JP6377397B2 - パーキングブレーキ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、左右が独立した機構を有するパーキングブレーキ装置に関し、パーキングブレーキ作動時の作動音を低減する技術に関する。
電動モータを駆動源として制動力を発生させ、前記電動モータへの通電を停止後も前記制動力を維持し得るパーキングブレーキ装置が提案されている。このパーキングブレーキ装置を搭載する車両において、パーキングブレーキの作動時に少なからず作動音が発生してしまい、この作動音による違和感や不快感が発生していた。作動音の具体例としては、例えば、押圧発生機構に取り付けられたラチェットから発する音や、ロック機構の締結時の音、また制動力を発生させる押圧上昇時の音が挙げられ、これらによる違和感や不快感の低減が必要とされていた。
パーキングブレーキの作動時の作動音が原因となる違和感や不快感を低減する方法として、作動音の音圧レベルを低く抑えるための施策を採ることと、同じ音が発生しても違和感や不快感を発生しにくいように工夫することが挙げられる。前者の方法については、電動パーキングブレーキ付き電動ブレーキ装置について、モータや減速機の構成と配置を最適にすることにより、作動音を低減する方法が示されている(特許文献1)。
また電動パーキング装置において、モータ出力軸をロックする際の衝撃が作動音となっていたため、ロック機構の係合部凸部もしくは凹部に弾性部を設けて、作動音を抑制する方法が示されている(特許文献2)。
後者の方法については、パーキングブレーキ作動開始から終了までの間、車両の搭乗者の注意を喚起する電子音を発生し、ブレーキ作動を報知するのと同時に、報知することによって作動音が発生してもパーキングブレーキの作動による正常な現象であることを印象づけ安心感を与え、電子音によって作動作動音自体も気付きにくくする方法が示されている(特許文献3)。
特開2013−130255号公報 特開2012−193802号公報 特許第4680643号公報
前記モータや減速機の構成と配置を最適にする技術では、モータおよび減速機の構成と配置が制限され、パーキングブレーキ付き電動ブレーキ装置の汎用性が低下する問題がある。
前記ロック機構に弾性部を設ける技術では、装置構造が複雑化して製造コストが高くなる。同技術において、電動モータの回転を減速する減速機の歯打ち音や、ロック機構のアクチュエータの作動音等に作動音の原因がある場合には、作動音を抑制することができない。
前記電子音を発生する技術では、例えば、電子音の大きさや周波数帯等によっては、パーキングブレーキの作動時の作動音を適切に抑制できない場合があることに加え、電子音自体が作動音の原因となる場合が考えられる。これらの作動音に起因して運転者等に違和感や不快感を与えてしまう。
この発明の目的は、装置の汎用性の向上を図ることができ、またパーキングブレーキの作動音に起因した違和感および不快感を低減することができるパーキングブレーキ装置を提供することである。
この発明のパーキングブレーキ装置は、車両における左右の車輪に対してそれぞれ独立して制動力を付加し、且つ、前記車両を停車状態に維持する左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rと、これらパーキングブレーキ機構1L,1Rを制御する制御装置2とを備えたパーキングブレーキ装置において、
前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させる相互のタイミングを前記車両の乗員に与える違和感を低減させるように調整するパーキングブレーキ作動判断器12を、前記制御装置2に備えたことを特徴とする。
パーキングブレーキの作動音による違和感や不快感を低減する方法として、様々な面から複合的に施策を実施することにより、全体としてより高い静粛性を得ることができる。先に示したこれまでの機構面による作動音の音圧レベルの抑制と電子音による違和感や不快感の低減以外に、本件出願人は、作動指令の生成タイミングの最適化等、制御に関する施策によって、違和感や不快感の低減を実施する余地があることを見出した。
左右の車輪に対してそれぞれ独立して制動力を付加する左右のパーキングブレーキ機構の場合、作動タイミングも独立して決定することができる。そこでパーキングブレーキ作動時の作動音の中で、最も違和感や不快感を発生する可能性の高い作動音(以下、単に「作動音」と呼ぶ。)に着目し、例えば、作動指令の生成タイミングを制御することにより、作動音の発生タイミングを管理して、同じ作動音が発生していても運転者等に与える違和感や不快感を低減する。よって、パーキングブレーキの作動音に起因した違和感および不快感を低減することができる。
この構成によると、運転者が、例えば、パーキングブレーキ要求スイッチ13等を操作すると、制御装置2は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rをそれぞれアンロック状態からパーキングロック状態に切換える。このとき、制御装置2におけるパーキングブレーキ作動判断器12は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させるタイミングを調整する。例えば、制御装置2の制御フローを書き換える等の処理を行うことにより、作動音に起因する違和感および不快感を低減させることができるため、従来技術のように構成部品の構成と配置が制限されることはない。このため、パーキングブレーキ装置の汎用性の向上を図ることができる。
違和感および不快感を低減する作動音の発生タイミングは、作動音の音圧レベルや周波数分布、パーキングブレーキ機構の配置や取り付け方法、車両への作動音の伝播経路や共振、びびり具合によって、車両設計時に予め設定する。
例えば、作動音の音圧レベルが低ければ、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右同時に作動させても音圧レベルを低く抑えることができ、かつ作動音の発生時間を短くすることで、違和感や不快感を低減することができる。また、車両構成により作動音の遮蔽効果や作動音のもととなる振動の制振効果が見込める場合は、作動音や振動の振幅が大きくなっても、車両の乗員に聞こえる音圧レベルを低く抑えることができることから、前記の例と同様に、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右同時に作動させて、作動音と振動の発生時間を短くし、違和感や不快感を低減する。
ここで作動音の発生時間とは、作動音が乗員に聞こえている時間であり、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右同時に作動させる場合は通常動作の1倍の発生時間であり、片側のパーキングブレーキ機構1L,(1R)の作動完了直後に、逆側のパーキングブレーキ機構1R,(1L)を連続的に作動させる場合は通常動作の2倍の発生時間となる。
上記の例とは逆に作動音の音圧レベルが高ければ、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを順に連続的に作動させることで、音圧レベルのピークを低く抑えることができ、違和感や不快感を低減することができる。また、車両構成により作動音の遮音効果や作動音のもととなる振動の制振効果が見込めない場合、具体的には空気伝播しやすい場合や、共振やびびり音が発生しやすい場合は、作動音や振動の振幅を小さく抑えるため、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを順に連続的に作動させることで、音圧レベルのピークを低く抑え、違和感や不快感を低減する。
先の例と相反するが、音圧レベルが高くても乗員が違和感や不快感を受けにくい周波数帯の作動音である場合、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを同時に作動させる方が望ましい場合や、音圧レベルが非常に低く、片側のパーキングブレーキ機構1L,(1R)の動作であれば知覚できないが左右両側のパーキングブレーキ機構1L,1Rが動作すると知覚できるような作動音であれば、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを連続的に作動させる方法を採ることが望ましい。このように実際には、車両設計時にパーキングブレーキ機構1L,1Rへの作動指令の生成タイミングを変更して官能調査を実施し、最も違和感や不快感の少ないタイミングを採用するのが妥当である。
前記パーキングブレーキ作動判断器12は、前記車両の運転者のパーキングブレーキ作動要求が入力されると、前記車両の乗員に与える違和感を低減させるため、設定されたタイミングに基づき前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rに対してパーキングブレーキ作動指令をそれぞれ入力して、前記車両を停車状態に維持するパーキングロック状態に作動させるものとしても良い。
前記タイミングは、例えば、試験やシミュレーション等の結果により最も違和感や不快感の少ないタイミングが設定される。
前記パーキングブレーキ作動判断器12は、
前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力して、前記一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)の作動が完了したことを示す作動完了信号の有無を監視する作動完了信号監視手段16と、
この作動完了信号監視手段16により作動完了信号があったとき、前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか他方のパーキングブレーキ機構1R,(1L)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力する作動指令順次入力手段17とを有する。
この場合、パーキングブレーキ作動判断器12が、一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力すると、作動完了信号監視手段16は作動完了信号を受信するまで待機する。作動指令順次入力手段17は、前記作動完了信号を受信すると、他方のパーキングブレーキ機構1R,(1L)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力する。このように左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを順に連続的に作動させることで、音圧レベルのピークを低く抑え、違和感や不快感を低減することができる。
前記パーキングブレーキ作動判断器12は、前記タイミングとして、前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを同時に作動させるものとしても良い。例えば、作動音の音圧レベルが低い場合、または、車両構成により作動音の遮蔽効果や作動音のもととなる振動の制振効果が見込める場合等は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを同時に作動させることで、作動音や振動の発生時間を短くし、車両の乗員の違和感や不快感を低減することができる。
前記パーキングブレーキ作動判断器12は、
前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力して、設定された時間経過したか否かを判定する設定時間観測手段14と、
この設定時間観測手段14により前記設定された時間経過したと判定したとき、前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか他方のパーキングブレーキ機構1R,(1L)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力する作動指令待機手段15とを有するものとしても良い。
前記設定された時間は、例えば、車両設計時に官能評価等によって決定する。
この場合、パーキングブレーキ作動判断器12が、一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力すると、設定時間観測手段14は、設定された時間が経過したか否かを判定する。この設定された時間が経過したと判定されると、作動指令待機手段15は、他方のパーキングブレーキ機構1R,(1L)に対してパーキングブレーキ作動指令を入力する。このように左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを順に連続的に作動させることで、音圧レベルのピークを低く抑え、違和感や不快感を低減することができる。
前記パーキングブレーキ作動判断器12は、前記左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させるタイミングと、前記車両における設定された機構を作動させるタイミングとを前記車両の乗員に与える違和感を低減させるように調整するものとしても良い。
前記設定された機構としては、例えば、ドアロック機構がある。
違和感や不快感を低減するように左右のパーキングブレーキ機構を作動させるタイミングを決定する観点に立てば、パーキングブレーキ作動時に作動させる、車両のドアロック機構でも何らかの作動音が発生する場合、ドアロック機構の作動音も考慮に入れてパーキングブレーキ機構を作動させる。乗員が車両に乗車した状態でパーキングブレーキ機構を作動させる場合は、ドアロック機構を解除しておいた方が乗員にとって利便性が高い。
そこで、パーキングブレーキ作動時にドアロック機構も解除するという構成にした場合、ドアロック機構の解除時にも作動音が発生するため、このドアロック機構を作動させるタイミングと、パーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させるタイミングとを調整することで、パーキングブレーキ作動による違和感や不快感を低減することができる。
この発明のパーキングブレーキ装置は、車両における左右の車輪に対してそれぞれ独立して制動力を付加し、且つ、前記車両を停車状態に維持する左右のパーキングブレーキ機構と、これらパーキングブレーキ機構を制御する制御装置とを備えたパーキングブレーキ装置において、前記左右のパーキングブレーキ機構を作動させる相互のタイミングを前記車両の乗員に与える違和感を低減させるように調整するパーキングブレーキ作動判断器を、前記制御装置に備え、前記パーキングブレーキ作動判断器は、前記左右のパーキングブレーキ機構におけるいずれか一方のパーキングブレーキ機構に対してパーキングブレーキ作動指令を入力して、前記一方のパーキングブレーキ機構の作動が完了したことを示す作動完了信号の有無を監視する作動完了信号監視手段と、この作動完了信号監視手段により作動完了信号があったとき、前記左右のパーキングブレーキ機構におけるいずれか他方のパーキングブレーキ機構に対してパーキングブレーキ作動指令を入力する作動指令順次入力手段と、を有する。このため、装置の汎用性の向上を図ることができ、またパーキングブレーキの作動音に起因した違和感および不快感を低減することができる。
この発明の第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置を搭載した車両の要部の概略構成を平面視で示すブロック図である。 同パーキングブレーキ装置の制御系のブロック図である。 同パーキングブレーキ装置において、左右のパーキングブレーキ機構を作動させる時間をずらす例を示すフローチャートである。 同パーキングブレーキ装置において、パーキングブレーキ作動完了信号を用いる例を示すフローチャートである。 参考提案例に係るパーキングブレーキ装置を搭載した車両の要部の概略構成を平面視で示すブロック図である。
この発明の第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置を図1ないし図4と共に説明する。図1に示すように、このパーキングブレーキ装置は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rと、これらパーキングブレーキ機構1L,1Rを制御する制御装置2とを有する。左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rは、例えば、いわゆるワイヤ式パーキングブレーキのワイヤ3,3を、左右別に用意した電動モータやアクチュエータ等の駆動源4,4によって牽引する構造のものが適用される。但し、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rはこの構造に限定されるものではない。なお、このパーキングブレーキ装置を搭載する車両には、前後左右の車輪5を制動するサービスブレーキ6として、例えば、液圧式または電動式のブレーキ装置が設けられる。
この例では、後輪側の左右車輪5,5に対して左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rが設けられている。なお、前輪側の左右車輪5,5に対して左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを設けても良いし、前後の左右車輪5,5に対して左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを設けても良い。パーキングブレーキ機構1L,1Rは、車両における左右の車輪5,5に対してそれぞれ独立して制動力を付加し、且つ、車両を停車状態に維持する。このパーキングブレーキ機構1L,1Rは、後述するように、例えば、サービスブレーキ6の摩擦パッド(図示せず)およびブレーキロータ(図示せず)を利用して制動力を付加する。
パーキングブレーキ機構1L,1Rは、それぞれ、駆動源4と、ウォームギヤ機構7と、ワイヤ3と、図示外のブレーキシューレバーまたはプッシュロッド・カム機構とを有する。サービスブレーキ6としてドラムブレーキを適用する場合には、前記ブレーキシューレバーが適用される。サービスブレーキ6としてディスクブレーキを適用する場合には、前記プッシュロッド・カム機構が適用される。プッシュロッド・カム機構は、ワイヤ3に繋がる図示外のカムと、このカムの押圧力により押圧される図示外のプッシュロッドと、このプッシュロッドからの押圧力を前記摩擦パッドに増圧して伝達する図示外のピストンとを有する。
ウォームギヤ機構7は、駆動側のウォーム8と、従動側のウォームホイール9と、巻取りリール10とを有する。駆動源4である電動モータのモータ軸(図示せず)には、前記ウォーム8が連結されている。このウォーム8にウォームホイール9が噛み合い、ウォームホイール9の回転により巻取りリール10が回転する。この巻取りリール10の回転によりワイヤ3が巻き取られる。前記電動モータを定められた回転方向に駆動させると、ウォーム8、ウォームホイール9、および巻取りリール10を介してワイヤ3が巻き取られる。
サービスブレーキ6としてドラムブレーキを適用する場合、ワイヤ3が巻き取られると、このワイヤ3に繋がる前記ブレーキシューレバーが牽引されて摩擦パッドがブレーキロータに押し付けられ、パーキングブレーキが作動する。
サービスブレーキ6としてディスクブレーキを適用する場合、ワイヤ3が巻き取られると、このワイヤ3に繋がる前記カムが前記プッシュロッドを押しピストンが摩擦パッドを押圧する。これにより摩擦パッドがブレーキロータに押し付けられ、パーキングブレーキが作動する。
ウォームホイール9には、前記電動モータが駆動停止または非通電状態になっても、逆回転することを防止するラチェット機構11が設けられる。例えば、パーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させて制動力を発生させると、車両の主電源をオフにした後でも、前記ラチェット機構11により、制動力が緩まないように保つ。つまり車両を停車状態に維持する。
図2は、このパーキングブレーキ装置の制御系のブロック図である。このパーキングブレーキ装置の制御装置2は、パーキングブレーキ作動判断器12を有する。このパーキングブレーキ作動判断器12は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rをアンロック状態からパーキングロック状態にそれぞれ作動させる相互のタイミングを車両の乗員に与える違和感および不快感を低減させるように調整する。
運転者がパーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させたいとき、例えば、車両のコンソールパネル等に設けられるパーキングブレーキ要求スイッチ13を操作する。これにより発生したパーキングブレーキ作動要求は、パーキングブレーキ作動判断器12に入力される。左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを同時に作動させる場合、パーキングブレーキ作動判断器12は、例えば、パーキングブレーキ作動要求が入力されると、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rに対し、同時にパーキングブレーキ作動指令を生成する。
左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右順に連続的に作動させる場合で、パーキングブレーキ作動完了信号を用いない場合を説明する。
この場合のパーキングブレーキ作動判断器12は、設定時間観測手段14と、作動指令待機手段15とを有する。設定時間観測手段14は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)に対して、パーキングブレーキ作動指令を入力して、設定された時間経過したか否かを判定する。
前記設定された時間は、例えば、車両設計時に官能評価等によって予め決定する時間であり、最も簡単な例としては、一方のパーキングブレーキ作動指令を生成してから、一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)の動作が完了するまでの時間を設定する。
作動指令待機手段15は、設定時間観測手段14により設定された時間経過したと判定したとき、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか他方のパーキングブレーキ機構1R,(1L)に対して、パーキングブレーキ作動指令を入力する。このように設定時間を設けて左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右順に連続的に作動させる。
図3は、このパーキングブレーキ装置において、左右のパーキングブレーキ機構を作動させる時間をずらす例を示すフローチャートである。以後、図1,図2も適宜参照しつつ説明する。パーキングブレーキ要求スイッチ13が押され、パーキングブレーキ作動要求がパーキングブレーキ作動判断器12に伝達されたときに本制御フローが実行される。なお、今後示す例において、パーキングブレーキ動作不良の判断や、条件合致の待機時のタイムオーバー処理等を省略して示し、これらは必要に応じて適宜実施されるものとする。左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rの作動のタイミングを左右順に連続的に動作させる場合に、説明上、右、左と順番を付けて動作させる記述としているが、左右のどちらを先に動作させても良い。
本処理開始後、パーキングブレーキ作動判断器12は、パーキングブレーキ作動要求が入力されたとき、最初に右のパーキングブレーキ機構1Rに対し、パーキングブレーキ作動指令を生成し、右のパーキングブレーキ機構1Rを作動させる(ステップS1)。その後、設定時間観測手段14により、設定された一定時間待機する(ステップS2)。パーキングブレーキ作動判断器12における作動指令待機手段15は、前記一定時間経過後、左のパーキングブレーキ機構1Lに対し、パーキングブレーキ作動指令を生成し、左のパーキングブレーキ機構1Lを作動させる(ステップS3)。その後本処理を終了する。
左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右順に連続的に作動させる場合で、パーキングブレーキ作動完了信号を用いる場合を説明する。
図2に示すように、この場合のパーキングブレーキ作動判断器12は、作動完了信号監視手段16と、作動指令順次入力手段17とを有する。作動完了信号監視手段16は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)に対して、パーキングブレーキ作動指令を入力して、前記一方のパーキングブレーキ機構1L,(1R)の作動が完了したことを示す作動完了信号の有無を監視する。
パーキングブレーキ機構1L,(1R)の作動完了信号の具体例としては、前述の電動モータやアクチュエータ等の駆動源4が必要量動作したことを根拠とするものが挙げられる。例えば、前記駆動源4の電流を検出する電流センサSaを設け、作動完了信号監視手段16は、電流センサSaで検出される電流が閾値以上のとき駆動源4が必要量動作したと判定し得る。前記閾値は、例えば、実験やシミュレーション等の結果により定められる。前記[必要量]=[パーキングブレーキの駆動源4の回転角度]とみて、例えば、巻き取りリール等に取り付けられた回転角センサや駆動源4となるモータの制御時に使用する角度センサの角度を参照し、実験やシミュレーション等の結果により定められた必要最低限の角度だけ回転したことを根拠とする。
作動指令順次入力手段17は、作動完了信号監視手段16により作動完了信号があったとき、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rにおけるいずれか他方のパーキングブレーキ機構1R,(1L)に対して、パーキングブレーキ作動指令を入力して、前記他方のパーキングブレーキ機構1R,(1L)を作動させる。このようにパーキングブレーキ作動完了信号を用いて左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右順に連続的に作動させる。
図4は、このパーキングブレーキ装置において、パーキングブレーキ作動完了信号を用いる例を示すフローチャートである。パーキングブレーキ要求スイッチ13が押され、パーキングブレーキ作動要求がパーキングブレーキ作動判断器12に伝達されたときに本処理が開始する。パーキングブレーキ作動判断器12は、パーキングブレーキ作動要求が入力されたとき、最初に右のパーキングブレーキ機構1Rに対し、パーキングブレーキ作動指令を生成し、右のパーキングブレーキ機構1Rを作動させる(ステップa1)。
次に、作動完了信号監視手段16は、右のパーキングブレーキ機構1Rからパーキングブレーキ作動完了信号を受信するまで待機する(ステップa2)。パーキングブレーキ作動完了信号を受信しないとき(ステップa2:no)、ステップa2に戻る。作動指令順次入力手段17は、右のパーキングブレーキ作動完了信号を受信後(ステップa2:yes)、左のパーキングブレーキ機構1Lに対し、パーキングブレーキ作動指令を生成し、左のパーキングブレーキ機構1Lを作動させる(ステップa3)。その後本処理を終了する。
以上説明したパーキングブレーキ装置によると、パーキングブレーキ要求スイッチ13が押されることで、制御装置2は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rをそれぞれアンロック状態からパーキングロック状態に切換える。このとき、制御装置2におけるパーキングブレーキ作動判断器12は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させるタイミングを調整する。例えば、制御装置2の制御フローを書き換える等の処理を行うことにより、作動音に起因する違和感および不快感を低減させることができるため、従来技術のように構成部品の構成と配置が制限されることはない。このため、パーキングブレーキ装置の汎用性の向上を図ることができる。
車両設計時に作動音の音圧レベル等を見極めておき、その作動音に応じて、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを、左右同時にまたは順に連続的に作動させることで、作動音に起因した違和感や不快感を低減することができる。
例えば、作動音の音圧レベルが低ければ、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右同時に作動させても音圧レベルを低く抑えることができ、かつ作動音の発生時間を短くすることで、違和感や不快感を低減することができる。
また、車両構成により作動音の遮蔽効果や作動音のもととなる振動の制振効果が見込める場合は、作動音や振動の振幅の大きくなっても、車両の乗員に聞こえる音圧レベルを低く抑えることができることから、前記の例と同様に、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを左右同時に作動させて、作動音と振動の発生時間を短くし、違和感や不快感を低減する。
作動音の音圧レベルが高ければ、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを順に連続的に作動させることで、音圧レベルのピークを低く抑えることができ、違和感や不快感を低減することができる。また、車両構成により作動音の遮音効果や作動音のもととなる振動の制振効果が見込めない場合、具体的には空気伝播しやすい場合や、共振やびびり音が発生しやすい場合は、作動音や振動の振幅を小さく抑えるため、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを順に連続的に作動させることで、音圧レベルのピークを低く抑え、違和感や不快感を低減することができる。
他の実施形態について説明する。
以下の説明において、先に示した実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。
図5に示すように、電動モータ等の駆動源4からなる左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを、左右のサービスブレーキ6,6にそれぞれ直接設けても良い。この場合、ブレーキ装置全体のコンパクト化を図り、第1の実施形態よりも車両への組付け性の向上を図ることができる。
各パーキングブレーキ機構1L,1Rの駆動源4として、例えば、直動式のアクチュエータもしくは電動モータを用い、ウォームギヤ機構およびワイヤーを用いることなく、前記ブレーキシューレバーまたは前記カムを直接駆動しても良い。
パーキングブレーキ作動判断器12は、左右のパーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させるタイミングと、前記車両における設定された機構を作動させるタイミングとを前記車両の乗員に与える違和感を低減させるように調整するものとしても良い。
前記設定された機構としては、例えば、ドアロック機構(図示せず)がある。パーキングブレーキ作動時にドアロック機構も解除するという構成にした場合、ドアロック機構の解除時にも作動音が発生するため、このドアロック機構を作動させるタイミングと、パーキングブレーキ機構1L,1Rを作動させるタイミングとを調整することで、パーキングブレーキ作動による違和感や不快感を低減することができる。
1L,1R…左右のパーキングブレーキ機構
2…制御装置
5…車輪
12…パーキングブレーキ作動判断器
14…設定時間観測手段
15…作動指令待機手段
16…作動完了信号監視手段
17…作動指令順次入力手段

Claims (2)

  1. 車両における左右の車輪に対してそれぞれ独立して制動力を付加し、且つ、前記車両を停車状態に維持する左右のパーキングブレーキ機構と、これらパーキングブレーキ機構を制御する制御装置とを備えたパーキングブレーキ装置において、
    前記左右のパーキングブレーキ機構を作動させる相互のタイミングを前記車両の乗員に与える違和感を低減させるように調整するパーキングブレーキ作動判断器を、前記制御装置に備え、
    前記パーキングブレーキ作動判断器は、
    前記左右のパーキングブレーキ機構におけるいずれか一方のパーキングブレーキ機構に対してパーキングブレーキ作動指令を入力して、前記一方のパーキングブレーキ機構の作動が完了したことを示す作動完了信号の有無を監視する作動完了信号監視手段と、
    この作動完了信号監視手段により作動完了信号があったとき、前記左右のパーキングブレーキ機構におけるいずれか他方のパーキングブレーキ機構に対してパーキングブレーキ作動指令を入力する作動指令順次入力手段と、
    を有することを特徴とするパーキングブレーキ装置。
  2. 請求項1記載のパーキングブレーキ装置において、前記パーキングブレーキ作動判断器は、前記車両の運転者のパーキングブレーキ作動要求が入力されると、前記車両の乗員に与える違和感を低減させるため、設定されたタイミングに基づき前記左右のパーキングブレーキ機構に対してパーキングブレーキ作動指令をそれぞれ入力して、前記車両を停車状態に維持するパーキングロック状態に作動させるパーキングブレーキ装置。
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