JP2008105334A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ性の液状材料に対する耐性に優れる液滴吐出ヘッド、当該液滴吐出ヘッドの製造方法および当該液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズル孔111を備えたノズル板11と、アクチュエーターによって振動される振動板13と、ノズル板11と振動板13との間に設置され、液状材料を収容する収容室を画成する隔壁122を備え、シリコン材料で構成されたキャビティ板12とを備える液滴吐出ヘッドであって、隔壁122の少なくとも液状材料が接触する面にプラズマ重合膜17が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出装置に関するものである。
近年、インクジェットプリンタにおいては、多種多様なインクが用いられている。中でも、高アルカリ性のインクを用いた場合、インクジェット記録ヘッドを構成するキャビティ板がシリコン系材料であるため、該シリコン系材料がアルカリ性によって侵食(エッチング)されるという問題がある。
このようなインクジェット記録ヘッドにおいて、キャビティ板と振動板とを、熱変形温度より溶融温度が低いプラスチック層を介して接合したインクジェット記録ヘッドが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このようなインクジェット記録ヘッドは、高アルカリ性のインクを用いた場合、キャビティ板がアルカリ性に対して未だ十分な耐性を有していないという問題を有している。
特開平7−299907号公報
本発明の目的は、アルカリ性の液状材料に対する耐性に優れる液滴吐出ヘッド、当該液滴吐出ヘッドの製造方法および当該液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズル孔を備えたノズル板と、
アクチュエーターによって振動される振動板と、
前記ノズル板と前記振動板との間に配置され、液状材料を収容する収容室を画成する隔壁を備えたキャビティ板とを有する液滴吐出ヘッドであって、
前記隔壁の少なくとも前記液状材料が接触する面にプラズマ重合膜が形成されていることを特徴とする。
これにより、キャビティ板が液状材料と接触しないので、アルカリ性の液状材料に対して耐性に優れる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記プラズマ重合膜は、前記キャビティ板の表面全体に形成されていることが好ましい。
これにより、キャビティ板がプラズマ重合膜で覆われているので、キャビティ板と液状材料との接触を確実に防止できる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記ノズル板の前記キャビティ板側の面と、前記振動板の前記キャビティ板側の面の少なくとも一方に、プラズマ重合膜が形成されていることが好ましい。
これにより、キャビティ板と、ノズル板および/または振動板との接合面が同一の材料で構成されるので、キャビティ板と、ノズル板および/または振動板との密着性が向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記キャビティ板および前記ノズル板と、前記キャビティ板および前記振動板とが、それぞれ樹脂層を介して接合されていることが好ましい。
これにより、ノズル板、キャビティ板、振動板のそれぞれが樹脂層を介して接合しているので、ノズル板とキャビティ板との密着性、振動板とキャビティ板との密着性がより一層向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記プラズマ重合膜は、オルガノポリシロキサンで構成されるものであることが好ましい。
これにより、プラズマ重合膜がシロキサン結合を骨格としたポリマーで構成されるので、アルカリ性の液状材料に対する耐性により優れる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記プラズマ重合膜の表面の少なくとも一部に、撥液膜が形成されていることが好ましい。
これにより、液状材料に対する撥液性が向上するので、アルカリ性に対する耐性がより向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記撥液膜は、金属アルコキシドで構成されるものであることが好ましい。
これにより、液状材料に対する撥液性がより一層向上するので、アルカリ性に対する耐性がより一層向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出するノズル孔を備えたノズル板と、
アクチュエーターによって振動される振動板と、
前記ノズル板と前記振動板との間に配置され、液状材料を収容する収容室を画成する隔壁を備えたキャビティ板と、を有する液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
前記隔壁の少なくとも前記液状材料が接触する面にプラズマ重合膜を形成する工程を有し、
前記プラズマ重合膜が形成された前記キャビティ板の一方の面側に前記ノズル板が配置され、他方の面側に前記振動板が配置されてなることを特徴とする。
これにより、インク室基板にプラズマ重合膜を形成し、それをノズル板と、振動板とに配置することで液滴吐出ヘッドが得られるので、アルカリ性の液状材料に対して耐性に優れる液滴吐出ヘッドを簡単に得ることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法では、前記プラズマ重合膜を形成する工程の後、前記プラズマ重合膜の表面の少なくとも一部に酸化処理を施すとともに、前記酸化処理が施された部位に撥液膜を形成する工程を有することが好ましい。
これにより、液状材料に対する撥液性が向上するので、アルカリ性に対する耐性により優れる液滴吐出ヘッドを得ることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法では、前記プラズマ重合膜は、前記キャビティ板の表面全体に形成されていることが好ましい。
これにより、キャビティ板がプラズマ重合膜で覆われているので、キャビティ板と液状材料との接触を確実に防止した液滴吐出ヘッドを得ることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法では、前記ノズル板の前記キャビティ板側の面と、前記振動板の前記キャビティ板側の面とのそれぞれに、プラズマ重合膜が形成されていることが好ましい。
これにより、キャビティ板とノズル板、キャビティ板と振動板のそれぞれの接合面が同一の材料で構成されるので、キャビティ板とノズル板、キャビティ板と振動板のそれぞれを簡単に接合することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法では、前記ノズル板の前記プラズマ重合膜が形成された面と、前記振動板の前記プラズマ重合膜が形成された面とを、前記キャビティ板の前記プラズマ重合膜が形成された面に、接合することが好ましい。
これにより、キャビティ板とノズル板、キャビティ板と振動板のそれぞれのプラズマ重合膜同士を接合するので、それらをより簡単かつ確実に接合・一体化できる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法では、前記ノズル板の前記プラズマ重合膜が形成された面と、前記振動板の前記プラズマ重合膜が形成された面とを、前記キャビティ板の前記プラズマ重合膜が形成された面に、樹脂層を介して接合することが好ましい。
これにより、ノズル板、キャビティ板、振動板のそれぞれが樹脂層を介して接合しているので、ノズル板とキャビティ板、振動板とキャビティ板を、それぞれ密着性よく、簡単に接合・一体化することができる。
本発明の液滴吐出装置は、本発明の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い液滴吐出装置を得ることができる。
<第1実施形態>
以下、本発明の液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の液滴吐出ヘッドであるインクジェット記録ヘッドおよび液滴吐出装置であるインクジェットプリンタの実施形態について説明する。
図1は、本発明のインクジェット記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1に示すインクジェット記録ヘッドの主要部の構成を示す断面正面図、図3は、図1に示すインクジェット記録ヘッドを備えるインクジェットプリンタの実施形態を示す概略図である。
なお、図1は、通常使用される状態とは、上下逆に示されている。また、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
(1)インクジェットプリンタ
図1に示すインクジェット記録ヘッド1(以下、単に「ヘッド1」と言う。)は、図3に示すようなインクジェットプリンタ(本発明の液滴吐出装置)9に搭載されている。
図3に示すインクジェットプリンタ9は、装置本体92を備えており、上部後方に記録用紙Pを設置するトレイ921と、下部前方に記録用紙Pを排出する排紙口922と、上部面に操作パネル97とが設けられている。
操作パネル97は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する表示部(図示せず)と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示せず)とを備えている。
また、装置本体92の内部には、主に、往復動するヘッドユニット93を備える印刷装置(印刷手段)94と、記録用紙Pを1枚ずつ印刷装置94に送り込む給紙装置(給紙手段)95と、印刷装置94および給紙装置95を制御する制御部(制御手段)96とを有している。
制御部96の制御により、給紙装置95は、記録用紙Pを一枚ずつ間欠送りする。この記録用紙Pは、ヘッドユニット93の下部近傍を通過する。このとき、ヘッドユニット93が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行なわれる。すなわち、ヘッドユニット93の往復動と記録用紙Pの間欠送りとが、印刷における主走査および副走査となって、インクジェット方式の印刷が行なわれる。
印刷装置94は、ヘッドユニット93と、ヘッドユニット93の駆動源となるキャリッジモータ941と、キャリッジモータ941の回転を受けて、ヘッドユニット93を往復動させる往復動機構942とを備えている。
ヘッドユニット93は、その下部に、多数のノズル孔111を備えるヘッド1と、ヘッド1にインクを供給するインクカートリッジ931と、ヘッド1およびインクカートリッジ931を搭載したキャリッジ932とを有している。
なお、インクカートリッジ931として、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したものを用いることにより、フルカラー印刷が可能となる。
往復動機構942は、その両端をフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸943と、キャリッジガイド軸943と平行に延在するタイミングベルト944とを有している。
キャリッジ932は、キャリッジガイド軸943に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト944の一部に固定されている。
キャリッジモータ941の作動により、プーリを介してタイミングベルト944を正逆走行させると、キャリッジガイド軸943に案内されて、ヘッドユニット93が往復動する。そして、この往復動の際に、ヘッド1から適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
給紙装置95は、その駆動源となる給紙モータ951と、給紙モータ951の作動により回転する給紙ローラ952とを有している。
給紙ローラ952は、記録用紙Pの送り経路(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ952aと駆動ローラ952bとで構成され、駆動ローラ952bは給紙モータ951に連結されている。これにより、給紙ローラ952は、トレイ921に設置した多数枚の記録用紙Pを、印刷装置94に向かって1枚ずつ送り込めるようになっている。なお、トレイ921に代えて、記録用紙Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
制御部96は、例えばパーソナルコンピュータやディジタルカメラ等のホストコンピュータから入力された印刷データに基づいて、印刷装置94や給紙装置95等を制御することにより印刷を行うものである。
制御部96は、いずれも図示しないが、主に、各部を制御する制御プログラム等を記憶するメモリ、圧電素子(振動源)14を駆動して、インクの吐出タイミングを制御する圧電素子駆動回路、印刷装置94(キャリッジモータ941)を駆動する駆動回路、給紙装置95(給紙モータ951)を駆動する駆動回路、および、ホストコンピュータからの印刷データを入手する通信回路と、これらに電気的に接続され、各部での各種制御を行うCPUとを備えている。
また、CPUには、例えば、インクカートリッジ931のインク残量、ヘッドユニット93の位置等を検出可能な各種センサ等が、それぞれ電気的に接続されている。
制御部96は、通信回路を介して、印刷データを入手してメモリに格納する。CPUは、この印刷データを処理して、この処理データおよび各種センサからの入力データに基づいて、各駆動回路に駆動信号を出力する。この駆動信号により圧電素子14、印刷装置94および給紙装置95は、それぞれ作動する。これにより、記録用紙Pに印刷が行われる。
(2)インクジェット記録ヘッド
次に、ヘッド1について、図1および図2を参照しつつ詳述する。
ヘッド1は、ノズル板11と、キャビティ板(以下、「インク室基板」という。)12と、振動板13と、振動板13に接合された圧電素子(振動源)14とを備え、これらが基体16に収納されている。なお、このヘッド1は、オンデマンド形のピエゾジェット式ヘッドを構成する。
ノズル板11は、例えば、SiO、SiN、石英ガラスのようなシリコン系材料、Al、Fe、Ni、Cu、Crまたはこれらを含む合金のような金属系材料、アルミナ、酸化鉄のような酸化物系材料、カーボンブラック、グラファイトのような炭素系材料等で構成されている。
このノズル板11には、インク滴を吐出するための多数のノズル孔111が形成されている。これらのノズル孔111間のピッチは、印刷精度に応じて適宜設定される。
ノズル板11には、インク室基板12が固着(固定)されている。
そして、図2に示すように、ノズル板11の液滴吐出側面112と反対側の面に後述するプラズマ重合膜17が形成されている。これにより、インク室基板12のノズル板11との接合面と、ノズル板11のインク室基板12との接合面とに同じプラズマ重合膜17が形成されるので、インク室基板12とノズル板11との接合力を高めることができる。
このインク室基板12は、ノズル板11、隔壁(以下、「側壁」と略す。)122および後述する振動板13により、複数のインク室(圧力室)121と、インクカートリッジ931から供給されるインクを一時的に貯留するリザーバ室123と、リザーバ室123から各インク室121に、それぞれインクを供給する供給口124とが区画形成されている。
各インク室121には、それぞれ短冊状(直方体状)に形成され、各ノズル孔111に対応して配設されている。各インク室121は、後述する振動板13の振動により容積可変であり、この容積変化により、インクを吐出するよう構成されている。
そして、インク室基板12の少なくともインクと接する面、本実施形態ではインク室基板12の表面全体に、後述するプラズマ重合膜17が形成されている。これにより、インク室基板12の構成材料であるシリコン系材料がプラズマ重合膜17で覆われるため、インクとシリコン系材料との接触を確実に防止することができる。
インク室基板12を得るための材料(母材20)としては、例えば、シリコン単結晶基板、各種ガラス基板、各種プラスチック基板等を用いることができる。これらの基板は、いずれも汎用的な基板であるので、これらの基板を用いることにより、ヘッド1の製造コストを低減することができる。
インク室基板12の平均厚さは、特に限定されないが、10〜1000μm程度とするのが好ましく、100〜500μm程度とするのがより好ましい。
また、インク室121の容積も、特に限定されないが、0.1〜100nL程度とするのが好ましく、0.1〜10nL程度とするのがより好ましい。
一方、インク室基板12のノズル板11と反対側には、振動板13が接合され、さらに振動板13のインク室基板12と反対側には、複数の圧電素子14が設けられている。
また、振動板13の所定位置には、振動板13の厚さ方向に貫通して連通孔131が形成されている。この連通孔131を介して、前述したインクカートリッジ931からリザーバ室123に、インクが供給可能となっている。
そして、振動板13の圧電素子14と反対側の面に後述するプラズマ重合膜17が形成されている。これにより、インク室基板12の振動板13との接合面と、振動板13のインク室基板12との接合面とに同じプラズマ重合膜17が形成されるので、インク室基板12と振動板13との接合力を高めることができる。
なお、振動板13は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)、アラミド樹脂などの各種樹脂材料で構成されている。
各圧電素子14は、それぞれ、下部電極142と上部電極141との間に圧電体層143を介挿してなり、各インク室121のほぼ中央部に対応して配設されている。各圧電素子14は、圧電素子駆動回路に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて作動(振動、変形)するよう構成されている。
各圧電素子14は、それぞれ、振動源(アクチュエーター)として機能し、振動板13は、圧電素子14の振動により振動し、インク室121の内部圧力を瞬間的に高めるよう機能する。
基体16は、例えば各種樹脂材料、各種金属材料等で構成されており、この基体16にインク室基板12が固定、支持されている。
このようなヘッド1は、圧電素子駆動回路を介して所定の吐出信号が入力されていない状態、すなわち、圧電素子14の下部電極142と上部電極141との間に電圧が印加されていない状態では、圧電体層143に変形が生じない。このため、振動板13にも変形が生じず、インク室121には容積変化が生じない。したがって、ノズル孔111からインク滴は吐出されない。
一方、圧電素子駆動回路を介して所定の吐出信号が入力された状態、すなわち、圧電素子14の下部電極142と上部電極141との間に一定電圧が印加された状態では、圧電体層143に変形が生じる。これにより、振動板13が大きくたわみ、インク室121の容積変化が生じる。このとき、インク室121内の圧力が瞬間的に高まり、ノズル孔111からインク滴が吐出される。
1回のインクの吐出が終了すると、圧電素子駆動回路は、下部電極142と上部電極141との間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子14は、ほぼ元の形状に戻り、インク室121の容積が増大する。なお、このとき、インクには、後述するインクカートリッジ931からノズル孔111へ向かう圧力(正方向への圧力)が作用している。このため、空気がノズル孔111からインク室121へ入り込むことが防止され、インクの吐出量に見合った量のインクがインクカートリッジ931(リザーバ室123)からインク室121へ供給される。
このようにして、ヘッド1において、印刷させたい位置の圧電素子14に、圧電素子駆動回路を介して吐出信号を順次入力することにより、任意の(所望の)文字や図形等を印刷することができる。
以上のようなヘッド1は、インク室121中のインクがインク室基板12を構成するシリコン系材料に接触しないので、アルカリ性のインクに対して長期間優れた耐性を有する。
さらに、本発明のヘッド1は、インク室121中のインクがインク室基板12を構成するシリコン系材料に接触しないので、高温条件下においても、アルカリ性のインクに対して高い耐性を有する。このような耐性を示す温度条件としては、0〜80℃であることが好ましく、20〜60℃であることが好ましい。
このようなヘッド1は、例えば、次のようにして製造することができる。以下、ヘッド1の製造方法の一例について説明する。
(3)インクジェットヘッドの製造方法
図4〜図7は、それぞれ、図1および図2に示すインクジェット記録ヘッドの製造方法の工程の一例を説明するための図(断面正面図)である。
なお、以下の説明では、図4〜図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本発明のインクジェット記録ヘッド1の製造は、例えば、液状材料を収容する収容室を画成する隔壁122を備え、該隔壁122の少なくとも液状材料が接触する面にプラズマ重合膜17を形成する第1の工程と、インク室基板12の一方の面側にノズル板11を、他方の面側に振動板13を接合して、これらを結合・一体化する第2の工程とを有する。
以下、本発明のインクジェット記録ヘッド1の製造方法を詳細に説明する。
[1]ノズル板
[1−1]ノズル板の作製
まず、図4(a)に示すように、ノズル板11となる母材10を用意する。
次に、図4(b)に示すように、この母材10をエッチングすることにより複数のノズル孔111を有するノズル板11を作製する。
母材10のエッチングには、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、形成されたノズル孔111の内径は、5〜50μmであることが好ましい。
[1−2]プラズマ重合膜の形成
次に、図4(c)に示すように、複数のノズル孔111が形成されたノズル板11の一方の面に、プラズマ重合膜17を形成する。
プラズマ重合膜17の構成材料としては、アルキルポリシロキサン、アリールポリシロキサンなどのオルガノポリシロキサン、アルコキシシランなどのシラン化合物などが挙げられる。このうち、オルガノポリシロキサンが好ましい。これにより、シロキサン結合(Si−O)を骨格とした構造を有するので、ノズル板11の構成材料(シリコンなど)と結合し易く、容易にプラズマ重合膜17を形成することができる。
アルキルポリシロキサンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、シクロアルキルポリシロキサン等が挙げられる。
アリールポリシロキサンとしては、例えば、フェニルポリシロキサン等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、例えば、メトキシシラン、エトキシシラン、ブトキシシランなどが挙げられる。
これらの化合物は、1種または2種以上を用いることができる。
これらの化合物の中でも、アルキルポリシロキサンを用いることが好ましい。アルキルポリシロキサンは高分子化合物であるため、ノズル板11上に高分子膜を形成することができる。また、高分子中にアルキル基を有するため、高分子構造に立体障害が少なく、分子が規則正しく配列した膜を形成することができる。
また、アルキルポリシロキサンの中でも、特にジメチルポリシロキサンが好ましい。ジメチルポリシロキサンは、製造が容易なため、容易に入手することができる。また、反応性が高いため、後述するような酸化処理をプラズマ重合膜17に施したときに、メチル基を簡単に切断することができる。
このような構成材料を用いてプラズマ重合膜17を形成する方法としては、プラズマ重合法、蒸着法、シランカップリング剤による処理、オルガノポリシロキサンを含有する液状材料による処理等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、プラズマ重合法を用いるのが好適である。
プラズマ重合法は、例えば、チャンバ内にノズル板11を設置し、チャンバ内に電界を発生させるとともに、オルガノポリシロキサンをガス状でキャリアガスとともに供給し、発生したプラズマをプラズマ重合によりノズル板11の一方の面全体に成膜する方法である。
このようなプラズマ重合法を用いることにより、オルガノポリシロキサンのプラズマが発生するため、均質かつ均一な膜厚のプラズマ重合膜17を形成することができる。
なお、前記キャリアガス(添加ガス)としては、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素等を用いることができる。
また、プラズマ重合法によりプラズマ重合膜17を形成する場合、その形成条件(成膜条件)は、例えば、次のようにすることができる。
高周波の出力は、100〜1000W程度であるのが好ましい。
成膜時のチャンバ内の圧力は、1×10−4〜1Torr程度であるのが好ましい。
原料ガス流量は、1〜100sccm程度であるのが好ましい。一方、キャリアガス流量は、10〜500sccm程度であるのが好ましい。
処理時間は、1〜10分程度であるのが好ましく、4〜7分程度であるのがより好ましい。
このような条件を適宜設定することにより、所望の平均厚さのプラズマ重合膜17を形成することができる。
このプラズマ重合膜17の平均膜厚Tは、10〜1000nm程度であるのが好ましく、50〜500nm程度であるのがより好ましい。このような厚さであれば、プラズマ重合膜17の表面に最適な量のアルキル基が終端しているため、インクに対する耐性、耐アルカリ性を向上させることができることができる。また、後述する酸化処理、金属アルコキシドとの反応によって、撥液性を有する撥液膜19を形成することができる。
以上の方法により、ノズル板11の一方の面にプラズマ重合膜17が形成されたノズル板11を得ることができる。
[2]振動板
[2−1]導電性材料層、圧電体層の形成
次に、図5(a)に示すように、振動板13上に、複数の圧電素子14を形成するために、下部電極142を形成するための導電性材料層1421と、圧電体層143を形成するための圧電材料層1431と、上部電極141を形成するための導電性材料層1411とを順次積層する。
導電性材料層1411、1421、圧電材料層1431のそれぞれの材料は、各種樹脂化合物、各種高分子化合物、各種金属等が挙げられる。
前記各材料層は、それぞれ、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法等により形成することができる。
[2−2]レジスト層の形成
次に、図5(b)に示すように、圧電素子14を形成する領域に対応した開口部を有するレジスト層(マスク)21を形成する。
レジスト層21は、例えば、フォトリソグラフィー法等により得る(パターニングする)ことができる。
具体的には、導電性材料層1411上に、レジスト材料を塗布(供給)した後、圧電素子14の形状に対応したフォトマスクを介してこのレジスト材料を、i線、紫外線および電子線等により露光・現像することにより得ることができる。
ここで、レジスト材料は、ネジ型およびポジ型のレジスト材料が挙げられる。
また、レジスト材料を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態では、レジスト層21は、レジスト材料を主材料として構成される場合について説明したが、このような場合に限定されず、例えば、レジスト層21は、レジスト層21の下層として金属層を備える積層体であってもよい。
これにより、当該レジスト層21をマスクとして用いて、ドライエッチング法により圧電素子14を形成する際に、導電性材料層1411、1421、圧電材料層1431をエッチング(加工)するのにしたがって、このレジスト層21もエッチングされるのをより好適に防止または抑制して、より寸法精度の優れた圧電素子14を形成することができる。
このような金属層としては、例えば、Al、Cu、Fe、NiおよびCrのうちの少なくとも1種を主材料とするものが挙げられる。
なお、金属層は、導電性材料層1411に酸化膜を形成し、その酸化膜上のほぼ全面に金属膜を形成し、さらにこの金属膜上に前述したような方法でレジスト層21を形成した後、レジスト層21をマスクとして用いて、ウェットエッチング法により、この金属膜をレジスト層21と同様の形状にエッチングすることにより得ることができる。
なお、ウェットエッチング法に用いるエッチング液としては、例えば、NaOH、KOHのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液、Mg(OH)のようなアルカリ土類金属水酸化物の水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系有機溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
[2−3]導電性材料層、圧電体層のエッチング
次に、図5(b)に示すように、導電性材料層1411の上側から、エッチング法を用いて、圧電素子14を形成する。
振動板13に形成された導電性材料層1411、1421、圧電材料層1431のエッチングには、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなマスクを用いたエッチングにより、図5(c)に示すように、圧電素子14が形成される。
[2−4]レジスト層の除去
次に、図5(d)に示すように、圧電素子14上に形成されたレジスト層21を除去する。
除去の方法としては、例えば、大気圧または減圧下において酸素プラズマやオゾン蒸気に晒すこと、または、これらのものを溶解し得るアセトン、アルキルベンゼンスルホン酸のようなレジスト剥離液に浸漬することにより、レジスト層21の全てまたはその一部を液状化することにより行うことができる。
[2−5]プラズマ重合膜の形成
そして、図5(d)に示すように、振動板13の圧電素子14と反対側の面にプラズマ重合膜17を形成する。
プラズマ重合膜17の形成方法、材料などは、前記[1−2]で説明したものと同様である。
[3]第1の工程
まず、インク室基板12となる母材20に、インク室121となる開口部22を形成する。また、母材20の所定位置にリザーバ室123および供給口124となる開口部(図示せず)を形成する。
[3−1]レジスト層形成
図6(a)に示すように、母材20上に、インク室121、リザーバ室123および供給口124を形成する領域に対応した開口部22を有するレジスト層(マスク)21を形成する。
レジスト層21の形成方法、レジスト材料などは、前記[2−2]で説明したものと同様である。
[3−2]母材のエッチング
次に、図6(a)に示すように、母材20の上面側から、エッチング法を用いて、インク室121、リザーバ室123および供給口124を構成する開口部22を形成する。
エッチングは、ドライエッチング法またはウェットエッチング法のいずれを用いてもよいが、ドライエッチング法が好ましい。これにより、化学物質を用いることなく、プラズマによりエッチングを行えるため、簡便かつ確実に母材20をエッチングすることができる。
ドライエッチング法は、例えば、チャンバと、チャンバ内にプラズマ発生用ガスを導入するための第1の導入バルブと、母材20を冷却する冷却媒体ガスを導入するための第2の導入バルブと、チャンバ内に対向するように設けられた一対の電極と、一方の電極側に設置された母材20を冷却媒体ガスが通過可能な連通孔を通じて冷却する冷却板と、母材20を固定するための設置台とを備えたドライエッチング装置を用いて行うことができる。
すなわち、ドライエッチング法は、一方の電極と母材20のレジスト層21と反対側の面とが対向するように母材20を、この電極側に設けられた設置台にセットし、チャンバ内を減圧する。そして、第2の導入バルブから導入した冷却媒体ガスを母材20の下側に吹き付けて前記冷却板および冷却媒体ガスの温度を伝えて冷却し、かつ、第1の導入バルブから導入したプラズマ発生用ガスを一対の電極間に供給した状態で、この電極間に高周波電圧を印加するものである。これにより、電極間の間でプラズマが発生し、これにより生じたイオンや電子がレジスト層21を備える母材20の上面に衝突することによりインク室121、リザーバ室123および供給口124を構成する開口部22を形成する。
このようなドライエッチングは、垂直異方性のドライエッチングであることが好ましい。これにより、プラズマ中の活性ガスであるプラズマイオンが垂直に入射するため、異方性のエッチングが効率良く行われる。
プラズマ発生用ガスとしては、例えば、フッ素系ガス、塩素および臭素のうちの少なくとも1種を含有するハロゲン系ガス等が挙げられるが、本実施形態のように母材20がシリコン単結晶で構成される場合には、SF、C、CBrF、CF/O、Cl、SF/N/Ar、BCl/Cl/Arガスを用いるのが好ましく、特に、SFおよびCガスのうちのいずれかを単独で、またはこれらの混合ガスを用いるのが好ましい。これにより、母材20のエッチングを効率よく行うことができる。
冷却媒体ガスとしては、冷却効率に優れ、プラズマの発生に影響を与えないようなものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素のような不活性ガス等が挙げられ、これらの中でも、ヘリウムを主成分とするのが好ましい。ヘリウムは、特に冷却効果に優れるものであることから冷却媒体ガスとして好適に用いられる。
また、前記冷却板の温度すなわち冷却媒体ガスの温度は、−20〜60℃程度であるのが好ましく、−10〜10℃程度であるのがより好ましい。これにより、母材20を冷却して適切な温度を維持することができるようになる。
以上のようなレジスト層21をマスクとした母材20のエッチングにより、図6(b)に示すように、インク室121、リザーバ室123および供給口124などの側壁122に隣接して開口部22が形成される。
[3−3]レジスト層の除去
次に、図6(c)に示すように、側壁122上に形成されたレジスト層21を除去する。これにより、インク室基板12が得られる。
除去の方法としては、前記[2−4]で説明した方法と同様である。
[3−4]プラズマ重合膜の形成
次に、図6(d)に示すように、得られたインク室基板12の表面全体に、プラズマ重合膜17を形成する。
プラズマ重合膜17の形成方法、材料、膜厚などは、前記[1−2]で説明したものと同様である。
例えば、プラズマ重合法を用いた場合、チャンバ内にインク室基板12を設置し、チャンバ内に電界を発生させるとともに、オルガノポリシロキサンをガス状でキャリアガスとともに供給し、発生したプラズマをプラズマ重合によりインク室基板12の上面、側壁122の側面1221に成膜する。これにより、インク室基板12の上面、側壁122の側面1221にプラズマ重合膜が成膜される。その後、電源の作動を停止するとともに、チャンバ内に設置されたインク室基板12を上下に反転させる。そして、再度電源を作動させ、チャンバ内に電界を発生させることにより、前記と同様にして、プラズマ重合膜17が形成されていない面(プラズマ重合膜17が形成された面と反対側の面)、側壁122の側面1221にプラズマ重合膜17を形成する。
以上の方法により、インク室基板12の表面全体にプラズマ重合膜17が形成されたインク室基板12を得ることができる。
[4]第2の工程
[4−1]インク室基板と振動板との接合
図7(a)に示すように、前記[3]で得られたインク室基板12と、前記[2]で得られた振動板13とを貼り合わせ(接合して)、これらを一体化する。
すなわち、例えば、図6(d)に示すインク室基板12の下側のプラズマ重合膜17と、図5(d)に示す振動板13のプラズマ重合膜17とを接合する。
この接合は、例えば、次のような方法などにより行うことができる。
(a)接合方法1
インク室基板12の振動板13と接合する面のプラズマ重合膜17と、振動板13のプラズマ重合膜17とに対して、後述する酸化処理を施すことにより、それぞれのプラズマ重合膜17をSiO化する。
次に、インク室基板12と振動板13とのSiO化されたプラズマ重合膜17同士を密着する。そして、インク室基板12と振動板13とを密着した状態で、これらの接合面を高周波誘導加熱することにより、インク室基板12と振動板13とを結合・一体化することができる。
高周波誘導加熱の条件は、例えば、次のようにすることができる。
高周波の出力は、100〜1000W程度であるのが好ましい。
加熱温度は、100〜600℃であるのが好ましく、300〜600℃であるのがより好ましい。
処理時間は、1〜5分程度であるのが好ましく、1〜2分程度であるのがより好ましい。
このように、高周波誘導加熱によりインク室基板12と振動板13とを接合することにより、インク室基板12と振動板13との接合面を局所的に加熱することができるので、該接合面以外の部位の熱変質や応力の発生を防止することができる。また、高周波誘導により、インク室基板12と振動板13との接合面は発熱するが、その他の部分、例えば、圧電素子14やコイル、高周波誘導加熱装置などは発熱しないため、接合操作の安全性に特に優れる。
(b)接合方法2
インク室基板12と振動板13との接合面、すなわち、インク室基板12と振動板13のそれぞれのプラズマ重合膜17の少なくとも一方の表面に樹脂層、特に熱可塑性樹脂の層を形成する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素系樹脂、ポリパラキシリレン、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノールのような芳香族系樹脂などの各種樹脂が挙げられる。
前記プラズマ重合膜17への熱可塑性樹脂層の形成は、例えば、前記熱可塑性樹脂を含む溶液または分散液を調製し、該プラズマ重合膜17に塗布(供給)することにより行うことができる。
熱可塑性樹脂を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、例えば、フィルムなどのシートをインク室基板12と振動板13の接合面に挟んでもよい。
次に、熱可塑性樹脂層が形成されたインク室基板12と振動板13とを熱圧着する。そして、当該熱圧着後、インク室基板12と振動板13との接合面を冷却(室温に放置)することにより、インク室基板12と振動板13とを結合・一体化することができる。
この熱処理条件は、特に限定されないが、100〜600℃×1〜24時間程度とするのが好ましく、300〜600℃×6〜12時間程度とするのがより好ましい。
このように、インク室基板12と振動板13との接合面に熱可塑性樹脂を介して熱処理を行うことにより、加熱により熱可塑性樹脂が溶融し、冷却により熱可塑性樹脂が固化するので、簡単にインク室基板12と振動板13とを接合・一体化することができる。
(c)接合方法3
インク室基板12と振動板13のそれぞれのプラズマ重合膜17の少なくとも一方の表面に樹脂層、特に熱可塑性樹脂の層を形成する。
熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂層の形成は、前記(b)で説明したものと同様である。
次に、熱可塑性樹脂層が形成されたインク室基板12と振動板13とを超音波または高周波による溶融接合を行う。すなわち、熱可塑性樹脂層が形成されたインク室基板12と振動板13とを圧着した状態で、インク室基板12と振動板13との接合面に超音波を照射することにより、当該接合面の熱可塑性樹脂層を溶融する。
超音波を照射する時間は、特に限定されないが、1〜10分程度とするのが好ましく、2〜3分程度とするのがより好ましい。
そして、熱可塑性樹脂層の溶融後、インク室基板12と振動板13との接合面を冷却(室温に放置)することにより、インク室基板12と振動板13とを結合・一体化することができる。
このように、超音波または高周波によって、インク室基板12と振動板13の全体を加熱しなくても、インク室基板12と振動板13との接合面の熱可塑性樹脂層が局所的に昇温されて融着するので、当該接合面以外の部位の熱変質や熱膨張による応力の発生を防止することができる。また、超音波や高周波などの局所的な照射により、インク室基板12と振動板13との接合面を融着できるので、インク室基板12と振動板13との接合を簡単かつ短時間に行うことができる。
(d)接合方法4
インク室基板12と振動板13のそれぞれのプラズマ重合膜17の少なくとも一方の表面に樹脂層、すなわち、硬化性樹脂の層を形成する。
硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド系樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタンアクリオレートなどのオリゴマーと、これらのモノマーと、ベンゾフェノンなどの光重合開始剤とを含む光硬化性樹脂などが挙げられる。
前記プラズマ重合膜17への硬化性樹脂層の形成は、前記(b)と同様に行うことができる。
次に、例えば、熱硬化性樹脂層が形成されたインク室基板12と振動板13とを熱圧着する。これにより、インク室基板12と振動板13とを結合・一体化することができる。
この熱処理条件は、前記(b)の接合方法2で説明したものと同様である。
このように、インク室基板12と振動板13との接合面に熱硬化性樹脂を介して熱処理を行うことにより、加熱により熱硬化性樹脂が固化するので、簡単にインク室基板12と振動板13とを接合・一体化することができる。
(e)接合方法5
インク室基板12と振動板13のそれぞれのプラズマ重合膜17の少なくとも一方の表面に樹脂層、例えば、光硬化性樹脂の層を形成する。
前記プラズマ重合膜17への光硬化性樹脂層の形成は、前記(d)と同様に行うことができる。
次に、例えば、光硬化性樹脂層が形成されたインク室基板12と振動板13とを圧着する。そして、インク室基板12と振動板13とを圧着した状態で、インク室基板12と振動板13との接合面(光硬化性樹脂層)に紫外線などの光を照射することにより、インク室基板12と振動板13とを結合・一体化することができる。
光として、例えば、紫外線を照射する場合、その照射条件は、例えば、次のようにすることができる。
紫外線の波長は、400nm以下であればよく、100〜350nm程度であるのが好ましい。
紫外線の強度は、1000〜3000mJ/cm程度であるのが好ましく、1400〜2600mJ/cm程度であるのがより好ましい。
照射時間は、1〜10分程度とするのが好ましく、2〜3分程度とするのがより好ましい。
このように、光硬化性樹脂層に光照射をすることにより、光により光硬化性樹脂が固化するので、簡単にインク室基板12と振動板13とを接合・一体化することができる。
以上の(b)〜(e)の方法のように、樹脂層を介してインク室基板12と、振動板13とを接合する場合、簡単かつ確実にそれらを接合することができ、しかも、高い接合強度を得ることができる。
その他、インク室基板12と振動板13との接合方法は、接着剤などによる各種接着方法、各種融着方法等を用いてもよい。
なお、本実施形態では、インク室基板12に振動板13を先に接合しているが、ノズル板11を先に接合してもよい。
[4−2]インク室基板とノズル板との接合
次に、図7(b)に示すように、前記[1]で得られたプラズマ重合膜17が形成されたノズル板11を、各ノズル孔111が各インク室121となる部分に対応するように、インク室基板12に位置合わせして接合する。
ノズル板11のインク室基板12への接合方法は、前記[4−1]で説明した方法と同様である。
ノズル板11をインク室基板12に接合することにより、複数のインク室121、リザーバ室123および複数の供給口124が画成される。
なお、本実施形態では、振動板13が接合されたインク室基板12にノズル板11を接合しているが、ノズル板11が接合されたインク室基板12に振動板13を接合してもよい。
[5] 最後に、図1に示すように、ノズル板11と、インク室基板12と、振動板13とが結合・一体化されたものを、例えば接着剤による接着等により基体16に取り付ける(固定する)。
以上のような工程を経て、ヘッド1が製造される。
<第2実施形態>
図8および図9は、それぞれ、図1および図2に示すインクジェッヘッドの製造方法の工程の一例を説明するための図(断面正面図)、図10は、本発明のインクジェットヘッド主要部の第2実施形態を示す断面正面図である。
なお、以下の説明では、図8〜図10中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態のインクジェットヘッド、当該インクジェットヘッドの製造方法について、前述した第1実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
(1)インクジェットヘッド
本実施形態のインクジェットヘッド1は、図10に示すように、インク室基板12のノズル板11と振動板13との接合面以外の面に撥液膜19を形成している点で第1実施形態と相違する。
すなわち、本実施形態では、インク室基板12の側壁122の側面1221(インク室121側の面)のプラズマ重合膜17に撥液膜19が形成されている。
このような面に撥液膜19を形成することにより、インク室121の壁面が撥液性を有するので、インク室121中のインクがインク室基板12を構成するシリコン系材料と接触することをより確実に防止することができる。
また、インク室基板12のノズル板11と振動板13との接合面に撥液膜19が形成されていないことにより、インク室基板12のプラズマ重合膜17と、ノズル板11および振動板13のそれぞれのプラズマ重合膜17とを接合するので、簡単かつ迅速にそれらを接合・一体化することができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド1は、図10に示すように、ノズル板11の液滴吐出側面112に撥液膜19を形成している点で第1実施形態と相違する。
すなわち、本実施形態では、ノズル板11の液滴吐出側面112にプラズマ重合膜17を介して撥液膜19が形成されている。
このように液滴吐出側面112に撥液膜19が形成されることにより、当該液滴吐出側面112が撥液性を有するため、吐出されたインクがノズル板11の液滴吐出側面112に付着することを防止することができる。
(2)インクジェットヘッドの製造方法
本実施形態のインクジェットヘッド1の製造方法は、第1の工程の後、第2の工程の前に、プラズマ重合膜17の表面に酸化処理を施すとともに、酸化処理が施された部位に撥液膜19を形成する工程を有する点で第1実施形態と相違する。
以下、本実施形態のインクジェットヘッド1の製造方法を詳細に説明する。
[1]ノズル板
[1−1]プラズマ重合膜の形成
図8(a)に示すように、第1実施形態の[1]で得られたノズル板11(図4(c))のプラズマ重合膜17が形成されていない面(液滴吐出側の面112)にも、プラズマ重合膜17を形成する。
[1−2]プラズマ重合膜の酸化処理工程
次に、図8(b)に示すように、ノズル板11の液滴吐出側の面112に形成されたプラズマ重合膜17に酸化処理を施す。
以下の説明では、プラズマ重合膜17に、例えば、アルキルポリシロキサンを用いた場合を代表して説明する。
本実施形態においては、後述するように、ノズル板11の液滴吐出側面112のプラズマ重合膜17に金属アルコキシド191を反応させて撥液膜19を形成する。しかし、プラズマ重合膜17の表面は、アルキル基で終端している。そのため、プラズマ重合膜17と金属アルコキシド191とを反応させて撥液膜19を形成することは困難である。そこで、プラズマ重合膜17と金属アルコキシド191を反応し易くするために、プラズマ重合膜17の撥液処理を施したい部分に酸化処理を施す。この酸化処理により、プラズマ重合膜17の表面に終端しているアルキル基がSi原子から切断され、そのSi原子に酸素原子が導入される(SiO化処理)。
このような酸化処理は、例えば、エネルギー線を照射する方法により行われる。これにより、エネルギー線が照射される領域にのみ酸化処理を施すことができるので、SiO化を効率的に行うことができる。
エネルギー線としては、例えば、紫外線、プラズマなどが挙げられる。このうち、紫外線が好ましい。紫外線を用いることで、大型な装置を必要とすることがないため、簡易に所望の酸化処理を行うことができる。また、プラズマ照射とは異なり、紫外線を照射するだけで酸化処理を行えるので、プラズマによる反応生成物などの発生もなく、純度よく酸化処理を行うことができる。
このような酸化処理を、例えば、紫外線照射、プラズマ照射で行う場合、その処理条件は次に示すように設定することができる。
A:酸化処理として紫外線照射を用いる場合
紫外線の波長は、特に限定されないが、400nm以下であればよく、100〜350nm程度であるのが好ましい。
紫外線の強度は、1000〜3000mJ/cm程度であるのが好ましく、1400〜2600mJ/cm程度であるのがより好ましい。
なお、紫外線照射の雰囲気は、大気中または減圧状態のいずれであってもよいが、大気中とするのが好ましい。これにより、アルキル基とSiとが切断されるのとほぼ同時に、大気中に存在する酸素分子から酸素原子が効率よく導入されるため、ポリオルガノシロキサンをより迅速にSiOに変化させることができる。
また、紫外線の照射時間は、1〜10分程度であるのが好ましく、3〜7分程度であるのがより好ましい。
B:酸化処理としてプラズマ照射を用いる場合
プラズマを発生させるガス種としては、例えば、酸素ガス、窒素ガス、不活性ガス(アルゴンガス、ヘリウムガス等)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
高周波の出力は、100〜700W程度であるのが好ましく、300〜500W程度であるのがより好ましい。
ガスの流量は、10〜500sccm程度であるのが好ましく、100〜300sccm程度であるのがより好ましい。
なお、プラズマ照射を行う雰囲気は、大気中または減圧状態のいずれであってもよいが、大気中とするのが好ましい。これにより、アルキル基とSiとの結合が切断されるのとほぼ同時に、大気中に存在する酸素分子から酸素原子が効率よく導入されるため、ポリオルガノシロキサンをより迅速にSiOに変化させることができる。
特に、プラズマ照射には、プラズマを発生するガス種として、酸素ガスを含むガスを用いる酸素プラズマ照射を用いるのが好適である。酸素プラズマ照射によれば、酸素プラズマがアルキル基とSiとの結合を切断するとともに、Siと酸素原子との結合に利用されるため、ポリオルガノシロキサンをより確実にSiOに変化させることができる。
以上のようにSiO化されたプラズマ重合膜17を大気に晒すことで、大気中(空気中)の水素原子がSi原子に導入された酸素原子に結合する。そして、プラズマ重合膜17の表面が水酸基で終端する。
[1−3]撥液膜の形成工程
ノズル板11の液滴吐出側面112にインクが付着することを防止するため、図8(c)に示すように、酸化処理が施された液滴吐出側面112のプラズマ重合膜17の表面に金属アルコキシド191を反応させて撥液膜19を形成する。
ここで、プラズマ重合膜17と金属アルコキシド191とは、次のような機構で反応している。すなわち、プラズマ重合膜17は、前述したように、その表面は酸化処理によりSiO化され、水酸基で終端している。このプラズマ重合膜の表面(水酸基)に金属アルコキシド191を接触させると、当該水酸基と金属アルコキシド191のアルコキシル基が反応し、金属アルコキシド191のシラノール基(Si−O−)とプラズマ重合膜17の表面が結合(シロキサン結合)する。これにより、金属アルコキシド191で構成される撥液膜19が形成される。
ここで、撥液膜形成に用いられる金属アルコキシド191は、下記一般式(1)
M(OR)4−n ……式(1)
(但し、Xは撥液性を示す官能基、Mは金属、Rはアルキル基、nは1〜3の整数である。)
で表される化合物である。
一般式(1)中のXは、例えば、フルオロアルキル基、アルキル基、ビニル基等の撥液性を示す官能基が挙げられる。中でも、フルオロアルキル基が好ましい。これにより、表面自由エネルギーが小さくなるため、撥液膜19の撥液性を向上させることができるとともに、耐薬品性、耐候性、耐摩擦性などの特性も向上させることができる。
なお、Xの重量平均分子量は、200〜4000程度であるのが好ましく、1000〜2000程度であるのがより好ましい。
一般式(1)中のMは、例えば、Ti、Li、Si、Na、K、Mg、Ca、St、Ba、Al、In、Ge、Bi、Fe、Cu、Y、Zr、Ta等の金属が挙げられる。これらの中でも、Si、Ti、Al、Zr等がより好ましい。
一般式(1)中のRは、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、プロピル基、ペンチル基などが挙げられる。
このような一般式(1)で表される金属アルコキシド191は、Xがフルオロアルキル基で、MがSiであること(シラン系カップリング剤)が特に好ましい。このような化合物であることにより、Xがフルオロアルキル基であるため、前述したように撥液性に優れるとともに、MがSiでるため、安価に入手することができる。
なお、フロオロアルキル基のアルキル基は、前述したRと同様なものが挙げられるが、炭素数が長い基であることが好ましい。これにより、より脂溶性が高くなるので、撥液性を持続、向上させることができる。
このような一般式(1)で表される金属アルコキシド191の具体例としては、例えば、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
なお、一般式(1)で表される金属アルコキシド191において、nが1または2のものを用いた場合には、該化合物中で隣接するシラノール基同士の間でもシロキサン結合を形成することができるため、形成される撥液膜19の密着性を向上させることができる。
このような金属アルコキシド191をプラズマ重合膜17の表面に反応させて撥液膜19を形成する方法は、液相プロセスや気相プロセスのような各種プロセスを用いて行うことができる。中でも、液相プロセスを用いて行うのが好ましい。液相プロセスを用いれば、金属アルコキシド191溶液を調製する工程と、プラズマ重合膜17の表面に金属アルコキシド191溶液を供給する工程という比較的簡単な工程により、撥液膜19を形成することができる。
液相プロセスとして具体的には、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
撥液膜19を液相プロセス(塗布法)を用いて形成する場合は、例えば、次のようにして撥液膜19を形成することができる。
まず、金属アルコキシド191溶液を調製する。
金属アルコキシド191を溶解する溶媒としては、各種のものが用いられるが、例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼンのような芳香族炭化水素系溶媒を用いることができる。
また、金属アルコキシド191の濃度は、0.01〜0.5wt%程度であるのが好ましく、0.1〜0.3wt%程度であるのがより好ましい。
次に、上述した塗布法により、金属アルコキシド191溶液をプラズマ重合膜17の表面に供給する。
この場合、プラズマ重合膜17の表面と金属アルコキシド191との反応性を上げるために加熱を行ってもよい。加熱を行う場合、その温度は、50〜200℃程度であるのが好ましく、80〜150℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、1〜50分程度であるのが好ましく、5〜20分程度であるのがより好ましい。
以上のような方法により、図8(c)に示すように、プラズマ重合膜17の上側の面の全面に、金属アルコキシド191が結合し、金属アルコキシド191がノズル板11の液滴吐出側で露出する撥液膜19が形成される。
[2]インク室基板
[2−1]レジスト層の形成
図9(a)に示すように、第1実施形態の[3]第1の工程で得られたインク室基板12(図6(d))の上面と下面とにレジスト層21を形成する。
[2−2]プラズマ重合膜の酸化処理工程
次に、図9(b)に示すように、インク室基板12のレズスト層21を形成していないプラズマ重合膜17の表面、すなわち、側壁122の側面1221側のプラズマ重合膜17に、インク室基板12の上面側と下面側とから酸化処理を施す。
これにより、レジスト層21が形成されていない、側壁122の側面1221側のプラズマ重合膜17がSiO化される。
なお、酸化処理の原理、方法、条件などは前記[1−2]で説明したものと同様である。
[2−3]撥液膜の形成工程
図9(c)に示すように、[2−2]で酸化処理が施されたプラズマ重合膜17の表面に金属アルコキシド191を反応させて撥液膜19を形成する。
撥液膜19形成の原理、方法、材料、撥液膜19の膜厚などは前記[1−3]で説明したものと同様である。
[2−4]レジスト層の除去
次に、図9(d)に示すように、インク室基板12の上面と下面とに形成されたレジスト層21を除去する。
以上のような方法により、図9(d)に示すように、インク室基板12の側壁122の側面1221のプラズマ重合膜17に撥液膜19が形成される。
[3]第2の工程
[3−1]インク室基板とノズル板との接合
図10に示すように、撥液膜19が形成されたノズル板11のプラズマ重合膜17側の面を、各ノズル孔111が各インク室121となる部分に対応するように、インク室基板12(図7(a))のプラズマ重合膜17に位置合わせして接合する。
ノズル板11がこのように接合されることにより、液滴吐出側面112に撥液膜19が形成されているので、ヘッド1からインクを吐出したときにノズル板11の液滴吐出側面112にインクが付着することを好適に防止することができる。
以上のような工程を経て、図10に示すようなヘッド1が製造される。
以上、本発明の液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出装置を図示の実施形態(インクジェットヘッド)に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の液滴吐出ヘッドは、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴出ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴出ヘッドなどが挙げられる。
また、液状材材料は、インクに限らず、電極材料、生体有機物などが挙げられる。
また、アクチュエーターは、前記各実施形態では圧電素子を用いて説明したが、これに限定されず、エネルギーを動力に変える各種装置を用いてもよい。
また、インク室基板に形成されるプラズマ重合膜は、少なくとも液状材料が接触する面に形成されていればよい。
また、第1実施形態では、ノズル板のインク室基板側の面と、振動板のインク室基板側の面との両方にプイラズマ重合膜が形成されていたが、それらのいずれか一方にプラズマ重合膜が形成されていても、それらのいずれにもプラズマ重合膜が形成されていなくてもよい。
酸化処理は、紫外線照射とプラズマ照射を組み合わせて用いてもよい。
プラズマ重合膜は、ノズル孔の内壁面にも形成されることがある。そのため、当該面やプラズマ重合膜のノズル孔の内壁面に連続する面においても酸化処理が施されることがある。その結果、それらの面においても撥液膜が形成されることがある。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.インクジェット記録ヘッドの製造
(実施例1)
<1> まず、ステンレス鋼(SUS201)製の基板を用意し、ビームエッチング法により基板をエッチングして、複数のノズル孔を備えるノズル板を形成した。
次に、ノズル孔が形成されたノズル板を成膜装置のチャンバ内に設置した。そして、チャンバ内を3Paに減圧し、アルゴンガスを50sccmの流量でチャンバ内に供給し、高周波電源により500Wの電力を印加してアルゴンプラズマを発生させた。
一方、ジメチルポリシロキサンをヒーターにより加熱気化し、50sccmの流量でチャンバ内に供給した。
チャンバ内に供給されたジメチルポリシロキサンとアルゴンプラズマとを約5分反応させ、ノズル板の液滴吐出側の面にプラズマ重合膜を膜厚500nmで成膜した。
なお、ノズル孔の内壁にもプラズマ重合膜が成膜された。
<2> 振動板上に導電性材料層と、圧電材料層と、導電性材料層とを、工程<1>と同様にして行い、成膜装置により順次積層した。その後、ドライエッチング法によりエッチングすることにより、圧電素子を備える振動板を形成した。
次に、該振動板の圧電素子と反対側の面に、工程<1>と同様にして行い、膜厚500nmのプラズマ重合膜を成膜した。
<3> 面方位(110)のシリコン単結晶基板上に、インク室、リザーバ室および供給口を形成する領域に対応した開口部を有するレジスト層をフォトリソグラフィー法により形成した後、ドライエッチング法により基板をエッチングすることにより、インク室、リザーバ室および供給口に対応した開口部を形成した。
そして、開口部が形成された基板を大気圧下において酸素プラズマに晒すことでレジスト層を除去し、インク室基板を得た。
次に、工程<1>と同様にして、該インク室基板の表面全体に、膜厚500nmのプラズマ重合膜を成膜した。
<4> インク室基板と振動板とを接合するそれぞれの面のプラズマ重合膜に、174nmの紫外線を2000mJ/cmの強度で5分間照射した。これにより、当該プラズマ重合膜は酸化処理(SiO化)された。
そして、当該インク室基板と振動板のSiO化されたプラズマ重合膜同士を密着し、400℃で5分間、高周波誘導加熱処理を行った。なお、高周波の出力は100Wである。これにより、インク室基板と振動板とを接合・一体化させた。
<5> 振動板と一体化したインク室基板に、ノズル板を工程<4>と同様の方法により接合・一体化させた。
<6> 基体が備える凹部に、ノズル板と、振動板とを接合・一体化させたインク室基板を収納した状態で、凹部の外周部に形成された段差によりノズル板の縁部を支持した。
<7> エポキシ系接着剤(スリーボンド2000シリーズ、「スリーボンド社製」)を介した状態で、ノズル板と基体の縁部との双方をカバー部材により覆うことにより、カバー部材でノズル板と基体とを固定した。
以上の工程により、図1に示すインクジェット記録ヘッドを作製した。
(実施例2)
<1> 実施例1の工程<1>で得られたノズル板のプラズマ重合膜が形成されていない液滴吐出側の面にも、実施例1と同様にして、プラズマ重合膜を成膜した。
次に、その液滴吐出側の面のプラズマ重合膜に、実施例1の工程<4>と同様にして、酸化処理を行った。
次に、フルオロアルキル基を含む官能基を備えるシラン系カップリング剤(信越シリコーン社製、「KY−130」)を、0.1wt%となるようにFRシンナー(信越シリコーン社製)に溶解した。この溶液を酸化処理を施したプラズマ重合膜の表面にスピンコート法により供給し、撥液膜を得た。そして、当該撥液膜を100℃×15分の条件で加熱・乾燥することにより、この撥液膜に撥液性を付与した。
<2> 実施例1の工程<2>と同様にして行い、圧電素子を備える振動板を形成した。
<3> 実施例1の工程<3>で得られたインク室基板上に、インク室、リザーバ室および供給口を形成する領域に対応した開口部を有するレジスト層をフォトリソグラフィー法により形成した後、工程<1>と同様にして酸化処理、撥液膜の形成を行った。
そして、撥液膜が形成された基板を大気圧下において酸素プラズマに晒すことでレジスト層を除去し、撥液膜を有するインク室基板を得た。
<4> 実施例1の工程<4>と同様にして行い、インク室基板と振動板とを接合・一体化させた。
<5> 実施例1の工程<5>と同様にして行い、振動板と一体化したインク室基板に、ノズル板を接合・一体化させた。
<6> 実施例1の工程<6>と同様にして行い、基体が備える凹部の外周部に形成された段差にノズル板の縁部を支持した。
<7> 実施例1の工程<7>と同様にして行い、ノズル板と基体とを固定した。
以上の工程により、図10に示すインクジェット記録ヘッドを作製した。
(比較例1)
<1> 実施例1の工程<1>において、プラズマ重合膜を形成しない以外は、実施例1と同様に行い、ノズル板を得た。
<2> 実施例1の工程<2>において、プラズマ重合膜を形成しない以外は、実施例1と同様に行い、振動板を得た。
<3> 実施例1の工程<3>において、プラズマ重合膜を形成しない以外は、実施例1と同様に行い、インク室基板を得た。
<4> インク室基板と振動板とを接合するそれぞれの面に、接着剤を貼付してインク室基板と振動板とを接合・一体化させた。
<5> 振動板と一体化したインク室基板に、ノズル板を工程<4>と同様の方法により接合・一体化させた。
<6> 実施例1の工程<6>と同様に行い、基体が備える凹部の外周部に形成された段差にノズル板の縁部を支持した。
<7> 実施例1の工程<7>と同様にして行い、ノズル板と基体とを固定した。
以上の工程により、プラズマ重合膜が形成されていない従来のインクジェット記録ヘッドを作製した。
2.評価
各実施例で得られたインクジェット記録ヘッドに対して、それぞれ、以下に示す耐久試験を実施した。
各実施例で得られたインクジェット記録ヘッドにインクを充填し、一定期間保存した後、インクを除去し、当該インクジェット記録ヘッドの重量を測定した。
なお、ヘッドにインクを充填した際の各条件は、以下に示す通りである。
・インクA :pH:12
・インクB :pH:8
・インクC :pH:10
・ヘッドの保存温度:65℃、80℃
・ヘッドの保存期間:0日〜21日
そして、インク充填前のインクジェット記録ヘッドの重量と、保存後のインクジェット記録ヘッドの重量の経時的な重量変化を評価した。
保存温度65℃における耐久試験の結果を表1および図11に、保存温度80℃における耐久試験の結果を表2、図12に示す。
Figure 2008105334
Figure 2008105334
表1および図11に示すように、いずれの実施例においても、65℃で21日保存してもインクジェット記録ヘッドの重量は一定であった。
これに対し、比較例1のインクジェット記録ヘッドでは、いずれのインクを用いた場合でも徐々にシリコン系材料が侵食され、重量が減少することがわかった。
また、表2および図12に示すように、いずれの実施例においても、80℃という高温状態で3日間保存してもインクジェット記録ヘッドの重量は一定であることが確認された。
これに対し、比較例1のインクジェット記録ヘッドでは、65℃保存よりも急速にシリコン系材料が侵食され、ヘッドの重量が減少することがわかった。
このように、本発明のインクジェット記録ヘッドはインク室基板のインクと接する面にプラズマ重合膜または撥液膜が形成されているため、高温状態においても、アルカリ性に対して耐性があることが確認された。
インクジェットヘッドの実施形態を示す分解斜視図である。 インクジェットヘッドの主要部の構成を示す断面正面図である。 インクジェットプリンタの実施形態を示す概略斜視図である。 ノズル板の製造方法の工程例を説明するための図である。 振動板の製造方法の工程例を説明するための図である。 インク室基板の製造方法の工程例を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法の工程例を説明するための図である。 ノズル板の第2実施形態の製造方法の工程例を説明するための図である。 インク室基板の第2実施形態の製造方法の工程例を説明するための図である。 インクジェットヘッドの主要部の第2実施形態の構成を示す断面正面図である。 65℃における耐久試験の経時変化を示す図である。横軸が保存日数、縦軸が重量(g)を示す。 80℃における耐久試験の経時変化を示す図である。横軸が保存日数、縦軸が重量(g)を示す。
符号の説明
1……インクジェット記録ヘッド 11……ノズル板 111……ノズル孔 112……液滴吐出側面 12……インク室基板(キャビティ板) 121……インク室 122……側壁(隔壁) 1221……側面 123……リザーバ室 124……供給口 13……振動板 131……連通孔 14……圧電素子 141……上部電極 1411……導電性材料層 142……下部電極 1421……導電性材料層 143……圧電体層 1431……圧電材料層 16……基体 17……プラズマ重合膜 19……撥液膜 191……金属アルコキシド 10、20……母材 21……レジスト層 22……開口部 9……インクジェットプリンタ 92……装置本体 921……トレイ 922……排紙口 93……ヘッドユニット 931……インクカートリッジ 932……キャリッジ 94……印刷装置 941……キャリッジモータ 942……往復動機構 943……キャリッジガイド軸 944……タイミングベルト 95……給紙装置 951……給紙モータ 952……給紙ローラ 952a……従動ローラ 952b……駆動ローラ 96……制御部 97……操作パネル P……記録用紙

Claims (14)

  1. 液滴を吐出するノズル孔を備えたノズル板と、
    アクチュエーターによって振動される振動板と、
    前記ノズル板と前記振動板との間に配置され、液状材料を収容する収容室を画成する隔壁を備えたキャビティ板とを有する液滴吐出ヘッドであって、
    前記隔壁の少なくとも前記液状材料が接触する面にプラズマ重合膜が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記プラズマ重合膜は、前記キャビティ板の表面全体に形成されている請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記ノズル板の前記キャビティ板側の面と、前記振動板の前記キャビティ板側の面の少なくとも一方に、プラズマ重合膜が形成されている請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記キャビティ板および前記ノズル板と、前記キャビティ板および前記振動板とが、それぞれ樹脂層を介して接合されている請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記プラズマ重合膜は、オルガノポリシロキサンで構成されるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記プラズマ重合膜の表面の少なくとも一部に、撥液膜が形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記撥液膜は、金属アルコキシドで構成されるものである請求項6に記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 液滴を吐出するノズル孔を備えたノズル板と、
    アクチュエーターによって振動される振動板と、
    前記ノズル板と前記振動板との間に配置され、液状材料を収容する収容室を画成する隔壁を備えたキャビティ板と、を有する液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記隔壁の少なくとも前記液状材料が接触する面にプラズマ重合膜を形成する工程を有し、
    前記プラズマ重合膜が形成された前記キャビティ板の一方の面側に前記ノズル板が配置され、他方の面側に前記振動板が配置されてなることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記プラズマ重合膜を形成する工程の後、前記プラズマ重合膜の表面の少なくとも一部に酸化処理を施すとともに、前記酸化処理が施された部位に撥液膜を形成する工程を有する請求項8に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記プラズマ重合膜は、前記キャビティ板の表面全体に形成されている請求項8または9に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記ノズル板の前記キャビティ板側の面と、前記振動板の前記キャビティ板側の面とのそれぞれに、プラズマ重合膜が形成されている請求項8ないし10のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記ノズル板の前記プラズマ重合膜が形成された面と、前記振動板の前記プラズマ重合膜が形成された面とを、前記キャビティ板の前記プラズマ重合膜が形成された面に、接合する請求項11に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記ノズル板の前記プラズマ重合膜が形成された面と、前記振動板の前記プラズマ重合膜が形成された面とを、前記キャビティ板の前記プラズマ重合膜が形成された面に、樹脂層を介して接合する請求項11に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  14. 請求項1ないし7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする液滴吐出装置。
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