JP6374527B2 - 空調特殊服 - Google Patents

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Description

本発明は、身体又は下着の表面に略平行な空気の流れを発生させることにより身体を冷却する空調服の機能を備えた空調特殊服に関するものである。
近年、身体を冷却する空調服が実用化され急激に普及しつつある。図4(a)は通常の空調服の概略正面図、図4(b)はその空調服の概略裏面図である。通常の空調服は、通気性の小さな素材で縫製された服本体110と、服本体110の後側部の下方に取り付けられた二つのファン120,120と、二つのファン120,120に電力を供給するための電源装置(不図示)と、電源装置と二つのファン120,120とを電気的に接続するための電源ケーブル(不図示)とを備える。ファン120,120を作動させると、大量の空気がファン120,120から服本体110内に取り込まれる。その取り込まれた空気は、服本体110と身体又は下着との間の空間において身体又は下着の表面に沿って上方に流通し、例えば襟部の周囲や袖口から外部に排出される。ここで、襟部の周囲や袖口は、空気排出部130としての役割を果たしている。空気は服本体110と身体又は下着との間の空間内を流通する間に身体から出た汗を蒸発させ、その蒸発するときの気化熱により身体が冷却される(例えば、特許文献1参照。)。
一方、例えば化学防護服のように有害物質が皮膚に接触するのを避けるための防護服は、外気を遮断するという機能を備えている。このため、外気温が高いときに防護服を使用すると、使用者の身体は蒸れてしまう。一般に防護服の素材としては透湿性を有するシート状素材を用いているが、たとえ十分な透湿性を有するシート状素材を用い、防護服が水蒸気分子の透過性を十分に備えていたとしても、防護服には通気性がないため、使用者の身体はすぐに蒸れてしまい、外気温が高いときに使用者は防護服を着用した状態で長時間の作業を行なうことは困難である。したがって、外気を遮断する防護服としての機能と、身体を冷却する空調服としての機能とを両立した空調特殊服の実現が切望されている。同様に、クリーンルーム等で使用される、身体や下着から外部に塵を出さない防塵服としての機能と、身体を冷却する空調服としての機能とを両立した空調特殊服の実現が切望されている。
再公表特許第WO2005−063065号公報
しかしながら、例えば防護服に空調服としての機能を付加した空調特殊服を作製する場合、防護服に単にファンを取り付けるだけでは、空調特殊服を実現することはできない。ファンを取り付けた防護服は、ファンから外気とともに有害物質までも防護服の内部に取り込んでしまい、防護服としての機能を全く果たさなくなってしまうからである。このように空調特殊服の実現は容易でない。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、簡易な構成で、空調服としての機能を備える空調特殊服を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明に係る空調特殊服は、所定の第一シート状素材で作製された、身体を覆う服本体と、服本体の所定部位を身体又は下着に密着させるための密着手段と、通気性の小さな又は通気性のない第二シート状素材で作製された、密着手段の上から服本体の一部又は全部を覆うように服本体に装着され、服本体との間の空間において空気を身体に沿って所定方向に案内するためのものであって、一又は複数の開口孔と、一又は複数の開口孔の近傍を除く所定部位に設けられた、空気を外部に排出するための一又は複数の空気排出部と、所定の端部に設けられた、空気が当該端部から外部に漏れるのを防ぐための空気漏れ防止手段とを有する空気案内手段と、一又は複数の開口孔の周囲における空気案内手段の部位に取り付けられた、空気を外部から取り込んで空気案内手段と服本体との間の空間に空気の流れを強制的に生じさせる一又は複数のファンと、一又は複数のファンに電力を供給するための電源装置と、を備え、一又は複数のファンを駆動して外部の空気を一又は複数のファンから空気案内手段と服本体との間に取り込むことにより空気案内手段と服本体との間の空間内の圧力を陽圧にして空気案内手段と服本体との間に空気流通路を形成し、その取り込んだ空気を空気流通路に流通させて一又は複数の空気排出部から外部に排出することにより空気流通路内を流通する空気によって服本体を介して身体を冷却することを特徴とするものである。ここで、「服本体に装着する」というのは、服本体に取り付けること、又は、服本体の上から着用することを意味する。
本発明に係る空調特殊服では、服本体の外側に密着手段、空気案内手段やファン等の各部を設けたことにより、それら各部が服本体の有する本来の機能に影響を及ぼすことはない。このため、服本体として、例えば、液体又は気体に含まれている有害物質が服本体内に浸入することを防護する機能を有するもの、又は、身体又は下着から出た塵が服本体の外側に流出することを防止する機能を有するものを用いると、服本体は、防護服又は防塵服としての機能を発揮することができる。また、服本体の外側に設けた各部は、空調服を実現するための構成要素である。特に、服本体を身体又は下着に密着させる密着手段を設けたことにより、身体又は下着と服地部との間の温度勾配、湿度勾配を大きくすることができると共に、空気案内手段と服本体との間の空間(空気流通路)を十分に且つ確実に確保することができる。このため、外部の空気をファンから空気案内手段と服本体との間の空気流通路内に取り込み、その取り込んだ空気を空気流通路内に流通させて空気排出部から外部に排出することにより、その空気流通路内を流通する空気によって身体を冷却することができる。更に、第一シート状素材として透湿性を有するものを用いると、空気流通路内を流通する空気が、第一シート状素材を介して空気流通路内に透過してきた身体からの汗を蒸発させることができるので、その蒸発の際の気化熱により身体をより効果的に冷却することができる。
本発明に係る空調特殊服では、服本体の外側に密着手段、空気案内手段やファン等の各部を設けたことにより、それら各部が服本体の有する本来の機能に影響を及ぼすことはない。また、服本体の外側に設けた各部は空調服を実現するための構成要素であり、特に、服本体を身体又は下着に密着させる密着手段を設けたことにより、身体又は下着と服地部との間の温度勾配、湿度勾配を大きくすることができると共に、空気案内手段と服本体との間の空間(空気流通路)を十分に且つ確実に確保して、空気を空気流通路内に流通させることができるので、その空気流通路内を流通する空気により身体を冷却することができる。このように、本発明の空調特殊服は、簡易な構成であるにもかかわらず、服本体が本来有する機能と空調服としての機能とを兼ね備えている。
図1(a)は本発明の一実施形態である空調特殊服の概略正面図、図1(b)はその空調特殊服の概略裏面図である。 図2(a)は空気案内手段、ファン及び電源装置が取り除かれた状態の空調特殊服の概略正面図、図2(b)はその空調特殊服の概略裏面図である。 図3は服本体の外側に身体に沿って空気が流れている場合に身体からの距離とその距離の位置での温度との関係を示す図である。 図4(a)は通常の空調服の概略正面図、図4(b)はその空調服の概略裏面図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための形態について説明する。図1(a)は本発明の一実施形態である空調特殊服の概略正面図、図1(b)はその空調特殊服の概略裏面図である。図2(a)は空気案内手段、ファン及び電源装置が取り除かれた状態の空調特殊服の概略正面図、図2(b)はその空調特殊服の概略裏面図である。
本実施形態の空調特殊服1は、空調服の機能を備えた、特別な用途に用いられる特殊服であり、図1及び図2に示すように、服本体10と、密着手段20と、空気案内手段30と、二つのファン40,40と、電源装置50と、電源ケーブル60とを備える。ここで、詳しくは後述するが、密着手段20は服本体10の所定部位に取り付けられ、空気案内手段30はその密着手段20の上からそれを覆うようにして服本体10に装着されている。また、空気案内手段30には二つのファン40,40及び電源装置50が取り付けられている。このため、図2に示す空気案内手段30が取り除かれた状態の空調特殊服1は、服本体10とそれに取り付けられた密着手段20とからなる。
服本体10は、所定の第一シート状素材で作製された、身体を覆う衣服である。本実施形態では、服本体10として、液体又は気体に含まれている有害物質が服本体内に浸入することを防護する機能を有するもの、すなわち防護服(化学防護服、放射線防護服等)を用いることにする。したがって、第一シート状素材としては、汚染された空気や汚染された液体の浸入を防ぐことができると共に透湿性を有する素材、例えば不織布が用いられている。また、本実施形態では、服本体10をつづき服の形状に形成している。すなわち、服本体10は、上半身及び下半身を覆うと共にフードにより頭部を覆うことができる。また、服本体10の前部には、ファスナー(開閉手段)11が設けられている。このファスナー11は、服本体10を着用する際にその前部を開閉するためのものである。このような防護服(服本体10)としては、市販されているものを用いることができる。
密着手段20は、服本体10の所定部位を外側から内側に押し付けるようにして服本体10の当該所定部位を身体又は下着に密着させるためのものである。本実施形態では、密着手段20を、伸縮性を有する略長方形状のメッシュ状素材で作製している。この密着手段20は、図2に示すように、服本体10の胴部を覆うように服本体10の外側に配置され、そして、密着手段20の左右の端部がファスナー11の両側の近傍に固着されている。ここで、密着手段20を固着する方法としては、糸で縫い付ける方法や両面テープで貼り付ける方法等を用いることができる。このように、伸縮性を有するメッシュ状素材が服本体10の胴部を外側から内側に押し付けることにより、服本体10の胴部は身体又は下着に確実に密着することになる。
空気案内手段30は、密着手段20の上から服本体10の一部又は全部を覆うように服本体10に装着され、この空気案内手段30と服本体10との間の空間において空気を身体に沿って所定方向に案内するためのものである。この空気案内手段30は、通気性の小さな又は通気性のない略長方形状の第二シート状素材で作製される。例えば、第二シート状素材としては、ポリエチレンシートが用いられる。本実施形態では、空気案内手段30により密着手段20を覆うことができるように、第二シート状素材のサイズを密着手段20のサイズと略同じにしている。空気案内手段30は、図1に示すように、密着手段20が設けられた服本体10の胴部を覆い且つファスナー11を覆わないように配置され、そして、空気案内手段30の下端部がそれと対向する服本体10の部位に固着されると共に、空気案内手段30の左右の端部がファスナーの両側の近傍に固着されている。また、空気案内手段30の上端部のうち胸部に相当する部分の一部はそれと対向する服本体10の部位に固着されている。ここで、空気案内手段30を固着する方法としては、糸で縫い付ける方法や両面テープで貼り付ける方法等を用いることができる。図1では、服本体10に固着された空気案内手段30の部分を太線で示している。一方、空気案内手段30の上端部のうち背部に相当する部分の中央部と、この中央部に対向する服本体10の部分とには、面状ファスナー35が設けられている。このため、空気案内手段30の上端部のうち背側の中央部は面状ファスナー35により服本体10に着脱自在に取り付けられる。
本実施形態の空気案内手段30は、二つの開口孔と、複数の空気排出部32,32,・・・と、空気漏れ防止手段33と、電源収納ポケット34とを有する。二つの開口孔はそれぞれ、空気案内手段30の所定部位、具体的には腰部に相当する左右の下端部に形成されている。かかる開口孔にファン40が取り付けられる。すなわち、開口孔の周囲における空気案内手段30の部分はファン取付部となっている。
空気排出部32は、空気案内手段30と服本体10との間の空間を流通する空気を外部に排出するためのものであり、開口孔の近傍を除く空気案内手段30の所定部位に、具体的には開口孔と反対側に位置する空気案内手段30の上端部に設けられている。本実施形態では、上述のように、空気案内手段30の下端部、左右の端部、及び上端部の一部が服本体10に固着され、空気案内手段30の背部の上端部の中央部が面状ファスナー35により服本体10に取り付けられており、これにより、空気案内手段30の上端部のうち服本体10に固着されていない部分及び取り付けられていない部分には複数の開放部が形成される。これら複数の開放部が空気排出部32である。
空気漏れ防止手段33は、空気案内手段30の所定の端部に設けられた、空気案内手段30と服本体10との間の空間にある空気が当該端部から外部に漏れるのを防ぐためのものである。本実施形態では、服本体10に固着されている空気案内手段30の所定の端部、及び面状ファスナー35が空気漏れ防止手段33としての役割を果たしている。
電源収納ポケット34は、電源装置50を収納するためのものである。この電源収納ポケット34は、図1(a)に示すように、空気案内手段30の表側であって右前側の下端部に形成されている。電源装置50は、二つのファン40,40に電力を供給するためのものである。また、電源装置50と二つのファン40,40とは電源ケーブル60により電気的に接続されている。ここで、空気案内手段30の所定箇所には電源ケーブル60を通すためのケーブル用孔が形成されている(図1(b)参照)。
ファン40は、空気を外部から取り込んで、空気案内手段30と服本体10との間の空間に空気の流れを強制的に生じさせるものである。このファン40は、図1(b)に示すように、空気案内手段30のファン取付部に着脱自在に取り付けられる。本実施形態の空調特殊服1で使用するファン40としては、一般の空調服で使用するファンと同じものを用いている。すなわち、ファン40は、ファン本体と、ファン本体を空気案内手段30に取り付けるための取付けリング(取付部品)とを備えている。ファン本体を、空気案内手段30に形成された開口孔に挿入し、ファン本体に設けたフランジ部と取付けリングとによりファン取付部を挟み込むことにより、ファン40がファン取付部に取り付けられる。尚、一般の空調服で使用するファンの構造及びファンの取付け方法は、例えば再公表特許第WO2006−090677号公報に詳しく開示されている。このため、ここでは、ファン40の構造及びファン40の取付け方法についての詳しい説明を省略する。
次に、本実施形態の空調特殊服1を着用する際の手順について説明する。
まず、使用者は、空気案内手段30の後側の中央部に設けられた面状ファスナー35と服本体10に設けられた面状ファスナーとを切り離し、空気案内手段30の後側において、空気案内手段30の上端部と服本体10との間を広く開口させる。これにより、使用者は、この開口している部分から空気案内手段30と服本体10との間に容易に手を差し込むことができる。
次に、使用者は、一方の手を上記開口している部分から空気案内手段30と服本体10との間に差し入れ、もう一方の手を空気案内手段30の外側に配して、各ファン40をファン取付部に取り付ける作業を行う。その後、電源ケーブル60を空気案内手段30の内側に入れ、電源ケーブル60の電源側の端子をケーブル用孔から外側に引き出す。そして、電源ケーブル60のファン側の二つの端子をそれぞれ、各ファン40,40に接続する。こうしてファン40,40の取付けと電源ケーブル60の接続とを行った後、使用者は、空気案内手段30に設けられた面状ファスナー35と服本体10に設けられた面状ファスナーとを貼り付ける。
次に、使用者は、ケーブル用孔から外側に引き出された電源ケーブル60の所定部位を空気案内手段30にケーブル留め(不図示)で固定する。そして、電源ケーブル60の電源側の端子を、電源収納ポケット34に収納された電源装置50に接続する。こうして電気的な接続が完了した後、使用者は空調特殊服1を着用する。
次に、本実施形態の空調特殊服1の動作を詳しく説明する。
使用者が電源装置50のスイッチ(不図示)を操作すると、二つのファン40,40は動作を開始し、外部の空気が各ファン40から空気案内手段30の内側に取り込まれる。これにより、空気案内手段30と服本体10との間の空間内の圧力が陽圧になり、空気案内手段30と服本体10との間に空気流通路が自動的に形成される。各ファン40から取り込まれた空気は空気流通路内を上方に移動し、各空気排出部32から外部に排出される。このように、服本体10の外側に設けた密着手段20、空気案内手段30、ファン40等の各部は、空調服としての機能を服本体10に付与することができる。特に、本実施形態では、密着手段20が服本体10を身体又は下着に密着させていることにより、空気案内手段30と服本体10との間の空気流通路を十分に且つ確実に確保することができる。したがって、本実施形態の空調特殊服1は、通常の空調服と同様に、空気流通路内を流通する空気により服本体10を介して身体を冷却することができる。例えば、外気温が体表面温度(一般的な体形の人では33°C程度)よりも低い場合、空気流通路を流通する外気の温度と使用者の体表面温度との温度差により、身体が冷却される。また、本実施形態では、第一シート状素材(服本体部10の素材)として透湿性を有するものを用いたことにより、身体から出た汗は第一シート状素材を透過して空気流通路内に入り込むことができる。このため、空気流通路内を流通する空気が第一シート状素材を介して空気流通路内に透過してきた身体からの汗を蒸発させ、その蒸発の際の気化熱により身体をより効果的に冷却することができる。
ここで、密着手段20の役割について詳しく説明する。
いま、密着手段20が設けられておらず、身体と服本体10との間に幅10mmの空間が生じている場合を考える。図3は服本体10の外側に身体に沿って空気が流れている場合に身体からの距離とその距離の位置での温度との関係を示す図である。ここでは、人の体表面温度を33°C、空気の温度を25°Cとしている。服本体10の外表面が大量の空気により冷却され、服本体10の外表面の温度が25°Cになったとしても、図3に示すように、身体の表面と服本体10との間における温度勾配は緩やかである。これは、身体の表面と服本体10とがその間にある空気により断熱され、身体から発生する熱が効率よく外部に放出することができないからである。このため、身体からごく僅かな距離だけ離れたところの温度は33°Cより僅かしか低くならず、したがって、服本体10の外側に身体に沿って大量の空気を流したとしても身体を有効に冷却することができない。これに対し、本実施形態では、服本体10の外側に密着手段20を設け、この密着手段20が服本体10を身体又は下着に密着させていることにより、身体と服本体10との間の断熱層をなくすことができる。このため、身体からごく僅かな距離だけ離れたところに25°Cの空気を大量に流通させることができるので、その空気は身体から多量の熱を奪い、身体を効果的に冷却することができる。尚、湿度についても温度と同様に、服本体を身体に密着させることにより、湿度勾配を大きくすることができるので、身体から出た汗を効率よく服本体の外側に放出することができる。
次に、本実施形態の空調特殊服1を脱ぐ手順について説明する。
使用者は、まず、電源収納ポケット34から電源装置50を取り出し、電源装置50と電源ケーブルとの接続を解除することにより、電源装置50を取り外す。次に、使用者は、空調特殊服1を脱ぐ。その後、その脱いだ空調特殊服1に対して、空気案内手段30に設けられた面状ファスナー35と服本体10に設けられた面状ファスナーとを切り離し、空気案内手段30の上端部と服本体10との間に手を差し込んで、ファン40,40と電源ケーブル60との接続を解除し、ファン40,40を空気案内手段30から取り外す。本実施形態では、服本体10として防護服を用いているので、取り外した後の電気部品(ファン40、電源装置50、電源ケーブル60)は汚染されている可能性があり、適切に処理する必要がある。汚染されている電気部品は、通常そのまま廃棄されるが、場合によっては洗浄して再使用されることもある。
本実施形態の空調特殊服では、服本体の外側に密着手段、空気案内手段やファン等の各部を設けたことにより、それら各部が服本体の有する本来の機能に影響を及ぼすことはない。このため、服本体として液体又は気体に含まれている有害物質が服本体内に浸入することを防護する機能を有するものを用いたことにより、服本体は防護服としての機能を発揮することができる。また、服本体の外側に設けた各部は、空調服を実現するための構成要素である。特に、服本体を身体又は下着に密着させる密着手段を設けたことにより、身体又は下着と服地部との間の温度勾配、湿度勾配を大きくすることができると共に、空気案内手段と服本体との間の空間(空気流通路)を十分に且つ確実に確保することができる。このため、外部の空気をファンから空気案内手段と服本体との間の空気流通路内に取り込み、その取り込んだ空気を空気流通路内に流通させて空気排出部から外部に排出することにより、その空気流通路内を流通する空気によって身体を冷却することができる。更に、本実施形態では、第一シート状素材として透湿性を有するものを用いたことにより、空気流通路内を流通する空気が第一シート状素材を透過してきた身体からの汗を蒸発させることができるので、その蒸発の際の気化熱により身体をより効果的に冷却することができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、空気排出部が、空気案内手段の上端部のうち服本体に固着されていない部分及び取り付けられていない部分に形成される開放部である場合について説明したが、空気排出部は空気案内手段の端部より少し内側にその端部と略平行に形成された切込み部であってもよい。この場合、切込み部を予め空気案内手段の端部の内側に形成しておき、当該端部を服本体に固着することにより、空気排出部を気にすることなく空気案内手段の取付け作業を行うことができるので、空調特殊服の製造効率の向上を図ることができる。尚、一般には、一又は複数の空気排出部の全部又は一部を空気案内手段の所定の端部の内側の近傍に設け、その設けられた空気排出部に対応する空気案内手段の所定の端部を服本体に固着するようにすればよい。
上記の実施形態では、空気案内手段に二つのファンを設けた場合について説明したが、空気案内手段に一つ又は三つ以上のファンを設けるようにしてもよい。この場合、空気案内手段には、ファンの数に応じた数の開口孔を形成する必要がある。
また、上記の実施形態では、ファンを空気案内手段の下端部に取り付け、複数の空気排出部を空気案内手段の上端部に形成した場合について説明したが、ファンを空気案内手段の上端部に取り付け、複数の空気排出部を空気案内手段の下端部に形成するようにしてもよい。尚、空気排出部は一つだけ設けるようにしてもよい。
更に、上記の実施形態では、空気案内手段が服本体との間の空間において空気を身体に沿って上方に案内する場合について説明したが、開口孔、空気排出部及び空気漏れ防止手段を設ける位置を変更することにより、空気案内手段は服本体との間の空間において空気を身体の胴に沿って横方向に案内するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、第一シート状素材として透湿性を有するものを用いた場合について説明したが、外気温があまり高くない場合、第一シート状素材として透湿性のないものを用いて服本体を作製するようにしてもよい。外気温があまり高くない場合には、外気の温度と体表面温度との温度差だけで、身体を十分に冷却することができるからである。
上記の実施形態では、密着手段及び空気案内手段を、服本体の胴部を覆うようにして服本体に装着することにより、身体の胴部を冷却する場合について説明したが、密着手段及び空気案内手段を服本体の所望の部位に装着することにより、当該部位を冷却することができる。また、密着手段及び空気案内手段としては、略長方形状のものに限らず、任意の形状のものを用いることができる。一般に、密着手段は、服本体の一部又は全部を身体又は下着に密着させるものであればよく、空気案内手段は、服本体の一部又は全部を覆うように服本体に装着されるものであればよい。具体的に、例えば密着手段や空気案内手段は、ベスト状であってもよいし、上着状やつづき服状であってもよい。
また、上記の実施形態では、密着手段を服本体の外側に配置し、密着手段の所定の端部を服本体に固着した場合について説明したが、密着手段を服本体の内側に配置し、密着手段の所定の端部を服本体に固着してもよい。この場合も、密着手段が服本体を身体又は下着に押し付けることにより、密着手段が装着された服本体の部位は身体又は下着に密着することになる。
また、上記の実施形態では、密着手段として伸縮性を有するメッシュ状素材で作製されたものを用いた場合について説明したが、密着手段としては、ベルトやベルト状の締め付け具等、各種の手段を用いることができる。例えば、密着手段として複数のベルトを用いる場合には、使用者は、まず、服本体を着用し、次に、服本体の所定部位に各ベルトを取り付けた後、服本体が身体又は下着に密着するように、その取り付けた各ベルトの締め付け具合を調整すればよい。
また、上記の実施形態では、密着手段と空気案内手段とを予め服本体に取り付けておく場合について説明したが、密着手段と空気案内手段は必ずしも予め服本体に取り付けておく必要はない。例えば、密着手段として衣服の形状に形成されたものを用い、空気案内手段として通常の空調服を用いることができる。この場合には、使用者は、服本体(防護服)の上に密着手段を着用した後、その密着手段の上にさらに空調服を着用する。このため、本明細書においては、「服本体に装着する」というのは、服本体に取り付けること、又は、服本体の上から着用することを意味する。
更に、上記の実施形態では、服本体として、液体又は気体に含まれている有害物質が服本体内に浸入することを防護する機能を有する防護服を用いた場合について説明したが、服本体としては、身体又は下着から出た塵が服本体の外側に流出することを防止する機能を有する防塵服を用いてもよい。この場合、本発明の空調特殊服は防塵服としての機能と空調服としての機能とを兼ね備えることになる。したがって、このような空調特殊服は、例えば、精密機器の製造工程で使用されるクリーンルームや、品質確保が要求される食品加工工場等において使用することができる。また、服本体として、救急活動に携わる人が着用する感染防止服等を用いてもよい。
以上説明したように、本発明に係る空調特殊服では、服本体の外側に密着手段、空気案内手段やファン等の各部を設けたことにより、それら各部が服本体の有する本来の機能に影響を及ぼすことはない。また、服本体の外側に設けた各部は空調服を実現するための構成要素であり、特に、服本体を身体又は下着に密着させる密着手段を設けたことにより、身体又は下着と服地部との間の温度勾配、湿度勾配を大きくすることができると共に、空気案内手段と服本体との間の空間(空気流通路)を十分に且つ確実に確保して、空気を空気流通路内に流通させることができるので、その空気流通路内を流通する空気により身体を冷却することができる。このように、本発明の空調特殊服は、簡易な構成であるにもかかわらず、服本体が本来有する機能と空調服としての機能とを兼ね備えている。したがって、本発明は、空調服としての機能を兼ね備えた、化学防護服、放射線防護服、クリーンルーム用防塵服等として用いるのに好適である。
1 空調特殊服
10 服本体
11 ファスナー(開閉手段)
20 密着手段
30 空気案内手段
40 ファン
50 電源装置
60 電源ケーブル
32 空気排出部
33 空気漏れ防止手段
34 電源収納ポケット
35 面状ファスナー

Claims (7)

  1. 透湿性を有する所定の第一シート状素材で作製された、身体を覆う服本体と、
    前記服本体の所定部位を外側から内側に押し付けるように前記服本体に装着された、前記服本体の当該所定部位を身体又は下着に密着させて前記服本体と身体との間の断熱層をなくすことにより身体又は下着と前記服本体との間の温度勾配、湿度勾配を大きくするための密着手段と、
    通気性の小さな又は通気性のない第二シート状素材で作製された、前記密着手段の上から前記服本体の一部又は全部を覆うように前記服本体に装着され、前記服本体との間の空間において空気を身体に沿って所定方向に案内するためのものであって、一又は複数の開口孔と、前記一又は複数の開口孔の近傍を除く所定部位に設けられた、空気を外部に排出するための一又は複数の空気排出部とを有する空気案内手段と、
    前記一又は複数の開口孔の周囲における前記空気案内手段の部位に取り付けられた、空気を外部から取り込んで前記空気案内手段と前記服本体との間の空間に空気の流れを強制的に生じさせる一又は複数のファンと、
    前記一又は複数のファンに電力を供給するための電源装置と、
    を備え、
    前記服本体は、液体又は気体に含まれている有害物質が前記服本体内に浸入することを防護する機能を有する防護服、身体又は下着から出た塵が前記服本体の外側に流出することを防止する機能を有する防塵服、或いは、救急活動に携わる人が着用する感染防止服であり、
    前記密着手段により、前記密着手段が当接する前記服本体の前記所定部位と前記空気案内手段との間の空間を確保して、前記一又は複数のファンを駆動して外部の空気を前記一又は複数のファンから前記空気案内手段と前記服本体との間に取り込むことにより前記空気案内手段と前記服本体との間の空間内の圧力を陽圧にして前記空気案内手段と前記服本体との間に空気流通路を形成し、前記空気流通路内を流通する空気によって前記第一シート状素材を介して前記空気流通路内に透過してきた身体からの汗を蒸発させ、その蒸発の際の気化熱により身体を冷却することを特徴とする空調特殊服。
  2. 前記空気案内手段は、所定の端部に設けられた、空気が当該端部から外部に漏れるのを防ぐための空気漏れ防止手段を有することを特徴とする請求項1記載の空調特殊服。
  3. 前記空気案内手段の所定の端部は前記服本体に固着されており、前記空気漏れ防止手段は前記服本体に固着されている前記空気案内手段の所定の端部であることを特徴とする請求項2記載の空調特殊服。
  4. 前記服本体はその前部に設けられた開閉手段としてのファスナーを有しており、前記密着手段は伸縮性を有するメッシュ状素材で作製され、前記密着手段の左右の端部は前記ファスナーの両側の近傍に固着されていることを特徴とする請求項1、2又は5記載の空調特殊服。
  5. 前記服本体はその前部に設けられた開閉手段としてのファスナーを有しており、前記空気案内手段は前記ファスナーを覆うことなく前記空気案内手段の所定の端部は前記ファスナーの両側の近傍に固着されていることを特徴とする請求項1、2、5又は6記載の空調特殊服。
  6. 前記一又は複数の空気排出部の全部又は一部は前記空気案内手段の所定の端部の内側の近傍に設けられ、その設けられた前記空気排出部に対応する前記空気案内手段の前記所定の端部は前記服本体に固着されていることを特徴とする請求項1、2、5又は6記載の空調特殊服。
  7. 前記密着手段と前記空気案内手段とはそれぞれ前記服本体に取り付けられておらず、前記密着手段は前記服本体の上に着用され、前記空気案内手段は前記密着手段の上に着用されることを特徴とする請求項1又は2記載の空調特殊服。
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