードバック制御系は、回転速度を維持すべく、負荷分担の制御を行う側の電動機出力の増大もしくは減少を補うように、負荷分担の制御を行わない側の電動機出力を減少もしくは増大させる。かくして、片側制御の場合にも、両受電電圧は、双方が互いに相手方の値に接近していくので、平均電圧レベルに相当する等しい値に収斂する。
本発明による制御装置においても、本発明による制御方法に対応した効果を奏することができる。
図1は本発明による電気推進システムの制御装置の実施例を示すブロック図である。 図2は本発明による電気推進システムの制御装置の異なる実施例を示すブロック図である。 図3は推進電動機のトルクおよび電流の本発明による補正特性を示す特性曲線図である。 図4は受電電圧を均等化する本発明による制御方法の第1モード(モードA)を説明するための2つの電池の電圧−電流特性曲線図である。 図5は受電電圧を均等化する本発明による制御方法の第2モード(モードB)を説明するための2つの電池の電圧−電流特性曲線図である。 図6は受電電圧を均等化する本発明による制御方法の第3モード(モードC)を説明するための2つの電池の電圧−電流特性曲線図である。 図7は本発明による電気推進システムの制御装置の他の異なる実施例を概略的に示すブロック図である。 図8は図7による実施例の詳細を示すブロック図である。 図9は図7による実施例の差電圧検出部の原理を説明するための第1の等価回路図である。 図10は図7による実施例の差電圧検出部の原理を説明するための第2の等価回路図である。 図11は図7および図8による実施例の推進電動機のトルクおよび電流の補正特性の一例を示す特性図である。 図12は図7および図8による実施例の受電電圧を均等化する方法を説明するための2つの電池の電圧−電流特性曲線図である。
以下において、図面に示す本発明による実施形態を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明による電気推進システムの制御装置の実施例を示す。この電気推進システムは、2台の充電可能な電池1,2からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された推進電動機13,14と、各推進電動機13,14にそれぞれ給電する2台の電力変換装置9,10と、電池1,2と電力変換装置9,10との間に設けられた2系統の給電電路L1,L2と、電池1,2の独立給電動作および並列給電動作を可能にすべく給電電路L1,L2に設けられたスイッチ装置とから構成されている。このスイッチ装置は、ここでは、電池1側の給電電路L1に配置されたスイッチ3と、電池2側の給電電路L2に配置されたスイッチ4と、2系統の給電電路L1,L2間に配置されたスイッチ18とから構成されている。
この電気推進システムは、例えば船舶の推進用プロペラを駆動する2台の推進電動機を有する船舶用電気推進システムとして構成されており、一般に、ここでは図示されていないが、更に、電池1,2のための2台の充電用発電機と、2系統の補機系統とを装備している。
両推進電動機13,14は、互いに機械的に結合されており、特にそれぞれに付属する回転速度検出器15,16と共に、共通の駆動軸17にて結合されている。例えば3相誘導電動機又は3相同期電動機である各推進電動機13,14に付属する電力変換装置9,10は、例えばIGBTからなる3相PWMインバータINV1,INV2として構成することができる。両電力変換装置9,10の直流入力側には、それぞれ入力電流検出器7,8が設けられ、両電力変換装置9,10の交流出力側には、それぞれ出力電流検出器11,12が設けられている。各電力変換装置9,10が電池電源から受電する受電電圧は、それぞれ電圧検出器5,6によって検出される。
電力変換装置9,10を介して推進電動機13,14の回転速度を制御するために、各推進電動機13,14に付属した速度調節器21,22が設けられ、両速度調節器21,22に対して共通な速度設定器20が設けられている。速度調節器21,22は、入力点a1,b1において、速度設定器20からの共通な速度指令信号Nsと、それぞれ回転速度検出器15,16からの回転速度検出信号Ni1,Ni2とを比較することにより、推進電動機13,14の回転速度のフィードバック制御を行う。速度調節器21,22は、入力点a1,b1での比較結果により得た回転速度制御偏差に例えば比例積分演算を施してトルクもしくはそのトルクに関連する量を指令する出力信号IsR1,IsR2を発生する。
トルクもしくはそのトルクに関連する量を指令する信号IsR1,IsR2は、トルク演算部27,28に入力される。ここではトルクに関連する量として電力変換装置9,10の入力電流IM1,IM2が用いられている。従って、トルク演算部27,28は、速度調節器21,22から受け取ったトルク指令信号IsR1,IsR2を、電力変換装置9,10の入力電流IM1,IM2に対する電流指令値に相当する信号Is1,Is2に変換する。これらの信号Is1,Is2は、リミッタ31,32によって、制限値設定器29,30で設定された電流制限値IsL1,IsL2に制限されてから、入力電流指令信号IsE1,IsE2として、入力電流調節器33,34の入力点a3,b3に導かれる。入力電流調節器33,34は、入力点a3,b3において、入力電流指令信号IsE1,IsE2と、入力電流検出器7,8からの入力電流検出信号IM1,IM2とを比較することにより、電力変換装置9,10の入力電流のフィードバック制御を行う。入力電流調節器33,34の後段には、更に出力電流調節器35,36を設けることができる。
出力電流調節器35,36は、入力点a4,b4において、入力電流調節器33,34の出力信号IsM1,IsM2を出力電流指令信号として受け取って、出力電流検出器11,12からの出力電流検出信号Im1,Im2と比較することにより、電力変換装置9,10の出力電流のフィードバック制御を行う。
各トルク演算部27,28には、本発明による制御方法を実現するために、それぞれトルク補正部25および26が付設されている。トルク補正部25および26の出力信号Te1,Te2は、トルク演算部27,28において、速度調節器21,22からのトルク指令信号を補正する働きをする。トルク補正部25および26は、電力変換装置9,10の受電電圧VM1,VM2を調節する調節器として構成することができる。このために、トルク補正部25および26の入力点a2,b2において、電圧検出器5,6によって検出された受電電圧検出信号VM1,VM2が、後述の電圧指令信号VMS1,VMS2と比較される。トルク補正部25および26の調節器動作により、受電電圧VM1,VM2は、それぞれ電圧指令信号VMS1,VMS2の値に向かって変化させられる。その際に、電圧指令信号VMS1,VMS2の値は、最終的にVM1=VM2が達成されるように与えられる。これについては後で詳しく説明する。
図1には、本発明による制御方法を実現する3つの「モードA」、「モードB」および「モードC」のうちいずれかが、モード切替スイッチ24により選択できるように構成されている。しかし、各モードA〜Cは、それぞれ本発明による制御方法を単独で実現することを可能にするので、それぞれが本発明による制御方法の互いに異なる実施形態である。モード切替スイッチ24では、それらのモードによる制御を行わない「切」の位置も選択可能である。モード切替スイッチ24の操作は、電気推進システムの操作者によって行われる。モードA,B,Cのいずれかが選択されている場合、スイッチ18がOFF、スイッチ3,4がONであり、従って2系統の給電電路はそれぞれが独立給電状態にある。
「切」の位置が選択されている場合、スイッチ3,4および18がONであり、従って2系統の給電電路は並列給電状態にある。
本発明による制御方法を実現するために、更に電圧制御指令部23が設けられている。
電圧制御指令部23は、電圧判別部23−1と、モードA部分23−2と、モードB部分23−3と、モードC部分23−4とを含む。更に、電圧制御指令部23に付属して監視表示部23−5が設けられている。電圧判別部23−1は電圧検出器5,6によって検出された受電電圧検出信号VM1,VM2を受け取って両者を比較し、大小判別信号を発生する。電圧判別部23−1の出力信号は、一方では監視表示部23−5に入力され、他方では、モードA部分23−2、モードB部分23−3、モードC部分23−4に入力される。監視表示部23−5の表示もしくは出力信号に基づいて、両受電電圧VM1,VM2の一致を確認することができる。
電圧制御指令部23の各モード部分23−2,23−3,23−4は、それぞれ両電圧検出器5,6からの受電電圧検出信号VM1,VM2と電圧判別部23−1からの大小判別信号VMSとを受け取って、それぞれ給電電路L1側の電圧指令信号VMS1および給電電路L2側の電圧指令信号VMS2を演算して出力する。各モード部分の電圧指令信号VMS1,VMS2は、それぞれモード切替スイッチ24によって制御されるスイッチを介して選択される。電圧指令信号VMS1はトルク補正部25の入力点a2に導かれ、電圧指令信号VMS2はトルク補正部26の入力点b2に導かれる。並列給電動作時には、モード切替スイッチ24は「切」の位置にあってOFF信号をトルク補正部25,26に与え、それによってトルク補正部25,26の出力信号Te1,Te2が0にされる。
独立給電動作時には、各電力変換装置9,10の受電電圧VM1,VM2と電池1,2の端子電圧VB1,VB2との間にはVM1=VB1およびVM2=VB2が成り立ち、入力電流IM1,IM2と電池1,2の放電電流IB1,IB2との間にはIM1=IB1およびIM2=IB2が成り立つ。電動機13,14の出力P1,P2はP1=VM1×IM1,P2=VM2×IM2と表すことができる(効率100%と仮定)。回転速度制御による電動機出力がP1=P2であるとすれば、電池1の端子電圧VB1(受電電圧VM1)が電池2の端子電圧VB2(受電電圧VM2)よりも高い場合には、電池1側の放電電流IB1(入力電流IM1)よりも電池2側の放電電流(入力電流IM2)が大きい。即ち、VM1>VM2の場合には、IM1<IM2となる。これと逆の場合、即ちVM1<VM2の場合には、IM1>IM2となる。
先ず、モードAの原理と動作を図4に基づいて説明する。図4は、電池内部抵抗のために電池放電電流に応じて電池端子電圧が変化する電池特性を、電力変換装置の入力電流と受電電圧との関係(電路抵抗は無視)に置き換えており、ここでは2つの電池特性曲線VB1,VB2を用い、電池1の端子電圧VB1が電池電圧VB2よりも高い場合について示している。曲線VB1上の座標(IM1,VM1)が給電電路L1側の現在の動作点であり、曲線VB2上の座標(IM2,VM2)が給電電路L2側の現在の動作点である。
受電電圧の値VMEのレベルは、両電路の現在の受電電圧VM1,VM2の平均値レベルである。現在の受電電圧VM1は平均値VMEよりもΔVMEだけ高く、現在の受電電圧VM2は平均値VMEよりもΔVMEだけ低い。従って、
VME=(VM1+VM2)÷2 (1)
ΔVME=(VM1−VM2)÷2 (2)である。モードAの原理は、受電電圧の高い方の電路L1に関しては、受電電圧VM1をΔVMEだけ減らして平均値VMEへ低下させ、受電電圧の低い方の電路L2に関しては、受電電圧VM2をΔVMEだけ増して平均値VMEへ上昇させて、両受電電圧を平均値VMEへ収斂させることにある。従って、電動機13側、即ち電力変換装置9側の動作点は座標(IM1,VM1)から座標(IMS1,VMS1)へ移行し、電動機14側、即ち電力変換装置10側の動作点は座標(IM2,VM2)から座標(IMS2,VMS2)へ移行する。従って、
VMS1=VM1−ΔVME=VME (3)
VMS2=VM2+ΔVME=VME (4)
である。
そこで、電圧制御指令部23のモードA部分23−2は、電動機13,14側、即ち電力変換装置9,10側のために、それぞれ、
VMS1=VME (5)
VMS2=VME (6)
で表される電圧指令信号VMS1,VMS2を発生する。
電圧指令信号VMS1,VMS2は、トルク補正部25,26の入力点a2,b2に導かれて、電圧検出器5,6からの受電電圧検出信号VM1,VM2と比較される。その比較によって、それぞれ、次の電圧偏差ε1,ε2が形成される。
ε1=VMS1−VM1=VME−VM1=−ΔVME
=−(VM1−VM2)÷2 (7)
ε2=VMS2−VM2=VME−VM2=ΔVME
=(VM1−VM2)÷2 (8)
トルク補正部25,26は、電圧偏差ε1,ε2が負極性の場合、受電電圧を低下させるべく、トルク、従って電力変換装置9,10の入力電流を増大させる向きの補正信号Te1,Te2を発生する。逆に、電圧偏差ε1,ε2が正極性の場合、受電電圧を上昇させるべく、トルク、従って電力変換装置9,10の入力電流を減少させる向きの補正信号Te1,Te2を発生するように設計されているものとする。
VM1>VM2の場合に、式(7)によって与えられる電圧偏差ε1は負極性であり、従ってトルク演算部27は、トルク補正部25から受け取った補正信号Te1に応じて、速度調節器21から指令されるトルクを増方向に補正して、電力変換装置9の入力電流指令信号Is1を上昇させる。これに対して、式(8)によって与えられる電圧偏差ε2は正極性であり、従ってトルク演算部28は、トルク補正部26から受け取った補正信号Te2に応じて、速度調節器22から指令されるトルクを減方向に補正して、電力変換装置10の入力電流指令信号Is2を低下させる。かくして、図4に示されているように、受電電圧が高い方の電力変換装置9側では、入力電流がIM1からIMS1へ向かって増大し、その結果として受電電圧がVM1からVMS1=VMEへ向かって低下する。受電電圧が低い方の電力変換装置10側では、入力電流がIM2から値IMS2へ向かって減少し、その結果として受電電圧がVM2からVMS2=VMEへ向かって上昇する。このようにして両受電電圧は互いに等しい平均値VMEに収斂する。なお、両受電電圧が一致した状態は監視表示部23−5で確認することができる。
このように電力変換装置9側で入力電流がIM1からIMS1へ向かって増大し、電力変換装置10側で入力電流がIM2から値IMS2へ向かって減少することによって、電動機13側では出力もしくはトルクの増加により回転速度が上昇方向へ変化しようとし、電動機14側では出力もしくはトルクの減少により回転速度が低下方向に変化しようとする。しかし、両電動機13,14は軸17で結合されているために、個々の電動機での出力もしくはトルクの増減があっても、それらの増減が相殺されて両電動機全体としての出力もしくはトルクの変化はなくて回転速度も変化せず、各電動機の負荷分担が変化するだけである。しかも、既述の速度調節器21,22による回転速度のフィードバック制御が行われるので、相殺誤差があったとしても、電動機13側での増加した出力P1と電動機14側の減少した出力P2との和は、設定器20で指令された回転速度を保つ負荷分担で平衡することになる。即ち、電動機13側の出力P1=VME×IMS1と、電動機14側の出力P2=VME×IMS2とで運転されることになる。
逆に、VM1<VM2の場合には、式(7)によって与えられる電圧偏差ε1は正極性であり、従ってトルク演算部27は、トルク補正部25から受け取った補正信号Te1に応じて、速度調節器21から指令されるトルクを減方向に補正して、電力変換装置9の入力電流指令信号Is1を減少させる。これに対して、式(8)によって与えられる電圧偏差ε2は負極性であり、従ってトルク演算部28は、トルク補正部26から受け取った補正信号Te2に応じて、速度調節器22から指令されるトルクを増方向に補正して、電力変換装置10の入力電流指令信号Is2を増大させる。かくして、受電電圧が低い方の電力変換装置9側では、入力電流IM1が減少し、その結果として受電電圧VM1が上昇し、受電電圧が高い方の電力変換装置10側では、入力電流IM2が増大し、その結果として受電電圧VM2が低下し、両受電電圧は互いに等しい平均値VMEに収斂する。なお、両受電電圧が一致した状態は監視表示部23−5で確認することができる。
モードAに関する以上の説明から解るように、電圧制御指令部23のモードA部分23−2が出力する電圧指令信号VMS1およびVMS2が、両受電電圧VM1,VM2間の大小関係に依存して切り替える必要のない定まった式(5)および(6)によって与えられ、両受電電圧VM1,VM2の大小関係に応じた所望のトルク(電流)および電圧の補正方向が、前記式(7)および(8)によって与えられる電圧偏差の極性により定められることから、この電圧制御指令部23のモードA部分23−2の実施形態の場合、電圧判別部23−1の出力信号VMSを省略することができる。
図3は、2台の同軸配置された推進電動機13(ここではM1と呼ぶ)および14(ここではM2と呼ぶ)についてトルクおよび電流補正特性の一例を示す。%表示により横軸には回転速度nが取られ、縦軸にはトルクTおよび電流Aがそれぞれ取られている。ここでは、トルクおよび電流が%表示により同等に扱われており、図1の実施例では電力変換装置9,10の入力電流IM1,IM2が近似的にこのトルクおよび電流に相当するとみなされている。
図3において、上側実線曲線(「M1+M2」と表示)は、2台の電動機M1およびM2の合計トルクの特性曲線を示し、回転速度100%におけるトルク100%の動作点が両電動機を合わせた上限動作点(C×2と表示)である。下側実線曲線(「M1&M2均等」と表示)は、両電動機の出力均等状態において、1台当たりの電動機トルクの特性曲線を示し、回転速度100%におけるトルク50%のC動作点が1台の電動機の上限動作点である。この出力均等状態では回転速度70%においてトルクが25%レベルにある。
回転速度70%におけるトルク25%のA動作点から、電動機M1の方を+5%増加の30%トルクに補正して上側破線曲線(M1増と表示)上の+A動作点へ、電動機M2の方を−5%減少の20%トルクに補正して下側破線曲線(M2減と表示)上の−A動作点へ移行させると、同軸上に配置した電動機M1およびM2は、合計トルク=30%+20%=50%で運転されることになる。これは、両電動機M1およびM2の均等時のトルク25%×2=50%と同じ電動機出力であるから、トルク補正を行っても回転速度は変わらずに運転されることになる。
同じく図3において、回転速度90%におけるトルク40%のB動作点から、電動機M1の方を+10%増加の50%トルク(上限値)に補正して+B動作点へ、電動機M2の方を−10%減少の30%トルクに補正して−B動作点へ移行させると、同軸上に配置した電動機M1およびM2は合計トルク=50%+30%=80%で運転されることになる。これは、両電動機M1およびM2の均等時のトルク40%×2=80%と同じ電動機出力であるから、トルク補正を行っても回転速度は変わらずに運転されることになる。このとき、電動機M1は電動機1台の出力上限値50%に達するため、これ以上は出力できないから、結果的に電動機M2との合計出力50%+30%=80%以上の運転はできない。この場合に、電動機M1およびM2は、均等トルク40%×2=80%と同じ電動機出力で運転されることになる。
次に、モードBの原理を図5に基づいて説明する。図5は、図4と同様に、2つの電池特性曲線VB1,VB2を用い、電池1の端子電圧VB1が電池電圧VB2よりも高い場合について示し、曲線VB1上の座標(IM1,VM1)が給電電路L1側の現在の動作点であり、曲線VB2上の座標(IM2,VM2)が給電電路L2側の現在の動作点である。受電電圧の値VMEのレベルは、両電路の現在の受電電圧VM1,VM2の平均値レベルである。モードBは、高い方の受電電圧を基準にして、低い方の受電電圧を高い方の受電電圧に一致させるべく、受電電圧の低い方のトルク(入力電流)を減少させる補正をすることにより、両受電電圧を一致させることを原理とする。
従って、電圧制御指令部のモードB部分23−3は、電動機13,14側、即ち電力変換装置9,10側のために、電圧判別部23−1からの大小判別信号VMSに応じて、次の電圧指令信号VMS1,VMS2を発生する。
VM1>VM2の場合、
VMS1=VM1 (5−1)
VMS2=VM1 (6−1)
VM1<VM2の場合、
VMS1=VM2 (5−2)
VMS2=VM2 (6−2)
従って、モードBにおいては、トルク補正部25,26の入力点a2,b2で、次の電圧偏差ε1,ε2が形成される。
VM1>VM2の場合、
ε1=VMS1−VM1=VM1−VM1=0 (7−1)
ε2=VMS2−VM2=VM1−VM2>0 (8−1)
VM1<VM2の場合、
ε1=VMS1−VM1=VM2−VM1>0 (7−2)
ε2=VMS2−VM2=VM2−VM2=0 (8−2)
トルク補正部25,26は調節器として構成されているので、電圧偏差ε1,ε2が0の場合にはトルク補正部25,26による補正動作は行われない。また、モードBにおいても、モードAの場合と同様に、トルク補正部25,26は、電圧偏差ε1,ε2が負極性の場合、受電電圧を低下させるべく、トルク、従って電力変換装置9,10の入力電流を増大させる向きの補正信号Te1,Te2を発生する。逆に、電圧偏差ε1,ε2が正極性の場合、受電電圧を上昇させるべく、トルク、従って電力変換装置9,10の入力電流を減少させる向きの補正信号Te1,Te2を発生するように設計されている。
従って、モードBにおいてVM1>VM2の場合には、電動機13側では、ε1=0であるから、トルク補正部25による補正は行われず、(IM1,VM1)の動作点が継続されようとする。電動機14側では、ε2>0であるから、トルク補正部26の補正信号Te2がトルク(電力変換装置10の入力電流IM2)を減らすようにトルク演算部28に作用する。かくして電力変換装置10の入力電流IM2を減少させる補正が行われ、受電電圧VM2が上昇する。これによって、図5に破線矢印で示すように、電動機14側では、動作点が(IM2,VM2)から動作点(IMS2E,VMS2E)に向かって移動する(ただし、VMS2E=VM1)。
このとき電動機14側では出力がP2=VMS2E×IMS2Eに向かって低下するから、電動機13側の出力がP1=VM1×IM1のままであれば、軸17で同軸結合された両電動機13,14の合計出力が低下して電動機回転速度が低下方向へ変化しようとする。しかし、2台の電動機13,14は速度調節器21,22によって回転速度フィードバック制御が行われているから、電動機回転速度が低下しないように、両電動機の合計出力の低下が抑制される。即ち、速度調節器21からのトルク指令信号IsR1の働きにより、電動機14側の出力低下を補うべく電動機13側が出力を増すよう制御されるので、図5に示すように、電動機13側の動作点は(IM1,VM1)から(IMS1E,VME)へ移行する。この電動機13の出力増加に伴って、図5に示すように、電動機14は前記動作点(IMS2E,VMS2E)の手前の動作点(IMS2,VME)にとどまる。結果的に、同軸結合された両電動機の回転速度を保つために、電動機13の出力がP1=IMS1×VMEとなり、電動機14の出力がP2=IMS2×VMEとなる出力分担で運転が行われる。
なお、モードBでは高い方の受電電圧VM1を基準として制御するので、電動機13側では電圧偏差ε1=0であるため補正信号Te1は変化しなくても、前述のように速度調節器21からのトルク指令信号IsR1の働きにより、電動機14側の出力低下を補うべく電動機13側の出力を増すよう入力電流IM1が増される結果、受電電圧VM1は固定値ではなく、負荷分担状態に応じて低下方向に刻々変化する。電動機14側では電圧偏差ε2(=VM1−VM2)に応じたトルク補正部26のトルク(入力電流)補正信号Te2の働きにより、入力電流IM2が減らされる結果、受電電圧VM2は上昇方向に刻々変化する。それゆえ受電電圧VM1,VM2は双方から互いに接近してゆくので、図5に示すように、中間の平均値レベルVMEにおいて電圧偏差ε2が0に達し、従って両受電電圧VM1,VM2は互いに等しい値VMEに収斂することになる。
モードBにおいてVM1<VM2の場合には、VM1側とVM2側との立場が逆になるだけで、VM1>VM2の場合の説明と全く対応する動作が当てはまる。このように、モードBでは電圧の高い方の受電電圧を基準として、その電圧の高い方の受電電圧に向かって電圧の低い方の受電電圧を上昇させることによって両受電電圧が一致させられる。その際に、回転速度のフィードバック制御により回転速度を保つように両電動機の出力分担が調整されて両受電電圧が一致した状態で両電動機の運転が行われる。なお、両受電電圧が一致した状態は監視表示部23−5で確認することができる。
次に、モードCの原理を図6に基づいて説明する。図6は、図4および図5と同様に、2つの電池特性曲線VB1,VB2を用い、電池1の端子電圧VB1が電池電圧VB2よりも高い場合について示し、曲線VB1上の座標(IM1,VM1)が給電電路L1側の現在の動作点であり、曲線VB2上の座標(IM2,VM2)が給電電路L2側の現在の動作点である。受電電圧の値VMEのレベルは、両電路の現在の受電電圧VM1,VM2の平均値レベルである。モードCは、低い方の受電電圧を基準にして、高い方の受電電圧を低い方の受電電圧に一致させるべく、受電電圧の高い方のトルク(入力電流)を増加させる補正をすることにより、両受電電圧を一致させることを原理とする。
従って、電圧制御指令部のモードC部分23−4は、電動機13,14側、即ち電力変換装置9,10側のために、電圧判別部23−1からの大小判別信号VMSに応じて、次の電圧指令信号VMS1,VMS2を発生する。
VM1>VM2の場合、
VMS1=VM2 (5−3)
VMS2=VM2 (6−3)
VM1<VM2の場合、
VMS1=VM1 (5−4)
VMS2=VM1 (6−4)
従って、トルク補正部25,26の入力点a2,b2で、次の電圧偏差ε1,ε2が形成される。
VM1>VM2の場合、
ε1=VMS1−VM1=VM2−VM1<0 (7−3)
ε2=VMS2−VM2=VM2−VM2=0 (8−3)
VM1<VM2の場合、
ε1=VMS1−VM1=VM1−VM1=0 (7−4)
ε2=VMS2−VM2=VM1−VM2<0 (8−4)
トルク補正部25,26は調節器として構成されているので、電圧偏差ε1,ε2が0の場合にはトルク補正部25,26による補正動作は行われない。また、モードAの場合説明したように、トルク補正部25,26は、電圧偏差ε1,ε2が負極性の場合、受電電圧を低下させるべく、トルク、従って電力変換装置9,10の入力電流を増大させる向きの補正信号Te1,Te2を発生し、電圧偏差ε1,ε2が正極性の場合、受電電圧を上昇させるべく、トルク、従って電力変換装置9,10の入力電流を減少させる向きの補正信号Te1,Te2を発生するように設計されている。
従って、モードCにおいてVM1>VM2の場合には、電動機14側では、ε2=0であるから、トルク補正部26による補正は行われず、(IM2,VM2)の動作点が継続されようとする。電動機13側では、ε1<0であるから、トルク補正部25の補正信号Te1がトルク(電力変換装置9の入力電流IM1)を増大させるようにトルク演算部27に作用する。このようにして電力変換装置9の入力電流IM1を増大させる補正が行われて、受電電圧VM1が低下する。これによって、図6に破線矢印で示すように、電動機13側では、動作点が(IM1,VM1)から動作点(IMS1E,VMS1E)に向かって移動する(ただし、VMS1=VM2)。
このとき電動機13側では出力がP1=VMS1E×IMS1Eに向かって上昇するから、電動機14側の出力がP2=VM2×IM2のままであれば、軸17で同軸結合された両電動機13,14の合計出力が増大して電動機回転速度が上昇方向へ変化しようとする。しかし、2台の電動機13,14は速度調節器21,22によって回転速度フィードバック制御が行われているから、電動機回転速度が上昇しないように、両電動機の合計出力の増大が抑制される。即ち、速度調節器22からのトルク指令信号IsR2の働きにより、電動機13側の出力増大を補うように電動機14側の出力を減らすよう制御されるので、図6に示すように、電動機14側の動作点が(IM2,VM2)から(IMS2,VME)へ移行する。この電動機14の出力減少に伴って、図6に示すように、電動機13は前記動作点(IMS1E,VMS1E)の手前の動作点(IMS1,VME)にとどまる。結果的に、同軸結合された両電動機の回転速度を保つために、電動機13の出力がP1=IMS1×VMEとなり、電動機14の出力がP2=IMS2×VMEとなる分担出力で運転が行われる。
なお、モードCでは低い方の受電電圧VM2を基準として制御するので、電動機14側では電圧偏差ε2=0であるため補正信号Te2は変化しないが、しかし前述のように速度調節器22からのトルク指令信号IsR2の働きにより、電動機13側の出力増大を補うべく電動機14側の出力を減らすよう入力電流IM2が減らされる結果、受電電圧VM2は固定値ではなく、負荷分担状態に応じて上昇方向に刻々変化する。電動機13側では電圧偏差ε1(=VM2−VM1)に応じたトルク補正部25のトルク(入力電流)補正信号Te1の働きにより、入力電流IM1が増される結果、受電電圧VM1は低下方向に刻々変化する。それゆえ受電電圧VM1,VM2は双方から互いに接近してゆくので、図6に示すように、中間の平均値レベルVMEにおいて電圧偏差ε1が0に達し、従って両受電電圧VM1,VM2は互いに等しい値VMEに収斂することになる。
モードCにおいてVM1<VM2の場合には、VM1側とVM2側との立場が逆になるだけで、VM1>VM2の場合の説明と全く対応する動作が当てはまる。このように、モードCでは、電圧の高い方の電動機側の出力を上昇させて、電圧の高い方の電動機側の受電電圧を電圧の低い方の電動機側の受電電圧に向かって低下させることにより両受電電圧が一致するように制御するが、回転速度のフィードバック制御により回転速度を保つように両電動機の出力分担が制御されて両受電電圧が一致するように両電動機の運転が行われる。なお、両受電電圧が一致した状態は監視表示部23−5で確認することができる。
更に、基準とする受電電圧を一方の受電電圧VM1又はVM2に固定し、これに他方の受電電圧VM2又はVM1を一致させるようにすることも考えられ得る。この場合に、電圧指令信号VMS1,VMS2は、検出した受電電圧VM1,VM2に関係なく、固定的に、例えば、
VMS1=VM1 (5−5)
VMS2=VM1 (6−5)
によって与えられ、従って比較点a2,b2において、
ε1=VMS1−VM1=VM1−VM1=0 (7−5)
ε2=VMS2−VM2=VM1−VM2 (8−5)
なる電圧偏差ε1,ε2が形成される。
この実施形態によれば、VM1>VM2の場合には、高い方の受電電圧を基準にして、低い方の受電電圧を高い方の受電電圧に一致させるように、受電電圧の低い方のトルク(入力電流)を減少させる補正をすることにより、両受電電圧を一致させるというモードBと同様の制御動作が行われ、VM1<VM2の場合には、低い方の受電電圧を基準にして、高い方の受電電圧を低い方の受電電圧に一致させるように、受電電圧の高い方のトルク(入力電流)を増大させる補正をすることにより、両受電電圧を一致させるというモードCと同様の制御動作が行われ、従って、これはモードBとモードCとを組み合わせたモードとなる。この場合に受電電圧VM1,VM2間の大小関係判別信号VMSは不要である。
図1に示すスイッチ18をONにして給電電路L1,L2を接続すれば、電池1と電池2との間のアンバランスは発生しない。従って、修正動作を行う必要がないから、モード切替スイッチ24を「切」にして、OFF信号をトルク補正部27,28に与えることにより、トルク修正動作を停止する。
前記した図1に示す実施例では、各推進電動機13,14に対応してそれぞれ速度調節器21,22を設けているが、この発明では、図2に示すように、2台の推進電動機13,14に共通に1つの速度調節器21Aを設けるようにすることもできる。そして、この速度調節器21Aのトルクまたはトルクに関連する量を指令する出力信号IsRは、2つのトルク演算部27、28に並列に入力される。このように、2台の推進電動機13、14に対して共通の1台の速度調節器21Aにより速度調節演算を行うようにすると、推進電動機13,14の速度をより安定に制御することが見込める。
図7は本発明による電気推進システムの制御装置の他の実施例を概略的に示すブロック図であり、図8はそれを詳細に示すブロック図である。この実施例では、図1に示した実施例の場合と制御装置の一部が相違しているだけで、その他の構成は一致している。従って、相違する点を中心に説明する。
図7の概略図には、電気推進システムの制御装置が100で示されている。更に、この制御装置100に含まれているトルク補正部110、電圧差検出部120、回転速度設定器20が図示されている。電圧差検出部120は、図8に詳しく示されているように、3端子からなる電圧検出抵抗123によって構成され、その抵抗の2つの外側端子が、2系統の給電電路L1,L2間に配置されたスイッチ18の両端にそれぞれスイッチ121,122を介して接続されている。スィッチ121,122はスイッチ18と連動するb接点である。電圧検出抵抗123の全体抵抗値Rは、中間端子(VMD0)によって2つの部分抵抗R1,R2に分割され、R1=R2=R/2に選ばれている。
電池1の電圧VB1が電池2の電圧VB2よりも高い(VB1>VB2)場合には、図9に示すように、部分抵抗R1,R2を介して、電圧の高い電池B1から電圧の低い電池B2へ電流IA=(VB1−VB2)÷(R1+R2)が流れ、これに対して電池2の電圧VB2が電池1の電圧VB1よりも高い(VB1>VB2)場合には、図10に示すように、部分抵抗R1,R2を介して、逆向きに電流IB=(VB2−VB1)÷(R1+R2)が流れる。この結果、部分抵抗R1,R2には、電池間の電圧差ΔV(=VB1−VB2)の極性に応じた極性を有する電圧VMD1,VMD2が生じる(VMD1=VMD2=(VB1−VB2)/2=ΔV/2)。更に、部分抵抗R1,R2にそれぞれ絶縁変換器125,126が接続されて、電圧VMD1,VMD2に対応した電圧差検出信号VM1,VM2が取り出される。
基準化した量(%表示)で扱うものとし、中間端子の電位VMD0を基準(0電位)とすれば、電圧差検出信号VM1は電路L1の電圧(電位)に相当し、電圧差検出信号VM2は電路L2側の電圧(電位)に相当する。従って、VM1=VMD1、VM2=VMD2とした場合に、VM1=VMD1=(VB1−VB2)/2=ΔV/2、VM2=−VMD2=−ΔV/2=−(VB1−VB2)/2となる。即ち、電圧差検出信号VM1,VM2は、それぞれ電圧差ΔVの大きさに比例する値を有すると共に、電圧差ΔVの極性に応じて切り替わる互いに異なる極性を有する。
図7のトルク補正部110は、図8によれば、2つのトルク補正用調節器111,112と、トルク補正用設定器113とから構成されている。両電池間に電圧アンバランスが発生した場合、電圧差検出部120において、互いに異なる極性の電圧差信号VM1,VM2が検出される。設定器113の設定信号VM0は、電圧検出部120の電位VMD0に相当し、これを基準電位として扱えば、VM0=VMD0=0とすることができる。電圧差信号VM1は調節器111に、電圧差信号VM2は調節器112に与えられ、設定器113の値0の設定信号VM0が両調節器111,112に与えられる。
各調節器111,112は、それぞれ前記入力信号を制御偏差として、これに調節演算(例えば、比例積分演算)を施すことにより、それぞれトルク補正信号Te1,Te2を発生する。トルク補正信号Te1,Te2は、それぞれトルク演算器27,28の入力側の加算点a2,b2において、それぞれ速度調節器21,22からの補正前のトルク指令信号IsR1,IsR2に加算される。各加算点a2,b2での加算による補正後のトルク指令信号IsR1,IsR2は、それぞれトルク演算器27,28において入力電流指令信号Is1,Is2に変換される。
入力電流指令信号Is1,Is2は、リミッタ31,32によって場合によっては制限されて信号IsE1,IsE2が電流調節器33,34の比較点a3,b3に入力される。
調節器111,112が出力するトルク補正信号Te1,Te2は、互いに異なる極性を有すると共に、それぞれは両電圧間の電圧差の極性に応じて切り替わる極性を有する。従って加算点a2,b2でのトルク指令信号IsR1,IsR2へのトルク補正信号Te1,Te2の加算は、電圧の高い方の電池側ではトルクを増大させる極性で行われ、電圧の低い方の電池側ではトルクを減少させる極性で行われる。この結果、電圧の高い方の電池側ではトルクを増大させるべく入力電流が増されることにより、低い電池電圧の動作点に移行する。逆に、電圧の低い方の電池側ではトルクを減少させるべく入力電流が減らされることにより、高い電池電圧の動作点に移行する。次に、この動作原理を図12に基づいて具体的に説明する。
図12は、電池間電圧差がVB1>VB2である場合を例として、電動機M1,M2のトルク/入力電流に対する電池B1,B2の受電電圧の特性を示す。電動機M1は電池B1から給電を受けて補正前の動作点M1a(VB1)で運転し、電動機M2は電池B2から給電を受けて補正前の動作点M2a(VB2)で運転している。当然、両電池間の電圧ΔVの差により、各推進電動機装置間に受電電圧差は生じるが、両電動機は回転速度制御されるから、電圧差によって電動機装置(電力変換装置)の入力電流に差が生じることになる。即ち、電圧が高い側(ここではM1側)の入力電流は小さく、電圧が低い側(ここではM2側)の入力電流は大きくなる。このアンバランス動作を放置すれば、アンバランス量が拡大して、既述の障害、不具合を与えることになる。
そこで、両電池間の電圧差ΔVを0にするための補正を行うために、先ず電圧差検出部120において、電圧差検出信号VM1,VM2が検出される。補正前において、電動機M1側の動作点M1aの受電電圧レベルと電動機M2側の受電電圧レベルとの中間の電圧レベルの電位が電圧差検出部120の電圧検出抵抗123の中間点の電位VMD0であり、これはトルク補正部110の設定値VM0に相当する。従って、その中間点電位VMD0を基準点として見れば、即ちVMD0=0とすれば、ここでの例(VB1>VB2)では、一方の電圧差検出信号VM1=+VMD1は正極性となり、他方の電圧差検出信号VM2=−VMD2は負極性となる。
従って、調節器111,112による電圧差検出信号VM1,VM2をVM0(=0)にする働きによって、電圧の高い側の電動機トルク、従って入力電流(ここではIM1)が大きくされ、電圧の低い側の電動機トルク、従って入力電流(ここではIM2)が小さくされるので、図12に示す如く、各電池の電流−電圧特性曲線に沿って、電圧の高い側の電路電圧は、補正前の動作点M1aから補正後の動作点M1bへ低下し、電圧の低い側の電路電圧は、補正前の動作点M2aから補正後の動作点M2bへ上昇し、その結果、両電路の電圧(電位)VM1,VM2は基準電位VMD0=VM0に向かって、即ち両電池間電圧差がVM0(=0)に向かって収束する。即ち、トルク補正用調節器111は電圧差VM1信号が0になるようにa2点において正極性のトルク補正信号Te1を与えて、トルク(入力電流)を増加させ、トルク補正用調節器112は電圧差VM2が0になるようにb2点において負のトルク補正信号Te2を与えて、トルク(入力電流)を減少させることによって、両電池間の電圧差を0に収束させる。
図11は推進電動機13(M1)および14(M2)のトルクおよび電流補正特性の一例を示す特性曲線図である。横軸に電動機回転速度が、縦軸に電動機トルクもしくは電動機電流が基準化された単位(%表示)で示されている。
図11によれば、Aレベル(例では70%)の回転速度で運転するとき、各電動機のトルクが等しい場合は、各電動機M1,M2は等しい動作点A0で動作し、2台合計では動作点AEUで動作する。両電池間に電圧差が発生した場合、M1側トルク(電流)を+Aへ増加させ(図12では動作点がM1aからM1bへ移行する)、M2側トルク(電流)を−Aへ減少させる(図12では動作点がM2aからM2bへ移行する)。この動作によって、両電動機駆動用電力変換装置の入力電圧は図12に示すVM0に収束されて、2台の電動機の合計トルクは、同様に動作点AEUで動作することになる。このように各調節器111,112は両電動機M1,M2のトルク(電流)を補正制御して両電池間の電圧差が0になるように制御する。
図11によれば、Bレベル(例では80%)の回転速度で運転するとき、M1側トルク(電流)を+Bへ増加させ(図12では動作点がM1aからM1bへ移行する)、M2側トルク(電流)を−Bへさせて減少させる(図12では動作点M2aからM2bへ移行する)。この動作によって、両電動機駆動用電力変換装置の入力電圧は図12に示すVM0に収束されて、2台の電動機の合計トルクは動作点BEUで動作することになる。このとき電動機M1は1電動機上限トルク(電流)に達し、即ち、補正されたトルク+Bはトルク上限である。
回転速度C(例では100%)で運転するとき、M1側トルク(電流)を増加させるべくトルク補正をしようとするが、既に+Bでトルク上限に達しており、(図8のリミッタ31の電流制限動作のために)それよりも大きいトルクレベルへの補正はできない。従って、この回転速度Cで運転するとき、M1側トルク(電流)は+Bと同じ上限レベルにある+Cで動作する。M2側のトルク補正は−Cであり、結局、2台電動機トルクはトルク不足状態で動作点CEU点において回転速度Cで運転しなければならなくなる。
従って、動作状態を電圧差監視・表示器130で監視し、推進電動機を補正限界以下で運転することによって、両電池の電圧アンバランスを収束させることが好ましい。なお、電圧差監視・表示器130によって両電池電圧差が予め設定された閾値以下になったことを検出して信号SWOKを出力することによって、スイッチ18のONを阻止するインターロックを解除すれば、スイッチ18の投入時に電圧差による突入電流を防止することができる。このために電圧差監視・表示器130には、電圧検出器5,6によって検出された各電路の受電電圧VL1,VL2と、電圧差検出部120からの電圧差検出信号VM1,VM2と、トルク補正用設定器113からの設定信号VM0が入力されている。
1,2 電地
3,4,18 スイッチ装置
5,6 電圧検出器
7,8 入力電流検出器
9,10 電力変換装置
11,12 出力電流検出器
13,14 推進電動機
15,16 回転速度検出器
17 駆動軸
18 スイッチ
20 回転速度設定器
21,22 速度調節器
23 電圧制御指令部
23−1 電圧判別部
23−2 モードA部分
23−3 モードB部分
23−4 モードC部分
23−5 監視表示部
24 モード切替スイッチ
25,26 トルク補正部
27,28 トルク演算部
29,30 制限値設定器
31,32 リミッタ
33,34 入力電流調節器
35,36 出力電流調節器
100 制御装置
110 トルク補正部
111,112 トルク補正用調節器
113 トルク補正用設定器
120 電圧差検出部
121,122 スイッチ
123 電圧検出抵抗
125,126 絶縁変換器
130 電圧差監視・表示器
L1,L2 給電電路
IM1,IM2 入力電流(入力電流検出信号)
Is1,Is2 入力電流指令信号
IsR1,IsR2 トルク指令信号
Ns 回転速度指令信号
Ni1,Ni2 回転速度検出信号
Te1,Te2 トルク補正信号
VL1,VL2 受電電圧検出信号
VM1,VM2 受電電圧検出信号又は電圧差検出信号
VMS1,VMS2 電圧指令信号
VME 受電電圧平均値
VMD1,VMD2 電圧降下
VM0 設定値

Claims (22)

  1. 2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御方法において、電池の独立給電動作時に、各電力変換装置の受電電圧を検出し、両受電電圧が互いに一致するように少なくとも一方の電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整することを特徴とする電気推進システムの制御方法。
  2. 電池の独立給電動作時に、各電力変換装置における電池電源からの受電電圧を検出し、両受電電圧の平均値を基準とし、その平均値と各受電電圧との電圧偏差が零になるように、各電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整することを特徴とする請求項1記載の電気推進システムの制御方法。
  3. 電池の独立給電動作時に、各電力変換装置における電池電源からの受電電圧を検出し、一方側の電力変換装置の受電電圧を基準とし、一方側の電力変換装置の受電電圧と他方側の受電電圧との電圧偏差が零になるように、他方側の電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整することを特徴とする請求項1記載の電気推進システムの制御方法。
  4. 基準とする一方側の電力変換装置として受電電圧の高い方の電力変換装置を選択することを特徴とする請求項3記載の電気推進システムの制御方法。
  5. 基準とする一方側の電力変換装置として受電電圧の低い方の電力変換装置を選択することを特徴とする請求項3記載の電気推進システムの制御方法。
  6. 一方側の電力変換装置および他方側の電力変換装置がそれぞれ予め固定選択されていることを特徴とする請求項3記載の電気推進システムの制御方法。
  7. 両推進電動機の負荷分担の調整が、推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量を前記電圧偏差に応じて変化させることにより行われることを特徴とする請求項乃至6の1つに記載の電気推進システムの制御方法。
  8. 推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量を各推進電動機に付設された回転速度調節器によって指令し、推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量を変化させるべく、回転速度調節器の指令を前記電圧偏差に応じて補正することを特徴とする請求項7記載の電気推進システムの制御方法。
  9. 推進電動機のトルク又はそのトルクに関連する量が、電力変換装置の入力電流であることを特徴とする請求項7乃至8の1つに記載の電気推進システムの制御方法。
  10. 電力変換装置の入力電流を検出し、その検出された入力電流を、各推進電動機に付設された回転速度調節器から与えられる指令を補正することにより生成した入力電流指令値に一致させるように、入力電流のフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項7乃至9の1つに記載の電気推進システムの制御方法。
  11. 2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御装置であって、制御装置が、電池の独立給電動作時に、各電力変換装置の受電電圧を検出し、両受電電圧が互いに一致するように少なくとも一方の電力変換装置を制御することにより両推進電動機の負荷分担を調整するよう構成されていることを特徴とする電気推進システムの制御装置。
  12. 制御装置が、各推進電動機の回転速度を制御すべく各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量の指令信号を発生する2つまたは1つの回転速度調節器と、各回転速度調節器からの指令信号に従って各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量を制御すべく付設の電力変換装置を制御する2つのトルク演算部と、各電力変換装置の受電電圧を検出する2つの電圧検出器と、両電圧検出器からの電圧検出信号に基づいて各電力変換装置のための受電電圧指令信号を出力する電圧制御指令部と、その電圧制御指令部からの受電電圧指令信号と付設の電圧検出器からの受電電圧検出信号との間の電圧偏差に応じて付設の回転速度調節部からの指令信号を補正する補正信号を付設のトルク演算部に与える2つのトルク補正部と、給電電路の並列給電動作時に両トルク補正部の動作を停止させる手段とから構成されていることを特徴とする請求項11記載の電気推進システムの制御装置。
  13. 前記電圧制御指令部は、両電圧検出器からの電圧検出信号の平均値を受電電圧指令信号として出力することを特徴とする請求項12記載の制御装置。
  14. 前記電圧制御指令部は、両電圧検出器からの電圧検出信号のうち高い方の値を有する電圧検出信号を受電電圧指令信号として出力するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の制御装置。
  15. 前記電圧制御指令部は、両電圧検出器からの電圧検出信号のうち低い方の値を有する電圧検出信号を受電電圧指令信号として出力するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の制御装置。
  16. 前記電圧制御指令部は、両電圧検出器からの電圧検出信号のうち予め定められた電力変換装置側の電圧検出信号を受電電圧指令信号として出力するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の制御装置。
  17. 2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御方法において、
    各電池の独立給電動作時に両電池間の電圧差を検出し、その検出された電圧差に応じて、電圧の高い方の電池から給電される推進電動機のトルクを増大させて当該電池電圧を低下させ、かつ電圧の低い方の電池から給電される推進電動機のトルクを減少させて当該電池電圧を上昇させることを特徴とする電気推進システムの制御方法。
  18. 両電池間の電圧差が予め与えられた閾値以下になったことを検出した際に、前記スイッチ装置による独立給電動作から並列給電動作への切り替えを許可するインターロック機能を有することを特徴とする請求項17記載の電気推進システムの制御方法。
  19. 両電池間の電圧差の監視および表示を行い、かつ両電池間の電圧差が予め与えられた閾値以下になったことを検出した際に前記スイッチ装置による独立給電動作から並列給電動作への切り替えを許可する信号の出力もしくは表示を行うことを特徴とする請求項17又は18記載の電気推進システムの制御方法。
  20. 2台の充電可能な電池からなる電池電源と、2台の互いに機械的に結合された、特に互いに同軸結合された推進電動機と、各推進電動機にそれぞれ給電する2台の電力変換装置と、電池電源と電力変換装置との間に設けられた2系統の給電電路と、電池の独立給電動作および並列給電動作の切り替えを可能にすべく給電電路に設けられたスイッチ装置とを含む電気推進システムの制御装置において、制御装置が、
    各推進電動機の回転速度を調節すべく各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量の指令信号を発生する回転速度調節手段と、
    該回転速度調節手段からの指令信号に従って各推進電動機のトルク又はトルクに関連する量を調節すべく各推進電動機に付属する電力変換装置をそれぞれ制御する電力変換装置制御手段と、
    各電池の独立給電動作時に両電池間の電圧差を検出する電圧差検出手段と、
    該電圧差検出手段によって検出された電圧差に応じて、電圧の高い方の電池から給電される推進電動機のトルクを増大させかつ電圧の低い方の電池から給電される推進電動機のトルクを減少させるトルク補正信号を生成するトルク補正信号形成手段と、
    該トルク補正信号に応じて前記回転速度調節手段からの指令信号を補正すべく各電力変換装置制御手段の前段部分にそれぞれ配置されたトルク補正手段と、
    から構成されていることを特徴とする電気推進システムの制御装置。
  21. 前記電圧差検出手段は、各電池の独立給電動作時に各電池の給電電路にそれぞれ接続される2つの外側端子と1つの中間端子とを有する電圧検出抵抗を含み、2つの外側端子と中間端子との間において、好ましくはそれぞれ絶縁変換器を介して、両電池間の電圧差に対応する2つの電圧差検出信号を取り出し得る電圧検出抵抗回路であることを特徴とする請求項20記載の電気推進システムの制御装置。
  22. 前記トルク補正信号形成手段は、前記電圧差検出手段からの電圧差検出信号と予め与えられた設定信号との偏差を零にするように作用するトルク補正用調節器と、その設定信号を予め与えるトルク補正用設定器とからなることを特徴とする請求項20又は21記載の電気推進システムの制御装置。
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