JP6376690B2 - 液滴噴射装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、液滴噴射装置および画像形成装置に関する。
従来のオンデマンド型の液滴噴射装置は、例えば、PZTといった電気機械変換素子を用いるタイプのものと、発熱素子を用いるサーマルタイプの2種類に大別される。液滴吐出ヘッドは、一般的に、液滴であるインク滴を吐出する複数のノズルが並設され、各ノズル毎に独立した加圧液室(圧力室)に連通している。各加圧液室には、インク供給路を介して共通液室が連通しており、外部のインク供給口から共通液室に供給されたインクを各々の加圧液室へ分配するようにしている。各加圧液室と振動板、あるいはノズルプレートとは接着して接合する構成が一般的である。
近年、小型化や高密度化の要求により、ヘッドを構成する部材も更に小型化が進み、加工・組付けの精度を出すのが非常に難しくなっている。中でも接合面の管理は特に難しく、使用した接着剤のはみ出しや位置ズレ、接着不良などの問題を解決することが要望されている。
特開平7−178906号公報
このような問題を解決するために、Ni電鋳法を用いて、加圧液室の隔壁と振動板、あるいはノズルプレートとを同一材料で形成することで接着剤のはみ出しや位置ズレ、接着不良などの問題の解決を行っている。しかしながら、この従来方法では、加圧液室の隔壁全体をNi電鋳法を用いて製造しているので、時間がかかるうえ、コストが高くなる。さらに、加圧液室隔壁と振動板あるいは、ノズルプレートの求められる機能の差異により、電鋳鋳型を複数用意することや、積層構造をとる必要があり、製造プロセスを複雑にする問題がある。
本実施の形態は、製造プロセスを複雑にすることなく、低コストで液滴噴射装置および画像形成装置を提供することが課題である。
実施形態によれば、液滴噴射装置は、一体形成部材と、少なくとも1層の機能膜と、絶縁層と、圧電アクチュエータと、液体供給手段とを有する。一体形成部材は、微小液滴を噴射するための複数のノズルを有するノズルプレートとノズルと連通した複数の圧力室の隔壁を構成する壁部とが一体に形成される。機能膜は、一体形成部材の上に形成される。絶縁層は、複数の圧力室間に形成される。圧電アクチュエータは、ノズルプレート上に圧電薄膜で形成され、ノズルから液滴を噴射する。液体供給手段は、圧力室に液体を供給する。
第1の実施の形態のインクジェットヘッドが搭載されるインクジェット画像形成装置の全体の概略構成を示す図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの概略構成を示す縦断面図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの圧力室が円形の場合のノズルの配置と個別電極の配置の例を示す平面図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの電鋳用の鋳型を示す要部の縦断面図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの電鋳用の鋳型に一体形成部材を製膜する電鋳工程を示す要部の縦断面図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの一体形成部材にシード層を形成する機能膜成膜工程を示す要部の縦断面図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの一体形成部材の複数の圧力室の隔壁間に絶縁層を形成する絶縁層形成工程を示す要部の縦断面図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの一体形成部材のノズルプレート上に圧電アクチュエータの圧電薄膜を形成する圧電素子形成工程を示す要部の縦断面図。 第1の実施の形態のインクジェットヘッドの一体形成部材の圧電アクチュエータの圧電薄膜上に個別電極を形成した状態を示す要部の縦断面図。 第2の実施の形態のインクジェットヘッドの概略構成を示す縦断面図。 第2の実施の形態のインクジェットヘッドの電鋳用の鋳型を示す要部の縦断面図。 第2の実施の形態のインクジェットヘッドの電鋳用の鋳型に電鋳法により一体形成部材を製膜する電鋳工程を示す要部の縦断面図。 第2の実施の形態のインクジェットヘッドの一体形成部材の複数の圧力室の隔壁間に絶縁層を形成する絶縁層形成工程を示す要部の縦断面図。 圧力室が矩形の場合のノズルの配置と個別電極の配置の例を示す平面図。
[第1の実施の形態]
図1乃至図9は、第1の実施の形態を示す。図1は、本実施の形態の液滴噴射装置の一例であるインクジェットヘッドが搭載されるインクジェット画像形成装置の概略構成を示す図である。
用紙カセット100および101は、サイズの異なる用紙pを保持する。給紙ローラ102または103は選択された用紙サイズに対応した用紙pを用紙カセット100、または101から取り出し、搬送ローラ対104、105およびレジストローラ対106に搬送する。
搬送ベルト107には駆動ローラ108と2本の従動ローラ109とによって張力が与えられている。搬送ベルト107の表面には所定間隔で多数の小径貫通孔が設けられている。搬送ベルト107は、繊維にゴムを積層し、表面を研磨して製作される無端ベルトであり、全面に図示しない小径孔が開けられている。搬送ベルト107は、ステンレス鋼などの有端ベルトに端部処理を行って形成しても良い。
搬送ベルト107の駆動ローラ108と接触する面である裏面には負圧チャンバ111の天板が密着するように設置されている。負圧チャンバ111は、ダクト23を介してファン110に連結されている。負圧チャンバ111は、多数の溝と孔が設けられた上部天板と空気排出用のダクト23接続用の孔が設けられた箱型筐体である。その中空状の筐体の内部がファン110の吸引により負圧に設定される。
吸引ファン110により発生する吸引力によって、ダクト23、負圧チャンバ111、搬送ベルト107上の多数の小径孔を通して用紙pは搬送ベルト107の搬送面に吸着する。そして、用紙pは搬送ベルト107に吸着されたまま搬送される。
本実施の形態のインクジェット画像形成装置は、4色インクジェットヘッドを備えている。搬送ベルト107の上方には画像データに応じて用紙にインクを吐出するライン型のインクジェットヘッド115が4列並んで設けられている。上流(図中の左側)から順にシアン(C)インクを吐出するインクジェットヘッド115C、マゼンタ(M)インクを吐出するインクジェットヘッド115M、イエロー(Y)インクを吐出するインクジェットヘッド115Y、ブラック(BK)インクを吐出するインクジェットヘッド115BKが配置されている。更に、各インクジェットヘッド115には、各色インクが保持されているシアン(C)インクカートリッジ116C、マゼンタ(M)インクカートリッジ116M、イエロー(Y)インクカートリッジ116Y、ブラック(BK)インクカートリッジ116BKが設けられている。そして、それぞれのインクジェットヘッド115とインクカートリッジ116とはチューブ118で連結されている。
インクジェットヘッド115の本体の端面には所定のピッチでノズルが設けられている。また、インクジェットヘッド115は、周知のいずれかの方法で印刷される。
排紙側(図中の右側)には、搬送ローラ対112、113、114及び排紙ローラ対126が設置されている。用紙pは排紙ローラ対126によって排紙トレイ117に排出される。
両面印字を行なう際に用紙pをもう一度給紙側(図中の左側)に送るための搬送ガイド130、搬送ローラ対120、121、122、123、124、125及び、用紙pの経路を裏面印刷のために切り替える搬送ガイド131が設置されている。搬送ガイド130、131は、支点を中心にガイド先端の向きが変わるように構成されている。搬送ガイド130は、用紙pの搬送ルートを排紙側と給紙側に切り替える。搬送ガイド131は、用紙pを反転させる経路と、裏面印刷用に搬送するための搬送経路とを切り替える。搬送ローラ対120、121、122、123、124、125は反転機構の一部を構成し、反転機構は各インクジェットヘッド115の上側及び上側と直交する方向に位置している。
搬送ベルト107の用紙搬送方向後段すなわちインクジェットヘッド115より搬送方向下流側には画像が形成された用紙pを乾燥させる記録媒体乾燥ユニット320が設置されている。記録媒体乾燥ユニット320には、温風ヒーター、セラミックヒーター、ラバーヒーター、もしくはハロゲンヒーターなどが用いられる。記録媒体乾燥ユニット320は、搬送される用紙pの表面温度を30℃以上、好ましくは40℃〜80℃の範囲になるように加熱する。
図2は、本実施の形態のインクジェットヘッドを説明するための概略構成を示す縦断面図である。図2中で、1は圧力室の隔壁、2はノズル口、3は機能膜、4は圧電素子、5は絶縁層、6は圧力室、7は個別電極、8はノズルプレートである。
本実施の形態では各圧力室6は円形に形成されている。この圧力室6の形状は、例えば直径が0.3mm、深さが0.5mmに設定されている。この圧力室6の一端(図2中で上端)は、円形の端板6aで塞がれている。本実施の形態では、圧力室6の一端側の端板6aは、ノズルプレート8および圧力室6の隔壁1と一体に形成された一体形成部材9によって形成されている。この一体形成部材9は、例えば電鋳鋳型21(図4参照)の表面上に電鋳法によりNiを製膜したものである。ここで、一体形成部材9のNi膜の厚みは、例えば1〜20μmの範囲であり、好ましくはおよそ2μmである。
圧力室6の円形の端板6aの中央には、ノズル口2が形成されている。ノズル口2は、円筒状の筒体2aによって形成されている。この筒体2aは、先細状のテーパー面によって形成されている。本実施の形態では、ノズル口2は、例えば直径が30μmに設定されている。
また、各圧力室6の他端(図2中で下端)は、開口され、円形開口部6bが形成されている。各圧力室6の円形開口部6bは、共通インク室10に接合されている。共通インク室10における各圧力室6との接合壁部には、連通孔(インク流路)10aがそれぞれ形成されている。
共通インク室10の一側部には、適宜のジョイント部11を介してインクチューブ12の一端が連結されている。このインクチューブ12の他端は、インクタンク13に連結されている。そして、この共通インク室10と、ジョイント部11と、インクチューブ12と、インクタンク13とによって圧力室6にインクなどの液体を供給する手段14が形成されている。
また、機能膜3は、一体形成部材9の外表面に積層させた圧電薄膜シード層を形成するものである。この機能膜3は、圧電素子4の圧電薄膜に対して格子整合性を有する膜である。本実施の形態では、例えば一体形成部材9の外表面にスパッタ法によってSrRuO(SRO)を製膜して機能膜3を形成した。なお、機能膜3のSRO膜の厚さは、例えば50〜500nmの範囲であり、好ましくは300nmである。そして、この機能膜3は、一体形成部材9とともに共通電極15を構成するものである。また、機能膜3の材料は、SROに限定されるものではなく、例えばTiO、RuO、ZnO、IrO、NiOなども使用することができる。
また、絶縁層5は、複数の圧力室6の隔壁1間に形成されている。絶縁層5の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いている。圧電素子4は、一体形成部材9のノズルプレート8の上にのみ形成されている。圧電素子4の材料としては、KNbOを用いた。KNbOは、鉛を含まない圧電材料であり、環境整合性の高い材料である。Pb(Zr・Ti)O(PZT)材料を用いてもよい。本実施の形態では、圧電素子4の厚さは、例えば1〜20μmの範囲であり、好ましくは2μmである。個別電極7は、圧電素子4の上に形成されている。この個別電極7は、例えばPt電極によって形成されている。これら複数の個別電極7は、図3に示すように絶縁層5に設けられた複数の通電パターン22に個別に電気的に接続されている。
次に、上記構成のインクジェットヘッドの作成工程を図4〜図9を参照して説明する。まず、図4に示す電鋳鋳型21を成形する工程が行われる。この電鋳鋳型21の成形工程では、鋳型21の形成方法は様々な方法がある。例えば、転写を用いる方法と直接造形する方法がある。本実施の形態では、図示しないSi基板にドライエッチング法を用いて所望の形状の圧力室6と対応する圧力室対応空間部と、ノズル口2の筒体2aと対応する空間であるノズル口対応空間部を形成する。その後、Si基板の圧力室対応空間部とノズル口対応空間部にエポキシ樹脂を充填して、転写し、電鋳鋳型21を形成した。これにより、電鋳鋳型21には、圧力室6と対応する圧力室対応部21aと、ノズル口2の筒体2aと対応するノズル口対応部21bとが形成されている。さらに、電鋳鋳型21とするため、表面にNiをスパッタ法により成膜し、電極とした。
次に、電鋳鋳型21に電鋳法により一体形成部材9を製膜する一体形成部材9の製膜工程が行われる。この一体形成部材9の製膜工程では、図5に示すように電鋳鋳型21の表面上に電鋳法によりNiを製膜することで、圧力室6の一端側の端板6aと、ノズルプレート8および圧力室6の隔壁1とが一体成形された一体形成部材9が形成される。
続いて、一体形成部材9の表面に少なくとも1層の機能膜を形成する機能膜形成工程が行われる。ここでは、図6に示すように、Ni電鋳膜である一体形成部材9の表面に機能膜であるSROをスパッタ法により製膜して機能膜3が形成される。
この機能膜3の形成後、図7に示すように複数の圧力室6の隔壁1間にエポキシ樹脂を用いて絶縁層5を形成する絶縁層形成工程が行われる。絶縁層5の形成は、概ね圧力室6の隔壁1の高さと同一となるようにディスペンサを用いて、複数の圧力室6の隔壁1間のくぼみの部分にエポキシ樹脂を充填する。このとき、充填量の制御、レベリングなどを考慮して、ノズルプレート8の部分にエポキシ樹脂が付着しないよう作製する。この状態で、所望の温度、時間により硬化させた。絶縁層5の充填は、産業用インクジェットプリンタ(3Dプリンタ)を用いることでより理想的な構造が実現できる。
絶縁層5の形成後、図8に示すように、ノズルプレート8上に圧電素子4を形成する圧電素子形成工程が行われる。この圧電素子形成工程では、水熱合成法を用いる。水熱合成法では、ノズルプレート8上の機能膜3であるSRO膜の表面のみ圧電素子4のKNbO膜が形成される選択成膜であるため、ノズルプレート8の機能膜3上にのみ圧電膜であるKNbO膜が形成される。このとき、絶縁層5の表面には圧電膜であるKNbO膜が形成されない。圧電素子4の圧電薄膜の形成後、図9に示すようにノズル口2の開口部を開口させる位置まで、圧電素子4の圧電薄膜を研磨して所定の厚さ、例えば2μmの圧電素子4を形成する。
続いて、図9に示す電極形成工程が行われる。この電極形成工程では、スパッタ法により例えばPt電極を圧電素子4の前面に製膜し、フォトリソグラフィ法によりノズルプレート8上の圧電素子4の所望の領域に個別電極7を形成した。個別電極7は、Auや、AlなどのPt以外の金属材料でもよい。この電極形成工程においても産業用インクジェットプリンタの金属ナノインクを用いて所望の電極を形成することが可能である。この場合、レジストやマスクが不要となるため、工程の簡素化、低コスト化が可能である。
続いて、電鋳鋳型21を除去する工程が行われる。この電鋳鋳型21の除去には、ドライエッチング法を用いる。これにより、電鋳鋳型21の部分に圧力室6の空間が形成される。
電鋳鋳型21の除去後、各圧力室6の円形開口部6b側の端部に共通インク室10が接合され、圧力室6に液体を供給する手段14が形成されて液滴噴射装置が完成する。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のインクジェットヘッドの共通インク室10には複数の連通孔10aを介して各々圧力室6が設けられており、該圧力室6の一端にはノズル口2が設けられている。該圧力室6の各々に対応し、情報記録用の駆動電圧信号(駆動パルス)に応じて圧電素子4を駆動し、圧力室6の容積を変化させる。この容積変化によって、ノズル口2からインク小滴が噴射される。
本実施の形態では、隣接する圧力室6の隔壁1と、該圧力室6の容積変化を生み出すための振動板を兼ねるノズルプレート8とを同じ素材で一体成形した一体形成部材9を設けている。そのため、圧力室6の隔壁1とノズルプレート8とを接着剤を使って接合する工程を省略できるため、接着剤のはみ出しや接着不良がなくなる。また、Ni電鋳法を用いて、圧力室6の隔壁1と振動板を兼ねるノズルプレート8とを一体成形しており、接合面が存在しないため、接合時の位置ズレや接着剤のはみ出しがない。さらに、圧力室6の隔壁1と振動板を兼ねるノズルプレート8の求められる機能の差異により、電鋳鋳型21を複数用意することや、積層構造をとる必要がなく、製造プロセスを簡素化できる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態のインクジェットヘッドでは、以下のような効果がある。
(1)圧力室6の隔壁1と振動板を兼ねるノズルプレート8を同一素材で一体成形することにより、部材同志の線膨張係数の違いによる反りの発生を防ぐことができる。さらに、接着剤を使っての接合が無いため、接着剤のはみ出しや接着不良といった問題を考慮する必要が無くなる。また、別工程でそれぞれの部品を作成し、組み立てる工程を省略でき、同一工程上で成形することができ、コストを削減することができる。
(2)Ni電鋳鋳型21を使用することで、圧力室6の隔壁1の厚さを比較的大きくすることができる。さらに、複数の圧力室6の隔壁1間にエポキシ樹脂を用いて絶縁層5を形成したので、インクに対する接液性や圧力室6の隔壁1の剛性が得られる。また、電鋳法により形成するため、圧力室6の隔壁1と振動板を兼ねるノズルプレート8との接合面が存在しないため、接合時の位置ズレや接着剤のはみ出しがない。
(3)複数の圧力室6の隔壁1間にエポキシ樹脂を用いて絶縁層5を形成したので、圧力室6の隔壁1の剛性が得られるため、隣接する圧力室6への圧力伝搬や、圧力室6の隔壁1での圧力吸収を抑えることができる。
(4)一度のNi電鋳鋳型21の型抜きで複数の圧力室6の隔壁1と振動板を兼ねるノズルプレート8とを同時に一体成形できるため、ダイヤフラム構造や圧力室6の隔壁1の部分の成形といった複数の後工程が必要ない。そのため、時間及びコストを大幅に下げることができる。
(5)3Dプリンターなどの導入により、リソグラフィを全く用いないフルアディティブ法の適応が可能である。
[第2の実施の形態]
(構成)
図10乃至図13は、第2の実施の形態を示す。図10は、第2の実施の形態のインクジェットヘッドの概略構成を示す縦断面図である。図10中で、1は圧力室の隔壁、2はノズル口、5は絶縁層、6は圧力室、8はノズルプレート、31は個別電極、32は圧電素子、33は振動板である。なお、図10乃至図13中で、図2乃至図9と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
第1の実施の形態では、圧力室6の一端側の端板6aと、ノズルプレート8および圧力室6の隔壁1と一体に形成された一体形成部材9を形成し、ノズルプレート8に圧電素子4を設けた構成を示した。本実施の形態ではこれに替えて圧力室6におけるノズルプレート8と対向する面側に圧電素子32を設けている。圧電素子32は、圧力室6におけるノズルプレート8と対向する面側に接着される振動板33に固定されている。この振動板33と圧電素子32とによって圧力室6を変形する圧電アクチュエータが形成されている。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に圧力室6の一端側の端板6aは、ノズルプレート8および圧力室6の隔壁1と一体に形成された一体形成部材9によって形成されている。
図11〜図13は、図10に示すインクジェットヘッドの作成工程を示す図である。図11は、電鋳鋳型41の構造断面図を示す。第1の実施の形態と同様に、図示しないSi基板に所望の形状の圧力室6と対応する圧力室対応空間部と、ノズル口2と対応する空間であるノズル口対応空間部を形成する。その後、Si基板の圧力室対応空間部とノズル口対応空間部にエポキシ樹脂を充填、転写し、電鋳鋳型41を形成した。これにより、電鋳鋳型41には、圧力室6と対応する圧力室対応部41aと、ノズル口2と対応するノズル口対応部41bとが形成されている。さらに、電鋳鋳型41とするため、表面にNiをスパッタ法により成膜し、電極とした。
次に、図12に示すように、電鋳鋳型41にNi電鋳膜を形成して、ノズルプレート8と圧力室6の隔壁1とが一体に形成された一体形成部材9を同時に作製する。一体形成部材9のNi電鋳膜の厚みは、10μmとした。圧力室6の形状は、直径が300μm、深さが500μmとした。
さらに、図13に示すように、複数の圧力室6の隔壁1間に絶縁層5を形成した。絶縁層5は、エポキシ樹脂をノズルプレート8の上面とほぼ面一になるように、ディスペンサで充填し、硬化させた。
その後、裏面から電鋳鋳型41をドライエッチングで除去する。続いて、圧電素子32を形成したダイヤフラムである振動板33を圧力室6におけるノズルプレート8と対向する面側に貼り付ける。さらに、圧電素子32の外面に個別電極31を形成し、液滴噴射装置を完成させた。
この方法によれば、エッチング法によるインクジェットヘッドの作成に比べて材料の除去を大幅に排除することができるため、リソグラフィ工程で使用する材料を大幅に削減することができる。
[変形例]
図14は、圧力室6が矩形の場合のノズル口2の配置と個別電極7の配置の例を示す平面図である。本変形例は、複数の個別電極7は、絶縁層5に設けられた複数の通電パターン42に個別に電気的に接続されている。
これらの実施形態によれば、製造プロセスを簡素化し、接着剤での接合箇所を減らし、接着不良による問題を起り難くし、また、成形工程やコストを少なくすることができる液滴噴射装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]微小液滴を噴射するための複数のノズルを有するノズルプレートと前記ノズルと連通した複数の圧力室の隔壁を構成する壁部とが一体に形成された一体形成部材と、前記一体形成部材の上に形成された少なくとも1層の機能膜と、複数の前記圧力室間に形成された絶縁層と、前記ノズルプレート上に圧電薄膜で形成され、前記ノズルから液滴を噴射するための圧電アクチュエータと、前記圧力室に液体を供給する手段とを有することを特徴とする液滴噴射装置。
[2]前記機能膜は、前記圧電薄膜に対して格子整合性を有する膜であることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
[3]前記機能膜は、導電性酸化物材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴噴射装置。
[4]前記一体形成部材は、電鋳法を用いて一体成形することを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
[5]微小液滴を噴射するための複数のノズルを有するノズルプレートと前記ノズルと連通した複数の圧力室の隔壁を構成する壁部とが一体に形成された一体形成部材と、複数の前記圧力室間に形成された絶縁層と、前記圧力室における前記ノズルプレートと対向する面側に配置され、前記圧力室を変形する圧電アクチュエータと、前記圧力室に液体を供給する手段とを備えることを特徴とする液滴噴射装置。
1…圧力室の隔壁、2…ノズル口、3…機能層、4…圧電素子、5…絶縁層、6…圧力室、7…電極、8…ノズルプレート、9…一体形成部材、14…液体を供給する手段、21…電鋳鋳型。

Claims (5)

  1. 微小液滴を噴射するための複数のノズルを有するノズルプレートと前記ノズルと連通した複数の圧力室の隔壁を構成する壁部とが一体に形成された一体形成部材と、
    前記一体形成部材の上に形成された少なくとも1層の機能膜と、
    複数の前記圧力室間に形成された絶縁層と、
    前記ノズルプレート上に圧電薄膜で形成され、前記ノズルから液滴を噴射するための圧電アクチュエータと、
    前記圧力室に液体を供給する手段とを有することを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記機能膜は、前記圧電薄膜に対して格子整合性を有する膜であることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記機能膜は、導電性酸化物材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記一体形成部材は、電鋳法を用いて一体成形することを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  5. 液体を保持するカートリッジと、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の液滴噴射装置と、
    を備える画像形成装置。
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