JP6374335B2 - 軸止め構造 - Google Patents
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Description
このシーソースイッチは、二つのボタン面を一体に備えたスイッチ部材と、このスイッチ部材の外周を取り囲むハウジングと、このハウジングの側面からスイッチ部材へ向けて串刺し状に打ち込む支軸との3者を組み立ててある。
なお、支軸を打ち込むためにハウジングに設けられている孔は、打ち込み後の支軸が軸方向に移動したり抜け出したりしないようにするため、支軸の軸径よりも径小に形成されていた。要するに、支軸の打ち込みは圧入作業になる。そのため、支軸の打ち込み時において支軸やハウジングの破損は、実はよく起こり得るものであった。
具類を配置する部位で周辺部材との接触干渉が問題視されることが多く、可能な限りコンパクトにすることが要請されるのが一般的である。従って、可動部材を支軸で支持するための新たな支持構造を工夫するうえでは、構造を大型化させないことが枢要とされる。
即ち、本発明に係る軸止め構造は、貫通する軸孔を備えた可動部材と、前記可動部材の前記軸孔に両端を突き出させて挿入されることで当該可動部材を揺動自在又は回転自在に保持する支軸と、前記可動部材から突き出た前記支軸の軸端部を非圧入保持して当該支軸を両端支持状態にする一対のブラケットと、を有しており、前記支軸には一方の前記ブラケットで支持される前記軸端部に隣接すると共に前記可動部材内に収まる配置で軸径より径小の周溝部が形成されており、前記可動部材には前記支軸の前記周溝部まわりを取り巻く配置で環状凹部が形成されており、前記可動部材の前記環状凹部にはバネ弾性に抗しつつ拡径自在とする筒状の嵌着部材が収容され、前記環状凹部は前記嵌着部材を収める内径のまま側方へ開放されていると共に、前記支軸の前記周溝部以外の軸外面に嵌め付けられる嵌着部材を収容可能な内径に形成されており、前記嵌着部材は、縮径状態において前記支軸の軸径より径小の内径と前記環状凹部の内径に収まりながらも前記可動部材の前記軸孔よりは径大の外径とを有し、前記可動部材における前記環状凹部の開放部位を覆う配置で設けられる片側の前記ブラケットには、前記支軸を保持する部分に、前記環状凹部内で前記支軸の前記周溝部に嵌って縮径状態となった前記嵌着部材が前記環状凹部から抜け出すのを防止する軸受け孔が形成されていることを特徴とする。
前記一対のブラケットは前記可動部材の揺動又は回転を妨げない配置として前記支軸に並行して設けられる連結部材により相互連結された構成とするのが好適である。
前記支軸は両側の軸端部が前記一対のブラケットから外方へ非突出状態に支持される長さで形成されたものとするのが好適である。
また、可動部材を揺動自在又は回転自在に保持させた状態で、支軸を支持する部位から外方へ向けて支軸が突き出さない構造を実現できるので、周辺部材との接触干渉が防止され、構造の大型化防止が図れるようになった。
図1乃至図3は、本発明に係る軸止め構造1を、引き戸用鎌錠を操作するシーソースイッチ3の主要部分に適用した実施形態を示している。このシーソースイッチ3において、本発明に係る軸止め構造1は、スイッチ部材を形成している可動部材5と、この可動部材5を揺動自在に保持するための支軸6と、この支軸6を両端支持するための一対のブラケット7,8とを有している。
従って、箱形ハウジングの裏板要素や、ブラケット7,8と直交する一対の側面要素は、いずれも支軸6に並行となる配置で両ブラケット7,8の相互間隔を固定する連結部材14(裏板要素のみに符号[14]を付した)である、と言うことができる。言うまでもなく、この連結部材14は可動部材5の揺動を妨げない配置とすることが重要である。なお、裏板要素としている連結部材14には、可動部材5に設けられた揺動杆11を後方へ突き抜けさせるための開口15が形成されている。
本実施形態において、一方のブラケット7の軸受け孔7aは、支軸6の挿通は容易に行えるが挿通後の支軸6はガタツキのない状態に安定して保持できる孔径で形成されている。これに対し、他方のブラケット8の軸受け孔8aは、ブラケット7の軸受け孔7aよりも径小化してある。そしてこの軸受け孔8aに挿通することになる支軸6の軸端部には、段付き細径部6aを設け、この段付き細径部6aとブラケット8の軸受け孔8aとがガタツキのない嵌合をするように関連付けしてある。そのため、ブラケット7,8に対して支軸6を挿入すると、支軸6の段付き細径部6aがブラケット8の軸受け孔8aに係合して当て止めされ、それ以上の挿入が規制されるから、結果として支軸6の差込量が一定化される。
いて少し内側に入り込んだ配置とされている。具体的には、ブラケット7により支持される軸端部に隣接する配置であって、且つ可動部材5内に収まる配置としてある。
嵌着部材30は、周方向の一箇所に分断部33が形成された筒状のリングであって、この分断部33の幅を拡縮させるようにして内径をバネ弾性に抗しつつ拡径させることができる。この嵌着部材30は、常態(縮径方向の外力が無負荷であって拡径方向のバネ力も生じていない状態)の内径が支軸6の軸径よりも径小となるように形成されている。この常態において、分断部33が開いているか閉じているかは、いずれでもよい。
このような本発明に係る軸止め構造1を備えて成るシーソースイッチ3を組み立てるには、まず、可動部材5の環状凹部32に嵌着部材30を嵌め入れる。そして、可動部材5をブラケット7,8の間に嵌め入れた後に、ブラケット7の側面部外側から軸受け孔7a、嵌着部材30、可動部材5の軸孔12、ブラケット8の軸受け孔8aへと渡って支軸6を押し込み、この支軸6でこれらを串刺し状に貫通させる。
この貫通の途中経過を示す図3(b)から明らかなように、支軸6における押し込み方向の先端(段付き細径部6a)が嵌着部材30に差し込まれる当初、嵌着部材30は、一旦内径を支軸6の軸径まで拡径させるが、支軸6の押し込みを続けて周溝部31が嵌着部材30に達すると、嵌着部材30は分断部33を閉じる方向に作用するバネ力で、周溝部31の外径に合わせて縮径する。従って、この後、嵌着部材30が支軸6の周溝部31へ嵌り込んだ状態が嵌着部材30のバネ力にバックアップされつつ係合保持されるため、支軸6は軸方向の移動が阻止される(抜け止めされる)ことになる。
以上詳説したところから明らかなように、本発明に係る軸止め構造1では、熟練を必要としない程度に組み立て作業の容易化が図られておる、また作業の高効率化が可能となっている。そのため、製品全体としての低コスト化等に繋がる。またブラケット7,8から外方へ向けて支軸6が突き出さない構造を実現できるので、周辺部材との接触干渉が防止され、構造の大型化防止が図られる。
をブラケット7,8で支持することにより、この支軸6のまわりで可動部材5を回転自在に保持するようになっている。すなわち、可動部材5は回転部材である。ブラケット7,8は互いに別部材としてT型又はL型等に形成され(図例はT型)、これら両ブラケット7,8がベースとしての連結部材14に結合されている。本第2実施形態におけるその他の構成や作用効果は第1実施形態と略同様であり、同一作用を奏するものに同一符号を付することでここでの詳説は省略する。
なお、本第3実施形態において可動部材5は中実棒としているが、支軸6を差し込む部位のみを中実構造としその他の部位は中空構造(パイプ材)としてもよい。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、嵌着部材30は筒状のものを示したが、線材をリング状に曲げることで形成してもよい。
3 シーソースイッチ
5 可動部材
6 支軸
6a 細径部
7 ブラケット
7a 軸受け孔
8 ブラケット
8a 軸受け孔
10 ボタン面
11 揺動杆
12 軸孔
14 連結部材
15 開口
30 嵌着部材
31 周溝部
32 環状凹部
33 分断部
40 鎌錠
41 駆動レバー
42 入力端部
44 デッドボルト
45 鎌
Claims (4)
- 貫通する軸孔を備えた可動部材と、
前記可動部材の前記軸孔に両端を突き出させて挿入されることで当該可動部材を揺動自在又は回転自在に保持する支軸と、
前記可動部材から突き出た前記支軸の軸端部を非圧入保持して当該支軸を両端支持状態にする一対のブラケットと、を有しており、
前記支軸には一方の前記ブラケットで支持される前記軸端部に隣接すると共に前記可動部材内に収まる配置で軸径より径小の周溝部が形成されており、
前記可動部材には前記支軸の前記周溝部まわりを取り巻く配置で環状凹部が形成されており、
前記可動部材の前記環状凹部にはバネ弾性に抗しつつ拡径自在とする筒状の嵌着部材が収容され、
前記環状凹部は前記嵌着部材を収める内径のまま側方へ開放されていると共に、前記支軸の前記周溝部以外の軸外面に嵌め付けられる嵌着部材を収容可能な内径に形成されており、
前記嵌着部材は、縮径状態において前記支軸の軸径より径小の内径と前記環状凹部の内径に収まりながらも前記可動部材の前記軸孔よりは径大の外径とを有し、
前記可動部材における前記環状凹部の開放部位を覆う配置で設けられる片側の前記ブラケットには、前記支軸を保持する部分に、前記環状凹部内で前記支軸の前記周溝部に嵌って縮径状態となった前記嵌着部材が前記環状凹部から抜け出すのを防止する軸受け孔が形成されている
ことを特徴とする軸止め構造。 - 前記嵌着部材は、周方向の一部に分断部を形成した割リングであることを特徴とする請求項1記載の軸止め構造。
- 前記一対のブラケットは前記可動部材の揺動又は回転を妨げない配置として前記支軸に並行して設けられる連結部材により相互連結されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軸止め構造。
- 前記支軸は両側の軸端部が前記一対のブラケットから外方へ非突出状態に支持される長さで形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の軸止め構造。
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