JP2015082047A - カラーフィルタ用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、硬化性に優れ、また密着性を低下させることなく、保存安定性の優れたカラーフィルタ製造に好適に用いられる樹脂組成物の提供、及び、透明性、耐熱性の優れた硬化物の提供を課題としている。【解決手段】カラーフィルタ用樹脂組成物であって、主鎖が特定の単量体を含む(メタ)アクリル系重合体であり、側鎖にカルボキシル基、水酸基を有し、且つ側鎖にラジカル重合性二重結合を有しない(メタ)アクリル系重合体を含有することを特徴とする。特にN置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位が、(メタ)アクリル系重合体の全構成単位100質量%中、5〜60質量%であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ用樹脂組成物およびカラーフィルタに関する。より詳しくは、液晶表示素子や固体撮像素子等におけるカラーフィルタを作製するために使用される樹脂組成物およびそれを用いて形成されてなるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタ用樹脂組成物は、液晶表示素子や固体撮像素子等に使用されるカラーフィルタを作製するために用いられる樹脂組成物(永久ネガ型レジスト)であり、ラジカル重合性化合物、バインダー樹脂、光ラジカル開始剤、着色剤(顔料/顔料分散剤あるいは染料)、その他添加剤及び溶剤等を含有するものである。このようなカラーフィルタ用樹脂組成物が好適に用いられるカラーフィルタとは、少なくとも3原色(赤(R)・緑(G)・青(B))の画素、それらを区切る樹脂ブラックマトリクス(BM)、保護膜、柱状スペーサー等の部材から構成されるものであり、例えば、基板上にカラーフィルタ用樹脂組成物を塗布し、マスクを介した露光、現像によってパターンを形成し、焼成(ベーク)により硬化させた後、保護膜を塗布する方法等により作製できるものである。
従来、カラーフィルタ用感光性樹脂組成物としては、通常の(メタ)アクリル系ポリマーをバインダーとした樹脂組成物が一般に用いられており、例えば(メタ)アクリル酸エステル系バインダー樹脂、顔料、分散剤、光重合開始剤、光重合性モノマーからなるカラーフィルタ用感光性樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。しかし、この技術では、バインダー樹脂の硬化性が劣るため、塗膜強度や露光感度の点で改善の余地があった。
また、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーのカルボキシル基の一部に、グリシジル(メタ)アクリレート等を反応させて(メタ)アクリロイル基を導入した感光性樹脂から、フォトリソグラフィーを利用して液晶表示装置における柱状スペーサーを作成する技術が開示されている(特許文献2)。しかし、この技術では、露光時に、硬化速度が速すぎることによる硬化収縮が起こり、基板との密着性の低下、基板からの剥離などを起こす虞があった。加えて、カラーフィルタの需要の伸び、高性能要求の高まりに伴い、品質向上要求もますます高まっている。とりわけ近年は、基板サイズの拡大に伴い、現像工程において現像液中で長時間パターン形状を維持し、パターンに欠けや剥がれのない、高感度な感光性樹脂組成物が求められている。このため基板に対する密着性をより向上させた樹脂が求められている。
さらに、カルボキシル基、または酸無水物とエポキシ基を含有する感光性樹脂組成物から光デバイス中に用いられる塗膜材料を作成する技術が開示されている(特許文献3)。この技術では、共重合体であるアルカリ可溶性樹脂の安定性が良いとは言えず、保存時に反応が進行してしまい、性能を維持できない問題が生じ得る。また、硬化膜の透明性、耐熱性、耐熱変色性においても改善の余地があった。
特開平1−152449号公報 特開平11−174464号公報 特開平5−165214号公報
そこで本発明では、硬化性に優れ、また密着性を低下させることなく、保存安定性の優れたカラーフィルタ製造に好適に用いられる樹脂組成物の提供、及び、透明性、耐熱性の優れた硬化物の提供を課題としている。
本発明の発明者らは鋭意検討の結果、上記課題を見事に解決することに成功した。すなわち本発明は、カラーフィルタ用樹脂組成物であって、主鎖が一般式(1)で示される単量体由来の構成単位を含む(メタ)アクリル系重合体であり、側鎖にカルボキシル基、水酸基を有し、且つ側鎖にラジカル重合性二重結合を有しない(メタ)アクリル系重合体を含有することを特徴とする。
Figure 2015082047
(式中、Rは水素原子、またはメチル基、Rは鎖状アルキル基を表す)
上記(メタ)アクリル系重合体は、N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位を含むことが好ましい。
上記N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位は、前記(メタ)アクリル系重合体の全構成単位100質量%中、5〜60質量%であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル系重合体は酸価が10〜200mgKOH/gであることが好ましい。
また上記カラーフィルタ用樹脂組成物が、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤、および着色剤を含むことが好ましい。
さらに本発明は上記着色剤に、染料を含有していることが好ましい。
また、本発明はカラーフィルタ用樹脂組成物を硬化してなる硬化物、基板上にその硬化物が形成されていることを特徴とするカラーフィルタおよび液晶表示装置でもある。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は(メタ)アクリル系重合体にラジカル重合性二重結合を有しないため、硬化収縮率の少ない特性を示す。
この結果、保存安定性が良好であり、パターンに欠けや剥がれのない、基材との密着性が良好なカラーフィルタ用感光性樹脂組成物を提供することができる。特に、N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位を含む(メタ)アクリル系重合体において、耐熱変色性が良好な硬化物となる。
はじめに本発明の(メタ)アクリル系重合体(以下、単に重合体(A)と称する場合がある)について詳述する。本発明の重合体(A)は主鎖が一般式(1)で示される単量体由来の構成単位を含む(メタ)アクリル系重合体であり、側鎖にカルボキシル基、水酸基を有し、且つ、側鎖にラジカル重合性二重結合を有しないものである。側鎖に配置されるカルボキシル基、水酸基、および(メタ)アクリル酸アルキルエステルを導入する方法としては、主鎖を構成し得る単量体を重合することによって得られる。重合体(A)は、アルカリ可溶性基を含有しているため、アルカリ溶液で現像することが出来、またラジカル重合性二重結合が無いため、光による重合硬化量が制限され、硬化収縮の発生を抑えることができ、基板との密着性を良好にする。
上述の単量体由来の構成単位を含む重合体とは、例えば、単量体の(共)重合反応や架橋反応によって単量体由来の構成単位を含む重合体、もしくはそれらが変性などにより修飾された構成単位を含む重合体である。
また、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
本発明の重合体(A)は、一般式(1)で示される単量体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(単量体(III)ともいう)、カルボキシル基を有していて主鎖を構成し得る単量体(単量体(I)ともいう)及び、水酸基を有していて主鎖を構成し得る単量体(単量体(II)ともいう)を含む単量体成分を共重合することにより製造することが好ましい。さらに、N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体(単量体(IV)ともいう)を単量体成分として含むことが好ましい。また、必要に応じて、単量体(I)〜(IV)とは異なる、その他の単量体(単量体(V)ともいう)を用いることもできる。
カルボキシル基を有していて主鎖を構成し得る単量体(I)としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、桂皮酸、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。特に(メタ)アクリル酸が好ましい。
このとき、単量体(I)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(I)が5〜70質量%となるようにすることが好ましい。5質量%より少ないと、最終的に得られる(メタ)アクリル系重合体において、アルカリ現像性が発現しないおそれがある。70質量%を超えると、硬化前のタックフリー性が得られなかったり、硬化物の耐吸湿性が低下するおそれがある。
水酸基を有していて主鎖を構成し得る単量体(II)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
このとき、単量体(II)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(II)が1〜40質量%となるようにすることが好ましい。1質量%より少ないと、最終的に得られるアクリル系重合体において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基の結合が少なくなり、タックフリー性が発現しないおそれがある。40質量%を超えると、色材との相溶性が悪くなり、色材の分散安定性が低下するおそれがある。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(III)としては、上記一般式(1)中、Rは水素原子、またはメチル基、Rは鎖状アルキル基の化合物が挙げられる。Rは炭素数が1〜5が好ましく、直鎖または分岐していても良い。好ましくは炭素数が1〜3の直鎖である。特に、熱劣化をしし易い染料を含有するカラーフィルタ用樹脂組成物では、硬化物を形成する温度を低くする必要があり、炭素数が少ないほど本発明の硬化物形成(新規架橋反応による形成)に適している。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。上記単量体は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。上記の中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、等が好ましく、より好ましくはメチル(メタ)アクリレートである。本発明の硬化物形成(ラジカル重合性二重結合以外のエステル架橋反応も行われる硬化物形成)の機構は定かではないが、Rの炭素数が最も少ないメチル(メタ)アクリレートでは、比較的、低い温度(好ましくはポストベイク温度230℃以下)で加熱しても側鎖の水酸基と反応し、脱メタノールによるエステル架橋が進行し易いと考えられる。
このとき、単量体(III)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(III)が1〜40質量%となるようにすることが好ましい。1質量%より少ないと、最終的に得られる(メタ)アクリル系重合体において、水酸基との結合をすることが出来なくなりタックフリー性が発現しないおそれがある。40質量%を超えると、色材との相溶性が悪くなり、色材の分散安定性が低下するおそれがある。また単量体(III)のアルキル部分が小さければ小さいほどスムーズに架橋を進行することができ、タックフリー性のより優れた硬化物を得ることが出来る。
本発明の効果に大きく影響するN置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体(IV)は、(メタ)アクリル系重合体の耐熱性を向上できる単量体である。しかしながら、耐熱性を向上するために上記単量体(IV)を多く用いると加熱による変色を起こす虞がある。そのため、単量体(IV)を特定量用いる系において、本発明の硬化物形成(新規架橋反応による硬化物形成)を行うことができるような各構成単位の組み合わせを見出したことが本発明の重要な技術思想である。
単量体(IV)のN置換マレイミド系単量体としては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、透明性の観点から、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましく、特にN−ベンジルマレイミドが好適である。上記N−ベンジルマレイミドとしては、例えば、ベンジルマレイミド;p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド等のアルキル置換ベンジルマレイミド;p−ヒドロキシベンジルマレイミド等のフェノール性水酸基置換ベンジルマレイミド;o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等のハロゲン置換ベンジルマレイミド;等が挙げられる。
単量体(IV)のα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体としては、例えば、α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンチル、その他、アルキル−(α−メタリルオキシメチル)アクリレート系単量体等が挙げられる。上記の中でも、アルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート系単量体が好適である。アルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート系単量体としては、透明性や分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、例えば、メチル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート等を用いることが好適である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートは、例えば、国際公開第2010/114077号パンフレットに開示されている製造方法により製造することができる。
その他、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体を併用しても良い。例えば、2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビスアクリル酸、ジアルキル−2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビス−2−プロペノエート、ジアルキル−2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビス−2−プロペノエート等の、エステル部位の少なくとも1つが3級炭素を含有している化合物等が挙げられる。これらの中でも、透明性や分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等を用いることが好適である。
上記単量体(IV)を用いると得られる(メタ)アクリル系重合体の主鎖にイミド環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロフラン環等の環構造を導入でき、硬化物の耐熱性を向上することができる。単量体(IV)は適宜組み合わせても良い。
上記単量体(IV)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(IV)が5〜60質量%、好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%となるようにすることが好ましい。5質量%より少ないと、最終的に得られる(メタ)アクリル系重合体において、硬化物の耐熱性が悪くなり、60質量%より多くなれば重合溶液に溶け難くなり、溶かすために溶媒で薄めるなど重合効率が悪くなったり、硬化物の柔軟性を維持することが出来ない虞がある。
その他の単量体(V)としては、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸;スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、インデン等の芳香族ビニル系単量体;2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。上記単量体は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記単量体(V)の比率は、全単量体成分(全構成単位)100質量%中、単量体(V)が1〜40質量%となるようにすることが好ましい。1質量%より少ないと、最終的に得られる(メタ)アクリル系重合体において、硬化物の耐熱性が悪くなり、40質量%より多くなれば硬化物の柔軟性を維持することが出来ない虞がある。
続いて、重合反応について詳述する。
重合方法には特に限定はないが、例えば、ラジカル重合開始剤および必要に応じて分子量調節剤を用いて単量体成分を重合する方法等が好適である。この場合、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、乳化重合、または、これらを適宜組み合わせた形態等により重合を行うことができる。中でも、溶液重合により重合を行うことが好ましい。溶液重合に際しては、全量一括仕込みで行ってもよいし、一部を予め反応容器に仕込み、残りを滴下して行ってもよい。あるいは全量を滴下して行ってもよい。なお、発熱量の制御の点で、一部を予め反応容器に仕込み、残りを滴下するか、あるいは全量を滴下して行うことが好ましい。
溶液重合の際に使用可能な溶媒としては、特に限定されず、例えば、酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド;トルエン、キシレン等の炭化水素類等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ開始剤等の1種または2種以上を用いることができる。具体的には、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、時イソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの中でも、分解温度、入手のし易さ、取扱い易さの点から、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が好ましい。ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体成分100質量部に対して、0.001〜5質量部程度が好ましい。
分子量調節剤としては、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類が使用可能である。重合反応の温度や時間等は、単量体の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常、50〜150℃程度で数時間重合を行うことが好ましい。
重合体(A)の分子量は、重量平均分子量Mwで1000以上が好ましく、3000以上がより好ましく、5000以上がさらに好ましい。Mwで1000より小さいと、光硬化前の塗膜にタックが残ることがあり、また、光硬化後の硬化物の物性、特に耐熱性や機械的強度が不充分となるおそれがある。Mwの上限は、取扱い性やアルカリ現像性の点から、10万以下が好ましく、75000以下がより好ましく、50000以下がさらに好ましい。
本発明の重合体(A)は、酸価が、10〜200mgKOH/gになるように、単量体(I)の使用量を決定することが好ましい。酸価が10mgKOH/gより小さいとアルカリ現像性が低下し、200mgKOH/gを超えると硬化物の耐水性が低下するおそれがある。より好ましい酸価は20〜180mgKOH/gであり、さらに好ましくは30〜150mgKOH/gである。
本発明の重合体(A)はカラーフィルタ用樹脂組成物に好適に用いることができる。通常、カラーフィルタ用樹脂組成物は本発明の重合体(A)以外にラジカル重合性化合物、光重合開始剤や着色剤を含有する。
(ラジカル重合性化合物(B))
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物(B)も必須成分である。次にラジカル重合性化合物(B)について説明する。
ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性オリゴマーとラジカル重合性モノマーが挙げられる。例えば、ラジカル重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が使用できる。
ラジカル重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレート等が使用可能である。これらは、要求特性に応じて適宜選択され、1種または2種以上を用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物において、重合体(A)と上記ラジカル重合性化合物を併用する場合は、両者の合計を100質量部としたときに、重合体(A)を15質量部以上、より好ましくは30質量部以上使用することが好ましい。少ないと、重合体(A)に基づく種々の効果が充分に発現しないおそれがある。
〈光重合開始剤(C)〉
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は、光重合開始剤(C)も必須成分である。次に光重合開始剤(C)について説明する。
光重合開始剤(C)としては公知のものが使用できる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリニル−1−プロパン(「イルガキュア907」;チバ・ジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)は1種または2種以上の混合物として使用され、(メタ)アクリル系重合体(A)と、必要により使用されるラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対し、0.5〜30質量部含まれていることが好ましい。光重合開始剤(C)の量が0.5質量部よりも少ない場合には、光照射時間を増やさなければならなかったり、光照射を行っても重合が起こりにくかったりするため、適切な表面硬度が得られなくなる。なお、光重合開始剤を30質量部を超えて配合しても、多量に使用するメリットはない。
〈着色剤(D)〉
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は、着色剤(D)として染料及び/又は顔料を用いる。耐熱性、耐光性の観点から、有機または無機の顔料が好ましく、具体的には、カラーインデックスCI(The Society of Dyers and Colourists 出版)でピグメント(pigment)に分類されている有機化合物等の有機顔料;金属酸化物または複合酸化物等の無機顔料;等が挙げられる。
また、着色剤(D)として染料を用いる場合は、樹脂組成物中に均一に溶解してカラーフィルタ用樹脂組成物を得ることができる。使用できる染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開2010−9033号公報、特開2010−211198号公報、特開2009−51896号公報、特開2008−50599号公報に記載されている有機染料を使用することができる。中でも、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が好ましい。
これらの着色剤(D)は、1種または2種以上混合して使用され、重合体(A)と、必要により使用されるラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対し、10〜150質量部使用することが好ましい。より好ましくは20〜100質量部である。
本発明の組成物を基材に塗布する際の作業性等の観点から、組成物中に溶媒を配合してもよい。溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;セロソルブアセテート、カルビトールアセテート、(ジ)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;(ジ)エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種または2種以上を混合して用いることができ、塗布作業時に組成物が最適粘度となるよう適当量使用するとよい。また、溶液重合で得られた共重合体溶液をそのまま、あるいは希釈して、あるいは濃縮して、組成物に利用することもできる。溶媒の含有割合は、重合体(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、着色剤(D)、及び後述する分散剤(E)の合計100質量部に対し、200〜600質量部使用することが好ましい。より好ましくは200〜500質量部、特に好ましくは250〜450質量部である。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物には、さらに分散剤(E)を添加することが好ましい。分散剤を含有させることで、着色剤が溶液中で均一に分散した状態のカラーフィルタ用樹脂組成物を得ることができる。
分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系などの界面活性剤などが挙げられる。これらの分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、顔料用の分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料1質量部あたり、好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。顔料分散剤の使用量が上記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向があるため好ましい。
さらに必要に応じて増感剤、重合禁止剤、密着性向上剤、充填剤、可塑剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
各成分の含有割合は、適宜組み合わせることができるが、カラーフィルタ用樹脂組成物中の溶媒を除く全成分100質量部に対して、重合体(A)が20〜40質量部、ラジカル重合性化合物(B)が10〜25質量部、光重合開始剤(C)が5〜20質量部、着色剤(D)が20〜40質量部、分散剤(E)が5〜20質量部の割合で含まれることが好ましい。
その他、必要に応じて増感剤、重合禁止剤、密着性向上剤、充填剤、可塑剤等の公知の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤の含有割合は、重合体(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、着色剤(D)、及び後述する分散剤(E)の合計100質量部に対し、0.001〜10質量部使用することが好ましい。より好ましくは0.01〜5質量部、特に好ましくは0.1〜3質量部である。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物は、通常、基材に公知の方法で塗布した後、プリベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光した後、未露光部分をアルカリ水溶液に溶解させてアルカリ現像を行う。次いで、必要に応じて洗浄した後、ポストベークを行う。このように、組成物の塗布、プリベーク、露光、現像処理、ポストベークを経て、所定のパターンが形成される。
本発明では、新規架橋反応による硬化物の形成(パターンの形成)が可能なため、ポストベーク温度を220℃以下、好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下、特に好ましくは170℃以下、最も好ましくは160℃以下で行うことが可能となり得る。下限値としては150℃以上で行うことが好ましい。その結果、着色剤として染料を含有していても熱劣化を低減でき、高画質化が可能となり得る。
現像に使用可能なアルカリの具体例としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の水溶性有機アミン類が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の評価は次のようにして行った。また、例中の部および%は質量基準である。
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<固形分>
重合体溶液をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック株式会社製、商品名:PHH−101)を用い、真空下160℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その重量減少量から、重合体溶液の固形分を計算した。
<酸価>
重合体溶液3gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、チモールブルーを指示薬として、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。
<密着性>
得られた緑色顔料分散組成物をスピンコータによりガラス基板に塗布、乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの塗布膜を形成した。この塗布膜を100℃で3分間加熱した。加熱後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製型番TME−150RNS)によって50mJ/cmの強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。その後塗布膜を230℃で30分間加熱し、レジスト膜を得た。得られたレジスト膜をJIS K5400に準拠し、1mm角100個の碁盤目試験を実施して、セロハンテープにより、剥離状態を観察した。100個中の接着数(剥離されないで残った碁盤目の数)を数え、ガラス密着性の評価とした。実用的な要求性能を考慮し、下記のように評価した。
○:90以上
△:80〜49
×:49以下
<タックフリー性>
密着性試験と同様の手法で得られたレジスト膜を、指触にてタックを下記のように評価した。
◎:タック無し。
○:若干タックあり。
△:タックあり、指紋が残る。
×:タック著しい。
<色材分散安定性>
色材分散安定性の評価は、得られた緑色顔料分散組成物を40℃48時間保存し、24時間、48時間後の粘度変化を測定することで評価した。
○:粘度変化無し。
△:色材の沈降が見られる。
×:ゲル化が発生し、粘度測定できず。
<保存安定性>
保存安定性の評価は、重合体溶液を40℃2ヶ月間保存し、1週間、1ヶ月、2ヶ月の粘度変化を測定することで評価した。
○:粘度変化無し。
△:若干の粘度上昇が見られる。
×:ゲル化が発生し、粘度測定できず。
(実施例1−1)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 839部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 60部、メタクリル酸 140部、アクリル酸メチル 140部、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート 25部、PGMEA 60部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)12部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 12部、PGMEA 68部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液1を得た。
得られた重合体溶液1について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は13,700、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は34.5%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は150mgKOH/gであった。
(実施例1−2)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 1006部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 60部、メタクリル酸 132部、メタクリル酸メチル 138部、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート 30部、PGMEA 60部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)12部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 12部、PGMEA 48部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液2を得た。
得られた重合体溶液2について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は13,300、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は34.5%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は145mgKOH/gであった。
(比較例1−1)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 615部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 30部、メタクリル酸 66部、シクロヘキシルメタクリレート 189部、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート 15部、PGMEA 30部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)6部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 5部、PGMEA 55部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液3を得た。
得られた重合体溶液3について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は14,700、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は30.0%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は150mgKOH/gであった。
(比較例1−2)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 986部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 60部、メタクリル酸 162部、メタクリル酸メチル 138部、シクロヘキシルメタクリレート 240部、PGMEA 60部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)12部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 12部、PGMEA 68部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで、重合体溶液4を得た。
得られた重合体溶液4について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は14,500、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は34.5%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は175mgKOH/gであった。
(比較例1−3)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 290部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 290部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド 15部、アクリル酸 180部、アクリル酸メチル 75部、シクロヘキシルメタクリレート 30部、PGMEA 30部、PGME 30部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)5部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン 18部、PGMEA 30部、PGME 30部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。
次いで、この反応液にPGMEA 590部、メタクリル酸グリシジル 260部、触媒としてトリエチルアミン1.7部、重合禁止剤として2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「アンテージW400」、川口化学工業社製)0.8部を追加し、窒素、酸素混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら110℃、12時間反応を継続することで重合体溶液5を得た。
得られた重合体溶液5について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は11,700、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は28.0%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は100mgKOH/gであった。
(比較例1−4)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 220部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてメタクリル酸 12部、シクロヘキシルメタクリレート 30部、スチレン 10部、メタクリル酸グリシジル 40部、PGMEA 10部、パーブチルO(商品名、重合開始剤、日本油脂社製)5部を3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続することで重合体溶液6を得た。
得られた重合体溶液6について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は12,000、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は30.0%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は80mgKOH/gであった。
<顔料分散組成物の調製>
マヨネーズ瓶に顔料としてC.I.ピグメントグリーン36(Monastral Green 6Y−CL、Heubach製)(MG6Y−CL)1.50部及びC.I.ピグメントイエロー150(Yellow Pigment E4GN−GT、Lanxess製)(E4GN−GT)1.00部とポリエステル系分散剤としてディスパロンDA−7301(楠本化成製)0.88部、重合体溶液1を固形分換算で0.8部、PGMEAを固形分濃度として20wt%になるように調整した。さらに1.0mmジルコニアビーズ20.00部を加えた。これをペイントシェーカーを用いて4.5時間振とうして分散処理した後、顔料分散組成物とジルコニアビーズを分離して緑色顔料分散組成物1を得た。重合体溶液1〜6すべてについて上記操作にて緑色顔料分散組成物1〜6を得た。

<緑色顔料分散組成物の評価>
(実施例2−1)
得られた緑色顔料分散組成物1を、ガラス基板上にスピンコートし、100℃で3分間乾燥し、UV露光装置(Topcon社製 TME−150RNS)にて、50mJ/cmのUV光を露光し、その後塗膜を230℃30分加熱し、レジスト膜の密着性、タックフリー性の試験を行った。
また得られた緑色顔料分散組成物1を、40℃2ヶ月間保存することで、色材安定性を、重合体溶液を40℃48時間保存することで保存安定性の試験を行った。

実施例1−1、1−2及び比較例1−1〜1−4における各成分の使用量、及び、得られた重合体の分析結果を表1に示した。
また、実施例2−1、2−2及び比較例2−1〜2−4における評価結果を表2に示した。実施例の結果より、ラジカル重合性二重結合以外の架橋反応により形成された硬化物の保存安定性の効果を確認できた。また、本明細書中に記載された各単量体由来の構成単位や好ましい特定の化合物(BzMIとMMA/MAとHEMA)、それらの使用量において本発明が有利な効果を奏することが立証されている。













Figure 2015082047











Figure 2015082047

表1及び2における略称は以下のとおりである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
BzMI:ベンジルマレイミド
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
MA:アクリル酸メチル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
St:スチレン
GMA:メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)
PBO:パーブチルO、重合開始剤、日油社製
n−DM:n−ドデシルメルカプタン
TEA:トリエチルアミン
W400:アンテージW400、商品名、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、川口化学工業社製
製品Mw:最終的に得られた重合体の分子量
NV:固形分濃度
AV:酸価
本発明により、保存安定性が良好であり、パターンに欠けや剥がれのない基材との密着性が良好なカラーフィルタ用感光性樹脂組成物を提供することができる。液晶ディスプレイ等の用途において有用である。

Claims (7)

  1. カラーフィルタ用樹脂組成物であって、主鎖が一般式(1)で示される単量体由来の構成単位を含む(メタ)アクリル系重合体であり、側鎖にカルボキシル基、水酸基を有し、側鎖にラジカル重合性二重結合を有しない(メタ)アクリル系重合体を含有することを特徴とするカラーフィルタ用樹脂組成物。
    Figure 2015082047
    (式中、Rは水素原子、またはメチル基、Rは鎖状アルキル基を表す)
  2. 前記(メタ)アクリル系重合体は、N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物。
  3. 前記N置換マレイミド系単量体、及びα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構成単位は、前記(メタ)アクリル系重合体の全構成単位100質量%中、5〜60質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物が、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤、及び着色剤を含むことを特徴とするカラーフィルタ用樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物が、染料を含有することを特徴とするカラーフィルタ用樹脂組成物
  6. 請求項4または5に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物を硬化してなる、硬化物。
  7. 基板上に請求項6に記載の硬化物が形成されていることを特徴とする、カラーフィルタ及び液晶表示装置。
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