JP6379338B2 - 有機電界発光素子、表示装置、および有機電界発光素子の製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子、表示装置、および有機電界発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、有機電界発光素子、表示装置、および有機電界発光素子の製造方法に関する。
有機電界発光素子(いわゆる有機EL素子)は、陽極と陰極との間に有機化合物を含む発光層を有する自発光型の素子である。このような有機電界発光素子では、陽極および陰極間に電圧が印加された場合、陽極から注入された正孔が正孔輸送層を経由して発光層に移動し、陰極から注入された電子が電子輸送層を経由して発光層に移動する。そして、発光層に移動した正孔および電子が再結合することで生成された励起子が基底状態へ遷移することにより発光が生じる。
ここで、表示装置、および照明装置などの光源として用いられる有機電界発光素子には、高い発光効率が求められる。
例えば、特許文献1、2、および3には、有機電界発光素子において、電荷発生層を介して複数の発光ユニットを積層させたマルチスタック構造を採用することによって、発光効率を向上させる技術が開示されている。
しかし、マルチスタック構造の有機電界発光素子では、複数の発光ユニットを積層させることで電流効率を向上させることができる一方で、印加電圧により各ユニットの発光バランスが変化し、光の色味が変化してしまう。
そこで、特許文献4には、発光ピーク波長に基づいて発光層の配置順序を制御し、陽極より離れた発光層ほどHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)およびLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)が高くなるようにすることで、発光の色味の変化を抑制する技術が開示されている。
特開2003−272860号公報 特開2010−15787号公報 特開2005−267990号公報 特開2010−129301号公報
しかし、特許文献4に開示された技術では、印加電圧の変化に対する発光の色味の変化を十分に抑制することは困難であった。また、特許文献4に開示された技術では、積層される発光ユニットの順序が制限されるため、有機電界発光素子の光取出しを最適化することが困難であった。
そこで、本開示では、有機電界発光素子における光取出しの最適化が容易であり、印加電圧に対する発光の色味の変化を抑制することが可能な、新規かつ改良された有機電界発光素子、表示装置、および有機電界発光素子の製造方法を提案する。
本開示によれば、第1発光層を少なくとも含む第1発光ユニット、および第2発光層を少なくとも含む第2発光ユニットを少なくとも含む複数の発光ユニットと、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットの間に配置された電荷発生層と、を備え、前記第1発光ユニットは、陽極および陰極の間に配置され、前記第2発光ユニットは、前記第1発光ユニットおよび前記陰極の間に配置され、前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、前記第2発光ユニットの総膜厚に対して、10%以上25%以下である、有機電界発光素子が提供される。
また、本開示によれば、上記有機電界発光素子を含む、表示装置が提供される。
また、本開示によれば、陽極の上に第1発光層を少なくとも含む第1発光ユニットを配置することと、前記第1発光ユニットの上に電荷発生層を配置することと、前記電荷発生層の上に第2発光層を少なくとも含む第2発光ユニットを配置することと、前記第2発光ユニットの上に陰極を配置することと、を含み、前記第2発光ユニットの総膜厚に対して、前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚を10%以上25%以下として形成する、有機電界発光素子の製造方法が提供される。
本開示によれば、第1発光層への電子供給が第2発光ユニットにおける正孔輸送層によって阻害されることを防止することが可能である。
以上説明したように本開示によれば、有機電界発光素子における光取出しの最適化が容易であり、印加電圧に対する発光の色味の変化を抑制することが可能である。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子の一例を説明する説明図である。 第1発光ユニット、電荷発生層、および第2発光ユニットの積層構造を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.有機電界発光素子の概要
2.有機電界発光素子の構造
3.有機電界発光素子の作製方法
4.実施例
<1.有機電界発光素子の概要>
まず、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子の概要について、図1を参照して説明を行う。図1は、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子の一例を説明する説明図である。
本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子は、マルチスタック構造の有機電界発光素子であり、少なくとも2つ以上の発光ユニットを含む。また、それぞれの発光ユニットは、電荷発生層を間に挟持して積層されている。
具体的には、図1に示すように、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、基板110と、基板110上に配置された陽極120と、陽極120上に配置された第1発光ユニット130と、第1発光ユニット130上に配置された電荷発生層140と、電荷発生層140上に配置された第2発光ユニット150と、第2発光ユニット150上に配置された陰極160と、を備える。
なお、本明細書において「A層上に配置されたB層」という表現は、A層の直上にB層が配置されている場合だけでなく、A層の直上にB層とは異なる層が1層または複数層配置され、その上にB層が配置されている場合をも含むものとする。
基板110は、有機電界発光素子100を構成する各層が積層配置される支持体である。基板110は、一般的な有機電界発光素子で使用されるものを使用可能である。例えば、基板110は、高歪点ガラス基板、ソーダガラス基板、およびホウケイ酸ガラス基板等の各種ガラス基板、石英基板、半導体基板、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、およびポリカーボネート等のプラスチック基板などであってもよい。
陽極120は、第1発光ユニット130に対して正孔を注入するために用いられる電極である。具体的には、陽極120は、仕事関数が大きい金属、合金、導電性化合物等によって形成される。例えば、陽極120は、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)等の金属または合金で形成されてもよく、また、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等で形成されてもよい。また、陽極120は、仕事関数が小さいマグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを用いて形成されてもよいが、このような場合、適切な正孔注入層を設けて正孔注入性を向上させることが好ましい。
第1発光ユニット130および第2発光ユニット150は、正孔および電子との再結合の場を提供することで発光を行う。第1発光ユニット130および第2発光ユニット150は、複数層で形成されてもよいが、少なくとも第1発光ユニット130は第1発光層を有し、少なくとも第2発光ユニット150は第2発光層を有する。なお、第1発光ユニット130および第2発光ユニット150の積層構造については、図2を参照して後述する。
電荷発生層140は、電圧印加時において、電荷発生層140に対して陰極160側に配置された層に正孔を注入し、電荷発生層140に対して陽極120側に配置された層に電子を注入する機能を果たす。このような電荷発生層140は、電荷発生層140を挟んで2つの発光ユニット(すなわち、第1発光ユニット130および第2発光ユニット150)が配置されたマルチスタック型の有機電界発光素子100を実現する場合に有用である。なお、電荷発生層140の構成については、図2を参照して後述する。
陰極160は、第2発光ユニット150に対して電子を注入するために用いられる電極である。具体的には、陰極160は、仕事関数が小さい金属、合金、導電性化合物等によって形成される。例えば、陰極160は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等の金属または合金で形成されてもよく、また、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等で形成されてもよい。陰極160が、ITOやIZOなどの透明電極材料で形成される場合、適切な障壁解消層を設けて電子注入性を向上させることが好ましい。
ここで、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、例えば、表示装置または照明装置などに用いられる。そのため、有機電界発光素子100は、白色光を発することが好ましい。
本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100によれば、積層された第1発光ユニット130および第2発光ユニット150を互いに異なる波長で発光させることにより、有機電界発光素子100全体として白色光を発するようにすることができる。具体的には、第1発光ユニット130および第2発光ユニット150を補色同士の色(例えば、青と黄色、赤と緑など)に相当する波長で発光させることにより、有機電界発光素子100全体として白色光を発するようにすることができる。
しかし、このような有機電界発光素子100では、印加電圧が低い場合、第1発光ユニット130および第2発光ユニット150それぞれの発光量のバランスが変動し、有機電界発光素子100の発光色の色味が変化するという問題点があった。
本発明者は、上記問題点等を鋭意検討した結果、正孔供給が過剰になりやすく、電子供給が不足しがちな低電流密度(すなわち、印加電圧が低い場合)での発光において、第1発光ユニット130への電子供給は、電荷発生層140からだけではなく、陰極160からも行われていることを見出した。また、本発明者は、このような低電流密度での発光では、第2発光ユニット150における正孔輸送層が、第1発光ユニット130への電子供給を阻害していることを見出した。
そこで、本発明者は、上記知見に基づいて、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100を想到するに至った。本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100において、第2発光ユニット150における正孔輸送層の膜厚は、第2発光ユニット150の総膜厚に対して10%以上25%以下である。このような構成により、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、第2発光ユニット150における正孔輸送層によって、第1発光ユニット130への電子供給が阻害されることを抑制し、低電流密度における有機電界発光素子100の発光色の色味の変化を防止することができる。
また、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、第2発光ユニット150における正孔輸送層の膜厚を制御するのみで、発光色の色味の変化を防止することができる。したがって、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、各発光層の積層順序を考慮する必要がないため、有機電界発光素子における光取出しを最適化することが容易である。
なお、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、さらに第2発光ユニット150と陰極160との間に配置された第3発光ユニットと、第2発光ユニット150と第3発光ユニットとに挟持された電荷発生層とを備えてもよい。このような場合、例えば、第1〜第3発光ユニットをそれぞれ赤、青、緑に相当する波長で発光させることにより、有機電界発光素子100全体として白色光を発するようにすることができる。
また、このような場合、第3発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚についても、第2発光ユニットと同様に、第3発光ユニットの総膜厚に対して10%以上25%以下であることが好ましい。上記の構成によれば、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、より第1発光ユニットへの電子供給を改善し、低電流密度における有機電界発光素子100の発光色の色味の変化を防止することができる。
<2.有機電界発光素子の構造>
次に、図2を参照して、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100において特徴的な第1発光ユニット130、電荷発生層140、および第2発光ユニット150の構造について説明を行う。図2は、第1発光ユニット130、電荷発生層140、および第2発光ユニット150の積層構造を示す説明図である。
図2に示すように、第1発光ユニット130は、正孔注入層131と、正孔注入層131上に配置された第1正孔輸送層133と、第1正孔輸送層133上に配置された第1発光層135と、第1発光層135上に配置された電子輸送層137と、を備える。また、電荷発生層140は、電子輸送層137上に配置された混合層141と、混合層141上に配置されたアクセプタ層143と、を備える。さらに、第2発光ユニット150は、アクセプタ層143上に配置された第2正孔輸送層151と、第2正孔輸送層151上に配置された第2発光層153と、第2発光層153上に配置された電子注入障壁解消層155と、を備える。
なお、図1を参照して説明したように、図2では図示しないが、正孔注入層131は、陽極120上に配置され、電子注入障壁解消層155上には、陰極160が配置される。
正孔注入層131、第1正孔輸送層133、および第2正孔輸送層151は、それぞれ第1発光層135または第2発光層153への正孔注入効率を高める機能を果たす層である。このような正孔注入層131、第1正孔輸送層133、および第2正孔輸送層151の形成に用いられる化合物としては、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、テトラシアノキノジメタン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベンまたはこれらの誘導体を用いてもよい。また、正孔注入層131、第1正孔輸送層133、および第2正孔輸送層151の材料として、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物またはアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー、オリゴマー、またはポリマーを用いることも可能である。
上記正孔注入層131、第1正孔輸送層133、および第2正孔輸送層151を形成するより具体的な化合物としては、例えば、α−ナフチルフェニルフェニレンジアミン(α−NPD)、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、ヘキサシアノアザトリフェニレン(HAT)、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(F4−TCNQ)、テトラシアノ4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)等を挙げることができる
ここで、第2正孔輸送層151の膜厚は、第2発光ユニット150の総膜厚に対して、10%以上25%以下である。第2正孔輸送層151の膜厚が上記の範囲内に含まれる場合、第1発光ユニットへの電子供給が第2正孔輸送層151によって阻害されることを抑制することができ、低電流密度における有機電界発光素子100の発光色の色味の変化を防止することができる。なお、第2発光ユニット150の総膜厚とは、第2正孔輸送層151、第2発光層153、および電子注入障壁解消層155の膜厚の和である。
すなわち、第2正孔輸送層151の膜厚が、第2発光ユニット150の総膜厚に対して25%を超える場合、第1発光ユニットへの電子供給が第2正孔輸送層151によって阻害されるため、低電流密度において有機電界発光素子100の発光色の色味が変化してしまう。一方、第2正孔輸送層151の膜厚が、第2発光ユニット150の総膜厚に対して10%未満である場合、第2発光層153への正孔注入効率を高めるという第2正孔輸送層151の本来の機能が果たせなくなる。
また、第2正孔輸送層151の膜厚は、より具体的には、3nm以上15nm以下であってもよい。第2正孔輸送層151の膜厚が上記の範囲内に含まれる場合、第1発光ユニットへの電子供給が第2正孔輸送層151によって阻害されることをさらに抑制することができる。したがって、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、低電流密度における有機電界発光素子100の発光色の色味の変化をさらに防止することができる。
第1発光層135および第2発光層153は、正孔と電子との再結合の場を提供し、これらを発光につなげる機能を有する層である。具体的には、第1発光層135および第2発光層153は、ホスト材料中に発光材料(ドーパント)を含有させることで構成される。
ホスト材料としては、例えば、スチリル誘導体、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、カルバゾール誘導体または芳香族アミン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノラト系金属錯体、フェナントロリン誘導体等を挙げることができる。また、ホスト材料は、ジスチル誘導体、トリスチル誘導体、テトラスチル誘導体、スチリルアミン誘導体、およびカルバゾール誘導体の中から選ばれる少なくとも一種類であることが特に好ましい。
また、発光材料(ドーパント)としては、公知の蛍光材料およびリン光材料を用いることが可能である。例えば、蛍光材料として、スチリルベンゼン系色素、オキサゾール系色素、ペリレン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素等のレーザ用色素、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ペンタセン誘導体、クリセン誘導体等の多芳香族炭化水素系材料、ピロメテン骨格化合物または金属錯体、キナクリドン誘導体、シアノメチレンピラン系誘導体(DCM、DCJTB)、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、金属キレート化オキシノイド化合物等の蛍光材料から適宜選択して用いることができる。
また、リン光材料としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金および金から選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体を含有するものが好ましい。このような有機金属錯体は、前述の特許文献等で公知であり、これらを選択して使用することが可能である。なお、好ましいリン光材料としては、Ir等の貴金属元素を中心金属として有するIr(ppy)等の錯体類、Ir(bt)・acac等の錯体類、PtOEt等の錯体類が挙げられる。これらの錯体類の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されない。
Figure 0006379338
Figure 0006379338
また、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100において、第1発光層135および第2発光層153は、互いに異なる発光波長を有することが好ましく、互いに補色同士の色(例えば、青と黄色、赤と緑など)に相当する発光波長を有することがより好ましい。このような構成によれば、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、第1発光層135および第2発光層153が発する光を重ね合わせることによって、有機電界発光素子100全体として白色光を発することができる。
さらに、より具体的には、第1発光層135は、青色発光層であることが好ましく、第2発光層153は、黄色発光層であることが好ましい。第1発光層135は、電荷発生層140よりも正孔注入能が高い陽極120から正孔が注入されるため、第2発光層153よりも正孔が注入されやすい。そのため、第1発光層135は、発光材料の特性から電子輸送性が高く、正孔が入りにくい青色発光層とすることが好ましく、第2発光層153は黄色発光層とすることがより好ましい。
例えば、第1発光層135は、下記の化合物B1をホスト材料として含み、下記の化合物B2をドーパントとして含む青色発光層として形成されてもよい。
Figure 0006379338
また、第2発光層153は、下記のN,N’−ジカルバゾイル−4,4’−ビフェニル(CBP)をホスト材料として含み、下記のIr(bzq)をドーパントとして膜厚比で5%となるように含む層と、下記のCBPを含む層との積層構造を有する黄色発光層として形成されてもよい。
Figure 0006379338
電子輸送層137は、第1発光層135への電子注入効率を高める機能を果たす層である。電子輸送層137の形成に用いられる化合物としては、例えば、アントラセン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体又はアザアリール骨格を有し、アルカリ金属及びアルカリ土類金属又はランタノイドの金属及び酸化物、複合酸化物、フッ化物材料を含むものを挙げることができる。また、電子輸送層137の材料として、下記のAlq3等のような公知の金属錯体やベンゾイミダゾール誘導体を用いてもよい。
Figure 0006379338
混合層141は、混合層141に対して陽極120側に隣接する層に対して電子を注入する機能を有するN型ドープ層である。具体的には、混合層141は、キレート材と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびそれらの化合物と、を含む。なお、混合層141が含むアルカリ金属またはアルカリ土類金属は、リチウム(Li)、またはセシウム(Cs)であることが好ましい。
ここで、キレート材と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との混合比は、モル比で1:5〜2:1であることが好ましい。上記範囲を超えてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の割合が多い場合、電荷が過度に拡散しやすくなり好ましくない。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の割合が上記範囲未満である場合、混合層141に対して陽極120側に隣接する層に対して注入される電子を発生させることが困難となるため、好ましくない。
混合層141に用いられるキレート材は、アルカリ土類金属又はアルカリ金属を配位させることが可能なものであれば、公知のキレート材を利用することが可能である。混合層141に用いられるキレート材としては、例えば、フェナントロリン誘導体を使用することができる。
アクセプタ層143は、電圧印加により正孔を発生させ、混合層141に対して陰極160側に隣接する層に対して、発生させた正孔を注入する機能を有する層である。具体的には、混合層141は、アクセプタ材料を含む。なお、アクセプタ層143が含むアクセプタ材料としては、例えば、酸化モリブデン(MoO)等といった公知の酸化物半導体、アザトリフェニレン誘導体などを使用することができる。
以上説明したような混合層141およびアクセプタ層143からなる電荷発生層140を設けることによって、第1発光ユニット130および第2発光ユニット150に対して、過不足のない良好な電荷バランスを実現することが可能である。したがって、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、高い発光効率、安定駆動を実現することができる。
電子注入障壁解消層155は、陰極160と、第2発光層153とのエネルギー障壁を解消し、第2発光層153への電子注入効率を高める機能を果たす層である。電子注入障壁解消層155の形成に用いられる化合物としては、前述の混合層141を形成するN型ドープ層に用いられる化合物の他、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、複合酸化物、フッ化物材料を含むものを挙げることができる。
ここで、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100において、第1発光層135と、第2発光層153との間に存在する層の総膜厚(すなわち、電子輸送層137、混合層141、アクセプタ層143、および第2正孔輸送層151の膜厚の和)は、15nm以上50nm以下であることが好ましい。第1発光層135と第2発光層153との間に存在する層の総膜厚が上記の範囲内に含まれる場合、第1発光ユニットへの電子供給をさらに改善し、低電流密度における有機電界発光素子100の発光色の色味の変化をさらに防止することができる。
すなわち、第1発光層135と第2発光層153との間に存在する層の総膜厚が50nmを超える場合、第1発光ユニットへの陰極160からの電子供給が第1発光層135と第2発光層153との間に存在する層によって減少する。したがって、低電流密度における有機電界発光素子100の発光色の色味の変化を防止しにくくなるため好ましくない。一方、第1発光層135と第2発光層153との間に存在する層の総膜厚が15nm未満である場合、第1発光層135と第2発光層153との間に存在する各層が有する本来の機能が低下するため好ましくない。
なお、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、上記で説明した構成に限定されない。例えば、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100において、上記で説明した各層は、単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。また、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、上記で説明した層以外の層をさらに備えていてもよい。
<3.有機電界発光素子の作製方法>
続いて、以上で説明した本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100の作製方法について説明を行う。
本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100を構成する各層のうち、陽極120および陰極160は、例えば、電子ビーム蒸着法、熱フィラメント蒸着法、および真空蒸着法を含む蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、およびメタルマスク印刷法といった各種印刷法、メッキ法(電気メッキ法および無電解メッキ法)、リフトオフ法、レーザアブレーション法、ゾル・ゲル法等により形成されることが可能である。
各種印刷法およびメッキ法によれば、直接、所望の形状(パターン)を有する陽極120および陰極160を形成することが可能である。なお、第1発光ユニット130、電荷発生層140、および第2発光ユニット150等の有機層を形成した後に、陽極120および陰極160等の電極を形成する場合、真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さな成膜方法や、スパッタ法といった成膜方法を用いることがより好ましい。このような作製方法によれば、電極を形成する際に、第1発光ユニット130、電荷発生層140、および第2発光ユニット150等の有機層へのダメージ発生を防止することができる。
また、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100を構成する各層のうち、第1発光ユニット130、電荷発生層140、および第2発光ユニット150等の有機層を構成する各層は、例えば、真空蒸着法等の物理的気相成長法(PVD法)、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法といった印刷法、レーザ転写法、およびスピンコート法等の塗布法などにより形成されることが可能である。
さらに、第1発光ユニット130、電荷発生層140、および第2発光ユニット150等の有機層の形成から、陽極120および陰極160等の電極の形成までは、大気に暴露することなく実行することが好ましい。このような作製方法によれば、第1発光ユニット130、電荷発生層140、および第2発光ユニット150等の有機層が大気中の水分によって劣化することを防止することができる。
なお、上記で説明した有機電界発光素子100の作製方法は、例示として挙げたものであり、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100の作製方法が上記の方法に限定されるわけではない。
<4.実施例>
以下では、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100の実施例について説明する。
(実施例1)
まず、ガラス基板からなる基板110上に、陽極120としてアルミニウム(Al)層を真空蒸着法により200nmの膜厚で形成した後、SiO蒸着により2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜でマスクした有機電界発光素子用のセルを製造した。
下記表1に示したように、製造したセルの陽極120上に、正孔注入層131として、下記のヘキサニトリルアザトリフェニレン(HAT)を真空蒸着法により10nmの膜厚で形成した。
Figure 0006379338
次に、正孔注入層131上に、第1正孔輸送層133として、下記のα−ナフチルフェニルフェニレンジアミン(α−NPD)を真空蒸着法により120nmの膜厚で形成した。
Figure 0006379338
続いて、第1正孔輸送層133上に、下記の化合物B1をホストとし、下記の化合物B2をドーパントとする第1発光層135を真空蒸着法により膜厚比で5%となるように合計膜厚30nmの膜厚で形成した。なお、第1発光層135は、青色発光層として形成した。
Figure 0006379338
次に、第1発光層135上に、電子輸送層137として、下記の化合物ETLを真空蒸着法により20nmの膜厚で形成した。
Figure 0006379338
続いて、電子輸送層137上に、混合層141として、下記のバソクプロイン(BCP)およびリチウム(Li)を含む層をBCPとLiとのモル比が1:1となるようにして、真空蒸着法により10nmの膜厚で形成した。
Figure 0006379338
次に、混合層141上に、アクセプタ層143として、HATを真空蒸着法により10nmの膜厚で形成した。また、アクセプタ層143上に、第2正孔輸送層151として、α−NPDを10nmの膜厚で形成した。
続いて、第2正孔輸送層151上に、真空蒸着法により、下記のCBPをホストとし、下記のIr(bzq)をドーパントとして膜厚比で5%となるように膜厚30nmで形成し、その上にCBPを含む層を膜厚10nmで形成し、第2発光層153とした。なお、第2発光層153は、黄色発光層として形成した。
Figure 0006379338
次に、第2発光層153上に、電子注入障壁解消層155として、BCPおよびLiを含む層をBCPとLiとのモル比が1:1となるようにして、真空蒸着法により10nmの膜厚で形成した。その後、電子注入障壁解消層155上に、酸化インジウム亜鉛(IZO)を真空蒸着法により200nmの膜厚で形成して、陰極160とした。
(実施例2)
第1正孔輸送層133を膜厚30nmで形成し、かつ、混合層141において、下記のNhost1およびLiをモル比が1:1となるように用いて膜厚70nmで形成し、かつ、電子注入障壁解消層155において、下記のNhost1およびLiをモル比が1:3となるように用いて膜厚10nm形成した以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
Figure 0006379338
(実施例3)
電子輸送層137を膜厚5nmで形成した以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
(実施例4)
第1正孔輸送層133を下記の化合物HTLを用いて膜厚160nmで形成し、かつ、第1発光層135を黄色発光層とするために、CBPとIr(bzq)とを膜厚比で5%となるように膜厚30nmで形成し、その上にCBPを含む層を膜厚5nmで形成することで電子輸送層137は形成せず、かつ、第2発光層153を青色発光層とするために、化合物B1と化合物B2を含む層を膜厚30nmで形成した以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
Figure 0006379338
(実施例5)
第1正孔輸送層133を化合物HTLにて膜厚120nmで形成し、かつ、電子輸送層137を膜厚5nmで形成し、かつ混合層141をNhost1およびLiをモル比が1:1となるように用いて膜厚10nmにて形成し、かつ、第2正孔輸送層151を化合物HTLにて膜厚10nmで形成し、かつ、電子注入障壁解消層155をNhost1およびLiをモル比が1:3となるように用いて膜厚10nmにて形成した以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
(比較例1)
電子輸送層137、混合層141、アクセプタ層143、第2正孔輸送層151を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
(比較例2)
第1正孔輸送層133をα−NPDを用いて膜厚30nmで形成し、かつ、第2正孔輸送層151をα−NPDを用いて膜厚70nmで形成した以外は、実施例4と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
(比較例3)
第1正孔輸送層133を膜厚30nmで形成し、かつ、第2正孔輸送層151を膜厚70nmで形成した以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
上記で説明した実施例1〜5および比較例1〜3に係る有機電界発光素子の各層の構成および膜厚について、下記表1にてまとめて示す。
Figure 0006379338
(実施例6)
さらに、下記の表2で示す各層の構成および膜厚にて、実施例1と同様の方法を用いていて実施例6に係る有機電界発光素子を作製した。実施例6に係る有機電界発光素子は、実施例1〜5に係る有機電界発光素子に対して、さらに赤色の発光を行う第3発光ユニットを備え、発光ユニットを3つ備えた有機電界発光素子である。
実施例6に係る有機電界発光素子は、実施例5に対して、第2発光層153をCBPとIr(bzq)とを膜厚比で5%となるように膜厚30nmで形成し、第2正孔輸送層151を膜厚10nmで形成し、第2発光層153と電子注入障壁解消層155との間に、第2混合層および第2アクセプタ層からなる第2電荷発生層、第3正孔輸送層、第3発光層を形成した点が異なる。なお、実施例6では、第2電荷発生層との区別のために第1発光ユニット130と第2発光ユニット150との間の電荷発生層140は、第1電荷発生層と呼称し、混合層141は、第1混合層と呼称し、アクセプタ層143は、第1アクセプタ層と呼称する。
ここで、第2電荷発生層における第2混合層および第2アクセプタ層の構成および膜厚は、第1電荷発生層(すなわち、実施例5における電荷発生層140)の混合層141およびアクセプタ層143と同様である。また、第3正孔輸送層は、化合物HTLにて膜厚10nmで形成し、第3発光層は、下記の化合物R1をホストとし、下記の化合物R2をドーパントとして、真空蒸着法により膜厚20nmの膜厚で形成した。
Figure 0006379338
Figure 0006379338
(評価方法および結果)
上記において作製した実施例1〜6および比較例1〜3に係る有機電界発光素子について、10mA/cmおよび0.01mA/cmの各電流密度における発光効率(cd/A)および色座標(x,y)を測定した。また、電流密度における発光効率(cd/A、X/J、およびZ/J)の変化割合を算出した。さらに、10mA/cmの定電流駆動を300時間行った後についても、同様に発光効率(cd/A)および色座標(x,y)を測定し、電流密度における発光効率(cd/A、X/J、およびZ/J)の変化割合を算出した。
ここで、測定した色座標(x,y)はxyY表色系における色座標である。また、X/Jは、xyY表色系における色座標(x,y)をXYZ表色系における色座標(X,Y,Z)に変換し、変換した色座標のうちのXを電流密度Jで除算した値である。さらに、Z/Jは、xyY表色系における色座標(x,y)をXYZ表色系における色座標(X,Y,Z)に変換し、変換した色座標のうちのZを電流密度Jで除算した値である。なお、XYZ表色系における色座標Zは、青みの度合を示す値であるため、Z/Jは、青成分に着目した場合の発光効率cd/Aに相当するパラメータである。
また、表3に示す電流密度における発光効率比(cd/A)は、0.01mA/cmにおける発光効率(cd/A)を10mA/cmにおける発光効率(cd/A)で除算した割合を百分率で示したものである。同様に、電流密度における発光効率比(X/J)は、0.01mA/cmにおける発光効率(X/J)を10mA/cmにおける発光効率(X/J)で除算した割合を百分率で示したものであり、電流密度における発光効率比(Z/J)は、0.01mA/cmにおける発光効率(Z/J)を10mA/cmにおける発光効率(Z/J)で除算した割合を百分率で示したものである。
得られた結果を以下の表3に示す。なお、実施例6では、第2正孔輸送層と第3正孔輸送層との膜厚は同一であり、第2発光ユニットの総膜厚に対する第2正孔輸送層の膜厚の割合と第3発光ユニットの総膜厚に対する第3正孔輸送層の膜厚の割合とは同一であるため、第2正孔輸送層の膜厚および割合のみを示した。
Figure 0006379338
表3の結果を参照すると、実施例1〜6は、第2発光ユニット150の総膜厚に対する第2正孔輸送層151の膜厚の割合が本開示の範囲内に入っており、比較例1〜3に対して電流密度の変化による色座標(x,y)の変化が抑制されていることがわかる。また、実施例1〜6は、比較例1〜3に対して、電流密度における発光効率比(cd/A)、(X/J)および(Z/J)がより100%に近くなっており、電流密度の変化による発光色の色味の変化が抑制されていることがわかる。さらに、実施例1〜6は、300時間後においても、同様に電流密度の変化による発光色の色味の変化が抑制されていることがわかる。
より詳細には、実施例1〜6は、第2正孔輸送層151の膜厚が3nm以上15nm以下の範囲に入っているため、前述の範囲から外れる比較例1〜3に対して、電流密度の変化による発光色の色味の変化が抑制されていることがわかる。また、実施例1〜3、5および6は、第1発光層135が青色発光層であるため、実施例4に対して、電流密度の変化による発光色の色味の変化がさらに抑制されていることがわかる。さらに、実施例1、3、5、および6は、第1発光層135と第2発光層153との間の総膜厚が、15nm以上50nm以下の範囲に入っているため、前述の範囲から外れる実施例2に対して、発光効率がより向上していることがわかる。
ここで、実施例6は、3つの発光ユニットを積層しているため、実施例1〜5に対して、10mA/cmにおける発光効率が向上していることがわかる。また、3つの発光ユニットを積層した場合でも、第2発光ユニットおよび第3発光ユニットそれぞれにおける正孔輸送層の膜厚の割合を本開示の範囲内とすることにより、電流密度の変化による発光色の色味の変化を抑制することができることがわかる。さらに、3つの発光ユニットを積層した場合でも、各発光層間の総膜厚(すなわち、第1発光層と第2発光層との間の総膜厚、第2発光層と第3発光層との間の総膜厚)を15nm以上50nm以下とすることにより、発光効率をより向上させることができることがわかる。
以上の評価結果からわかるように、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100によれば、第1発光層への電子供給が第2正孔輸送層によって阻害されることを防止し、低電流密度における発光色の色味の変化を防止することができる。また、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、第2正孔輸送層の膜厚を制御することで発光色の色味の変化を防止することができるため、有機電界発光素子100における光取出しをより容易に最適化することができる。
なお、本開示の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、白色光を発し、例えば、照明装置および表示装置に好適に用いることができ、これらも本開示の実施形態に含まれる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1発光層を少なくとも含む第1発光ユニット、および第2発光層を少なくとも含む第2発光ユニットを少なくとも含む複数の発光ユニットと、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットの間に配置された電荷発生層と、を備え、
前記第1発光ユニットは、陽極および陰極の間に配置され、
前記第2発光ユニットは、前記第1発光ユニットおよび前記陰極の間に配置され、
前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、前記第2発光ユニットの総膜厚に対して、10%以上25%以下である、有機電界発光素子。
(2)
前記第1発光層、および前記第2発光層は、互いに異なる発光波長を有する発光層である、前記(1)に記載の有機電界発光素子。
(3)
前記第1発光層は、青色発光層である、前記(1)または(2)に記載の有機電界発光素子。
(4)
前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、3nm以上15nm以下である、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
(5)
前記第1発光層と、前記第2発光層との間に存在する層の総膜厚は、15nm以上50nm以下である、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
(6)
前記電荷発生層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびそれらの化合物を含む群より選択された少なくとも一つ以上の化合物を含むN型ドープ層と、アクセプタ化合物を含み、前記N型ドープ層上に隣接して積層されたP型ドープ層と、を有する、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
(7)
前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を含む、表示装置。
(8)
陽極の上に第1発光層を少なくとも含む第1発光ユニットを配置することと、
前記第1発光ユニットの上に電荷発生層を配置することと、
前記電荷発生層の上に第2発光層を少なくとも含む第2発光ユニットを配置することと、
前記第2発光ユニットの上に陰極を配置することと、を含み、
前記第2発光ユニットの総膜厚に対して、前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚を10%以上25%以下として形成する、有機電界発光素子の製造方法。
100 有機電界発光素子
110 基板
120 陽極
130 第1発光ユニット
131 正孔注入層
133 第1正孔輸送層
135 第1発光層
137 電子輸送層
140 電荷発生層
141 混合層
143 アクセプタ層
150 第2発光ユニット
151 第2正孔輸送層
153 第2発光層
155 電子注入障壁解消層
160 陰極

Claims (8)

  1. 第1発光層を少なくとも含む第1発光ユニット第2発光層を少なくとも含む第2発光ユニット、および第3発光層を少なくとも含む第3発光ユニットを少なくとも含む複数の発光ユニットと、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットの間に配置された第1電荷発生層と、前記第2発光ユニットおよび前記第3発光ユニットの間に配置された第2電荷発生層と、を備え、
    前記第1発光ユニットは、陽極および陰極の間に配置され、
    前記第2発光ユニットは、前記第1発光ユニットおよび前記陰極の間に配置され、
    前記第3発光ユニットは、前記第2発光ユニットおよび前記陰極の間に配置され、
    前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、前記第2発光ユニットの総膜厚に対して、10%以上25%以下であり、かつ
    前記第3発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、前記第3発光ユニットの総膜厚に対して10%以上25%以下である有機電界発光素子。
  2. 前記第1発光層前記第2発光層、および第3発光層は、互いに異なる発光波長を有する発光層である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記第1発光層は、青色発光層である、請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、3nm以上15nm以下である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記第1発光層と、前記第2発光層との間に存在する層の総膜厚、および前記第2発光層と、前記第3発光層との間に存在する層の総膜厚は、それぞれ15nm以上50nm以下である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記第1電荷発生層および前記第2電荷発生層は、それぞれアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびそれらの化合物を含む群より選択された少なくとも一つ以上の化合物を含むN型ドープ層と、アクセプタ化合物を含み、前記N型ドープ層上に隣接して積層されたP型ドープ層と、を有する、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  7. 請求項1に記載の有機電界発光素子を含む、表示装置。
  8. 陽極の上に第1発光層を少なくとも含む第1発光ユニットを配置することと、
    前記第1発光ユニットの上に第1電荷発生層を配置することと、
    前記第1電荷発生層の上に第2発光層を少なくとも含む第2発光ユニットを配置することと、
    前記第2発光ユニットの上に第2電荷発生層を配置することと
    前記第2電荷発生層の上に第3発光層を少なくとも含む第3発光ユニットを配置することと、
    前記第3発光ユニットの上に陰極を配置することと、を含み、
    前記第2発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、前記第2発光ユニットの総膜厚に対して10%以上25%以下であり
    前記第3発光ユニットにおける正孔輸送層の膜厚は、前記第3発光ユニットの総膜厚に対して10%以上25%以下である有機電界発光素子の製造方法。
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