発明の望ましい形態を以下に例示する。
本発明において、異常特定部は、駆動回路に入力される電源電圧と、駆動回路に駆動指示が与えられている期間又は与えられていない期間における駆動回路からリレーへ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分が駆動回路であるか駆動回路以外の部分であるかを特定する構成であってもよい。
このように、駆動回路に入力される電源電圧と、駆動指示が与えられている期間又は与えられていない期間における駆動回路からリレーへ与えられる出力とを把握すれば、駆動回路に異常が生じている可能性が高いのか、そうでないのかを正確に判断しやすくなる。
例えば、駆動回路に入力される電源電圧の状態が正常であるのに、駆動指示が与えられている期間において駆動回路からリレーへ正常な出力がなされない場合、駆動回路にオープン故障が生じている可能性が高く、異常が生じている部分が駆動回路である可能性が高いといえる。或いは、駆動回路に入力される電源電圧の状態が正常であり駆動指示が与えられていない期間に駆動回路からリレーへ駆動出力がなされている場合、駆動回路にショート故障が生じている可能性が高く、異常が生じている部分が駆動回路である可能性が高いといえる。このように、駆動回路に入力される電源電圧と、駆動指示が与えられている期間又は与えられていない期間における駆動回路からリレーへ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分が駆動回路であるか駆動回路以外の部分であるかを判断すれば、異常が生じている部分をより正確に絞り込むことができる。
本発明において、異常特定部は、駆動指示が与えられている期間にリレーへ与えられる電流及び電圧の少なくともいずれかが閾値を超えているか否かを判断し、閾値を超えているか否かの判断結果と、充放電経路の電圧とに基づいて、異常が生じている部分がリレーであるか否かを判断する。
駆動指示が与えられている期間にリレーへ与えられる電流及び電圧の少なくともいずれかが閾値を超えている場合、リレーに対して駆動電流が正常に与えられている可能性が高い。一方、リレーが正常であれば、リレーの動作及び非動作は充放電路の電圧に反映されやすい。よって、上記判断結果と充放電経路の電圧とを評価すれば、異常が生じている部分がリレーであるか否かをより正確に判断することができる。
本発明において、異常特定部は、駆動回路に入力される電源電圧に基づいて、異常が生じている部分が電源電圧を入力する回路であるか否かを判断する構成であってもよい。
駆動回路に入力される電源電圧が正常な状態でない場合、電源電圧を入力する回路に異常が生じている可能性が高い。よって、駆動回路に入力される電源電圧を評価すれば、異常が生じている部分が駆動回路そのものであるのか、電源電圧を入力するまでの回路部分にあるのかを区別することができる。
本発明において、蓄電部に接続された充放電経路には、蓄電部と並列に蓄電部よりも容量の小さいコンデンサが接続されていてもよい。そして、異常特定部は、制御部から駆動回路に対してリレーをオフ状態に設定する指示がなされている期間に充放電回路によって充電動作又は放電動作がなされた場合に、充電動作中又は放電動作中に充放電経路の電圧が所定の電位差を超えて変動したか否かを判定し、充放電経路の電圧が所定の電位差を超えて変動したか否かの判定結果と、駆動回路に入力される電源電圧と、駆動回路からリレーへ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分を特定する構成であってもよい。
蓄電部よりも容量が小さいコンデンサが蓄電部と並列に接続されている構成では、制御部から駆動回路に対してリレーをオフ状態に設定する指示がなされた場合、リレーがオフ状態に正常に切り替わった場合と、リレーがオン状態のままである場合(リレーが正常に切り替わっていない場合)とでは、充電動作又は放電動作に伴う充放電経路での電圧の変化度合いが異なる。つまり、リレーがオフ状態に正常に切り替わった場合、充放電経路に接続される蓄電部及びコンデンサのうち、容量の小さいコンデンサのみの充放電が行われるため、充電動作中又は放電動作中に充放電経路では相対的に短い時間で大きな電圧変化が生じる。逆に、リレーがオン状態のままである場合(リレーが正常に切り替わっていない場合)、充放電経路に接続される蓄電部及びコンデンサの両方に対して充放電が行われるため、充電動作中又は放電動作中に短時間で大きな電圧変動が生じにくくなる。
よって、制御部から駆動回路に対してリレーをオフ状態に設定する指示がなされている期間に充放電回路によって充電動作又は放電動作がなされた場合において、充放電経路の電圧が所定の電位差を超えて変動したか否かの判定結果と、駆動回路に入力される電源電圧と、駆動回路からリレーへ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分を特定すれば、異常が生じている部分をより具体的に絞り込みやすくなる。
例えば、電源電圧を評価すれば、電源電圧を入力するまでの回路部分に異常が生じているか否かを判断することができる。また、駆動回路に入力される電源電圧と、駆動回路からリレーへ与えられる出力とを評価すれば、駆動回路に異常が生じているか否かを判断することができる。更に、電源電圧及び駆動回路に異常が生じていない場合において、充電動作中又は放電動作中に充放電経路の電圧が所定の電位差を超えて変動しなかった場合、駆動回路が正常に動作しているものの、リレーによる切り離しが正常になされていない可能性が高いといえる。よって、リレーの経路が正常に動作しているか否かの判断も可能となる。
本発明において、リレーは、第1の導電路に第1の駆動電流が流れることに応じてセット状態を保持し、第2の導電路に第2の駆動電流が流れることに応じてリセット状態を保持するラッチリレーであってもよい。駆動回路は、駆動指示として第1の駆動指示が与えられた場合にリレーに対して第1の駆動電流を流し、駆動指示として第2の駆動指示が与えられた場合にリレーに対して第2の駆動電流を流す構成であってもよい。制御部は、駆動回路に与える第1の駆動指示及び第2の駆動指示を制御する構成であってもよい。異常特定部は、電源電圧と、少なくとも制御部によって第1の駆動指示が与えられた期間に駆動回路からリレーへ与えられる出力と、充放電経路の電圧とに基づいて、セット状態を保持するべき駆動時に異常が生じている部分を特定し、少なくとも制御部によって第2の駆動指示が与えられた期間に駆動回路からリレーへ与えられる出力と、充放電経路の電圧とに基づいて、リセット状態を保持するべき駆動時に異常が生じている部分を特定する構成であってもよい。
この構成によれば、ラッチリレーをセット状態に保持するべき駆動時に異常が生じる場合の異常個所、及びラッチリレーをリセット状態に保持するべき駆動時に異常が生じる場合の異常個所を、具体的に絞り込むことができる。つまり、ラッチリレーをどのように動作させるときに、どの部分に異常が生じるのかを特定することができ、異常診断をより一層具体化することができる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1は、実施例1に係る充放電装置1を用いた車載用の充放電システム100を例示するブロック図である。図1で示す充放電システム100は、例えば、1次電源120等から供給される電力を変換して蓄電池104に蓄積し、蓄積した電力にて図示しない負荷を駆動するシステムとして構成される。
充放電システム100は、入力側の導電路15に1次電源120が接続され、出力側の導電路16には、2次電源としての蓄電池104が接続されている。1次電源120は、例えば鉛バッテリなどの蓄電池として構成されている。2次電源に相当する蓄電池104は、蓄電部の一例に相当する。蓄電池104は、充放電回路4から供給される電力を蓄積し得る構成であればよく、例えば、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、その他のキャパシタ等を用いることができる。
入力側の導電路15は、1次電源120の高電位側の端子に導通するとともに、1次電源120から所定の直流電圧が印加される構成をなす。なお、入力側の導電路15には、オルタネータ等の図示しない電気部品が接続されている。
出力側の導電路16は、蓄電池104の高電位側の端子に導通するとともに、蓄電池104から所定の直流電圧が印加される構成をなす。なお、出力側の導電路16には、スタータなどの図示しない負荷が接続されている。
ラッチリレー110は、リレーの一例に相当し、蓄電池104とグランドとの間において蓄電池104と直列に接続されている。ラッチリレー110は、蓄電池104に対する充放電を許可するオン状態と許可しないオフ状態とに切り替わり、リレー駆動回路8から駆動電流が与えられることに応じてオフ状態とオン状態とが切り替わる構成をなす。具体的には、ラッチリレー110は、例えば、2巻線式のラッチングリレーとして構成され、第1の導電路51を介して第1コイル114に第1の駆動電流が流れることに応じてセット状態を保持する。このセット状態では、第1コイル114に流れる第1の駆動電流が停止した後でもラッチリレー110がオン状態で維持され、蓄電池104とグランドの間の導電路17を導通状態で維持し、蓄電池104の負側端子がグランド電位に保たれる。また、ラッチリレー110は、第2の導電路52を介して第2コイル112に第2の駆動電流が流れることに応じてリセット状態を保持する。このリセット状態では、第2コイル112に流れる第2の駆動電流が停止した後でもラッチリレー110がオフ状態で維持され、蓄電池104とグランドの間の導電路17を非導通状態で維持し、蓄電池104の負側端子がオープン状態となる。
充放電装置1は、例えば、車載用のDCDCコンバータシステムとして構成されており、入力側の導電路15に印加された直流電圧を降圧又は昇圧して出力側の導電路16に出力する構成をなす。
充放電回路4は、ラッチリレー110を備えた回路部分(蓄電池104とラッチリレー110とが直列に接続された回路部分)に接続され、制御回路7を介してなされる制御部6からの充電指示に応じて蓄電池104を充電する充電動作を行い、放電指示に応じて蓄電池104を放電させる放電動作を行う。この充放電回路4は、公知の昇降圧DCDCコンバータ回路として構成され、制御回路7から入力されたパルス信号(PWM信号)によってスイッチング素子のオン/オフを繰り返し行うことにより昇圧動作又は降圧動作を行う。降圧モードでは、入力側の導電路15に印加された直流電圧を降圧し、制御回路7から出力されるPWM信号のデューティ比に対応する電圧を出力側の導電路16に出力する。昇圧モードでは、入力側の導電路15に印加された直流電圧を昇圧し、制御回路7から出力されるPWM信号のデューティ比に対応する電圧を出力側の導電路16に出力する。なお、充放電回路4は、例えば、昇降圧チョッパ方式の周知の昇降圧回路であってもよく、Cukコンバータ、SEPIC、4スイッチコンバータ等であってもよい。
制御部6は、充放電回路4へ与える充電指示及び放電指示と、リレー駆動回路8に与える駆動指示とを制御する構成をなす。この制御部6は、例えばマイクロコンピュータとして構成され、ハイレベル信号とローレベル信号が交互に切り替えられるPWM信号を充放電回路4に出力するための信号の出力源となっている。制御部6から出力されるPWM信号は、制御回路7(FET駆動部)に入力され、この制御回路7によって1又は複数のスイッチング素子に対してPWM信号が出力されるようになっている。
制御部6は、CPUなどの演算装置、及び、ROM又はRAM等のメモリ素子等を備えて構成される。また、制御部6は、蓄電池側電流検出回路22及び蓄電池側電圧検出回路24が検出した電流値及び電圧値を取得し得る構成となっており、更には、バッテリ側電流検出回路32及びバッテリ側電圧検出回路34が検出した電流値及び電圧値をも取得し得る構成となっている。また、制御部6は、車輌のイグニッションスイッチのオン/オフ状態を特定するオン信号及びオフ信号を取得し得る構成となっている。
このように構成される制御部6は、取得した電流値、電圧値に基づいて、充放電回路4の動作の開始及び停止、デューティ比などを制御する。例えば、制御部6は、イグニッションスイッチがオン状態となった場合に、充放電回路4の動作を開始させ、充放電回路4に昇圧動作或いは降圧動作を行わせる。そして、制御部6は、イグニッションスイッチがオフ状態となった場合に、充放電回路4の動作を停止させる。
蓄電池側電流検出回路22(以下、電流検出回路22ともいう)は、充放電回路4から蓄電池104へつながる出力側の導電路16(充放電経路)の途中に介在した形で設けられている。この電流検出回路22は、公知の電流検出回路として構成され、出力側の導電路16を流れる電流を検出し、検出した電流値を制御部6へ入力する。蓄電池側電圧検出回路24(以下、電圧検出回路24ともいう)は、公知の電圧検出回路として構成され、出力側の導電路16の電圧(即ち、接地電位を基準とする蓄電池104の正側端子の電圧)を検出し、検出した電圧値を制御部6へ入力する。
バッテリ側電流検出回路32(以下、電流検出回路32ともいう)は、1次電源120から充放電回路4へつながる入力側の導電路15の途中に介在した形で設けられている。この電流検出回路32は、公知の電流検出回路として構成され、入力側の導電路15を流れる電流を検出し、検出した電流値を制御部6へ入力する。バッテリ側電圧検出回路34(以下、電圧検出回路34ともいう)は、公知の電圧検出回路として構成され、入力側の導電路15の電圧(即ち、接地電位を基準とする1次電源120の正側端子の電圧)を検出し、検出した電圧値を制御部6へ入力する。
充放電回路4からの出力経路となる出力側の導電路16において充放電回路4と蓄電池104との間には、コンデンサ130が蓄電池104と並列に接続されている。このコンデンサ130は、出力側の導電路16の出力電流を平滑化して整流する整流コンデンサとして機能し、例えば蓄電池104よりも容量が小さくなっている。
リレー駆動回路8は、駆動回路の一例に相当し、ラッチリレー110のオンオフを切り替える回路として構成されている。このリレー駆動回路8は、電源導電路50を介して電源電圧が入力される構成をなし、制御部6から所定の駆動指示が与えられた場合、この電源電圧に基づいて駆動電流を生成するとともにラッチリレー110に対して駆動電流を供給する構成をなす。具体的には、制御部6からの駆動指示として第1の駆動指示が与えられた場合、ラッチリレー110に対して第1の導電路51を介して第1の駆動電流を流し、駆動指示として第2の駆動指示が与えられた場合、ラッチリレー110に対して第2の駆動電流を流す構成となっている。
図2のように、リレー駆動回路8は、リレー駆動回路8の外部に設けられた図示しない電源部から所定の定電圧が印加される電源導電路50を備える。そして、この電源導電路50から、2つの導電路(第1の導電路51及び第2の導電路52)が分岐している。電源導電路50の途中にはリレー保護用IC41が設けられ、第1の導電路51の途中にはセット側IC42が設けられ、第2の導電路52の途中にはリセット側IC43が設けられている。
リレー保護用IC41において、電源導電路50の途中には、MOSFETによって構成されたスイッチ素子SW1が介在する。スイッチ素子SW1は、信号線61を介してゲートにオン信号が入力された場合にオン状態に切り替わり、ゲートにオフ信号が入力された場合にオフ状態に切り替わる。信号線61は、制御部6に接続され、スイッチ素子SW1のゲートに制御部6からのオン信号(Hレベル信号)又はオフ信号(Lレベル信号)を入力する導電路として構成される。スイッチ素子SW1がオン状態のときにはスイッチ素子SW1を介して電源導電路50に電流が流れ得る状態となり、スイッチ素子SW1がオフ状態のときにはスイッチ素子SW1に電流が流れず、電源導電路50の通電が遮断される。また、リレー保護用IC41には、スイッチ素子SW1のドレイン−ソース間に流れる電流を示す検出値を出力する制御回路44が設けられている。
セット側IC42において、第1の導電路51の途中には、MOSFETによって構成されたスイッチ素子SW2が介在する。スイッチ素子SW2は、信号線62を介してゲートにオン信号が入力された場合にオン状態に切り替わり、ゲートにオフ信号が入力された場合にオフ状態に切り替わる。信号線62は、制御部6に接続され、スイッチ素子SW2のゲートに制御部6からのオン信号(Hレベル信号)又はオフ信号(Lレベル信号)を入力する導電路として構成される。スイッチ素子SW2がオン状態のときにはスイッチ素子SW2を介して第1の導電路51に電流が流れ得る状態となり、スイッチ素子SW2がオフ状態のときにはスイッチ素子SW2に電流が流れず、第1の導電路51の通電が遮断される。また、セット側IC42には、スイッチ素子SW2のドレイン−ソース間に流れる電流を示す検出値を出力する制御回路45が設けられている。
リセット側IC43において、第2の導電路52の途中には、MOSFETによって構成されたスイッチ素子SW3が介在する。スイッチ素子SW3は、信号線63を介してゲートにオン信号が入力された場合にオン状態に切り替わり、ゲートにオフ信号が入力された場合にオフ状態に切り替わる。信号線63は、制御部6に接続され、スイッチ素子SW3のゲートに制御部6からのオン信号(Hレベル信号)又はオフ信号(Lレベル信号)を入力する導電路として構成される。スイッチ素子SW3がオン状態のときにはスイッチ素子SW3を介して第2の導電路52に電流が流れ得る状態となり、スイッチ素子SW3がオフ状態のときにはスイッチ素子SW3に電流が流れず、第2の導電路52の通電が遮断される。また、リセット側IC43には、スイッチ素子SW3のドレイン−ソース間に流れる電流を示す検出値を出力する制御回路46が設けられている。
更に、リレー駆動回路8には、検出回路47,48,49が設けられている。検出回路47は、公知の電圧検出回路として構成され、電源導電路50の電圧値Vaを出力する。検出回路47から電源電圧値Vaを出力する出力線71は制御部6に接続され、電圧値Vaが制御部6に入力されるようになっている。検出回路48は、第1の導電路51又は第2の導電路52のうち、コイル電流が流れているほうの電流値をIbとして出力する。検出回路48から電流値Ibを出力する出力線72は制御部6に接続され、電流値Ibが制御部6に入力されるようになっている。具体的には、スイッチ素子SW2が動作しスイッチ素子SW3が動作していない状態では、スイッチ素子SW2のドレイン−ソース間に流れる電流、即ち、第1の導電路51に流れる電流値をIbとして出力し、スイッチ素子SW3が動作しスイッチ素子SW2が動作していない状態では、第2の導電路52に流れる電流値をIbとして出力する。検出回路49は、第1の導電路51又は第2の導電路52のうち、コイル電流が流れているほうの電圧値をVbとして出力する。検出回路49から電圧値Vbを出力する出力線73は制御部6に接続され、電圧値Vbが制御部6に入力されるようになっている。具体的には、第1の導電路51及び第2の導電路52のうち、第1の導電路51のみにコイル電流が流れている状態では、検出回路49は第1の導電路51の電圧値をVbとして出力し、第2の導電路52のみにコイル電流が流れている状態では、検出回路49は第2の導電路52の電圧値をVbとして出力する。
次に、図1の充放電装置で行われる診断処理について説明する。充放電装置1では、図3で示すタイミングチャートの各タイミングで診断を行う。具体的には、図4で示すフローチャートの流れでリセット駆動時の診断処理を行い、図8で示すフローチャートの流れでセット駆動時の診断処理を行う。
まず、図4等を参照し、リセット駆動時の診断処理を説明する。図4で示すリセット駆動時の診断処理は、所定の開始条件成立時に制御部6によって実行される処理である。リセット駆動時の診断処理を行う開始条件は、例えば、イグニッションスイッチがオフに切り替わったタイミングやオンに切り替わったタイミングなどであってもよく、それ以外の検査タイミングであってもよい。なお、図4で示す診断処理の開始前は、ラッチリレー110がセット状態に保たれている。
制御部6は、図4の診断処理を開始した後、リレー駆動回路8のICに所定の駆動動作を行わせる(S1)。具体的には、図6のように、所定期間T1の間、スイッチ素子SW1のゲートに与える電圧(リレー保護入力信号)をHレベルに切り替え且つスイッチ素子SW2,SW3のゲートに与える電圧をLレベルで維持するようにリレー駆動回路8を駆動する。その後、少し時間をあけ、所定期間T2の間、スイッチ素子SW3のゲートに与える電圧(リセット駆動入力信号)をHレベルに切り替え且つスイッチ素子SW1,SW2のゲートに与える電圧をLレベルで維持するようにリレー駆動回路8を駆動する。
このように動作を行った場合、リレー保護用IC41、セット側IC42、リセット側IC43がいずれも正常であれば、期間T1,T2の期間は、第1の導電路51及び第2の導電路52のいずれにも電流(リレーコイル電流)が流れないはずである。つまり、リレー保護用IC41、セット側IC42、リセット側IC43がいずれも正常であれば、図6のように、期間T1,T2のいずれの期間も、検出回路48からの出力値(電流値Ib)は所定の電流閾値Ith1以下の低レベルとなり、検出回路49からの出力値(電圧値Vb)は所定の電圧閾値Vthb1以下の低レベルとなる。なお、図7は、期間T1,T2の真理値表を示しており、スイッチ素子SW1に与えるゲート信号(リレー保護入力信号)がHレベルであり、スイッチ素子SW3に与えるゲート信号(リセット駆動入力信号)がLレベルである期間T1では、検出回路48で検出される電流値Ib(コイル電流)、及び検出回路49で検出される電圧値Vb(コイル電圧)はいずれもLレベルとなる。また、スイッチ素子SW1に与えるゲート信号(リレー保護入力信号)がLレベルであり、スイッチ素子SW3に与えるゲート信号(リセット駆動入力信号)がHレベルである期間T2でも、検出回路48で検出される電流値Ib(コイル電流)、及び検出回路49で検出される電圧値Vb(コイル電圧)はいずれもLレベルとなる。
図4で示す診断処理において、S2では、このような動作に基づく診断を行う。具体的には、期間T1,T2のいずれかにおいて、検出回路48からの出力値(電流値Ib)が所定の電流閾値Ith1を超えている場合、又は検出回路49からの出力値(電圧値Vb)が所定の電圧閾値Vthb1を超えている場合、S2においてYESに進み、少なくともリセット駆動時においてリレー駆動回路8の一部が短絡しているショート故障が生じていると診断し、故障を確定する(S6)。なお、S6で診断を確定させた場合、図4の処理を終了する。なお、期間T1のみに異常が生じている場合、スイッチ素子SW3にショート故障が生じていると診断してもよい。或いは、期間T2のみに異常が生じている場合、スイッチ素子SW1にショート故障が生じていると診断してもよい。
なお、例えば期間T1,T2の少なくともいずれかにおいて電源導電路50の電源電圧値Vaが所定電圧閾値Vtha1を超えるか否かを判断し、超えていない場合、異常が生じている部分が電源導電路50に電源電圧を入力する回路であると診断してもよい。
期間T1,T2のいずれにおいても、検出回路48からの出力値(検出値に相当する電流値Ib)が所定の電流閾値Ith1を超えておらず、且つ検出回路49からの出力値(検出値に相当する電圧値Vb)が所定の電圧閾値Vthb1を超えていない場合、S2にてNOに進む。
S2にてNOに進む場合には、所定のリセット駆動を行う(S3)。制御部6は、S3のリセット駆動を行う場合、まず最初の期間T3に、電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。なお、期間T3に電圧検出回路24から出力された電圧値はV_C_Aとする。制御部6は、期間T3の後の期間T4の間、スイッチ素子SW1のゲートに対してHレベルのオン信号(リレー保護入力信号)を継続して出力し続け、更に、その期間T4と重複する期間T5の間、スイッチ素子SW3のゲートに対してHレベルのオン信号(リセット駆動入力信号)を継続的に出力する。そして、その出力期間T5における後半の時間帯(期間T6)には、検出回路47から出力される電源導電路50の電圧値Va(リレー駆動電源電圧)と、検出回路48から出力される電流値Ib(リレーコイル電流)と、検出回路49から出力される電圧値Vb(リレーコイル電圧)を確認する。
そして、図4の診断処理では、S3の処理の後に、充放電動作を行う(S4)。S4の充放電動作では、S3の処理において期間T3に確認された電圧値V_C_Aと予め定められた閾値VC_a_th1とを比較し、電圧値V_C_Aが閾値VC_a_th1よりも大きい場合、充放電回路4に一定期間放電動作を行わせ、蓄電池104を放電させる。逆に、S3で確認された電圧値V_C_Aが、閾値VC_a_th1以下である場合、充放電回路4に一定期間充電動作を行わせ、蓄電池104を充電させる。そして、充電動作及び放電動作のいずれを行った場合でも、動作終了直後の期間T7に電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。期間T7に電圧検出回路24から出力された電圧値は、V_C_Bとする。
図4では、S4以降の処理を簡略的に示しているが、具体的には、図5のような流れでS4以降の処理を行う。図5のように、S4の処理の終了後には、まず、期間T3に取得した電圧値V_C_Aと、期間T7に取得した電圧値V_C_Bとの電圧差が第1条件を満たすか否かを判断する(S10)。具体的には、電圧値V_C_Aと電圧値V_C_Bとの差の絶対値が、一定値(所定の電位差)を超えているか否かを判断し、超えている場合には、S10でYESに進み、超えていない場合には、S10でNOに進む。
図5のS10でYESに進む場合には、S3のリセット駆動動作において期間T6に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第2条件を満たすか否かを判断する。具体的には、電源導電路50の電源電圧値Vaが所定電圧閾値Vtha1を超える正常状態であり、コイル電流の電流値Ibが所定電流閾値Ith1を超える正常状態であり、コイル電圧の電圧値Vbが所定電圧閾値Vthb1を超える正常状態であるか否かを判断する。Va>Vtha1、Ib>Ith1、Vb>Vthb1である場合、即ち、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが全て正常状態である場合、S11でYESに進み、少なくともリセット駆動時は正常状態であると診断する(S12)。S12の処理の後には、図4の診断処理を終了する。
図5のS11において、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbのいずれかが異常である場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)のいずれかを満たさない場合、S11にてNOに進む。また、S10でNOに進む場合、S3のリセット駆動動作の期間T6で検出された電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが第3条件を満たすか否かを判断する(S13)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)を全て満たすか否かを判断し、満たす場合、S13でYESに進む。S11でNOに進む場合、又は、S13でYESに進む場合、少なくともリセット駆動時においてリレー駆動回路8が故障であると診断する(S14)。S14の処理の後には、図4の診断処理を終了する。なお、S11でNOに進む場合には、ラッチリレー110が正常に切り替えられている可能性が高いのに、モニタ値が異常であるため、例えば、検出回路48,49又は検出回路48,49の経路において異常が生じていると診断してもよい。一方、S13でYESに進む場合には、スイッチ素子SW1,SW3が正常に動作しないことによりラッチリレー110が正常に切り替えられていない可能性が高いため、スイッチ素子SW1,SW3のいずれかに異常が生じていると診断してもよい。
図5のS13において第3条件を満たさない場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)のいずれかを満たさない場合、S13にてNOに進み、S3のリセット駆動動作において期間T6に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第4条件を満たすか否かを判断する(S15)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)の全てを満たすか否かを判断し、満たす場合にはS15でYESに進み、少なくともリセット駆動時においてラッチリレー110が故障であると診断する(S16)。S16の処理の後には、図4の診断処理を終了する。この場合、ラッチリレー110において、リレーがオン状態(セット状態)から変更されない固着異常が発生していると診断してもよい。
図5のS15において第4条件を満たさない場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)のいずれかを満たさない場合、S15にてNOに進み、少なくともリセット駆動時においてハーネスが故障であると診断する(S17)。S17の処理の後には、図4の診断処理を終了する。なお、S17では、少なくともリセット駆動時においてリレー駆動回路8及びラッチリレー110を除いた部分が故障であると診断してもよい。
次に、図8等を参照し、セット駆動時の診断処理を説明する。図8で示すセット駆動時の診断処理は、所定の開始条件成立時に制御部6によって実行される処理である。セット駆動時の診断処理を行う開始条件は、例えば、イグニッションスイッチがオフに切り替わったタイミングやオンに切り替わったタイミングなどであってもよく、それ以外の検査タイミングであってもよい。例えば、図4のリセット駆動時の診断処理に引き続いて行われてもよい。なお、図8で示す診断処理の開始前は、ラッチリレー110がリセット状態に保たれている。
制御部6は、図8の診断処理を開始した後、リレー駆動回路8のICに所定の駆動動作を行わせる(S21)。このS21の処理は、図4のS1の処理と類似する処理である。具体的には、図3で示す所定期間T8の間、スイッチ素子SW1のゲートに与える電圧(リレー保護入力信号)をHレベルに切り替え且つスイッチ素子SW2,SW3のゲートに与える電圧をLレベルで維持するようにリレー駆動回路8を駆動する。その後、少し時間をあけ、所定期間T9の間、スイッチ素子SW2のゲートに与える電圧(セット駆動入力信号)をHレベルに切り替え且つスイッチ素子SW1,SW3のゲートに与える電圧をLレベルで維持するようにリレー駆動回路8を駆動する。
このように動作を行った場合、リレー保護用IC41、セット側IC42、リセット側IC43がいずれも正常であれば、期間T8,T9の間は、図1、図2で示す第1の導電路51及び第2の導電路52のいずれにも電流(リレーコイル電流)が流れないはずである。図8で示す診断処理において、S22では、このような動作に基づく診断を行う。具体的には、期間T8,T9(図3)のいずれかにおいて、検出回路48からの出力値(電流値Ib)が所定の電流閾値Ith1を超えている場合、又は検出回路49からの出力値(電圧値Vb)が所定の電圧閾値Vthb1を超えている場合、S22においてYESに進み、少なくともセット駆動時においてリレー駆動回路8の一部が短絡しているショート故障が生じていると診断し、故障を確定する(S25)。なお、S25で診断を確定させた場合、図8の処理を終了する。なお、期間T8のみに異常が生じている場合、スイッチ素子SW2にショート故障が生じていると診断してもよい。或いは、期間T9のみに異常が生じている場合、スイッチ素子SW1にショート故障が生じていると診断してもよい。
期間T8,T9(図3)のいずれにおいても、検出回路48からの出力値(検出値に相当する電流値Ib)が所定の電流閾値Ith1を超えておらず、且つ検出回路49からの出力値(検出値に相当する電圧値Vb)が所定の電圧閾値Vthb1を超えていない場合、S22にてNOに進む。
S22にてNOに進む場合には、所定のセット駆動を行う(S23)。制御部6は、S23のセット駆動を行う場合、まず最初の期間T10(図3)に、電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。なお、期間T10に電圧検出回路24から出力された電圧値はV_C_Cとする。制御部6は、期間T10の後の期間T11(図3)の間、スイッチ素子SW1のゲートに対してHレベルのオン信号(リレー保護入力信号)を継続して出力し続け、更に、その期間T11と重複する期間T12の間、スイッチ素子SW2のゲートに対してHレベルのオン信号(セット駆動入力信号)を継続的に出力する。そして、その出力期間T12における後半の時間帯(期間T13)には、検出回路47から出力される電源導電路50の電圧値Va(リレー駆動電源電圧)と、検出回路48から出力される電流値Ib(リレーコイル電流)と、検出回路49から出力される電圧値Vb(リレーコイル電圧)を確認する。
図8の診断処理では、S23以降の処理を簡略的に示しているが、具体的には、図9のような流れでS23以降の処理を行う。図9のように、S23の後に行うS30の処理では、スイッチ素子SW1をオフにした後の期間T14(図3)において、電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。以下では、期間T14に電圧検出回路24から出力された電圧値をV_C_Dとして説明する。S30では、期間T14で電圧値V_C_Dを取得した後、この電圧値V_C_Dと、期間T10に取得した電圧値V_C_Cとを比較し、電圧値V_C_Cと電圧値V_C_Dとの電圧差が第5条件を満たすか否かを判断する(S30)。具体的には、電圧値V_C_Cと電圧値V_C_Dとの差の絶対値が、一定値(所定の電位差)を超えているか否かを判断し、超えている場合には、S30でYESに進み、超えていない場合には、S30でNOに進む。
図9のS30でYESに進む場合には、期間T13(図3)に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第6条件を満たすか否かを判断する(S31)。具体的には、電源導電路50の電源電圧値Vaが所定電圧閾値Vtha1を超える正常状態であり、コイル電流の電流値Ibが所定電流閾値Ith1を超える正常状態であり、コイル電圧の電圧値Vbが所定電圧閾値Vthb1を超える正常状態であるか否かを判断する。Va>Vtha1、Ib>Ith1、Vb>Vthb1である場合、即ち、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが全て正常状態である場合、S31でYESに進み、少なくともセット駆動時は正常状態であると診断する(S32)。S32の処理の後には、図8の診断処理を終了する。つまり、S31でYESに進んでS32の診断を行うケースでは、ラッチリレー110の切り替わり動作(セット動作)によって出力側の導電路16に蓄電池104の電圧が正常に印加され、これによって電位差が生じた可能性が高く、且つ、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbがいずれも正常であるため、正常と診断されるのである。
図9のS31において、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbのいずれかが異常である場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)のいずれかを満たさない場合、S31にてNOに進む。また、S30でNOに進む場合、期間T13(図3)で検出された電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが第7条件を満たすか否かを判断する(S33)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)を全て満たすか否かを判断し、満たす場合、S33でYESに進む。S31でNOに進む場合、又は、S33でYESに進む場合、少なくともセット駆動時においてリレー駆動回路8が故障であると診断する(S34)。S34の処理の後には、図8の診断処理を終了する。
なお、図9のS31でNOに進む場合には、ラッチリレー110が正常に切り替えられている可能性が高いのにコイル電流又はコイル電圧のモニタ値が異常であるため、例えば、検出回路48,49又は検出回路48,49の経路において異常が生じていると診断してもよい。一方、S33でYESに進む場合には、スイッチ素子SW1,SW2が正常に動作しないことによりラッチリレー110が正常に切り替えられていない可能性が高いため、スイッチ素子SW1,SW2のいずれかに異常が生じていると診断してもよい。
図9のS33において第7条件を満たさない場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)のいずれかを満たさない場合、S33にてNOに進み、期間T13(図3)に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第8条件を満たすか否かを判断する(S35)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)の全てを満たすか否かを判断する。いずれかを満たさない場合、S35にてNOに進み、少なくともセット駆動時においてハーネスが故障であると診断する(S41)。S41の処理の後には、図8の診断処理を終了する。なお、S41では、リレー駆動回路8及びラッチリレー110を除いた部分が故障であると診断してもよい。
図9のS35において、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)の全てを満たすと判断される場合には、S35でYESに進み、期間T14に確認された電圧値V_C_Dと予め定められた閾値VC_a_th2とを比較し、第9条件を満たすか否かを判断する。具体的には、電圧値V_C_Dが閾値VC_a_th2よりも大きい場合、S36にてYESに進み、充放電回路4に一定期間放電動作を行わせ、蓄電池104を放電させる。逆に、電圧値V_C_Dが、閾値VC_a_th2以下である場合、S36にてNOに進み、充放電回路4に一定期間充電動作を行わせ、蓄電池104を充電させる。そして、充電動作及び放電動作のいずれを行った場合でも、動作終了直後の期間T15に電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。期間T15に電圧検出回路24から出力された電圧値は、V_C_Eとする。
そして、S37又はS38の後には、期間T14に取得した電圧値V_C_Dと、期間T15に取得した電圧値V_C_Eとの電圧差が第10条件を満たすか否かを判断する(S39)。具体的には、電圧値V_C_Dと電圧値V_C_Eとの差の絶対値が、一定値(所定の電位差)を超えているか否かを判断し、超えている場合には、S39でYESに進み、超えていない場合には、S39でNOに進む。S39にてYESに進む場合、少なくともセット駆動時において正常状態であると診断し(S32)、図8の診断処理を終了する。つまり、S39でYESに進んでS32の診断を行うケースは、期間T10と期間T13では電位差は確保されていなかったが、S37又はS38での放電動作又は充電動作によって十分な電位差が確認され、蓄電池104の充放電が可能となっているセット状態が確認されたケースである。このような場合にも、S32にて正常状態であると診断する。
S39にてNOに進む場合には、少なくともセット駆動時においてラッチリレー110が故障であると診断する(S40)。S40の処理の後には、図8の診断処理を終了する。なお、この場合、ラッチリレー110において、リレーがオフ状態(リセット状態)から変更されない固着異常が発生していると診断してもよい。
以上のように、本構成の充放電装置1では、制御部6が異常特定部の一例に相当し、制御部6は、リレー駆動回路8に入力される電源電圧と、リレー駆動回路8からラッチリレー110へ与えられる出力と、充放電回路4と蓄電池104との間に介在する出力側の導電路16(充放電経路)の電圧とに基づいて異常が生じている部分を特定する。具体的には、制御部6は、リレー駆動回路8に入力される電源電圧と、リレー駆動回路8に駆動指示が与えられている期間又は与えられていない期間におけるリレー駆動回路8からラッチリレー110へ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分がリレー駆動回路8であるかリレー駆動回路8以外の部分であるかを特定し得る構成となっている。更に、制御部6は、駆動指示が与えられている期間にラッチリレー110へ与えられる電流及び電圧の少なくともいずれかが閾値を超えているか否かを判断し、閾値を超えているか否かの判断結果と、出力側の導電路16(充放電経路)の電圧とに基づいて、異常が生じている部分がラッチリレー110であるか否かを判断する構成となっている。また、制御部6は、リレー駆動回路8に入力される電源電圧に基づいて、異常が生じている部分が電源電圧を入力する回路であるか否かを判断し得る構成となっている。
より具体的には、異常特定部に相当する制御部6は、当該制御部6によってリセット駆動指示(リレー駆動回路8に対してラッチリレー110をオフ状態に設定する指示)がなされている期間(即ち、期間T5の後の期間)にS4のように充放電回路4によって充電動作又は放電動作がなされた場合、S10のように充電動作中又は放電動作中に出力側の導電路16(充放電経路)の電圧が所定の電位差以上変動したか否かを判定しており、更に、S10以降の処理のように、出力側の導電路16の電圧が所定の電位差以上変動したか否かの判定結果と、リレー駆動回路8に入力される電源電圧と、リレー駆動回路8からラッチリレー110へ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分を特定する構成となっている。
また、本構成では、制御部6は、リレー駆動回路8に与える「第1の駆動指示」及び「第2の駆動指示」を制御する構成となっている。「第1の駆動指示」は、第1の導電路51にコイル電流を流し、その後、第2の導電路52にコイル電流を流す条件を成立させない指示である。具体的には、スイッチ素子SW1,SW2の両ゲートにHレベル信号を入力する指示を与え、その後、スイッチ素子SW1,SW2,SW3の状態を、第2の導電路52にコイル電流を流さない条件で維持する指示が「第1の駆動指示」である。「第2の駆動指示」は、第2の導電路52にコイル電流を流し、その後、第1の導電路51にコイル電流を流す条件を成立させない指示である。具体的には、スイッチ素子SW1,SW3の両ゲートにHレベル信号を入力する指示を与え、その後、スイッチ素子SW1,SW2,SW3の状態を、第1の導電路51にコイル電流を流さない条件で維持する指示が「第2の駆動指示」である。
そして、制御部6は、電源導電路50の電源電圧と、「第1の駆動指示」が与えられた期間にリレー駆動回路8からラッチリレー110へ与えられる出力と、出力側の導電路16(充放電経路)の電圧とに基づいて、セット状態を保持するべき駆動時に異常が生じている部分を特定する。更に、制御部6は、「第2の駆動指示」が与えられた期間にリレー駆動回路8からラッチリレー110へ与えられる出力と、出力側の導電路16の電圧とに基づいて、リセット状態を保持するべき駆動時に異常が生じている部分を特定する。
次に、本構成の効果を例示する。
本構成において、リレー駆動回路8(駆動回路)に入力される電源電圧と、リレー駆動回路8からラッチリレー110(リレー)へ与えられる出力と、充放電回路4と蓄電池104との間に介在する出力側の導電路16(充放電経路)の電圧との組み合わせは、異常が生じている部分によって変化する関係にある。よって、異常特定部に相当する制御部6により、これらの状態を把握した上で異常が生じている部分を特定する構成とすれば、異常が生じている部分をより具体的に絞り込んで特定することができる。
また、本構成のように、リレー駆動回路8(駆動回路)に入力される電源電圧と、駆動指示が与えられている期間又は与えられていない期間におけるリレー駆動回路8からラッチリレー110(リレー)へ与えられる出力とを把握すれば、リレー駆動回路8に異常が生じている可能性が高いのか、そうでないのかを正確に判断しやすくなる。
例えば、リレー駆動回路8に入力される電源電圧の状態が正常であるのに、駆動指示が与えられている期間において駆動回路からラッチリレー110へ正常な出力がなされない場合、リレー駆動回路8にオープン故障が生じている可能性が高く、異常が生じている部分がリレー駆動回路8である可能性が高いといえる。或いは、リレー駆動回路8に入力される電源電圧の状態が正常であり駆動指示が与えられていない期間にリレー駆動回路8からラッチリレー110へ駆動出力がなされている場合、リレー駆動回路8にショート故障が生じている可能性が高く、異常が生じている部分がリレー駆動回路8である可能性が高いといえる。このように、リレー駆動回路8に入力される電源電圧と、駆動指示が与えられている期間又は与えられていない期間におけるリレー駆動回路8からリレーへ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分がリレー駆動回路8であるかリレー駆動回路8以外の部分であるかを判断すれば、異常が生じている部分をより正確に絞り込むことができる。
また、本構成では、制御部6からリレー駆動回路8に対して駆動指示が与えられている期間にラッチリレー110へ与えられる電流及び電圧の少なくともいずれかが閾値を超えている場合、ラッチリレー110に対して駆動電流が正常に与えられている可能性が高い。一方、ラッチリレー110が正常であれば、ラッチリレー110の動作及び非動作は出力側の導電路16(充放電経路)の電圧に反映されやすい。よって、ラッチリレー110へ与えられる電流及び電圧の少なくともいずれかが閾値を超えているか否かの判断結果と、出力側の導電路16の電圧とを評価すれば、異常が生じている部分がラッチリレー110であるか否かをより正確に判断することができる。
また、本構成では、リレー駆動回路8に入力される電源電圧が正常な状態でない場合、電源電圧を入力する回路に異常が生じている可能性が高い。よって、リレー駆動回路8に入力される電源電圧を評価すれば、異常が生じている部分がリレー駆動回路8そのものであるのか、電源電圧を入力するまでの回路部分にあるのかを区別することができる。
また、本構成のように、蓄電池104よりも容量が小さいコンデンサ130が蓄電池104と並列に接続されている構成では、制御部6からリレー駆動回路8に対してラッチリレー110をオフ状態に設定する指示がなされた場合、ラッチリレー110がオフ状態に正常に切り替わった場合と、ラッチリレー110がオン状態のままである場合(ラッチリレー110が正常に切り替わっていない場合)とでは、充電動作又は放電動作に伴う充放電経路での電圧の変化度合いが異なる。つまり、ラッチリレー110がオフ状態に正常に切り替わった場合、出力側の導電路16(充放電経路)に接続される蓄電池104及びコンデンサ130のうち、容量の小さいコンデンサ130のみの充放電が行われるため、充電動作中又は放電動作中に出力側の導電路16では相対的に短い時間で大きな電圧変化が生じる。逆に、ラッチリレー110がオン状態のままである場合(ラッチリレー110が正常に切り替わっていない場合)、出力側の導電路16に接続される蓄電池104及びコンデンサ130の両方に対して充放電が行われるため、充電動作中又は放電動作中に短時間で大きな電圧変動が生じにくくなる。
よって、制御部6からリレー駆動回路8に対してラッチリレー110をオフ状態に設定する指示がなされている期間に充放電回路4によって充電動作又は放電動作がなされた場合において、出力側の導電路16(充放電経路)の電圧が所定の電位差以上変動したか否かの判定結果と、リレー駆動回路8に入力される電源電圧と、リレー駆動回路8からラッチリレー110へ与えられる出力とに基づいて、異常が生じている部分を特定すれば、異常が生じている部分をより具体的に絞り込みやすくなる。
例えば、リレー駆動回路8に入力される電源電圧を評価すれば、電源電圧を入力するまでの回路部分に異常が生じているか否かを判断することができる。また、リレー駆動回路8に入力される電源電圧と、リレー駆動回路8からラッチリレー110へ与えられる出力とを評価すれば、リレー駆動回路8に異常が生じているか否かを判断することができる。更に、電源電圧及びリレー駆動回路8に異常が生じていない場合において、充電動作中又は放電動作中に出力側の導電路16(充放電経路)の電圧が所定の電位差以上変動しなかった場合、リレー駆動回路8は正常に動作しているものの、ラッチリレー110による切り離しが正常になされていない可能性が高いといえる。よって、ラッチリレー110の経路が正常に動作しているか否かの判断も可能となる。
また、本構成によれば、ラッチリレー110をセット状態に保持するべき駆動時に異常が生じる場合の異常個所、及びラッチリレー110をリセット状態に保持するべき駆動時に異常が生じる場合の異常個所を、具体的に絞り込むことができる。つまり、ラッチリレー110をどのように動作させるときに、どの部分に異常が生じるのかを特定することができ、異常診断をより一層具体化することができる。
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。
実施例2の充放電装置1は、実施例1の充放電装置1の特徴を全て含み、更に特徴を付加したものである。以下の説明及び図面では、実施例1の充放電装置1と同様の構成をなす部分については、実施例1の充放電装置1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施例2の充放電装置1は、図5で示す制御を図10のように変更し、図9で示す制御を図11のように変更した点のみが実施例1と異なり、この点以外は実施例1の充放電装置1と同一である。また、図1〜図4、図6〜図8で示す内容については、実施例2の充放電装置1も実施例1と同一である。以下では適宜これらの図面を参照して説明する。
実施例2の充放電装置1は、図1のような回路構成となっている。この充放電装置1は、実施例1と同様の蓄電池側電圧検出回路24(図1)を備える。蓄電池側電圧検出回路24は、第2電圧検出部の一例に相当し、充放電回路4と蓄電池104(蓄電部)との間に介在する導電路16(充放電経路)の電圧を検出するように機能する。
実施例2の充放電装置1は、実施例1と同様のコンデンサ130(図1)を備える。このコンデンサ130は、一方側の電極が導電路16(充放電経路)に電気的に接続され、他方側の電極がグラウンドに電気的に接続されており、導電路16を介して充電又は放電がなされるようになっている。コンデンサ130は、蓄電池104と並列に接続されるとともに、充放電回路4に接続された導電路16の電流を平滑化して整流する整流コンデンサとして機能し、例えば蓄電池104よりも容量が小さくなっている。
実施例2の充放電装置1でも、リレー駆動回路8(図1)は実施例1と同様の構成をなし、駆動回路の一例として機能する。リレー駆動回路8は、制御部6から第1の駆動指示(スイッチ素子SW1、SW2をオン動作させる指示)が与えられた場合に第1の導電路51を介してラッチリレー110に対して第1の駆動電流を流し、第2の駆動指示(スイッチ素子SW1、SW3をオン動作させる指示)が与えられた場合に第2の導電路52を介してラッチリレー110に対して第2の駆動電流を流す構成をなす。
実施例2の充放電装置1が適用される充放電システム100でも、ラッチリレー110は、実施例1の充放電装置1が適用された充放電システム100と同一の構成をなし、第1の導電路51に第1の駆動電流が流れることに応じてセット状態を保持し、第2の導電路52に第2の駆動電流が流れることに応じてリセット状態を保持するラッチリレーとなっている。具体的には、ラッチリレー110は、第1の導電路51に第1の駆動電流が流れてセット状態に切り替わった場合、次に第2の導電路52に第2の駆動電流が流れるまでセット状態が維持される。また、第2の導電路52に第2の駆動電流が流れてリセット状態に切り替わった場合、次に第1の導電路51に第1の駆動電流が流れるまでリセット状態が維持される。ラッチリレー110は、セット状態のときに蓄電池104に対する充電及び蓄電池104からの放電を可能とし、リセット状態のときに蓄電池104に対する充電及び蓄電池104からの放電を禁止する。
ここで、実施例2の充放電装置1で行われる診断処理について、主に図3、図4、図8、図10、図11を参照して説明する。実施例2の充放電装置1でも、図3で示すタイミングチャートの各タイミングで診断を行う。具体的には、図4で示すフローチャートの流れでリセット駆動時の診断処理を行い、図8で示すフローチャートの流れでセット駆動時の診断処理を行う。
まず、図4、図10などを参照し、リセット駆動時の診断処理を説明する。
実施例2の充放電装置1でも、所定の開始条件成立時に制御部6が図4で示すリセット駆動時の診断処理を実行する。制御部6は、図4におけるステップS1、S2、S3、S4、S6、S12の処理については実施例1の充放電装置1と同様に行う。なお、リセット駆動時の診断処理を行う開始条件も実施例1の充放電装置1と同様とすることができ、例えば、イグニッションスイッチがオフに切り替わったタイミングやオンに切り替わったタイミングなどであってもよく、それ以外の検査タイミングであってもよい。また、図4で示す診断処理の開始前は、ラッチリレー110がセット状態に保たれており、制御部6は、このようにラッチリレー110がセット状態に保たれているときに図4で示す診断処理を開始する。
制御部6は、図4の診断処理のS2においてNOに進む場合、所定のリセット駆動を行い(S3)、その後、充電動作又は放電動作(S4)を行う。これらS3、S4の処理は基本的に実施例1と同様であるが、ここではより詳しく説明する。制御部6は、S3でリセット駆動を行う場合、まず最初の期間T3(図3)に、電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。制御部6は、期間T3の間、スイッチ素子SW1、SW2、SW3のいずれのゲートにもLレベルのオフ信号を継続的に与え続ける。なお、以下の説明でも、期間T3において電圧検出回路24から出力された電圧値をV_C_Aとする。
制御部6は、図3で示す期間T3の後の期間T4の間、スイッチ素子SW1のゲートに対してHレベルのオン信号(リレー保護入力信号)を継続して与え続け、更に、その期間T4と重複する期間T5の間、スイッチ素子SW3のゲートに対してHレベルのオン信号(リセット駆動入力信号)を継続的に与え続ける。そして、制御部6は、その出力期間T5における後半の時間帯(期間T6)に、検出回路47から出力される電源導電路50の電圧値Va(リレー駆動電源電圧)と、検出回路48から出力される電流値Ib(リレーコイル電流)と、検出回路49から出力される電圧値Vb(リレーコイル電圧)を確認する。
実施例2でも、制御部6は、図4で示すS3の処理の後、充放電動作を行う(S4)。このS4の充放電動作は、実施例1と同様であり、S3の処理において期間T3に確認された電圧値V_C_Aと予め定められた閾値VC_a_th1とを比較し、電圧値V_C_Aが閾値VC_a_th1よりも大きい場合、充放電回路4に一定期間(所定時間)放電動作を行わせ、電圧値V_C_Aが、閾値VC_a_th1以下である場合、充放電回路4に一定期間(所定時間)充電動作を行わせる。閾値VC_a_th1は、例えば、0よりも大きい値である且つ蓄電池104が満充電時にラッチリレー110がセット状態となっているときの導電路16の電圧(満充電時電圧)よりも低い値として設定することができ、例えば、満充電電圧の1/2程度とすることができる。
充放電回路4は、放電動作を行う場合、例えば、導電路16を入力側の導電路とし、導電路15を出力側の導電路として昇圧動作又は降圧動作を行い、導電路16側から充放電回路4側に電流を流す。期間T5の後に制御部6の制御によって充放電回路4が放電動作を行う場合、期間T5での制御によってラッチリレー110が正常にリセット状態に切り替わっていれば、導電路16と蓄電池104とが切り離された状態(即ち、蓄電池104から導電路16へ放電しない状態)となるため、充放電回路4の放電動作によってコンデンサ130のみが放電される。一方、期間T5で制御がなされたときに何らかの異常によってラッチリレー110がリセット状態に切り替わっておらず、セット状態が維持されている場合、導電路16と蓄電池104とが切り離されてない状態(即ち、蓄電池104から導電路16へ放電し得る状態)であるため、充放電回路4の放電動作によって蓄電池104及びコンデンサ130が放電される。
充放電回路4は、充電動作を行う場合、例えば、導電路15を入力側の導電路とし、導電路16を出力側の導電路として昇圧動作又は降圧動作を行い、充放電回路4から導電路16に電流を流す。期間T5の後に制御部6の制御によって充放電回路4が充電動作を行う場合、期間T5での制御によってラッチリレー110が正常にリセット状態に切り替わっていれば、導電路16と蓄電池104とが切り離された状態(即ち、導電路16から蓄電池104へ充電電流が流れ込まない状態)となるため、充放電回路4の充電動作によってコンデンサ130のみが充電される。一方、期間T5で制御がなされたときに何らかの異常によってラッチリレー110がリセット状態に切り替わっておらず、セット状態が維持されている場合、導電路16と蓄電池104とが切り離されてない状態(導電路16を介して蓄電池104へ電流が流れ込むことが可能な状態)であるため、充放電回路4の充電動作によって蓄電池104及びコンデンサ130が充電される。
S4にてこのような充電動作又は放電動作を所定時間行った後、制御部6は、充放電回路4の動作を停止させる。充放電回路4の動作停止中は、導電路15と導電路16が非通電状態で維持されるとともに、導電路16から充放電回路4への電流の流れ込みも、充放電回路4から導電路16への電流の流れ込みも停止する。そして、充電動作又は放電動作のいずれを行った場合でも、充放電回路4の動作終了直後(充電動作又は放電動作を行った所定時間が経過した直後)の期間T7に電圧検出回路24から出力される導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。期間T7に電圧検出回路24から出力された電圧値は、V_C_Bとする。
実施例2の充放電装置1では、制御部6は、S4の処理の後、S5以降の処理を、図10のような流れで行う。図10で示すフローチャートにおいてステップS10、S12〜S17の各処理は、実施例1の充放電装置1が図5の流れで行うこれらの処理と同一である。但し、ステップS11については、第2条件を実施例1とは若干変更している。また、図10で示すフローチャートでは、図5のフローチャートに追加して具体化した部分(ステップS200〜S207)を太線枠及び模様を付して明示している。
図10のように、実施例2の充放電装置1でも、上述したS4の処理の終了後には、まず、期間T3に取得した電圧値V_C_Aと、期間T7に取得した電圧値V_C_Bとの電圧差が第1条件を満たすか否かを判断する(S10)。具体的には、電圧値V_C_Aと電圧値V_C_Bとの差(電位差)の絶対値が、一定値(所定の電位差)を超えているか否かを判断し、超えている場合には、S10でYESに進み、超えていない場合には、S10でNOに進む。
電圧値V_C_Aと電圧値V_C_Bとの差の絶対値は、「制御部6が第2の駆動指示を与え且つ充電指示又は放電指示を所定時間行ったときに導電路16(充放電経路)の電圧変動を示す値」の一例に相当する。本構成では、この絶対値に基づいて、ラッチリレー110が実際にセット状態からリセット状態に切り替わったか否かを判断している。
ラッチリレー110がセット状態にあるときに制御部6がリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示(第2の駆動電流を流す指示)を与えた場合、回路(リレー駆動回路8、ラッチリレー110、及びその周辺回路など)が正常状態であれば、第2の導電路52に第2の駆動電流が流れることに応じてラッチリレー110がリセット状態に切り替わり、次に第1の駆動電流が流れるまでリセット状態を保持することになる。このようにラッチリレー110が正常にリセット状態に切り替わる場合、導電路16(充放電経路)には蓄電池104からの出力電圧(充電電圧)が印加されず、コンデンサ130からの電圧が印加された状態となる。従って、ラッチリレー110がリセット状態に切り替わる動作(リセット動作)を正常に行っていれば、その後に制御部6が充放電回路4に対して充電指示又は放電指示を所定時間行ったとき、充放電回路4による充電動作又は放電動作の対象がコンデンサ130となり、導電路16(充放電経路)によってコンデンサ130が充電又は放電されるため、導電路16(充放電経路)の単位時間当たりの電圧変動は大きくなる。つまり、蓄電池104と導電路16との間で充放電が可能な場合と比較すると、充放電可能となっている蓄電手段全体の容量が格段に小さくなり、より小さな充電電流又は放電電流で蓄電手段の充電電圧(即ち、導電路16の電圧)がより大きく変動し得ることになる。
一方、ラッチリレー110がセット状態にあるときに制御部6がリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示(第2の駆動電流を流す指示)を与えた場合に、何らかの異常によってラッチリレー110がリセット状態に切り替わる動作(リセット動作)を行わない場合、セット状態が継続して維持されるため、充放電回路4による充電動作又は放電動作の対象はコンデンサ130及び蓄電池104となる。このため、充電動作又は放電動作が同様であれば、ラッチリレー110が正常にリセット動作する場合(即ち、充放電の対象がコンデンサ130のみとなる場合)と比較して導電路16(充放電経路)の単位時間当たりの電圧変動は相対的に小さくなる。つまり、充放電回路4によって充放電可能な対象がコンデンサ130のみの場合と比較すると、充放電可能な対象(蓄電池104及びコンデンサ130)の容量が格段に大きくなるため、充電動作又は放電動作が同様(充電電流又は放電電流が同程度であり充電又は放電を行う時間が同じ所定時間)であれば、所定時間充電又は放電を行ったときの充電電圧(蓄電池104及びコンデンサ130の充電電圧)の変動は、コンデンサ130のみが充放電の対象である場合と比較して格段に小さくなる。
本構成では、制御部6がリレー駆動回路8に第2の駆動指示を与えるリセット駆動のときにラッチリレー110が正常にリセット状態に切り替わるか否かを判断する基準値として上述した一定値(閾値)を設定し、S10では、電圧値V_C_Aと電圧値V_C_Bとの差(電位差)の絶対値がこの一定値を超えているか否かを判断することで、ラッチリレー110が正常にリセット状態に切り替わったか否かを判断している。この判断の基準となる一定値(閾値)は、蓄電池104が充放電不能な状態でコンデンサ130のみが充放電対象となる場合において充放電回路4が所定方式(S4で実行される充電及び放電の方式)で充電動作又は放電動作を所定時間行ったときに想定される導電路16の電圧変動(即ち、コンデンサ130の充電電圧変動)よりも小さい値に設定され、且つ、蓄電池104及びコンデンサ130が充放電可能な状態のときに充放電回路4が上記所定方式で充電動作又は放電動作を所定時間行ったときに想定される導電路16の電圧変動よりも大きい値に設定される。なお、S4で充電が実行される場合の充放電回路4の充電方式(所定方式)は、公知の定電圧充電、定電流充電、定電流・定電圧充電など、公知の様々な方式を採用し得るが、例えば、充放電回路4を双方向型の非絶縁型DCDCコンバータとして構成した場合、導電路15に印加された入力電圧を降圧又は昇圧させて導電路16に所望の出力電圧を印加するように電圧変換動作(導電路16側への電力供給動作)を行う方法などが好適例として挙げられる。また、S4で放電が実行される場合の充放電回路4の放電方式(所定方式)も公知の様々な方式を採用し得るが、例えば、導電路16に印加された入力電圧を降圧又は昇圧させて導電路15に所望の出力電圧を印加するように電圧変換動作(導電路16側からの電力放出動作)を行う方法などが好適例として挙げられる。
図10のS10でYESに進む場合、S3のリセット駆動動作において期間T6に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第2条件を満たすか否かを判断する。
電源導電路50の電圧値Va(リレー駆動電源電圧)の正常範囲は、より詳しくは、Vtha1<Va<Vtha2となっている。また、第1の導電路51又は第2の導電路52のいずれかを介してコイル電流が流れるとき、コイル電流が流れる導電路の電圧値(コイル電圧値Vb)の正常範囲は、より詳しくは、Vthb1<Vb<Vthb2となっている。更に、第1の導電路51又は第2の導電路52のいずれかを介してコイル電流が流れるとき、コイル電流が流れる導電路の電流値(コイル電流値Ib)の正常範囲は、より詳しくは、Ith1<Ib<Ith2となっている。実施例2の充放電装置1では、S11の第2条件は、期間T6に検出された電源電圧値Va、電圧値Vb(リレーコイル電圧)、電流値Ib(リレーコイル電流)が、Vtha1<Va<Vtha2(正常)、Vthb1<Vb<Vthb2(正常)、Ith1<Ib<Ith2(正常)となる条件である。このような第2条件を満たす場合、即ち、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが全て正常範囲である場合、S11でYESに進み、少なくともリセット駆動時は正常状態であると診断する(S12)。具体的には、「ラッチリレー110がセット状態である場合に制御部6がリレー駆動回路8に第2の駆動指示を与えたとき、リレー駆動回路8が正常に動作してラッチリレー110がセット状態からリセット状態に正常に切り替わったこと」及び「リセット駆動時に電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が正常に検出されていること」を確認することができ、少なくともリセット駆動時に駆動部(リレー保護用IC41、セット側IC42、リセット側IC43)及び検出部(検出回路47、48、49)が正常に動作していると診断することができる。なお、S12の処理の後には、図4の診断処理を終了する。
制御部6は、図10のS11において、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが第2条件を満たさないと判断した場合、即ち、Vtha1<Va<Vtha2、Vthb1<Vb<Vthb2、Ith1<Ib<Ith2のいずれかを満たさない場合、S11にてNOに進む。S11でNOに進む場合とは、「ラッチリレー110がセット状態である場合に制御部6がリレー駆動回路8に第2の駆動指示を与えたとき、リレー駆動回路8が正常に動作してラッチリレー110がセット状態からリセット状態に正常に切り替わったこと」は確認できるが、検出部(検出回路47、48、49)の少なくともいずれかのモニタ動作が異常である可能性が高い場合である。
制御部6は、図10のS11でNOに進む場合、S3のリセット駆動動作の期間T6で検出された電源電圧値Va、コイル電圧値Vb、コイル電流値Ibが第11条件を満たすか否かを判断する(S201)。具体的には、Va≦Vtha1(低電圧)又はVtha2≦Va(高電圧)のいずれかを満たし、Vthb1<Vb<Vthb2(正常)且つIth1<Ib<Ith2(正常)を満たすか否かを判断する。Va≦Vtha1又はVtha2≦Vaのいずれかを満たし、Vthb1<Vb<Vthb2且つIth1<Ib<Ith2を満たす場合(第11条件を満たす場合)、S201にてYESに進み、検出回路47(検出部の一部)の故障(リレー駆動電源電圧モニター故障)と診断する(S202)。なお、S202の処理の後には、図4の診断処理を終了する。
制御部6は、S201にて、第11条件を満たさないと判断した場合、S201にてNOに進み、S3のリセット駆動動作の期間T6で検出された電源電圧値Va、コイル電圧値Vb、コイル電流値Ibが第12条件を満たすか否かを判断する(S203)。第12条件は、Vb≦Vthb1(低電圧)又はVthb2≦Vb(高電圧)のいずれかを満たし、Vtha1<Va<Vtha2(正常)且つIth1<Ib<Ith2(正常)を満たすという条件である。制御部6は、このような第12条件を満たす場合、S203にてYESに進み、検出回路49(検出部の一部)の故障(リレーコイル電圧モニター故障)と診断する(S204)。なお、S204の処理の後には、図4の診断処理を終了する。
制御部6は、S203において第12条件を満たさないと判断した場合、S203にてNOに進み、S3のリセット駆動動作の期間T6で検出された電源電圧値Va、コイル電圧値Vb、コイル電流値Ibが第13条件を満たすか否かを判断する(S205)。第13条件は、Ib≦Ith1(低電流)又はIth2≦Ib(過電流)のいずれかを満たし、Vtha1<Va<Vtha2(正常)且つVthb1<Vb<Vthb2(正常)を満たすという条件である。制御部6は、このような第13条件を満たす場合、S205にてYESに進み、検出回路48(検出部の一部)の故障(リレーコイル電流モニター故障)と診断する(S206)。なお、S206の処理の後には、図4の診断処理を終了する。
制御部6は、S205において第13条件を満たさないと判断した場合、S205にてNOに進み、複数の検出部の故障(モニター多重故障)と診断する(S207)。この場合、検出回路47,48,49のいずれか2つ又は全てに故障が生じている可能性が高いことが判明する。なお、S207の処理の後には、図4の診断処理を終了する。
このように、異常特定部として機能する制御部6はモニタ故障が生じている部分を具体的に特定する機能を有し、制御部6がリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示(第2の駆動電流を流す指示)を与え且つ充放電回路4に対して充電指示又は放電指示を所定時間行ったときに導電路16(充放電経路)の電圧変動が一定値を超える条件を満たし(即ち、S10でYESと判断される条件を満たし)、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲外である条件又は制御部6からリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示がなされている期間に検出回路48、49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である条件を満たす場合(即ち、S11でNOと判断される条件を満たす場合)に、検出回路47(電圧検出部)及び検出回路48,49(出力検出部)の少なくともいずれかに異常が生じていると特定する。
一方、S10でNOに進む場合、即ち、電圧値V_C_Aと電圧値V_C_Bとの差の絶対値が一定値(所定の電位差)を超えていない場合には、S3のリセット駆動動作の期間T6で検出された電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが第3条件を満たすか否かを判断する(S13)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)を全て満たすか否かを判断し、満たす場合、S13でYESに進む。S13でYESに進む場合とは、スイッチ素子SW1,SW3をオン動作させる指示がなされているのにスイッチ素子SW1,SW3の少なくともいずれかが正常に動作しないことによりラッチリレー110が正常に切り替わらない可能性が高い場合である。従って、S13でYESに進む場合には駆動部(具体的には、リレー保護用IC41及びリセット側IC43の少なくともいずれか)に故障が生じていると診断する(S200)。S200の処理の後には、図4の診断処理を終了する。なお、S13では、Va>Vtha1(正常)を満たし、Ib≦Ith1(低電流)又はVb≦Vthb1(低電圧)のいずれかを満たす場合にYESに進むようにしてもよい。
このように異常特定部として機能する制御部6は、駆動部の故障を特定する機能を有し、制御部6がリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示(第2の駆動電流を流す指示)を与え且つ充放電回路4に充電指示又は放電指示を所定時間行ったときに導電路16(充放電経路)の電圧変動が一定値以下である条件を満たし(即ち、S10でNOとなる条件を満たし)、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲内である条件及び制御部6からリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示がなされている期間に検出回路48,49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である条件を満たす場合に、駆動部(具体的には、リレー保護用IC41及びリセット側IC43の少なくともいずれか)に異常が生じていると特定する。
図10のS13において第3条件を満たさない場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)のいずれかを満たさない場合、S13にてNOに進み、S3のリセット駆動動作において期間T6に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第4条件を満たすか否かを判断する(S15)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)の全てを満たすか否かを判断し、満たす場合にはS15でYESに進み、少なくともリセット駆動時においてラッチリレー110が故障であると診断する(S16)。S16の処理の後には、図4の診断処理を終了する。この場合、制御部6によって第2の駆動指示がなされることに応じて適正なリレーコイル電流が流れているのにラッチリレー110がリセット状態に切り替わっていないため、ラッチリレー110においてオン状態(セット状態)からオフ状態(リセット状態)に変更されない固着異常が生じている可能性が高い。従って、この場合には、ラッチリレー110において固着異常が発生していると診断してもよい。
図10のS15において第4条件を満たさない場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)のいずれかを満たさない場合、S15にてNOに進み、少なくともリセット駆動時においてハーネスが故障であると診断する(S17)。S17の処理の後には、図4の診断処理を終了する。なお、S17では、少なくともリセット駆動時においてリレー駆動回路8及びラッチリレー110を除いた部分が故障であると診断してもよい。
ここで、リセット駆動診断に関する効果を例示する。
本構成では、ラッチリレー110がセット状態にあるときに図4で示すリセット駆動診断がなされ、S3において制御部6がリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示を与えた場合、回路が正常状態であれば、ラッチリレー110がリセット状態を保持するため、導電路16(充放電経路)には蓄電池104からの出力電圧(充電電圧)が印加されず、コンデンサ130からの電圧が印加された状態となる。このような状態のときに制御部6がS4で充電指示又は放電指示を所定時間行った場合、ラッチリレー110がS3で正常にリセット動作していれば、S4において充放電回路4による充電動作又は放電動作の対象がコンデンサ130となり、導電路16(充放電経路)を介してコンデンサ130が充電又は放電されるため、導電路16(充放電経路)の単位時間当たりの電圧変動は大きくなる。逆に、S3でラッチリレー110が正常にリセット動作していない場合、S4では、充放電回路4による充電動作又は放電動作の対象がコンデンサ130及び蓄電池104となるため、ラッチリレー110が正常にリセット動作する場合と比較して導電路16(充放電経路)の単位時間当たりの電圧変動は極めて小さくなる。従って、ラッチリレー110がいずれの状態となっているかを判断する基準値として一定値(閾値)を設定し、S3のように制御部6が第2の駆動指示を与え且つS4のように充電指示又は放電指示を所定時間行ったときに導電路16(充放電経路)の電圧変動が一定値以下であるか否かをS10のように判断すれば、ラッチリレー110が正常にリセット動作するか否かをより正確に判断することができる。
そして、S3のように制御部6が第2の駆動指示を与え且つS4のように充電指示又は放電指示を所定時間行ったときに導電路16(充放電経路)の電圧変動が一定値以下である場合(即ち、ラッチリレー110が正常にリセット動作しない可能性が高い場合であり、S10でNOとなる場合)において、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲内であり且つ制御部6からリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示がなされている期間(期間T6)に検出回路48,49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である場合(図10のS13でYESの場合)、ラッチリレー110が正常にリセット動作しないことが駆動部(具体的には、リレー保護用IC41及びリセット側IC43の少なくともいずれか)に起因する可能性が高い。つまり、電源電圧Vaが正常に供給されているのに駆動部に異常が生じているため第2の駆動指示がなされても第2の駆動電流が流れない可能性が高いといえる。よって、上記方法によればこのような駆動部の異常を特定することができる。
また、S3において制御部6が第2の駆動指示を与え且つS4において充電指示又は放電指示を所定時間行ったときに導電路16(充放電経路)の電圧変動が一定値を超える場合(即ち、ラッチリレー110が正常にリセット動作する可能性が高い場合であり、S10でYESの場合)において、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲外である条件又は制御部6からリレー駆動回路8に対して第2の駆動指示がなされている期間(期間T6)に検出回路48,49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である条件を満たす場合(即ち、図10のS11でNOの場合)、ラッチリレー110が正常にリセット動作する状態(即ち、電源電圧や第2の駆動電流が正常に供給される状態)であるのに、検出回路47(電圧検出部)又は検出回路48,49(出力検出部)の少なくともいずれかの検出結果が異常値を示している可能性が高いといえる。よって、上記方法によれば、このような検出部の異常を特定することができる。
次に、図8、図11などを参照し、セット駆動時の診断処理を説明する。
実施例2の充放電装置1でも、所定の開始条件成立時に制御部6が図8で示すセット駆動時の診断処理を実行する。制御部6は、図8におけるステップS21、S22、S23、S25、S32の処理については実施例1の充放電装置1と同様に行う。なお、セット駆動時の診断処理を行う開始条件も実施例1の充放電装置1と同様とすることができ、例えば、イグニッションスイッチがオフに切り替わったタイミングやオンに切り替わったタイミングなどであってもよく、それ以外の検査タイミングであってもよい。例えば、図4のリセット駆動時の診断処理に引き続いて行われてもよい。また、図8で示す診断処理の開始前は、ラッチリレー110がリセット状態に保たれており、制御部6は、このようにラッチリレー110がリセット状態に保たれているときに図8で示す診断処理を開始する。
実施例2の充放電装置1では、図8で示すS23の処理の後、図11のような流れでS23以降の処理を行う。図11で示すフローチャートにおいてステップS30、S32〜S40の各処理は、実施例1の充放電装置1が図9の流れで行うこれらの処理と同一である。但し、ステップS31については、第6条件を実施例1とは若干変更している。また、図11で示すフローチャートでは、図9のフローチャートに追加して具体化した部分(ステップS230〜S237)を太線枠及び模様を付して明示している。
図11のように、S23の後に行うS30の処理では、スイッチ素子SW1、SW2をオフにした後の期間T14(図3)において、電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。以下では、期間T14に電圧検出回路24から出力された電圧値をV_C_Dとして説明する。S30では、期間T14で電圧値V_C_Dを取得した後、この電圧値V_C_Dと、期間T10(図3)に取得した電圧値V_C_Cとを比較し、電圧値V_C_Cと電圧値V_C_Dとの電圧差が第5条件を満たすか否かを判断する(S30)。具体的には、電圧値V_C_Cと電圧値V_C_Dとの差(電位差)の絶対値が、一定値(所定の電位差)を超えているか否かを判断し、超えている場合には、S30でYESに進み、超えていない場合には、S30でNOに進む。
期間T10の時間帯は、制御部6が第1の駆動指示を与える前にラッチリレー110がリセット状態で保持されている期間である。このため、この期間T10は、蓄電池104が切り離されて蓄電池104の充電電圧が導電路16に印加されない状態となる。期間T10に取得した電圧値V_C_Cは、このような状態のときの導電路16の電圧である。そして、このような状態のときに制御部6によって第1の駆動指示が与えられた場合、第1の駆動指示に応じてラッチリレー110が正常に動作すると、ラッチリレー110は、リセット状態からセット状態に切り替わってセット状態を保持するため、導電路16(充放電経路)には蓄電池104からの出力電圧(充電電圧)が印加される。従って、電圧値V_C_Cと電圧値V_C_Dとの差(電位差)の絶対値が一定値(所定の電位差)を超えている場合にはリセット状態からセット状態に切り替わっている可能性が高く、S30では、このような場合にYESに進む。逆に、電圧値V_C_Cと電圧値V_C_Dとの差(電位差)の絶対値が一定値(所定の電位差)を超えていない場合、ラッチリレー110がセット状態に切り替わっていないか、又は切り替わっているが蓄電池104の出力電圧(充電電圧)が印加されるときと印加されないときの電位差が小さくなっている可能性が高い。S30では、このような場合にNOに進む。
図11のS30でYESに進む場合には、S23のセット駆動動作において期間T13(図3)に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第6条件を満たすか否かを判断する(S31)。
上述したように、電源導電路50の電圧値Va(リレー駆動電源電圧)の正常範囲はVtha1<Va<Vtha2であり、第1の導電路51又は第2の導電路52のいずれかを介してコイル電流が流れるときにコイル電流が流れる導電路の電圧値(コイル電圧値Vb)の正常範囲はVthb1<Vb<Vthb2であり、第1の導電路51又は第2の導電路52のいずれかを介してコイル電流が流れるときにコイル電流が流れる導電路の電流値(コイル電流値Ib)の正常範囲はIth1<Ib<Ith2である。実施例2の充放電装置1では、S31の第6条件は、期間T13に検出された電源電圧値Va、電圧値Vb(リレーコイル電圧)、電流値Ib(リレーコイル電流)が、Vtha1<Va<Vtha2(正常)、Vthb1<Vb<Vthb2(正常)、Ith1<Ib<Ith2(正常)となる条件である。このような第6条件を満たす場合、即ち、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが全て正常範囲である場合、S31でYESに進み、少なくともセット駆動時は正常状態であると診断する(S32)。具体的には、「ラッチリレー110がリセット状態である場合に制御部6がリレー駆動回路8に第1の駆動指示を与えたとき、リレー駆動回路8が正常に動作してラッチリレー110がリセット状態からセット状態に正常に切り替わったこと」及び「セット駆動時に電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が正常に検出されていること」を確認することができ、少なくともセット駆動時に駆動部(リレー保護用IC41、セット側IC42、リセット側IC43)及び検出部(検出回路47、48、49)が正常に動作していると診断することができる。なお、S32の処理の後には、図8の診断処理を終了する。
制御部6は、図11のS31において、電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが第6条件を満たさないと判断した場合、即ち、Vtha1<Va<Vtha2、Vthb1<Vb<Vthb2、Ith1<Ib<Ith2のいずれかを満たさない場合、S31にてNOに進む。S31でNOに進む場合とは、「ラッチリレー110がリセット状態である場合に制御部6がリレー駆動回路8に第1の駆動指示を与えたとき、リレー駆動回路8が正常に動作してラッチリレー110がリセット状態からセット状態に正常に切り替わったこと」は確認できるが、検出部(検出回路47、48、49)の少なくともいずれかのモニタ動作が異常である可能性が高い場合である。
制御部6は、図11のS31でNOに進む場合、S23のセット駆動動作の期間T13で検出された電源電圧値Va、コイル電圧値Vb、コイル電流値Ibが第14条件を満たすか否かを判断する(S231)。具体的には、Va≦Vtha1(低電圧)又はVtha2≦Va(高電圧)のいずれかを満たし、Vthb1<Vb<Vthb2(正常)且つIth1<Ib<Ith2(正常)を満たすか否かを判断する。Va≦Vtha1又はVtha2≦Vaのいずれかを満たし、Vthb1<Vb<Vthb2且つIth1<Ib<Ith2を満たす場合(第14条件を満たす場合)、S231にてYESに進み、検出回路47(検出部の一部)の故障(リレー駆動電源電圧モニター故障)と診断する(S232)。S232の処理の後には、図8の診断処理を終了する。
制御部6は、S231にて、第14条件を満たさないと判断した場合、S231にてNOに進み、S23のセット駆動動作の期間T13で検出された電源電圧値Va、コイル電圧値Vb、コイル電流値Ibが第15条件を満たすか否かを判断する(S233)。第15条件は、Vb≦Vthb1(低電圧)又はVthb2≦Vb(高電圧)のいずれかを満たし、Vtha1<Va<Vtha2(正常)且つIth1<Ib<Ith2(正常)を満たすという条件である。制御部6は、このような第15条件を満たす場合、S233にてYESに進み、検出回路49(検出部の一部)の故障(リレーコイル電圧モニター故障)と診断する(S234)。S234の処理の後には、図8の診断処理を終了する。
制御部6は、S233において第15条件を満たさないと判断した場合、S233にてNOに進み、S23のセット駆動動作の期間T13で検出された電源電圧値Va、コイル電圧値Vb、コイル電流値Ibが第16条件を満たすか否かを判断する(S235)。第16条件は、Ib≦Ith1(低電流)又はIth2≦Ib(過電流)のいずれかを満たし、Vtha1<Va<Vtha2(正常)且つVthb1<Vb<Vthb2(正常)を満たすという条件である。制御部6は、このような第16条件を満たす場合、S235にてYESに進み、検出回路48(検出部の一部)の故障(リレーコイル電流モニター故障)と診断する(S236)。S236の処理の後には、図8の診断処理を終了する。
制御部6は、S235において第16条件を満たさないと判断した場合、S235にてNOに進み、複数の検出部の故障(モニター多重故障)と診断する(S237)。この場合、検出回路47,48,49のいずれか2つ又は全てに故障が生じている可能性が高いことが判明する。S237の処理の後には、図8の診断処理を終了する。
このように、異常特定部として機能する制御部6はモニタ故障が生じている部分を具体的に特定する機能を有し、制御部6がリレー駆動回路8に対して第1の駆動指示を与える前にリセット状態となっているときの導電路16(充放電経路)の電圧と第1の駆動指示を与えた後の導電路16(充放電経路)の電圧との差が一定値を超える条件を満たし、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲外である条件又は制御部6からリレー駆動回路8に対して第1の駆動指示がなされている期間に検出回路48,49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である条件を満たす場合に、検出回路47(電圧検出部)及び検出回路48,49(出力検出部)の少なくともいずれかに異常が生じていると特定する。
一方、S30でNOに進む場合、即ち、電圧値V_C_Cと電圧値V_C_Dとの差の絶対値が一定値(所定の電位差)を超えていない場合には、期間T13(図3)で検出された電源電圧値Va、コイル電流値Ib、コイル電圧値Vbが第7条件を満たすか否かを判断する(S33)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)を全て満たすか否かを判断し、満たす場合、S33でYESに進む。S33でYESに進む場合とは、スイッチ素子SW1,SW2をオン動作させる指示がなされているのにスイッチ素子SW1,SW2の少なくともいずれかが正常に動作しないことによりラッチリレー110が正常に切り替わらない可能性が高い場合である。従って、S33でYESに進む場合には駆動部(具体的には、リレー保護用IC41及びセット側IC42の少なくともいずれか)に故障が生じていると診断する(S230)。S230の処理の後には、図8の診断処理を終了する。なお、S33では、Va>Vtha1(正常)を満たし、Ib≦Ith1(低電流)又はVb≦Vthb1(低電圧)のいずれかを満たす場合にYESに進むようにしてもよい。
このように異常特定部として機能する制御部6は、駆動部の故障を特定する機能を有し、制御部6がリレー駆動回路8に対して第1の駆動指示を与える前にリセット状態となっているときの導電路16(充放電経路)の電圧と第1の駆動指示を与えた後の導電路16(充放電経路)の電圧との差が一定値以下である条件を満たし、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲内である条件及び制御部6からリレー駆動回路8に対して第1の駆動指示がなされている期間に検出回路48,49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である条件を満たす場合に、駆動部(具体的には、リレー保護用IC41及びセット側IC42の少なくともいずれか)に異常が生じていると特定する。
図11のS33において第7条件を満たさない場合、即ち、Va>Vtha1(正常)、Ib≦Ith1(低電流)、Vb≦Vthb1(低電圧)のいずれかを満たさない場合、S33にてNOに進み、期間T13(図3)に検出された電源電圧値Va、電流値Ib(リレーコイル電流)、電圧値Vb(リレーコイル電圧)が第8条件を満たすか否かを判断する(S35)。具体的には、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)の全てを満たすか否かを判断する。いずれかを満たさない場合、S35にてNOに進み、少なくともセット駆動時においてハーネスが故障であると診断する(S41)。S41の処理の後には、図8の診断処理を終了する。なお、S41では、リレー駆動回路8及びラッチリレー110を除いた部分が故障であると診断してもよい。
図11のS35において、Va>Vtha1(正常)、Ib>Ith1(正常)、Vb>Vthb1(正常)の全てを満たすと判断される場合には、S35でYESに進み、期間T14に確認された電圧値V_C_Dと予め定められた閾値VC_a_th2とを比較し、第9条件を満たすか否かを判断する。具体的には、電圧値V_C_Dが閾値VC_a_th2よりも大きい場合、S36にてYESに進み、充放電回路4に一定期間放電動作を行わせ、蓄電池104を放電させる(S37)。逆に、電圧値V_C_Dが、閾値VC_a_th2以下である場合、S36にてNOに進み、充放電回路4に一定期間充電動作を行わせ、蓄電池104を充電させる(S38)。なお、閾値VC_a_th2は、例えば、0より大きく満充電時の蓄電池104の充電電圧よりも小さい値とすることができる。S23のセット駆動によってラッチリレーが正常にセット状態に切り替わっていれば、S37の放電動作では蓄電池104が放電され、放電時間の経過に応じて導電路16の電圧は低下することになる。また、S23のセット駆動によってラッチリレーが正常にセット状態に切り替わっていれば、S38の充電動作によって蓄電池104が充電され、充電時間の経過に応じて導電路16の電圧は上昇することになる。充電動作(S38)及び放電動作(S37)のいずれを行う場合でも、決められた一定時間充電又は放電を行った後に充電動作又は放電動作を停止させ、動作終了直後の期間T15に電圧検出回路24から出力される出力側の導電路16の電圧値(蓄電池電圧)を取得する。放電動作又は充電動作を停止させた後の期間T15に電圧検出回路24から出力された電圧値は、V_C_Eとする。
そして、S37又はS38の後には、期間T14に取得した電圧値V_C_Dと、期間T15に取得した電圧値V_C_Eとの差(電位差)が第10条件を満たすか否かを判断する(S39)。具体的には、電圧値V_C_Dと電圧値V_C_Eとの差(電位差)の絶対値が、一定値(所定の電位差)を超えているか否かを判断し、超えている場合には、S39でYESに進み、超えていない場合には、S39でNOに進む。S39にてYESに進む場合、少なくともセット駆動時において正常状態であると診断し(S32)、図8の診断処理を終了する。
S39にてNOに進む場合には、少なくともセット駆動時においてラッチリレー110が故障であると診断する(S40)。S40の処理の後には、図8の診断処理を終了する。なお、この場合、ラッチリレー110において、リレーがオフ状態(リセット状態)から変更されない固着異常が発生していると診断してもよい。
ここで、セット駆動診断に関する効果を例示する。
本構成では、図8のようなセット駆動時の診断を行ったとき、S23でラッチリレー110が正常に動作する場合、制御部6が第1の駆動指示を与える前はラッチリレー110がリセット状態を保持し、第1の駆動指示を与えた後はセット状態を保持するため、導電路16(充放電経路)は、蓄電池104からの出力電圧(充電電圧)が印加されない状態から出力電圧が印加される状態に切り替わることになる。逆に、S23でラッチリレー110が正常に動作しない場合、制御部6が第1の駆動指示を与える前後でラッチリレー110が切り替わらないため、導電路16(充放電経路)の電圧は大きく変化しないことになる。従って、ラッチリレー110がいずれの状態であるかを判断する基準値として一定値(閾値)を設定し、制御部6が第1の駆動指示を与える前の導電路16(充放電経路)の電圧と第1の駆動指示を与えた後の導電路16(充放電経路)の電圧との差が一定値以下であるか否かを判断すれば、ラッチリレー110が正常に動作するか否かをより正確に判断することができる。そして、制御部6が第1の駆動指示を与える前の導電路16(充放電経路)の電圧と第1の駆動指示を与えた後の導電路16(充放電経路)の電圧との差が一定値以下である場合(即ち、ラッチリレー110が正常にセット動作しない可能性が高い場合)において、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲内であり且つ制御部6からリレー駆動回路8に対して第1の駆動指示がなされている期間(期間T13)に検出回路48,49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である場合、ラッチリレー110が正常にセット動作しないことが駆動部(具体的には、リレー保護用IC41及びセット側IC42の少なくともいずれか)に起因する可能性が高い。つまり、電源電圧が正常に供給されているのに駆動部に異常が生じているため第1の駆動指示がなされても第1の駆動電流が流れない可能性が高いといえる。よって、上記方法によればこのような駆動部の異常を特定することができる。
また、制御部6が第1の駆動指示を与える前の導電路16(充放電経路)の電圧と第1の駆動指示を与えた後の導電路16(充放電経路)の電圧との差が一定値を超える場合(即ち、ラッチリレー110が正常にセット動作する可能性が高い場合)において、検出回路47(電圧検出部)によって検出される電源電圧Vaが正常範囲外である条件又は制御部6からリレー駆動回路8に対して第1の駆動指示がなされている期間(期間T13)に検出回路48,49(出力検出部)によって検出される電圧Vb及び電流Ibの少なくともいずれかが正常範囲外である条件を満たす場合、ラッチリレー110が正常にセット動作する状態(即ち、電源電圧や第1の駆動電流が正常に供給される状態)であるのに、検出回路47(電圧検出部)又は検出回路48,49(出力検出部)の少なくともいずれかの検出結果が異常値を示している可能性が高いといえる。よって、上記方法によれば、このような検出部の異常を特定することができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、1次電源120として鉛バッテリを例示したが、上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、これ以外の公知の蓄電手段であってもよい。また、2次電源に相当する蓄電池104としてリチウムイオン電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電池を例示したが、これら以外の公知の蓄電手段であってもよい。
(2)図1では、入力側の導電路15や出力側の導電路16に接続される電気部品(負荷等)を省略したが、上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、入力側の導電路15や出力側の導電路16には、様々な装置や電子部品を接続することができる。
(3)図1では、ラッチリレー110が蓄電池104とグランドの間に接続されていたが、上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、出力側の導電路16において蓄電池104とコンデンサ130の間に介在させてもよい。
(4)実施例1では、リレー駆動回路8からラッチリレー110に与えられる出力の検出方法として、第1の導電路51及び第2の導電路52のそれぞれに与えられる電圧及び電流を検出する方法を例示したが、上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、第1の導電路51及び第2の導電路52のそれぞれに与えられる電圧を検出する方法であってもよく、第1の導電路51及び第2の導電路52のそれぞれに与えられる電流を検出する方法であってもよい。
(5)上述した実施例1では、S2で用いる出力閾値として、電流閾値Ith1及び電圧閾値Vthb1を例示したが、上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、S2の判断で用いる電流閾値は0よりも大きく且つ正常状態のときに流れる第1の駆動電流及び第2の駆動電流の値よりも小さい様々な値とすることができる。同様に、S2の判断で用いる電圧閾値は0よりも大きく且つ正常状態において第1の駆動電流又は第2の駆動電流が流れたときに検出回路49で検出される電圧値よりも小さい様々な値とすることができる。
(6)上述した実施例1では、S13、S203、S33、S233などの判断で用いる出力閾値として、電流閾値Ith1及び電圧閾値Vthb1を例示したが、上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、S13、S203、S33、S233の判断で用いる電流閾値は0よりも大きく且つ正常状態のときに流れる第1の駆動電流及び第2の駆動電流の値よりも小さい様々な値とすることができる。同様に、S13、S203、S33、S233などの判断で用いる電圧閾値は0よりも大きく且つ正常状態において第1の駆動電流又は第2の駆動電流が流れたときに検出回路49で検出される電圧値よりも小さい様々な値とすることができる。