JP6377898B2 - カラーフィルタ用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーのカルボキシル基の一部に、グリシジル(メタ)アクリレート等を反応させて(メタ)アクリロイル基を導入した感光性樹脂から、フォトリソグラフィーを利用して液晶表示装置における柱状スペーサーを作成する技術が開示されている(特許文献2)。しかし、この技術では、露光時に、硬化速度が速すぎることによる硬化収縮が起こり、基板との密着性の低下、基板からの剥離などを起こす虞があった。加えて、カラーフィルタの需要の伸び、高性能要求の高まりに伴い、品質向上要求もますます高まっている。とりわけ近年は、基板サイズの拡大に伴い、現像工程において現像液中で長時間パターン形状を維持し、パターンに欠けや剥がれのない、高感度な感光性樹脂組成物が求められている。このため基板に対する密着性をより向上させた樹脂が求められている。
さらに、カルボキシル基、または酸無水物とエポキシ基を含有する感光性樹脂組成物から光デバイス中に用いられる塗膜材料を作成する技術が開示されている(特許文献3)。この技術では、共重合体であるアルカリ可溶性樹脂の安定性が良いとは言えず、保存時に反応が進行してしまい、性能を維持できない問題が生じ得る。また、硬化膜の透明性、耐熱性、耐熱変色性においても改善の余地があった。
上記(メタ)アクリル系重合体は、N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位を含むことが好ましい。
上記N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位は、前記(メタ)アクリル系重合体の全構成単位100質量%中、5〜60質量%であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル系重合体は酸価が10〜200mgKOH/gであることが好ましい。
さらに本発明は上記着色剤に、染料を含有していることが好ましい。
また、本発明はカラーフィルタ用樹脂組成物を硬化してなる硬化物、基板上にその硬化物が形成されていることを特徴とするカラーフィルタおよび液晶表示装置でもある。
また、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
このとき、単量体(I)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(I)が5〜70質量%となるようにすることが好ましい。5質量%より少ないと、最終的に得られる(メタ)アクリル系重合体において、アルカリ現像性が発現しないおそれがある。70質量%を超えると、硬化前のタックフリー性が得られなかったり、硬化物の耐吸湿性が低下するおそれがある。
このとき、単量体(II)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(II)が1〜40質量%となるようにすることが好ましい。1質量%より少ないと、最終的に得られるアクリル系重合体において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基の結合が少なくなり、タックフリー性が発現しないおそれがある。40質量%を超えると、色材との相溶性が悪くなり、色材の分散安定性が低下するおそれがある。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(III)としては、上記一般式(1)中、R1は水素原子、またはメチル基、R2は鎖状アルキル基の化合物が挙げられる。R2は炭素数が1〜5が好ましく、直鎖または分岐していても良い。好ましくは炭素数が1〜3の直鎖である。特に、熱劣化をしし易い染料を含有するカラーフィルタ用樹脂組成物では、硬化物を形成する温度を低くする必要があり、炭素数が少ないほど本発明の硬化物形成(新規架橋反応による形成)に適している。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。上記単量体は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。上記の中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、等が好ましく、より好ましくはメチル(メタ)アクリレートである。本発明の硬化物形成(ラジカル重合性二重結合以外のエステル架橋反応も行われる硬化物形成)の機構は定かではないが、R2の炭素数が最も少ないメチル(メタ)アクリレートでは、比較的、低い温度(好ましくはポストベイク温度230℃以下)で加熱しても側鎖の水酸基と反応し、脱メタノールによるエステル架橋が進行し易いと考えられる。
このとき、単量体(III)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(III)が1〜40質量%となるようにすることが好ましい。1質量%より少ないと、最終的に得られる(メタ)アクリル系重合体において、水酸基との結合をすることが出来なくなりタックフリー性が発現しないおそれがある。40質量%を超えると、色材との相溶性が悪くなり、色材の分散安定性が低下するおそれがある。また単量体(III)のアルキル部分が小さければ小さいほどスムーズに架橋を進行することができ、タックフリー性のより優れた硬化物を得ることが出来る。
本発明の効果に大きく影響するN置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体(IV)は、(メタ)アクリル系重合体の耐熱性を向上できる単量体である。しかしながら、耐熱性を向上するために上記単量体(IV)を多く用いると加熱による変色を起こす虞がある。そのため、単量体(IV)を特定量用いる系において、本発明の硬化物形成(新規架橋反応による硬化物形成)を行うことができるような各構成単位の組み合わせを見出したことが本発明の重要な技術思想である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートは、例えば、国際公開第2010/114077号パンフレットに開示されている製造方法により製造することができる。
上記単量体(IV)を用いると得られる(メタ)アクリル系重合体の主鎖にイミド環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロフラン環等の環構造を導入でき、硬化物の耐熱性を向上することができる。単量体(IV)は適宜組み合わせても良い。
(ラジカル重合性化合物(B))
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物(B)も必須成分である。次にラジカル重合性化合物(B)について説明する。
ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性オリゴマーとラジカル重合性モノマーが挙げられる。例えば、ラジカル重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が使用できる。
〈光重合開始剤(C)〉
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は、光重合開始剤(C)も必須成分である。次に光重合開始剤(C)について説明する。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は、着色剤(D)として染料及び/又は顔料を用いる。耐熱性、耐光性の観点から、有機または無機の顔料が好ましく、具体的には、カラーインデックスCI(The Society of Dyers and Colourists 出版)でピグメント(pigment)に分類されている有機化合物等の有機顔料;金属酸化物または複合酸化物等の無機顔料;等が挙げられる。
分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系などの界面活性剤などが挙げられる。これらの分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、顔料用の分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料1質量部あたり、好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。顔料分散剤の使用量が上記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向があるため好ましい。
さらに必要に応じて増感剤、重合禁止剤、密着性向上剤、充填剤、可塑剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<固形分>
重合体溶液をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック株式会社製、商品名:PHH−101)を用い、真空下160℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その重量減少量から、重合体溶液の固形分を計算した。
<酸価>
重合体溶液3gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、チモールブルーを指示薬として、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。
<密着性>
得られた緑色顔料分散組成物をスピンコータによりガラス基板に塗布、乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの塗布膜を形成した。この塗布膜を100℃で3分間加熱した。加熱後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製型番TME−150RNS)によって50mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。その後塗布膜を230℃で30分間加熱し、レジスト膜を得た。得られたレジスト膜をJIS K5400に準拠し、1mm角100個の碁盤目試験を実施して、セロハンテープにより、剥離状態を観察した。100個中の接着数(剥離されないで残った碁盤目の数)を数え、ガラス密着性の評価とした。実用的な要求性能を考慮し、下記のように評価した。
○:90以上
△:80〜49
×:49以下
<タックフリー性>
密着性試験と同様の手法で得られたレジスト膜を、指触にてタックを下記のように評価した。
◎:タック無し。
○:若干タックあり。
△:タックあり、指紋が残る。
×:タック著しい。
<色材分散安定性>
色材分散安定性の評価は、得られた緑色顔料分散組成物を40℃48時間保存し、24時間、48時間後の粘度変化を測定することで評価した。
○:粘度変化無し。
△:色材の沈降が見られる。
×:ゲル化が発生し、粘度測定できず。
<保存安定性>
保存安定性の評価は、重合体溶液を40℃2ヶ月間保存し、1週間、1ヶ月、2ヶ月の粘度変化を測定することで評価した。
○:粘度変化無し。
△:若干の粘度上昇が見られる。
×:ゲル化が発生し、粘度測定できず。
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 839部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 60部、メタクリル酸 140部、アクリル酸メチル 140部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 25部、PGMEA 60部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)12部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 12部、PGMEA 68部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液1を得た。
得られた重合体溶液1について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は13,700、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は34.5%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は150mgKOH/gであった。
(実施例1−2)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 1006部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 60部、メタクリル酸 132部、メタクリル酸メチル 138部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 30部、PGMEA 60部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)12部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 12部、PGMEA 48部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液2を得た。
得られた重合体溶液2について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は13,300、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は34.5%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は145mgKOH/gであった。
(比較例1−1)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 615部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 30部、メタクリル酸 66部、シクロヘキシルメタクリレート 189部、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート 15部、PGMEA 30部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)6部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 5部、PGMEA 55部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液3を得た。
得られた重合体溶液3について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は14,700、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は30.0%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は150mgKOH/gであった。
(比較例1−2)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 986部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 60部、メタクリル酸 162部、メタクリル酸メチル 138部、シクロヘキシルメタクリレート 240部、PGMEA 60部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)12部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 12部、PGMEA 68部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液4を得た。
得られた重合体溶液4について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は14,500、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は34.5%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は175mgKOH/gであった。
(比較例1−3)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 290部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 290部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 15部、アクリル酸 180部、アクリル酸メチル 75部、シクロヘキシルメタクリレート 30部、PGMEA 30部、PGME 30部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)5部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 18部、PGMEA 30部、PGME 30部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。
次いで、この反応液にPGMEA 590部、メタクリル酸グリシジル 260部、触媒としてトリエチルアミン1.7部、重合禁止剤として2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「アンテージW400」、川口化学工業社製)0.8部を追加し、窒素、酸素混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら110℃、12時間反応を継続することで重合体溶液5を得た。
得られた重合体溶液5について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は11,700、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は28.0%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は100mgKOH/gであった。
(比較例1−4)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 220部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてメタクリル酸 12部、シクロヘキシルメタクリレート 30部、スチレン 10部、メタクリル酸グリシジル 40部、PGMEA 10部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)5部を3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで重合体溶液6を得た。
得られた重合体溶液6について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は12,000、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は30.0%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は80mgKOH/gであった。
マヨネーズ瓶に顔料としてC.I.ピグメントグリーン36(Monastral Green 6Y−CL、Heubach製)(MG6Y−CL)1.50部及びC.I.ピグメントイエロー150(Yellow Pigment E4GN−GT、Lanxess製)(E4GN−GT)1.00部とポリエステル系分散剤としてディスパロンDA−7301(楠本化成製)0.88部、重合体溶液1を固形分換算で0.8部、PGMEAを固形分濃度として20wt%になるように調整した。さらに1.0mmジルコニアビーズ20.00部を加えた。これをペイントシェーカーを用いて4.5時間振とうして分散処理した後、顔料分散組成物とジルコニアビーズを分離して緑色顔料分散組成物1を得た。重合体溶液1〜6すべてについて上記操作にて緑色顔料分散組成物1〜6を得た。
<緑色顔料分散組成物の評価>
(実施例2−1)
得られた緑色顔料分散組成物1を、ガラス基板上にスピンコートし、100℃で3分間乾燥し、UV露光装置(Topcon社製 TME−150RNS)にて、50mJ/cm2のUV光を露光し、その後塗膜を230℃30分加熱し、レジスト膜の密着性、タックフリー性の試験を行った。
また得られた緑色顔料分散組成物1を、40℃2ヶ月間保存することで、色材安定性を、重合体溶液を40℃48時間保存することで保存安定性の試験を行った。
(実施例2−2、比較例2−1〜2−4)
実施例1−2、比較例1〜1〜1−4で得られた重合体溶液2〜6をそれぞれ順に用いて得られた緑色顔料分散組成物2〜6を用いて、実施例2−1と同様にして試験を行った。
実施例1−1、1−2及び比較例1−1〜1−4における各成分の使用量、及び、得られた重合体の分析結果を表1に示した。
また、実施例2−1、2−2及び比較例2−1〜2−4における評価結果を表2に示した。実施例の結果より、ラジカル重合性二重結合以外の架橋反応により形成された硬化物の保存安定性の効果を確認できた。また、本明細書中に記載された各単量体由来の構成単位や好ましい特定の化合物(BzMIとMMA/MAとHEMA)、それらの使用量において本発明が有利な効果を奏することが立証されている。
表1及び2における略称は以下のとおりである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
BzMI:ベンジルマレイミド
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
MA:アクリル酸メチル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
St:スチレン
GMA:メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)
PBO:パーブチルO、重合開始剤、日油社製
n−DM:n−ドデシルメルカプタン
TEA:トリエチルアミン
W400:アンテージW400、商品名、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、川口化学工業社製
製品Mw:最終的に得られた重合体の分子量
NV:固形分濃度
AV:酸価
Claims (8)
- カラーフィルタ用樹脂組成物であって、主鎖が一般式(1)で示される単量体由来の構成単位を含む(メタ)アクリル系重合体であり、側鎖にカルボキシル基、水酸基を有し、側鎖にラジカル重合性二重結合を有しない(メタ)アクリル系重合体を含有し、
該(メタ)アクリル系重合体は、N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位を含む
ことを特徴とするカラーフィルタ用樹脂組成物(但し、下記式(2)で表される繰り返し単位を有するバインダー樹脂を含むものを除く。)。
- 前記(メタ)アクリル系重合体は、カルボキシル基を有していて主鎖を構成し得る単量体由来の構成単位を含み、前記カルボキシル基を有していて主鎖を構成し得る単量体は、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物。
- 前記N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位は、前記(メタ)アクリル系重合体の全構成単位100質量%中、5〜60質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体は、前記一般式(1)で示される単量体、カルボキシル基を有していて主鎖を構成し得る単量体、水酸基を有していて主鎖を構成し得る単量体、ならびに、N置換マレイミド系単量体及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体を含む単量体成分を重合させてなる重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ用樹脂組成物。
- 請求項1〜4に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物が、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤、及び着色剤を含むことを特徴とするカラーフィルタ用樹脂組成物。
- 請求項5に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物が、染料を含有することを特徴とするカラーフィルタ用樹脂組成物。
- 請求項5または6に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物を硬化してなる、硬化物。
- 基板上に請求項7に記載の硬化物が形成されていることを特徴とする、カラーフィルタ及び液晶表示装置。
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