JP6375923B2 - 制御装置、制御方法、制御システム、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

制御装置、制御方法、制御システム、プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、空調機を制御する制御装置、制御方法、制御システム、プログラム、および記録媒体に関する。
大量の電力を必要とする各種の施設(たとえば、高圧電力を使用する工場、またはオフィスビル)では、電力の基本料金を、施設において使用される電力の最大許容量に基づき、電力供給者と契約している。この最大許容量は、一般にデマンド契約電力と呼ばれる。デマンド契約電力に基づく電力基本料金は、施設における消費電力が契約値を超えない限り適用される。しかし、消費電力がデマンド契約電力をわずか30分程度でも超過すると、翌月以降の基本料金が大幅に増額される。そこで従来、消費電力がデマンド契約電力を超過しないように、消費電力を監視したり電力需要量を抑制したりするための各種の技術が多数提案されている。このような技術は一般に電力デマンド制御と呼ばれる。
一般に、施設のデマンド電力の多くを、空調機の消費電力が占めている。特に夏の暑い日または冬の寒い日には、空調機の消費電力が非常に高くなるので、空調機を制御すれば施設のデマンド電力を良く抑えることが期待できる。実際、現状の電力デマンド制御では、施設のデマンド電力が閾値を超過する恐れがある時間帯(デマンドピーク時間帯)に、空調機の能力を制限したり、空調機をオフにしたりすることがよく行われる。
しかし、デマンドピーク時間帯は、通常、夏であれば日中における外気温が最も高い時間帯に重なり、冬であれば日中における外気温が最も低い時間帯に重なりやすい。そのため、デマンドピーク時間帯に単に空調機をオフにすると、室内の温度が急激に上昇(夏)したり下降(冬)したりすることによって、室内の空調環境が急激に悪化する。そのため現実には、電力デマンド制御を適用できる空調機およびデマンド制御を実施できる時間帯が限られるので、電力デマンド低減の効果も限られてしまう。
そこで従来、電力デマンド低減および室内の空調環境維持を両立させることを目指した技術が提案されている。その一例として、特許文献1には、翌日のデマンドコントロール発令時刻および発令期間を予測し、その予測時刻において予測期間空調機が停止しても被空気調和場所の温度が、冷房時には絶対冷房制御設定温度を超過しないよう様、暖房時には絶対暖房設定温度未満に降下しないように調整するのに必要な減算されるべきもしくは加算されるべき熱量を算出し、その熱量をデマンドコントロール発令以前に削除もしくは付加するには、空調機の冷房能力もしくは暖房能力を演算式に代入し、デマンドコントロール発令予想時刻よりどの程度の期間前もって、冷房時にはその冷房制御設定温度を自動的に低くし、暖房時にはその暖房制御設定温度を高くべきかを算出するデマンドコントロール装置が開示されている。特許文献1によれば、この装置は、デマンドコントロール発令による空調機遮断後の冷房時には温度上昇による絶対冷房制御設定温度までの到達時間、暖房時は温度降下による絶対暖房制御設定温度までの下降時間のそれぞれ延長を図り、被空気調和者の快適度を保ちながらデマンドコントロールが実施できる。
特開平10−197027号(1998年7月31日公開)
特許文献1の技術では、熱量を算出するための具体的な方法、および冷房制御設定温度を自動的に低くするか暖房制御設定温度を自動的に高くする期間を算出するための具体的な演算式を、空調機が設置される部屋の状況に応じて、管理者が予め設計しておく必要がある。そのため特許文献1の技術には、管理者に手間を掛けさせる問題がある。
本発明は前記の課題を解決するためになされたものである。そしてその目的は、管理者に手間を掛けさせることなく、施設のデマンド電力の低減と部屋内の空調環境維持とを両立できる制御装置、制御方法、制御システム、プログラム、および記録媒体を提供することにある。
本発明の態様1に係る制御装置は、上記の課題を解決するために、
施設内の部屋に設置された空調機を制御する制御装置であって、
前記施設のデマンド電力が閾値を超えることが予測される閾値超過時間を取得する取得部と、
前記空調機が前記部屋を冷房中の場合はより低い設定温度で前記部屋を冷房させ、一方、前記空調機が前記部屋を暖房中の場合はより高い設定温度で前記部屋を暖房させるように、前記空調機を制御する制御部と、
前記制御部による前記空調機の制御が過去に行われた制御時間と、前記制御時間だけ行われた前記制御が終了した時点の前記部屋の室温が前記制御が開始される時点の前記部屋の室温に戻るまでの過去に測定された室温復帰時間とが少なくとも対応付けて格納されたデータを参照して、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間に基づき、今回の制御時間を決定する決定部とを備えており、
前記制御部は、前記閾値超過時間の開始時点から前記今回の制御時間だけ遡った時点から前記開始時点までの間、前記空調機を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、制御装置は、施設のデマンド電力が閾値を超えることが予測される閾値超過時間よりも前に、部屋を過冷房または過暖房するように空調機を制御する。これにより、閾値超過時間の前に部屋が十分に冷えるかまたは温まるので、閾値超過時間における空調機の消費電力を下げることができる。したがって、閾値超過時間における施設の実際のデマンド電力を低減することができる。
また、制御装置は、過去に空調機を制御した際の制御時間と、その制御後に測定した室温復帰時間とを対応付けたデータを参照して、今回の制御時間を決定する。このデータ内の室温復帰時間は過去に実際に測定されたものであるため、空調機が設置される部屋の状況が反映されている。したがって管理者は、今回の制御時間を決定するための特別な計算式等を、部屋に状況に応じて事前に設計する必要がない。
また、制御装置は、データに格納されている制御時間のうち、今回の制御用に決定した閾値超過時間に最も近い過去の室温復帰時間に対応する過去の制御時間に基づき、今回の制御時間を決定する。この結果、制御装置は、空調機制御後の室温復帰時間が閾値超過時間に一致するかまたはより近くなるように、空調機を制御することができる。これにより、閾値超過時間の途中で室温が制御前の値に戻ることを防ぐことができるので、閾値超過時間における空調環境を良好に維持できる。
以上のように、制御装置は、管理者に手間を掛けさせることなく、施設のデマンド電力の低減と部屋内の空調環境維持とを両立することができる。
本発明の態様2に係る制御装置は、上記態様1において、
前記決定部は、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間が前記閾値超過時間に一致する場合、前記閾値超過時間に一致する前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間を、前記今回の制御時間に決定することを特徴としている。
上記の構成によれば、閾値超過時間に一致する室温復帰時間が得られるように空調機を制御することができる。
本発明の態様3に係る制御装置は、上記態様1または2において、
前記決定部は、前記閾値超過時間が、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間よりも長い場合、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間よりも一段階長い制御時間を、前記今回の制御時間に決定することを特徴としている。
空調機の制御時間がより長いほど部屋がより長く過冷房または過暖房されるので、制御終了後の部屋の室温復帰時間がより長くなる。したがって、上記の構成によれば、今回の制御時間だけ空調機を制御することによって、制御終了後の今回の室温復帰時間が、閾値超過時間に最も近い過去の室温復帰時間よりも長くなる。これにより、閾値超過時間にさらに近い室温復帰時間が得られるように空調機を制御することができる。
本発明の態様4に係る制御装置は、上記態様1〜3のいずれかにおいて、
前記決定部は、前記閾値超過時間が、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間よりも短い場合、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間よりも一段階短い制御時間を、前記今回の制御時間に決定することを特徴としている。
空調機の制御時間がより短いほど部屋がより短く過冷房または過暖房されるので、制御終了後の部屋の室温復帰時間がより短くなる。したがって、上記の構成によれば、今回の制御時間だけ空調機を制御することによって、制御終了後の今回の室温復帰時間が、閾値超過時間に最も近い過去の室温復帰時間よりも短くなる。これにより、閾値超過時間にさらに近い室温復帰時間が得られるように空調機を制御することができる。
本発明の態様5に係る制御装置は、上記態様1〜4のいずれかにおいて、
前記制御部による前記空調機の制御が終了した時点の前記部屋の室温が前記制御が開始される時点の前記部屋の室温に戻るまでの室温復帰時間を測定する測定部と、
前記測定によって測定された前記室温復帰時間を、前記今回の制御時間に対応付けて前記データに格納する格納部とをさらに備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、測定された室温復帰時間がデータに新たに格納されるので、データをより充実化させることができる。したがって、制御時間を新たに決定する際の精度をより高めることができる。
本発明の態様6に係る制御装置は、上記態様1〜5のいずれかにおいて、
前記施設における前記デマンド電力を予測する予測部をさらに備えており、
前記取得部は、前記閾値超過時間として、予測された前記デマンド電力が前記閾値を超える時間を前記予測部から取得することを特徴としている。
上記の構成によれば、適切な閾値超過時間を取得することができる。
本発明の態様7に係る制御装置は、上記態様6において、
前記施設の外気温を取得する外気温取得部と、
前記予測部は、前記外気温に基づき前記デマンド電力を予測することを特徴としている。
上記の構成によれば、外気温に応じた適切なデマンド電力を予測さすることができる。
本発明の態様8に係る制御装置は、上記態様1〜7のいずれかにおいて、
前記部屋の室温を取得する室温取得部と、
前記室温と前記外気温との差分を算出する差分算出部とをさらに備えており、
前記データにおいて、前記差分と、前記制御が過去に行われた前記制御時間と、過去に測定された前記室温復帰時間とが対応付けて格納されており、
前記決定部は、前記差分と、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間に基づき、今回の制御時間を決定することを特徴としている。
上記の構成によれば、外気温と部屋の室温と差分および閾値超過時間に応じたより適切な制御時間を決定することができる。
本発明の態様9に係る制御装置は、上記態様1〜8のいずれかにおいて、
前記制御部は、さらに、前記施設の昼休み中に、前記空調機に前記より低い設定温度で前記部屋を冷房するように前記空調機を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、デマンド電力に余裕がある昼休み中の時間を有効に活用できる。
本発明の態様10に係る制御装置は、上記態様1〜9のいずれかにおいて、
前記制御部は、さらに、前記施設の始業前に、前記空調機に前記より高い設定温度で前記部屋を暖房するように前記空調機を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、デマンド電力に余裕がある始業前の時間を有効に活用できる。
本発明の態様11に係る制御装置は、上記態様1〜10のいずれかにおいて、
前記施設は複数の前記部屋を有しており、
前記部屋ごとに前記空調機が設置されており、
前記部屋ごとに前記部屋に対応する前記データが用意されており、
前記決定部は、前記部屋ごとに、前記部屋に対応する前記データを参照して、前記部屋に設置されている前記空調機を制御するための前記今回の制御時間を決定することを特徴としている。
上記の構成によれば、各部屋の状況に応じた適切な制御時間で各空調機を制御することができる。
本発明の態様12に係る制御装置は、上記態様11において、
前記部屋ごとの制御優先度を設定する優先度設定部をさらに備えており、
前記制御部は、前記制御優先度の順に各前記空調機の制御を開始することを特徴としている。
上記の構成によれば、各空調機の制御順序を適宜変更することができる。
本発明の態様13に係る制御装置は、上記態様1〜12のいずれかにおいて、
前記空調機を制御する時間を設定する時間設定部をさらに備えており、
前記制御部は、さらに、前記時間設定部によって設定された時間に前記空調機を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、所望の時間に空調機を強制的に制御することができる。
本発明の態様14に係る制御装置は、上記態様1〜13のいずれかにおいて、
通信部をさらに備えており、
前記取得部は、前記通信部を介して、前記制御装置の外部から前記閾値超過時間を取得することを特徴としている。
上記の構成によれば、デマンド電力を予測することなく適切な閾値超過時間を取得することができる。
本発明の態様15に係る制御システムは、態様1〜14のいずれかに係る制御装置と、前記制御装置によって制御される空調機と備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、管理者に手間を掛けさせることなく、施設のデマンド電力の低減と部屋内の空調環境維持とを両立できる制御システムを提供することができる。
本発明の態様16に係る制御方法は、上記の課題を解決するために、
施設内の部屋に設置された空調機を制御する制御方法であって、
前記施設のデマンド電力が閾値を超えることが予測される閾値超過時間を取得する取得工程と、
前記空調機が前記部屋を冷房中の場合はより低い設定温度で前記部屋を冷房させ、一方、前記空調機が前記部屋を暖房中の場合はより高い設定温度で前記部屋を暖房させるように、前記空調機を制御する制御工程と、
前記制御工程における前記空調機の制御が過去に行われた制御時間と、前記制御時間だけ行われた前記制御が終了した時点の前記部屋の室温が前記制御が開始される時点の前記部屋の室温に戻るまでの過去に測定された室温復帰時間とが少なくとも対応付けて格納されたデータを参照して、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間に基づき、今回の制御時間を決定する決定部とを備えており、
前記制御工程において、前記閾値超過時間の開始時点から前記今回の制御時間だけ遡った時点から前記開始時点までの間、前記空調機を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、管理者に手間を掛けさせることなく、施設のデマンド電力の低減と部屋内の空調環境維持とを両立できる。
本発明の各態様に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記制御装置が備える各部として動作させることによって上記制御装置をコンピュータにて実現させる制御装置のプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の一態様によれば、管理者に手間を掛けさせることなく、施設のデマンド電力の低減と部屋内の空調環境維持とを両立できる。
本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラの要部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係るデマンド制御システムの要部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラが実行する空調機制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラが実行する過冷房時間決定処理の流れを示すフローチャートである 本発明の実施形態1に係る過冷房時間の学習データの一例を示す図である。 本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラが実行する空調機制御処理の具体例を説明する図である。 本発明の実施形態1に係る過暖房時間の学習データの一例を示す図である。 本発明の実施形態2に係るデマンドコントローラの要部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態2に係るデマンドコントローラが実行する空調機制御処理の具体例を説明する図である。
〔実施形態1〕
図1〜図7を参照して本発明に係る実施形態1を以下に説明する。
(デマンド制御システム10の構成)
図2は、本発明の実施形態1に係るデマンド制御システム10(制御システム)の要部構成を示すブロック図である。この図2に示すように、デマンド制御システム10は、デマンドコントローラ1(制御装置)、空調機2a〜2c、温度計3a〜3c、室外温度計4、および電力計5を備えている。デマンドコントローラ1と空調機2a〜2cとは、図示しないネットワーク回線を介して互いに通信可能に接続されている。
デマンドコントローラ1は、施設のデマンド電力を制御する制御装置である。本実施形態では、施設は3つの部屋20a〜20cを有している。部屋20ごとに1つの空調機2および1つの温度計3が設置されている。空調機2は、それが設置されている部屋20を冷房または暖房する。温度計3は、それが設置されている部屋20の室温を測定し、測定結果をデマンドコントローラ1に出力する。
室外温度計4は、施設の外気温を測定し、測定結果をデマンドコントローラ1に出力する。
電力計5は、施設内の各電子機器の消費電力を測定する。電力計5は、各空調機2の消費電力を個別に測定したり、施設のデマンド電力を算出したりすることができる。電力計5は測定結果および算出結果をデマンドコントローラ1に出力する。
(デマンドコントローラ1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラ1の要部構成を示すブロック図である。この図に示すように、デマンドコントローラ1は、通信部11、設定部12(優先度設定部、時間設定部)、測定値取得部13(外気温取得部、室温取得部、差分算出部)、学習部14(測定部、格納部)、データベース15、予測部16、空調機制御部17(取得部、制御部)、および制御時間決定部18(決定部)を備えている。各部材の詳細については後述する。
(空調機制御の概要)
デマンド制御システム10による空調機制御の概要について、以下に説明する。デマンドコントローラ1は、施設のデマンド電力が閾値を超えることが予測される閾値超過時間よりも前の一定時間に、空調機2を予め制御する。その際、空調機2が部屋20を冷房中の場合はより低い設定温度で部屋20を冷房させ(過冷房)、一方、空調機2が部屋20を暖房中の場合はより高い設定温度で部屋20を暖房させる(過暖房)ように、空調機2を制御する。
デマンドコントローラ1には、過去に行われた過冷房(過暖房)の時間と、過冷房(過暖房)が終了した時点の部屋20の室温が、過冷房(過暖房)が開始される時点の部屋20の室温に戻るまでの過去に測定された室温復帰時間とが少なくとも対応付けて格納された学習データを有している。デマンドコントローラ1は、この学習データを参照して今回空調機2の制御時間(過冷房時間、過暖房時間)を決定し、その時間に空調機2に過冷房を実行させるように空調機2を制御する。
詳しくは後述するが、このような制御によって、デマンドコントローラ1は、管理者に手間を掛けさせることなく、施設のデマンド電力の低減と部屋20内の空調環境維持とを両立することができる。
(デマンド電力の学習)
デマンドコントローラ1は、施設のデマンド電力が閾値を超える閾値超過時間を予測するためのデマンド電力学習データを、事前に生成する。この学習データの生成手順を以下に説明する。
測定値取得部13は、一定時間(たとえば1分)ごとに、各部屋20の室温を温度計3から取得し、施設の外気温を室外温度計4から取得し、さらに施設のデマンド電力を電力計5から取得し、学習部14に出力する。
学習部14は、一定時間ごとの室温から、ある日の各部屋20の室温の時間的推移を表す各曲線を生成する。また、一定時間ごとのデマンド電力から、ある日のデマンド電力の時間的推移を表す曲線を生成する。また、一定時間ごとの外気温から、ある日の外気温の時間的推移を表す曲線を生成する。
学習部14は、これらの曲線を互いに関連付けたデマンド電力学習データを生成し、データベース15に格納する。その際、学習部14は、このデマンド電力学習データ内に、その日の最大デマンド電力および最大外気温を対応付けて格納してもよい。
(空調機制御処理)
図3は、本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラ1が実行する空調機制御処理の流れを示すフローチャートである。以下では、デマンドコントローラ1が、夏のある一日における所定の時間に空調機2が部屋20を過冷房するように空調機2を制御する例を説明する。
図3に示す処理が開始されると、まず、設定部12が、空調機2を制御する対象の各部屋20を設定する(ステップS1)。設定部12は、施設の管理者によって選択された部屋20を、空調機2を制御する対象の部屋20に設定すればよい。本実施形態では、3つの部屋20a〜20cが設定される。
ステップS1の後、設定部12は、各部屋20の既定の初期値を設定する(ステップS2)。この初期値は、過去に測定された過冷房時間がまったく学習データに格納されていない場合に用いられる、過冷房時間の規定の初期値である。設定部12は、施設の管理者によって入力された初期値を既定の初期値に設定すればよい。管理者は、施設のコンサルティングに基づき、デマンドコントローラ1に設定される初期値を決定することができる。本実施形態では、既定の初期値として2時間が各部屋20に設定される。
ステップS2の後、測定値取得部13が、一定時間(たとえば1分)ごとに、各部屋20の室温を温度計3から取得し、施設の外気温を室外温度計4から取得し、それぞれ予測部16に出力する。
予測部16は、入力された外気温に基づき、本日のデマンド電力を予測する(ステップS3)。その手順は次の通りである。予測部16は、外気温が入力された時刻を取得する。そして、この時刻とこの外気温とが同じように対応付けられている外気温曲線が格納されている少なくとも1つの学習データをデータベース15から特定する。予測部16は、これらの学習データのうちいずれかに格納されているデマンド電力曲線が、本日のデマンド電力曲線に一致すると予測する。すなわち予測部16は、施設の本日のデマンド電力が、この曲線の通りに時間的に推移すると予測する。
ステップS3の後、予測部16は、予測したデマンド電力が所定のデマンド閾値を超えるか否かを判定する(ステップS4)。このデマンド閾値はデータベース15に予め格納されている。ステップS4における判定結果がNOなら、図3に示す処理はステップS3に戻る。このように、ステップS4における判定結果がYESになるまで、図3に示す処理はステップS3およびステップS4を繰り返す。この場合、ステップS3において、予測部16は、測定値取得部13が新たに取得した外気温に基づきデマンド電力を新たに予測する。
(閾値超過時間決定)
ステップS4における判定結果がYESなら、予測部16は、デマンド電力が閾値を超える時間(閾値超過時間)を決定する(ステップS5)。その際、予測部16は、閾値超過時間の開始時点(開始時刻)および終了時点(終了時刻)をそれぞれ決定する。また、予測部16は、入力された外気温から各部屋20の室温を減算することによって、入力された外気温と各部屋20の室温との各差分を算出する。以下、この差分をΔTとも表す。
ステップS5の後、制御時間決定部18が、ΔTおよび閾値超過時間に基づき、過冷房の学習データを参照することによって今回の過冷房時間を決定する(ステップS6)。この決定処理の詳細は後述する。
ステップS6の後、空調機制御部17が、閾値超過時間と、今回の過冷房時間とに基づき、過冷房の開始時点および終了時点を決定する。具体的には、閾値超過時間の開始時点から、今回の過冷房時間だけ遡った時点を、過冷房の開始時点に決定する。さらに、閾値超過時間の開始時点を、過冷房の終了時点に決定する。その後、空調機制御部17は定期的に現在の時刻を取得し、さらに、現在の時刻が過冷房の開始時点に一致するか否かを判定する(ステップS7)。
(過冷房制御開始)
ステップS7における判定結果がNOなら、図3に示す処理はステップS7に戻る。このように、ステップS7における判定結果がYESになるまで、図3に示す処理はステップS7を繰り返す。
ステップS7における判定結果がYESなら、空調機制御部17は、空調機2の制御を開始する(ステップS8)。空調機2が部屋20を過冷房するように、空調機2を制御する。その際、空調機制御部17は、冷房の設定温度を現在よりも一定温度下げることを、空調機2に指示する。本実施形態ではこの一定温度は3℃である。この一定温度は、予めデータベース15に格納されている。
空調機2は、この指示を受けて、現在の冷房設定温度を3℃下げる。たとえば空調機2が27℃の冷房設定温度で動作中の場合、空調機制御部17による制御を受けた後は、24℃の冷房設定温度で動作する。この結果、空調機2は、空調機制御部17による制御を受ける前に比べて、部屋20をより強く冷房する。これにより、部屋20の室温が徐々に低下する。
空調機制御部17は、空調機2の制御を開始するとき、学習部14に、現時点における部屋20の室温を保存することを指示する。この指示を受けて、学習部14は、測定値取得部13から入力された、空調機2の制御開始時点における部屋20の室温をデータベース15に保存する。この室温は、後の室温復帰時間測定に用いられる。
ステップS8の後、空調機制御部17は、現在の時刻が過冷房の終了時点に一致するか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9における判定結果がNOなら、図3に示す処理はステップS9に戻る。このように、ステップS9における判定結果がYESになるまで、図3に示す処理はステップS9を繰り返す。すなわちデマンドコントローラ1は、過冷房時間の間、空調機2に過冷房させる制御を継続する。これにより、過冷房時間のいずれかの時点において、部屋20の室温は24℃に到達する。
ステップS9における判定結果がYESなら、空調機制御部17は、空調機2の制御を終了する(ステップS10)。その際、空調機制御部17は、冷房設定温度を元に戻すように空調機2に指示する。この指示を受けて、空調機2は、冷房設定温度を、空調機制御部17による制御を受ける前の27℃に戻す。
(室温復帰時間測定)
ステップS10の後、学習部14が、過冷房終了後の部屋20の室温復帰時間を測定する(ステップS11)。この手順は次の通りである。学習部14は、データベース15に格納されている過冷房開始時点の部屋20の室温を取得する。そして学習部14は、測定値取得部13から入力された最新の部屋20の室温が、データベース15から取得した過冷房開始時点の部屋20の室温に一致するか否かを判定する。学習部14は、過冷房が終了した時点から、この判定結果がYESになった時点までを測定することによって、室温復帰時間を決定する。このように測定値取得部13は、過冷房時間だけ行われた過冷房制御が終了した時点の部屋20の室温が、過冷房が開始される時点の部屋20の部屋の室温に戻るまでの時間を測定する。
ステップS11の後、学習部14は、ΔTと、今回の閾値超過時間とに、測定された室温復帰時間を対応付けて、過冷房の学習データに格納する(ステップS12)。この後、図3に示す処理はステップS3に戻る。
(過冷房時間決定処理)
図4は、本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラ1が実行する過冷房時間決定処理の流れを示すフローチャートである。この図に示す処理が開始されると、まず、制御時間決定部18は、今回の過冷房が、算出されたΔTにおける初めての過冷房か否かを判定する(ステップS11)。算出されたΔTに対応する室温復帰時間が過冷房の学習データにまったく格納されていない場合、S11の判定結果はYESになり、そうでなければNOになる。
ステップS11における判定結果がYESなら、制御時間決定部18は、既定の初期値を今回の過冷房時間に決定する(ステップS12)。この初期値はデータベース15に予め格納されている。本実施形態では初期値は2時間である。この後、図4に示す処理は終了する。
一方、ステップS11における判定結果がNOなら、制御時間決定部18は、学習データにおいてΔTに対応する室温復帰時間のいずれかが閾値超過時間に一致するか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13における判定結果がYESなら、制御時間決定部18は、学習データにおいてΔTと閾値超過時間に一致する室温復帰時間とに対応する室温復帰時間を、今回の室温復帰時間に決定する(ステップS14)。この後、図4に示す処理は終了する。
一方、ステップS13における判定結果がNOなら、制御時間決定部18は、ΔTに対応する室温復帰時間のうち、閾値超過時間に最も近い室温復帰時間を取得する(ステップS15)。この後、図4に示す処理は終了する。
次に測定値取得部13は、閾値超過時間が、取得した室温復帰時間よりも長いか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16における判定結果がYESなら、制御時間決定部18は、学習データにおいて、取得した室温復帰時間に対応する過冷房時間よりも一段階長い過冷房時間を、今回の過冷房時間に決定する(ステップS17)。この後、図4の処理は終了する。
一方、ステップS16における判定結果がNOなら、制御時間決定部18は、学習データにおいて、取得した室温復帰時間に対応する過冷房時間よりも一段階短い過冷房時間を、今回の過冷房時間に決定する(ステップS18)。この後、図4の処理は終了する。
(過冷房時間の学習データ)
図5は、本発明の実施形態1に係る過冷房時間の学習データの一例を示す図である。図5に示す学習データには、デマンドコントローラ1が過去に空調機2を過冷房制御した際の、デマンド電力が閾値を超えると判定された時点のΔTと、空調機2の過冷房時間と、部屋20における室温復帰時間とが、対応付けて格納されている。たとえば、図5の(a)に示すように、学習データでは、6℃のΔTと、2時間の過冷房と、45分の室温復帰時間とが対応付けられている。このことは、施設において、デマンドコントローラ1が、ΔTが6℃の場合に空調機2を2時間過冷房制御した結果、部屋20の室温が45分で元の値に復帰したという実績があったことを示す。
学習データには、予め、各制御時間が既定の単位時間(図5では30分)間隔で格納されている。以下でいう一段階長い制御時間とは、ある制御時間よりも単位時間だけ長い制御時間のことであり、一段階短い制御時間とは、ある制御時間よりも単位時間だけ短い制御時間のことである。
学習データが図5の(a)に示すデータであるときに、ΔTが6℃であり、かつ、閾値超過時間が30分であると決定されたとする。図5(a)では、6℃のΔTに対応付けて学習データに格納されている室温復帰時間は、45分のみである。決定された閾値超過時間(30分)は、この室温復帰時間(45分)よりも短い。そこで制御時間決定部18は、6℃のΔTおよび45分の室温復帰時間に対応付けて学習データに格納されている2時間の過冷房時間よりも一段階短い1.5時間を、今回の過冷房時間に決定する。
これにより、空調機制御部17は、空調機2の過冷房制御を1.5時間継続する。図5の(a)では、今回の制御条件(ΔT=6℃、過冷房時間=1.5時間)に対応する室温復帰時間が格納されていない。そこで学習部14は、この制御終了後に測定した室温復帰時間(35分)を、図5の(b)に示すように、6℃のΔTと1.5時間の過冷房時間とに対応付けて学習データに格納する。この結果、学習データにおいて、これまで行われていなかった新たな制御条件に対応する室温復帰時間の値が追加される。すなわち、学習データがより充実する。
学習データが図5の(b)に示すデータに更新された後、ΔTが6℃であり、かつ、閾値超過時間が60分であると決定されたとする。図5(b)では、6℃のΔTに対応付けて学習データに格納されている2つの室温復帰時間のうち、決定された閾値超過時間(60分)に最も近い時間は45分である。ここで、決定された閾値超過時間(60分)は、この閾値超過時間に最も近い室温復帰時間(45分)よりも長い。そこで制御時間決定部18は、6℃のΔTおよび45分の室温復帰時間に対応付けて学習データに格納されている2時間の過冷房時間よりも一段階長い2.5時間を、今回の過冷房時間に決定する。
これにより、空調機制御部17は、空調機2の過冷房制御を2.5時間継続する。図5の(b)では、今回の制御条件(ΔT=6℃、過冷房時間=2.5時間)に対応する室温復帰時間が格納されていない。そこで学習部14は、この制御終了後に測定した室温復帰時間(57分)を、図5の(c)に示すように、6℃のΔTと2.5時間の過冷房時間とに対応付けて学習データに格納する。この結果、学習データにおいて、これまで行われていなかった新たな制御条件に対応する室温復帰時間の値が追加される。すなわち、学習データがさらに充実する。
学習データが図5の(c)に示すデータに更新された後、ΔTが6℃であり、かつ、閾値超過時間が45分であると決定されたとする。図5(c)では、6℃のΔTに対応付けて学習データに格納されている3つの室温復帰時間のうち、決定された閾値超過時間(45分)に最も近い時間は45分である。ここで、決定された閾値超過時間(45分)は、この閾値超過時間に最も近い室温復帰時間(45分)に一致する。そこで制御時間決定部18は、6℃のΔTおよび45分の室温復帰時間に対応付けて学習データに格納されている2時間の過冷房時間を、今回の過冷房時間に決定する。
これにより、空調機制御部17は、空調機2の過冷房制御を2時間継続する。図5の(c)では、今回の制御条件(ΔT=6℃、過冷房時間=2時間)に対応する室温復帰時間が格納済みである。そこで学習部14は、この制御終了後に測定した室温復帰時間(40分)と、学習データに格納済みである室温復帰時間(45分)との平均値を算出する。そして学習部14は、図5の(d)に示すように、6℃のΔTと2.5時間の過冷房時間とに対応付けられる現在の室温復帰時間(45分)を、算出された平均値(42.5分)に更新する。この結果、学習データにおいて、ある制御条件に対応する室温復帰時間の正確性を高めることができるので、学習データがより一層充実する。
(過冷房制御の一例)
図6は、本発明の実施形態1に係るデマンドコントローラ1が実行する空調機制御処理の具体例を説明する図である。図6には、ある一日における、空調機2の設定温度、部屋20の室温、空調機2の消費電力、施設の外気温、施設のデマンド電力(予測値)、および施設の実際のデマンド電力の時間的推移をそれぞれ示す。
図6のG1は、施設の一日における外気温の時間的推移を表すグラフである。G2は、予測されるデマンド電力の時間的推移を表すグラフである。G3は、デマンドコントローラ1による空調機2の過冷房制御が行われた場合の、施設の実際のデマンド電力の時間的推移を表すグラフである。
図6の例では、時点t1よりも前から、空調機2は27℃の冷房設定温度で動作している。これにより、部屋20の室温は約27℃に維持されている。予測部16は、時点t1における外気温に基づき、施設の一日のデマンド電力が、図6のグラフG2の通りに推移すると予測する。図6では、時点t2(15時)から時点t3(16時)までの1時間、予測したデマンド電力が閾値を超えている。そこで予測部16は、時点t2から時点t3までの時間51を、予測したデマンド電力が所定のデマンド閾値を超える閾値超過時間であると決定する。
制御時間決定部18は、時点t1におけるΔTと閾値超過時間51とに基づき、過冷房の学習データを参照することによって、過冷房時間52を決定する。図6の例では、過冷房時間52は3時間であり、時点t4(12時)から開始され、時点t2(15時)で終了する。
時点t1から時点t2までの間、空調機2は27℃の冷房設定温度で部屋20を冷房し続ける。これにより、部屋20の室温は約27℃に保たれ、空調機2の消費電力は一定値を維持する。時点t4において、空調機2の過冷房制御が始まり、その結果、空調機2の冷房設定温度は24℃に低下する。冷房時の空調機2の消費電力は冷房設定温度が低いほど大きい。したがって、過冷房の開始後、空調機2の消費電力は、過冷房制御が開始される前に比べて急激に上昇する。これによりグラフG2およびG3に示すように、過冷房時間52では、デマンド電力の予測値よりも実際のデマンド電力の方が高くなる。
過冷房が開始されることによって、部屋20の温度は約27℃から急激に低下し、やがて約24℃に到達する。過冷房時間が終了する時点t2まで、部屋20の室温は約24℃に保たれる。また、空調機2の消費電力も高く維持される。
時点t2において、空調機2の過冷房制御は終了する。これにより、空調機2の冷房設定温度が24℃から27℃に戻る。この後、空調機2は冷房を継続する。
過冷房時間52において部屋20が過冷房されているので、時点t2の後、部屋20の室温はすぐには27℃にまで上昇せず、徐々に上昇する。今回の過冷房時間52は、過冷房の学習データに基づき、今回の閾値超過時間51に等しい1時間で室温が27℃から24℃に戻る結果となった過去の過冷却時間と同じ時間が決定されている。そのため、部屋20の室温は、閾値超過時間51が終了する時点t3において、時点t4における室温(約27℃)に復帰する。すなわち、閾値超過時間51において、室温が27℃よりも低い時間が十分に維持される。
デマンドコントローラ1による過冷房制御は、閾値超過時間51が開始される時点t3において終了する。したがって、閾値超過時間51における空調機2の冷房設定温度は27℃に戻る。部屋20の室温が空調機2の冷房設定温度よりも低ければ、空調機2は、室外機を運転することなく室内機による送風運転のみを行うので、空調機2の消費電力が低くなる。そのため、図6に示すように、室温が冷房設定温度の27℃よりも低い閾値超過時間51(時点t2から時点t3の間)における空調機2の消費電力は、室温が冷房設定温度に等しい約27℃である時点t4以前の空調機2の消費電力よりも低くなる。
このように、過冷房時間52における空調機2の過冷房制御によって、閾値超過時間51における空調機2の消費電力を低減することができる。これにより、グラフG2およびG3に示すように、閾値超過時間51における施設の実際のデマンド電力は、予測されたデマンド電力よりも低くなる。図6の例では、閾値超過時間51における実際のデマンド電力は、デマンド閾値を下回っている。したがってデマンドコントローラ1は、閾値超過時間51における従来の一般的なデマンド制御の発生を回避することができる。
一方、特許文献1に開示された技術では、過冷房の終了時点が明確ではない。そのため、予測されたデマンドコントロール発令時刻以降も過冷房を継続する可能性がある。この場合、空調の電力が過冷房によって通常よりも余計に消費されているため、デマンドコントロール発令時刻になった後、すぐにデマンド制御が開始される結果となる。すなわち特許文献1に開示された技術には、デマンドコントロール発令時刻におけるデマンド制御の発生を回避することができないという問題がある。
以上のように、デマンドコントローラ1による空調機2の過冷房制御が行われることによって、予測されたデマンド電力に存在したデマンドピーク(閾値を超えるデマンド電力)が、実際のデマンド電力には生じなくなる。この結果、電力消費が激しいと予測された閾値超過時間51における施設のデマンド電力を低減することができる。
さらに、閾値超過時間51において、室温が過冷房開始時点の値に戻るのは、閾値超過時間の終了時点(時点t3)である。したがって、閾値超過時間51における部屋20の空調環境が急激に悪化することがなく、快適な状態に維持される。
(過暖房制御)
デマンドコントローラ1は、冬のある一日における所定の時間に空調機2が部屋20を過暖房するように空調機2を制御することもできる。この場合の処理の流れは、基本的に図3に示す処理と同一である。ただし、ステップS6において、空調機制御部17は、ΔTおよび閾値超過時間に基づき、過暖房の学習データを参照することによって今回の過暖房時間を決定する。この決定処理は、過冷房の学習データの代わりに過暖房の学習データを用いる点を除き、図4に示す処理と基本的に同一である。
また、ステップS8において、空調機制御部17は、空調機2が部屋20を過暖房するように、空調機2を制御する。その際、空調機制御部17は、暖房設定温度を現在よりも一定温度(たとえば3℃)上げることを、空調機2に指示する。この一定温度は、予めデータベース15に格納されている。
空調機2は、この指示を受けて、現在の暖房設定温度を3℃上げる。たとえば空調機2が22℃の暖房設定温度で動作中の場合、空調機制御部17による制御を受けた後は、25℃の冷房設定温度で動作する。この結果、空調機2は、空調機制御部17による制御を受ける前に比べて、部屋20をより強く暖房する。これにより、部屋20の室温が徐々に上昇する。
(過冷房時間の学習データ)
図7は、本発明の実施形態1に係る過暖房時間の学習データの一例を示す図である。図7に示す学習データには、デマンドコントローラ1が過去に空調機2を過暖房制御した際の、デマンド電力が閾値を超えると判定された時点のΔTと、空調機2の過暖房時間と、部屋20における室温復帰時間とが、対応付けて格納されている。たとえば、図7の(a)に示すように、学習データでは、−4℃のΔTと、2時間の過暖房と、60分の室温復帰時間とが対応付けられている。このことは、施設において、デマンドコントローラ1が、ΔTが−4℃の場合に空調機2を2時間過暖房制御した結果、部屋20の室温が60分で元の値に復帰したという実績があったことを示す。
学習データが図7の(a)に示すデータであるときに、ΔTが−4℃であり、かつ、閾値超過時間が45分であると決定されたとする。図7(a)では、−4℃のΔTに対応付けて学習データに格納されている室温復帰時間は、60分のみである。決定された閾値超過時間(45分)は、この室温復帰時間(60分)よりも短い。そこで制御時間決定部18は、−4℃のΔTおよび60分の室温復帰時間に対応付けて学習データに格納されている2時間の過暖房時間よりも一段階短い1.5時間を、今回の過暖房時間に決定する。
これにより、空調機制御部17は、空調機2の過暖房制御を1.5時間継続する。図7の(a)では、今回の制御条件(ΔT=−4℃、過暖房時間=1.5時間)に対応する室温復帰時間が格納されていない。そこで学習部14は、この制御終了後に測定した室温復帰時間(40分)を、図7の(b)に示すように、−4℃のΔTと1.5時間の過暖房時間とに対応付けて学習データに格納する。この結果、学習データにおいて、これまで行われていなかった新たな制御条件に対応する室温復帰時間の値が追加される。すなわち、学習データがより充実する。
学習データが図7の(b)に示すデータに更新された後、ΔTが−4℃であり、かつ、閾値超過時間が90分であると決定されたとする。図7(b)では、−4℃のΔTに対応付けて学習データに格納されている2つの室温復帰時間のうち、決定された閾値超過時間(90分)に最も近い時間は60分である。ここで、決定された閾値超過時間(90分)は、この閾値超過時間に最も近い室温復帰時間(60分)よりも長い。そこで制御時間決定部18は、−4℃のΔTおよび60分の室温復帰時間に対応付けて学習データに格納されている2時間の過暖房時間よりも一段階長い2.5時間を、今回の過暖房時間に決定する。
これにより、空調機制御部17は、空調機2の過暖房制御を2.5時間継続する。図7の(b)では、今回の制御条件(ΔT=−4℃、過暖房時間=2.5時間)に対応する室温復帰時間が格納されていない。そこで学習部14は、この制御終了後に測定した室温復帰時間(100分)を、図7の(c)に示すように、−4℃のΔTと2.5時間の過暖房時間とに対応付けて学習データに格納する。この結果、学習データにおいて、これまで行われていなかった新たな制御条件に対応する室温復帰時間の値が追加される。すなわち、学習データがさらに充実する。
学習データが図7の(c)に示すデータに更新された後、ΔTが−4℃であり、かつ、閾値超過時間が60分であると決定されたとする。図7(c)では、−4℃のΔTに対応付けて学習データに格納されている3つの室温復帰時間のうち、決定された閾値超過時間(60分)に最も近い時間は60分である。ここで、決定された閾値超過時間(60分)は、この閾値超過時間に最も近い室温復帰時間(60分)に一致する。そこで制御時間決定部18は、−4℃のΔTおよび60分の室温復帰時間に対応付けて学習データに格納されている2時間の過暖房時間を、今回の過暖房時間に決定する。
これにより、空調機制御部17は、空調機2の過暖房制御を2時間継続する。図7の(c)では、今回の制御条件(ΔT=−4℃、過暖房時間=2時間)に対応する室温復帰時間が格納済みである。そこで学習部14は、この制御終了後に測定した室温復帰時間(70分)と、学習データに格納済みである室温復帰時間(60分)との平均値を算出する。そして学習部14は、図7の(d)に示すように、−4℃のΔTと2.5時間の過暖房時間とに対応付けられる現在の室温復帰時間(60分)を、算出された平均値(65分)に更新する。この結果、学習データにおいて、ある制御条件に対応する室温復帰時間の正確性を高めることができるので、学習データがより一層充実する。
(変形例)
施設が、何らかの製品を生産する設備を備えた工場などの生産施設である場合、施設の昼休み中には生産が停止されているために、生産のための電力が低下する。すなわち、施設の昼休み中には施設のデマンド電力に余裕がある。そこで空調機制御部17は、特に夏において、施設のデマンド電力に余裕がある施設の昼休み中に、空調機2が部屋20を過冷房するように空調機2を制御してもよい。これにより、昼休み後における、施設のデマンド電力の低減と部屋20内の空調環境維持とを両立することができる。
施設が、上述した生産施設である場合、施設の始業前には生産が停止されているために、生産のための電力が低下する。すなわち、施設の始業前には施設のデマンド電力に余裕がある。そこで空調機制御部17は、特に夏において、施設のデマンド電力に余裕がある施設の始業前に、空調機2が部屋20を過暖房するように空調機2を制御してもよい。これにより、始業後における、施設のデマンド電力の低減と部屋20内の空調環境維持とを両立することができる。
デマンドコントローラ1には、部屋20ごとに、部屋20に対応する過冷房の学習データ(過暖房の学習データ)が用意されていてもよい。この場合、制御時間決定部18は、各部屋20に対応する学習データを参照して、各部屋20に設置されている空調機2を制御するための今回の過冷房時間(過暖房時間)を決定する。これにより、部屋20の状況(断熱特性、空調性能)に応じた最適な過冷房時間(過暖房時間)が決定される。
設定部12は、部屋20ごとの制御優先度を設定することができる。制御優先度が設定されている場合、空調機制御部17は、制御優先度の順に、各空調機2の過冷房または過暖房を開始する。設定部12は、施設の管理者によって入力された優先度を、制御優先度として設定すればよい。これにより、たとえば管理者が施設の状況に応じた優先度を入力することによって、各空調機2の制御の順序を施設の状況に応じて適宜変更することができる。
設定部12は、空調機2を固定的に過冷房または過暖房する固定時間(季節、日、時間)を設定することができる。固定時間が設定されている場合、空調機制御部17は、その固定時間に各空調機2制御することによって、空調機2に部屋20を過冷房または過暖房させる。設定部12は、施設の管理者によって入力された時間を、固定時間として設定すればよい。これにより、管理者の判断により部屋20を強制的に過冷房または過暖房することができる。
空調機制御部17は、必ずしも予測部16から閾値超過時間を取得する必要はない。空調機制御部17は、通信部11を介して、デマンドコントローラ1の外部から閾値超過時間を取得することもできる。
たとえば、デマンド制御システム10による制御対象である施設を保有する電力需要家が、アグリゲータと契約しているとする。電力会社は、ある日の前日または当日に、天候を考慮した上で、電力の供給量と、電力需要家における需要量の予測との差を把握する。電力会社は、電力の需要量が供給量を大きく上回る場合、アグリゲータに対して対応を指示する。
アグリゲータは、電力会社からの指示を受けて、電力需要家における電力の需要量が供給量を大きく上回る時間における節電の実施を、電力需要家に要請する。この要請を受けた場合、空調機制御部17は、この節電要請時間を閾値超過時間としてアグリゲータから取得する。制御時間決定部18は、取得された節電要請時間に基づき、過冷房時間(過暖房時間)を決定する。
このように、デマンドコントローラ1は、アグリゲータからの要請に基づき空調機2を制御することによって、節電要請時間におけるデマンド電力を低減することができる。すなわちデマンドコントローラ1は、アグリゲータからの要請に適切に応えることができる。
電力会社は、電力の供給計画を、アグリゲータではなく電力需要家に直接提供してもよい。この場合、予測部16は、通信部11を介して、電力会社から電力の供給計画を取得する。また、予測部16は、電力会社から取得した供給計画から、ΔTに基づき予測したデマンド電力を減算することによって、デマンド電力が電力供給量を上回っている時間を算出し、この時間を閾値超過時間に決定する。これにより予測部16は、より正確な閾値超過時間を決定することができる。
さらに、予測部16は、デマンド電力が電力供給量を下回っている時間を算出してもよい。この場合、空調機制御部17は、この時間に空調機2を制御することによって、空調機2に過冷房(過暖房)を実行させる。これにより、デマンド電力に余裕がなくなる時間ではなく、デマンド電力に余裕がある時間に、空調機2に過冷房(過暖房)を実行させることができる。したがって、デマンド電力に余裕がなくなると決定された時間における実際のデマンド電力を低減させることができる。さらに、無理な節電を防ぎつつ、施設におけるデマンド電力を電力会社による電力供給計画に合わせることができる。また、電力会社が、電力供給計画に沿った形で電力を消費する電力需要家に対して電力料金を値引きするサービスを提供していれば、上述した手法による空調機2の制御によって、施設における電気料金を低減することができる。
〔実施形態2〕
図8および図9を参照して本発明に係る実施形態2を以下に説明する。
本実施形態に係るデマンド制御システム10の構成は、基本的に実施形態1と同様である。ただし、本実施形態に係るデマンド制御システム10は、実施形態に1に係るデマンドコントローラ1に替えて、デマンドコントローラ1’を備えている。
(デマンドコントローラ1’の構成)
図8は、本発明の実施形態2に係るデマンドコントローラ1’の要部構成を示すブロック図である。この図に示すように、デマンドコントローラ1’は、通信部11、設定部12、測定値取得部13、学習部14、データベース15、予測部16、空調機起動部81、および起動判定部82を備えている。空調機起動部81および起動判定部82の詳細については後述する。
(空調機制御の概要)
デマンド制御システム10による空調機制御の概要について、以下に説明する。デマンドコントローラ1’は、施設のデマンド電力が低い冬(寒い季節)の早朝に、空調機2を事前に起動させることによって、施設の始業前に部屋20を予め暖房させておく。これにより、施設のデマンド電力が高いと予想される時間における空調機2の消費電力を下げ、その結果として、この時間において施設の実際のデマンド電力が閾値を超えることを防止する。
(早朝起動制御の一例)
図9は、本発明の実施形態2に係るデマンドコントローラ1’が実行する空調機制御処理の具体例を説明する図である。図9には、冬のある一日における、空調機2の設定温度、部屋20の室温、空調機2の消費電力、施設の外気温、施設のデマンド電力(予測値)、および施設の実際のデマンド電力の時間的推移をそれぞれ示す。
図9のG11は、施設の一日における外気温の時間的推移を表すグラフである。G12は、予測されるデマンド電力の時間的推移を表すグラフである。G13は、デマンドコントローラ1による空調機2の早朝起動制御が行われた場合の、施設の実際のデマンド電力の時間的推移を表すグラフである。
図9の例では、時点t11よりも前において、各空調機2はまだ起動していないので、各部屋20はまだ暖房されていない。予測部16は、時点t11における外気温に基づき、施設の一日のデマンド電力が、図9のグラフG12の通りに推移すると予測する。図9では、時点t12から時点t13までの間、予測したデマンド電力は閾値を超えている。予測部16は、開始時点t12から時点t13までの時間91を、予測したデマンド電力が所定のデマンド閾値を超える閾値超過時間であると決定する。
予測部16は、時間51が、一日のうち午前中であるか否かを判定する。この判定結果がYESである場合、予測部16は、空調機起動部81にその旨を通知する。
空調機起動部81は、予測部16から通知を受けると、各空調機2を順次起動させるように、各空調機2を制御する。その際、各空調機2に起動して暖房を開始するように指示する。この指示を受けると、空調機2は起動し、部屋20の暖房を開始する。本実施形態では、すべての空調機2が22℃の暖房設定温度で動作する。
本実施形態では、空調機起動部81は、空調機2ごとに異なる時点で起動を指示する。たとえば、時点t12において、空調機2aに起動を指示し、それから一定時間後(たとえば10分後)に、空調機2bに起動を指示し、それからさらに一定時間後(たとえば10分後)に、空調機2cに起動を指示する。これらの指示によって、各空調機2はそれぞれ異なる時点で起動する。同じ時点で複数の空調機2が起動することがないので、施設のデマンド電力が急激に上昇することが回避される。
図9に、時点t11において起動する空調機2の消費電力の時間的推移と、その空調機2が設置されている部屋20の室温の時間的推移とを示す。時点t11に空調機2が起動されることによって、空調機2の消費電力が高くなる。また、時点t11以降に部屋20の暖房が開始されることによって、部屋20の室温が徐々に上昇し始める。時点t11以降に部屋20の暖房が継続されることによって、閾値超過時間91の開始時点t12よりも前に、部屋20の室温は約22℃に到達する。空調機2の暖房設定温度は22℃であるので、室温が約22℃であれば、空調機2は暖房時に外気を温めて利用する必要がないので、空調機2の消費電力は字徐々に低下し始める。また、部屋20の室温は約22℃に維持される。開始時点t12では、すべての部屋20の室温が約22℃にまで到達している。
時点t11移行に各空調機2が順次起動されることによって、時点t11移行に、施設の実際のデマンド電力が上昇し始める。グラフG12およびG13に示すように、時点t11以降の施設の実際のデマンド電力は、空調機2が事前に起動されていることによって、予測されたデマンド電力よりも高くなっている。
閾値超過時間91の開始時点t12において、すべての空調機2の起動が完了している。また、すべての部屋20の室温が約22℃に到達している。したがって閾値超過時間91において各空調機2の消費電力は低く維持される。これにより、閾値超過時間91におけるデマンド電力の上昇を抑えることができる。
グラフG12およびG13に示すように、閾値超過時間91における実際のデマンド電力は、予測されたデマンド電力よりも低い。さらに、閾値超過時間91における実際のデマンド電力は、閾値よりも低い。このように、本実施形態に係るデマンド制御システム10によって、施設の実際のデマンド電力がデマンド契約電力を超えることを防止することができる。
デマンドコントローラ1’は、施設のデマンド電力を予測することなく、早朝のある時点における部屋20の室温または施設の外気温のみに基づき、空調機2の起動を制御すべきか否かを決定してもよい。この手順を以下に説明する。
本例では、起動判定部82が、施設の外気温または部屋20の室温が所定の温度閾値を下回っているか否かを判定する。この判定結果がYESである場合、起動判定部82は、空調機起動部81にその旨を通知する。図9の例では、時点t11における施設の外気温が温度閾値を下回っているので、起動判定部82は、時点t11において、施設の外気温が温度閾値を下回っている旨を空調機起動部81に通知する。空調機起動部81は、起動判定部82から通知を受けると、各空調機2を順次起動させるように、各空調機2を制御する。
冬の一日の施設の始業前において、施設の外気温または部屋20の室温が温度閾値を下回っている場合、すなわち、外気温または室温が非常に低い値である場合、この日の施設の始業開始後に、施設のデマンド電力が非常に高くなる可能性が高い。そこで、施設の始業前に各空調機2を順次起動させてことによって、始業開始後において施設のデマンド電力が閾値を超えることが防止できる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
図1に示すデマンドコントローラ1または図8に示すデマンドコントローラ1の各機能ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、デマンドコントローラ1および1’は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。
上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、たとえば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、空調機を制御する制御装置として幅広く利用できる。
1,1’ デマンドコントローラ(制御装置)
2 空調機
3 温度計
4 室外温度計
5 電力計
10 デマンド制御システム(制御システム)
11 通信部
12 設定部(優先度設定部、時間設定部)
13 測定値取得部(外気温取得部、室温取得部、差分算出部)
14 学習部(格納部)
15 データベース
16 予測部
17 空調機制御部(取得部、制御部)
18 制御時間決定部(決定部)
20 部屋
81 空調機起動部
82 起動判定部

Claims (14)

  1. 施設内の部屋に設置された空調機を制御する制御装置であって、
    前記施設のデマンド電力が閾値を超えることが予測される閾値超過時間を取得する取得部と、
    前記空調機が前記部屋を冷房中の場合はより低い設定温度で前記部屋を冷房させ、一方、前記空調機が前記部屋を暖房中の場合はより高い設定温度で前記部屋を暖房させるように、前記空調機を制御する制御部と、
    前記制御部による前記空調機の制御が過去に行われた制御時間と、前記制御時間だけ行われた前記制御が終了した時点の前記部屋の室温が前記制御が開始される時点の前記部屋の室温に戻るまでの過去に測定された室温復帰時間とが少なくとも対応付けて格納されたデータを参照して、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間に基づき、今回の制御時間を決定する決定部とを備えており、
    前記制御部は、前記閾値超過時間の開始時点から前記今回の制御時間だけ遡った時点から前記開始時点までの間、前記空調機を制御し
    前記施設の外気温を取得する外気温取得部と、
    前記部屋の室温を取得する室温取得部と、
    前記室温と前記外気温との差分を算出する差分算出部とをさらに備えており、
    前記データにおいて、前記差分と、前記制御が過去に行われた前記制御時間と、過去に測定された前記室温復帰時間とが対応付けて格納されており、
    前記決定部は、前記差分と、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間とに基づき、今回の制御時間を決定することを特徴とする制御装置。
  2. 前記決定部は、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間が前記閾値超過時間に一致する場合、前記閾値超過時間に一致する前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間を、前記今回の制御時間に決定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記決定部は、前記閾値超過時間が、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間よりも長い場合、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間よりも一段階長い制御時間を、前記今回の制御時間に決定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記決定部は、前記閾値超過時間が、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間よりも短い場合、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間よりも一段階短い制御時間を、前記今回の制御時間に決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記制御部による前記空調機の制御が終了した時点の前記部屋の室温が前記制御が開始される時点の前記部屋の室温に戻るまでの室温復帰時間を測定する測定部と、
    前記測定によって測定された前記室温復帰時間を、前記今回の制御時間に対応付けて前記データに格納する格納部とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記施設における前記デマンド電力を予測する予測部をさらに備えており、
    前記取得部は、前記閾値超過時間として、予測された前記デマンド電力が前記閾値を超える時間を前記予測部から取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記予測部は、前記外気温に基づき前記デマンド電力を予測することを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記制御部は、さらに、前記施設の昼休み中に、前記空調機に前記より低い設定温度で前記部屋を冷房するように前記空調機を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の制御装置。
  9. 前記制御部は、さらに、前記施設の始業前に、前記空調機に前記より高い設定温度で前記部屋を暖房するように前記空調機を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の制御装置。
  10. 前記施設は複数の前記部屋を有しており、
    前記部屋ごとに前記空調機が設置されており、
    前記部屋ごとに前記部屋に対応する前記データが用意されており、
    前記決定部は、前記部屋ごとに、前記部屋に対応する前記データを参照して、前記部屋に設置されている前記空調機を制御するための前記今回の制御時間を決定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の制御装置。
  11. 前記空調機を制御する時間を設定する時間設定部をさらに備えており、
    前記制御部は、さらに、前記時間設定部によって設定された時間に前記空調機を制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御装置。
  12. 通信部をさらに備えており、
    前記取得部は、前記通信部を介して、前記制御装置の外部から前記閾値超過時間を取得することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の制御装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の制御装置と、
    前記制御装置によって制御される空調機と備えていることを特徴とする制御システム。
  14. 施設内の部屋に設置された空調機を制御する制御方法であって、
    前記施設のデマンド電力が閾値を超えることが予測される閾値超過時間を取得する取得工程と、
    前記空調機が前記部屋を冷房中の場合はより低い設定温度で前記部屋を冷房させ、一方、前記空調機が前記部屋を暖房中の場合はより高い設定温度で前記部屋を暖房させるように、前記空調機を制御する制御工程と、
    前記制御工程における前記空調機の制御が過去に行われた制御時間と、前記制御時間だけ行われた前記制御が終了した時点の前記部屋の室温が前記制御が開始される時点の前記部屋の室温に戻るまでの過去に測定された室温復帰時間とが少なくとも対応付けて格納されたデータを参照して、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間に基づき、今回の制御時間を決定する決定工程とを有しており、
    前記制御工程において、前記閾値超過時間の開始時点から前記今回の制御時間だけ遡った時点から前記開始時点までの間、前記空調機を制御し、
    前記施設の外気温を取得する外気温取得工程と、
    前記部屋の室温を取得する室温取得工程と、
    前記室温と前記外気温との差分を算出する差分算出工程とをさらに有しており、
    前記データにおいて、前記差分と、前記制御が過去に行われた前記制御時間と、過去に測定された前記室温復帰時間とが対応付けて格納されており、
    前記決定工程において、前記差分と、前記閾値超過時間に最も近い前記室温復帰時間に対応付けて前記データに格納されている前記制御時間とに基づき、今回の制御時間を決定することを特徴とする制御方法。
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