JP5909684B2 - 暖房システム及び暖房システムの制御方法 - Google Patents

暖房システム及び暖房システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、温水を用いた暖房システムの制御方法に関し、ラジエータや床暖房などの複数の暖房装置を備える暖房システムの制御方法に関するものである。
特許文献1には、従来の温水暖房装置が開示されている。特許文献1に開示されている温水暖房装置は、各部屋に設置されたラジエータにボイラから温水を供給することによって、部屋の室温を制御する。また、各ラジエータに供給される温水の流量は、バルブによって調整することができる。そして、各バルブは無線受信機を搭載し、リモートコントローラから受信した無線信号に従って、温水の流量を調整する。
DE4221094A1号
しかしながら、特許文献1には、各部屋の室温を個別に制御できることが開示されているに留まり、集合住宅の全体最適化のための熱制御については、開示されていない。
そこで、本発明は、総消費熱量の削減と各部屋の快適性の維持とを両立した暖房システム及び暖房システムの制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る暖房システムの制御方法は、複数の部屋それぞれに設置され、熱供給源で生成された熱を放熱することによって、設置された部屋を暖房する複数の暖房装置を制御する方法である。具体的には、暖房システムの制御方法は、放熱抑制開始時刻から放熱抑制終了時刻までの放熱抑制時間帯に前記複数の暖房装置からの放熱を抑制することを要求する放熱抑制指示を、前記熱供給源から取得する取得ステップと、前記放熱抑制時間帯における室温の推移を部屋毎に予測する予測ステップと、前記予測ステップで予測された室温の推移に基づいて、前記放熱抑制終了時刻における室温が予め定められた目標温度に達するように、前記放熱抑制開始時刻における室温である事前蓄熱温度を部屋毎に決定する運転計画ステップと、前記複数の暖房装置それぞれに対して、前記放熱抑制指示を取得してから前記放熱抑制開始時刻までの事前蓄熱時間帯に、設置されている部屋の室温が前記運転計画ステップで部屋毎に決定された前記事前蓄熱温度に達するように放熱させ、且つ前記放熱抑制開始時刻に放熱を停止させる暖房装置制御ステップとを含む。
上記のように、熱供給源からの要求に応じて全ての暖房装置の放熱を停止させることにより、消費熱量のピークを抑制することができる。また、暖房装置の放熱を停止するのに先立って、各部屋の室温を部屋毎に決定された事前蓄熱温度まで上昇させることにより、放熱停止中に室温が下がり過ぎるのを防止することができる。これにより、ユーザの快適性の維持をしながら、消費熱量のピークカットを達成することができる。
さらに、前記取得ステップでは、前記事前蓄熱時間帯における温度上昇率を取得してもよい。前記運転計画ステップでは、さらに、前記複数の部屋それぞれの室温を前記取得ステップで取得された前記温度上昇率で上昇させた時に、前記放熱抑制開始時刻までに前記事前蓄熱温度に達するための蓄熱開始時刻を部屋毎に決定してもよい。そして、前記暖房装置制御ステップでは、前記複数の暖房装置それぞれに対して、対応する前記蓄熱開始時刻に放熱を開始させ、且つ対応する前記温度上昇率で室温が上昇するように放熱量を制御してもよい。
さらに、前記暖房装置制御ステップでは、室温が前記事前蓄熱温度に達してから前記放熱抑制開始時刻までの間、前記複数の暖房装置それぞれに、設置されている部屋の室温が前記事前蓄熱温度に維持されるように放熱させてもよい。
または、前記運転計画ステップでは、前記複数の部屋それぞれの室温が、前記放熱抑制開始時刻に対応する前記事前蓄熱温度に達するように、前記蓄熱開始時刻を部屋毎に決定してもよい。
さらに、前記取得ステップでは、前記複数の部屋それぞれの前記事前蓄熱時間帯における室温を単位時間毎に取得してもよい。そして、前記暖房装置制御ステップでは、さらに、前記事前蓄熱時間帯において、前記取得ステップで取得された室温が前記温度上昇率で特定される室温の推移から外れた場合に、当該部屋の室温が前記室温の推移に近づくように、対応する前記暖房装置の放熱量を補正してもよい。
さらに、前記暖房装置制御ステップでは、前記放熱抑制時間帯において、前記取得ステップで取得された室温が前記予測ステップで予測された室温の推移を下回った場合に、当該部屋の室温が前記室温の推移に近づくように、対応する前記暖房装置に放熱させてもよい。
上記の処理によれば、室温を予測値に近づけるように放熱量を調整するので、実際の温度変化が予測値から大きく乖離するのを防止することができる。これにより、快適性が損なわれることを有効に防止できる。
また、前記複数の部屋それぞれの前記目標温度は、前記複数の暖房装置それぞれに設定されている設定温度より低く設定されてもよい。そして、前記暖房装置制御ステップでは、さらに、室温が前記目標温度から前記設定温度まで上昇するように、前記放熱抑制終了時刻に前記複数の暖房装置それぞれに放熱を再開させてもよい。
上記の処理によれば、目標温度を設定温度と同一の値に設定する場合と比較して、事前蓄熱時間帯に放熱されるべき熱量の一部を、放熱抑制終了時刻後に分配していることになる。その結果、放熱抑制終了時刻の直前に総放熱量のピークが生じるのを防止することができる。
さらに、前記取得ステップでは、外気温及び前記複数の部屋それぞれの室温を取得してもよい。そして、前記予測ステップでは、前記取得ステップで取得された前記外気温及び前記複数の部屋それぞれの室温と、前記複数の部屋それぞれの断熱性能とに基づいて、前記放熱抑制時間帯における室温の推移を予測してもよい。
また、前記運転計画ステップでは、前記予測ステップで予測される室温の推移と、前記目標温度とに基づいて、前記事前蓄熱温度を決定してもよい。
また、前記複数の暖房装置それぞれは、前記熱供給源から供給される熱量を増減させるバルブを備えてもよい。そして、前記暖房装置制御ステップでは、前記バルブの開度を変更することによって、前記複数の暖房装置それぞれの放熱量を制御してもよい。
本発明の一形態に係る暖房システムは、複数の部屋それぞれに設置され、熱供給源で生成された熱を放熱することによって、設置された部屋を暖房する複数の暖房装置を制御する。具体的には、暖房システムは、放熱抑制開始時刻から放熱抑制終了時刻までの放熱抑制時間帯に前記複数の暖房装置からの放熱を抑制することを要求する放熱抑制指示を、前記熱供給源から取得する取得部と、前記放熱抑制時間帯における室温の推移を部屋毎に予測する予測部と、前記予測部で予測された室温の推移に基づいて、前記放熱抑制終了時刻における室温が予め定められた目標温度に達するように、前記放熱抑制開始時刻における室温である事前蓄熱温度を部屋毎に決定する運転計画部と、前記複数の暖房装置それぞれに対して、前記放熱抑制指示を取得してから前記放熱抑制開始時刻までの事前蓄熱時間帯に、設置されている部屋の室温が前記運転計画部で部屋毎に決定された前記事前蓄熱温度に達するように放熱させ、且つ前記放熱抑制開始時刻に放熱を停止させる暖房装置制御部とを備える。
また、前記暖房システムは、前記取得部、前記予測部、及び前記運転計画部を含む暖房システム制御部と、部屋毎に設けられる前記暖房装置制御部とを備えてもよい。
本発明によれば、各部屋の特性に応じて個別に快適性を改善しつつ、暖房システム全体の消費熱量を削減できる。これにより、ユーザの快適性の維持をしながら、消費熱量のピークカットを達成することができる。
図1は、地域熱供給の仕組みを説明するための概略図である。 図2Aは、地域熱消費者が消費する熱量の推移を示す図である。 図2Bは、図2Aのピーク時間帯に暖房装置を停止させた場合の熱量の推移を示す図である。 図3は、集合住宅の一例を示す図である。 図4は、図3に示される集合住宅の各部屋の室温の推移を示す図である。 図5は、本発明の一態様に係る暖房システムの概略ブロック図である。 図6Aは、本発明の一態様に係る暖房システムの制御処理を示すフローチャートである。 図6Bは、図6Aに示される処理を実行した場合の室温の推移の例を示す図である。 図7Aは、地域熱供給業者から供給される温水で各部屋を暖房するために必要な集合住宅内の設備の例を示す図である。 図7Bは、図7Aに示される部屋の1つを拡大した図である。 図8は、実施の形態1に係る暖房システムの制御処理の概要を示す図である。 図9は、実施の形態1の各構成要素間で送受信される情報の例を示す図である。 図10Aは、実施の形態1に係る暖房システム制御処理のフローチャートである。 図10Bは、実施の形態1に係る事前蓄熱運転条件決定処理のフローチャートである。 図11は、実施の形態1に係る暖房装置制御処理のフローチャートである。 図12Aは、各部屋の事前蓄熱運転条件の一例を示す表である。 図12Bは、図12Aの事前蓄熱運転条件で暖房装置を制御した場合の部屋A2、A3、B2の室温の推移を示す図である。 図13Aは、各部屋の事前蓄熱運転条件の他の例を示す表である。 図13Bは、図13Aの事前蓄熱運転条件で暖房装置を制御した場合の部屋A2、A3、B2の室温の推移を示す図である。 図14Aは、実施の形態2の各構成要素間で送受信される情報の例を示す図である。 図14Bは、実施の形態2に係る暖房システムの制御処理を実行した場合の室温の推移を示す図である。 図15Aは、実施の形態3に係る暖房システムの制御処理を実行した場合の室温の推移を示す図である。 図15Bは、実施の形態3に係る事前蓄熱運転条件の例を示す表である。
以下、図面を参照して、本発明の一形態に係る暖房システム及び暖房システムの制御方法を説明する。なお、本発明は、請求の範囲の記載に基づいて特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、請求項に記載されていない構成要素は、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではない。すなわち、以下の実施の形態は、本発明のより好ましい形態を説明するものである。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
まず、図1を参照して、本発明の一形態に係る暖房システムが適用される環境(インフラ)について説明する。図1は、地域熱供給の仕組みを説明するための概略図であって、地域熱供給業者(熱供給源)100と地域熱消費者110との間で、温水が循環している様子を図示している。
地域熱供給業者100とは、操業時に熱を発生させる事業者であって、例えば、工場101や発電所102等が該当する。すなわち、図1に示される工場101及び発電所102は、操業時に生じる廃熱を利用して生成した温水(例えば、加圧された110℃の温水)を流路に放出する。
なお、上記の例では、廃熱を利用して温水を生成しているが、これに限ることなく、地域熱消費者110に供給する温水を生成することを目的とする設備も図1の地域熱供給業者100に含めることができる。また、人工的に生成された熱に限定されず、地熱等を利用して温水を生成してもよいことは言うまでもない。すなわち、地域熱供給業者100は図1の例に限定されず、温水を安定して生成し、供給することのできるあらゆる設備が含まれる。
地域熱消費者110とは、地域熱供給業者100で生成された温水を利用する設備であって、例えば、戸建て住宅111や集合住宅112等が該当する。より具体的には、地域熱供給業者100で生成された温水は、戸建て住宅111や集合住宅112内の各部屋に設置される暖房装置及び給湯装置等で熱を消費され、再び地域熱供給業者100に還流する。なお、地域熱消費者110は図1の例に限定されず、オフィス、商店、学校、病院等の熱を消費するあらゆる設備が含まれる。
次に、図2A、図2B、図3、及び図4を参照して、上記の地域熱供給における課題を説明する。図2A及び図2Bは、図1の地域熱消費者110が消費する熱量の推移を示す図である。図3は、集合住宅112の一例を示す図である。図4は、図3に示される集合住宅112の各部屋の室温の推移を示す図である。
例えば寒冷地の集合住宅においては、図2Aに示されるように、暖房装置が消費する熱量(以下「暖房熱量」と表記する)は、1日を通してほぼ一定している。一方、給湯装置が消費する熱量(以下「給湯熱量」と表記する)は、1日のうちの所定の時間帯(図2Aの例では、8時〜9時の間、及び21時〜22時の間)に集中し、それ以外の時間帯にはほとんど発生していない。その結果、図2Aに示される例では、給湯熱量が集中する時間帯(以下「ピーク時間帯」と表記する)に消費熱量のピークが生じる。
図2Aのように消費熱量にピークが生じる場合、地域熱供給業者100は、そのピークに合わせた生熱能力を持たねばならない。また、地域熱供給業者100は、ピーク時間帯に十分な温水を供給するために、割高な燃料(例えば、化石燃料)を用いて生熱しなければならない可能性がある。
そこで、上記の課題を解決するために、例えば、ピーク時間帯に全ての暖房装置を停止させることが考えられる。これにより、図2Bに示されるように、ピーク時間帯の暖房熱量が0になるので、消費熱量のピークが平準化される。
しかしながら、ピーク時間帯に全ての暖房装置を停止させた場合、下記のような新たな課題を生じる。例えば、図3に示されるように、3階建ての各階に4部屋ずつ計12部屋ある集合住宅112を考えた場合、部屋の位置によって断熱性能(放熱性能)が異なるのが一般的である。より具体的には、6面のうちの4面が外気に接している部屋A3と、6面のうちの3面が外気に接している部屋A2と、6面のうち2面が外気に接している部屋B2とでは、部屋B2の断熱性能が最も高く、部屋A2の断熱性が次に高く、部屋A3の断熱性能が最も低い。
そのため、部屋A2、A3、B2に設置されている暖房装置を同時に停止させた場合の室温の変化は、部屋によって異なる。例えば、暖房装置を8時〜9時(図4では「停止時間帯」と表記する)まで停止させた場合の部屋A2、A3、B2の室温変化のシミュレーション結果を、図4に示す。なお、この集合住宅112各部屋の大きさは、幅10メートル、奥行き7メートル、高さ2.5メートルとした。また、シミュレーションの前提となる外気温度の推移も図4に合わせて図示している。
図4を参照すれば明らかなように、停止時間帯における部屋A2、A3、B2の室温は、単調減少している。このとき、最も断熱性能の低い部屋A3の室温低下速度が最も速く、最も断熱性能の低い部屋B2の室温低下速度が最も遅い。すなわち、停止時間帯の終了時刻である午前9時における室温は、部屋A3が最も低く、部屋B3が最も高くなっている。このように、全ての部屋の暖房装置を一律に停止させると、部屋によって快適性が大きく異なるという第1の課題を生じる。
さらに、停止時間帯の終了時刻である午前9時の時点において、各部屋の暖房装置は、室温を当初の設定温度まで上昇させるために、一斉に運転を再開する。その結果、図2Bに示されるように、当初のピーク時間帯(8時〜9時、及び21時〜22時)の直後の時間帯(9時〜10時、及び22時〜23時)に新たなピークが生じるという第2の課題を生じる。
そこで、図5、図6A、及び図6Bを参照して、上記の第1及び第2の課題を解決するための暖房システム及び暖房システムの制御方法の一例を説明する。図5は、本発明の一態様に係る暖房システムの概略ブロック図である。図6Aは、本発明の一態様に係る暖房システムの制御処理を示すフローチャートである。図6Bは、図6Aに示される処理を実行した場合の室温の推移の例を示す図である。
まず、本発明の一態様に係る暖房システム10は、図5に示されるように、制御部20と、複数の暖房装置31、32、33、34、35、36とを備える。暖房装置31〜36は、それぞれが別々の部屋に設置され、地域熱供給業者100から供給される熱を放熱することによって、設置された部屋を暖房する。
制御部20は、地域熱供給業者100との間で情報交換を行なうと共に、暖房装置31〜36の運転を個別に制御する。より具体的には、制御部20は、取得部21と、予測部22と、運転計画部23と、暖房装置制御部24とを備える。
取得部21は、放熱抑制指示(以下「SO(Shut Off)信号」と表記する)を、地域熱供給業者100から取得する(S101)。また、取得部21は、各暖房装置31〜36から各部屋の室温を取得し、外気温検出部(図5では図示省略)から暖房システムが設置されている場所の外気温を取得する。
なお、SO信号とは、暖房装置31〜36の放熱を抑制することを要求する信号である。このSO信号には、放熱を抑制する時間帯(以下「SO時間帯」と表記する)を特定する情報、すなわち、SO時間帯の開始時刻(以下「SO開始時刻」と表記する。図6Bの例では、8時)及びSO時間帯の終了時刻(以下「SO終了時刻」と表記する。図6Bの例では、9時)を特定する情報が含まれる。
また、本明細書中では、図6Bに示されるように、SO信号を受信(図6Bの例では、6時)してからSO開始時刻までを「事前蓄熱時間帯」と定義する。さらに、事前蓄熱時間帯には、事前蓄熱のための暖房システムの運転計画を立案する準備時間(図6Bの例では、6時〜7時)と、立案された運転計画に従って事前蓄熱を実行する実行時間(図6Bの例では、7時〜8時)とを含む。
予測部22は、図6Bの準備時間内に、SO時間帯における室温の推移を部屋毎に予測する。予測部22は、例えば、取得部21で取得された外気温及び各部屋の室温と、予め保持している各部屋の断熱性能とに基づいて、室温の推移を予測することができる。SO時間帯には暖房装置31〜36からの放熱が原則停止しているので、予測部22は、SO時間帯における室温の低下率を部屋毎に予測することになる。より具体的には、予測部22は、SO時間帯における室温変化直線の傾き(図6Bの例では、−1℃/20分)を予測する。
運転計画部23は、図6Bの準備時間内に、予測部22で予測された室温の推移に基づいて、事前蓄熱温度を部屋毎に決定する。事前蓄熱温度は、SO終了時刻における室温を予め定められた目標温度(図6Bの例では、21℃)に一致させるためのSO開始時刻における室温(図6Bの例では、24℃)を指す。
そして、運転計画部23は、各部屋の室温を事前蓄熱温度まで上昇させるための運転条件(以下「事前蓄熱運転条件」と表記する)を決定する(S102)。事前蓄熱運転条件には、例えば、事前蓄熱温度、蓄熱開始時刻、及び温度上昇度(温度上昇率)等を含めることができる。ここで、温度上昇度(温度上昇率)とは、単位時間あたりの室温の上昇温度である。
暖房装置制御部24は、暖房装置31〜36の運転(放熱量)を制御する。具体的には、暖房装置制御部24は、SO信号を取得してからSO開始時刻までの事前蓄熱時間帯(図6Bの実行時間)に室温が事前蓄熱温度に達するように、運転計画部23で部屋毎に決定された事前蓄熱運転条件に従って暖房装置31〜36それぞれの運転を制御する(S103)。そして、暖房装置制御部24は、SO開始時刻に全ての暖房装置31〜36の放熱を停止させ、SO終了時刻に全ての暖房装置31〜36の放熱を再開させる(S104)。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態1〜3に係る暖房システム及び暖房システムの制御方法を説明する。
(実施の形態1)
まず、図7A及び図7Bを参照して、実施の形態1に係る暖房システムの構成を説明する。図7Aは、地域熱供給業者100から供給される温水で各部屋を暖房するために必要な集合住宅112内の設備の例を示す図である。図7Bは、図7Aに示される部屋の1つを拡大した図である。
図7A及び図7Bに示されるように、集合住宅112には、熱交換器210と、熱量計211と、ポンプ212と、外気温センサ213と、暖房システム制御部214とが設置されている。また、集合住宅112の各部屋には、ラジエータ201と、バルブ202と、室温センサ203と、暖房装置制御部204とが設置されている。なお、図7A及び図7Bにおいて、実線の矢印は温水の流れを表し、破線の矢印は情報(信号)の流れを表す。
熱交換器210は、地域熱供給業者100及び熱交換器210の間を循環する温水と、熱交換器210及び各部屋の間を循環する温水との間で熱交換を行なわせる設備であって、典型的には集合住宅112の地下に設置される。より具体的には、熱交換器210は、地域熱供給業者100から流入する高温の温水と、各部屋から流入する低温の温水との間で熱交換を行なう。そして、熱交換器210から地域熱供給業者100に温度の下がった温水が還流し、熱交換器210から各部屋に温度の上がった温水が還流する。
熱量計211は、熱交換器210で交換された熱量を計測する。具体的には、熱量計211は、地域熱供給業者100から熱交換器210に向かう高温の温水の温度(第1の温度)と、熱交換器210から地域熱供給業者100に還流する低温の温水の温度(第2の温度)とを計測し、第1及び第2の温度の差に熱交換器210に流入する温水の流量を乗じることによって、熱交換器210で交換された熱量を計測する。なお、熱量計211で計測された熱量は、例えば、集合住宅112に課金される地域熱の使用料の計算等に用いられる。
ポンプ212は、熱交換器210から各部屋に向かう高温の温水の流量を制御する設備であって、典型的には集合住宅112の地下に設置される。例えば、ポンプ212は、熱交換器210から各部屋に向かう温水の流量を、暖房システム制御部214からの制御に従って20〜60(l/min)の範囲内で変更することができる。
外気温センサ213は、集合住宅112の周囲の外気温度を検出し、暖房システム制御部214に通知する。
暖房システム制御部214は、地域熱供給業者100及び各部屋の暖房装置制御部204との間で情報交換を行なうことにより、暖房システム全体の制御を行う。図7Aの暖房システム制御部214は、例えば、図5の取得部21、予測部22、及び運転計画部23に相当する。
ラジエータ201は、熱交換器210から供給される温水の熱を放熱することによって、部屋を暖房する。なお、ラジエータ201は、温水の熱を空気中に放熱するものであってもよいし、温水の熱で床を暖める床暖房であってもよい。また、ラジエータ201は、各部屋に1台ずつ設置されてもよいし、各部屋に複数台設置(図7A及び図7Bの例では、2台ずつ設置されている)されてもよい。
バルブ202は、熱交換器210からラジエータ201に流入する温水の流量(すなわち、熱量)を制御する。このバルブ202は、暖房装置制御部204と通信する機能を有し、暖房装置制御部204からの指示に従って流量を変更することができる。例えば、特許文献1に開示されているように、無線受信機を搭載したバルブ(Thermostatic Radiator Valve:TRV)を用いればよい。1つのバルブ202で1台のラジエータ201に流入する温水の流量を制御してもよいし、1つのバルブ202で複数台のラジエータ201に流入する温水の流量を制御してもよい。
室温センサ203は、部屋の室温を検出し、暖房装置制御部204に通知する。
暖房装置制御部204は、暖房システム制御部214との間で情報交換を行なうことにより、部屋に設置されているラジエータ201及びバルブ202(以下、これらを総称して「暖房装置」と表記する)を制御する。また、暖房装置制御部204は、部屋の設定温度の入力をユーザから受け付ける。そして、SO時間帯及び事前蓄熱時間帯(より具体的には、図6Bの実行時間)以外の時間帯において、暖房装置制御部204は、室温がユーザによって設定された設定温度に近づくように、暖房装置の運転を制御する。例えば、図7Aの暖房装置制御部204は、図5の暖房装置制御部24に相当する。
なお、暖房装置制御部204は、暖房装置の運転モードとして、停止モード、第1のモード、及び第2のモードのいずれかを選択することができる。停止モードとは、放熱を完全に停止させる(又は、暖房システムの機能を維持するために必要な最小限の熱のみを放熱する)運転モードである。第1のモードとは、室温を予め設定された温度まで上昇させるのに必要な熱を放熱させる運転モードである。第2のモードとは、現在の室温を維持するのに必要な熱を放熱させる運転モードである。
そして、暖房装置制御部204は、バルブ202を通じてラジエータ201に供給される温水の流量を制御することによって、上記の各モードを相互に切り替えることができる。すなわち、第1のモードを選択した場合にラジエータ201に供給される温水の量(熱量)は、第2のモードを選択した場合にラジエータ201に供給される温水の量(熱量)より多くなる。
次に、図8を参照して、実施の形態1に係る暖房システムの制御処理の概要を説明する。実施の形態1では、地域熱供給業者100からSO信号を受信すると(S210)、事前蓄熱運転条件が部屋毎に決定される(S220)。次に、事前蓄熱運転条件に沿って事前蓄熱を実行することにより、SO開始時刻までに各部屋の室温を事前蓄熱温度まで上昇させる(S230)。そして、SO開始時刻が到来すると(S240でYES)、ラジエータ201からの放熱を停止させるために、全てのバルブ202が閉止される(S250)。さらに、SO終了時刻が到来すると(S260でYES)、ラジエータ201の放熱を再開させるために全てのバルブ202が開放される(S270)。
なお、実施の形態1では、上記の処理のうち、ステップS210、S220を暖房システム制御部214が実行し、ステップS230、S240、S250、S260、S270を暖房装置制御部204が実行する。但し、上記の役割分担は一例であって、これに限定されない。
次に、図9、図10A、図10B、図11、図12A、及び図12Bを参照して、実施の形態1に係る暖房システムの制御処理を詳しく説明する。図9は、各構成要素間で送受信される情報の例を示す図である。図10Aは、暖房システム制御部214によって実行される暖房システム制御処理のフローチャートである。図10Bは、暖房システム制御部214によって実行される事前蓄熱運転条件決定処理のフローチャートである。図11は、各部屋の暖房装置制御部204によって実行される暖房装置制御処理のフローチャートである。図12Aは、図10Bの事前蓄熱運転条件決定処理で決定された事前蓄熱運転条件の一例を示す表である。図12Bは、実施の形態1に係る暖房システムの制御処理が実行された場合において、図3に示される集合住宅112の部屋A2、A3、B2の室温の推移を示す図である。
図9に示す通り、暖房システム制御部214は、SO信号を地域熱供給業者100から取得し、各部屋の室温を暖房装置制御部204から取得し、外気温度を外気温センサ213から取得する。さらに、暖房システム制御部214は、事前蓄熱運転条件(図9の例では、事前蓄熱温度と、温度上昇度と、蓄熱開始時刻とを含む)、SO開始時刻、及びSO終了時刻を暖房装置制御部204に通知する。
暖房装置制御部204は、バルブ202に対してバルブの開度を指示し、室温センサ203から室温を取得する。また、暖房装置制御部204は、ユーザから設定温度の入力を受け付ける。そして、暖房装置制御部204は、暖房システム制御部214から指示を受けていない時間帯に、室温が設定温度に近づくようにバルブ202の開度を制御する。また、暖房装置制御部204は、ユーザから温度上昇度の入力を受け付けてもよい。
例えば、全ての部屋A2、A3、B2の設定温度が21℃であったとすると、図12Bの事前蓄熱開始時間帯までは、各部屋の暖房装置を第2のモードで運転させることによって、室温が21℃に維持される。ここで第2のモードとは、前述したように、現在の室温を維持するのに必要な熱を放熱させる運転モードである。なお、図12Bの例では、部屋A2、A3、B2の設定温度を同一としたが、部屋毎に異なってもよいことは言うまでもない。
次に、図10Aに示されるように、暖房システム制御部214は、地域熱供給業者100からSO信号を受信する(S301)。このSO信号には、SO開始時刻及びSO終了時刻を特定するための情報が含まれている。図12Bの例では、SO開始時刻を18時、SO終了時刻を20時とする。
なお、「SO開始時刻及びSO終了時刻を特定するための情報」の具体例は特に限定されないが、例えば、「SO開始時刻:18時、SO終了時刻:20時」のように、SO開始時刻及びSO終了時刻そのものであってもよいし、「SO開始時刻:18時、SO時間:2時間」のように、SO開始時刻及びSO時間帯の長さを表す情報であってもよい。
次に、暖房システム制御部214は、各部屋の事前蓄熱運転条件を決定する(S302)。事前蓄熱運転条件は、例えば、事前蓄熱温度、温度上昇度、蓄熱開始時刻、及び蓄熱終了時刻等を含んでもよい。図10Bを参照して、ステップS302で実行される事前蓄熱運転条件決定処理を詳しく説明する。
まず、暖房システム制御部214は、外気温センサ213から外気温度を取得する(S311)。また、暖房システム制御部214は、各部屋の室温センサ203で計測された室温を、暖房装置制御部204を通じて取得する(S312)。なお、ステップS311及びステップS312の実行順序は、上記に限定されず、逆であってもよいし、並行して実行してもよい。
次に、暖房システム制御部214は、各部屋の温度低下度(温度低下率)を予測する(S313)。なお、温度低下度は、ステップS311で取得した外気温度と、ステップS312で取得した室温と、予め保持している各部屋の断熱性能とに基づいて予測することができる。
温度低下度は、外気温度が低いほど大きく、室温が低いほど大きく、断熱性能が低いほど大きくなる傾向がある。すなわち、図3に示される集合住宅112の部屋A2、A3、B2の断熱性能は、前述した通りA3<A2<B2であるので、温度低下度はB2<A2<A3となる。
次に、暖房システム制御部214は、各部屋の事前蓄熱温度を決定する(S314)。なお、事前蓄熱温度とは、設定温度から部屋を蓄熱した後のSO開始時刻における室温である。また事前蓄熱温度は、SO時間帯における室温が、ステップS313で予測した温度低下度で低下した場合に、目標温度(SO終了時刻における室温)に達するように決定される。また事前蓄熱温度は、部屋毎に設定される。具体的には、目標温度(SO終了時刻における室温)が21℃であり、予測した温度低下が3℃であった場合に、事前蓄熱温度は24℃に決定される。
暖房システム制御部204は、例えば、目標温度、温度低下度、及びSO時間帯の長さに基づいて、事前蓄熱温度を決定することができる。より具体的には、事前蓄熱温度は、SO開始時刻における温度である。図6Bのように、時間を第1軸(横軸)、温度を第2軸(縦軸)とする平面において、SO終了時刻に目標温度を通り、且つ温度低下度を傾きとする温度変化直線を作成した場合、SO開始時刻における温度が事前蓄熱温度となる。
事前蓄熱温度は、目標温度(SO終了時刻における室温)が高いほど高く、温度低下度が大きいほど高く、SO時間帯が長いほど高くなる傾向がある。すなわち、部屋A2、A3、B2の事前蓄熱温度は、図12Aの例に示されるように、B2(22.8℃)<A2(23.1℃)<A3(24.7℃)となる。なお、実施の形態1では、ユーザによって入力された設定温度と同一の温度を目標温度(設定温度=目標温度)として用いる。
なお、上記の例は、SO時間帯における温度変化が線形であることを前提としている。一方、温度変化が非線形である場合は、温度変化曲線を温度変化直線に近似して上記の方法で事前蓄熱温度を決定してもよいし、SO終了時刻に目標温度を通る温度変化曲線から事前蓄熱温度を決定してもよい。
次に、暖房システム制御部214は、各部屋の温度上昇度を決定する(S315)。なお、事前蓄熱時間帯の長さが十分に長い場合、ユーザによって暖房装置制御部204に入力された温度上昇度を用いてもよいし、暖房システム制御部214に予め設定された温度上昇度を用いてもよい。この場合の温度上昇度には、ユーザに過度な不快感を与えない程度(例えば、1℃/10分)の値が設定される。一方、事前蓄熱時間帯の長さが短い場合、暖房システム制御部214は、SO開始時刻に事前蓄熱温度に達するために必要な温度上昇度を部屋毎に決定する必要がある。
次に、暖房システム制御部214は、各部屋の蓄熱開始時刻を決定する(S316)。蓄熱開始時刻は、ステップS315で決定された温度上昇度で室温を上昇させた時に、SO開始時刻までに室温が事前蓄熱温度に達するように部屋毎に決定される。例えば、図12Aの例では、部屋B2の蓄熱開始時刻が16時、蓄熱終了時刻が16時45分となり、部屋A2の蓄熱開始時刻が15時30分、蓄熱終了時刻が16時30分となり、部屋A3の蓄熱開始時刻が15時、蓄熱終了時刻が17時15分となっている。このようにいずれの部屋の場合も、SO開始時刻である18時より前に、事前蓄熱が終了している。
なお、暖房システム制御部214は、図12Aに示される蓄熱終了時刻を、事前蓄熱運転条件に含めて各暖房装置制御部204に通知してもよいし、通知を省略してもよい。蓄熱終了時刻の通知を省略する場合、各暖房装置制御部204は、温度上昇度を満たす放熱を蓄熱開始時刻に開始し、室温が事前蓄熱温度に達した時点で放熱を終了(但し、室温を維持するための放熱は継続する)すればよい。また、各部屋の暖房装置制御部204に入力された温度上昇度をそのまま用いる場合には、図9で示した事前蓄熱運転条件の1つである温度上昇度を、事前蓄熱運転条件に含める必要はない。
そして、暖房システム制御部214は、図10Aに示したステップS302で部屋毎に決定した事前蓄熱運転条件と、SO開始時刻と、SO終了時刻とを、各部屋の暖房装置制御部204に通知する(S303)。
次に、図11に示されるように、各部屋の暖房装置制御部204は、事前蓄熱運転条件、SO開始時刻、及びSO終了時刻を、暖房システム制御部214から取得する(S401)。
次に、各部屋の暖房装置制御部204は、ステップS401で取得した事前蓄熱運転条件に沿って事前蓄熱を実行する(S402)。なお、「事前蓄熱」とは、SO時間帯に失われる熱量に相当する熱量を予め部屋に蓄熱しておくこと、すなわち、SO時間帯における室温低下分だけ予め室温を上昇させておくことを指す。具体的には、各部屋の暖房装置制御部204は、暖房装置の運転モードを、蓄熱開始時刻に第2のモードから第1のモードに切り替え、蓄熱終了時刻に(又は、室温が事前蓄熱温度に達したタイミングで)第1のモードから第2のモードに切り替える。ここで第1のモードとは、前述したように、室温を予め設定された温度まで上昇させるのに必要な熱を放熱させる運転モードである。
図12Bを用いて、部屋A3の室温変化を説明する。部屋A3の室温は、15時までは設定温度である21℃に維持されている。そして、蓄熱開始時刻である15時が到来すると、部屋A3の暖房装置制御部204は、取得した温度上昇度に従って部屋A3の室温が上昇するように、バルブ202の開度を制御する(第2のモードから第1のモードへの切り替え)。
次に、部屋A3の暖房装置制御部204は、部屋A3の室温が事前蓄熱温度に達した時点(すなわち、蓄熱終了時刻である17時15分)で事前蓄熱を終了する(第1のモードから第2のモードへの切り替え)。これにより、部屋A3の室温は、SO開始時刻が到来するまで事前蓄熱温度(24.7℃)に維持される。なお、部屋A2及び部屋B2の暖房装置制御部204も上記と同様に、事前蓄熱運転条件に沿って事前蓄熱を実行する。
次に、SO開始時刻が到来すると(S403でYES)、各部屋の暖房装置制御部204は、バルブ202を閉止する(S404)。すなわち、各部屋の暖房装置制御部204は、暖房装置の運転モードを第2のモードから停止モードに切り替える。その結果、図12Bに示されるように、各部屋A2、A3、B2の室温は18時から徐々に低下する。
次に、各部屋の暖房装置制御部204は、SO終了時刻が到来すると(S405でYES)、各部屋の暖房装置制御部204は、バルブ202を開放する(S406)。実施の形態1では、SO終了時刻における各部屋の室温(目標温度)は、各部屋の設定温度である21℃に一致するようにしている。各部屋の暖房装置制御部204は、SO終了時刻に暖房装置の運転モードを停止モードから第2のモードに切り替える。その結果、図12Bに示されるように、SO終了時刻以降の各部屋A2、A3、B2の室温は、設定温度である21℃に維持される。
上記のように、SO時間帯に全ての暖房装置の放熱を停止させることにより、SO時間帯における暖房熱量を0(ゼロ)にすることができる。例えば、図2Aに示されるピーク時間帯をSO時間帯に設定すれば、集合住宅112全体で消費される熱量(総消費熱量)のピークが生じるのを有効に防止することができる。その結果、地域熱供給業者100にとっては、ピーク時間帯に必要な熱量を賄うために、割高な燃料を用いて生熱する必要がなくなるメリットを享受できる。
また、SO開始時刻に先立って各部屋の室温を事前蓄熱温度まで上昇させておくことにより、SO時間帯に室温が下がり過ぎるのを有効に防止することができる。ここで、事前蓄熱温度を全ての部屋に同一にすると、ある部屋(例えば、部屋A3)ではSO終了時刻に室温が下がり過ぎ、別の部屋(例えば、部屋B2)ではSO開始時刻に室温が上がり過ぎる等、部屋毎の快適性がバラつく可能性がある。
そこで、実施の形態1に係る暖房システム制御部214は、部屋の状況(設定温度、断熱性能等)に応じて温度低下度を部屋毎に予測し、この予測結果に基づいて事前蓄熱温度を部屋毎に決定する。これにより、SO終了時刻における室温が各部屋の設定温度を下回ることがなく、且つSO開始時刻における室温と設定温度との差を最小限に抑えることができる。すなわち、集合住宅112の各部屋の快適性を平準化することができる。
次に、図13A及び図13Bを参照して、事前蓄熱運転条件の他の例を説明する。
図12A及び図12Bに示される事前蓄熱運転条件の例では、蓄熱終了時刻がSO開始時刻より前に設定されているので、各部屋の暖房装置制御部204は、蓄熱終了時刻からSO開始時刻までの間の室温を事前蓄熱温度に維持するために、暖房装置を第2のモードで動作させなくてはならない。ここで、第2のモードで動作する暖房装置は、維持すべき室温が高くなるほど放熱量も大きくなる。すなわち、室温を事前蓄熱温度に維持するための放熱量は、室温を設定温度(21℃)に維持するための放熱量よりも大きい。
そこで、図13Aに示される事前蓄熱運転条件では、全ての部屋A2、A3、B2の蓄熱終了時刻をSO開始時刻に一致させている。これにより、図13Bに示されるように、各部屋の室温がSO開始時刻ちょうどに事前蓄熱温度に達するので、各部屋の暖房装置制御部204は、暖房装置の運転モードを、SO開始時刻に第1のモードから停止モードに直接切り替えればよく、図12A及び12Bの例で説明したように、蓄熱終了時刻に第1のモードから第2のモードに切り替え、さらにSO開始時刻に第2のモードから停止モードに切り替えるという2段階の制御を行う必要がない。
但し、全ての部屋でSO開始時刻の直前に事前蓄熱が実行されると、SO開始時刻の直前の時間帯に総消費電力のピークが生じる可能性がある。そこで、例えば、一部の部屋はSO開始時刻より前に事前蓄熱が終了するような事前蓄熱運転条件とし、他の一部の部屋はSO開始時刻ちょうどに事前蓄熱が終了するような事前蓄熱運転条件としてもよい。
一例として、部屋A3は図12Aの事前蓄熱運転条件を用いて事前蓄熱を行い、部屋B2は図13Aの事前蓄熱運転条件を用いて事前蓄熱を行ってもよい。これにより、部屋A3の暖房装置が第1のモードで動作するタイミング(15時〜17時15分)と、部屋B2の暖房装置が第1のモードで動作するタイミング(17時15分〜18時)とが重ならないので、SO開始時刻の直前に総消費電力のピークが生じるのを有効に防止することができる。
(実施の形態2)
次に、図14A及び図14Bを参照して、実施の形態2に係る暖房システムの制御処理の概要を説明する。なお、実施の形態1との共通点の説明は省略し、相違点を中心に説明する。
実施の形態1では、事前蓄熱時間帯の実行時間中にバルブ202の開度は変更されることはなく、SO時間帯にはバルブ202が完全に閉止されている。そのため、実際の室温変化が事前の予測を外れた場合に、快適性が損なわれる可能性がある。なお、実際の室温が予測から外れる原因は様々であるが、例えば、外気温度の急激な変化や、窓が開放される等の部屋の状況変化等が考えられる。
そこで、実施の形態2に係る暖房システムの制御処理は、図14Aに示されるように、事前蓄熱時間帯及びSO時間帯に、各部屋の室温を単位時間毎に暖房装置制御部204から取得し、取得した室温を予測値に近づけるための新たな温度上昇度を暖房装置制御部204に通知する点で、実施の形態1と相違する。
図14Bを参照して、事前蓄熱時間帯及びSO時間帯における暖房装置の制御を説明する。なお、図14Bの例では、1つの部屋のみを取り上げて説明するが、実際には、各部屋に対して同様の制御が行われる。
まず、事前蓄熱時間帯の実行時間中の室温変化は、例えば、設定温度、蓄熱開始時刻、温度上昇度、及び事前蓄熱温度等を用いて予測することができる。具体的には、実行時間中の室温は、時間を第1軸(横軸)、温度を第2軸(縦軸)とする平面において、図14Bの破線で示されるように、蓄熱開始時刻(7時)に設定温度(21℃)となり、事前蓄熱温度(24℃)に達するまで温度上昇度を傾きとして単調増加し、事前蓄熱温度に達してからは一定(24℃を維持)になると予測することができる。
また、暖房システム制御部214は、室温センサ203で単位時間(例えば、1秒)毎に計測された室温を、暖房装置制御部204を通じて取得する。そして、暖房システム制御部214は、取得した室温(実測値)と当該時間における室温の予測値とを比較し、実測値と予測値との差が閾値温度差以上になった場合に、実測値を予測値に近づけるための新たな温度上昇度を算出し、暖房装置制御部204に通知する。
例えば、室温センサ203で計測された室温が図14Bの実線に示されるように推移したとする。すなわち、7時から7時15分の間の室温が事前蓄熱運転条件に含まれる温度上昇度(以下「初期温度上昇度」と表記する)を上回るスピードで上昇し、7時15分に実測値が予測値よりも閾値温度差(例えば0.5℃)以上高くなると、暖房システム制御部214は、初期温度上昇度より小さい新たな温度上昇度を算出し、暖房装置制御部204に通知する。暖房システム制御部214から新たな温度上昇度を取得した暖房装置制御部204は、取得した新たな温度上昇度を満たすように、バルブ202の開度を変更(温水の流量を少なく)する。
これにより、単位時間当たりにラジエータ201から放熱される熱量が減少するので、7時15分から7時40分の間の室温が初期温度上昇度を下回るスピードで上昇し、7時40分に実測値が予測値よりも閾値温度差以上低くなる。このとき、暖房システム制御部214は、初期温度上昇度より大きい新たな温度上昇度を算出し、暖房装置制御部204に通知する。そして、暖房装置制御部204は、暖房システム制御部214から取得した新たな温度上昇度を満たすように、再びバルブ202の開度を変更(温水の流量を多く)する。
上記の処理を繰り返すことにより、実際の温度変化(図14Bの実線)が予測値(図14Bの破線)から大きく乖離することがなくなる。その結果、SO開始時刻における室温が事前蓄熱温度より高くなり過ぎたり、低くなり過ぎたりするのを有効に防止できる。また、実際の室温の変化を初期温度上昇度に近づけることにより、実行時間中にユーザに過度な不快感を与えることがない。
また、実施の形態2に係る暖房装置制御部204及び暖房システム制御部214は、SO時間帯にも上記と同様の制御を行う。ここで、SO時間帯における室温変化の予測値は、図10BのステップS313での予測結果を利用することができる。また、SO時間帯には、図14Bの8時20分の例のように、実測値が予測値よりも閾値温度差以上低くなった場合に、室温を予測値に近づけるためにバルブ202を開放する処理のみを行えばよい。
(実施の形態3)
次に、図15A及び図15Bを参照して、実施の形態3に係る暖房システムの制御処理を説明する。なお、実施の形態1との共通点の説明は省略し、相違点を中心に説明する。実施の形態3では、SO終了時刻における室温である目標温度を設定温度より低くした点で、実施の形態1と相違する。また、これに伴って、SO終了時刻の直後に事後蓄熱時間帯を設け、各部屋の室温を、目標温度から設定温度まで上昇させる処理が追加される。
図15Aは、実施の形態3の制御を行った場合の室温の推移(実線)を、実施の形態1の制御を行った場合の室温の推移(破線)と比較して示した図である。図15Aを参照して、実施の形態1と実施の形態3との相違点を説明する。
実施の形態3に係る暖房システム制御部214は、図15Aに示されるように、事前蓄熱運転条件を決定する処理(図10AのS302)で、暖房装置の設定温度(21℃)より低い目標温度(20℃)を用いる。これにより、図10BのステップS314において算出される実施の形態3の事前蓄熱温度(23℃)は、実施の形態1の事前蓄熱温度(24℃)より低くなる。
例えば図12Aと図15Bとを比較すれば明らかなように、異なる目標温度(図12Aでは21℃、図15Bでは20℃)を用いて事前蓄熱運転条件を算出すると、実施の形態3の事前蓄熱温度は実施の形態1よりも低くなり、実施の形態3の事前蓄熱開始時刻は実施の形態1よりも遅くなる。
一方、実施の形態3では、SO終了時刻における室温(目標温度:20℃)が設定温度(21℃)より低いので、SO終了時刻からの所定の時間(この時間を「事後蓄熱時間帯」と表記する)に、室温を設定温度まで上昇させるための放熱を行う必要がある。すなわち、暖房装置制御部204は、図11のステップS405でSO終了時刻の到来を検出すると(S405でYES)、暖房装置の運転モードを停止モードから、第2のモードではなく、第1のモードに切り替える(S406)。そして、室温が設定温度に到達すると、暖房装置制御部204は、暖房装置の運転モードを第1のモードから第2のモードに切り替えて、室温を設定温度に維持する。
なお、事後蓄熱時間帯における温度上昇度は、事前蓄熱運転条件に含まれる温度上昇度と同一の値を用いてもよいし、これとは別に暖房システム制御部214で決定されたものを用いてもよいし、各暖房装置制御部204で独自の値を用いてもよい。
図15Aに示される処理の結果、SO時間帯の前後(すなわち、事前蓄熱時間帯及び事後蓄熱時間帯)に室温を上昇させるために放熱される熱量の合計は、実施の形態1と実質的に等しくなる。しかしながら、実施の形態3で事前蓄熱時間帯(すなわち、SO時間帯の前)に放熱される熱量は、実施の形態1で事前蓄熱時間帯に放熱される熱量より少なくなる。一方、実施の形態3で事後蓄熱時間帯(すなわち、SO時間帯の後)に放熱される熱量は、実施の形態1の対応する時間帯に放熱される熱量より多くなる。
すなわち、実施の形態3に係る暖房システムの制御処理では、実施の形態1で事前蓄熱時間帯に放熱されるべき熱量の一部を、事後蓄熱時間帯に分配していることになる。その結果、SO開始時刻の直前に総放熱量のピークが生じるのをさらに有効に防止することができる。
また、実施の形態1では、SO開始時刻における室温(事前蓄熱温度)と設定温度との差が3℃であり、SO終了時刻における室温(目標温度)と設定温度との差は0℃である。これに対して、実施の形態3では、事前蓄熱温度と設定温度との差が2℃であり、目標温度と設定温度との差が1℃である。すなわち、実施の形態3によれば、設定温度との最大差(2℃)を実施の形態1(3℃)より小さくできるので、より高い快適性を維持することができる。
(その他の実施の形態)
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成要素を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶さている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有してもよい。
本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであってもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であってもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録してもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送してもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムにしたがって動作してもよい。
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施してもよい。
上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明は、複数の暖房装置を備える暖房システムに有利に利用される。
10 暖房システム
20 制御部
21 取得部
22 予測部
23 運転計画部
24 暖房装置制御部
31,32,33,34,35,36 暖房装置
100 地域熱供給業者
101 工場
102 発電所
110 地域熱消費者
111 戸建て住宅
112 集合住宅
201 ラジエータ
202 バルブ
203 室温センサ
204 暖房装置制御部
210 熱交換器
211 熱量計
212 ポンプ
213 外気温センサ
214 暖房システム制御部

Claims (12)

  1. 複数の部屋それぞれに設置され、熱供給源で生成された熱を放熱することによって、設置された部屋を暖房する複数の暖房装置を制御する暖房システムの制御方法であって、
    放熱抑制開始時刻から放熱抑制終了時刻までの放熱抑制時間帯に前記複数の暖房装置からの放熱を抑制することを要求する放熱抑制指示を、前記熱供給源から取得する取得ステップと、
    前記放熱抑制時間帯における室温の推移を部屋毎に予測する予測ステップと、
    前記予測ステップで予測された室温の推移に基づいて、前記放熱抑制終了時刻における室温が予め定められた目標温度に達するように、前記放熱抑制開始時刻における室温である事前蓄熱温度を部屋毎に決定する運転計画ステップと、
    前記複数の暖房装置それぞれに対して、前記放熱抑制指示を取得してから前記放熱抑制開始時刻までの事前蓄熱時間帯に、設置されている部屋の室温が前記運転計画ステップで部屋毎に決定された前記事前蓄熱温度に達するように放熱させ、且つ前記放熱抑制開始時刻に放熱を停止させる暖房装置制御ステップとを含む
    暖房システムの制御方法。
  2. 前記取得ステップでは、さらに、前記事前蓄熱時間帯における温度上昇率を取得し、
    前記運転計画ステップでは、さらに、前記複数の部屋それぞれの室温を前記取得ステップで取得された前記温度上昇率で上昇させた時に、前記放熱抑制開始時刻までに前記事前蓄熱温度に達するための蓄熱開始時刻を部屋毎に決定し、
    前記暖房装置制御ステップでは、前記複数の暖房装置それぞれに対して、対応する前記蓄熱開始時刻に放熱を開始させ、且つ対応する前記温度上昇率で室温が上昇するように放熱量を制御する
    請求項1に記載の暖房システムの制御方法。
  3. 前記暖房装置制御ステップでは、さらに、室温が前記事前蓄熱温度に達してから前記放熱抑制開始時刻までの間、前記複数の暖房装置それぞれに、設置されている部屋の室温が前記事前蓄熱温度に維持されるように放熱させる
    請求項2に記載の暖房システムの制御方法。
  4. 前記運転計画ステップでは、前記複数の部屋それぞれの室温が、前記放熱抑制開始時刻に対応する前記事前蓄熱温度に達するように、前記蓄熱開始時刻を部屋毎に決定する
    請求項2に記載の暖房システムの制御方法。
  5. 前記取得ステップでは、さらに、前記複数の部屋それぞれの前記事前蓄熱時間帯における室温を単位時間毎に取得し、
    前記暖房装置制御ステップでは、さらに、前記事前蓄熱時間帯において、前記取得ステップで取得された室温が前記温度上昇率で特定される室温の推移から外れた場合に、当該部屋の室温が前記室温の推移に近づくように、対応する前記暖房装置の放熱量を補正する
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の暖房システムの制御方法。
  6. 前記暖房装置制御ステップでは、さらに、前記放熱抑制時間帯において、前記取得ステップで取得された室温が前記予測ステップで予測された室温の推移を下回った場合に、当該部屋の室温が前記室温の推移に近づくように、対応する前記暖房装置に放熱させる
    請求項5に記載の暖房システムの制御方法。
  7. 前記複数の部屋それぞれの前記目標温度は、前記複数の暖房装置それぞれに設定されている設定温度より低く設定され、
    前記暖房装置制御ステップでは、さらに、室温が前記目標温度から前記設定温度まで上昇するように、前記放熱抑制終了時刻に前記複数の暖房装置それぞれに放熱を再開させる
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の暖房システムの制御方法。
  8. 前記取得ステップでは、さらに、外気温及び前記複数の部屋それぞれの室温を取得し、
    前記予測ステップでは、前記取得ステップで取得された前記外気温及び前記複数の部屋それぞれの室温と、前記複数の部屋それぞれの断熱性能とに基づいて、前記放熱抑制時間帯における室温の推移を予測する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の暖房システムの制御方法。
  9. 前記運転計画ステップでは、前記予測ステップで予測される室温の推移と、前記目標温度とに基づいて、前記事前蓄熱温度を決定する
    請求項8に記載の暖房システムの制御方法。
  10. 前記複数の暖房装置それぞれは、前記熱供給源から供給される熱量を増減させるバルブを備え、
    前記暖房装置制御ステップでは、前記バルブの開度を変更することによって、前記複数の暖房装置それぞれの放熱量を制御する
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の暖房システムの制御方法。
  11. 複数の部屋それぞれに設置され、熱供給源で生成された熱を放熱することによって、設置された部屋を暖房する複数の暖房装置を制御する暖房システムであって、
    放熱抑制開始時刻から放熱抑制終了時刻までの放熱抑制時間帯に前記複数の暖房装置からの放熱を抑制することを要求する放熱抑制指示を、前記熱供給源から取得する取得部と、
    前記放熱抑制時間帯における室温の推移を部屋毎に予測する予測部と、
    前記予測部で予測された室温の推移に基づいて、前記放熱抑制終了時刻における室温が予め定められた目標温度に達するように、前記放熱抑制開始時刻における室温である事前蓄熱温度を部屋毎に決定する運転計画部と、
    前記複数の暖房装置それぞれに対して、前記放熱抑制指示を取得してから前記放熱抑制開始時刻までの事前蓄熱時間帯に、設置されている部屋の室温が前記運転計画部で部屋毎に決定された前記事前蓄熱温度に達するように放熱させ、且つ前記放熱抑制開始時刻に放熱を停止させる暖房装置制御部とを備える
    暖房システム。
  12. 前記暖房システムは、
    前記取得部、前記予測部、及び前記運転計画部を含む暖房システム制御部と、
    部屋毎に設けられる前記暖房装置制御部とを備える
    請求項11に記載の暖房システム。
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