JP7042180B2 - 熱源制御装置及び熱源制御プログラム - Google Patents

熱源制御装置及び熱源制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、熱源制御装置及び熱源制御プログラムである。
従来、住宅等の空調技術に関して、例えば、翌日の気象条件等に基づいて在室前に冷暖房の運転を開始する予冷や予熱を行う技術が開示されている。
特開平2-75847号公報
近年、太陽光発電装置を備え、太陽光発電装置によって発電された電力を売電する又は自家消費することにより、エネルギーを有効活用することができる住宅等が増加している。住宅において発電された電力の売電単価が下落傾向にあり、発電された電力を売電して得られる金額よりも、自家消費することにより買電量を低減して節約した金額のほうが大きくなる場合が生じている。例えば、売電単価が比較的低い場合には、住宅において発電された電力を自家消費することが、電気代の削減につながり家計上好ましい。一例として、在室前に冷暖房の運転を開始する予冷や予熱を行うことができれば、温熱快適性の向上を図りつつ、自家消費を増やすことができる。
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来技術によると、太陽光発電装置によって発電された電力を空調の予冷や予熱に使用するための具体的な技術までは開示されておらず、太陽光発電装置によって発電された電力の自家消費率を向上させることまではできないという問題があった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、太陽光発電装置によって発電された電力の自家消費率を向上させることができる熱源制御装置及び熱源制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、太陽光発電装置が発電する発電量の予測値である太陽光発電量予測値と、前記太陽光発電装置によって発電された電力が供給される建物の消費電力の予測値である消費電力予測値とに基づいて、前記建物における余剰電力の予測値である余剰電力予測値を算出する余剰電力予測値算出部と、前記余剰電力予測値算出部が算出する前記余剰電力予測値と、前記建物内の室温の予測値である室温予測値と、前記建物の居住者の在室時間帯の予測値である在室時間帯予測値と、前記建物の断熱性能又は前記建物の蓄熱性能とに基づいて、前記建物内の蓄熱部に蓄熱される熱量を発生させる熱源の駆動パターンの候補を複数算出する駆動パターン候補算出部と、前記太陽光発電装置が発電する電力の売電価格と、前記建物に供給される商用電力の買電価格とに基づく売買電収支を、前記駆動パターン候補算出部が算出する複数の前記駆動パターンの候補のそれぞれについて算出する売買電収支算出部と、前記売買電収支算出部が算出する前記売買電収支に基づいて、前記駆動パターン候補算出部が算出する複数の前記駆動パターンの候補のなかから、前記熱源の駆動に用いられる前記駆動パターンを選択する駆動パターン選択部と、前記駆動パターン選択部が選択した前記駆動パターンを、前記熱源の駆動装置に出力する出力部と、を備える熱源制御装置である。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記駆動パターンには、前記熱源を冷却駆動する場合には、前記建物内の人が快適さを感じる環境条件としての快適体感温度により低い体感温度にして前記熱源を駆動し、前記熱源を発熱駆動する場合には、前記快適体感温度に比べ体感温度がより高い状態にして前記熱源を駆動するパターンが含まれる。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記駆動パターンには、前記在室時間帯予測値が示す居住者の入室時刻の所定時間前から、前記建物内の体感温度を快適体感温度にするパターンが含まれる。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記駆動パターン候補算出部は、前記建物内の湿度の予測値である湿度予測値にさらに基づいて、前記駆動パターンの候補を算出する。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記出力部は、前記在室時間帯予測値が示す居住者の在室時間帯において、前記建物内の室温の予測値である室温予測値が、前記建物内の人が快適さを感じる環境条件としての快適体感温度の所定の範囲に含まれる場合には、前記熱源の制御装置に対して前記駆動パターンを出力しない。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記熱源には、放射作用により熱を伝達する放射冷暖房器具が含まれる。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記建物は、断熱性能を示すU値が0.6以下である区画を有する。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記熱源は、室内空間の単位体積当たりの熱容量の値が25[kJ/K・m]以上である区画を有する建物に設置される。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記駆動パターン候補算出部は、前記建物の断熱性能又は前記建物の蓄熱性能にさらに基づいて、前記駆動パターンの候補を算出する。
本発明の一実施形態は、上述した熱源制御装置において、前記駆動パターン候補算出部は、前記建物のシミュレーション結果に基づいて、前記駆動パターンの候補を算出する。
本発明の一実施形態は、太陽光発電装置が発電する発電量の予測値である太陽光発電量予測値と、前記太陽光発電装置によって発電された電力が供給される建物の消費電力の予測値である消費電力予測値とに基づいて、前記建物における余剰電力の予測値である余剰電力予測値を算出する余剰電力予測値算出部と、前記余剰電力予測値算出部が算出する前記余剰電力予測値と、前記建物内の室温の予測値である室温予測値と、前記建物の居住者の在室時間帯の予測値である在室時間帯予測値とに基づいて、熱源の駆動パターンの候補を算出する駆動パターン候補算出部と、前記駆動パターン候補算出部が算出する前記駆動パターンの候補から、前記熱源の駆動に用いられる前記駆動パターンを選択する駆動パターン選択部と、前記駆動パターン選択部が選択した前記駆動パターンを、前記熱源の駆動装置に出力する出力部とを備える熱源制御装置である。
本発明の一実施形態は、熱源制御装置が備えるコンピュータに、太陽光発電装置が発電する発電量の予測値である太陽光発電量予測値と、前記太陽光発電装置によって発電された電力が供給される建物の消費電力の予測値である消費電力予測値とに基づいて、前記建物における余剰電力の予測値である余剰電力予測値を算出する余剰電力予測値算出ステップと、前記余剰電力予測値算出ステップにおいて算出される前記余剰電力予測値と、前記建物内の室温の予測値である室温予測値と、前記建物の居住者の在室時間帯の予測値である在室時間帯予測値とに基づいて、前記建物内の蓄熱部に蓄熱される熱量を発生させる熱源の駆動パターンの候補を複数算出する駆動パターン候補算出ステップと、前記太陽光発電装置が発電する電力の売電価格と、前記建物に供給される商用電力の買電価格とに基づく売買電収支を、前記駆動パターン候補算出ステップにおいて算出される複数の前記駆動パターンの候補のそれぞれについて算出する利益額算出ステップと、前記利益額算出ステップにおいて算出される前記売買電収支に基づいて、前記駆動パターン候補算出ステップにおいて算出される複数の前記駆動パターンの候補のなかから、前記熱源の駆動に用いられる前記駆動パターンを選択する駆動パターン選択ステップと、前記駆動パターン選択において選択された前記駆動パターンを、前記熱源の駆動装置に出力する出力ステップと、を実行させるための熱源制御プログラムである。
本発明によれば、太陽光発電装置によって発電された電力の自家消費率を向上させることができる熱源制御装置及び熱源制御プログラムが提供される。
本実施形態の熱源制御システムが設置される建物の概要を示す図である。 本実施形態の建物の間取りの一例を示す図である。 本実施形態の熱源制御システムの機能構成の一例を示す図である。 本実施形態の熱源制御装置の動作の一例を示す図である。 本実施形態の室温予測値と在室時間帯予測値と快適体感温度の範囲との関係の一例を示す図である。 本実施形態の太陽光発電量予測値及び消費電力予測値の一例を示す図である。 本実施形態の余剰電力予測値の一例を示す図である。 本実施形態の駆動パターン候補の第1の例を示す図である。 本実施形態の駆動パターン候補の第2の例を示す図である。 本実施形態の駆動パターン候補の第3の例を示す図である。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の熱源制御システム1が設置される建物FCの概要を示す図である。本実施形態の熱源制御システム1は、建物FCに備えられる。建物FCとは、例えば戸建住宅や集合住宅であり、太陽光発電装置PVを備える。太陽光発電装置PVは、建物FCに発電電力PGを供給する。建物FCには、商用電源から供給される商用電力CPと、太陽光発電装置PVが発電する発電電力PGとが供給される。
熱源制御システム1は、建物FCが備える熱源HSRを制御する。この熱源HSRは、建物FCに供給される電力によって駆動される。
図2は、本実施形態の建物FCの間取りの一例を示す図である。この一例において、熱源制御システム1は、建物FCのうち、ある区画SC(図の一例ではリビング・ダイニング・キッチン;LDK)を制御対象とする。この区画SCには、熱源HSRと、蓄熱部HSTと、温湿度センサSRと、電力マネジメント装置HMSとが備えられる。
なお、熱源制御システム1は、建物FCの全体を一つの区画SCとして制御対象としてもよく、建物FCに複数の区画SCがある場合には、これら複数の区画SCをまとめて制御対象としてもよく、これら複数の区画SCのそれぞれを個別に制御対象としてもよい。
熱源HSRは、冷房機器、暖房機器又は冷暖房機器であって、電力によって駆動される。熱源HSRには、例えば、床暖房設備、床冷暖房設備、放射(輻射)パネル、エアコンディショナーなどが含まれる。熱源HSRは、区画SC内の空間や床、壁などを冷却又は加温する。本実施形態の一例では、熱源HSRとは、放射(輻射)パネルに冷温水を循環させることにより、放射作用(輻射作用)によって熱を伝達する放射冷暖房器具RADである。
なお、熱源HSRが発生させる熱には、暖房によって区画SC内の室温TMPを上昇させる正の熱と、冷房によって区画SC内の室温TMPを下降させる負の熱とがある。以下の説明において、熱源HSRが発生させる熱との記載には、正の熱と負の熱とのいずれをも含む。
蓄熱部HSTは、一般的な壁材や床材に比べて蓄熱性能(例えば、熱容量)が高い蓄熱部材HSMを備える。蓄熱部材HSMには、例えば、RC(Reinforced Concrete)パネル、PCM(Phase Change Material;潜熱蓄熱材)パネル、ALC(Autoclaved・Lightweight aerated・Concrete)パネルなどが含まれる。蓄熱部HSTは、熱源HSRが発生させた熱(暖房の場合は正の熱、冷房の場合は負の熱)を蓄熱する。蓄熱部HSTは、蓄えられた熱による温度が、室温TMPと平衡するまでの間、区画SC内の空間に対して放熱又は吸熱し続ける。すなわち、蓄熱部HSTは、熱源HSRの駆動が停止された後にも、室温TMPと平衡するまでの間、区画SC内の空間に対して放熱又は吸熱を継続することができる。
なお、この蓄熱部材HSMは、区画SC内の空間に対して放熱又は吸熱をすることができればよく、壁、床、天井など、いずれの部位に設置されてもよい。また、当該区画SC内に床暖房設備や床冷暖房設備が備えられている場合には、蓄熱部材HSMは、床に設置されることが好ましい。
温湿度センサSRは、区画SC内の温度(つまり、室温TMP)と、湿度HMとを計測する。
なお、この一例では、温湿度センサSRが独立した装置として建物FCに設置されているものとして説明するが、これに限られない。温湿度センサSRは、建物FCの冷暖房機器(不図示)に内蔵されている温湿度センサを利用するものであってもよい。
温湿度センサSRは、室温TMP及び湿度HMを電力マネジメント装置HMSに出力する。なお、温湿度センサSRは、室温TMP及び湿度HMに基づく既知の算出式によって算出される体感温度STを、電力マネジメント装置HMSに出力してもよい。
電力マネジメント装置HMSは、建物FC内の電力の供給及び消費と、温湿度センサSRが測定する室内環境の情報(例えば、室温TMP、湿度HMなど)とを記録する。ここでは、温湿度センサSRの情報は電力マネジメント装置HMSに記録しているが、別途、専用(または汎用)の記録装置を設置して記録しても構わない。
また、電力マネジメント装置HMSは、「エネルギー見える化」機能や家電を操作する機能を有していてもよい。
なお、本実施形態の建物FCは、断熱性能を示すU値(外皮平均熱貫流率)が0.6以下である。熱源制御装置10は、この建物FC(又は区画SC)の断熱性能を示す断熱性能情報TIP、及び建物FC(又は区画SC)の蓄熱性能を示す蓄熱性能情報TSPを記憶していてもよい。
また、建物FCのうち、熱源HSRが設置される区画SCは、室内空間の単位体積当たりの熱容量の値が25[kJ/K・m]以上である。
なお、熱源HSRが設置される区画SCの熱容量は、35[kJ/K・m]以上であることがより好ましい。
ここで、一般的な木造住宅の室内空間の熱容量は、おおよそ10~20[kJ/K・m]である。本実施形態の建物FCは、この一般的な木造住宅の室内空間の熱容量よりも大きな熱容量を有していることが好ましい。
次に、図3を参照して熱源制御システム1の機能構成について説明する。
[熱源制御システム1の機能構成]
図3は、本実施形態の熱源制御システム1の機能構成の一例を示す図である。熱源制御システム1は、熱源制御装置10と、電力マネジメント装置HMSとを備える。なお、熱源制御装置10の各機能部は、熱源制御装置10に内蔵されるコンピュータ装置の機能部として実現されていてもよく、クラウド・ネットワーク環境において接続されたいずれかのコンピュータ装置の機能部として実現されていてもよい。
電力マネジメント装置HMSは、建物FC内の電力を発電、蓄電、又は消費する各装置に接続されており、各装置の電力の供給状況及び消費状況、熱源HSRの運転状況を記録する。この一例では、電力マネジメント装置HMSは、太陽光発電装置PVの発電量を示す情報を取得する。以下の説明において、太陽光発電装置PVの発電量を「発電電力PG」とも称する。また、電力マネジメント装置HMSは、建物FCに備えられる各種の電力消費機器EQの消費電力量を示す情報を取得する。以下の説明において、電力消費機器EQの消費電力量を「消費電力PC」とも称する。また、電力マネジメント装置HMSは、建物FCに備えられる蓄電装置BATの充放電量を示す情報を取得する。以下の説明において、蓄電装置BATの充放電量を「充放電量PD」とも称する。また、電力マネジメント装置HMSは、熱源HSRから、冷暖房のために消費した電力量を示す情報や熱源HSRの運転状況(運転時間や設定温度、運転モード等)に関する情報を取得する。以下の説明において、冷暖房のために消費した電力量を「冷暖房電力量PAC」、熱源HSRの運転状況を「冷暖房運転情報DRV」とも称する。
なお、建物FCには、蓄電装置BATは必ずしも設置されていなくてもよい。
電力マネジメント装置HMSは、温湿度センサSRが出力する室温TMP及び湿度HMを取得する。電力マネジメント装置HMSは、取得した室温TMP及び湿度HMに基づいて体感温度STを算出してもよい。温湿度センサSRは、風速を計測できるものでもよく、風速も含めて体感温度STを算出してもよい。
電力マネジメント装置HMSは、発電電力PGの履歴である発電電力過去データPGHと、消費電力PCの履歴である消費電力過去データPCHと、充放電量PDの履歴であるバッテリ充放電量過去データPDHと、体感温度STの履歴である体感温度過去データSTHと、冷暖房電力量PACの履歴である冷暖房電力量過去データPACHとをそれぞれ記憶する。
また、電力マネジメント装置HMSは、初期データIDと、在室時間情報STZとを記憶する。ここで、初期データIDとは、上述した各履歴データが蓄積されるまでの間、履歴データの代用として用いられるデータである。在室時間情報STZとは、建物FCの居住者の在室時間帯TZを示す情報である。この在室時間情報STZは、建物FCの居住者の生活状況に基づいて電力マネジメント装置HMSに予め記憶されている。
ここでは、各種情報は電力マネジメント装置HMSに記録しているが、別途、専用(又は汎用)の記録装置を設置して記録しても構わないし、ネットワークを介して建物外のサーバー上等に記録しても良い。
[熱源制御装置10の機能構成]
熱源制御装置10は、余剰電力予測値算出部110と、駆動パターン候補算出部120と、売買電収支算出部130と、駆動パターン選択部140と、出力部150と、受信部160と、室内環境予測部170と、冷暖房運転要否判断部180と、冷暖房モード判定部190とを備える。
受信部160は、電力マネジメント装置HMS及びネットワークNTから各種の情報を受信する。具体的には、受信部160は、電力マネジメント装置HMSから、発電電力過去データPGHと、消費電力過去データPCHと、バッテリ充放電量過去データPDHと、体感温度過去データSTHと、在室時間情報STZと、冷暖房電力量過去データPACHと、冷暖房運転情報DRVとを受信する。なお、受信部160は、電力マネジメント装置HMSに各履歴データが蓄積されていない場合には、電力マネジメント装置HMSから初期データIDを受信する。
また、受信部160は、ネットワークNTから、気象予測値WPと、過去の気象データWHと、売電単価SEと、買電単価BEとを受信する。
室内環境予測部170は、受信部160が受信する体感温度過去データSTH(又は初期データID)と、気象予測値WP(例えば、日射量、気温、風速などの予測情報)と、既知の予測値算出手段とに基づいて、将来(例えば、向こう1日間)の建物FCにおける室内環境の予測値を算出する。この室内環境の予測値には、体感温度ST、室温予測値PTMP、湿度予測値PHMなどが含まれる。
室内環境予測部170は、算出した室内環境の予測値を冷暖房運転要否判断部180に出力する。
冷暖房運転要否判断部180は、室内環境予測部170が算出する室内環境の予測値と、受信部160が受信した在室時間情報STZとに基づいて、熱源HSRによる冷暖房運転の要否を判断する。具体的には、冷暖房運転要否判断部180は、建物FCの居住者の在室時間帯TZにおいて、冷暖房運転を行わなかった場合に適温であるか否かを判断する。冷暖房運転要否判断部180は、在室時間帯TZに室内が適温でなく熱源HSRによる冷暖房運転が必要であると判断した場合には、冷暖房モード判定部190に冷暖房モードの判定をさせる。
なお、冷暖房運転要否判断部180は、建物FCの居住者の在室時間帯TZを過去のデータに基づいて予測してもよい。この場合、冷暖房運転要否判断部180は、建物FCの居住者の在室時間帯TZの予測値である在室時間帯予測値PTZを算出する。この一例では、冷暖房運転要否判断部180は、建物FC内に備えられる人感センサ(不図示)からの出力や、建物FC内の電力消費機器EQの電力消費状況、又は建物FCの居住者が所有する携帯機器の所在位置を示す情報などに基づいて、居住者の在室有無を把握する。冷暖房運転要否判断部180は、居住者が在室している時間帯の履歴に基づいて、在室時間帯予測値PTZを算出する。冷暖房運転要否判断部180は、算出した在室時間帯予測値PTZに基づいて、熱源HSRによる冷暖房運転の要否を判断する。
冷暖房モード判定部190は、居住者が不在であれば在室時間帯TZにおいて適温にするために予冷予熱モードで冷暖房運転を行うべきと判断して、余剰電力予測値算出部110に進め、居住者が在室または在室間近であれば快適温度制御モードで冷暖房運転を行うように出力部150から出力する。
余剰電力予測値算出部110は、受信部160が受信した発電電力過去データPGHと、消費電力過去データPCHと、気象予測値WPと、過去の気象データWHとに基づいて、余剰電力予測値PPEを算出する。
具体的には、余剰電力予測値算出部110は、発電電力過去データPGHと、気象予測値WPと、過去の気象データWHと、既知の予測値算出手段とに基づいて、太陽光発電量予測値PPGを算出する。この一例において、余剰電力予測値算出部110は、将来(例えば、向こう1日間)の太陽光発電装置PVによる発電電力PGを太陽光発電量予測値PPGとして算出する。
また、余剰電力予測値算出部110は、消費電力過去データPCHと、気象予測値WPと、過去の気象データWHと、在室時間帯予測値PTZと、既知の予測値算出手段とに基づいて、消費電力予測値PPCを算出する。この一例において、余剰電力予測値算出部110は、将来(例えば、向こう1日間)の建物FCにおける各電力消費機器EQの消費電力PCを消費電力予測値PPCとして算出する。ここで、消費電力予測値PPCとは、熱源HSRの消費電力を除く全てのEQの消費電力を指す。
余剰電力予測値算出部110は、太陽光発電量予測値PPGと、消費電力予測値PPCとに基づいて、余剰電力予測値PPEを算出する。
すなわち、余剰電力予測値算出部110は、太陽光発電装置PVが発電する発電量の予測値である太陽光発電量予測値PPGと、太陽光発電装置PVによって発電された発電電力PGが供給される建物FCの消費電力PCの予測値である消費電力予測値PPCとに基づいて、建物FCにおける余剰電力PEの予測値である余剰電力予測値PPEを算出する。
なお、余剰電力予測値算出部110は、建物FCが蓄電装置BATを備える場合には、この蓄電装置BATの充放電量予測値PPDを加味して、余剰電力予測値PPEを算出してもよい。この場合、余剰電力予測値算出部110は、バッテリ充放電量過去データPDHと、算出した太陽光発電量予測値PPG及び消費電力予測値PPCと、気象予測値WPと、過去の気象データWHと、既知の予測値算出手段とに基づいて、充放電量予測値PPDを算出する。この一例において、余剰電力予測値算出部110は、将来(例えば、向こう1日間)の蓄電装置BATの充放電量PDを充放電量予測値PPDとして算出する。
余剰電力予測値算出部110は、算出した太陽光発電量予測値PPG、消費電力予測値PPC及び充放電量予測値PPDに基づいて、余剰電力予測値PPEを算出する。余剰電力予測値算出部110は、算出した余剰電力予測値PPEを駆動パターン候補算出部120に出力する。
駆動パターン候補算出部120は、余剰電力予測値PPEと、冷暖房電力量過去データPACHと、体感温度過去データSTHと、過去の気象データWHと、気象予測値WPとに基づいて、駆動パターンPTの候補である駆動パターン候補CPTを算出する。
ここで、駆動パターンPTとは、熱源HSRにおいて消費される消費電力PCの時間変化である。必要に応じて、熱源HSRを駆動することによる室温TMPや湿度HMや体感温度STの時間変化を算出しても良い。なお、以下の説明において「パターン」とは、値又は量の時間変化を意味する。
また、駆動パターン候補算出部120は、冷暖房電力量過去データPACHと、冷暖房運転情報過去データDRVHと、在室時間帯予測値PTZとに基づいて、熱源HSRの駆動パターンPTの候補である駆動パターン候補CPTを算出する。ここで、駆動パターン候補算出部120は、冷房駆動の場合は、種々の予冷温度と、種々の予冷開始時刻と、種々の予冷終了時刻(すなわち、適温制御開始時刻)の組み合わせを、駆動パターン候補CPTとして算出する。暖房駆動の場合は、種々の予熱温度と、種々の予熱開始時刻と、種々の予熱終了時刻(すなわち、適温制御開始時刻)の組み合わせを、駆動パターン候補CPTとして算出する。
種々の予冷温度には、一例として、快適体感温度CST、快適体感温度CST-(マイナス)1[°C]、快適体感温度CST-(マイナス)2[°C]、快適体感温度CST-(マイナス)3[°C]、快適体感温度CST-(マイナス)4[°C]、・・・などがある。また、種々の予冷開始時刻には、一例として、余剰電力PEの発生直後、余剰電力PEの発生から1時間経過後、余剰電力PEの発生から2時間経過後、・・・などがある。例えば、駆動パターン候補算出部120は、予冷温度を快適体感温度CST-(マイナス)1[°C]、予冷開始時刻を余剰電力PEの発生直後、とする駆動パターンPTを、駆動パターン候補CPT1として算出する。また、駆動パターン候補算出部120は、予冷温度を快適体感温度CST-(マイナス)2[°C]、予冷開始時刻を余剰電力PEの発生直後、とする駆動パターンPTを、駆動パターン候補CPT2として算出する。
なお、暖房(予熱)の場合には、種々の予熱温度には、一例として、快適体感温度CST、快適体感温度CST+(プラス)1[°C]、快適体感温度CST+(プラス)2[°C]、快適体感温度CST+(プラス)3[°C]、快適体感温度CST+(プラス)4[°C]、・・・などがある。
ここでは、駆動パターン候補CPTとして予冷温度と予冷開始時間の組み合わせとしたが、予冷温度と予冷開始時間以外に適温制御開始時刻や停止時刻、予冷を中断する時間などを組み合わせてもよい。また、予冷温度は常に一定する必要はなく、時間の経過に従って変動させてもよい。例えば、余剰電力が夕方に向けて減少するのに合わせて予冷温度を徐々に上げることによって、余剰電力の範囲内で予冷を行うことが可能になる。
駆動パターン候補算出部120は、算出した駆動パターン候補CPTのそれぞれについて、熱源HSRの消費電力の予測値を算出する。一例として、熱源HSRを冷房運転する場合には、駆動パターン候補算出部120は、熱源HSRの消費電力の予測値として、冷房電力PCLを算出する。
換言すれば、駆動パターン候補算出部120は、余剰電力予測値PPEと、室温予測値PTMPと、在室時間帯予測値PTZと、受信部に受信されたデータとに基づいて、駆動パターン候補CPTを算出する。
売買電収支算出部130は、売電利益額PRFと買電支出額PEXとを算出し、算出した売電利益額PRFと買電支出額PEXとに基づいて売買電収支TBを、駆動パターン候補CPTのそれぞれについて算出する。具体的には、売買電収支算出部130は、太陽光発電装置PVが発電する発電電力PGの売電単価SEと、建物FCに供給される商用電力CPの買電単価BEとに基づく売電利益額PRFを、駆動パターン候補算出部120が算出する複数の駆動パターンPTの候補のそれぞれについて算出する。
なお、出力抑制により、発電電力PGを商用電源に供給すること(いわゆる逆潮)が禁止される場合がある。この場合には、売買電収支算出部130は、売電単価SEを0(ゼロ)円として売電利益額PRFを算出する。
駆動パターン選択部140は、駆動パターン候補CPTそれぞれの売買電収支TBに基づいて、複数の駆動パターン候補CPTのなかから、熱源HSRの駆動に用いられる駆動パターンPTを選択する。
すなわち、駆動パターン選択部140は、売買電収支算出部130が算出する売買電収支TBに基づいて、駆動パターン候補算出部120が算出する複数の駆動パターン候補CPTのなかから、熱源HSRの駆動に用いられる駆動パターンPTを選択する。
例えば、駆動パターン選択部140は、複数の駆動パターン候補CPTのなかから、売買電収支TBが最も有利な(利益が最も多い、又は、支出が最も少ない)駆動パターン候補CPTを、駆動パターンPTとして選択する。
出力部150は、駆動パターン選択部140が選択した駆動パターンPTを、熱源HSRの駆動装置に出力する。
なお、熱源制御装置10は、シミュレーション結果を取得してもよい。この場合、熱源制御装置10は、シミュレーション結果に基づいて、熱源HSRの駆動パターンPTを算出する。ここで、シミュレーション結果には、建物FCにおいて、当該建物FCの居住者の家族構成、ライフスタイル、建物FCの立地条件などのもとにおいて算出された、ある気象条件における室温TMP、発電量(例えば、太陽光発電量予測値PPG)、冷暖房の消費電力(例えば、消費電力予測値PPC)などが含まれる。シミュレーション結果を取得できることで、過去のデータが蓄積されていない状況でも比較的精度の高い予測をすることが可能になる。
次に、図4を参照して熱源制御装置10の動作の一例について説明する。
[熱源制御装置10の動作]
図4は、本実施形態の熱源制御装置10の動作の一例を示す図である。
以下の説明において、外気温が比較的高い季節や地域において、熱源HSRが冷却駆動されることにより建物FCが冷房される場合を一例にして説明する。なお、外気温が比較的低い季節や地域において、熱源HSRが発熱駆動されることにより建物FCが暖房されてもよいが、この暖房の場合の説明は省略する。
[冷暖房運転の要否判定]
(ステップS10)受信部160は電力マネジメント装置HMS及びネットワークNTから各種の情報を受信する。
(ステップS20)室内環境予測部170は、受信部160が受信する体感温度過去データSTH(又は初期データID)と、気象予測値WP(例えば、日射、気温、風速などの予測情報)と、既知の予測値算出手段とに基づいて、将来(例えば、向こう1日間)の建物FCにおける室内環境予測値を算出する。この一例では、室内環境予測値とは、室温予測値PTMPである。
(ステップS30)冷暖房運転要否判断部180は、建物FCの居住者の在室時間帯TZを取得又は予測する。冷暖房運転要否判断部180は、取得又は予測した結果を在室時間帯予測値PTZとして算出する。
(ステップS40)冷暖房運転要否判断部180は、算出した在室時間帯予測値PTZと、当該時間帯における室内環境の予測値とに基づいて、熱源HSRを運転しなかった場合において、建物FCの居住者の在室時間帯に適温であるか否かを判定する。
ここで、図5を参照して、室温予測値PTMPと、在室時間帯予測値PTZと、快適体感温度の範囲CZとの関係を説明する。
図5は、本実施形態の室温予測値PTMPと在室時間帯予測値PTZと快適体感温度の範囲CZとの関係の一例を示す図である。同図には、快適体感温度の範囲CZが室温のみによって判定される場合を一例として示す。なお、快適体感温度の範囲CZは、室温のみによって判定されてもよいし、室温と湿度とによって判定されてもよいし、室温と放射温度とによって判定されてもよいし、さらに放射温度や風速を組み合わせて判定されてもよい。
この一例において、室内環境予測部170は、同図に示す室温予測値PTMP1を室温予測値PTMPとして算出する。ここで、快適体感温度の範囲CZとは、快適範囲上限値CZHと快適範囲下限値CZLとの間の温度範囲である。建物FCの室温TMPが快適体感温度の範囲CZの範囲内にある場合、建物FCの居住者は快適であると感じる。
室内環境予測部170は、熱源HSRを駆動しない場合の室温TMPの予測値を、室温予測値PTMPとして算出する。同図に示す一例では、時刻8:30頃に室温予測値PTMPが快適範囲上限値CZHを超え、熱源HSRを冷却駆動(つまり、冷房)しなければ不快な状態になる。また、この一例では、時刻21:00頃までは室温予測値PTMPが快適範囲上限値CZHを超え続ける。
この一例において、冷暖房運転要否判断部180は、同図に示す在室時間帯予測値PTZ1を在室時間帯予測値PTZとして算出する。具体的には、冷暖房運転要否判断部180は、時刻8:00頃から時刻18:00頃までの間、居住者が不在であり、時刻18:00頃に居住者が帰宅するとする在室時間帯予測値PTZ1を算出する。すなわち、この一例の場合、居住者の入室時刻は、時刻18:00である。
居住者の帰宅時刻である時刻18:00における室温予測値PTMPは(すなわち、同図に示す帰宅時室温予測値PTMP-RH)は、快適範囲上限値CZHを超え、不快な状態になる。この一例の場合、居住者の入室時刻よりも前に熱源HSRを冷却駆動する(つまり、冷房する)ことが必要と判断できる。つまり、冷房することで居住者の在室時間帯に、室温TMPを快適体感温度の範囲CZにすることができる。
図4に戻り、冷暖房運転要否判断部180は、在室時間帯に適温であると判定した場合(ステップS40;YES)には、熱源HSRによる冷暖房運転を不要と判断して、処理をステップS10に戻す。冷暖房運転要否判断部180は、在室時間帯に適温でないと判定した場合(ステップS40;NO)には、熱源HSRによる冷暖房運転を必要と判断して、処理をステップS50に進める。
換言すれば、出力部150は、在室時間帯予測値PTZが示す居住者の在室時間帯TZにおいて、建物FC内の室温TMPの予測値である室温予測値PTMPが、建物FC内の人が快適さを感じる環境条件としての快適体感温度CSTの所定の範囲に含まれる場合には、熱源HSRの制御装置に対して駆動パターンPTを出力しない。
[冷暖房モードの判定]
(ステップS50)冷暖房モード判定部190は、居住者がその時点で在室しているか在室間近か不在かによって冷暖房モードを判定する。居住者が不在であれば在室時間帯TZにおいて適温にするために予冷予熱モードで冷暖房運転を行うべきと判断して余剰電力予測値算出部110に進め、居住者が在室または在室間近であれば快適温度制御モードで冷暖房運転を行うように出力部から出力する。具体的には、冷暖房モード判定部190は、現在時刻が居住者の入室時刻の間近であるか否かを判定する。ここで、帰宅時刻の間近とは、例えば、現在時刻が帰宅時刻の所定時間(例えば、30分)前以降であることをいう。この所定時間は、建物FCの大きさや立地、断熱性、熱容量、あるいは、建物外部の温度や日射量、熱源HSRの冷暖房能力、室温予測値PTMPと快適体感温度の範囲CZとの乖離の程度などに基づいて算出されるか、予め指定した所定時間を用いる。
冷暖房モード判定部190は、現在時刻が居住者の帰宅時刻の間近であると判定した場合(ステップS50;YES)には、熱源HSRに対して、快適体感温度CSTを目標温度とする冷暖房制御を行わせる(ステップS60)。
冷暖房モード判定部190は、現在時刻が居住者の帰宅時刻の間近でない(つまり、居住者の帰宅時刻まで十分に時間がある)と判定した場合(ステップS50;NO)には、最適な予冷予熱を行う駆動パターンを選択するステップS70以降に処理を進める。
[最適な予冷・予熱を行う駆動パターンPTの選定]
(ステップS70)余剰電力予測値算出部110は、各種の情報を取得する。
(ステップS80)余剰電力予測値算出部110は、太陽光発電量予測値PPGを算出する。
(ステップS90)余剰電力予測値算出部110は、消費電力予測値PPCを算出する。図6に、太陽光発電量予測値PPG及び消費電力予測値PPCの一例を示す。
図6は、本実施形態の太陽光発電量予測値PPG及び消費電力予測値PPCの一例を示す図である。建物FCの付近の天気が快晴であり、太陽光発電装置PVに太陽光が入射し続ける場合、太陽光発電装置PVは、日の出時刻(例えば、時刻6:00)から日の入り時刻(例えば、時刻18:00)までの間、発電する。この一例の場合、余剰電力予測値算出部110は、同図に示す太陽光発電量予測値PPG1を太陽光発電量予測値PPGとして算出する。
また、一例として、建物FCの居住者が時刻6:00頃に起床して時刻8:00頃に外出し、時刻18:00に帰宅して時刻23:00頃に就寝する場合、かつ時刻8:00頃から時刻12:00頃までの間、貯湯式電気給湯機による沸き上げを行う場合には、余剰電力予測値算出部110は、同図に示す消費電力予測値PPC1を消費電力予測値PPCとして算出する。図6に示すPPC1は、時間当たりの積算量として消費電力量を示している。ここでいう消費電力には熱源HSRの消費電力は含まない。
(ステップS100)図4に戻り、余剰電力予測値算出部110は、算出した太陽光発電量予測値PPGと、消費電力予測値PPCとに基づいて、余剰電力予測値PPEを算出する。具体的には、余剰電力予測値算出部110は、太陽光発電量予測値PPGから消費電力予測値PPCを差し引いた残りを、余剰電力予測値PPEとして算出する。余剰電力予測値算出部110が算出する余剰電力予測値PPEの一例を図6及び図7に示す。
図7は、本実施形態の余剰電力予測値PPEの一例を示す図である。同図の一例では、余剰電力予測値算出部110は、太陽光発電量予測値PPG1から消費電力予測値PPC1を差し引いた残り、すなわち余剰電力予測値PPE1を余剰電力予測値PPEとして算出する。
(ステップS110)図4に戻り、駆動パターン候補算出部120は、駆動パターン候補CPTを算出する。ここで、図8から図10を参照して、駆動パターン候補CPTの冷房駆動の一例について説明する。
駆動パターン候補算出部120は、種々の予冷温度と、種々の予冷開始時刻などとの組み合わせを、駆動パターン候補CPTとして算出する。
種々の予冷温度には、一例として、快適体感温度CST、快適体感温度CST-(マイナス)1[°C]、快適体感温度CST-(マイナス)2[°C]、快適体感温度CST-(マイナス)3[°C]、快適体感温度CST-(マイナス)4[°C]、・・・などがある。また、種々の予冷開始時刻には、一例として、余剰電力PEの発生直後、余剰電力PEの発生から1時間経過後、余剰電力PEの発生から2時間経過後、・・・などがある。例えば、駆動パターン候補算出部120は、予冷温度を快適体感温度CST-(マイナス)1[°C]、予冷開始時刻を余剰電力PEの発生直後、とする駆動パターン候補CPT1として算出した例(その1)、予冷温度を快適体感温度CST-(マイナス)2[°C]、予冷開始時刻を余剰電力PEの発生直後とする駆動パターン候補CPT2として算出した例(その2)、予冷温度を快適体感温度CST-(マイナス)4[°C]、予冷開始時刻を余剰電力PEの発生直後とする駆動パターン候補CPT3として算出した例(その3)について説明する。
なお、既に予冷又は予熱を行っている最中であれば、現在時刻以降で予冷予熱を続けることを想定して駆動パターンを算出する。
[駆動パターン候補(その1)]
図8は、本実施形態の駆動パターン候補CPT1の例を示す図である。在室時間のうち18:00~21:00において、冷暖房しない場合の室温予測値PTMP1が快適体感温度の範囲CZの範囲外にある(この一例では、快適範囲上限値CZHを超える)ため、駆動パターン候補算出部120により、複数の駆動パターン候補が算出される。ここでは、候補の一例として、快適体感温度-(マイナス)1[°C]の設定温度で12:00から17:30まで予冷を行い、17:30~21:00に快適体感温度を設定温度として冷房を行った場合を示す。駆動パターン候補算出部では、冷房で使用される熱源HSRの消費電力が予測される。説明のために、室温予測値PTMP-CL2を同図(A)に示す。室温予測値PTMP-CL2は、時刻12:00から時刻17:30までを予冷期間PCL、時刻17:30から時刻21:00を冷房期間ACとする室温TMPの時間変化を示す。この例では、予冷時間帯の室温予測値PTMP12は、温度設定の通り、快適体感温度CSTに比べて温度が1[°C]低い。
換言すれば、この一例において、駆動パターンPTとは、熱源HSRを冷却駆動する場合には、建物FC内の人が快適さを感じる環境条件としての快適体感温度CSTより低い体感温度STにして熱源HSRを駆動し、熱源HSRを発熱駆動する場合には、快適体感温度CSTに比べ体感温度STがより高い状態にして熱源HSRを駆動するパターンである。冷房駆動の場合、予冷期間PCLには建物FC内の人が快適さを感じる環境条件としての快適体感温度CSTより低い体感温度STにして熱源HSRを駆動することで、冷房期間ACでの冷房に必要な消費電力を小さくすることが期待できる。結果的に、余剰電力の消費量を上げ、買電量を削減することが期待できる。
駆動パターンPTには、快適体感温度を予冷温度とした場合を含めてもよい。余剰電力量が少ない場合は快適温度と同温度が最も消費電力が少なくなる場合もある。
また、同図に示す冷房電力PCL2の消費パターン(消費電力の時間変化)と、余剰電力予測値PPEに基づく余剰電力PEの発生パターン(余剰電力PEの時間変化)とを比較すると、両パターンどうしが重なりあう時間帯がある。
ここで、同図に示す時刻12:00頃から時刻18:00頃の間について、余剰電力予測値PPEから冷房電力PCL2を差し引くと、売電量PS2が算出される。この売電量PS2は、太陽光発電装置PVが発電した発電電力PGのうち、冷房に使用された冷房電力PCLを除いた余剰の電力であり、売電される電力である。
また、同図に示す時刻18:00頃以降は、太陽光発電装置PVの発電電力PGが0(ゼロ)になるため、余剰電力が発生しない。このため、室温TMPを快適体感温度CST(この一例では、室温予測値PTMP11)に冷却するための冷房電力PCLは、商用電源から供給される商用電力CPまたは蓄電設備BATに蓄電された電力によって賄われる。すなわち、同図に示す時刻18:00頃以降の冷房電力PCLは、蓄電設備BATから供給される以外はすべてが購入する電力となる。ここでは、全て商用電力CPによって賄われると想定し、同図に示す時刻18:00頃以降について、余剰電力予測値PPEから冷房電力PCL2を差し引くと、買電量PB2が算出される。
[駆動パターン候補(その2)]
図9は、本実施形態の駆動パターン候補CPT2の例を示す図である。ここでは、候補の一例として、快適体感温度-(マイナス)2[°C]の設定温度で12:00から17:30まで予冷を行い、17:30~21:00に快適体感温度を設定温度として冷房を行った場合を示す。駆動パターン候補算出部では、冷房で使用される熱源HSRの消費電力が予測される。説明のために、室温予測値PTMP-CL3を同図(A)に示す。室温予測値PTMP-CL3は、時刻12:00から時刻17:30までを予冷期間PCL、時刻17:30から時刻21:00を冷房期間ACとする室温TMPの時間変化を示す。この例では、予冷時間帯の室温予測値PTMP13は、温度設定の通り、快適体感温度CSTに比べて温度が2[°C]低い。このように、室温予測値PTMP13は、快適体感温度CSTである室温予測値PTMP11に比べて温度をより低くすることで室内に蓄冷し、在室時間帯の冷房電力量を削減する効果が期待できる。
冷房電力PCL3の消費パターンは、上述した図8(B)に示す冷房電力PCL2の消費パターンに比べて、余剰電力PEが冷房電力PCL3として利用される程度が大きい。
ここで、同図に示す時刻12:00頃から時刻18:00頃の間について、余剰電力予測値PPEから冷房電力PCL3を差し引くと、売電量PS3が算出される。この売電量PS3は、太陽光発電装置PVが発電した発電電力PGのうち、冷房に使用された冷房電力PCLを除いた余剰の電力である。売電量PS3は、図8(C)に示した売電量PS2よりも少ない。
また、同図に示す時刻18:00頃以降は、太陽光発電装置PVの発電電力PGが0(ゼロ)になるため、余剰電力が発生しない。このため、室温TMPを快適体感温度CST(この一例では、室温予測値PTMP11)に冷却するための冷房電力PCLは、商用電源から供給される商用電力CPまたは蓄電設備BATに蓄電された電力によって賄われる。すなわち、同図に示す時刻18:00頃以降の冷房電力PCLは、蓄電設備BATから供給される以外はすべてが購入する電力となる。ここでは、全て商用電力CPによって賄われると想定し、同図に示す時刻18:00頃以降について、余剰電力予測値PPEから冷房電力PCL3を差し引くと、買電量PB3が算出される。買電量PB3は、図8(C)に示した買電量PB2よりも少ない。
つまり、図9に示す駆動パターンPTによると、図8に示した駆動パターンPTに比べて、売電量PS及び買電量PBがいずれも多い。
[駆動パターン候補(その3)]
図10は、本実施形態の駆動パターン候補CPT3の例を示す図である。在室時間のうち18:00~21:00において、室温予測値PTMP1が快適体感温度の範囲CZの範囲外にある(この一例では、快適範囲上限値CZHを超える)ため、駆動パターン候補算出部120により、複数の駆動パターン候補が算出される。ここでは、候補の一例として、快適体感温度-(マイナス)4[°C]の設定温度で12:00から17:30まで予冷を行い、17:30~21:00に快適体感温度を設定温度として冷房を行った場合を示す。駆動パターン候補算出部では、冷房で使用される熱源HSRの消費電力が予測される。説明のために、室温予測値PTMP-CL4を同図(A)に示す。室温予測値PTMP-CL4は、時刻12:00から時刻17:30までを予冷期間PCL、時刻17:30から時刻21:00を冷房期間ACとする室温TMPの時間変化を示す。この例では、予冷時間帯の室温予測値PTMP14は、温度設定の通り、快適体感温度CSTに比べて温度が4[°C]低い。このように、室温予測値PTMP14は、快適体感温度CSTである室温予測値PTMP11に比べて温度がより低くすることで室内に蓄冷し、在室時間帯の冷房電力量を削減する効果が期待できる。
なお、予冷期間PCLにおける温度が、快適体感温度CSTに比べてより低く設定されていれば、蓄熱部HSTでの蓄熱量がより多くなり(予冷の場合には、蓄熱部HSTの蓄冷量がより多くなり)、冷房期間ACにおける冷房電力PCLをより少なくすることができる。
冷房電力PCL4の消費パターンは、余剰電力予測値PPEのすべてを消費しており、上述した図8に示す冷房電力PCL2や、図9に示す冷房電力PCL3の消費パターンに比べて、余剰電力PEが冷房電力PCL4として利用される程度が大きい。
ここで、同図に示す時刻12:00頃から時刻18:00頃の間について、余剰電力予測値PPEよりも冷房電力PCL4のほうが大きいため、冷房電力PCL4の一部を商用電力CPによって賄うことになる。このため、余剰電力予測値PPEから冷房電力PCL4を差し引くと、買電量PB41が算出される。
また、同図に示す時刻18:00頃以降について、上述の例と同様に冷房電力PCL4は、すべて商用電源から供給される商用電力CPによって賄われる。すなわち、同図に示す時刻18:00頃以降の冷房電力PCLは、蓄電設備BATから供給される以外はすべてが購入する電力となる。同図に示す時刻18:00頃以降について、余剰電力予測値PPEから冷房電力PCL4を差し引くと、買電量PB42が算出される。この買電量PB42は、図8(C)に示した買電量PB2及び、図9(C)に示した買電量PB3のいずれよりも少ない。
買電量PB41と買電量PB42の合計値は、図8(C)に示した買電量PB2よりも多い。
つまり、図10に示す駆動パターンPTによると、図8及び図9に示した駆動パターンPTに比べて、売電量PSが少なく(売電量PSが0(ゼロ)であり)、買電量PBは多い。
本実施形態の駆動パターン候補算出部120は、算出した駆動パターン候補CPTによる冷房電力PCLを予測し、売買電収支算出部130に出力する。
(ステップS120)図4に戻り、売買電収支算出部130は、受信部160から売電単価SE及び買電単価BEを取得する。売電単価SEは、ある日又はある時間帯における売電量PSの単価を示す。買電単価BEは、ある日又はある時間帯における買電量PBの単価を示す。
(ステップS130)売買電収支算出部130は、ステップS100において取得した売電単価SEと、ステップS90において算出された駆動パターン候補CPTが示す売電量PSとに基づいて、売電額を算出する。ここで売買電収支算出部130は、駆動パターン候補算出部120が算出する駆動パターン候補CPTの駆動パターンPTごとに、売電額を算出する。
また、売買電収支算出部130は、買電量PBについても同様に買電額を算出する。具体的には、売買電収支算出部130は、ステップS100において取得した買電単価BEと、ステップS90において算出された駆動パターン候補CPTが示す買電量PBとに基づいて、買電額を算出する。ここで売買電収支算出部130は、駆動パターン候補算出部120が算出する駆動パターン候補CPTの駆動パターンPTごとに、買電額を算出する。
売買電収支算出部130は、駆動パターンPTごとに、算出した売電額と買電額とを差し引くことにより、駆動パターンPTごとの売買電収支TBを算出する。
(ステップS140)駆動パターン選択部140は、ステップS110において算出された売買電収支TBに基づいて、ステップS90において算出された駆動パターン候補CPTの中から、熱源HSRの駆動に用いられる駆動パターンPTを選択する。具体的には、駆動パターン選択部140は、駆動パターン候補CPTの各駆動パターンPTについてそれぞれ算出された売買電収支TBのうち、利益額が最も大きい駆動パターンPTを、利益が得られない場合は支出額が最も少ない駆動パターンPTを選択する。
例えば、売電単価0円/kWhで買電単価が30円/kWhであった場合、駆動パターン候補CPT1、CPT2、CPT3(図8、図9、図10)の3パターンを比較すると、買電量が最も少ないCPT2が支出額が最も少なくなり、好ましいパターンとなる。
(ステップS150)出力部150は、ステップS120において選択された駆動パターンPTを熱源HSRの駆動装置に対して出力する。これにより、熱源HSRは、冷却駆動(又は発熱駆動)される。
図4に示す各ステップは、ステップS10に戻った後、単位時間毎に繰り返される。ここで、単位時間としては、1分~30分であることが好ましいが、これに限られない。冷暖房の不要な時期においては、繰り返しの単位時間を長くしたり、ステップS10からステップS150までの各ステップを実現するプログラムを起動しない設定とされていてもよい。
[実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態の熱源制御装置10は、熱源HSRを駆動するための駆動パターンPTを複数算出する。また、熱源制御装置10は、算出した複数の駆動パターンPTの中から、熱源HSRを駆動するための駆動パターンPTを、売買電収支TBに基づいて選択する。
このように構成することにより熱源制御装置10は、売電による利益をより大きく、あるいは、買電による支出をより少なくすることができる駆動パターンPTを選択することができる。
また、本実施形態の熱源制御装置10は、居住者の帰宅時刻には室温TMPが快適体感温度CSTになるようにしつつ、居住者の帰宅時刻よりも前の時間帯においては、快適体感温度CSTよりも冷房時には低い温度(暖房時には高い温度)にして室温TMPを制御する。このように構成することにより熱源制御装置10は、発電電力PGを熱源HSRの駆動電力として有効に活用することができる。
また、本実施形態の熱源制御装置10は、居住者の予想在室時間において、室温予測値PTMPが快適体感温度CSTになると判定した場合には、熱源HSRを駆動しない。このように構成することにより熱源制御装置10は、熱源HSRの駆動電力を低減することができる。
また、本実施形態の熱源制御装置10は、熱源HSRとしての放射冷暖房器具RADを駆動する。放射冷暖房器具RADは、放射熱(輻射熱)によって熱を伝えるため、冷風又は温風などを利用して室内の空気を冷却又は加温する冷暖房器具に比べて、床や壁に直接伝える熱量が大きい。すなわち、放射冷暖房器具RADは、予冷や予熱により適した熱源HSRであり、放射冷暖房器具RADで予冷や予熱を行うことにより余剰電力をより多く消費して壁や床等への蓄熱量を高め、入室後の冷暖房による消費電力(買電量)をより削減することができる。放射冷暖房器具RADを利用し、さらに比較的大きい熱容量を有する蓄熱材を建物FCの床や壁に使用すれば、蓄熱量を増やすことができ、長時間にわたって室内を好ましい温度に維持できる。
本実施形態の熱源制御装置10によれば、予冷や予熱により適した熱源HSRを使用するため、予冷や予熱の効率を高めることができ、発電電力PGを有効利用することができる。
また、本実施形態の熱源制御装置10の制御対象である熱源HSRは、断熱性能を示すU値が0.6以下である建物FC、かつ室内空間の単位体積当たりの熱容量の値が25[kJ/K・m]以上である区画を有する建物FCに設置される。このような断熱性能が比較的高く、熱容量が比較的高い建物FCは、太陽光発電による電力を活用した予冷や予熱により適している。
このような断熱性能が比較的高い建物FC、又は熱容量が比較的高い建物FCは、太陽光発電による電力を活用した予冷や予熱により適している。さらに、断熱性能が比較的高く、かつ、熱容量が比較的高い建物FCであれば、太陽光発電による電力を活用した予冷や予熱にとってより好ましい。
本実施形態の熱源制御装置10によれば、予冷や予熱により適した建物FCに設置される熱源HSRを使用するため、予冷や予熱の効率を高めることができ、発電電力PGを有効利用することができる。
なお、駆動パターン候補算出部120は、室温予測値PTMPに基づいて駆動パターン候補CPTを算出しているとして説明したが、これに限られない。駆動パターン候補算出部120は、建物FC内の湿度HMの予測値である湿度予測値PHMにさらに基づいて、駆動パターンPTの候補を算出してもよい。快適体感温度CSTや快適体感温度の範囲CZは、室温TMPだけでなく室内の湿度HMに依存する。駆動パターン候補算出部120は、室温TMPに加えて湿度HMにさらに基づくことにより、より快適な室温TMPに近づけられる駆動パターンPTを算出することができる。
また、本実施形態の熱源制御システム1は、太陽光発電装置PVが備えられている建物FCの熱源HSRを制御する場合を一例にして説明したが、これに限られない。例えば、建物FCには、太陽光発電装置PVに代えて、又は太陽光発電装置PVに加えて、風力発電装置や地熱発電装置などの再生可能エネルギーを使った発電装置や燃料電池などの発電装置が備えられる場合がある。熱源制御システム1は、上述したような各種の発電装置が備えられている建物FCにおいて、これら各種の発電装置の発電状況を加味して熱源HSRを制御するように構成されていてもよい。
また、本実施形態の熱源制御システム1は、電気料金(売電単価SE及び買電単価BE)に基づいて、駆動パターン候補CPTの中から駆動パターンPTを選択する場合を一例にして説明したが、これに限られない。熱源制御システム1は、電気料金に代えて、又は電気料金に加えて、二酸化炭素(CO)の排出量に基づいて、駆動パターン候補CPTの中から駆動パターンPTを選択するように構成されていてもよい。
以上、本発明の実施形態及びその変形を説明したが、これらの実施形態及びその変形は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態及びその変形は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上述の各装置は内部にコンピュータを有している。そして、上述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…熱源制御システム、10…熱源制御装置、110…余剰電力予測値算出部、120…駆動パターン候補算出部、130…売買電収支算出部、140…駆動パターン選択部、150…出力部、FC…建物、PV…太陽光発電装置、PRF…売電利益額

Claims (12)

  1. 太陽光発電装置が発電する発電量の予測値である太陽光発電量予測値と、前記太陽光発電装置によって発電された電力が供給される建物の消費電力の予測値である消費電力予測値とに基づいて、前記建物における余剰電力の予測値である余剰電力予測値を算出する余剰電力予測値算出部と、
    前記余剰電力予測値算出部が算出する前記余剰電力予測値と、前記建物内の室温の予測値である室温予測値と、前記建物の居住者の在室時間帯の予測値である在室時間帯予測値とに基づいて、熱源の駆動パターンの候補を算出する駆動パターン候補算出部と、
    前記太陽光発電装置が発電する電力の売電価格と、前記建物に供給される商用電力の買電価格とに基づく売買電収支を、前記駆動パターン候補算出部が算出する前記駆動パターンの候補について算出する売買電収支算出部と、
    前記売買電収支算出部が算出する前記売買電収支に基づいて、前記駆動パターン候補算出部が算出する前記駆動パターンの候補から、前記熱源の駆動に用いられる前記駆動パターンを選択する駆動パターン選択部と、
    前記駆動パターン選択部が選択した前記駆動パターンを、前記熱源の駆動装置に出力する出力部と、
    を備える熱源制御装置。
  2. 前記駆動パターンには、前記熱源を冷却駆動する場合には、前記建物内の人が快適さを感じる環境条件としての快適体感温度より低い体感温度にして前記熱源を駆動し、前記熱源を発熱駆動する場合には、前記快適体感温度に比べより高い体感温度にして前記熱源を駆動するパターンが含まれる
    請求項1に記載の熱源制御装置。
  3. 前記駆動パターンには、前記在室時間帯予測値が示す居住者の入室時刻の所定時間前から、前記建物内の体感温度を快適体感温度にするパターンが含まれる
    請求項2に記載の熱源制御装置。
  4. 前記駆動パターン候補算出部は、
    前記建物内の湿度の予測値である湿度予測値にさらに基づいて、前記駆動パターンの候補を算出する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱源制御装置。
  5. 前記出力部は、
    前記在室時間帯予測値が示す居住者の在室時間帯において、前記建物内の室温の予測値である室温予測値が、前記建物内の人が快適さを感じる環境条件としての快適体感温度の所定の範囲に含まれる場合には、前記熱源の制御装置に対して前記駆動パターンを出力しない
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱源制御装置。
  6. 前記熱源には、放射作用により熱を伝達する放射冷暖房器具が含まれる
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱源制御装置。
  7. 前記建物は、断熱性能を示すU値が0.6以下である区画を有する
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の熱源制御装置。
  8. 前記熱源は、室内空間の単位体積当たりの熱容量の値が25[kJ/K・m]以上である区画を有する建物に設置される
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の熱源制御装置。
  9. 前記駆動パターン候補算出部は、
    前記建物の断熱性能又は前記建物の蓄熱性能にさらに基づいて、前記駆動パターンの候補を算出する
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱源制御装置。
  10. 前記駆動パターン候補算出部は、
    前記建物のシミュレーション結果に基づいて、前記駆動パターンの候補を算出する
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の熱源制御装置。
  11. 太陽光発電装置が発電する発電量の予測値である太陽光発電量予測値と、前記太陽光発電装置によって発電された電力が供給される建物の消費電力の予測値である消費電力予測値とに基づいて、前記建物における余剰電力の予測値である余剰電力予測値を算出する余剰電力予測値算出部と、
    前記余剰電力予測値算出部が算出する前記余剰電力予測値と、前記建物内の室温の予測値である室温予測値と、前記建物の居住者の在室時間帯の予測値である在室時間帯予測値とに基づいて、熱源の駆動パターンの候補を算出する駆動パターン候補算出部と、
    前記駆動パターン候補算出部が算出する前記駆動パターンの候補から、前記熱源の駆動に用いられる前記駆動パターンを選択する駆動パターン選択部と、
    前記駆動パターン選択部が選択した前記駆動パターンを、前記熱源の駆動装置に出力する出力部と、
    を備える熱源制御装置。
  12. 熱源制御装置が備えるコンピュータに、
    太陽光発電装置が発電する発電量の予測値である太陽光発電量予測値と、前記太陽光発電装置によって発電された電力が供給される建物の消費電力の予測値である消費電力予測値とに基づいて、前記建物における余剰電力の予測値である余剰電力予測値を算出する余剰電力予測値算出ステップと、
    前記余剰電力予測値算出ステップにおいて算出される前記余剰電力予測値と、前記建物内の室温の予測値である室温予測値と、前記建物の居住者の在室時間帯の予測値である在室時間帯予測値とに基づいて、熱源の駆動パターンの候補を算出する駆動パターン候補算出ステップと、
    前記太陽光発電装置が発電する電力の売電価格と、前記建物に供給される商用電力の買電価格とに基づく売買電収支を、前記駆動パターン候補算出ステップにおいて算出される前記駆動パターンの候補について算出する売買電収支算出ステップと、
    前記売買電収支算出ステップにおいて算出される前記売買電収支に基づいて、前記駆動パターン候補算出ステップにおいて算出される前記駆動パターンの候補から、前記熱源の駆動に用いられる前記駆動パターンを選択する駆動パターン選択ステップと、
    前記駆動パターン選択ステップにおいて選択された前記駆動パターンを、前記熱源の駆動装置に出力する出力ステップと、
    を実行させるための熱源制御プログラム。
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