JP6379372B2 - ガス検出システム - Google Patents
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Description
しかしながら、上記のようなガス漏洩監視システムにおいては、ガス検知器と管理装置とが、例えば数百メートルオーダのケーブルにより接続される場合があり、また、ケーブルの長さが不定であるため、ケーブルの線路抵抗に起因した誤差が測定結果に含まれてしまう、という問題がある。
前記管理装置は、前記ガス検知器群に属する各ガス検知器に共有の駆動回路と、前記センサ素子の抵抗値に基づいて検知対象ガスの濃度を算出するガス濃度算出手段とを具えており、ガス検知器の各々を作動モードと休止モードとを繰り返すよう間欠的に駆動し、かつ、ガス検知器を順次に連続して作動モードとする動作シーケンスを実行する機能を有し、
前記駆動回路は、前記センサ素子に定電流を供給する定電流電源回路と、前記センサ素子に供給される電流を検出する電流検出回路と、当該センサ素子に印加される電圧を検出する電圧検出回路とを具えており、
前記ガス濃度算出手段は、前記電流検出回路により検出される電流値と、前記電圧検出回路により検出される電圧値とに基づいて、前記ケーブルの線路抵抗値を算出し、センサ出力として取得される前記ケーブルの線路抵抗値を含んだ検出抵抗値より当該線路抵抗値の影響分、並びに、前記ガスセンサに定電流を供給することにより生ずるオフセット電圧による影響分を排除することにより、センサ素子自体の抵抗値を取得する機能を有することを特徴とする。
前記ガス濃度算出手段は、前記負荷抵抗の抵抗値をRL 〔Ω〕、前記基準電源の電源電圧をVO 〔mV〕、前記負荷抵抗の端子電圧をVL 〔mV〕、前記半導体式ガスセンサに定電流を供給することにより生ずるオフセット電圧をVoff〔mV〕、前記ケーブルの線路抵抗値をR〔Ω〕としたとき、前記半導体式ガスセンサにおける感応部の抵抗値Rs〔Ω〕を、下記式(1)により、算出する構成のものとすることができる。
このような構成のものにおいては、前記駆動回路は、前記定電流電源回路を有するセンサ駆動電流供給回路と、予熱電流供給回路と、当該センサ駆動電流供給回路および当該予熱電流供給回路のいずれか一方をガス検知器に接続する、ガス検知器の各々に対応する複数のスイッチ手段とを具えており、
前記管理装置は、前記予熱電流供給回路に、センサ駆動電流の大きさとの関係において設定された大きさの定電圧を入力する構成とされていることが好ましい。
また、演算によりガス濃度を算出することができるので、例えばガス検知器の校正処理を行う場合には、ガス検知器に対して校正用ガスを供給する必要がなく、また、必ずしも、ガス検知器が設置された場所での作業自体を行う必要もないため、高い作業効率が得られる。従って、複数のガス検知器により構築されたシステムにおいて極めて有用である。
しかも、作動モードとされる一のガス検知器におけるガスセンサにセンサ駆動電流が供給されながら、当該ガス検知器と同一のガス検知器群に属する他のガス検知器におけるガスセンサの各々に予熱電流が供給されるので、休止モードから作動モードに移行されたときに、ガスセンサの出力を安定させるために必要とされる暖機処理時間を大幅に短縮することができ、しかも、休止モード時に供給される予熱電流はセンサ駆動電流以下の大きさであるため、休止モード時にガスセンサに対する給電が停止されるよう間欠制御される構成のものに比して、システム全体として消費電力の低減を図ることができる。
図1は、本発明のガス検出システムに係るガス漏洩監視システムの一例における構成の概略を示すブロック図である。このガス漏洩監視システムは、例えば、互いに異なる測定ポイントに配置された複数のガス検知器10(a1〜a4,b1〜b4,c1〜c4,d1〜d4,e1〜e4)(以下、特定のものについて言及する場合を除いて、一部を省略して単に符号「10」を用いる。)と、これらのガス検知器10の各々が適宜の給電用/信号伝送用ケーブル18により接続された管理装置20とにより構成されている。
そして、このガス漏洩監視システムにおいては、各々複数のガス検知器10を一のグループとする複数のガス検知器群15a〜15eが設定されている。この例においては、一のガス検知器群に属するガス検知器10の数が4台、ガス検知器群の数が5つに設定されており、同一のガス検知器群に属するガス検知器10については、例えば同一の長さの給電用/信号伝送用ケーブル18が用いられている。ここに、給電用/信号伝送用ケーブル18の長さは、特に制限されるものではないが、通常、例えば2000m以下のものが用いられる。
感応部12を構成する金属酸化物半導体としては、例えば、酸化スズ(SnO2)などの酸化触媒がアルミナ(Al2O3)担体と共に焼結されてなるものを用いることができる。
抵抗体は、例えば白金またはその合金よりなる金属素線がコイル状に巻回されてなるコイル部13aおよびこのコイル部13aの両端に連続する直線状のリード部13bを有するヒーター13よりなる。
ヒーター電流検出回路32の出力端子はマイコン21に接続されており、ヒーター電流検出回路32よりの電流検知信号がマイコン21における電流検知信号入力端子21aに入力される。そして、電流検知信号に基づいて設定された電流調整信号がマイコン21より定電流電源回路31に入力されて供給電流の調整がなされる。31aは、定電流電源回路31における電源入力端子であって、所定の大きさの定電圧が図示しない電源より入力される。また、21bは、マイコン21における電流調整信号出力端子である。
各動作モード切り替えスイッチ401〜404におけるa接点41およびb接点42は、マイコン21より入力される動作モード切り替え信号によって、いずれか一方が閉成されるよう互いに連動して制御される。21c〜21fは、マイコン21における動作モード切り替え信号出力端子である。
各スイッチ手段45は、対応するガス検知器に係る動作モード切り替えスイッチのa接点41と連動して動作され、当該a接点41が閉成されることに伴って、スイッチ手段45が閉成される。そして、信号処理回路50よりの作動モードにあるガス検知器に係るセンサ出力(電圧信号)がマイコン21におけるガス検知信号入力端子21hに入力される。
図4は、図1に示すガス漏洩監視システムにおける各ガス検知器の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。
この例の動作シーケンスにおいては、例えば、すべてのガス検知器10の動作条件が同一であって、同一のガス検知器群に属するガス検知器が順次に連続して作動モードとされると共に、各ガス検知器群における一のガス検知器が同時に作動モードとされる。
これにより、センサ駆動電流供給回路35における定電流電源回路31よりガス検知器10a1に対してのみセンサ駆動電流が供給されて当該ガス検知器10a1が作動モードされると共に、予熱電流供給回路38における電源入力端子39より定電圧が入力されることにより、同一のガス検知器群15aに属する他のガス検知器10(a2〜a4)の各々に対して予熱電流が供給されて当該ガス検知器10(a2〜a4)が休止モードとされる。
これにより、センサ駆動電流供給回路35における定電流電源回路31よりガス検知器10a2に対してのみセンサ駆動電流が供給されて当該ガス検知器10a2が作動モードされると共に、予熱電流供給回路38における電源入力端子39より定電圧が入力されることにより、同一のガス検知器群15aに属する他のガス検知器10(a1,a3,a4)に対して予熱電流が供給されて当該ガス検知器10(a1,a3,a4)が休止モードとされる。
そして、この例においては、各ガス検知器群15a〜15eにおける一のガス検知器が同時に作動モード、より具体的にはガス測定状態とされるよう、同期がとられた状態(動作モードの切り替えタイミングが同一となる状態)で、各ガス検知器10の動作状態が制御される。
このように、このガス漏洩監視システムにおいては、ガス検知器群の各々において、一のガス検知器によるガス測定が行われながら、他のガス検知器に対する予熱処理が行われる。従って、ガス検知器10が休止モードから作動モードに移行されたときに、半導体式ガスセンサ11の検知原理上必要とされる半導体式ガスセンサ11の暖機処理に要する時間を短縮することができる。
また、演算によりガス濃度を算出することができるので、ガス検知器10の校正処理を行う場合には、ガス検知器10に対して校正用ガスを供給する必要がなく、また、必ずしも、ガス検知器10が設置された場所での作業自体を行う必要もないため、高い作業効率が得られる。特に、複数のガス検知器により構築されたガス検出システムにおいて極めて有用である。
具体的には例えば、休止モード時に半導体式ガスセンサ11に対する給電が停止されるよう間欠制御されることの他は、本発明に係るガス漏洩監視システムと同一の構成を有するガス漏洩監視システム(参照ガス漏洩監視システム)においては、センサ駆動電流を167mAとしたとき、例えば120分間以上の暖機処理が必要となるのに対して、上述したように、本発明に係るガス漏洩監視システムにおいては、暖機処理時間は例えば3分間でよく、従って、システム全体では、本発明に係るガス漏洩監視システムは、参照ガス漏洩監視システムの30〜60%の消費電力に抑えることができる。
例えば、本発明は、冷媒ガスの漏洩監視システムに限定されるものではなく、互いに離れた位置に設置されるガス検知器と管理装置とが給電用/信号伝送用ケーブルによって接続されて構築されるガス検出システムであればよい。従って、ガス検知器としては、半導体式ガスセンサを具えたものに限定されるものではなく、検知対象ガスの接触によって抵抗値が変化するセンサ素子を有するガスセンサ、例えば接触燃焼式ガスセンサなどを具えたものを用いることができる。
また、上記のガス漏洩監視システムにおいては、一のガス検知器群に属するガス検知器の数は、ガス検知器群間で異なっていてもよい。また、実際のガス漏洩監視システムにおいて、ガス検知器群の設定方法(グループ設定方法)は特に制限されるものではないが、例えば、給電用/信号伝送用ケーブルの長さが同等のものが同一のグループに含まれるよう設定することができる。さらにまた、ガス検知器の具体的な制御条件は適宜に変更可能である。
10b1〜10b4 ガス検知器
10c1〜10c4 ガス検知器
10d1〜10d4 ガス検知器
10e1〜10e4 ガス検知器
11 半導体式ガスセンサ
12 感応部
13 ヒーター
13a コイル部
13b リード部
141〜144 センサ信号出力端子
15a〜15e ガス検知器群
18 給電用/信号伝送用ケーブル
20 管理装置
21 マイコン
21a 電流検知信号入力端子
21b 電流調整信号出力端子
21c〜21f 動作モード切り替え信号出力端子
21g 電圧検知信号入力端子
21h ガス検知信号入力端子
30a〜30e センサ駆動回路
31 定電流電源回路
31a 電源入力端子
32 ヒーター電流検出回路
32a ヒーター電流検出抵抗
33 ヒーター電圧検出回路
33a 電源入力端子
35 センサ駆動電流供給回路
38 予熱電流供給回路
39 電源入力端子
401〜404 動作モード切り替えスイッチ
41a 接点
42b 接点
45 スイッチ手段
50 信号処理回路
51 基準電源
52 負荷抵抗
R 線路抵抗値
Rs センサ抵抗値
RI ヒーター電流検出抵抗の抵抗値
RL 負荷抵抗の抵抗値
Claims (4)
- 検知対象ガスの接触によって抵抗値が変化する感応部および当該感応部を加熱するヒーターにより構成されたセンサ素子を有する半導体式ガスセンサを具えた互いに異なる測定ポイントに設置された複数のガス検知器を1つのグループとするガス検知器群と、当該複数のガス検知器の各々と離れた位置に設置されて当該複数のガス検知器の各々とケーブルにより接続された管理装置とにより構成された、冷凍空調機器からの冷媒ガスの漏れを監視するガス検出システムにおいて、
前記管理装置は、前記ガス検知器群に属する各ガス検知器に共有の駆動回路と、前記センサ素子の抵抗値に基づいて検知対象ガスの濃度を算出するガス濃度算出手段とを具えており、ガス検知器の各々を作動モードと休止モードとを繰り返すよう間欠的に駆動し、かつ、ガス検知器を順次に連続して作動モードとする動作シーケンスを実行する機能を有し、
前記駆動回路は、前記センサ素子に定電流を供給する定電流電源回路と、前記センサ素子に供給される電流を検出する電流検出回路と、当該センサ素子に印加される電圧を検出する電圧検出回路とを具えており、
前記ガス濃度算出手段は、前記電流検出回路により検出される電流値と、前記電圧検出回路により検出される電圧値とに基づいて、前記ケーブルの線路抵抗値を算出し、センサ出力として取得される前記ケーブルの線路抵抗値を含んだ検出抵抗値より当該線路抵抗値の影響分、並びに、前記ガスセンサに定電流を供給することにより生ずるオフセット電圧による影響分を排除することにより、センサ素子自体の抵抗値を取得する機能を有することを特徴とするガス検出システム。 - 前記管理装置は、基準電源が負荷抵抗を介して前記半導体式ガスセンサにおける感応部に直列に接続されて構成された、当該負荷抵抗の端子電圧を検出することによりセンサ出力としての検出抵抗値を取得するセンサ信号処理回路を具えており、
前記ガス濃度算出手段は、前記負荷抵抗の抵抗値をRL 〔Ω〕、前記基準電源の電源電圧をVO 〔mV〕、前記負荷抵抗の端子電圧をVL 〔mV〕、前記半導体式ガスセンサに定電流を供給することにより生ずるオフセット電圧をVoff〔mV〕、前記ケーブルの線路抵抗値をR〔Ω〕としたとき、前記半導体式ガスセンサにおける感応部の抵抗値Rs〔Ω〕を、下記式(1)により、算出することを特徴とする請求項1に記載のガス検出システム。
- 前記管理装置は、作動モードにある一のガス検知器に、一定の大きさに制御されたセンサ駆動電流を供給しながら、休止モードにある他のガス検知器に、当該センサ駆動電流より小さい予熱電流を供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス検出システム。
- 前記駆動回路は、前記定電流電源回路を有するセンサ駆動電流供給回路と、予熱電流供給回路と、当該センサ駆動電流供給回路および当該予熱電流供給回路のいずれか一方をガス検知器に接続する、ガス検知器の各々に対応する複数のスイッチ手段とを具えており、
前記管理装置は、前記予熱電流供給回路に、センサ駆動電流の大きさとの関係において設定された大きさの定電圧を入力することを特徴とする請求項3に記載のガス検出システム。
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