JPWO2017033317A1 - 発光装置 - Google Patents

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佑生 寺尾
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Abstract

有機層(120)は第1電極(110)と第2電極(130)の間に位置しており、第1発光層(123)及び第1Cs含有層(124)を有している。第1Cs含有層(124)は第1発光層(123)と第2電極(130)の間に位置している。第1Cs含有層(124)は電子輸送層及び電子注入層の少なくとも一方であり、Cs(セシウム)を含有する有機層である。そして、第1Cs含有層(124)のCsのピーク濃度は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下である。

Description

本発明は、発光装置に関する。
発光装置の光源の一つに有機EL素子がある。有機EL素子は、基板の上に第1電極及び第2電極をこの順に重ね、これら2つの電極の間に有機層を配置した構成を有している。有機層は、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層を有している。これらのうち電子輸送層には、Csが含まれることがある。例えば特許文献1には、電子注入層として、ドナードーパント金属と有機化合物との混合層を用いること、有機化合物に対するドナードーパント金属のモル比率を0.1〜1.0にすると好ましいこと、及び、有機化合物がバソクプロイン(Bathocuproine;BCP)である場合、ドナードーパントとして金属Csを用いることが記載されている。
なお、バソクプロイン(BCP)に対するCsのモル比率が0.1〜1.0である場合、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)によるCsの濃度は、原子量百分率で0.21〜2.1%になる。
特開2003−272860号公報
電子輸送層に含まれるCsは有機層に含まれる他の層に移動することで拡散する。このため、電子輸送層に含まれるCsの濃度が高すぎると、有機層のうちホール輸送層又はホール注入層に含まれるCsの濃度が高くなりすぎる。この場合、ホール輸送層内又はホール注入層内でのホールの移動がCsによって妨げられ、その結果、ホール輸送層又はホール注入層の抵抗が高くなり、有機EL素子の発光効率が低下してしまう。一方、電子輸送層に含まれるCsの濃度が低すぎると、電子輸送層内での電子の移動度が低下する。その結果、電子輸送層の抵抗が高くなり、有機EL素子の発光効率が低下してしまう。
本発明が解決しようとする課題としては、有機層に含まれるCsの濃度を最適化し、有機EL素子の発光効率を向上させることが一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間に位置し、第1発光層を含む有機層と、
前記第1発光層と前記第2電極の間に位置し、Csを含有する第1Cs含有層と、
を備え、
前記第1Cs含有層のCsのピーク濃度は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下である発光装置である。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
第1の実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 第2の実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 第3の実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 参考例に係る有機層におけるCsの濃度の厚さ方向の分布を示す図である。 Cs含有層のCsの濃度と発光装置の輝度の関係を示す図である。 Cs含有層のCsの濃度と発光装置の駆動電圧の関係を示す図である。 高温試験前後の駆動電圧の変化量(=(B−A)/A)と第1Cs含有層のCs濃度の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る発光装置10の構成を示す断面図である。本実施形態に係る発光装置10は、第1電極110、第1有機層120、及び第2電極130を有している。第1有機層120は第1電極110と第2電極130の間に位置しており、第1発光層123及び第1Cs含有層124を有している。第1Cs含有層124は第1発光層123と第2電極130の間に位置している。第1Cs含有層124は電子輸送層及び電子注入層の少なくとも一方であり、Cs(セシウム)を含有する有機層である。そして、例えば、XPS又はSIMS(二次イオン質量分析法:Secondary Ion Mass Spectrometry)による分析において、第1Cs含有層124のCsのピーク濃度は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下である。以下、詳細に説明する。
発光装置10は、基板100、第1電極110、第1有機層120、及び第2電極130を備えている。第1電極110、第1有機層120、及び第2電極130は基板100の上にこの順に形成されており、発光素子を構成している。第1電極110は発光素子の陽極であり、第2電極130は発光素子の陰極である。発光装置10はボトムエミッション型の発光装置であってもよいし、トップエミッション型、又は両面発光型の発光装置であってもよい。
発光装置10がボトムエミッション型又は両面発光型である場合、基板100は、例えばガラスや透光性の樹脂などの透光性の材料で形成されている。一方、発光装置10がトップエミッション型である場合、基板100は上述した透光性の材料で形成されていてもよいし、透光性を有さない材料で形成されていてもよい。基板100は、例えば矩形などの多角形である。また、基板100は可撓性を有していてもよい。基板100が可撓性を有している場合、基板100の厚さは、例えば10μm以上1000μm以下である。特に基板100をガラス材料で可撓性を持たせる場合、基板100の厚さは、例えば200μm以下である。基板100を樹脂材料で可撓性を持たせる場合は、基板100の材料として、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、又はポリイミドを含ませて形成されている。また、基板100が樹脂材料を含む場合、水分が基板100を透過することを抑制するために、基板100の少なくとも発光面(好ましくは両面)に、SiNやSiONなどの無機バリア膜が形成されている。
第1電極110及び第2電極130の少なくとも一方は、光透過性を有する透明電極である。例えば発光装置10がボトムエミッション型又は両面発光型の発光装置である場合、少なくとも第1電極110は透明電極である。一方、発光装置10がトップエミッション型又は両面発光型の発光装置である場合、少なくとも第2電極130は透明電極である。なお、両面発光型の場合は第1電極110及び第2電極130の双方が透明電極によって形成される。
透明電極を構成する透明導電材料は、金属を含む材料、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IWZO(Indium Tungsten Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)等の金属酸化物である。第1電極110の厚さは、例えば10nm以上500nm以下である。第1電極110は、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて形成される。なお、第1電極110は、カーボンナノチューブ、又はPEDOT/PSSなどの導電性有機材料であってもよいし、薄い金属電極であってもよい。
第1電極110及び第2電極130のうち透光性を有していない電極は、例えば、Al、Au、Ag、Pt、Mg、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属又はこの第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含んでいる。この電極は、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて形成される。
なお、発光装置10がトップエミッション型の発光装置である場合、第1電極110は、金属層と透明導電層をこの順に積層した構造であってもよい。
第1有機層120は、第1正孔注入層121、第1正孔輸送層122、第1発光層123、及び第1Cs含有層124を有している。これらの各層は、いずれも有機材料を用いて形成されている。またこれらの各層は、塗布法及び蒸着法のいずれを用いて形成されていてもよい。
第1正孔注入層121及び第1正孔輸送層122は、いずれも正孔輸送性の有機材料を用いて形成されている。正孔輸送性の有機材料としては、例えば、PEDOT:PSS(poly(3,4-ethylenedioxythiophene) polystyrene sulfonate)、TPD(N,N'-Diphenyl-N,N'-di(m-tolyl)benzidine)、及びHAT−CN(2,3,6,7,10,11-Hexacyano-1,4,5,8,9,12-hexaazatriphenylene)を例示することができる。ただし、第1正孔注入層121及び第1正孔輸送層122は、これら以外の材料を用いて形成されていてもよい。また、第1有機層120は、第1正孔注入層121及び第1正孔輸送層122の一方のみを有していてもよい。第1正孔注入層121の膜厚は、例えば5nm以上300nm以下であり、第1正孔輸送層122の膜厚は、例えば5nm以上300nm以下である。
第1発光層123は、単一の発光材料を用いて形成されていてもよいし、複数種類の発光材料を用いて形成されていてもよい。また、第1発光層123の発光色は、例えば赤、青、緑である。また第1発光層123は単層構造である必要はなく、多層構造を有していてもよい。この場合、第1発光層123を構成する少なくとも一つの層は、他の層と異なる発光材料を用いて形成されていてもよい。また、第1発光層123は燐光材料及び蛍光材料のいずれを用いて形成されていてもよい。また、第1有機層120は、第1発光層123の第1電極110側の面に隣接する位置に電子阻止層(電子ブロック層)を、第1発光層123の第2電極130側の面に隣接する位置に正孔阻止層を、それぞれ有していてもよい。
第1Cs含有層124は、電子輸送性材料、特に電子輸送性の有機材料を用いて形成されており、Csを含有している。第1Cs含有層124の膜厚は、例えば5nm以上300nm以下である。なお、第1Cs含有層124はCsを有しているため抵抗が低く、膜厚を厚くすることができる。このため、第1Cs含有層124の膜厚は、光の干渉を最適化することを目的として設定されていてもよい。
第1Cs含有層124に用いられる電子輸送性の有機材料としては、例えばオキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ピリミジン誘導体、アントロン誘導体、及びフェナントロリン誘導体を例示することができる。第1Cs含有層124はこれらのうち一つのみを用いて形成されていてもよし、これらの複数を混ぜた材料を用いて形成されていてもよい。
第1Cs含有層124の中において、少なくとも一部のCsは単体又はイオンの状態で含まれている。第1Cs含有層124を形成するときに用いられるCs含有材料は、金属Csであってもよいし、その他の金属との合金、酸化物、又はフッ化物などの化合物であってもよい。ここで用いられるCs化合物としては、例えば、炭酸セシウム(CsCO)、酸化セシウム(CsO、CS、Cs、CsOなど)、フッ化セシウム(CsF)、及びセシウムの複合酸化物(CsMoO、CsWO、CsMnO、CsVO、CsTi13,CsNbO、CsTaO、CsSiO、CsZrOなど)を例示することができる。
なお、第1Cs含有層124を蒸着法により形成する場合、Cs含有材料と有機材料は異なる蒸着源を用いて形成されていてもよい。この場合、それぞれの蒸着条件を調整することにより、第1Cs含有層124のCs含有量を制御できる。また、有機材料とCs含有材料とを混ぜた材料を蒸着源として用いてもよい。この場合、有機材料とCs含有材料の相対比を調整することにより、第1Cs含有層124のCs含有量を制御できる。一方、第1Cs含有層124を塗布法により形成する場合、有機材料とCs含有材料とを混ぜた材料が塗布材料として用いられる。この場合、有機材料とCs含有材料の相対比を調整することにより、第1Cs含有層124のCs含有量を制御できる。
そして、XPSを用いて第1Cs含有層124のCs濃度のプロファイルを厚さ方向で調べた場合、第1Cs含有層124のCsの濃度のピーク値は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下である。なお、XPSではH(水素)を検出することができないため、この濃度を算出するときの分母は、第1Cs含有層124からHを除いたものになっている。Csの濃度のピーク値が0.07%未満である場合、第1Cs含有層124の抵抗が高くなってしまう。
一方、Csは反応性が非常に高く、有機層の中を比較的自由に動き回る。このため、高温環境下(例えば発光装置10が発光している間)にCsは熱エネルギーにより第1有機層120内を拡散する。このため、Csの濃度のピーク値が0.20%超である場合、第1Cs含有層124に含まれていたCsが第1発光層123を介して第1正孔輸送層122や第1正孔注入層121まで拡散し、第1正孔輸送層122及び第1正孔注入層121の少なくとも一方の抵抗が高くなってしまう。換言すれば、Csの濃度は設計した時の値と、発光装置として駆動している最中・後では第1Cs含有層124におけるCsの濃度は変化する。この場合、Cs含有層124におけるCsの濃度は減少する。
また、Csは有機層に含まれる他の元素である、H、C、及びOと比較して、イオン半径が大きい。このため、第1Cs含有層124に含まれるCsの濃度が高くなると、第1Cs含有層124を透過する際に光の一部が吸収されてしまう。発光装置10がボトムエミッション型の発光装置である場合、第1Cs含有層124で光が吸収されると、第2電極130で反射して基板100から放射される光が少なくなってしまう。一方、発光装置10がトップエミッション型の発光装置である場合、第2電極130を透過して外部に放射される光が少なくなってしまう。第1Cs含有層124で光が吸収されることを抑制するためには、第1Cs含有層124におけるCsの濃度のピーク値は、原子量百分率で0.07%以上0.10%以下であるのが好ましい。
なお、第1有機層120の積層構造は上述した例に限定されない。例えば、第1有機層120における各層の積層順は逆であってもよい。
発光装置10の発光素子は、封止部材を用いて封止されている。封止部材は、例えばガラス、アルミニウムなどの金属、又は樹脂を用いて形成されており、中央に凹部を設けた形状を有している。そして封止部材の縁は接着材で基板100に固定されている。これにより、封止部材と基板100で囲まれた空間は封止される。そして発光素子は、この封止された空間の中に位置している。
封止部材は封止膜であってもよい。封止膜は、酸化アルミニウムや酸化チタンなどの無機材料によって形成されている。封止膜の成膜方法は、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法である。ただし封止膜は、他の成膜法、例えばCVD法やスパッタリング法を用いて形成されていてもよい。この場合、封止膜は、SiO又はSiNなど絶縁膜によって形成されている。
次に、発光装置10の製造方法について説明する。まず、基板100の上に第1電極110を形成する。次いで、第1電極110の上に、第1有機層120を構成する各層を形成する。次いで、第1有機層120の上に第2電極130を形成する。次いで、封止部材を用いて発光素子を封止する。
以上、本実施形態によれば、第1Cs含有層124は第1発光層123と第2電極130の間に位置しており、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも一方として機能する。そして第1Cs含有層124のCsの濃度のピーク値は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下である。このようにすると、第1Cs含有層124、第1正孔注入層121、第1正孔輸送層122のすべての抵抗を低くすることができ、その結果、発光装置10が有する有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係る発光装置10の構成を示す断面図である。本実施形態に係る発光装置10は、以下の点を除いて第1の実施形態に係る発光装置10と同様の構成である。
発光装置10が有する発光素子は、いわゆるタンデム構造の発光素子であり、第1有機層120と第2電極130の間に中間層150及び第2有機層140を有している。
第2有機層140は、第2正孔注入層141、第2正孔輸送層142、第2発光層143、及び第2Cs含有層144をこの順に積層した構成を有している。第2正孔注入層141を構成する材料には、例えば第1の実施形態において第1正孔注入層121の材料として例示した材料のいずれかを用いることができる。第2正孔輸送層142を構成する材料には、例えば第1の実施形態において第1正孔輸送層122の材料として例示した材料のいずれかを用いることができる。第2正孔注入層141の膜厚は、例えば5nm以上300nm以下である。第2正孔輸送層142の膜厚は、例えば5nm以上300nm以下である。
第2発光層143を構成する材料には、例えば第1の実施形態において第1発光層123の材料として例示した材料のいずれかを用いることができる。ここで、第2発光層143の発光色を第1発光層123の発光色と異ならせる場合には、第2発光層143の材料を第1発光層123の材料と異ならせるのが好ましい。
第2Cs含有層144を構成する材料には、例えば第1の実施形態において第1Cs含有層124の材料として例示した材料のいずれかを用いることができる。第2Cs含有層144の膜厚は、例えば5nm以上300nm以下である。
なお、XPSを用いて第2Cs含有層144のCs濃度のプロファイルを厚さ方向で調べた場合、第2Cs含有層144のCsの濃度のピーク値は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下であるのが好ましい。ただし、第2Cs含有層144のCsの濃度のピーク値は、この範囲以外であってもよい。また、第2Cs含有層144の代わりに、電子輸送性の有機層のみで形成された電子輸送層を形成してもよい。
中間層150は第1有機層120と第2有機層140を互いに接続する層である。具体的には、中間層150の一方の面は、第1有機層120の第1Cs含有層124に接しており、中間層150の他方の面は第2有機層140の第2正孔注入層141に接している。そして第1Cs含有層124は中間層150と第1発光層123の間に位置している。中間層150は電荷発生層であってもよいし、金属層などの接続層であってもよい。中間層150は、金属、合金、酸化物、フッ化物、及び金属塩などの無機材料、有機材料、又はこれらの混合物を用いて形成されている。また、中間層150は複数の層を積層した積層膜であってもよい。中間層150の膜厚は、例えば0.1nm以上20nmである。中間層150は、例えば蒸着法、スパッタリング法、又は塗布法を用いて形成されている。
なお、第1有機層120の各層の積層順は逆であってもよい。この場合、第2有機層140の各層の積層順も逆になる。また、第2有機層140と第2電極130の間に、さらに他の中間層及び有機層が積層されていてもよい。
本実施形態に係る発光装置10の製造方法は、第1有機層120を形成した後、第2電極130を形成する前に、中間層150及び第2有機層140をこの順に形成する工程を有している点を除いて、第1の実施形態に係る発光装置10の製造方法と同様である。
本実施形態においても、第1Cs含有層124のCs含有量は第1の実施形態と同様に、0.07%以上0.20%以下である。本実施形態の場合は、中間層150は、他の層と比較して薄い。このため、第1Cs含有層124に含まれるCsは、中間層150を超えて第2正孔注入層141及び第2正孔輸送層142に拡散しやすい。この現象は、中間層150が第1発光層123よりも薄い場合などに顕著である。そこで、第1Cs含有層124のCs含有量を0.20%以下にすることによって第2正孔注入層141および第2正孔輸送層142へのCsの拡散を制限することができる。従って、発光装置10の発光効率を向上させることができる。
また、第2Cs含有層144のCs含有量は0.20%以下である。従って、第2Cs含有層144に含まれるCsが第2正孔輸送層142及び第2正孔注入層141の少なくとも一方に拡散することを抑制できる。また、第2Cs含有層144のCs含有量は0.07%以上であるため、第2Cs含有層144の抵抗も低い。従って、発光装置10の発光効率を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図3は、第3の実施形態に係る発光装置10の構成を示す断面図である。本実施形態に係る発光装置10は、第1有機層120が第1正孔ブロック層125を有している点、及び第2有機層140が第2正孔ブロック層145を有している点を除いて、第2の実施形態に係る発光装置10と同様の構成である。
第1正孔ブロック層125及び第2正孔ブロック層145は、第1発光層123を突き抜けた正孔が第1Cs含有層124や第2Cs含有層144に到達することを抑制する。なお、第1正孔ブロック層125や第2正孔ブロック層145の代わりに、n型ドーパントを含まない電子輸送性の有機材料からなる層が設けられていてもよい。
本実施形態によっても、第2の実施形態と同様に、発光装置10の発光効率を向上させることができる。
(参考例)
第1有機層120内(又は第2有機層140内)におけるCsの拡散を確認するために、基板100の上に第1正孔ブロック層125、第1Cs含有層124、第1正孔注入層121、及び第1正孔輸送層122をこの順に積層した試料を作製し、当該試料の厚さ方向におけるCs濃度分布を、SIMSを用いて分析した。分析結果を図4に示す。本図から、第1Cs含有層124以外の層にもCsが相当量拡散していることがわかる。
第2の実施形態に示した構造の発光装置10を、第1Cs含有層124におけるCs濃度を変化させて複数種類作製した。具体的には、第1Cs含有層124におけるCs濃度(原子量百分率)が、0.03%の試料、0.05%の試料、0.07%の試料、0.10%の試料、0.20%の試料、及び0.60%の試料を作製した。
これらの試料において、第1正孔注入層121にはPEDOT:PSS(poly(3,4-ethylenedioxythiophene) polystyrene sulfonate)を使用し、第1正孔輸送層122にはTPD(N,N'-Diphenyl-N,N'-di(m-tolyl)benzidine)を使用し、第2正孔注入層141にはHAT−CN(2,3,6,7,10,11-Hexacyano-1,4,5,8,9,12-hexaazatriphenylene)を使用し、第2正孔輸送層142にはTPDを使用した。第1正孔注入層121の厚さは80nmであり、第1正孔輸送層122の厚さは40nmであり、第2正孔注入層141の厚さは20nmであり、第2正孔輸送層142の厚さは20nmであった。
また、第1Cs含有層124及び第2Cs含有層144を構成する有機材料にはNBphen (2,9-bis(naphthalen-2-yl)-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)を用いた。また、第1Cs含有層124及び第2Cs含有層144のCs含有材料には、CsMoOを用いた。第1Cs含有層124の厚さ及び第2Cs含有層144の厚さは、いずれも35nmであった。また、いずれの試料においても、第2Cs含有層144の濃度の設定値は第1Cs含有層124の濃度の設定値と同じにした。
そして、第1発光層123の材料には、AlqとDCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)を95:5(体積比)で混合したものを使用した。また、第2発光層143の材料にはFirpic(Bis(4,6-difluorophenylpyridinato-N,C2))とCBP(4,4'-N,N'-dicarbazolylbiphenyl)を94:6(体積比)で混合したものを使用した。
また、第1電極110には厚さが110nmのITOを使用し、中間層150としては厚さが0.4nmのAl層を使用し、第2電極130としては厚さが60nmのAgを使用した。さらに、第1発光層123の厚さ及び第2発光層143の厚さは、いずれも30nmであった。
そして、各試料を電流密度5mA/cmで駆動し、そのときの輝度及び駆動電圧(=A)を測定した。その結果を図5及び図6に示す。これらの図から、第1Cs含有層124のCs濃度が0.07%以上0.10%以下のときに、駆動電圧と輝度のバランスが良いことがわかる。これは、実施形態で説明したように、Csを多く入れすぎるとCsによる光の吸収が大きくなるため、と考えられる。
また、恒温槽を用いて各試料を100℃で500時間保持し(高温試験)、その後の各試料の駆動電圧(=B)を測定した。図7は、高温試験前後の駆動電圧の変化量(=(B−A)/A)と第1Cs含有層124のCs濃度の関係を示す。本図から、第1Cs含有層124のCs濃度が0.07%以上0.20%以下のときに、駆動電圧の変化量が少ないことがわかる。これは、実施形態で説明したように、Cs含有層(124,144)から正孔注入層(121,141)及び正孔輸送層(122,142)に拡散したCsの量が少なかったため、と考えられる。このため、第1Cs含有層124のCs濃度が0.07%以上0.20%以下にすると、発光装置10を長時間駆動させても発光装置10の駆動電圧を低い値に維持できる、言い換えると発光装置10の発光効率が低下しにくいことが分かる。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

Claims (6)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の間に位置し、第1発光層を含む有機層と、
    前記第1発光層と前記第2電極の間に位置し、Csを含有する第1Cs含有層と、
    を備え、
    前記第1Cs含有層のCsのピーク濃度は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下である発光装置。
  2. 請求項1に記載の発光装置において、
    前記第1Cs含有層は電子輸送性材料を含む発光装置。
  3. 請求項1又は2に記載の発光装置において、
    前記第1Cs含有層のCsのピーク濃度は、原子量百分率で0.07%以上0.10%以下である発光装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光装置において、
    前記有機層は、
    前記第1発光層と前記第2電極の間に位置する第2発光層と、
    前記第1発光層と前記第2発光層の間に位置する中間層と、
    を有し、
    前記第1Cs含有層は、前記中間層と前記第1発光層の間に位置する発光装置。
  5. 請求項4に記載の発光装置において、
    前記中間層と前記第1Cs含有層は接している発光装置。
  6. 請求項4又は5に記載の発光装置において、
    前記第2発光層と前記第2電極の間に位置し、Csを含有する第2Cs含有層を備え、
    前記第2Cs含有層のCsのピーク濃度は、原子量百分率で0.07%以上0.20%以下である発光装置。
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